JP3737706B2 - 不良刷本排出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の印刷済の枚葉刷本の不良品を確実に排出することができる枚葉刷本の集積システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に印刷済の枚葉刷本は、枚葉印刷機の下流側に設けられた搬送装置により複数搬送されて集積部へ送られ、この集積部で集積される。枚葉刷本は、印刷工程中において不良品が発生した場合、この不良品には集積部において例えば目印となるラベルが貼付される。ラベルが貼付された不良品はその後、集積された枚葉刷本から抜き取られ良品のみが再度積み直される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、印刷工程中において枚葉刷本中に不良品が発生すると、この不良品にラベルを貼付し、その後ラベルが貼付された不良品をオペレータが選択して抜き取り、再度積みなおさなければならず、多くの作業を要していた。
【0004】
また、抜き取り忘れにより、不良品が混入してしまうおそれがあるため、何回もの確認作業を要していた。
【0005】
本発明はこのような点に考慮してなされたものであり、容易かつ確実に枚葉刷本から不良品を抜き取ることができる枚葉印刷機の不良刷本排出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、枚葉印刷機の下流側に設けられ、複数の印刷済みの枚葉刷本を連続的に搬送する搬送装置と、搬送装置により搬送された枚葉刷本と当接して枚葉刷本を停止させるストッパが開閉自在に設けられた集積部と、枚葉刷本の印刷状態を検知する検知部と、ストッパの下流側に設けられ、ストッパを通過する枚葉刷本を挟持して排出する送り機構とを備え、送り機構は一対の一次ニップローラと、一対の二次ニップローラとを有し、検知部からの良品検知信号に基づいて制御部によりストッパを閉となるよう制御し、検知部からの不良品検知信号に基づいて制御部によりストッパを開となるよう制御するとともに、一対の一次ニップローラおよび一対の二次ニップローラを駆動することを特徴とする不良刷本排出装置である。
【0007】
本発明によれば、検知部から良品信号が制御部に入力されると、制御部はストッパを閉とし、枚葉刷本の良品は吸引車の吸引力によりブレーキがかけられストッパに当接して集積部へ落下し集積部内で集積される。検知部から不良品信号が制御部に入力されると、制御部はストッパを開とするとともに吸引車の吸引力を弱め、刷本の不良品にブレーキをかけず一対の一次ニップローラと一対の二次ニップローラを駆動して不良品を確実に外部へ放出することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
図1および図2は、本発明による枚葉刷本の集積システムの一実施の形態を示す図である。
【0010】
図1および図2に示すように、枚葉刷本の集積システムは枚葉印刷機(図示せず)の下流側に設けられるとともに、厚紙で構成された複数の印刷済枚葉刷本20を連続的に搬送する搬送装置11と、搬送装置11により搬送された複数の枚葉刷本20を集積する集積部15とを備えている。
【0011】
このうち搬送装置11はスプロケット11bに巻付けられたチェン11aと、チェン11aに取付けられ枚葉刷本20を把持する爪竿12とを有している。また集積部15には、搬送装置11から搬送される枚葉刷本20と当接してこの枚葉刷本20を停止させ、集積部15へ落下させる第1ストッパ13が開閉自在に設けられている。この第1ストッパ13は支軸13aを中心として旋回し、枚葉刷本20と当接する閉位置と、枚葉刷本20と当接しない開位置とをとることができる。
【0012】
なお、第1ストッパ13は開位置において、搬送装置11から搬送される枚葉刷本20の下方に位置して枚葉刷本20の不良品20aを通過させるようになっている。
【0013】
また、第1ストッパ13を支持する支軸13aは、枚葉刷本20の供給方向に直交しており、第1ストッパ13の上方には枚葉刷本20の供給方向と平行に配置された支軸35aにより支持された第2ストッパ35が旋回自在に設けられている。第2ストッパ35は、枚葉刷本20の供給方向に平行する支軸35aを中心として旋回し、枚葉刷本20の不良品20aの上方において枚葉刷本20と当接する閉位置と、枚葉刷本20と当接しない開位置とをとる。この場合、第2ストッパ35は枚葉刷本20の供給方向に沿う支軸35aを中心として旋回するので、第1ストッパ13に比較して迅速に閉位置をとって枚葉刷本20と当接する。
【0014】
さらに第2ストッパ35の近傍には、駆動シリンダ34aにより駆動される突出棒34が進退自在に設けられている。突出棒34は第1ストッパ13および第2ストッパ35が開位置から閉位置へ移行する際、駆動シリンダ34aにより突出し、第1ストッパ13および第2ストッパ35の閉動作の間に合わずに通過してしまう枚葉刷本20を停止させ一旦受けて集積部15へ落下させるようになっている。
【0015】
また、第1ストッパ13および第2ストッパ35の下流側には、不良品20aを送り出す送り機構30が設置されている。送り機構30は、一対の一次ニップローラ31a,31bと、一対の二次ニップローラ32a,32bとからなり、このうち一方の一次ニップローラ31aと、一方の二次ニップローラ32との間に、ベルト33が掛け渡されている。
【0016】
さらにベルト33が掛け渡されたニップローラ31a,32aのうちの一方、例えばニップローラ31aは駆動ローラとなっている。
【0017】
また、他方の一次ニップローラ31bおよび他方のニップローラ32bは、各々駆動機構36,37によりベルト33に対して昇降できるようになっている。
【0018】
さらに第1ストッパ13とニップローラ31aとの間には、不良品20aの通過を検知する通過センサ18が設置されている。
【0019】
また集積部15の上流側には、枚葉刷本20の印刷状態を検知する検知部16が設けられ、検知部16からの検知信号に基づいて制御部17により第1ストッパ13の支軸13a、第2ストッパ35の支軸35a、駆動シリンダ34aおよび駆動機構36,37を駆動制御するようになっている。すなわち制御部17は、検知部16から枚葉刷本20の良品信号が入力された場合に支軸13a,35aを旋回させ第1ストッパ13および第2ストッパ35を閉として枚葉刷本20の良品20bを第1ストッパ13および第2ストッパ35に当接させて集積部15へ落下させる。このとき、制御部17は、駆動シリンダ34aを駆動させ、枚葉刷本を一旦停止させ受ける。突出棒34を突出させて良品20bを一旦停止させて受ける。その後突出棒34を引込め、受けていた良品20を集積部15へ落下させる。また不良品信号が入力されない場合も、ストッパ13は閉となっている。
【0020】
一方、検知部16から枚葉刷本20の不良信号が入力された場合に、支軸13a,35aを旋回させて第1ストッパ13および第2ストッパ35を開として枚葉刷本20の不良品20aを第1ストッパ13および第2ストッパ35に当接させることなく外方へ放出させる。制御部17は、同時に駆動機構36,37を作動させて、一次ニップローラ31と二次ニップローラ32をベルト33側へ降下させてベルト33に当接させる。このとき制御部17はニップローラ31aを駆動させる。またローラの加速がまにあわない場合は常に回転させておいてもよい。なお、オペレータが制御部17を作動させることにより生じるオペレータ信号に基づいて、第1ストッパ13および第2ストッパ35を開とし、枚葉刷本20を外方へ放出させてもよい。
【0021】
また図1に示すように、集積部15の上流側近傍に、搬送装置11により搬送された枚葉刷本20に当接して吸引する吸引車21が設けられている。この吸引車21は吸引口21aを有し、矢印L方向へ回転する。吸引車21は回転速度を低下させることにより、枚葉刷本20との相対速度を大きくして枚葉刷本20を大きく減速させ、回転速度を上昇させることにより、枚葉刷本20との相対速度を小さくして枚葉刷本20に対する減速の程度を小さくするようになっている。
【0022】
吸引車21には吸引ライン24を介して真空ポンプ23が接続され、さらに吸引ライン24には開口26が連通している。また吸引ライン24と開口26との間には、開閉弁25および流量調整弁27が設けられている。さらに、吸引ライン24には、圧力計22が取り付けられており、圧力計22で測定された圧力信号は、圧力表示する表示部28を経た後、あるいは同時に制御部17へ送られる。
【0023】
制御部17は、上述のように検知器16からの信号に基づいて支軸13a,35a、駆動シリンダ34a、および駆動機構36,37を制御するとともに開閉弁25を開閉する。同時に制御部17は、圧力計22からの信号に基づいて開閉弁25を調整する。開閉弁25が開となると、真空ライン24内に大気が流入し、吸引車21の吸引力が低下する。一方開閉弁25が閉となると、吸引車21の吸引力が上昇する。
【0024】
また開開弁25を開いたときの圧力を調整するため、調整弁27の弁開度を調整しても良い。
【0025】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0026】
印刷され比較的厚紙で構成された枚葉刷本20はチェン11aに設けられた閉状態の爪竿12によって把持され、集積部15へ供給される。集積部15の手前まで供給されると爪竿12が開となり、枚葉刷本20が開放され、枚葉刷本20の自由落下と慣性により集積部15上部まで枚葉刷本20が到達する。
【0027】
枚葉刷本20が不良品20aから良品20bに代わる際、検知部16からの信号に基づいて制御部17が支軸13a,35aを駆動して第1ストッパ13および第2ストッパ35を閉位置までもってくる。制御部17は駆動シリンダ34aを駆動して突出棒34を一時的に突出させた後、引込める。このとき枚葉刷本20の良品20bは、第1ストッパ13および第2ストッパ35に当接して集積部15内へ落下して集積される。また第1ストッパ13および第2ストッパ35の閉動作が間に合わずに第1ストッパ13および第2ストッパ35側へ進入する良品20bは、突出棒34に当接して受けられその後突出棒34を引き込むことで自由落下により集積部15側へ導かれる。
【0028】
この間、吸引車21が矢印L方向に枚葉刷本20の供給速度により小さな回転速度で回転し、吸引口21aにより枚葉刷本20の良品20bを吸着しながら枚葉刷本20の良品20bを減速させる(良品20bにブレーキをかける)。また圧力計22からの信号に基づいて、表示部28により真空ライン24内の圧力が表示させるとともに、制御部17によって開閉弁25が調整され、真空ライン24内の圧力が一定に保たれる。
【0029】
このようにして、制御部17により、吸引車21の吸引圧力を予め設定された適切範囲内に保つ。この場合の適切範囲とは、枚葉刷本20の良品20bが第1ストッパ13および第2ストッパ35に当接して集積部15内へ落下する際、枚葉刷本20のはね返りやたわみを考慮して枚葉刷本20の良品20bを精度良く集積部15内で揃えることができる吸引圧力の範囲をいう。このように吸引車21の吸引圧力を適切範囲内に保つことにより、枚葉刷本20の良品20bを精度良く揃えることができる。
【0030】
次に枚葉刷本20が不良品20aに変わる場合、検知部16からの信号に基づいて制御部17が第1ストッパ13および第2ストッパ35を開位置にもってくる。このとき枚葉刷本20の不良品20aは第1ストッパ13および第2ストッパ35に当接することなく、第1ストッパ13および第2ストッパ35を通過して慣性により集積部15の外方へ放出される。同時に制御部17により開閉弁25が開となり、吸引車21の吸引口21aの圧力が大気圧と略同一となる。このことにより枚葉刷本20の不良品20aを、吸引車21により減速することなく、スムーズに集積部15の外方へ放出することができる。
【0031】
制御部17は、検知部16からの不良品信号に基づいて、同時に駆動機構36,37を駆動してニップローラ31b,32bをベルト33側へ降下させ、ニップローラ31aを駆動する。
【0032】
集積部15外方へ放出された不良品20aは、その後送り機構の一対の一次ニップローラ31a,31bと、一対の二次ニップローラ32a,32bとにより挟持され、ベルト33により搬送されながら更に外方へ送られる。
【0033】
また不良品20aが放出されたことを通過センサ18が検知し、通過センサ18からの信号が制御部17へ入力される。このとき制御部17へ検知部16から不良信号が入力されたにもかかわらず、通過センサ18からの信号が入力されないときは、制御部17は外部へその旨表示する。
【0034】
なお、制御部17は、良品信号が入力された場合は、駆動機構36,37によりニップローラ31b,32bをベルト33から離しておく。このことにより、送り機構30の下流側から集積部15内の枚葉刷本20をオペレータが手でサンプルとして抜き出すことができる。また、上述のようにオペレータが制御部17を作動させることにより生じるオペレータ信号により、枚葉刷本20を外方へ放出させても良い。
【0035】
以上のように本実施の形態によれば、制御部17により第1ストッパ13および第2ストッパ35を開とすることにより枚葉刷本20のうち、不良品20aを第1ストッパ13および第2ストッパ35に当接させることなく慣性により集積部15外方へ放出させ、さらにその後一対の一次ニップローラ31a,31bと、一対の二次ニップローラ32a,32bにより2段階に不良品20aを挟持しながらスムースに更に外方へ送り出すことができる。このため刷本20の不良品20aをオペレータが選択して抜取ることなく、容易かつ確実に放出し、良品20bから分離して抜き取ることができる。また制御部17により第1ストッパ13と第2ストッパ35を閉とするとともに、開閉弁25を開閉して吸引車21の吸引圧力を適切範囲に保つことにより、良品20bをストッパ13に当接させた後、集積部15内へ落下させ、集積部15内で精度良く良品20bを揃えることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、検出部から不良信号が制御部に入力されると、制御部はストッパを開とするとともに、一対の一次ニップローラと一対の二次ニップローラを駆動して、枚葉刷本の不良品を2段階に挟持しながら外方へ送り出す。このため不良品を容易かつ確実に外部へ放出して、良品から分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による枚葉刷本の集積システムの一実施の形態を示す概略図。
【図2】枚葉刷本の集積システムを背面側からみた斜視図。
【符号の説明】
11 供給装置
11a チェン
12 爪竿部
13 第1ストッパ
15 集積部
16 検知部
17 制御部
20 枚葉刷本
20a 不良品
20b 良品
21 吸引車
21a 吸引口
22 圧力計
23 真空ポンプ
24 真空ライン
25 開閉弁
26 開口
30 送り機構
31a,31b 一次ニップローラ
32a,32b 二次ニップローラ
33 ベルト
34 突出棒
35 第2ストッパ

Claims (6)

  1. 枚葉印刷機の下流側に設けられ、複数の印刷済みの枚葉刷本を連続的に搬送する搬送装置と、
    搬送装置により搬送された枚葉刷本と当接して枚葉刷本を停止させるストッパが開閉自在に設けられた集積部と、
    枚葉刷本の印刷状態を検知する検知部と、
    ストッパの下流側に設けられ、ストッパを通過する枚葉刷本を挟持して排出する送り機構とを備え、
    送り機構は一対の一次ニップローラと、一対の二次ニップローラとを有し、
    検知部からの良品検知信号に基づいて制御部によりストッパを閉となるよう制御し、検知部からの不良品検知信号に基づいて制御部によりストッパを開となるよう制御するとともに、一対の一次ニップローラおよび一対の二次ニップローラを駆動することを特徴とする不良刷本排出装置。
  2. 一方の一次ニップローラと一方の二次ニップローラとの間に、ベルトが掛け渡されていることを特徴とする請求項1記載の不良刷本排出装置。
  3. 集積部の上流側近傍に配置され、搬送装置により搬送される刷本に当接して吸引する吸引車と、
    吸引車に吸引ラインを介して接続された真空ポンプと、
    吸引ラインに開閉弁を介して連通する開口とを更に備え、
    制御部は開閉弁を駆動制御して吸引車の吸引力を調整することを特徴とする請求項1記載の不良刷本排出装置。
  4. 開閉弁と開口の間に調整弁を設け、開閉弁を開いたときの流量を調整弁の弁開度で調整して吸引力を調整することを特徴とする請求項3記載の不良刷本排出装置。
  5. 吸引ラインに圧力計が設けられ、制御部は圧力計からの信号に基づいて開閉弁を開閉することを特徴とする請求項3記載の不良刷本排出装置。
  6. 一対の一次ニップローラと一対の二次ニップローラは、互いに離接自在となっており、制御部は、検知部からの不良信号に基づいて、一対の一次ニップローラを互いに接近させ、かつ一対の二次ニップローラを互いに接近させて枚葉刷本を挟持することを特徴とする請求項1記載の不良刷本排出装置。
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