JP3737001B2 - めねじ部材とおねじ部材との螺合ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、代表的には、ナットとボルト等のめねじ部材とおねじ部材との螺合ユニットに関し、特にめねじ部材とおねじ部材との螺合開始(螺入)をスムーズに行い得る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ナットとボルトの螺合に際し、ナット又はボルトに対しボルト又はナットが傾いた状態で両者を締め込むと、ねじ同士の噛み合いができず、無理に回転操作を続けると、焼き付きが生じたり、ねじがつぶれたりする場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の課題は、ナットとボルト等の相互の螺合対象に相対的に軸同士の傾きや位置ずれ等があっても、これを矯正して適正な螺合を容易にする螺合ユニットを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
この発明は、互いに螺合するめねじ部材とおねじ部材との螺合ユニットである。
前記めねじ部材は、
めねじを形成するめねじ孔を備え、このめねじ孔のおねじ螺入側の開口端付近に凹部を形成し、この凹部の環状の底面で段付面状のめねじ側螺入矯正面を構成すると共に、この環状のめねじ側螺入矯正面は、前記めねじ部材の中心線に直角な平面に対し傾斜した一平面とそのめねじ部材のめねじ孔の内周面との交差部で形成する楕円状の環状線であるループを基準として、この傾斜した一平面上にある楕円状のループに沿って、めねじ部材の螺入側の開口端近傍の内周面の周縁を起点として、前記中心線から遠ざかる方向へ所定の幅を持って、めねじ部材の外方に向くように楕円状の傾斜した面として形成されており、めねじ側螺入矯正面の内周縁の楕円状のループ付近における、前記めねじ部材の中心線に直角な方向における内径である軸直角内径は、当該めねじ部材のめねじの谷径より小さくされ、前記めねじ部材のめねじ孔に形成するめねじは前記傾斜しためねじ側螺入矯正面部分から形成される。
一方、前記おねじ部材は、
めねじ部材との螺入側の端に、そのめねじ部材に形成しためねじ側螺入矯正面と対向するおねじ側螺入矯正面を構成すると共に、このおねじ側螺入矯正面は、前記おねじ部材の中心線に直角な平面に対し傾斜した一平面とそのおねじ部材の外周面との交差部で形成する楕円状の環状線であるループを基準として、おねじ部材の螺入側の外周縁から、この傾斜した一平面上にある楕円状のループに沿って、前記めねじ部材のめねじ側螺入矯正面に向くように楕円状の傾斜した一平面として形成されており、おねじ側螺入矯正面の外周縁の楕円状のループ付近における、前記おねじ部材の中心線に直角な方向における外径である軸直角外径は、当該おねじ部材のおねじの谷径より大きくされ、前記おねじ部材のおねじはこの傾斜したおねじ側螺入矯正面部分から形成される。
そして、前記めねじ部材のめねじ側螺入矯正面と前記おねじ部材のおねじ側螺入矯正面との面同士が当接し、両ねじ部材の相対回転による面同士の摺接を経て、おねじ側螺入矯正面から形成したおねじと、めねじ側螺入矯正面から形成しためねじの螺合が始まり、両ねじ部材の軸線が矯正されることを特徴とする。
【0005】
このように、めねじ部材(ナット等)の軸線に対し傾いた楕円状のループに沿って環状かつ段付面状のめねじ側螺入矯正面が形成され、かつおねじ部材(ボルト等)の軸線に対し傾いた楕円状のループに沿っておねじ側螺入矯正面が形成され、螺入時にこれらめねじ側及びおねじ側螺入矯正面が両者の相対回転に基づき互いに摺接することにより、例えばナット又はボルトがボルト又はナットとの螺合を開始する際に、ナットとボルトの軸同士が傾いていたとしても、ナット及びボルトが相対的に1回転すると、上記のめねじ側及びおねじ側螺入矯正面(それらの内周縁も含む)があたかも斜板カムないし傾斜カムのように作用して、ナットとボルト間の傾きを解消するようにいわば力のモーメントを生じさせる。そのため、ナットとボルトの軸同士がある程度傾いていても、この傾きが矯正され、スムーズな噛み合い状態が得られ易くなる。
【0006】
また、めねじ部材の上記構造に加え、めねじ部材のめねじ孔のおねじ螺入側の開口端部付近に形成した凹部には、円筒状のガイド面が前記めねじ部材の中心線と同心的に形成され、この円筒状のガイド面は前記凹部の底部に形成した環状のめねじ側螺入矯正面につながっており、この円筒状のガイド面はめねじ部材のめねじの谷径よりもわずかに大きな内径を有し、この円筒状のガイド面にはめねじが形成されていないように構成することができる。
【0007】
このように、上記斜板カムないし傾斜カムのような段付面状のめねじ側螺入矯正面に加え、この螺入矯正面の手前に円筒状のガイド面を形成することにより、円筒状のガイド面でナットとボルト等の軸同士の傾きや位置ズレが事前にある程度矯正され、さらに上記段付面状のめねじ側螺入矯正面のいわばカム作用により主に軸同士の傾きが矯正され、螺合可能な状態を生じ易くなる。ガイドという観点からは、円筒状のガイド面のみをめねじ部材に単独で形成することも考えられるが、円筒状のガイド面と上記段付面状のめねじ側螺入矯正面との2段構造とすることにより、単独形成の場合に比べて円筒状のガイド面の幅(長さ)は短くて済み、締結力に影響するねじ長を大きくとることができる。また、上記円筒状のガイド面はボルト等が斜めに入るとき、前述のめねじ側螺入矯正面による一種のカム作用(力のモーメント)の支点を付与することにも寄与する。
【0008】
さらに、ナット等のめねじ部材のめねじ孔のおねじ螺入側の開口端には、めねじ部材の軸方向外方に向かって拡がるテーパ状のガイド面が、めねじ部材のめねじと同心的に形成され、そのテーパ状のガイド面の小径側端から前記凹部が形成されるようにして、テーパ状のガイド面と前記段付面状のめねじ側螺入矯正面との組み合わせにより、ナットとボルト等との位置ズレや傾きを矯正することもできる。また、凹部はその側部に円筒状のガイド面が形成され、その底部に段付面状のめねじ側螺入矯正面が形成されており、めねじ部材の螺入側端からテーパの状ガイド面、円筒状のガイド面及び上記段付面状のめねじ側螺入矯正面がいわば3段に連なるように構成し、これらの相乗作用によりナットとボルト等の螺合開始時の噛み合いを矯正することもできる。
【0009】
また、おねじ部材の前記おねじ側螺入矯正面は、おねじ部材の中心線に直角な平面に対し傾斜した一平面とそのおねじ部材の外周面との交差部で形成する楕円状の環状線であるループを基準として、おねじ部材の螺入側の外周縁から、この傾斜した一平面上にある楕円状のループに沿って、環状かつ楕円状の傾斜した一平面として形成され、この環状のおねじ側螺入矯正面の内周縁からおねじ部材の螺入側に向けて、おねじ部材の中心線と同心的に突出する円柱状のガイド凸部が形成され、そのガイド凸部の外径はおねじ部材のおねじの谷径よりわずかに小さくされるように構成することができる。
【0010】
このように、上記斜板カムないし傾斜カムのようなおねじ側螺入矯正面に加え、この螺入矯正面の手前(先行する側)にガイド凸部を形成したことにより、そのガイド凸部でおねじ部材とナット等の軸同士の傾きや位置ズレがある程度矯正され、さらに環状の螺入矯正面のいわばカム作用により主に軸同士の傾きが矯正され、螺合可能な状態を生じ易くなる。ガイドという観点からは、円柱状のガイド凸部のみを単独で形成することも考えられるが、上記ガイド凸部と上記環状の螺入矯正面との2段構造とすることにより、単独形成の場合に比べてガイド凸部の長さ(突出量)は短くて済み、締結力に影響するねじ長を大きくとることができる。また、上記ガイド凸部はナット等が斜めに入るとき、前述の環状のおねじ側螺入矯正面による一種のカム作用(力のモーメント)の支点を付与することにも寄与する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す一実施例(ナットとボルトとの螺合ユニット)に基づいて説明する。
なお、この螺合ユニットのうち、まずナットについて説明し、次にボルトについて説明する。
図1〜図3は、この発明の一実施例の一方の部材であるナット1を示すものである。このナット1は六角部4等の工具係合部と、その螺入側端部に形成されたフランジ2とを備えている。この螺入側の端部には、めねじ部材の中心線Oを斜めに横切るような段付面5がめねじ側螺入矯正面として形成されている。この段付面5の概念を図4〜図7に基づいて説明する。
【0012】
いま、図4及び図5のナットNの中心線Oに直角な平面に対して傾斜した平面をPとする。そして、その平面PとナットNの内周面とが交差する楕円状のループ(環状線)を、図6にRで示すように規定できる。このループRにほぼ沿って図7に概念的に示すように、ナット1(N)の螺入側の開口端近傍の内周面の周縁を起点として、前記中心線から遠ざかる方向へ所定の幅を持って、ナット1の外方に向くように、螺入矯正のための環状の段付面5が形成されている。この段付面5(めねじ側螺入矯正面)の内周縁の、めねじ部材の中心線Oに直角な方向における内径(軸直角内径d)は、ナット1のめねじ3の谷径Dより小さくかつ、めねじ3の山径(めねじ内径)と同一又はほぼ等しくされている。
【0013】
また、段付面5の形成の基準となる前記楕円状のループRのナット中心線Oに対する傾斜の程度(角度で表せばθ)は、そのループRのナットの開口端に最も近い点と最も遠い点との、ナット軸方向における格差(距離)Lに換算して、当該ナット1のめねじの例えば2ピッチ以下となるように設定されている。なお、下限値としては、例えば0.3ピッチ程度を例示でき、その場合は上記傾斜の程度を示す格差Lは0.3〜2ピッチの範囲内となる。なかでも、例えば0.8〜1.2ピッチ程度、概して言えば1ピッチ程度が望ましいと言える。
【0014】
なお、上記楕円状ループRの傾斜程度を示している距離Lが、0.3ピッチ以下であると、後述のように螺入矯正の効果が充分に得られず、またこの距離Lが2ピッチ以上になると、段付面5を冷間鍛造のパンチ等(冷鍛金型)で成形する際に、軸直角方向の応力(曲げ力)が大きくなるとともに、めねじにおいて360度に満たないねじ条が増えて締結力にも好ましくない影響を与えるため、上述の範囲が好ましいと言える。また、上記角度θを直接規定すれば、この角度θは例えば2〜15°位の範囲内で、なかでも5〜10°位(例えば8°程度)とすることができる。数値範囲の理由は上述のとおりである。
【0015】
また図7に示すように、段付面5は、前述の傾斜した楕円状のループRを基準に形成されていて、さらにその段付面5自身がナット1の軸直角平面P'に対し、ナット1の開口側にテーパ状に広がるように所定の角度α傾斜して形成されている。この傾斜角度αは、例えば当該ナット1のめねじのフランク角をFとしたとき、0.5F〜1.5F程度に設定することができ、なかでもそのフランク角Fと段付面5の傾斜角度αとをほぼ等しくすること(傾斜角αをフランク角F程度に設定すること)が望ましい。傾斜角度αが大きすぎると、螺入矯正機能が不十分となり易く、逆に小さすぎると、段付面5の内周縁がいわゆるピン角又はこれに近くなってボルト等の端部を内方へ導く効果が小さくなるため、上述の範囲が好ましい。なお、8は段付面5の深さを規定するこの段付面5に続く立上り壁である。
【0016】
図7のナットNは段付面5の概念を示すもので、図1〜3は、実際製品に近いものとなっている。図3から明らかなように、ナット1では、環状の段付面5よりナットの開口端に、めねじが形成されていない円筒状のガイド面(以下、円筒状ガイド面という)6がナット1の中心線Oと同心的に形成され、この円筒状ガイド面6は、環状の段付面5の内周縁の軸直角内径(図7のd)より大きく、かつめねじ部材のめねじの谷径Dよりわずかに大きな内径D’を有して、環状の段付面5につながっている。さらに、この円筒状ガイド面6の開口端部(めねじ部材螺入側の開口端)には、ナット1の軸方向外方に向かって広がるテーパ状のガイド面(以下、テーパ状ガイド面という)7が形成され、そのテーパ状ガイド面7の小径側端が円筒状ガイド面6とつながっている。
【0017】
ここで、円筒状ガイド面6の、めねじ部材軸方向の幅寸法L1は、ナット1のめねじの0.5〜2ピッチ分に相当するものとされ、この例では、例えば1ピッチ分程度に設定されている。また、円筒状ガイド面6の開口端と段付面5の最深部との距離L2は、例えば1〜3.5ピッチ分に定められ、例えばこの例では2ピッチ分ほどで形成されている。また、テーパ状ガイド面7のテーパ角βは、例えば20〜80°程度、なかでも30〜70°程度とされ、この例では例えば40〜60°の範囲に設定されている。またテーパ状ガイド面7の深さ(めねじ部材軸方向幅)L3は、ナット1のめねじの例えば0.2〜2ピッチ分程度に設定され、なかでも例えば0.2〜1ピッチ、この例では約0.5ピッチ程度とされている。
【0018】
このように、めねじ部材開口端に向かって段付面5、円筒状ガイド面6、さらにテーパ状ガイド面7を直列かつ連続的に3段構造で設けたことにより、テーパ状ガイド面7がボルト等おねじ部材の導入機能を果たし、また円筒状ガイド面6はめねじ部材とボルトの位置ずれや傾きをある程度矯正し、さらに段付面5が回転するカムのように両者の傾きを是正する方向に作用する。そのため、円筒状ガイド面6は上述のように例えば1ピッチ程度と短くて済み、矯正効果をあげながらねじ長が長くとれる。
【0019】
次に、以上のようなナットに対するおねじ部材としてボルトを説明する。
図8は、本発明の一実施例の他方の部材であるボルト41を概念的に示すものである。ボルト41は六角部(工具係合部)等の頭部42と、おねじ44が形成された脚部43とを備え、脚部43の先端部に環状かつ段付面状のおねじ側螺入矯正面(段付面)45が形成され、かつその段付面45からさらに突出するようにガイド凸部46が形成されている。
【0020】
図9に概念的に示すように、ボルト41の中心線に直角な平面に対し傾斜した平面P’とボルト41の外周面とが交差する楕円状のループ(環状線)R’を基準として、ほぼこのループR’に沿って環状のおねじ側螺入矯正面45が形成される。このおねじ側螺入矯正面45はガイド凸部46との関係では、環状の段付面ないし肩面とみることができる。螺入矯正面45の外周縁の、ボルト41の中心線に直角な方向における外径(軸直角外径)D’’(図10も参照)は、ボルト41のおねじの谷径d’より大きくされ、かつ、おねじの山径(外径)と同一又はほぼ等しくされて、この螺入矯正面45からおねじ44が形成されている。
【0021】
螺入矯成面45の形成の基準となる上記楕円状のループR’の、おねじ部材中心線Oに直角な平面(軸直角面)に対する傾斜θ’の程度は、そのループR’のおねじ部材螺入端に最も近い点と最も遠い点とのおねじ部材軸方向における格差(距離)aが、ボルト41のおねじ44の2ピッチ以下となるように設定することができる。また、下限値に関して言えば、上記格差aは、おねじ44の例えば0.3ピッチ以上とすることができる。また、螺入矯正面45の傾き角θ’は、例えば3〜15°、なかでも5〜10°で、例えば8°程度に設定することができる。この傾斜の角度θ’あるいは格差aが小さすぎると、後述の螺合対象同士の傾きを矯正する効果が充分に得られず、また大きすぎると、ねじ山がその螺入矯正面45で分断される割合が多くなってねじ長が短くなること、また冷間鍛造金型でボルト41の螺入矯正面45を成形する際に、横荷重(曲げ力)が過大になる等の観点から、傾きθ’(格差a)は上述の範囲に定めることが望ましい。
【0022】
また、上述のように傾斜した楕円状のループに沿って形成された環状の螺入矯正面45は、さらにその環状の螺入矯正面45自体がボルト41の軸直角平面Q’に対し、おねじ部材の螺入端側にテーパ状にすぼまるように所定の角度α’だけ傾斜して形成されている。この傾斜角度α’は、例えばおねじ44のフランク角をFとしたとき、例えば0.3F〜2F、なかでも0.5F〜1.5F程度とすることが望ましく、とりわけおねじ44のフランク角F程度とすることが推奨される。この螺入矯正面45の傾斜角α’が大きすぎると、段付面45による矯正機能が減殺されやすく、また小さすぎると(例えばα’が0)外周縁の強度等の問題を生じるので、上述の範囲に定めることが望ましい。
【0023】
おねじ側螺入矯正面45より先端側のガイド凸部46は、前述の螺入矯正面45で斜めに切り取られるような円柱状をなし、ボルト41の軸方向に同心的に突出し、ガイド凸部46の先端面はボルト41の中心線Oと直角となっている。ガイド凸部6の外径φは、ボルト41のおねじ44の谷径d’よりわずかに小さくされ、またガイド凸部46のおねじ部材軸方向の突出寸法bは、ボルト41のおねじの0.5〜2ピッチ分程度に相当するもの、さらには0.7〜1.2ピッチ(例えば1ピッチ程度)とすることができる。
【0024】
ガイド凸部46は、螺入矯正面45に先行して、例えばナット等のめねじ部材との螺合開始時の位置ずれや傾きをある程度矯正する働きをなすが、このガイド凸部46の突出寸法bが大きすぎると、ボルト41の全長に対しねじ長が短くなり、小さすぎると螺入矯正面45に先行して矯正(ガイド)する機能が得られにくいので、上述のような範囲に設定することが望ましい。
【0025】
図11は、ナット1の段付面5(めねじ側螺入矯正面)とボルト41の段付面45(おねじ側螺入矯正面)とによる螺入矯正作用を概念的に示すものである。
例えば(a)に示すナットの傾斜しためねじ側螺入矯正面の一番深いところに、ボルトの傾斜したおねじ側螺入矯正面の螺入側の先端部が当接した状態から、(b)に示すナットの傾斜しためねじ側螺入矯正面の一番座面側に近いところに、ボルトの傾斜したおねじ側螺入矯正面の螺入側の先端部が当接した状態において、ボルト41とナット1との関係は、ボルト41がナット1に対し斜めに食い付いた状態、若しくはナット1がボルト41に対し斜めに食い付いた状態、又はナット1及びボルト41の双方がいずれも斜めに傾斜して食い付いた状態が生じやすくなっており、この状態ではナット1とボルト41の軸線が傾斜した状態となっている。
そして、ナット1がボルト41に対し回転する、又はボルト41がナット1に対し回転する、又は両者が互いに逆方向に回転するなどして、ナット1とボルト41が相対的に回転するときにおいて、(a)から(b)の間で夫々のナット1とボルト41の螺入矯正面の先端側のねじ山の側面同士が当接しておれば、おねじ側螺入矯正面の螺入側の先端部がナット1の段付面5の深い部分より(b)の状態の浅い部分を越えて反対側の浅い部分へと摺接し、やがて、夫々のナット1とボルト41の螺入矯正面の先端側のねじ山の側面同士が当接しなくなって、この先端側のねじ山同士が噛み合ってナット1とボルト41の螺合が始まる。
この螺合が開始されたねじ山は、連続したねじ山ではなく断片状のねじ山であるから、螺合が進行すれば螺合したねじ山同士の接触部が力の作用点となってボルト41又はナット1を起こす方向、即ち、ナット1とボルト45の各軸線を同軸にしようとする方向への力のモーメント(回転モーメント含む)が作用し、その結果(c)に示すように、ナット1とボルト45の各軸線が一致する状態が生じやすくなり、両者の間で螺合が進んでも食い付き不良は生じにくくなる。
【0026】
図12はその状態をより実体的に示すものであり、ボルト41又はナット1が相手方(ナット1又はボルト41)の軸線に対し例えば角度γ傾いていても、この角度γを解消するように(ボルト41又はナット1を起こすように)矯正作用を働かせることができる。なお、このボルト41のナット1に対する相対的な傾斜角度γは、例えば2、3°程度であれば通常普通に生じる範囲であるが、5°以上(8°程度)といった状況になると、一般にボルト・ナットの螺合は困難であるが、本発明のナット1及びボルト41の螺合ユニットによれば、例えばγが8°程度の傾斜でもこれを矯正させやすい。また、このようにナット1とボルト41との双方の螺入矯正面5、45の相乗効果により、各螺入矯正面5、45の傾斜の高さL(図7)及びa(図8)の和に相当する傾斜量が得られるため、所望の傾斜量をナット1とボルト41とに割り振り、結果として各傾斜量(高さL、a)を小さくする(仮にナットとボルトの一方にのみ傾斜を付ける場合の例えば各1/2程度とする)ことも可能であり、それによりナット1及びボルト41のねじ長を長く保ちながら、傾き等の矯正を行うことができる。
【0027】
なお、図13に示すナット11は、その(a)に示すように、段付面5(めねじ側螺入矯正面)に続く円筒状ガイド面6を有するが、テーパ状ガイド面7は省略されたタイプのもので、(b)が全体断面図、(c)が正面図である。
【0028】
また図14に示すナット12は、段付面5のみを有し、円筒状ガイド面6やテーパ状ガイド面7を有さないタイプのもので、(a)が拡大図、(b)が全体断面図、(c)が正面図である。なお図14に示すナット12のように螺入側開口端に円筒状ガイド面6を設けず、段付面5のみにすれば、全体のねじ長を長くとることができ、他方、図13に示すナット11のように段付面5と円筒状ガイド面6とを組み合わせれば2段階に矯正作用が期待できる。また、この円筒状ガイド面6(図3の円筒状ガイド面6も同様)は、例えば図11や図12に示したように、ナット1の段付面5がボルト41の段付面45と協働して両者のその傾きを矯正する方向の力のモーメントを作用させる際、図3や図13に示す円筒状ガイド面6にボルトの先端が接した状態で上述のモーメントを受けることで、円筒状ガイド面6が力の支点の機能を果たすことが期待できる。
【0029】
図15〜図17は、本発明の別の実施例のめねじ部材である袋ナット(ハブナット)21を示すものである。図15の正面図及び図16の断面図に示すように、このハブナット21は六角部20等の工具係合部と、これとは反対側の円筒部23等のねじ形成部又は孔嵌合部と、両者の間に位置するフランジ22とが一体の筒状をなすものである。めねじ3は円筒部23とフランジ22を超えて形成され、六角部20の内部はボルトが突入する空所とされ、さらに六角部20の開口部にはキャップ24が溶接等により一体化され、その開口を塞いで袋ナットとされている。
【0030】
円筒部23(ねじ形成部)の螺入側開口端には、段付面(めねじ側螺入矯正面)25、円筒状ガイド面26及びテーパ状ガイド面27が軸方向に連なるように形成されている。図17はその拡大図である。これら段付面25、円筒状ガイド面26及びテーパ状ガイド面27は、実質的に図3に示した段付面5、円筒状ガイド面6及びテーパ状ガイド面7と同様のものであるため詳しい説明は省略する。
【0031】
このようなハブナット21は、図示しないハブボルトに対しタイヤのホイールを介して締め込まれることによりタイヤをハブに固定し、円筒部23がホイール孔に嵌まり込み、フランジ22の端面がホイール孔の開口端面に着座する。そして、インパクトレンチその他の工具でハブナット21をハブボルトに螺合させる際、それらハブナット及びハブボルト間に軸ずれや軸同士の傾きがあっても、図11や図12に概念的に示すような矯正作用により、正常な螺合状態を生じさせやすくなる。
【0032】
なお、図18は、以上説明したようなナット(めねじ部材)の製造工程の一例を概念的に示すものである。この例は、冷間鍛造でナット素材30を製造する一工程を示すもので、所定の冷間鍛造金型により適数の鍛造工程を経て段付面5、円筒状ガイド面6及びテーパ状ガイド面7を有するナット素材30が得られる。この例では、鍛造金型31、32(ダイ)、34(スリーブ)間にナット素材30が拘束され、かつパンチ33により上述の段付面5、また必要に応じ円筒状ガイド面6及びテーパ状ガイド面7が形成される。このような冷間鍛造によりナット素材30を得た後、その内周面に転造又は切削によりめねじを形成することにより、段付面45の所定部分からめねじが形成されることとなる。以上の工程は、製造方法として捉えれば、めねじ部材素材に冷間鍛造金型(パンチ等を含む)を用いて、段付面5、又は段付面5及び円筒状ガイド面6、あるいは段付面5、円筒状ガイド面6及びテーパ状ガイド面7を形成し、その後段付面5の所定の部分からめねじが始まるようにねじを形成する製造方法である。
【0033】
一方、おねじ部材としてのボルトのガイド凸部46の先端面は、ボルトの軸直角平面と平行に限らず、ボルトの軸直角平面に対し、例えば螺入矯正面45(図8)のように又はこれとは無関係に傾斜して形成してもよい。さらにガイド凸部の先端は傾斜しない又は傾斜する平面に限らず、例えば半球状(ドーム状)等の先端側に凸となる又は膨出する形態でもよい。さらに円筒状のガイド凸部ではなく、例えば先端側ほど小径となる(先細りの)テーパ状のガイド凸部とすることもでき、さらにそのテーパ状のガイド部の先端面を、上述の先端側に凸となる又は膨出する形態(例えば半球状等)とすることもできる。
【0034】
また図19は、本発明の別の実施例のボルト51を示すものである。このボルト51は図8に示すボルト41からガイド凸部46を省略し、脚部43の端面がそのまま平面状の螺入矯正面55とされたものである。その他の点においては図8と同様である。このようなボルト51においても、ガイド凸部46はないものの、その螺入矯正面55により、図11、12に示したようなナット1との傾きを解消する向きのモーメントを生じさせることができ、正常な螺合を開始する上で有効となる。
【0035】
図20はさらに別のボルト52の要部を示すもので、このボルト52では、螺入矯正面65の傾き(図8のaに相当)が1ピッチを超え、例えば2ピッチないしそれ以上とされた例である。
【0036】
なお、以上の説明ではナットの一端部にめねじ側螺入矯正面として段付面(必要に応じて円筒状ガイド面、テーパ状ガイド面)が設けられたものであったが、これはナットの螺入端が一端に決まっていたからであり、もし、その両端部のいずれからでも螺入が予定されている螺入端が決まっていないタイプのナットでは、両端部にそれぞれ前記段付面(必要に応じて円筒状ガイド面、テーパ状ガイド面)を形成することができる。この場合、対称的に形成してもよいし、非対称的に形成してもよい。
【0037】
また、以上の説明では、めねじ部材又はめねじ部の典型例としてナットで全て説明したが、めねじ孔を有する部材又は部分、例えば板等の所定の表面にめねじ孔が開口する形態のめねじ部(めねじ部材)で、その螺入側端部に前述したような段付面(必要に応じ、円筒状ガイド面、テーパ状ガイド面)を形成して、めねじ部材の場合と同様の螺入矯正機能を果たさせることもできる。
【0038】
さらに以上の説明では、おねじ部材又はおねじ部の典型例としてボルトで全て説明したが、基部等から一体に突出するおねじ部等、ボルトの概念に必ずしも入らないおねじ部又はおねじ部材にも本発明は同様に適用することができる。つまり、おねじ部又はおねじ部材の螺入側端部に前述の螺入矯正面(必要に応じてガイド凸部)を形成し、ボルトの場合と同様の螺入時の矯正機能を果たさせることもできる。
【0039】
また、めねじ部、めねじ部材又はめねじ部構造において、ナットのように自身が回転することを予定しているものではなく、自身は回転を予定しておらず(構造的に回転不能等)、螺合相手方(例えばボルト等)が回転することが予定されている場合に、その自身が回転しないタイプのめねじ部又はめねじ部材若しくはめねじ部構造に、前述の段付面(必要に応じ円筒状ガイド面、テーパ状ガイド面)を形成することもでき、その場合でも回転する相手方に対する螺入矯正において一定の効果がある。
【0040】
逆に、おねじ部、おねじ部材又はおねじ部構造において、ボルトのように自身が回転することを予定しているものではなく、自身は回転を予定しておらず(構造的に回転不能等)、螺合相手方(例えばナット等)が回転することが予定されている場合に、その自身が回転しないタイプのおねじ部又はおねじ部材若しくはおねじ部構造に、前述の螺入矯正面(必要に応じガイド凸部)を形成することもでき、その場合でも回転する相手方に対する螺入矯正において一定の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である螺合ユニットのナットの正面図。
【図2】その縦断面図。
【図3】図2の拡大断面図。
【図4】めねじ側螺入矯正面(段付面)の前提となる概念を説明する斜視図。
【図5】図4の側面図。
【図6】段付面の前提となる楕円状のループを示す概念図。
【図7】図6のループにしたがって形成された段付面の一例を示す概念図。
【図8】本発明の一実施例である螺合ユニットのボルトの概念的な正面図。
【図9】そのボルトのおねじ側螺入矯正面の前提となる傾斜した楕円状のループを概念的に説明する斜視図。
【図10】図8の拡大断面図。
【図11】本実施例の概念的な作用説明図。
【図12】螺合直前のナット・ボルトの相対的な傾きの一例と、正常に螺合が開始された状態を示す説明図。
【図13】本発明の別の実施例のナットを示す図。
【図14】さらに別のナットを示す図。
【図15】本発明のさらに別の実施例のめねじ部材としてハブナットを示す正面図。
【図16】図15の縦断面図。
【図17】図16の拡大断面図。
【図18】本発明のナットの製造工程の一例を示す断面図。
【図19】本発明の別の実施例のボルトを概念的に示す正面図。
【図20】本発明のさらに別のボルトの要部を示す図。
【符号の説明】
1、11、12、21 ナット
3 めねじ
5、25 段付面(めねじ側螺入矯正面)
6、26 円筒状ガイド面
7、27 テーパ状ガイド面
41、51、52 ボルト
44 おねじ
45、55、65 おねじ側螺入矯正面(段付面)
46 ガイド凸部
Claims (12)
- 互いに螺合するめねじ部材とおねじ部材との螺合ユニットであって、
前記めねじ部材は、
めねじを形成するめねじ孔を備え、このめねじ孔のおねじ螺入側の開口端付近に凹部を形成し、この凹部の環状の底面で段付面状のめねじ側螺入矯正面を構成すると共に、
この環状のめねじ側螺入矯正面は、前記めねじ部材の中心線に直角な平面に対し傾斜した一平面とそのめねじ部材のめねじ孔の内周面との交差部で形成する楕円状の環状線であるループを基準として、この傾斜した一平面上にある楕円状のループに沿って、めねじ部材の螺入側の開口端近傍の内周面の周縁を起点として、前記中心線から遠ざかる方向へ所定の幅を持って、めねじ部材の外方に向くように楕円状の傾斜した面として形成されており、
前記めねじ側螺入矯正面の内周縁の楕円状のループ付近における、前記めねじ部材の中心線に直角な方向における内径である軸直角内径は、当該めねじ部材のめねじの谷径より小さくされ、前記めねじ部材のめねじ孔に形成するめねじは前記傾斜しためねじ側螺入矯正面部分から形成される一方、
前記おねじ部材は、
前記めねじ部材との螺入側の端に、そのめねじ部材に形成しためねじ側螺入矯正面と対向するおねじ側螺入矯正面を構成すると共に、
このおねじ側螺入矯正面は、前記おねじ部材の中心線に直角な平面に対し傾斜した一平面とそのおねじ部材の外周面との交差部で形成する楕円状の環状線であるループを基準として、おねじ部材の螺入側の外周縁から、この傾斜した一平面上にある楕円状のループに沿って、前記めねじ部材のめねじ側螺入矯正面に向くように楕円状の傾斜した一平面として形成されており、
前記おねじ側螺入矯正面の外周縁の楕円状のループ付近における、前記おねじ部材の中心線に直角な方向における外径である軸直角外径は、当該おねじ部材のおねじの谷径より大きくされ、前記おねじ部材のおねじはこの傾斜したおねじ側螺入矯正面部分から形成され、
前記めねじ部材のめねじ側螺入矯正面と前記おねじ部材のおねじ側螺入矯正面との面同士が当接し、両ねじ部材の相対回転による面同士の摺接を経て、おねじ側螺入矯正面から形成したおねじと、めねじ側螺入矯正面から形成しためねじの螺合が始まり、両ねじ部材の軸線が矯正されることを特徴とするめねじ部材とおねじ部材との螺合ユニット。 - 前記めねじ部材のめねじ孔のおねじ螺入側の開口端部付近に形成した凹部には、円筒状のガイド面が前記めねじ部材の中心線と同心的に形成され、この円筒状のガイド面は前記凹部の底部に形成した環状のめねじ側螺入矯正面につながっており、
前記円筒状のガイド面は、めねじ部材のめねじの谷径よりも大きな内径を有し、この円筒状のガイド面にはめねじが形成されていないことを特徴とする請求項1記載のめねじ部材とおねじ部材との螺合ユニット。 - 前記円筒状のガイド面の、めねじ部材の軸線方向の幅寸法は、当該めねじ部材のめねじの0.5〜2ピッチ分に相当するものとされている請求項2記載のめねじ部材とおねじ部材との螺合ユニット。
- 前記段付面状のめねじ側螺入矯正面を形成するときの、基準となる前記楕円状のループのめねじ部材の中心線に対する傾斜の程度は、そのループの前記めねじ部材の開口端に最も近い点と最も遠い点との、めねじ部材の軸線方向における格差が、当該めねじ部材のめねじの2ピッチ以下となるように設定された請求項1ないし3のいずれかに記載のめねじ部材とおねじ部材との螺合ユニット。
- 前記傾斜した楕円状のループを基準に形成された前記段付面状のめねじ側螺入矯正面は、その段付面状のめねじ側螺入矯正面自身が、前記めねじ部材のめねじ孔の内周面の周縁から、前記めねじ部材の開口端側にテーパ状に拡がるように所定の角度傾斜して形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のめねじ部材とおねじ部材との螺合ユニット。
- 前記傾斜した楕円状のループを基準に形成された前記段付面状のめねじ側螺入矯正面は、更にその段付面状のめねじ側螺入矯正面自身が、前記めねじ部材のめねじ孔の内周面の周縁から、前記めねじ部材の開口端側にテーパ状に拡がるように所定の角度傾斜して形成されており、このテーパ状に拡がる所定の角度の傾斜は、当該めねじ部材のめねじのフランク角の0.5〜1.5に設定されている請求項1ないし4のいずれかに記載のめねじ部材とおねじ部材との螺合ユニット。
- 前記めねじ部材のめねじ孔のおねじ螺入側の開口端には、めねじ部材の軸方向外方に向かって拡がるテーパ状のガイド面が、めねじ部材のめねじと同心的に形成され、そのテーパ状のガイド面の小径側端から前記凹部が形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のめねじ部材とおねじ部材との螺合ユニット。
- 前記おねじ側螺入矯正面は、前記おねじ部材の中心線に直角な平面に対し傾斜した一平面とそのおねじ部材の外周面との交差部で形成する楕円状の環状線であるループを基準として、おねじ部材の螺入側の外周縁から、この傾斜した一平面上にある楕円状のループに沿って、環状かつ楕円状の傾斜した一平面として形成され、
この環状のおねじ側螺入矯正面の内周縁からおねじ部材の螺入側に向けて、おねじ部材の中心線と同心的に突出する円柱状のガイド凸部が形成され、そのガイド凸部の外径はおねじ部材のおねじの谷径より小さくされていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のめねじ部材とおねじ部材との螺合ユニット。 - 前記ガイド凸部の、おねじ部材の軸線方向の突出寸法は、当該おねじ部材のおねじの0 . 5〜2ピッチ分に相当するものとされている請求項8に記載のめねじ部材とおねじ部材との螺合ユニット。
- 前記おねじ側螺入矯正面を形成するときの、基準となる前記楕円状のループのおねじ部材の中心線に対する傾斜の程度は、そのループの前記おねじ部材の螺入端に最も近い点と最も遠い点との、おねじ部材の軸線方向における格差が、当該おねじ部材のおねじの2ピッチ以下となるように設定されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のめねじ部材とおねじ部材との螺合ユニット。
- 前記傾斜した楕円状のループを基準に形成された前記おねじ側螺入矯正面は、
前記おねじ部材の軸直角平面に対し、前記おねじ側螺入矯正面の外周縁からおねじ部材の螺入端側に向けてテーパ状にすぼまるように所定の角度傾斜して形成され、
その傾斜面が前記おねじ側螺入矯正面から形成した螺入端側のねじ山の山部に向かう傾斜部になっている請求項1ないし10のいずれかに記載のめねじ部材とおねじ部材との螺合ユニット。 - 前記傾斜した楕円状のループを基準に形成された前記おねじ側螺入矯正面は、
前記おねじ部材の軸直角平面に対し、前記おねじ側螺入矯正面の外周縁からおねじ部材の螺入端側に向けてテーパ状にすぼまるように所定の角度傾斜して形成され、
このテーパ状にすぼまる所定の角度の傾斜は、当該おねじ部材のおねじのフランク角の0.3〜2.0に設定されており、
その傾斜面が前記おねじ側螺入矯正面から形成した螺入端側のねじ山の山部に向かう傾斜部になっている請求項1ないし10のいずれかに記載のめねじ部材とおねじ部材との螺合ユニット。
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