JP3676630B2 - ナット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はナットに関し、特にボルト等との螺合開始(螺入)をスムーズに行い得るナットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ナットとボルトの螺合に際し、ナットに対しボルトが傾いた状態で両者を締め込むと、ねじ同士の噛み合いができず、無理に回転操作を続けると、焼き付きが生じたり、ねじがつぶれたりする場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の課題は、ナットと螺合対象のボルト等との間に相対的に軸同士の傾きや位置ずれ等があっても、これを矯正して螺合を可能にするナットを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
この発明は、ナットのめねじ孔のおねじ螺入側の開口端付近に凹部を形成し、この凹部の環状の底面で段付面を構成すると共に、この段付面は、前記ナットの中心線に直角な平面に対し傾斜した一平面とそのナットのめねじ孔の内周面との交差部で形成する楕円状の環状線であるループを基準として、この傾斜した一平面上にある楕円状のループに沿って、ナットの螺入側の開口端近傍の内周面の端から、ナットの外方に向くように環状かつ楕円状の傾斜した面として形成されており、前記段付面の内周縁の楕円状のループ付近における、前記ナットの中心線に直角な方向における内径である軸直角内径は、当該ナットのめねじの谷径より小さく形成され、前記ナットのめねじ孔に形成するめねじはこの傾斜した段付面部分から形成されていることを特徴とする。
【0005】
このようにナットの軸線に対し傾いた楕円状のループに沿って環状の段付面が形成されたことにより、ナットが例えばボルトとの螺合を開始する際に、ナットとボルトの軸同士が傾いていたとしても、ナットがボルトに対し相対的に1回転すると、段付面(その内周縁も含む)があたかも斜板カムないし傾斜カムのように作用して、ナットとボルト間の傾きを解消するようにいわば力のモーメントを生じさせる。そのため、ナットとボルトの軸同士がある程度傾いていても、この傾きが矯正され、スムーズな噛み合い状態が得られ易くなる。ここで段付面とは、上述のようにその内周縁(内径端部)も含む意味であり、その点で「段付面」は「段付部」と表現することもできる。
【0006】
また、上記構造に加え、前記ナットのめねじ孔のおねじ螺入側の開口端部付近に形成した凹部には、円筒状のガイド面が前記ナットの中心線と同心的に形成されて前記凹部の底部に形成した環状の段付面につながっており、この円筒状のガイド面はナットのめねじの谷径よりわずかに大きな内径を有し、この円筒状のガイド面にはめねじが形成されていないように構成することができる。
【0007】
このように、上記斜板カムないし傾斜カムのような段付面に加え、この段付面の手前に円筒状のガイド面を形成することにより、円筒状のガイド面でナットとボルト等の軸同士の傾きや位置ズレが事前にある程度矯正され、さらに上記段付面(段付部)のいわばカム作用により主に軸同士の傾きが矯正され、螺合可能な状態を生じ易くなる。ガイドという観点からは、円筒状のガイド面のみを単独で形成することも考えられるが、円筒状のガイド面と上記段付面との2段構造とすることにより、単独形成の場合に比べて円筒状のガイド面の幅(長さ)は短くて済み、締結力に影響するねじ長を大きくとることができる。また、上記円筒状のガイド面はボルト等が斜めに入るとき、前述の段付面による一種のカム作用(力のモーメント)の支点を付与することにも寄与する。
【0008】
さらに、ナットの螺入側の開口端には、ナットの軸方向外方に向かって拡がるテーパ状のガイド面がナットのめねじと同心的に形成され、そのテーパ状のガイド面の小径側端から前記凹部が形成されるようにして、テーパ状のガイド面と前記凹部との組み合わせにより、ナットとボルト等との位置ズレや傾きを矯正することもできる。また、この凹部は円筒状のガイド面と、そのガイド面の内端から連続する段付面で形成されているから、ナットの螺入側端からテーパ状ガイド面、円筒状ガイド面及び段付面がいわば3段に連なるように構成し、これらの相乗作用によりナットの螺合開始時の噛み合いを矯正することもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1〜図3は、この発明の一実施例であるナット1を示すものである。このナット1は六角部4等の工具係合部と、その螺入側端部に形成されたフランジ2とを備えている。この螺入側の端部には、ナットの中心線Oを斜めに横切るような段付面5が形成されている。この段付面5の概念を図4〜図7に基づいて説明する。
【0010】
いま、図4及び図5のナットNの中心線Oに直角な平面に対して傾斜した平面をPとする。そして、その平面PとナットNの内周面とが交差する楕円状のループ(環状線)を、図6にRで示すように規定できる。このループRにほぼ沿って図7に概念的に示すように、ナット1(N)の螺入側の開口端部近傍の内周面の端から、ナット1の外方に向くように、螺入矯正のための環状の段付面(段付部)5が形成されている。この段付面5の内周縁の、ナットの中心線Oに直角な方向における内径(軸直角内径d)は、ナット1のめねじ3の谷径Dより小さくされている。
【0011】
また、段付面5の形成の基準となる前記楕円状のループRのナット中心線Oに対する傾斜の程度(角度で表せばθ)は、そのループRのナットの開口端に最も近い点と最も遠い点との、ナット軸方向における格差Lに換算して、当該ナット1のめねじの例えば2ピッチ以下となるように設定されている。なお、下限値としては、例えば0.3ピッチ程度を例示でき、その場合は上記傾斜の程度を示す格差Lは0.3〜2ピッチの範囲内となる。なかでも、例えば0.8〜1.2ピッチ程度、概して言えば1ピッチ程度が望ましいと言える。
【0012】
なお、上記楕円状ループRの傾斜程度を示すLが、0.3ピッチ以下であると、後述のように螺入矯正の効果が充分に得られず、またLが2ピッチ以上になると、段付面5を冷間鍛造のパンチ等(冷鍛金型)で成形する際に、軸直角方向の横力(曲げ力)が大きくなるとともに、めねじにおいて360度に満たないねじ条が増えて締結力にも好ましくない影響を与えるため、上述の範囲が好ましいと言える。また、上記角度θを直接規定すれば、θは例えば2〜15°位の範囲内で、なかでも5〜10°位(例えば8°程度)とすることができる。数値範囲の理由は上述のとおりである。
【0013】
また図7に示すように、段付面5は、前述の傾斜した楕円状のループを基準に形成されていて、さらにその段付面5自身がナット1の軸直角平面P’に対し、ナット1の開口側にテーパ状に広がるように所定の角度α傾斜して形成されている。この傾斜角度αは、例えば当該ナット1のめねじのフランク角をFとしたとき、0.5F〜1.5F程度に設定することができ、なかでもそのフランク角Fと段付面5の傾斜角度αとをほぼ等しくすること(傾斜角αをフランク角F程度に設定すること)が望ましい。傾斜角度αが大きすぎると、螺入矯正機能が不十分となり易く、逆に小さすぎると、段付面5の内周縁がいわゆるピン角又はこれに近くなってボルト等の端部を内方へ導く効果が小さくなるため、上述の範囲が好ましい。なお、8は段付面5に続く立上り壁(段付面5の深さを規定するもので、段付部の一部と見ることもできる)である。
【0014】
図7のナットNは段付面5の概念を示すもので、図1〜3は、実際製品に近いものとなっている。図3から明らかなように、ナット1では、環状の段付面5よりナットの開口端に、めねじが形成されていない円筒状のガイド面(以下、円筒状ガイド面という)6がナット1の中心線Oと同心的に形成され、この円筒状ガイド面6は、環状の段付面5の内周縁の軸直角内径(図7のd)より大きく、かつナットのめねじの谷径よりわずかに大きな内径D’を有して、環状の段付面5につながっている。さらに、この円筒状ガイド面6の開口端部(ナット螺入側の開口端)には、ナット1の軸方向外方に向かって広がるテーパ状のガイド面(以下、テーパ状ガイド面という)7が形成され、そのテーパ状ガイド面7の小径側端が円筒状ガイド面6とつながっている。
【0015】
ここで、円筒状ガイド面6の、ナット軸方向の幅寸法L1は、ナット1のめねじの0.5〜2ピッチ分に相当するものとされ、この例では、例えば1ピッチ分程度に設定されている。また、円筒状ガイド面6の開口端と段付面5の最深部との距離L2は、例えば1〜3.5ピッチ分に定められ、例えばこの例では2ピッチ分ほどで形成されている。また、テーパ状ガイド面7のテーパ角βは、例えば20〜80°程度、なかでも30〜70°程度とされ、この例では例えば40〜60°の範囲に設定されている。またテーパ状ガイド面7の深さ(ナット軸方向幅)L3は、ナット1のめねじの例えば0.2〜2ピッチ分程度に設定され、なかでも例えば0.2〜1ピッチ、この例では約0.5ピッチ程度とされている。
【0016】
このように、ナット開口端に向かって段付面5、円筒状ガイド面6、さらにテーパ状ガイド面7を直列かつ連続的に3段構造で設けたことにより、テーパ状ガイド面7がボルト等おねじ部材の導入機能を果たし、また円筒状ガイド面6はナットとボルトの位置ずれや傾きをある程度矯正し、さらに段付面5が回転するカムのように両者の傾きを是正する方向に作用する。そのため、円筒状ガイド面6は上述のように例えば1ピッチ程度と短くて済み、矯正効果をあげながらねじ長が長くとれる。
【0017】
図8は、段付面5による螺入矯正作用を概念的に示すものである。(a)に示すように、ボルト9がナット1に対し斜めに食い付いた状態(ナット1とボルト9の各軸線が傾斜している)で、(b)のように、ナット1がボルト9に対し相対的に回転すると、段付面5の深い部分より浅い部分(段付面5の内周縁も含む)がボルト9の端面と摺接し、ここが力の作用点となってボルト9を起こす方向(ナット1とボルト9の各軸線を同軸にしようとする方向の動き)が作用し、その結果(c)に示すように、ナット1とボルト9の各軸線が一致する状態が生じやすくなり、両者の螺入(螺合の開始)において食い付き不良を生じにくくなる。
【0018】
図9はその状態をより実体的に示すものであり、ボルト9がナット1の軸線に対し例えば角度γ傾いていても、この角度γを解消するように(ボルト9を起こすように)矯正作用を働かせることができる。なお、このボルト9のナット1に対する相対的な傾斜角度γは、例えば2、3°程度であれば通常普通に生じる範囲であるが、5°以上(8°程度)といった状況になると、一般にボルト・ナットの螺合は困難であるが、本発明のナット1によれば、例えばγが8°程度のボルト9との傾斜でもこれを矯正させやすい。
【0019】
なお、図10に示すナット11は、その(a)に示すように、段付面5に続く円筒状ガイド面6を有するが、テーパ状ガイド面7は省略されたタイプのもので、(b)が全体断面図、(c)が正面図である。
【0020】
また図11に示すナット12は、段付面5のみを有し、円筒状ガイド面6やテーパ状ガイド面7を有さないタイプのもので、(a)が拡大図、(b)が全体断面図、(c)が正面図である。なお図11に示すナット12のように螺入側開口端に円筒状ガイド面6を設けず、段付面5のみにすれば、全体のねじ長を長くとることができ、他方、図10に示すナット11のように段付面5と円筒状ガイド面6とを組み合わせれば2段階に矯正作用が期待できる。また、この円筒状ガイド面6(図3の円筒状ガイド面6も同様)は、例えば図8や図9に示したように、ナット1の段付面5がボルト9にその傾きを矯正する方向の力のモーメントを作用させる際、図3や図10に示す円筒状ガイド面6にボルトの先端が接した状態で上述のモーメントを受けることで、円筒状ガイド面6が力の支点の機能を果たすことが期待できる。
【0021】
図12〜図14は、本発明の別の実施例である袋ナット(ハブナット)21を示すものである。図12の正面図及び図13の断面図に示すように、このハブナット21は六角部20等の工具係合部と、これとは反対側の円筒部23等のねじ形成部又は孔嵌合部と、両者の間に位置するフランジ22とが一体の筒状をなすものである。めねじ3は円筒部23とフランジ22を超えて形成され、六角部20の内部はボルトが突入する空所とされ、さらに6各部20の開口部にはキャップ24が溶接等により一体化され、その開口を塞いで袋ナットとされている。
【0022】
円筒部23(ねじ形成部)の螺入側開口端には、段付面25、円筒状ガイド面26及びテーパ状ガイド面27が軸方向に連なるように形成されている。図14はその拡大図である。これら段付面25、円筒状ガイド面26及びテーパ状ガイド面27は、実質的に図3に示した段付面5、円筒状ガイド面6及びテーパ状ガイド面7と同様のものであるため詳しい説明は省略する。
【0023】
このようなハブナット21は、図示しないハブボルトに対しタイヤのホイールを介して締め込まれることによりタイヤをハブに固定し、円筒部23がホイール孔に嵌まり込み、フランジ22の端面がホイール孔の開口端面に着座する。そして、インパクトレンチその他の工具でハブナット21をハブボルトに螺合させる際、それらハブナット及びハブボルト間に軸ずれや軸同士の傾きがあっても、図8や図9に概念的に示すような矯正作用により、正常な螺合状態を生じさせやすくなる。
【0024】
なお、図15は、以上説明したようなナットの製造工程の一例を概念的に示すものである。この例は、冷間鍛造でナット素材30を製造する一工程を示すもので、所定の冷間鍛造金型により適数の鍛造工程を経て段付面5、円筒状ガイド面6及びテーパ状ガイド面7を有するナット素材30が得られる。この例では、鍛造金型31、32(ダイ)、34(スリーブ)間にナット素材30が拘束され、かつパンチ33により上述の段付面5、また必要に応じ円筒状ガイド面6及びテーパ状ガイド面7が形成される。このような冷間鍛造によりナット素材30を得た後、その内周面に転造又は切削によりめねじを形成することにより、段付面5の所定部分からめねじが形成されることとなる。以上の工程は、製造方法として捉えれば、ナット素材に冷間鍛造金型(パンチ等を含む)を用いて、段付面5、又は段付面5及び円筒状ガイド面6、あるいは段付面5、円筒状ガイド面6及びテーパ状ガイド面7を形成し、その後段付面5の所定の部分からめねじが始まるようにねじを形成する製造方法である。
【0025】
なお、以上の説明ではナットの一端部に段付面(必要に応じて円筒状ガイド面、テーパ状ガイド面)が設けられたものであったが、これはナットの螺入端が一端に決まっていたからであり、もし、その両端部のいずれからでも螺入が予定されている螺入端が決まっていないタイプのナットでは、両端部にそれぞれ段付面(必要に応じて円筒状ガイド面、テーパ状ガイド面)を形成することができる。この場合、対称的に形成してもよいし、非対称的に形成してもよい。
【0026】
また、以上の説明では、めねじ部材又はめねじ部の典型例としてナットで全て説明したが、めねじ孔を有する部材又は部分、例えば板等の所定の表面にめねじ孔が開口する形態のめねじ部で、その螺入側端部に前述したような段付面(必要に応じ、円筒状ガイド面、テーパ状ガイド面)を形成して、ナットの場合と同様の螺入矯正機能を果たさせることもできる。その意味で本件明細書のナットは、めねじ部材又はめねじ部若しくはめねじ部構造に置き換えて把握することもできる。
【0027】
また、めねじ部、めねじ部材又はめねじ部構造において、ナットのように自身が回転することを予定しているものではなく、自身は回転を予定しておらず(構造的に回転不能等)、螺合相手方(例えばボルト等)が回転することが予定されている場合に、その自身が回転しないタイプのめねじ部又はめねじ部材若しくはめねじ部構造に、前述の段付面(必要に応じ円筒状ガイド面、テーパ状ガイド面)を形成することもでき、その場合でも回転する相手方に対する螺入矯正において一定の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるナットの正面図。
【図2】その縦断面図。
【図3】図2の拡大断面図。
【図4】段付面の前提となる概念を説明する斜視図。
【図5】図4の側面図。
【図6】段付面の前提となる楕円状のループを示す概念図。
【図7】図6のループにしたがって形成された段付面の一例を示す概念図。
【図8】概念的な作用説明図。
【図9】螺合直前のボルトの相対的な傾きの一例と、正常に螺合が開始された状態を示す説明図。
【図10】本発明の別の実施例のナットを示す図。
【図11】さらに別のナットを示す図。
【図12】本発明のさらに別の実施例としてハブナットに本発明を適用した場合の正面図。
【図13】図12の縦断面図。
【図14】図13の拡大断面図。
【図15】本発明のナットの製造工程の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1、11、12、21 ナット
3 めねじ
5、25 段付面
6、26 円筒状ガイド面
7、27 テーパ状ガイド面
Claims (7)
- ナットのめねじ孔のおねじ螺入側の開口端付近に凹部を形成し、この凹部の環状の底面で段付面を構成すると共に、
この段付面は、前記ナットの中心線に直角な平面に対し傾斜した一平面とそのナットのめねじ孔の内周面との交差部で形成する楕円状の環状線であるループを基準として、この傾斜した一平面上にある楕円状のループに沿って、ナットの螺入側の開口端近傍の内周面の端から、ナットの外方に向くように環状かつ楕円状の傾斜した面として形成されており、
前記段付面の内周縁の楕円状のループ付近における、前記ナットの中心線に直角な方向における内径である軸直角内径は、当該ナットのめねじの谷径より小さく形成され、前記ナットのめねじ孔に形成するめねじはこの傾斜した段付面部分から形成されていることを特徴とするナット。 - 前記ナットのめねじ孔のおねじ螺入側の開口端部付近に形成した凹部には、円筒状のガイド面が前記ナットの中心線と同心的に形成されて前記凹部の底部に形成した環状の段付面につながっており、この円筒状のガイド面はナットのめねじの谷径よりわずかに大きな内径を有し、この円筒状のガイド面にはめねじが形成されていないことを特徴とする請求項1に記載のナット。
- 前記円筒状のガイド面の、ナット軸方向の幅寸法は、当該ナットのめねじの0.5〜2ピッチ分に相当するものとされている請求項2記載のナット。
- 前記段付面の形成の基準となる前記楕円状のループのナット中心線に対する傾斜の程度は、そのループの前記ナットの開口端に最も近い点と最も遠い点との、ナット軸方向における格差が、当該ナットのめねじの2ピッチ以下となるように設定された請求項1ないし3のいずれかに記載のナット。
- 前記傾斜した楕円状のループを基準に形成された前記段付面は、更にその段付面自身が前記ナットの軸直角平面に対し、前記ナットの開口端側にテーパ状に拡がるように所定の角度傾斜して形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のナット。
- 前記段付面の、前記ナットの軸直角平面に対する所定の角度の傾斜は、当該のナットのめねじのフランク角程度とされている請求項5記載のナット。
- 前記ナットの螺入側の開口端には、ナットの軸方向外方に向かって拡がるテーパ状のガイド面がナットのめねじと同心的に形成され、そのテーパ状のガイド面の小径側端から前記凹部が形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のナット。
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