JPH08159131A - ね じ - Google Patents

ね じ

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Publication number
JPH08159131A
JPH08159131A JP30743494A JP30743494A JPH08159131A JP H08159131 A JPH08159131 A JP H08159131A JP 30743494 A JP30743494 A JP 30743494A JP 30743494 A JP30743494 A JP 30743494A JP H08159131 A JPH08159131 A JP H08159131A
Authority
JP
Japan
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screw
hole
pilot
tip
main
Prior art date
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Pending
Application number
JP30743494A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Suzuki
寛志 鈴木
Kazuo Imanishi
一雄 今西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Topura Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Topura Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, Topura Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP30743494A priority Critical patent/JPH08159131A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多少の偏心あるいは傾斜があっても、かじり
を起こさずに、スムーズに主ねじ部を雌ねじ孔に螺合さ
せることのできるねじを提供する。 【構成】 雌ねじ孔に螺合する雄ねじ35aを有した主
ねじ部35と、この主ねじ部35の外径よりも小径に形
成されて主ねじ部35の先端に突設され、雌ねじ孔へ傾
斜状態で挿入された際に主ねじ部35の姿勢を矯正する
パイロット部36とを有するねじにおいて、パイロット
部36の外径を雌ねじ孔の内径より大きく設定し、該パ
イロット部の外周に主ねじ部35の雄ねじ35aと連続
しかつ雌ねじ孔の雌ねじに螺合する雄ねじ36aを形成
し、パイロット部36の先端に、主ねじ部35の軸心4
1から偏心した突縁部40aを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば作業用ロボット
を用いて自動締め付けを行う場合に好適なねじに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なねじは、工具を係合し得
る任意形状の頭部と、この頭部の首下から延びる断面円
柱状のねじ軸とを備えており、このねじ軸の外周に先端
まで形成された一連の雄ねじを有し、ねじ軸の先端面が
ほぼ平坦に形成されている。
【0003】図9は従来のねじの各例を示す。
【0004】(a)は一般的なねじであり、このねじ
は、ねじ軸1の先端面1aが平坦に形成されている。
(b)〜(d)は特殊ねじを示し、(b)のねじは、ね
じ軸1の先端に、ねじ軸1の外径よりも小径のパイロッ
ト部2を有している。パイロット部2は、雌ねじ孔へ傾
斜状態で挿入された際に、ねじの姿勢を矯正し、ねじ軸
1を雌ねじ孔に対して、正しい姿勢に誘導案内するため
のものである。(c)のねじは、ねじ軸の先端に先細り
のパイロット部3を設け、雌ねじ孔に入り易くしたもの
である。(d)のねじは、ねじ軸1の先端に、外周に雄
ねじ4aを有する先細りテーパ状の先巻き部4を設け、
雌ねじ孔に斜めに入れても、かじりを生じないようにし
たものである。
【0005】また、別のねじの例として、実開昭59−
34106号公報に記載のものが知られている。このね
じは、図10(a)に示すように、ねじ軸1の先端面を
斜めにカットし、傾斜面5としたものである。
【0006】このねじ6によれば、図10(b)に示す
ように、被締結部材7の通孔8を通して雌ねじ孔9に自
動締め付けしようとする際、通孔8に対してねじ6が多
少偏心している場合でも、傾斜面5の先端縁5aが振れ
回転することにより、図10(c)に示すように、振れ
回転の半径内にある通孔8を探し出す。そして、通孔8
に先端縁5aが僅かでも入った段階で、傾斜面5の回転
により、ねじ軸1が通孔8の中心に誘導される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記図9に
示した従来のねじは、作業ロボット等で自動締め付けを
行う場合、雌ねじ孔と雄ねじの軸心がずれていたり、雌
ねじ孔に対して雄ねじが傾斜していたりすると、良好な
締結を行えないことがあった。
【0008】例えば、図9(a)に示したねじは、雌ね
じ孔に対して進入させられる際に、僅かの偏心や傾きが
生じても、雌ねじ孔に螺合させることができず、辛うじ
て傾斜状態で螺合させることができたとしても、ねじ山
をかじってしまい、それ以上の締結を進められなくなる
ことがあった。図9(b)のものは、傾きが多少あって
もそれを矯正する作用は期待できるが、多少でも偏心が
あると、挿入できないことがあった。
【0009】また、図9(c)のねじは、多少の偏心や
傾きがあっても、テーパ状のパイロット部の先端が僅か
でも雌ねじ孔に突入されれば、これに続くねじ軸の傾き
を矯正しながら、雌ねじ孔内へねじ軸を導入案内するこ
とができ、挿入性を改善できる。しかしながら、パイロ
ット部の先端が最初から雌ねじ孔から外れた偏心状態で
進入すると、締結することができなかった。
【0010】さらに、図9(d)のねじは、図9(c)
のねじとほぼ同じ作用効果を期待できるが、先巻き部の
先端が最初から雌ねじ孔から外れた偏心状態で進入する
と、締結することができなかった。また、偏心が少なく
ても傾いた状態で先巻き部4の先端が雌ねじ孔に突入さ
れると、先巻き部4の雄ねじ4aが雌ねじに食い付い
て、ねじ山を損傷するおそれがあった。
【0011】また、図10に示すねじの場合は、傾斜面
5による孔探り機能を持つので、上述した図9(c)、
(d)のねじよりも大きな偏心矯正機能を持つが、斜め
の姿勢で雌ねじ孔に挿入された場合の誘導案内作用が期
待できないので、雄ねじと雌ねじのかじりを起こすおそ
れがあった。
【0012】そこでこの発明は、傾いた姿勢で雌ねじ孔
に挿入されても、姿勢を直すことができ、しかもかじり
を防止し、ねじが雌ねじ孔から多少偏心していても、雌
ねじ孔を探りながら容易に雌ねじ孔に挿入できるねじを
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、雌ね
じ孔に螺合する雄ねじを有した主ねじ部と、この主ねじ
部の外径よりも小径に形成されて前記主ねじ部の先端に
突設され、前記雌ねじ孔へ傾斜状態で挿入された際に前
記主ねじ部の姿勢を矯正するパイロット部とを有するね
じにおいて、前記パイロット部の外径を前記雌ねじ孔の
内径より大きく設定し、該パイロット部の外周に前記主
ねじ部の雄ねじと連続しかつ前記雌ねじ孔に螺合する雄
ねじを形成し、前記パイロット部の先端に、前記主ねじ
部の軸心から偏心した突縁部を設けたことを特徴とす
る。
【0014】請求項2の発明は、請求項1記載のねじで
あって、前記パイロット部の雄ねじは、不完全ねじ山の
小径ねじ山であり、該雄ねじの谷径を、前記主ねじ部の
雄ねじの谷径と等しく設定したことを特徴とする。
【0015】請求項3の発明は、請求項1または2記載
のねじ構造であって、前記突縁部は、前記パイロット部
の先端に傾斜面を形成することによって設けたことを特
徴とする。
【0016】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かに記載のねじであって、前記パイロット部の先端に、
該パイロット部の雄ねじと連続する雄ねじを外周に有し
た先細りテーパ状の先巻き部を突設し、この先巻き部の
先端に、前記突縁部を設けたことを特徴とする。
【0017】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
かに記載のねじであって、前記傾斜面をねじの材料の剪
断時のだれにより形成したことを特徴とする。
【0018】
【作用】請求項1の発明では、主ねじ部を回転させなが
ら、その先端のパイロット部を雌ねじ孔に挿入すると、
パイロット部の外周に設けた雄ねじが、雌ねじ孔に最初
に係合する。この際、パイロット部の雄ねじは、ねじ山
の外径が主ねじ部の外径よりも小さく設定されているか
ら、雌ねじ孔の雌ねじに対して浅くかつ楽に係合し、ね
じ山同士のかじり(噛み込み)を生じることなく、雌ね
じに導かれて雌ねじ孔内に進入する。パイロット部の雄
ねじは主ねじ部の雄ねじと連続しているから、雌ねじ孔
へねじの先端が進入するに従い、雌ねじ孔と螺合する部
位が、パイロット部の雄ねじから主ねじ部の雄ねじに、
かじりを起こすことなくスムーズに移行する。また、そ
の際、パイロット部が雌ねじ孔に進入するに従い、パイ
ロット部の案内作用によって、その姿勢が正しい挿入姿
勢(雌ねじ孔に対して垂直な挿入姿勢)に矯正される。
従って、パイロット部が、傾むいた姿勢で雌ねじ孔内に
挿入された場合でも、ねじの姿勢が矯正されながら、主
ねじ部が雌ねじ孔に螺合することになる。
【0019】また、パイロット部の先端に、主ねじ部の
軸心から偏心した突縁部を持つ傾斜面を設けたので、雌
ねじ孔(またはその手前に位置する被締結部材の通孔)
に対して多少偏心した位置でねじの先端を回転させなが
ら進入させようとした場合でも、突縁部が振れ回転する
ことにより、その回転半径内にある雌ねじ孔を探り出
す。そして、突縁部が雌ねじ孔内に僅かでも入ると、回
転するねじの先端が雌ねじ孔の周縁に係合することで、
係合箇所を支点にしてねじの先端が振れ回り、雌ねじ孔
の中心方向へ誘導され、ねじの軸心と雌ねじ孔の軸心が
一致するようになる。よって、パイロット部が確実に雌
ねじ孔内に入り、パイロット部に案内されて、主ねじ部
が雌ねじ孔に螺合する。
【0020】請求項2の発明では、請求項1の発明の作
用に加えパイロット部の雄ねじが不完全ねじ山の小径ね
じ山であり、該雄ねじの谷径が主ねじ部の雄ねじの谷径
と等しく設定されているので、雌ねじ孔の雌ねじの山頂
がパイロット部の雄ねじの谷底に当たることで、主ねじ
部の姿勢をより正しく矯正することができる。また、パ
イロット部の雄ねじから主ねじ部の雄ねじに螺合箇所が
移行する際に、予め両雄ねじの谷底の径が同一で谷底の
段差が無いから、雌ねじの山頂がスムーズに雄ねじの谷
底を移動する。
【0021】請求項3の発明では、突縁部が雌ねじ孔又
は通孔を探り出したとき、傾斜面が雌ねじ孔又は通孔に
案内されてねじが雌ねじ孔又は通孔に入り込む。
【0022】請求項4の発明では、請求項1〜3のいず
れかの発明の作用に加えパイロット部の先端に先細りテ
ーパ状の先巻き部があるので、偏心した位置から雌ねじ
孔に進入させられる場合でも、あるいは斜めの方向から
雌ねじ孔に進入させられる場合でも、パイロット部がス
ムーズに雌ねじ孔に誘導される。また、一旦先巻き部が
雌ねじ孔に入った後の調心作用が高まるため、パイロッ
ト部への螺合状態の移行がよりスムーズに行われる。特
に、ねじの先端が斜めに雌ねじ孔に入った状態でも、先
巻き部の雄ねじが雌ねじに螺合するので、その螺合によ
り発生する誘導案内作用によって、パイロット部から主
ねじ部への螺合箇所の移行がよりスムーズに行われ、か
じり防止作用が一段と高められる。
【0023】請求項5の発明では、ねじの先端を剪断し
た際のだれにより傾斜面を形成したから、傾斜面を作る
ための特別な加工が不要である。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0025】図1は実施例の自動締め付け用ねじの全体
構成を示す正面図、図2はその要部を示す正面図、図3
はその先端面図である。
【0026】この実施例のねじ31は、図1に示すよう
に、傘状をなすフランジ32の上部に締め付け工具嵌合
用の六角の頭部33を有し、フランジ32の下部に大径
軸部34を有し、この大径軸部34の下部に連続し、そ
れより小径の主ねじ部35と、パイロット部36と、先
巻き部37とを有している。パイロット部36は、主ね
じ部35の先端に突設され、先巻き部37はパイロット
部36の先端に先細りテーパ状に突設されている。
【0027】前記主ねじ部35は、図2に示すように、
円柱軸の外周に一条の雄ねじ35aを形成したものであ
り、この雄ねじ35aは、図4(a)に示すように、ナ
ット部材51の雌ねじ孔52の雌ねじ53に螺合する完
全な山形を成している。この主ねじ部35には、図2に
示すようにパイロット部36に近い位置に、雄ねじ35
aの谷底よりも深い長方形の切欠溝38が軸心方向に沿
って4本形成されている。この切欠溝38は、雌ねじ孔
に付着している塗料を剥ぎ取るためのもので、側縁部3
8aが掻き落とし用の刃となっている。
【0028】前記パイロット部36は、外径が、主ねじ
部35よりも小さく雌ねじ孔52の内径よりも大きい平
行軸として形成され、外周に雄ねじ36aを有してい
る。この雄ねじ36aは、主ねじ部35の雄ねじ35a
に対して不完全ねじ山の小径ねじ山であり、谷径は主ね
じ部35の雄ねじ35aの谷径と等しく設定され、主ね
じ部35の雄ねじ35aと同ピッチ、同リード角で連続
形成され、谷底が平坦に形成されている。従って、図4
(b)に示すように、雌ねじ孔52の雌ねじ53と浅く
係合するようになっている。
【0029】前記テーパ状の先巻き部37は、パイロッ
ト部36の先端から次第に縮径する形状に形成されてお
り、外周に図4(b)に示すような、パイロット部36
の雄ねじ36aと同ピッチ、同リード角、同断面の雄ね
じ37aを有している。この雄ねじ37aは、テーパ状
の先巻き部37の先端まで形成されている。
【0030】この先巻き部37の先端面は、図2に示す
ように、ねじ剪断時のだれを残したままの傾斜面40と
なっている。この傾斜面40は、図5に拡大して示すよ
うに、ねじ31の軸心41と直交する面を基準とした場
合、それより所定角度θだけ傾斜しており、先端がねじ
31の軸心41から偏心した突縁部40aとなってい
る。傾斜面40の周縁は環状エッジ42として軸心方向
外方へ突出し、環状エッジ42で囲まれた内部は凹陥部
43として凹んでいる。このような構造の傾斜面40
は、ねじ31の製造工程中において容易に加工すること
ができる。
【0031】即ち、ねじ31の素材となる線材を片刃カ
ッターで切断した際に、刃先の形状および剪断と破断の
切断形態の相違によって、破断側が肉落ちして長さが短
くなり、切断面が傾斜面となる。次いで、切断した線材
をダイス内に収容してパンチで鍛造すると、先巻き部3
7のテーパ形状を加工する際に、切断面の外周部が先端
側へ引き延ばされて、環状エッジ42と凹陥部43の原
形が造られる。次に、鍛造品に対して雄ねじ35a、3
6a、37aの転造加工を施すと、先巻き部37の先端
部外周がさらに軸心方向先端側へ引き延ばされ、特に剪
断側がより多く引き延ばされることで、突縁部40aを
有した傾斜面40ができる。
【0032】次に、図6〜図8を用いて作用を説明す
る。
【0033】ここでは、図示するように、ナット部材5
1が固着された被締結部材である車体側パネル材60に
対して、上記構成のねじ31を作業ロボットを用いて締
め付ける場合について説明する。締め付け工具として
は、例えば作業用ロボットのアームに取り付けられた電
気ドライバーなどが用いられる。
【0034】図6に示すように、ねじ31の軸心41
が、車体側パネル60の板面に対して直交しているもの
の、被締結部材60の通孔61およびナット部材51の
雌ねじ孔52の軸心に対して、距離hだけ偏心している
場合は、次に述べるように螺合状態が進行する。
【0035】まず、ねじ31の突縁部40aの回転半径
内に通孔61がある場合を述べる。ねじ31を軸心41
回りに回転させながら対象物に接近させると、先巻き部
37の先端の傾斜面40の突縁部40aが振れ回ること
により、その回転半径内にある車体側パネル60の通孔
61を探り出す。そして、突縁部40aが通孔61内に
僅かでも入ると、傾斜面40が通孔61の周縁を滑るよ
うにしてガイドされ、回転するねじ31の先端が雌ねじ
孔52の周縁に係合する。この係合箇所を支点にして、
ねじ31の先端が振れ回り、ねじ31の先端が雌ねじ孔
52の中心方向へ誘導されて、先巻き部37が雌ねじ孔
52内に嵌入する。
【0036】次に、図7のように、ねじ31の突縁部4
0aの回転半径内に通孔61がない場合を述べる。例え
ば、図7のように、ねじ31の軸芯線dは車体側パネル
60の面に直交しているが、車体側パネル60の通孔6
1およびナット部材51の雌ねじ孔52の軸芯に対して
は距離h′だけ偏芯している。
【0037】このねじ31は、先巻き部37の先端に傾
斜角度θの傾斜面40による突縁部40aがあるので、
最初に突縁部40aが車体側パネル60の面に当接した
状態となる。従って、この突縁部40aとねじ31の回
転支点dを結ぶ回転軸Cの回りで軸芯線41との偏位e
を半径としてねじ31が振れ回転する。すなわち、この
振れ回転は、円筒軸を僅かに傾けてその底部を平面に当
接させ、上部を回転支点として円筒軸を軸芯回りに回転
させると、円筒軸の底部の平面に対する接触点が所定の
円弧を描きながら振れ回転することに略相当する。従っ
て、前記突縁部40の振れ回転内に通孔61があるとこ
の通孔61から先巻き部37の先端が雌ねじ孔52内に
誘導されて嵌入する。
【0038】前記先巻き部37はテーパ状で、外周に雄
ねじ37aを有するから、雌ねじ孔52内に入り込むに
従い、徐々に偏心を解消する。それと共に、雄ねじ37
aが雌ねじ53と浅く係合することにより、ねじ31の
先端を雌ねじ孔52内へ誘導案内する。このとき、ねじ
31が、図8に示すように斜めの姿勢で雌ねじ孔52内
に進入した場合でも、先巻き部37の雄ねじ37aが雌
ねじ53に浅く螺合するので、その螺合状態がパイロッ
ト部36へ、かじりを起こすことなく、スムーズに引き
継がれる。
【0039】パイロット部36が雌ねじ孔52内に入り
込むと、平行軸からなるパイロット部36の案内作用に
より、ねじの姿勢が正され、傾き角αが略ゼロに矯正さ
れ、その状態で主ねじ部35へその螺合状態が引き継が
れる。この場合も、パイロット部36の雄ねじ36aは
主ねじ部35の雄ねじ35aと連続しているので、かじ
りを起こすことなく、スムーズに螺合状態が移行する。
したがって、主ねじ部35を、かじりを生じずに、確実
かつ容易にナット部材51に螺合させることができ、被
締結部材60を締結することができる。
【0040】特に、この場合、パイロット部36の雄ね
じ36aの谷径が主ねじ部35の雄ねじ35aの谷径と
等しく設定されているから、雌ねじ孔52の雌ねじ53
の山頂が、図4(b)に示すように、パイロット部36
の雄ねじ36aの谷底に当たり、それにより主ねじ部3
5の姿勢がより正しく矯正される。また、パイロット部
36の雄ねじ36aから主ねじ部35の雄ねじ35aに
螺合箇所が移行する際に、予め両雄ねじ36a、35a
の谷底の径が同一で谷底の段差が無いから、雌ねじ53
の山頂がスムーズに雄ねじ36a、35aの谷底を移動
する。したがって、ねじ込み動作をスムーズに行え、ね
じ込み力の変動を小さく押えることができる。
【0041】以上のように、上記構成のねじ31を用い
た場合、ねじ31が雌ねじ孔52に対して若干偏心して
いても、また多少傾いていても、確実にねじ31を雌ね
じ孔52に締結することができる。
【0042】なお、上記実施例では、パイロット部36
の先端に先巻き部37を設け、その先端面に傾斜面40
を設けているが、先巻き部37を省略して、パイロット
部36の先端面に直接傾斜面40を形成してもよい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、雌ねじ孔に対してねじが多少偏心している場合
であっても、雌ねじ孔内に確実にパイロット部を進入さ
せることができ、そのパイロット部の案内作用により、
正しい姿勢で主ねじ部を雌ねじ孔に螺合させることがで
きる。その際、パイロット部には、主ねじ部に先駆けて
雌ねじに浅く螺合する雄ねじを設けているので、かじり
を起こさずに、主ねじ部を雌ねじ孔に確実に螺合させる
ことができる。従って、姿勢矯正機能と、孔探り機能
と、かじり防止機能をすべて備えたねじを提供すること
ができる。
【0044】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加え、主ねじ部の姿勢をより正確に矯正するこ
とができるので、主ねじ部のねじ込み動作をスムーズに
行うことができる上、かじり防止作用をより高めること
ができる。また、パイロット部から主ねじ部にかけての
雄ねじの谷径の段差がないから、ねじ込み動作をスムー
ズに行え、ねじ込み力の変動を小さく押えることができ
る。
【0045】請求項3の発明によれば、請求項1または
請求項2の発明の効果に加え、傾斜面で形成した突縁部
が振れ回転して、孔探り機能を発揮することができる。
また傾斜面によって雌ねじ孔又は通孔への嵌入をより容
易に行なわせることができる。
【0046】請求項4の発明によれば、パイロット部の
先端に、先細りテーパ状の先巻き部を設けたので、パイ
ロット部をスムーズに雌ねじ孔に誘導することができ、
かじり防止や調心作用を高めることができる。
【0047】請求項5の発明によれば、通常のねじ製造
工程中に容易に傾斜面を構成することができる。従っ
て、特別な加工が不要となり、安価に製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の自動締め付け用ねじの全体
構成を示す正面図である。
【図2】同ねじの要部を拡大して示す正面図である。
【図3】同ねじの先端面図である。
【図4】同ねじと雌ねじ孔の係合状態を示す図であり、
(a)は主ねじ部の雄ねじと雌ねじ孔の雌ねじとの係合
関係を示す部分断面図、(b)はパイロット部または先
巻き部の雄ねじと雌ねじ孔の雌ねじとの係合関係を示す
部分断面図である。
【図5】同ねじの先巻き部をさらに拡大して示す部分正
面図である。
【図6】同ねじの作用説明図であり、雌ねじ孔に対して
偏心した位置でねじの先端が挿入されようとしている状
態を示す図である。
【図7】同ねじの作用説明図であり、ねじの先端が雌ね
じ孔から完全に外れた状態で挿入されようとしている状
態を示す図である。
【図8】同ねじの作用説明図であり、雌ねじ孔に対して
斜めの姿勢でねじの先端が挿入されている状態を示す図
である。
【図9】従来のねじの各例を示す部分正面図である。
【図10】従来のねじの他の例を示し、(a)は同ねじ
の正面図、(b)及び(c)は同ねじを自動締め付けす
る際の作用説明図である。
【符号の説明】
31 ねじ 35 主ねじ部 35a 雄ねじ 36 パイロット部 36a 雄ねじ 37 先巻き部 37a 雄ねじ 40 傾斜面 40a 突縁部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雌ねじ孔に螺合する雄ねじを有した主ね
    じ部と、 この主ねじ部の外径よりも小径に形成されて前記主ねじ
    部の先端に突設され、前記雌ねじ孔へ傾斜状態で挿入さ
    れた際に前記主ねじ部の姿勢を矯正するパイロット部と
    を有するねじにおいて、 前記パイロット部の外径を前記雌ねじ孔の内径より大き
    く設定し、該パイロット部の外周に前記主ねじ部の雄ね
    じと連続しかつ前記雌ねじ孔に螺合する雄ねじを形成
    し、 前記パイロット部の先端に、前記主ねじ部の軸心から偏
    心した突縁部を設けたことを特徴とするねじ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のねじであって、 前記パイロット部の雄ねじは、不完全ねじ山の小径ねじ
    山であり、該雄ねじの谷径を、前記主ねじ部の雄ねじの
    谷径と等しく設定したことを特徴とするねじ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のねじ構造であっ
    て、 前記突縁部は、前記パイロット部の先端に傾斜面を形成
    することによって設けたことを特徴とするねじ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のねじで
    あって、 前記パイロット部の先端に、該パイロット部の雄ねじと
    連続する雄ねじを外周に有した先細りテーパ状の先巻き
    部を突設し、 この先巻き部の先端に、前記突縁部を設けたことを特徴
    とするねじ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のねじで
    あって、 前記傾斜面をねじの材料の剪断時のだれにより形成した
    ことを特徴とするねじ。
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