JP2008095773A - タッピンねじ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】頭部2と、ねじが形成されたねじ軸部3とを備え、ねじ軸部3は、円柱形状の平行ねじ部4と、軸端に向かって徐々に小径となるテーパ形状の先端テーパ部5とを有し、先端テーパ部5には下穴に雌ねじを形成するための雌ねじ形成用のねじ山51が設けられ、平行ねじ部4には先端テーパ部5の雌ねじ形成用のねじ山51によって形成された雌ねじにねじ係合するねじ山41が設けられているタッピンねじにおいて、平行ねじ部4と先端テーパ部5の間に平行ねじ部4から先端テーパ部5に移行する先端テーパ部5よりもテーパ角度が小さく平行ねじ部4のねじ山41と同一形状のねじ山61を備えたテーパ移行部6を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
すなわち、頭部と、頭部から直線的に延びるねじ軸部とを備え、ねじ軸部は、平行ねじ部と、平行ねじ部の頭部と反対側端部から軸端に向かって先細となるテーパ形状の先端テーパ部と、を有する構成となっている。先端テーパ部には下穴に雌ねじを形成するための雌ねじ形成用のねじ山が設けられ、平行ねじ部には先端テーパ部の雌ねじ形成用のねじ山によって形成された雌ねじに螺合するねじ山が設けられている。
タッピンねじをねじ込む際には、先端テーパ部のねじ山の先行部分によって形成された雌ねじ部分に後続するねじ山が食い込んで徐々に押し広げていき、平行ねじ部との境界となる先端テーパ部の最大径部分で平行ねじ部のねじ山の大きさまで拡げられ、続いて平行ねじ部のねじ山が螺合するようになっている。
前記テーパねじ部と先端テーパ部の間にテーパねじ部から先端テーパ部に移行する先端テーパ部よりもテーパ角度が小さく平行ねじ部のねじ山と同一形状のねじ山を備えたテーパ移行部を設けたことを特徴とする。
先端テーパ部及びテーパ移行部に設けられるねじ山が下穴に対して円周方向に部分的に食い込む構成となっていることを特徴とする。
さらに、先端テーパ部及びテーパ移行部のねじ山が、ねじ欠落部等によって下穴に対して円周方向に部分的に食い込む構成としておけば、テーパ移行部のテーパ形状と相俟ってねじ込みトルクのピークをより下げることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るタッピンねじを示している。
図1(A),(B)において、1はタッピンねじを示しており、このタッピンねじ1は、頭部2と、ねじが形成されたねじ軸部3とを備えている。ねじ軸部3は、円柱形状の平行ねじ部4と、軸端に向かって徐々に小径となるテーパ形状の先端テーパ部5とを備えた構成で、平行ねじ部4と先端テーパ部5の間に、平行ねじ部4から先端テーパ部5に移行する先端テーパ部5よりもテーパ角度が小さいテーパ移行部6が設けられている。
ねじ軸部3の一端は頭部の顎部24の下端面に首部を介してつながっており、頭部2側から順番に、平行ねじ部4、テーパ移行部6、先端テーパ部5が設けられている。
先端テーパ部5には下穴の内周に雌ねじを形成するためのねじ山51が設けられている。この雌ねじ形成用のねじ山51は、平行ねじ部4のねじ山41と同一ピッチでねじ軸先端まで形成され、n寸法が変わらずに先端に向けて徐々に山の高さが小さくなっている。
テーパ移行部6には、平行ねじ部4のねじ山41と同一形状のねじ山61が設けられている。このねじ山61も平行ねじ部4のねじ山41と同一ピッチで、平行ねじ部4のねじ山41と先端テーパ部5のねじ山51とを連結している。
もっとも、先端テーパ部5及びテーパ移行部6の形状としては、このようなねじ欠落部を有する構成に限定されるものではなく、円周方向に部分的に食い込む形状であれば、従来技術で記載したように、たとえば、凹溝構成となっていてもよいし、平坦面構成となっていてもよいし、横断面形状が三角おむすび形状のような断面多角形状で、その外周に沿ってねじ山が設けられた構成となっていてもよく、公知の種々の構成が適用可能である。
ねじ山を転造する際に、1段テーパ、あるいは2段テーパでも先端テーパ部6のテーパ角度βよりも角度を小さく設定しておけば、転造時にねじ山61の頂部まで材料の肉が十分に回り、ねじ山61の頂部がだれることなく立ち上がって完全なねじ山が成形される。特に、各ねじ山61にねじ欠落部61aを形成するために、ねじブランクに平面部や凹溝等が設けられている場合に有効である。
したがって、平行ねじ部4のねじ山41が嵌合する最終的な雌ねじのねじ溝が正確に成形され、平行ねじ部4が塑性変形させるめねじの肉量が小さくできることにより、ねじ込みトルクの一層の低減を図ることができる。
図示例では、タッピンねじ1を用いて、鋼板等の相手部材110に対して被締付け部材111を固定するもので、相手部材110には、タッピンねじ1がねじ込まれる下穴112が設けられている。この下穴112はバーリング穴で、穴の周縁を一方に筒状に突出させた筒状部113を備えている。
タッピンねじ1のねじ込みは、まず、先端テーパ部5を下穴112に差し込んで食い付かせ、頭部2の十字穴にドライバビットを嵌合して押し込みながらねじ込む。この実施例では、テーパ移行部6を設けたことにより、最大径が小さくなるので、同じ長さで同じテーパ角度であれば従来よりも先端テーパ部5の先端径を細くすることができ、ねじ込み可能な下穴径を従来より広く設定することも可能となる。
このように、ねじ込みトルクが最大となる先端テーパ部5と平行ねじ部4の間に、先端テーパ部5よりもテーパ角度の小さいテーパ移行部6を設けたので、ねじ込みトルクのピークを下げることができる。
また、図3は、上記試験結果をテーパ角度の変化率α/βを横軸とし、先端テーパ部5の角度毎に、ねじ込みトルクの大きさを示したグラフである。一段テーパの従来品の場合は変化率α/βを1として示している。
先端テーパ部のテーパ角度αが小さいほうがねじ込みトルクが小さいが、一段テーパの従来例の場合、テーパ角度を16.0°から3°まで小さくしても、ねじ込みトルクの大きさは、5.92[N・m]から4.70[N・m]に低下する程度であるが、テーパ移行部を設けた場合には、先端テーパ部5のテーパ角度αが16°で、テーパ移行部6の角度βを12.5°としただけで(変化率α/βが1.3)、4.28[N・m]まで低下した。
先端テーパ部αの角度がどの大きさでも、変化率(α/β)が2.0程度まではねじ込みトルクが急激に低下し、それ以上変化率(α/β)を大きくしても、ねじ込みトルクはあまり低下しない。このグラフから、変化率(α/β)が1より僅かに大きくなっただけでも急激にトルクは低下することが認められ、好ましい範囲としては、1(1を含まない)〜5程度である。より好適な範囲としては、変化率(α/β)が1.2程度以上、さらに好適な範囲としては、変化率(α/β)が約1.9以上である。
2 頭部
3 ねじ軸部
4 平行ねじ部
41 ねじ山
5 先端テーパ部
51 ねじ山
51a ねじ欠落部
51b ねじ山本体部(ねじ山食い込み部)
6 テーパ移行部
61 ねじ山
61a ねじ欠落部
61b ねじ山本体部(ねじ山食い込み部)
N 中心軸線
M 平行ねじ部のねじ山の頂部を結ぶ線
O 先端テーパ部のねじ山の頂部を結ぶ線
P テーパ移行部のねじ山の頂部を結ぶ線
α 先端テーパ部のテーパ角度
β テーパ移行部のテーパ角度
110 相手部材
111 被締付け部材
112 下穴
113 筒状部
Claims (2)
- 頭部と、ねじが形成されたねじ軸部とを備え、該ねじ軸部は、円柱形状の平行ねじ部と、軸端に向かって徐々に小径となるテーパ形状の先端テーパ部とを有し、該先端テーパ部には下穴に雌ねじを形成するための雌ねじ形成用のねじ山が設けられ、前記平行ねじ部には先端テーパ部の雌ねじ形成用のねじ山によって形成された雌ねじにねじ係合するねじ山が設けられているタッピンねじにおいて、
前記平行ねじ部と先端テーパ部の間に平行ねじ部から先端テーパ部に移行する先端テーパ部よりもテーパ角度が小さく平行ねじ部のねじ山と同一形状のねじ山を備えたテーパ移行部を設けたことを特徴とするタッピンねじ。 - 先端テーパ部及びテーパ移行部のねじ山が下穴に対して円周方向に一定の間隔をおいて食い込むねじ山食い込み部を有する構成となっている請求項1に記載のタッピンねじ。
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