JP3736820B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャリブレーション情報に基づいて、X線検出手段からの投影情報を感度補正して被検体の断層像を形成するX線CT装置に関し、特に断層像を形成するための曝射である本曝射前にプリ曝射を行い、X線検出手段に入射されるX線の回転軸方向の入射位置をキャリブレーション情報の収集時と同じ入射位置に予め補正することにより、キャリブレーション情報の収集時と同じ入射位置で本曝射を行うことを可能としたX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被検体にX線管からのX線を曝射し、これを検出器で検出して被検体の断層像を撮影するX線CT装置(X線コンピュータ断層撮影装置)が知られている。このX線CT装置のうち、いわゆる第3世代と呼ばれるR−R方式(Rotate−Rotate方式)のX線CT装置の要部は、図13に示すようにガントリの円形状の開口部に沿って回転自在に設けられたX線管101と、このX線管101と相対向するように設けられ、この位置関係を維持した状態で前記開口部に沿って回転自在に設けられたX線検出器102と、X線管101から曝射されるX線の焦点位置を検出する焦点位置検出器103と、X線管101から曝射されたX線の回転軸方向(被検体の体軸方向)の幅を可変するプリコリメータ105とで構成されている。
【0003】
X線検出器102としては、例えば前記回転軸方向に直交する方向であるチャンネル方向に沿って、複数の検出素子102aを一列に整列させて構成した、いわゆるシングルスライスCT用の検出器が用いられている。
【0004】
また、焦点位置検出器103は、複数の検出素子102aのいずれか一端の検出素子102aに連続して設けられており、その入射領域が、チャンネル方向に沿って第1,第2の入射領域に2等分割されている。
【0005】
このようなX線CT装置は、断層像の撮影時となると、例えば被検体104がその体軸方向に沿ってガントリ内を徐々に移動するように被検体104を移動制御すると共に、この被検体104の周辺をX線管101(及びプリコリメータ105)及びX線検出器102が、前記相対向する位置関係を維持したまま回転するように各部を制御し連続的にX線の曝射を行う。
【0006】
そして、X線検出器102により検出されたX線量を所定回転角毎に取り込み、1回転分(360度分)の検出出力に基づいて、被検体104の断層像を再構成するようになっている。
【0007】
ここで、上述のようにX線検出器102は、複数の検出素子102aにより構成されているが、この各検出素子102aは、それぞれ特性(主に感度)が異なる。この感度のばらつきを考慮せずに撮影被写体の画像を再構成するとリング状のアーチファクトを生ずる。
【0008】
これを防止するために、被写体を撮影する前に各検出素子102aの感度をそれぞれ測定してキャリブレーション情報を形成し、このキャリブレーション情報に基づいて、被写体を撮影することにより得られた投影データの補正を行う。
【0009】
これにより、各検出素子102aの感度のばらつきを補正することができ、再構成した画像にリング状のアーチファクトを生ずる不都合を防止することができる。
【0010】
しかし、X線管101は、陰極からの電子ビームを陽極(ターゲット)に衝突させることでX線を形成し、これを被検体に照射するようになっているため、例えば長時間にわたる撮影を行うと、度重なる電子ビームの衝突によりターゲットが熱膨脹し、キャリブレーションデータの収集時における焦点位置と、被写体の撮影時における焦点位置とにずれを生ずる。そして、この焦点位置のずれが生ずると、キャリブレーションデータの収集時におけるX線検出器102へのX線の入射位置と、被写体の撮影時におけるX線検出器102へのX線の入射位置にもずれを生ずるようになる。
【0011】
各検出素子102aの感度は、X線の入射する位置により微妙に異なる。このため、前記焦点位置のずれにより、X線検出器102へのX線の入射位置にずれを生ずると、予め収集されたキャリブレーションデータでは、被写体を撮影することにより得られた投影データの正確な感度補正を行うことができず、再構成された断層像にリング状のアーチファクトやCT値のシフトを生ずる。
【0012】
この問題を解決するために、各検出素子102aに入射するX線の位置を常に一定とするいくつかの方法が知られている。
【0013】
まず、X線を曝射する毎に図13に示す焦点位置検出器103でX線の焦点位置を検出し、この検出出力に応じてプリコリメータ部105を回転軸方向に移動させてX線の入射位置を固定する方法がある。
【0014】
なお、この方法は、X線101の焦点位置自体を直接変化させる方法ではなく、いわば間接的に焦点位置の補正を行うものであるが、当該説明において用いる「焦点位置の補正」なる語句の意味は、このように間接的に焦点位置の補正を行う場合、及び後に説明するX線管101自体を移動制御して直接的に焦点位置を補正する場合の両方を含む意味で用いることとする。
【0015】
すなわち、焦点位置検出器103は、図15に示すように回転軸方向に直交する方向に2等分割されており、これにより形成される第1の入射領域103a(FD1)及び第2の入射領域103b(FD2)を有している。焦点位置検出器103は、この各入射領域103a,103bに入射されたX線のX線量を電気信号のかたちに変換し、それぞれ第1の入射信号P1,第2の入射信号P2として出力する。この各信号P1,P2は、図示しない中央制御ユニットに供給される。
【0016】
中央制御ユニットは、焦点位置検出器103からの各入射信号P1,P2をそれぞれ「P1」,「P2」として以下の数式に示す演算を行いX線管101の焦点移動位置を算出する。
【0017】
焦点移動位置=(P1−P2)/(P1+P2)
この演算結果とX線管101の焦点位置の移動量との関係は、図16に示すように所定の傾き角θのリニアな特性を示すようになっており、この演算結果が「0」のときにはX線管101の焦点位置の移動が生じていないことを示す。また、この演算結果の極性が「+」のときには焦点位置が第1の入射領域103aの方向に算出量分移動していることを示し、この逆に、演算結果の極性が「−」のときには焦点位置が第2の入射領域103bの方向に算出量分移動していることを示すようになっている。
【0018】
このように焦点移動位置が算出されると、中央制御ユニットは、この焦点移動位置に基づいて、X線検出器102に入射されるX線の入射位置が、キャリブレーション情報の収集時におけるX線の入射位置となるようにプリコリメータ部105を移動制御する。
【0019】
具体的には、プリコリメータ部105は、図14(a),(b)に示すようにX線管101が載置された回転部フレーム131の裏面に設けられている。
【0020】
この回転部フレーム131の裏面には、ステッピングモータ132と、減速ギア133と、ガイド136とが設けられており、ステッピングモータ132の回転力を減速ギア133で所定分減衰させ、これを両端が各ガイド136で係止されたボールネジ軸135に伝達するようになっている。
【0021】
ボールネジ軸135は、その長軸が前記回転軸方向と同じ方向となるように設けられている。また、このボールネジ軸135には、ボールネジ軸135が回転することで回転軸方向に移動可能なようにボールネジブロック134が設けられている。そして、このボールネジブロック134に、ボールネジブロック134の移動に連れ移動可能なようにプリコリメータ部105が設けられている。
【0022】
このプリコリメータ部105は、回転軸方向に直交する方向に所定の開口幅の開口部を形成するように制御されており、この開口部を介してX線を被検体に曝射するようになっている。
【0023】
中央制御ユニットは、上述の数式に示した演算により焦点移動位置を検出すると、この焦点移動位置に応じた駆動パルスを形成し、これをステッピングモータ132に供給する。
【0024】
これにより、ステッピングモータ132が回転駆動され、この回転力が減速ギア133を介してボールネジ軸135に伝達され、X線検出器102に入射されるX線の入射位置が、キャリブレーションデータの収集時と同じ位置となるようにプリコリメータ部105が回転軸方向に移動制御される。
【0025】
従って、例えば長時間にわたる撮影により、X線管101のターゲットが熱膨脹して、図17に点線で示すようにキャリブレーションデータの収集時の焦点位置に移動が生じていても、同図に実線で示すようにプリコリメータ部105を回転軸方向に移動制御することで、X線検出器102に入射されるX線の入射位置を、キャリブレーションデータ収集時の入射位置と同じ入射位置とすることができ、キャリブレーションデータを用いて行う感度補正を正確なものとすることができる。そして、再構成された断層像にアーチファクトやCT値のシフト等を生ずる不都合を防止することができる。
【0026】
次に、図13に示す焦点位置検出器103でX線の焦点位置を検出し、この検出出力に応じてX線管101自体を移動制御することにより、X線の入射位置を固定する方法がある。
【0027】
この場合のX線管101の移動機構は、図18(a),(b)に示すようにX線管101が載置された管球取付板146と、この管球取付板146のX線管101の載置面の裏面に設けられたボールネジブロック147とを有している。また、この移動機構は、ガントリの内径に沿って回転する回転部フレーム141と、この回転部フレーム141に設けられたステッピングモータ142と、ステッピングモータ142の回転速度を減速する減速ギア143と、ステッピングモータ142の回転軸と同軸となるように設けられたボールネジ軸145と、このボールネジ軸145の両端を回転自在に保持する各ガイド144とを有している。
【0028】
ボールネジ軸145は、その長軸が前記回転軸方向と同じ方向となるように設けられている。また、このボールネジ軸145には、管球取付板146に設けられたボールネジブロック147が、ボールネジ軸145が回転することで前記回転軸方向に移動可能なように設けられている。
【0029】
このようなX線管101の移動機構を有する当該X線CT装置において、前記中央制御ユニットは、上述の数式により焦点移動位置を算出すると、この演算結果に基づいてステッッピングモータ142を回転駆動する。
【0030】
このステッピングモータ142の回転力は、減速ギア143により所定分減衰され、ボールネジ軸145に伝達される。これにより、ボールネジ軸145が回転することでボールネジブロック147が回転軸方向に移動し、これに連れて管球取付板146に載置されたX線管101自体を回転軸方向に移動制御することができる。従って、例えば図19に点線で示すように焦点移動が生じていたX線管101の焦点を、同図に実線で示すようにキャリブレーションデータの収集時の焦点位置に補正することができる。
【0031】
そして、キャリブレーションデータの収集時にX線検出器102で検出されるX線の検出位置と、本曝射時にX線検出器102で検出されるX線の検出位置とを同じ検出位置とすることができ、正確な感度補正を通じてアーチファクトの防止等を図ることができる。
【0032】
次に、図13に示す焦点位置検出器103でX線の焦点移動位置を検出し、この検出出力に応じてX線管101内で電磁的に電子ビームを曲げることにより、X線管101の焦点自体を移動制御してX線検出器102に入射されるX線の入射位置を固定する方法がある。
【0033】
これは、焦点位置検出器103で検出されたX線の焦点移動位置に応じて磁界を発生し、陰極から陽極(ターゲット)に照射される電子ビームを曲げ、X線管101の焦点自体を移動制御する方法である。
【0034】
これにより、キャリブレーションデータの収集時にX線検出器102で検出されるX線の検出位置と、本曝射時にX線検出器102で検出されるX線の検出位置とを同じ検出位置とすることができ、正確な感度補正を通じてアーチファクトの防止等を図ることができる。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、X線CT装置では、X線の曝射開始から一定時間が経過し、X線の放出が安定した後、再構成する画像のデータ収集を開始するのが一般的である。
【0036】
しかし、このX線の放出が安定するまでに要する時間は、一般的に0.1秒程度と短く、上述の焦点移動補正を行うには十分な時間ではない。
【0037】
すなわち、焦点移動補正を行うには、「X線の曝射後、焦点位置検出器103で検出された各入射信号P1,P2に基づいて焦点移動位置を検出し、焦点移動補正のためのプリコリメータ105、或いはX線管101の移動量を算出し、この算出した移動量に応じてプリコリメータ105、或いはX線管101を移動制御する」との各ステップを実行する必要がある。このため、X線の放出が安定するまでに要する時間である0.1秒の間に、この各ステップを全て実行して焦点移動補正を行うことは困難である。
【0038】
これに対してX線管101の陰極からの電子ビームを電磁的に曲げて焦点位置を移動制御する方法は、焦点位置の移動に要する時間(焦点位置補正に要する時間)は短時間で済むが、構成が複雑化するうえ高価となる問題がある。
【0039】
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、簡単かつ安価な構成で、本曝射前に、X線検出器へのX線の入射位置をキャリブレーション情報の収集時と同じ入射位置に制御したうえで本曝射を開始可能とすることができるようなX線CT装置の提供を目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】
請求項1の本発明に係るX線CT装置は、被検体の断層像を撮影する前に、X線発生手段から曝射されるX線を検出するX線検出手段の感度補正を行うためのキャリブレーション情報を収集し、被検体の断層像の撮影時に、前記X線検出手段からの投影情報を前記キャリブレーション情報に基づいて感度補正し、この投影情報に基づいて被検体の断層像を形成するX線CT装置において、被検体の断層像を得るための曝射である本曝射前に、前記X線発生手段から曝射されるX線の焦点位置を検出するための曝射であるプリ曝射を行うように前記X線発生手段を制御するX線発生制御手段と、前記プリ曝射により曝射されたX線を検出し、これに基づいて前記X線発生手段の焦点位置を検出する焦点位置検出手段と、前記焦点位置検出手段からの検出出力に基づいて、前記X線検出手段に入射するX線の回転軸方向の位置が、前記キャリブレーション情報の収集時と同じ位置となるようにX線の入射位置の補正を行う補正手段とを備え、前記補正手段は、前記焦点位置検出手段からの検出出力に基づいて、前記X線検出手段の前記回転軸方向の位置を制御することにより、前記X線の回転軸方向の入射位置を補正するものであることを特徴とする
【0041】
請求項2の本発明に係るX線CT装置は、被検体の断層像を撮影する前に、X線発生手段から曝射されるX線を検出するX線検出手段の感度補正を行うためのキャリブレーション情報を収集し、被検体の断層像の撮影時に、前記X線検出手段からの投影情報を前記キャリブレーション情報に基づいて感度補正し、この投影情報に基づいて被検体の断層像を形成するX線CT装置において、被検体の断層像を得るための曝射である本曝射前に、前記X線発生手段から曝射されるX線の焦点位置を検出するための曝射であるプリ曝射を行うように前記X線発生手段を制御するX線発生制御手段と、前記プリ曝射により曝射されたX線を検出し、これに基づいて前記X線発生手段の焦点位置を検出する焦点位置検出手段と、前記焦点位置検出手段からの検出出力に基づいて、前記X線検出手段に入射するX線の回転軸方向の位置が、前記キャリブレーション情報の収集時と同じ位置となるようにX線の入射位置の補正を行う補正手段とを備え、前記X線発生手段と被検体との間に設けられ、前記プリ曝射時に曝射されるX線が被検体に照射されないように遮断する遮断手段を有することを特徴とする。
【0042】
請求項3の本発明に係るX線CT装置は、被検体の断層像を撮影する前に、X線発生手段から曝射されるX線を検出するX線検出手段の感度補正を行うためのキャリブレーション情報を収集し、被検体の断層像の撮影時に、前記X線検出手段からの投影情報を前記キャリブレーション情報に基づいて感度補正し、この投影情報に基づいて被検体の断層像を形成するX線CT装置において、被検体の断層像を得るための曝射である本曝射前に、前記X線発生手段から曝射されるX線の焦点位置を検出するための曝射であるプリ曝射を行うように前記X線発生手段を制御するX線発生制御手段と、前記プリ曝射により曝射されたX線を検出し、これに基づいて前記X線発生手段の焦点位置を検出する焦点位置検出手段と、前記焦点位置検出手段からの検出出力に基づいて、前記X線検出手段に入射するX線の回転軸方向の位置が、前記キャリブレーション情報の収集時と同じ位置となるようにX線の入射位置の補正を行う補正手段とを備え、前記X線発生制御手段は、前記プリ曝射時のX線量を、前記本曝射時のX線量よりも低減させて該プリ曝射を行うように前記X線発生手段への管電流を制御することを特徴とする。
【0043】
請求項4の本発明に係るX線CT装置は、被検体の断層像を撮影する前に、X線発生手段から曝射されるX線を検出するX線検出手段の感度補正を行うためのキャリブレーション情報を収集し、被検体の断層像の撮影時に、前記X線検出手段からの投影情報を前記キャリブレーション情報に基づいて感度補正し、この投影情報に基づいて被検体の断層像を形成するX線CT装置において、被検体の断層像を得るための曝射である本曝射前に、前記X線発生手段から曝射されるX線の焦点位置を検出するための曝射であるプリ曝射を行うように前記X線発生手段を制御するX線発生制御手段と、前記プリ曝射により曝射されたX線を検出し、これに基づいて前記X線発生手段の焦点位置を検出する焦点位置検出手段と、前記焦点位置検出手段から検出出力に基づいて、前記X線検出手段に入射するX線の回転軸方向の位置が、前記キャリブレーション情報の収集時と同じ位置となるようにX線の入射位置の補正を行う補正手段とを備え、前記X線発生制御手段は、複数回の間歇的なプリ曝射を行うように前記X線発生手段を制御するものであり、且つ、前記補正手段は、前記焦点位置検出手段からの複数の検出出力を正規化し、その正規化した検出出力に基づいて、X線の入射位置の補正を行うものであることを特徴とする。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るX線CT装置の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0057】
まず、本発明に係るX線CT装置は、図1に示すようないわゆる第3世代(Rotate-Rotate 方式)のX線CT装置に適用することができる。
【0058】
この本発明の第1の実施の形態に係るX線CT装置は、図1に示すように被検体の断層像の撮影を行う撮影部1と、被検体が寝置される寝台部2と、当該X線CT装置全体の制御を行う制御部3とで構成されている。
【0059】
撮影部1は、リング状のガントリの内径部にそれぞれ相対向し、かつ、この位置関係を維持したまま回転可能なように設けられたX線管4及びX線検出器7と、X線管4と共に回転するように設けられ、X線管4から曝射されるX線の回転軸方向の幅を調整するプリコリメータ部5と、被検体以外に曝射されるX線を検出するように前記X線検出器7の一端部に設けられた焦点位置検出器8とを有している。
【0060】
X線検出器7は、例えば1000チャンネルの検出素子が1列に並列されたシングルスライス検出器となっており、この各検出素子の並列方向が、前記寝台部2に寝置された被検体の体軸(前記ガントリの回転軸)と略直交するように設けられている。
【0061】
なお、このX線検出器7として、各チャンネルの検出素子が2列に亘って並列された2次元検出器や、各チャンネルの検出素子が2列以上に亘って並列されたマルチスライス検出器を設けるようにしてもよい。
【0062】
また、撮影部1は、X線検出器7からの検出出力を積分処理し所定の利得で増幅し、これをデジタル化することにより投影データを形成して出力すると共に、焦点位置検出器8からの検出出力に基づいてデジタル化した焦点位置検出データを形成して出力するデータ収集回路9(DAS:Data Acquisition System )と、このデータ収集回路9のデータ形成制御を行うデータ収集制御回路10(DASコントローラ)とを有している。
【0063】
また、撮影部1は、焦点位置補正のためのプリ曝射及び断層像を撮影するための本曝射を行うX線管4を曝射駆動する高電圧発生器11と、プリコリメータ部5に設けられているスリット6の開口幅を制御する幅コントローラ12と、プリコリメータ部5の位置制御を行う位置コントローラ13と、プリ曝射時及び本曝射時に、X線管4,プリコリメータ部5及びX線検出器7等の回転制御を行う架台コントローラ14とを有している。
【0064】
プリコリメータ部5に設けられているスリット6は、図5に示すように略長方形状を有する板状の第1,第2のスリット板6a,6bを、長手方向の一端部同士が相対向し所定の開口幅の開口部を形成するように平行に並べ、この状態で2つの接続片6cにより開口部を遮らないように各スリット板6a,6bを接続して構成されている。
【0065】
各接続片6cは、各スリット板6a,6bよりも小さな略長方形状を有しており、その長手方向の両端部には接続ピン6dを挿入するための貫通孔が設けられている。各接続片6cは、この各貫通孔を介して各スリット板6a,6bに螺合する接続ピン6dにより、該各スリット板6a,6bに設けられている。
【0066】
このようなスリット6は、X線管4からのX線が開口部を介してX線検出器7に曝射されるように設けられる。
【0067】
また、プリコリメータ部5には、このスリット6の他、上述の焦点移動位置に応じて回転駆動されるステッピングモータ51と、ステッピングモータ51の回転速度を減速すると共に、この回転力を、X線検出器7の各検出素子が並列されている方向であるチャンネル方向の直線的な力に変換し、これを減速軸52aを介して第1のスリット板6bに伝達する減速ギア52とを有している。そして、減速軸52aを第2のスリット板6bに直線的に接続し、減速軸52aを介して伝達される直線的な力を第2のスリット板6bに伝達することで前記開口部の開口幅を所定の開口幅に制御したうえで、後に説明するプリ曝射及び本曝射を行うようになっている。
【0068】
次に、寝台部2は、被検体が寝置される天板15と、この天板15を撮影に応じ天板移動部16を介して上下に移動制御すると共に、ガントリの回転軸に沿った方向に移動制御等する寝台コントローラ17とを有している。
【0069】
次に、制御部3は、前記データ収集回路9からの投影データに基づいて断層像を再構成する画像再構成ユニット21と、主に前記画像再構成ユニット21により再構成された断層像を表示画面上に表示する画像表示ユニット22と、前記画像再構成ユニット21により再構成された断層像等を磁気ディスク等の記録媒体に記録し再生するデータ保存ユニット23と、被検体の撮影の指定,天板の移動の指定等を行うためのキーボード等からなる入力部24と、前記各部21〜24とバスライン26を介して接続され、当該X線CT装置全体の制御を行う中央制御ユニット25とで構成されている。
【0070】
次に、このような構成を有する当該第1の実施の形態に係るX線CT装置の動作説明をする。
【0071】
まず、当該X線CT装置は、被検体の断層像の撮影を行う前に、CT値の基準となる水で満たされた水ファントムを撮影し、この投影データに基づいて、前記X線検出器7の各チャネルの感度補正を行うためのキャリブレーションデータの収集を行う。このキャリブレーションデータは、撮影部1のDASコントローラ10内に設けられているメモリに記憶される。そして、以下に説明する実際の断層像の撮影時(本曝射時)に読み出され、投影データの感度補正に用いられるようになっている。
【0072】
次に、被検体の断層像撮影時の動作の説明をする。
【0073】
この断層像撮影時の動作は、図2のフローチャートに示すようになっており、まず、当該X線CT装置のメイン電源がオン操作されることによりこのフローチャートがスタートとなりステップS1に進む。
【0074】
ステップS1では、オペレータが入力部24を操作することによりバスライン26を介して供給される、例えば被検体の撮影部位やスライス厚等のスキャン条件を示す入力データを、中央制御ユニット25が取り込みステップS2に進む。
【0075】
ステップS2では、中央制御ユニット25が、入力部24を介して入力されたスキャン条件に基づいて、撮影部1及び寝台部2を撮影開始可能なように制御してステップS3に進む。
【0076】
具体的には、このステップS3における中央制御ユニット25の制御により、前記撮影部1の架台コントローラ14は、前記X線管4,プリコリメータ部5,X線検出器7及び焦点位置検出器8の回転制御を開始する。また、このステップS3における中央制御ユニット25の制御により、前記寝台部2の寝台コントローラ17は、天板15を上下に移動させ、被検体を撮影に最適な高さに位置させると共に、天板15を前記回転軸方向に移動させ、被検体の目的の部位を撮影可能な位置に調整する。
【0077】
次にステップS3では、中央制御ユニット25が、被検体の断層像の撮影を行う本曝射の直前に、X線管4の焦点位置補正を行うための後述するプリ曝射を行うように、撮影部1内の高電圧発生器11を介して前記回転制御されているX線管4を所定時間駆動制御してステップS4に進む。
【0078】
このプリ曝射によりX線から曝射されたX線は、X線検出器7の一端部に設けられている焦点位置検出器8により検出される。この焦点位置検出器8からの検出出力はデータ収集回路9に供給される。
【0079】
データ収集回路9は、このプリ曝射時には、焦点位置検出器8からの検出出力を、DASコントローラ10を介して中央制御ユニット25に供給する。
【0080】
ステップS4では、中央制御ユニット25が、焦点位置検出器8からの検出出力に基づいて、X線管4の焦点位置を検出し、X線検出器7へのX線の入射位置が、キャリブレーションデータの収集時の入射位置と同じ位置となるように、位置コントローラ13を介してプリコリメータ部5を回転軸方向(体軸方向)に移動制御してステップS5に進む。
【0081】
具体的には、この第1の実施の形態に係るX線CT装置の場合、プリコリメータ部5内に設けられているスリット6は、幅コントローラ12によりその開口幅が所定の開口幅に制御されており、プリコリメータ部5自体は、図14(a),(b)を用いて説明した移動機構と同様の移動機構により回転軸方向に移動制御される。
【0082】
これにより、X線検出器7に入射されるX線の入射位置を、キャリブレーションデータの収集時と同じ入射位置となるように、焦点位置補正を行うことができる。
【0083】
中央制御ユニット25は、このような焦点位置補正が終了すると、ステップS5において、被検体の撮影を行うべく本曝射を行い、この図2に示すフローチャートの全ルーチンを終了する。
【0084】
次に、本曝射時となると、X線検出器7は、X線管4,プリコリメータ部5及びX線検出器7がガントリが1回転する間、所定角度毎に被検体のデータ収集を行い、この検出出力をデータ収集回路9に供給する。
【0085】
データ収集回路9は、X線検出器7からの検出出力を積分処理すると共に所定の利得で増幅し、これをデジタル化することにより投影データを形成する。そして、DASコントローラ10内のメモリに記憶されているキャリブレーションデータに基づいて、この投影データに感度補正を施し、これを画像再構成ユニット21に供給する。
【0086】
画像再構成ユニット21は、データ収集回路9から供給されるX線管4等の1回転分の投影データに基づいて、被検体の撮影部位の断層像を形成しこれをバスライン26を介して画像表示ユニット22に供給する。これにより、画像表示ユニット22の表示画面上に被検体の撮影部位の断層像を表示することができる。
【0087】
また、当該X線CT装置においては、このように撮影した断層像を保存しておくこともでき、この場合、オペレータは、入力部24を操作して断層像の保存を指定する。中央制御ユニット25は、前記断層像の保存が指定されると、前記画像再構成ユニット21で形成された断層像データをデータ保存ユニット23に供給するように該画像再構成ユニット21を制御すると共に、これを記録するようにデータ保存ユニット23を制御する。これにより、データ保存ユニット23において、前記断層像データを例えば磁気ディスクや光磁気ディスク等の記録媒体に記録し保存することができる。
【0088】
さらに、このように保存された断層像は、適宜再生して表示可能となっており、前記入力部24が操作され断層像の再生が指定されると、中央制御ユニット25は、指定された断層像を再生するようにデータ保存ユニット23を制御すると共に、この再生された断層像の断層像データを画像表示ユニット22に供給する。これにより、データ保存ユニット23に保存されている断層像を適宜再生することができ、必要に応じて再生表示して診断等に利用することができる。
【0089】
次に、プリ曝射によるX線管4の焦点位置補正制御を図3のフローチャートを用いてさらに詳細に説明する。
【0090】
この図3に示すフローチャートは、上述の図2に示すフローチャートのステップS2,ステップS3に示す動作を具体的に示したものであり、中央制御ユニット25がステップS2のルーチンに進んだ際に、当該図3に示すフローチャートがスタートとなりステップS11に進む。
【0091】
ステップS11では、中央制御ユニット25が、1回のプリ曝射を行うように高電圧発生器11を制御してステップS12に進む。この制御により、高電圧発生器11は、図4(a)に示すように本曝射時と同じレベルの管電流を所定時間(短時間)X線管4に供給する。これにより、前記X線管4からX線が1回曝射され、被検体以外に曝射されたX線が焦点位置検出器8により検出される。
【0092】
焦点位置検出器8は、図5に示すように回転軸方向に直交する方向に2等分割されており、これにより形成される第1の入射領域8a(FD1)及び第2の入射領域8b(FD2)を有している。そして、この各入射領域8a,8bに入射されたX線のX線量を電気信号のかたちに変換し、それぞれ第1の入射信号P1,第2の入射信号P2として出力する。
【0093】
ステップS12では、中央制御ユニット25が、図4(b)に示すように焦点位置検出器8からの各入射信号P1,P2を、データ収集回路9及びDASコントローラ10を介して取り込みステップS13に進む。
【0094】
ステップS13では、中央制御ユニット25が、焦点位置検出器8からの各入射信号P1,P2に基づいて、プリ曝射時におけるX線の検出量を演算してステップS14に進む。
【0095】
具体的には、中央制御ユニット25は、焦点位置検出器8の各受光領域8a,8bからの各入射信号をそれぞれ「P1」,「P2」として以下の数式に示す演算を行いプリ曝射時におけるX線管4の焦点移動位置を算出する。
【0096】
焦点移動位置=(P1−P2)/(P1+P2)
この数式は、プリ曝射時において焦点位置検出器8で検出された全体のX線量で、各入射領域8a,8bでそれぞれ検出されたX線量の差分を除算することを意味している。このような演算を行うことにより、プリ曝射毎に焦点位置検出器8で検出される全体のX線量が異なる場合でも、この全体のX線量に拘らず、正規化されたかたちの焦点移動位置を算出することができる。
【0097】
また、この演算結果とX線管4の焦点位置の移動量との関係は、図16を用いて説明したように所定の傾き角θのリニアな特性を示すようになっており、前記演算結果が「0」のときにはX線管4の焦点位置の移動が生じていないことを示す。また、前記演算結果の極性が「−」のときには焦点位置が第1の入射領域8a方向に算出量分移動していることを示し、この逆に、前記前記演算結果の極性が「+」のときには焦点位置が第2の入射領域8b方向に算出量分移動していることを示すようになっている。
【0098】
次にステップS14では、中央制御ユニット25が、ステップS13において算出された焦点移動位置に基づいて、X線検出器7に入射されるX線の入射位置を、キャリブレーションデータの収集時におけるX線の入射位置とするプリコリメータ部5の位置を算出してステップS15に進む。
【0099】
ステップS15では、中央制御ユニット25が、本曝射によるデータ収集が開始される前である、図4(c)に示す焦点移動補正制御期間に、ステップS14で算出した位置となるように図14(a),(b)を用いて説明した移動機構と同様の移動機構によりプリコリメータ部5を回転軸方向に移動制御して当該図3に示すフローチャートの全ルーチンを終了する。
【0100】
このように当該X線CT装置は、簡単かつ安価な構成で本曝射前のプリ曝射により、X線検出手段へのX線の入射位置をキャリブレーション情報の収集時と同じ入射位置に制御したうえで本曝射を開始することを可能とすることができる。このため、例えば長時間にわたる撮影により、X線管4のターゲットが熱膨脹して、キャリブレーションデータの収集時の焦点位置に移動が生じていても、これをキャリブレーションデータの収集時の焦点位置に補正することができる。
【0101】
従って、データ収集回路9においてキャリブレーションデータを用いて行う感度補正を正確なものとすることができ、画像表示ユニット22の表示画面上に表示される断層像にアーチファクトやCT値のシフト等を生ずる不都合を防止して、常に良好な断層像を得ることができる。
【0102】
また、上述のように焦点移動補正のために行うプリ曝射は1回の曝射となっている。このため、被検体の被曝量を最低限に抑えることができる。
【0103】
なお、図6に示したような前記演算結果と焦点位置の移動量との関係をテーブル化し、前記数式による演算結果を算出した際にこのテーブルを参照してX線管4の焦点移動位置を検出し、上述のようにプリコリメータ部5を移動制御するようにしてもよい。これにより、図3に示すフローチャートのステップS13及びステップS14のルーチンを省略することができ、制御の簡素化及び高速化を図ることができる。
【0104】
また、プリ曝射は1回のみ行うこととしたが、これは、間欠的な複数回の曝射を行うようにしてもよい。この場合、中央制御ユニット25は、この間欠的な曝射により焦点位置検出器8から得られる複数の検出出力の平均値を検出し、これに基づいて焦点位置補正を行う。これにより、正規化された補正値(前記平均値)に基づいてノイズ等の悪影響を軽減し正確に焦点位置補正を行うことができる他、該間欠的な曝射によりプリ曝射におけるトータル的な被曝量を抑えることができ、当該X線CT装置の安全性の向上を図ることができる。
【0105】
さらに、この第1の実施の形態に係るX線CT装置の説明では、焦点位置補正の際に、プリコリメータ部5を回転軸方向に移動制御することで、焦点位置をいわば間接的に補正することとしたが、これは、図18(a),(b)を用いて説明したようにX線管4の移動機構を設け、これによりX線管4自体を回転軸方向に移動制御して直接的に焦点位置の補正を行うようにしてもよい。
【0106】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るX線CT装置の説明をする。
【0107】
上述の第1の実施の形態に係るX線CT装置は、プリコリメータ部5或いはX線管4を移動制御して焦点位置の補正を行うものであったが、この第2の実施の形態に係るX線CT装置は、X線検出器7(及び焦点位置検出器8)自体を回転軸方向に移動制御することにより、X線の入射位置を可変し、間接的に焦点位置の補正を行うようにしたものである。
【0108】
なお、この第2の実施の形態に係るX線CT装置は、このような変更部分以外は、上述の第1の実施の形態に係るX線CT装置と同じ構成であるため、この変更部分の説明のみ行うこととする。
【0109】
すなわち、この第2の実施の形態に係るX線CT装置は、図5に示すようなX線検出器7の回転軸方向への移動機構が設けられている。
【0110】
この移動機構は、中央制御ユニット25により回転駆動されるステッピングモータ28と、ステッピングモータ28の回転軸28aを介して伝達される回転力を回転軸方向の直進力に変換し、これを移動軸29aを介してX線検出器7に伝達する変換ギア29とで構成されている。
【0111】
このような移動機構において、中央制御ユニット25は、プリ曝射により上述の数式に基づいて算出された焦点移動位置に応じてステッピングモータ28を回転駆動する。このステッピングモータ28の回転力は、変換ギア29により直進力に変換され移動軸29aを介してX線検出器7に伝達される。
【0112】
これにより、X線検出器7を焦点移動位置に応じて回転軸方向に移動制御することができ、X線検出器7に入射されるX線の入射位置を、キャリブレーションデータの収集時と同じ入射位置に制御することができる。従って、間接的に焦点位置の補正を行うことができ、正確な感度補正を行うことを可能とすることができる他、上述の第1の実施の形態に係るX線CT装置と同様の効果を得ることができる。
【0113】
次に、被検体に曝射するX線のX線量は、必要最小限とすることが好ましい。このため、以下に説明する本発明の第3の実施の形態に係るX線CT装置では、上述のプリ曝射時に被検体にX線が曝射されないようにこれを遮断したうえで、上述の焦点移動補正を行うようにした。
【0114】
なお、この第3の実施の形態に係るX線CT装置は、このような変更部分以外は、上述の第1の実施の形態に係るX線CT装置と同じ構成であるため、この変更部分の説明のみ行うこととする。
【0115】
すなわち、この第3の実施の形態に係るX線CT装置は、図6に示すようにプリコリメータ部5のスリット6とX線管4との間に、プリ曝射時におけるX線管4からのX線が被検体に曝射されないように遮断するシャッタ55を有している。
【0116】
スリット55は、例えば鉛等のX線を遮断する部材により1枚の板状に形成されており、X線管4からのX線が出射される出射孔をX線の漏れがないように塞ぐようになっている。
【0117】
このような第3の実施の形態に係るX線CT装置において、中央制御ユニット25は、図7(a)〜(d)に示すようにX線レベルの安定期間が経過するまでシャッタ55を閉制御する。
【0118】
すなわち、プリ曝射時を含む非撮影時は図6中実線で示すようにシャッタ55によりX線を遮断するようにシャッタ55を閉制御し、本曝射開始からX線レベルの安定期間が経過したタイミングで、図6中点線で示すようにシャッタ55を開制御して被検体にX線の曝射を行う。
【0119】
これにより、プリ曝射時のX線を遮断することができることから被検体の被曝量の低減を図ることができ、当該X線CT装置の安全性の向上を図ることができる他、上述の第1の実施の形態に係るX線CT装置と同じ効果を得ることができる。
【0120】
なお、この第3の実施の形態の説明では、シャッタ55をスリット6とX線管4との間に設けることとしたが、これは、スリット6と被検体との間の設ける等のように、プリ曝射時に被検体の曝射されるX線を遮断可能な位置であればどこに設けてもよい。
【0121】
また、焦点位置検出器8は、シャッタ55の開閉制御に影響を受けない位置であればどこに設けてもよい。
【0122】
また、被検体に曝射されるX線を略々遮断するシャッタ55を設けることとしたが、この代わりに、例えば被検体に曝射されるX線のレベルを人体に安全なレベルまで減弱させる減弱フィルタを設けるようにしてもよい。
【0123】
次に、本発明の第4の実施の形態に係るX線CT装置の説明をする。
【0124】
上述の第3の実施の形態に係るX線CT装置は、スリット6とシャッタ55とを別々に設けるようにしたものであったが、この第4の実施の形態に係るX線CT装置は、前記プリコリメータ部5を応用してスリット6とシャッタ55とを一体的に構成するようにしたものである。
【0125】
なお、この第4の実施の形態に係るX線CT装置は、このような変更部分以外は、上述の第3の実施の形態に係るX線CT装置と同じ構成であるため、以下この変更部分の説明のみ行うこととする。
【0126】
すなわち、この第4の実施の形態に係るX線CT装置は、図8に示すように前記プリコリメータ部5として回転軸方向の開口幅を可変可能なスリット6を有している。このスリット6は、略長方形状を有する板状の第1,第2のスリット板65,66を、長手方向の一端部同士が相対向し所定の開口幅の開口部を形成するように平行に並べ、この状態で2つの接続片67により前記開口部を遮らないように各スリット板65,66を接続して構成されている。
【0127】
第1のスリット板65の、第2のスリット板66と相対向している長手方向の一端部65aは、横断面が「L字状」となるように段差をもって形成されている。この逆に、第2のスリット板66の、第1のスリット板65と相対向している長手方向の一端部66aは、横断面が「逆L字状」となるように段差をもって形成されている。
【0128】
このため、各スリット板65,66の、前記相対向している長手方向の一端部同士が重なったときには前記開口部が閉じられ、X線管4からのX線が略々完全に遮断されるようになっている。
【0129】
各接続片67は、各スリット板65,66よりも小さな略長方形状を有しており、その長手方向の両端部には接続ピン68を挿入するための貫通孔が設けられている。各接続片67は、この各貫通孔を介して各スリット板65,66に螺合する接続ピン68により、該各スリット板65,66に設けられている。
【0130】
このようなスリット6は、X線管4からのX線が前記開口部を介してX線検出器7に曝射されるように設けられる。
【0131】
また、プリコリメータ部5は、このスリット6の他、上述の焦点移動位置に応じて回転駆動されるステッピングモータ61と、ステッピングモータ61の回転速度を減速すると共に、この回転力を前記回転軸方向の直線的な力に変換し、これを減速軸62aを介して第2のスリット板66に伝達する減速ギア62aとを有している。そして、減速軸62aを第2のスリット板66に接続し、減速軸62aを介して伝達される直線的な力を第2のスリット板66に伝達するようになっている。
【0132】
このような構成を有するプリコリメータ部5において、図1に示す中央制御ユニット25はプリ曝射時となると、スリット6を閉制御する方向の駆動パルスをステッピングモータ61に供給し、ステッピングモータ61を回転駆動する。この回転力は、ステッピングモータ61に回転軸61aを介して減速ギア62に伝達される。減速ギア62は、前記回転軸61aを介して伝達される回転力を減衰させると共に、この回転力を前記回転軸方向の直線的な力に変換し、これを減速軸62aを介して第2のスリット板66に伝達する。
【0133】
これにより、減速軸62aを介して直線的な力が第2のスリット板66に伝達され、第2のスリット板66が各接続ピン68を軸としてチャンネル方向に移動しながら徐々に開口部を狭めるように移動制御される。そして、図9(b)に示すように開口部が閉制御される。
【0134】
中央制御ユニット25は、このスリット6の閉制御終了後にプリ曝射を行い焦点位置補正を行うようにX線管4等を制御する。これにより、プリ曝射によるX線が被検体に曝射される不都合を防止したうえで焦点位置補正を行うことができる。
【0135】
次に、中央制御ユニット25は、このようにプリ曝射による焦点位置補正が終了すると、本曝射におけるX線の安定期間が経過したタイミングでスリット6の開口部を所定の開口幅とする駆動パルスを形成し、これをステッピングモータ61に供給する。これにより、ステッピングモータ61は、開口部を閉制御した際に回転駆動された方向とは逆の方向に回転駆動され、これによる直線的な力が減速軸62aを介して第2のスリット板66に伝達され、第2のスリット板66が各接続ピン68を軸としてチャンネル方向に移動しながら徐々に開口部を広げるように移動制御される。そして、図9(a)に示すように所定の開口幅となるように開口部が開制御され、安定期間が経過後からX線の本曝射による被検体の撮影が行われる。
【0136】
このように、当該第4の実施の形態に係るX線CT装置は、プリコリメータ部5のスリット6とシャッタとを併用するようになっているため、部品点数の削減及び構成の簡略化を図ることができ、これを通じて当該X線CT装置のローコスト化を図ることができる。
【0137】
次に、本発明の第5の実施の形態に係るX線CT装置の説明をする。
【0138】
上述の第3の実施の形態に係るX線CT装置は、スリット6とシャッタ55とを別々に設けるようにしたものであったが、この第5の実施の形態に係るX線CT装置は、スリット及びシャッタの機能を果たす図10(a)〜(c)に示すようなスリット74を設けるようにしたものである。
【0139】
なお、この第5の実施の形態に係るX線CT装置は、このような変更部分以外は、上述の第3の実施の形態に係るX線CT装置と同じ構成であるため、以下この変更部分の説明のみ行うこととする。
【0140】
すなわち、この第5の実施の形態に係るX線CT装置に設けられているスリット74は、図10(a),(b)に示すように長手方向の一端面が地面に対して垂直状となるように切断すると共に、長手方向の他端面が該垂直状の一端面に対して例えば40度程度の傾き角を形成するように切断することで、横断面が台形状となるように形成された第1,第2のスリット板75,76により形成されている。
【0141】
さらに具体的には、第1,第2のスリット板75,76は、一端面を垂直状とした状態で各他端面を対向させることで、各他端面により横断面が「逆ハの字」を形成するように設けられている。
【0142】
また、このようなスリット74は、「逆ハの字」を保持したまま、全体で回転可能なように減速ギア73を介してステッピングモータ72に接続されている。
【0143】
このようなスリット74を有するX線CT装置において、中央制御ユニット25は、プリ曝射時となるとステッピングモータ72を回転制御し、図10(c)に示すように例えば第1のスリット板75(或いは第2のスリット板76)の一端面により、回転部フレーム71に設けられたX線管4からのX線を遮断するようにスリット74を回転制御する。これにより、プリ曝射時における被検体の被爆量を低減することがきる。
【0144】
次に、中央制御ユニット25は、このようにプリ曝射を行うと、上述のように焦点位置検出器7からの検出出力に基づいて焦点移動位置を検出し、この焦点移動位置に応じた駆動パルスをステッピングモータ61に供給する。これにより、スリット74は、図10(b)に示すように逆ハの字状の狭い方の開口部が被検体側に位置するように回転制御され、この開口部のエッジの部分で余分なX線を遮断してX線検出器7へのX線の入射位置を可変する。
【0145】
従って、焦点移動位置に応じて、間接的に焦点位置を可変制御することができ、上述と同様に焦点移動補正を行ったうえで本曝射による被検体の断層像の撮影を行うことができる。
【0146】
このように、当該第5の実施の形態に係るX線CT装置は、スリットとシャッタを併用したスリット74により、プリ曝射時のX線を遮断することができるうえ、本曝射前に焦点移動補正を行うことができる。このため、上述の第4の実施の形態に係るX線CT装置と同様に部品点数の削減及び構成の簡略化を図ることができ、これを通じて当該X線CT装置のローコスト化を図ることができる他、上述の第1の実施の形態に係るX線CT装置と同様の効果を得ることができる。
【0147】
次に、本発明の第6の実施の形態に係るX線CT装置の説明をする。
【0148】
上述の各実施の形態に係るX線CT装置は、プリ曝射時に本曝射時と同じレベルのX線を曝射するものであったが、この第6の実施の形態に係るX線CT装置は、プリ曝射時のX線レベルを本曝射時よりも低いレベルとなるように制御するものである。
【0149】
なお、この第6の実施の形態に係るX線CT装置は、このような変更部分以外は、上述の各実施の形態に係るX線CT装置と同じ構成であるため、以下この変更部分の説明のみ行うこととする。
【0150】
すなわち、この第6の実施の形態に係るX線CT装置は、プリ曝射時となると、中央制御ユニット25が、図11(a)に示すように本曝射時の例えば1/2のレベルの管電流によりX線管4を駆動制御する。そして、図11(b)に示すように、このプリ曝射によるX線を焦点位置検出器8で検出し、この検出出力に基づいて、同図(c)に示す焦点移動補正期間に焦点位置補正を行う。
【0151】
これにより、プリ曝射時の被検体の被曝量を低減することができ、当該X線CT装置の安全性の向上を図ることができる。
【0152】
なお、この第6の実施の形態に係るX線CT装置の説明では、プリ曝射時のX線レベルを本曝射時の1/2のレベルとすることとしたが、これは1/3のレベル,1/4のレベル、或いは焦点位置検出が可能な最低限のレベルにする等のように設計等に応じて任意に変更してもよい。
【0153】
次に、本発明の第7の実施の形態に係るX線CT装置の説明をする。
【0154】
この第7の実施の形態に係るX線CT装置は、プリ曝射時のX線をシャッタにより被検体に曝射されないように遮断すると共に、X線レベルを本曝射時よりも低いレベルとするようにしたものである。
【0155】
なお、この第7の実施の形態に係るX線CT装置は、このような変更部分以外は、上述の各実施の形態に係るX線CT装置と同じ構成であるため、以下この変更部分の説明のみ行うこととする。
【0156】
すなわち、この第7の実施の形態に係るX線CT装置は、プリ曝射時となると、中央制御ユニット25が、図12(a)に示すように本曝射時の例えば1/2のレベルの管電流によりX線管4を駆動制御すると共に、同図(b)に示すように、上述のシャッタ55(74)を閉制御する。そして、図12(c)に示すようにこのプリ曝射によるX線をX線管4とシャッタ55との間に設けられたX線焦点位置検出器8で検出し、この検出出力に基づいて、同図(d)に示す焦点移動補償期間に焦点位置補正を行う。
【0157】
これにより、シャッタ55を透過して或いは乱反射して被検体に照射されるX線を低減することができ、プリ曝射時の被検体の被曝量のさらなる低減を通じて当該X線CT装置のさらなる安全性の向上を図ることができる他、上述の第1の実施の形態に係るX線CT装置と同様の効果を得ることができる。
【0158】
最後に、以上説明した本発明の実施の形態は、ほんの一例であり、この他、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0159】
【発明の効果】
本発明に係るX線CT装置は、簡単かつ安価な構成で、本曝射前のプリ曝射により、X線検出手段へのX線の入射位置をキャリブレーション情報の収集時と同じ入射位置に制御したうえで本曝射を開始することを可能とすることができる。従って、収集したキャリブレーション情報を用いてX線検出手段の感度補正を正確に行うことができ、再構成した断層像にアーチファクトが現れる不都合を防止して常に良好な断層像を得ることができる。
【0160】
また、プリ曝射時に被検体に曝射されるX線を遮断或いは低減することができ、当該X線CT装置の安全性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態に係るX線CT装置のブロック図である。
【図2】前記第1の実施の形態に係るX線CT装置に設けられている中央制御ユニットの動作を示すフローチャートである。
【図3】前記第1の実施の形態に係るX線CT装置の焦点位置補正制御を説明するためのフローチャートである。
【図4】前記第1の実施の形態に係るX線CT装置のプリ曝射及び焦点位置補正制御のタイミングを説明するためのタイムチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るX線CT装置のX線検出器の移動機構を示す概略図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るX線CT装置のシャッタ部を示す概略図である。
【図7】前記シャッタ部によるX線の遮光タイミングを説明するためのタイムチャートである。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係るX線CT装置のプリコリメータ部を利用したシャッタ部を示す概略図である。
【図9】前記プリコリメータ部を利用したシャッタ部の開閉動作を説明するための図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係るX線CT装置のシャッタ部を示す概略図である。
【図11】本発明の第6の実施の形態に係るX線CT装置において、プリ曝射時にX線量を低減させる動作を説明するためのタイムチャートである。
【図12】本発明の第7の実施の形態に係るX線CT装置において、プリ曝射時にシャッタ部を閉制御すると共にX線量を低減させる動作を説明するためのタイムチャートである。
【図13】従来のX線CT装置の要部を示す図である。
【図14】従来のX線CT装置の焦点位置補正機構を示す図である。
【図15】従来のX線CT装置の焦点位置検出器を説明するための図である。
【図16】前記焦点位置検出器からの検出出力に基づいて行われる焦点位置の移動量の演算原理を説明するための図である。
【図17】前記焦点位置検出部からの検出出力に基づいて、プリコリメータ部の位置を回転軸方向に移動して行う焦点位置補正制御を説明するための図である。
【図18】前記焦点位置検出部からの検出出力に基づいて、X線管自体を回転軸方向に移動して行う焦点位置補正制御を説明するための図である。
【図19】前記X線管自体を回転軸方向に移動することにより焦点位置が補正される様子を示す図である。
【符号の説明】
1…撮影部,2…寝台部,3…制御部,4…X線管,5…プリコリメータ部
6…スリット,7…X線検出器,8…焦点位置検出器,9…データ収集回路
10…DASコントローラ,11…高電圧発生器,12…幅コントローラ
13…位置コントローラ,14…架台コントローラ,15…天板
16…天板移動部,17…寝台コントローラ,21…画像再構成ユニット
22…画像表示ユニット,23…データ保存ユニット,24…入力部
25…中央制御ユニット,26…バスライン

Claims (6)

  1. 被検体の断層像を撮影する前に、X線発生手段から曝射されるX線を検出するX線検出手段の感度補正を行うためのキャリブレーション情報を収集し、被検体の断層像の撮影時に、前記X線検出手段からの投影情報を前記キャリブレーション情報に基づいて感度補正し、この投影情報に基づいて被検体の断層像を形成するX線CT装置において、
    被検体の断層像を得るための曝射である本曝射前に、前記X線発生手段から曝射されるX線の焦点位置を検出するための曝射であるプリ曝射を行うように前記X線発生手段を制御するX線発生制御手段と、
    前記プリ曝射により曝射されたX線を検出し、これに基づいて前記X線発生手段の焦点位置を検出する焦点位置検出手段と、
    前記焦点位置検出手段からの検出出力に基づいて、前記X線検出手段に入射するX線の回転軸方向の位置が、前記キャリブレーション情報の収集時と同じ位置となるようにX線の入射位置の補正を行う補正手段とを備え、
    前記補正手段は、前記焦点位置検出手段からの検出出力に基づいて、前記X線検出手段の前記回転軸方向の位置を制御することにより、前記X線の回転軸方向の入射位置を補正するものであることを特徴とするX線CT装置。
  2. 被検体の断層像を撮影する前に、X線発生手段から曝射されるX線を検出するX線検出手段の感度補正を行うためのキャリブレーション情報を収集し、被検体の断層像の撮影時に、前記X線検出手段からの投影情報を前記キャリブレーション情報に基づいて感度補正し、この投影情報に基づいて被検体の断層像を形成するX線CT装置において、
    被検体の断層像を得るための曝射である本曝射前に、前記X線発生手段から曝射されるX線の焦点位置を検出するための曝射であるプリ曝射を行うように前記X線発生手段を制御するX線発生制御手段と、
    前記プリ曝射により曝射されたX線を検出し、これに基づいて前記X線発生手段の焦点位置を検出する焦点位置検出手段と、
    前記焦点位置検出手段からの検出出力に基づいて、前記X線検出手段に入射するX線の回転軸方向の位置が、前記キャリブレーション情報の収集時と同じ位置となるようにX線の入射位置の補正を行う補正手段とを備え、
    前記X線発生手段と被検体との間に設けられ、前記プリ曝射時に曝射されるX線が被検体に照射されないように遮断する遮断手段を有することを特徴とするのX線CT装置。
  3. 被検体の断層像を撮影する前に、X線発生手段から曝射されるX線を検出するX線検出手段の感度補正を行うためのキャリブレーション情報を収集し、被検体の断層像の撮影時に、前記X線検出手段からの投影情報を前記キャリブレーション情報に基づいて感度補正し、この投影情報に基づいて被検体の断層像を形成するX線CT装置において、
    被検体の断層像を得るための曝射である本曝射前に、前記X線発生手段から曝射されるX線の焦点位置を検出するための曝射であるプリ曝射を行うように前記X線発生手段を制御するX線発生制御手段と、
    前記プリ曝射により曝射されたX線を検出し、これに基づいて前記X線発生手段の焦点位置を検出する焦点位置検出手段と、
    前記焦点位置検出手段からの検出出力に基づいて、前記X線検出手段に入射するX線の回転軸方向の位置が、前記キャリブレーション情報の収集時と同じ位置となるようにX線の入射位置の補正を行う補正手段とを備え、
    前記X線発生制御手段は、前記プリ曝射時のX線量を、前記本曝射時のX線量よりも低減させて該プリ曝射を行うように前記X線発生手段への管電流を制御することを特徴とするX線CT装置。
  4. 被検体の断層像を撮影する前に、X線発生手段から曝射されるX線を検出するX線検出手段の感度補正を行うためのキャリブレーション情報を収集し、被検体 の断層像の撮影時に、前記X線検出手段からの投影情報を前記キャリブレーション情報に基づいて感度補正し、この投影情報に基づいて被検体の断層像を形成するX線CT装置において、
    被検体の断層像を得るための曝射である本曝射前に、前記X線発生手段から曝射されるX線の焦点位置を検出するための曝射であるプリ曝射を行うように前記X線発生手段を制御するX線発生制御手段と、
    前記プリ曝射により曝射されたX線を検出し、これに基づいて前記X線発生手段の焦点位置を検出する焦点位置検出手段と、
    前記焦点位置検出手段から検出出力に基づいて、前記X線検出手段に入射するX線の回転軸方向の位置が、前記キャリブレーション情報の収集時と同じ位置となるようにX線の入射位置の補正を行う補正手段とを備え、
    前記X線発生制御手段は、複数回の間歇的なプリ曝射を行うように前記X線発生手段を制御するものであり、且つ、前記補正手段は、前記焦点位置検出手段からの複数の検出出力を正規化し、その正規化した検出出力に基づいて、X線の入射位置の補正を行うものであることを特徴とするX線CT装置。
  5. 前記補正手段は、前記X線発生手段のX線の焦点を前記回転軸方向に移動制御することにより、前記X線検出手段に入射されるX線の回転軸方向の位置の補正を行うことを特徴とする請求項2、請求項3又は請求項4記載のX線CT装置
  6. 前記補正手段は、
    前記X線発生手段と被検体との間に設けられ、前記回転軸方向に対して略直交する方向に形成された開口部を介して前記X線発生手段からのX線を被検体に曝射するプリコリメータと、
    前記焦点位置検出手段からの検出出力に基づいて、前記プリコリメータの前記回転軸方向の位置を制御することにより、前記X線検出手段に入射されるX線の回転軸方向の位置を補正するプリコリメータ制御手段とを有することを特徴とする請求項2、請求項3又は請求項4記載のX線CT装置。
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