JP3736603B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化性が良好でかつ潜在性が高く、保存性が良く、特に銀に対し高い接着性を与える半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物で封止された半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、半導体デバイスは、樹脂封止型のダイオード、トランジスター、IC、LSI、超LSIが主流であり、エポキシ樹脂が他の熱硬化性樹脂に比べ成形性、接着性、電気特性、機械特性、耐湿性等に優れているため、エポキシ樹脂組成物で半導体装置を封止することが一般的である。
【0003】
更に最近、半導体業界では低コスト化のためパッケージ生産サイクルを向上しようとしており、エポキシ樹脂組成物に対して速硬化性を要求してきている。しかし、触媒量を増加して速硬化性を付与すると増粘及び硬化が速いために成形時の金線ワイヤー流れ、未充填が起こり易くなる。また、触媒量を増加するとエポキシ樹脂組成物の保存性が著しく低下するという問題もある。
【0004】
一方、エポキシ樹脂の耐熱性や高温特性を向上させるため、イミダゾール誘導体や特殊な構造のリン系誘導体を用い、架橋密度を高めることはよく知られた手法である。また、銅フレームの表面を銀でメッキし、ワイヤーボンディング性を高めることもよく知られており、現在実用化されている。しかし、一般に銀に対してエポキシ樹脂組成物は接着性が悪いことから、イオウ含有化合物、特にHSCH2CH2CH2−基を有するシランカップリング剤を添加して接着性を向上させることが知られている。しかし、本方式をイミダゾール触媒や特殊なリン系誘導体の触媒に使用すると、イオウ含有化合物が室温保管時においても、エポキシ樹脂と反応して消費されるため、十分な接着促進剤として作用しなくなる。このため、一般にイミダゾール系誘導体などを使用する場合は本手法を適用できないといわれていた。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、硬化性が良好であると共に、潜在性が高く、保存性が良好であり、かつ銀に対して優れた接着性を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物で封止された半導体装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機質充填剤、硬化触媒、及びイオウ含有化合物を含む半導体装置が銀メッキ部分を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、硬化触媒として平均粒径0.5〜50μmであり、(メタ)アクリレート系単量体の重合物と、窒素含有化合物からなる硬化触媒とから形成されたマイクロカプセルであって、硬化触媒を被覆するポリマーとなり得る単量体の使用量が内包する硬化触媒10重量部に対して10〜200重量部であり、このマイクロカプセルを1g秤取り、これをo−クレゾール30gに混合した後、マイクロカプセルから溶出する触媒が30℃,15分でマイクロカプセル中に含まれる全触媒量の70重量%以上である硬化触媒のマイクロカプセルを用いることにより、潜在性が高く、保存性が良好でありながら、硬化時において優れた硬化性を発揮し、またイオウ含有化合物と上記マイクロカプセル型硬化触媒とを併用することで、硬化触媒がイミダゾール触媒などであっても、イオウ含有化合物とエポキシ樹脂との保管時における反応が阻止され、イオウ含有化合物の接着促進剤としての効果が有効に発揮されて、銀との接着を確実なものにすることができることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0007】
従って、本発明は、
(A)エポキシ樹脂、
(B)フェノール樹脂、
(C)無機質充填剤、
(D)平均粒径0.5〜50μmであり、(メタ)アクリレート系単量体の重合物と、窒素含有化合物からなる硬化触媒とから形成されたマイクロカプセルであって、硬化触媒を被覆するポリマーとなり得る単量体の使用量が内包する硬化触媒10重量部に対して10〜200重量部であり、このマイクロカプセルを1g秤取り、これをo−クレゾール30gに混合した後、マイクロカプセルから溶出する触媒が30℃,15分でマイクロカプセル中に含まれる全触媒量の70重量%以上である硬化触媒のマイクロカプセル、
(E)SH基又は−S−S−基と炭素数1〜4のアルコキシ基とを有するシランカップリング剤
を含有することを特徴とする半導体装置が銀メッキ部分を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び、その硬化物にて封止された銀メッキ部分を有する半導体装置を提供する。
【0008】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明で使用するエポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂(A)としては、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。中でも、パッケージの反り対策には多官能型エポキシ樹脂を使用することが好ましい。多官能型エポキシ樹脂としては下記構造のものが例示される。中でも、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂等のトリフェノールアルカン型エポキシ樹脂が好ましい。また、これら多官能型エポキシ樹脂と上記に例示されているエポキシ樹脂を併用して使用してもよい。
【0009】
【化1】
Figure 0003736603
(式中、Rは水素原子又はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基に代表される炭素数1〜6の一価炭化水素基である。R’は水素原子、メチル基又はエチル基であり、好ましくは水素原子である。また、nは0〜6の整数である。)
【0010】
なお、上記エポキシ樹脂は、軟化点が50〜120℃でエポキシ当量が100〜400を有するものが好ましい。軟化点が50℃より低いエポキシ樹脂を用いた場合、硬化物のガラス転移温度が低下するばかりか、成形時にバリやボイドが発生し易くなり、軟化点が120℃より高い場合には、粘度が高くなりすぎて成形できなくなるおそれがある。
【0011】
また、上記エポキシ樹脂を半導体封止用に用いる場合、加水分解性塩素が1,000ppm以下、特に500ppm以下、ナトリウム及びカリウムはそれぞれ10ppm以下とすることが好適である。加水分解性塩素が1,000ppmを超えたり、ナトリウム及びカリウムが10ppmを超える樹脂で半導体装置を封止し、長時間高温高湿下に該半導体装置を放置すると、耐湿性が劣化する場合がある。
【0012】
次に、エポキシ樹脂の硬化剤(B)としては、1分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個以上有するフェノール樹脂を使用する。このような硬化剤として具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、パラキシリレン変性ノボラック樹脂、メタキシリレン変性ノボラック樹脂、オルソキシリレン変性ノボラック樹脂、ビスフェノール型樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、トリフェノールアルカン型樹脂及びその重合体等のフェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂などが例示され、いずれのフェノール樹脂も使用可能である。
【0013】
これらのフェノール樹脂の中で耐熱性やパッケージの反り、成形性を考慮した場合、フェノールノボラック樹脂、或いはトリフェノールアルカン型樹脂及びその重合体などの使用が好ましい。また、これらフェノール樹脂に上記他のフェノール樹脂を特性を損なわない範囲で使用してもよい。
また、アミン系硬化剤や酸無水物系硬化剤を上記フェノール樹脂と併用してもよい。
【0014】
なお、これらの硬化剤は、軟化点が60〜150℃、特に70〜130℃であるものが好ましい。また、水酸基当量としては90〜250のものが好ましい。更に、このようなフェノール樹脂を半導体封止用に用いる場合、ナトリウム、カリウムは10ppm以下とすることが好ましく、10ppmを超えたものを用いて半導体装置を封止し、長時間高温高湿下で半導体装置を放置した場合、耐湿性の劣化が促進される場合がある。
【0015】
上記硬化剤の配合量は別に制限されないが、エポキシ樹脂中のエポキシ基に対する硬化剤中のフェノール性水酸基のモル比を0.5〜1.5の範囲、特に0.8〜1.2の範囲にすることが好適である。
【0016】
無機質充填剤(C)としては、通常エポキシ樹脂組成物に配合されるものを使用することができる。この無機質充填剤は、封止材の膨張係数を小さくし、半導体素子に加わる応力を低下させるために配合され、具体的には、破砕状や球状の形状を有する溶融シリカ、結晶性シリカが主に用いられ、この他にはアルミナ、チッ化ケイ素、チッ化アルミなども使用可能である。
【0017】
なお、硬化物の低膨張化と成形性とを両立させるために、球状と破砕品のブレンド、或いは球状品のみを用いることが推奨される。また、上記無機質充填剤は予めシランカップリング剤で表面処理して使用することが好ましい。
【0018】
これら無機質充填剤の平均粒径は5〜30μmであることが好ましい。なお、本発明において、平均粒径は、例えばレーザー光回折法による重量平均値(又はメジアン径)等として求めることができる。
【0019】
無機質充填剤の配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分のフェノール樹脂との合計100部(重量部、以下同じ)に対して100〜1,000部、好ましくは250〜1,000部、更に好ましくは350〜900部である。また、その充填量は、全組成物中70重量%以上、特に75重量%以上であることが好ましい。充填量が少なすぎると、膨張係数が大きくなって半導体素子に加わる応力が増大し、素子特性の劣化を招く場合がある。なお、充填量の上限は、通常92重量%以下である。
【0020】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、金属、特に銀との接着性を改善するため、イオウ含有化合物を添加配合すると共に、これと硬化触媒(硬化促進剤)のマイクロカプセルを併用する。即ち、イオウ含有化合物、特にチオール基を含有するシランカップリング剤は、銀との優れた接着性を与えることが知られている。しかし、エポキシ樹脂の硬化促進剤として、特にイミダゾール誘導体、シクロアミジン誘導体、各種アミンなどの窒素含有化合物を用いた場合、室温においてさえエポキシ基とチオール基、或いは分解して発生するチオール基が反応しチオール基が消費されることから、銀に対する接着向上剤としての機能を全く果たさなくなる。そのため、硬化促進剤として窒素含有化合物を用いた場合、上記シランカップリング剤を使用しても銀に対する接着性を著しく改善することができなかったものであるが、本発明者らは、硬化触媒(硬化促進剤)をマイクロカプセル化することで、エポキシ樹脂とチオール基含有化合物が共存する系においてもエポキシ基とチオール基の反応が起こらなくなることを見出したものである。
【0021】
ここで、イオウ含有化合物としては、SH基やS−S基を有するもの、特にSH基や−S−S−基と炭素数1〜4のアルコキシ基とを有するシランカップリング剤が好適に用いられ、下記の一般式及び具体的な化合物を例示することができる。
【0022】
【化2】
Figure 0003736603
(R6はメチル基又はエチル基、aは0,1又は2、bは1〜4の整数である。)
【0023】
【化3】
Figure 0003736603
【0024】
上記イオウ含有化合物の配合量は、上記(A),(B)成分の合計量100部に対し0.1〜5部、特に0.2〜3部である。
【0025】
一方、硬化触媒のマイクロカプセルにおいて、硬化触媒としては、従来から公知のエポキシ樹脂の硬化触媒として知られているものであればいかなるものも使用可能である。なかでも、窒素含有硬化触媒、特にイミダゾール誘導体がマイクロカプセル内の触媒として有用である。
【0026】
イミダゾール誘導体としては、下記一般式(1)で示されるものを使用することができる。
【0027】
【化4】
Figure 0003736603
(式中、R1及びR2は水素原子、又はメチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、フェニル基等のアルキル基、置換アルキル基、アリール基などの炭素数1〜12の置換もしくは非置換の一価炭化水素基、R3はメチル基、エチル基、フェニル基、アリル基等のアルキル基、アルケニル基、アリール基などの炭素数1〜12の置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示し、R4は水素原子、メチル基、エチル基、シアノエチル基、ベンジル基等のアルキル基、置換アルキル基、アラルキル基などの炭素数1〜12の置換もしくは非置換の一価炭化水素基、又は下記式(2)で示される基である。なお、置換一価炭化水素基としては、ヒドロキシ置換、シアノ置換などのものを挙げることができる。)
【0028】
【化5】
Figure 0003736603
【0029】
具体的には、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−アリル−4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−S−トリアジンイソシアヌール酸付加物、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどが挙げられる。
【0034】
本発明で使用するマイクロカプセルは(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸エステル、イタコン酸エステル、メタクリル酸エステル、クロトン酸エステル等の炭素数1〜8のアルキルエステルやこのアルキルエステルのアルキル基がアリル基等の置換基を有するもの、また、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル等の単官能性単量体及びエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多官能性単量体のポリマー中に窒素含有化合物が閉じこめられたものである。なお、上記ポリマーの中では、(メタ)アクリレート系単量体の重合物が好ましい。
【0035】
本発明の上記イミダゾール誘導体等の硬化触媒を含有するマイクロカプセルの製造方法としては様々な方法が挙げられるが、生産性及び球状度が高いマイクロカプセルを製造するためには通常懸濁重合法及び乳化重合法などで従来から公知の方法で製造することができる。
【0036】
この場合、一般的に使用されている触媒の分子構造から高濃度マイクロカプセル触媒を得るためには、硬化触媒10部に対して使用する上記単量体の総量は10〜200部程度でよく、望ましくは10〜100部、更に望ましくは20〜50部である。10部未満では潜在性を十分に付与することが困難となることがあり、200部を超えると、触媒の比率が低くなり、十分な硬化性を得るためには多量に使用しなければならなくなり、経済的に不利となる場合がある。
【0037】
このような方法で得られるマイクロカプセルの平均粒径としては0.5〜50μmである。望ましくは3〜25μmである。0.5μm未満では粒径が小さすぎて多量にマイクロカプセルを配合すると粘度が高くなる上、場合によっては潜在性が不十分になる可能性がある。また、50μmを超えると、粒径が大きすぎて成形時にゲートづまりなどを引き起こしてしまう。
【0038】
また、上記マイクロカプセルは、下記性能を有するものが好ましい。即ち、硬化触媒を含有するマイクロカプセルを1g秤取り、これをo−クレゾール30gに混合した後、30℃で放置し、溶出する触媒をガスクロマトグラフで定量した場合、マイクロカプセルから溶出する触媒が30℃,15分でマイクロカプセル中に含まれる全触媒量の70重量%以上であるものが好ましい。70重量%未満では、エポキシ樹脂組成物を用い、半導体装置を成形する際、175℃で1分以上の成形時間が必要となり、生産性が低下する場合がある。望ましくは、溶出量が75重量%以上である。
【0039】
エポキシ樹脂組成物への本発明のマイクロカプセル型硬化触媒の配合量としては(A),(B)成分の合計100部に対して0.5〜15部が望ましく、好ましくは1〜10部である。0.5部未満では十分な硬化性が得られず、15部を超えると硬化性は十分であるが、コストアップとなり不利となってしまう場合がある。
【0040】
本発明の組成物には、必要に応じて、該組成物の硬化物に可撓性や強靭性を付与させたり、接着性を付与するため、シリコーン変性共重合体や各種有機合成ゴム、スチレン−ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−エチレン−ブテン−スチレン共重合体などの熱可塑性樹脂、シリコーンゲルやシリコーンゴムなどの微粉末を添加することができる。また、二液タイプのシリコーンゴムやシリコーンゲルで無機質充填剤の表面を処理してもよい。なお、上述したシリコーン変性共重合体やスチレン−ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合体はエポキシ樹脂の低応力化に効果を発揮する。
【0041】
上述した低応力化剤としてのシリコーン変性共重合体及び/又は熱可塑性樹脂の使用量は、通常エポキシ樹脂組成物全体の0.2〜10重量%、特に0.5〜5重量%とすることが好ましい。0.2重量%より低い配合量では、十分な耐熱衝撃性を付与することができない場合があり、一方10重量%を超える配合量では、機械的強度が低下する場合がある。
【0042】
更に、本発明の組成物には、カーボンブラック等の着色剤、ブロム化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン等の難燃剤、離型剤、カップリング剤などを配合することができる。
【0043】
本発明のマイクロカプセル型硬化触媒を含むエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤、その他の添加物を所定の組成比で配合し、これを乾式ミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混練りを行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とすることができる。
【0044】
このようにして得られる本発明のマイクロカプセル型硬化触媒を含むエポキシ樹脂組成物は、各種の半導体装置、特に銀メッキしたフレーム等の銀メッキ部分を有する半導体装置の封止用に有効に利用でき、この場合、封止の最も一般的な方法としては、低圧トランスファー成形法が挙げられる。なお、成形温度は、通常160〜190℃である。
【0045】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0046】
[実施例、比較例]
表1に示す成分を用い、常法に従ってエポキシ樹脂組成物を調製し、下記方法によりその性能を評価した。結果を表1に示す。
《スパイラルフロー》
175℃,70kgf/cm2の成形圧力で成形し、測定した。
《ゲル化時間及び溶融粘度》
いずれも175℃で測定した。
《接着力》
初期
175℃,70kgf/cm2、成形時間90秒の条件で18mm×18mm×0.25mmの全面銀メッキした銅フレーム上に、接着面積10mm2になるように各エポキシ樹脂組成物を円柱状に成形し、175℃で4時間ポストキュアした後、この円柱状の成形物に真横からプッシュプルゲージで60mm/minのせん断力を加えてせん断接着力を測定した。
室温100時間放置
エポキシ樹脂組成物を25℃で100時間放置した後、初期と同様の方法で成形し、ポストキュアした後、接着力を測定した。
85℃/85%RHプラスIRリフロー
初期及び室温下で100時間放置したエポキシ樹脂組成物を用い、初期と同じ方法で成形し、初期と同じ条件でポストキュアした後、85℃/85%RHの雰囲気に168時間放置した。所定時間経過後、サンプルを取り出し、240℃のIRリフロー炉を通した後、初期と同じ条件で接着力を測定した。
《保存性》
各エポキシ樹脂組成物を密閉容器に入れて30℃で96時間放置した。その後、前記スパイラルフローを測定して、初期の値から低下率を算出し、保存性データとした。
【0047】
【表1】
Figure 0003736603
【0048】
【化8】
Figure 0003736603
EPPN501:トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂,日本化薬(株)製
BREN−S:臭素化エポキシ樹脂,日本化薬(株)製
EOCN1020:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂,日本化薬(株)製
TD2093:フェノールノボラック樹脂,大日本インキ(株)製
Sb23:三酸化アンチモン,住友金属鉱山製
KBM803:HSCH2CH2CH2Si(OCH33
KBM403:グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,信越化学工業(株)製
2E4MZのマイクロカプセル:
2E4MZを20重量%含有したメタクリル酸メチルの重合体。平均粒径が13μm。o−クレゾール中で30℃,15分間の処理でマイクロカプセルから溶出する触媒の量は87重量%。
【0049】
【発明の効果】
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、硬化性が良好でかつ潜在性が高く、保存性が良好であり、また銀に対する接着性が高いものである。

Claims (3)

  1. (A)エポキシ樹脂、
    (B)フェノール樹脂、
    (C)無機質充填剤、
    (D)平均粒径0.5〜50μmであり、(メタ)アクリレート系単量体の重合物と、窒素含有化合物からなる硬化触媒とから形成されたマイクロカプセルであって、硬化触媒を被覆するポリマーとなり得る単量体の使用量が内包する硬化触媒10重量部に対して10〜200重量部であり、このマイクロカプセルを1g秤取り、これをo−クレゾール30gに混合した後、マイクロカプセルから溶出する触媒が30℃,15分でマイクロカプセル中に含まれる全触媒量の70重量%以上である硬化触媒のマイクロカプセル、
    (E)SH基又は−S−S−基と炭素数1〜4のアルコキシ基とを有するシランカップリング剤
    を含有することを特徴とする半導体装置が銀メッキ部分を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. マイクロカプセルが、(メタ)アクリレート系単量体の重合物と、下記一般式(1)
    Figure 0003736603
    (式中、R 1 及びR 2 は水素原子、又は炭素数1〜12の置換もしくは非置換の一価炭化水素基、R 3 は炭素数1〜12の置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示し、R 4 は水素原子、炭素数1〜12の置換もしくは非置換の一価炭化水素基、又は下記式(2)で示される基である。)
    Figure 0003736603
    で示される窒素含有化合物からなる硬化触媒とから形成されたものである請求項1記載の組成物。
  3. 請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物にて封止された銀メッキ部分を有する半導体装置。
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