JP3736309B2 - ステップモータの制御装置 - Google Patents

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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステップモータの制御装置に関し、特に、移動可能限界位置が機械的に定められた被駆動体の位置を制御するステップモータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関には排気の一部を吸気系へ再循環させる排気ガス再循環(EGR)という技術が知られている。この技術では、エンジンの排気通路と吸気通路とを連通するようにしてEGR通路が設けられ、該通路の途中には開閉により前記排気ガスの再循環量(EGR量)を調節するための被駆動体としてのEGRバルブが設けられている。そして、EGRバルブを駆動するためのステップモータが制御されることで、EGRバルブの開度が制御され、もってEGR量が制御される。このようなEGRバルブでは移動可能限界位置が閉側用ストッパによって定められており、EGRバルブの位置(開度)はその移動可能限界位置を基準とするステップモータのステップ数にて制御されるようになっている。
【0003】
このようなステップモータの制御は電子制御装置によって行われるようになっており、ステップモータのステップ数を検出し、これによって通電相を切換える必要がある。このためにステップモータのステップ数の絶対値を直接検出することもあるが、多くの場合、ステップ数が1増減(インクリメントあるいはデクリメント)したことを検出して、これからステップ数を演算してゆく手法がとられる。この場合、絶対的ステップ数を演算するためには、ステップ数の基準となる位置(移動可能限界位置)が明らかになっている必要がある。従って、通常は、基準位置にまで、一旦ステップモータを回転させ、その位置(基準位置)からのステップ数が演算されるようにしている。また、内燃機関の停止時においてステップモータへの通電停止に際してはその演算したステップ数分だけステップモータを回転させることによりEGRバルブを基準位置(移動可能限界位置)に復帰させる停止制御処理が実行され、この停止制御処理が完了するとステップモータへの通電が停止される。
【0004】
ところが、上記技術では、この停止制御処理においてステップモータを演算したステップ数分回転させたにも関わらず、何らかの原因(例えばステップモータに供給される電圧の低下、振動による外力等)により、EGRバルブが基準位置まで移動しない場合が生じうる(これを「脱調」という)。
【0005】
そこで、次の内燃機関の始動時におけるステップモータへの通電開始時において、EGRバルブが移動可能限界位置に突き当たるようにステップモータを制御する方法が採用されている。
【0006】
図4は、このような従来技術において電子制御装置によって実行されるステップモータの制御処理のフローチャートを示す。図4に示すように、まず、ステップモータの通電開始時には、イニシャル完了フラグがOFFか否かが判定される(ステップ200)。ここで、イニシャル判定フラグは内燃機関の停止時において前記ステップモータの停止制御処理が完了したことに基づいて設定されるものであり、前記ステップモータの停止制御処理が完了しているとイニシャル完了フラグはOFFに設定され、前記ステップモータの停止制御処理が未完了の場合にはイニシャル完了フラグはONに設定される。イニシャル完了フラグがOFFであると判定されると、ステップモータの突き当て量がα(例えば16)ステップに設定され(ステップ202)、その突き当て量αステップに基づいてEGRバルブが移動可能限界位置に突き当たるようにモータ駆動(イニシャル処理)が行われる(ステップ204)。次に、突き当て処理が完了したか否かが判定され(ステップ206)、突き当て処理が完了したと判定すると、イニシャル完了フラグをONに設定し(ステップ208)、これ以後通常のモータ駆動制御が実行される。また、前記ステップ200においてイニシャル完了フラグがONであると判定されると、通常のモータ駆動制御が実行される(ステップ210)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジンの停止時において、ステップモータの停止制御処理が完了する以前においてエンジンが再始動されるようなことがあると、その再始動時においてイニシャル処理が実行されないこととなる。
【0008】
すなわち、図5に示すように時刻t1においてイグニション(IG)スイッチがOFFされると、エンジンが停止されてその回転速度が低下する。このとき、ステップモータの目標ステップ数は「0」に設定され、この目標ステップ数に基づいてステップモータが回転される。そのため、EGRバルブ(ステップモータ)の実位置は徐々に移動可能限界位置に近づく。
【0009】
EGRバルブの実位置が移動可能限界位置に達する以前の時刻t2〜t3においてIGスイッチがONされるとともにスタータスイッチがONされると、スタータモータによるクランキングが開始される。このように、エンジンのクランキングが開始されると、ステップモータに供給される電圧が低下することとなり、ステップモータが正常に回転しなくなることがあり、EGRバルブ(ステップモータ)の実位置は変更されなくなり、ステップモータは脱調することとなる。また、EGRバルブが移動可能限界位置に復帰する以前にエンジンが再始動されているので、イニシャル完了フラグはONに維持されている。時刻t3においてスタータスイッチがOFFされた後、時刻t4において目標ステップ数が設定され、この目標ステップ数に基づいてステップモータが駆動され、EGRバルブの開度(位置)が制御される。
【0010】
このように、エンジンの停止時においてステップモータの停止制御処理が完了する以前にエンジンが再始動されるような場合には、ステップモータの脱調のおそれが高く、それ以後脱調したままステップモータの駆動制御が実行されることになる。従って、EGRバルブの開度が目標開度からずれ、好適なEGR制御を実行することができなくなる。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ステップモータの制御精度を向上することができるステップモータの制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、移動可能限界位置が機械的に定められた被駆動体の位置を、該移動可能限界位置を基準とするステップモータのステップ数にて制御するステップモータの制御装置であって、前記ステップモータへの通電停止に際して、前記被駆動体を移動可能限界位置に移動させるように前記ステップモータを制御する停止制御手段と、前記ステップモータの通電開始時において前記停止制御手段による移動可能限界位置への被駆動体の移動の未完了の場合には前記被駆動体が移動可能限界位置に突き当たるように第1の突き当てステップ数にて前記ステップモータを制御する第1のイニシャル制御手段と前記ステップモータの通電開始時において前記停止制御手段による移動可能限界位置への被駆動体の移動の完了の場合において前記被駆動体が移動可能限界位置に突き当たるように前記第1の突き当てステップ数よりも小さい値の第2の突き当てステップ数にて前記ステップモータを制御する第2のイニシャル制御手段とを備えることを要旨とする。
【0013】
ここで、移動可能限界位置が機械的に定められた被駆動体の位置を、該移動可能限界位置を基準とするステップモータのステップ数にて制御するようにしたステップモータの制御装置においては、ステップモータへの通電停止に際して停止制御手段によって被駆動体を移動可能限界位置に移動させるようにステップモータが制御される。この停止制御手段による被駆動体の移動の未完了の場合にステップモータへの通電が開始される場合には、被駆動体の実位置は移動可能限界位置から離れた位置となり、この位置が被駆動体の位置を制御するための基準位置となるため、ステップモータは脱調することとなる。これに対して、請求項1に記載の発明では、ステップモータの通電開始時において停止制御手段による移動可能限界位置への被駆動体の移動の未完了の場合には第1のイニシャル制御手段によって被駆動体が移動可能限界位置に突き当たるようにステップモータが制御される。そのため、被駆動体の実位置は確実に移動可能限界位置となり、この位置が被駆動体の位置を制御するための基準位置となるため、ステップモータの脱調を好適に抑制することができ、ステップモータの制御精度を向上することができる。
【0015】
一方、ステップモータへの通電停止に際して停止制御手段による被駆動体の移動が完了したとしても、何らかの原因により被駆動体の実位置が移動可能限界位置とは異なる位置となるおそれがあり、この位置が被駆動体の位置を制御するための基準位置となって、ステップモータが脱調するおそれがある。これに対して請求項に記載の発明では、ステップモータの通電開始時において停止制御手段による移動可能限界位置への被駆動体の移動の完了の場合において第2のイニシャル制御手段によって被駆動体が移動可能限界位置に突き当たるようにステップモータが制御される。そのため、被駆動体の実位置は確実に移動可能限界位置となり、この位置が被駆動体の位置を制御するための基準位置となるため、ステップモータの脱調をより好適に抑制することができ、ステップモータの制御精度を向上することができる。
【0017】
他方、停止制御手段による被駆動体の移動の未完了の場合にステップモータへの通電が開始される場合の被駆動体の実位置は移動可能限界位置から離れた位置であり、停止制御手段による被駆動体の移動の完了の場合にステップモータへの通電が開始される場合の被駆動体の実位置は移動可能限界位置若しくはその付近となる。従って、請求項に記載の発明のように第1のイニシャル制御手段によるステップモータの第1の突き当てステップ数は第2のイニシャル制御手段によるステップモータの第2の突き当てステップ数よりも大きな値に設定することにより、被駆動体の実位置に応じて適切なステップ数にて被駆動体を移動可能限界位置に突き当てることができる。また、停止制御手段による被駆動体の移動の完了の場合に第2のイニシャル制御手段によるステップモータの第2の突き当てステップ数は小さな値に設定されているため、ステップモータの突き当て処理を短時間で行うことができる。
【0018】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載のステップモータの制御装置において、前記被駆動体は内燃機関の排気の吸気系への再循環量を調節するバルブであることを要旨とする。
【0019】
請求項に記載の発明によれば、内燃機関の排気の再循環量を調節するバルブの基準位置を確実に検出することができ、その基準位置に基づいてステップモータのステップ数を制御することによりバルブの位置を制御することができるので、排気の再循環量を精度良く制御することができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1はガソリンエンジンシステムを示す概略構成図である。内燃機関としてのガソリンエンジン(以下単に「エンジン」と書き表す)11は、シリンダブロック12内に形成されたシリンダ13と、そのシリンダ13内を上下方向に往復移動するピストン15と、シリンダ13及びシリンダヘッド14とピストン15の上面とによって区画形成される燃焼室16と、エンジン11の出力軸であるクランクシャフト17と、ピストン15の往復運動をクランクシャフト17の回転運動に変換するコネクティングロッド19とを備えている。コネクティングロッド19にはエンジン11のクランキングを行うためのスタータモータ20が連結可能になっている。
【0021】
各気筒に対応する吸気ポート21には、図示しないエアクリーナから吸気通路22に吸入される外気が流れる。各気筒毎に設けられた燃料噴射弁28は、各吸気ポート21へ燃料を噴射する。そして、それら外気と燃料との混合気は、各気筒毎に設けられた吸気バルブ23により吸気ポート21が開かれるときに、燃焼室16に導入される。更に、各気筒毎に設けられた点火プラグ27が作動することにより、燃焼室16にて混合気が爆発・燃焼してピストン15が作動し、エンジン11の駆動力が得られる。その後、各気筒毎に設けられた排気バルブ26により排気ポート24が開かれるときに、既燃焼ガスが排気ガスとして燃焼室16から排気ポート24及び排気通路25を介して外部へ排出される。
【0022】
吸気通路22の途中に設けられたスロットルバルブ30は、アクセルペダル(図示しない)の操作に連動して作動し、吸気通路22を開閉する。このスロットルバルブ30の作動により、吸気通路22に対する吸入空気量Qが調節される。
【0023】
さらに、本実施の形態では、公知の排気ガス再循環(EGR)機構40が設けられている。このEGR機構40は、排気ガス再循環通路としてのEGR通路41と、同通路41の途中に設けられたEGRバルブ42と、該EGRバルブ42を駆動するためのステップモータ43とを含んでいる。EGR通路41は、スロットルバルブ30の下流側のサージタンク22aと排気通路25との間を連通するよう設けられている。
【0024】
EGRバルブ42は支持体45に支持され、支持体45には雌ねじが形成されている。支持体45の内端には基準位置としての移動可能限界位置を定めるためのストッパ45aが形成されている。ステップモータ43のモータ軸44には雄ネジが形成され、ステップモータ43のモータ軸44は支持体45の雌ねじに螺合されている。ステップモータ43は電子制御装置(ECU)50から供給される制御信号に基づいて駆動されるようになっており、ステップモータ43が駆動されてモータ軸44が回転されるとEGRバルブ42が支持体45とともに移動されてEGRバルブ42の開度(基準位置からの位置)が調節されるようになっている。モータ軸44の回転に伴って、ストッパ45aがステップモータ43に突き当たるとその位置がEGRバルブ42の基準位置となる。そして、EGRバルブ42が開くことにより、排気通路25へ排出された排気ガスの一部がEGR通路41へと流れる。その排気ガスは、EGRバルブ42を介して吸気通路22へ流れる。すなわち、排気ガスの一部がEGR機構40によって吸入混合気中に再循環する。このとき、EGRバルブ42の開度が調節されることにより、排気ガスの再循環量が調整されるのである。
【0025】
ECU50は、所定の制御プログラム等を予め記憶した読み出し専用メモリ(ROM)、ROMに記憶されたプログラムを実行する中央処理装置(CPU)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)及びエンジン11の停止時において保存すべきデータを記憶するためのバックアップRAM等を備える。ECU50にはイグニション(IG)スイッチ51が接続されるとともに、スタータスイッチ52が接続されている。ECU50はIGスイッチ51のON操作に基づいて活性化され、図示しない各種センサの検出信号に基づいて空燃比制御を含む燃料噴射量制御、及び点火時期制御等を実行するために、燃料噴射弁28及び点火プラグ27等を制御する。
【0026】
また、ECU50はEGRバルブ42のステップモータ43を制御する停止制御手段、第1のイニシャル制御手段及び第2のイニシャル制御手段を構成する。ECU50はエンジン11の停止時においてステップモータ43への通電停止に際して、EGRバルブ42を移動可能限界位置に移動させるようにステップモータ43を制御するようになっている。また、ECU50はスタータスイッチ52のON操作に基づくエンジン11の始動時(より正確にはエンジン11がスタータモータ20によってクランキングされる時)において、EGRバルブ42の移動可能限界位置への移動が未完了である場合には、ステップモータ43の第1のイニシャル処理を行うことによりEGRバルブ42を移動可能限界位置に突き当たるように制御するようになっている。また、ECU50はエンジン11の始動時において、EGRバルブ42の移動可能限界位置への移動が完了している場合には、ステップモータ43の第2のイニシャル処理を行うことによりEGRバルブ42を移動可能限界位置に突き当たるように制御するようになっている。ここで、第1のイニシャル処理ではステップモータ43の突き当て量がβステップに設定され、第2のイニシャル処理ではステップモータ43の突き当て量がαステップ(α<β)に設定されるようになっている。なお、本実施形態ではイニシャル処理における突き当て量のβステップはEGRバルブ42の最大移動量に対応するステップ数に設定されている。
【0027】
次に、エンジン11の始動時におけるECU50が実行するステップモータ43の制御処理について図2に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図2に示したルーチンは所定時間毎に実行される。
【0028】
まず、IGスイッチ51がON操作されるとステップモータの通電が開始される。そして、スタータスイッチ52がONからOFFに切り替わったか否かが判定される(ステップ100)。スタータスイッチ52がONからOFFに切り替わったと判定されると(ステップ100でYES)ステップ102に処理が移行し、否定判定(ステップ100でNO)の場合にはステップ104に処理が移行する。
【0029】
ステップ102ではイニシャル完了フラグがOFFか否かが判定される。ここで、イニシャル判定フラグはエンジン11の停止時においてステップモータ43の停止制御処理が完了したことに基づいて設定されるものであり、ステップモータ43の停止制御処理が完了しているとイニシャル完了フラグはOFFに設定され、ステップモータ43の停止制御処理が未完了の場合にはイニシャル完了フラグはOFFに設定されない。イニシャル完了フラグがOFFであると判定されると(ステップ102でYES)、ステップモータ43の突き当て量がα(例えば16)ステップに設定される(ステップ106)。イニシャル完了フラグがONであると判定されると(ステップ102でNO)、ステップモータ43の突き当て量がβ(例えば108)ステップに設定され(ステップ108)、次のステップ110においてイニシャル完了フラグがOFFに設定される。
【0030】
次に、ステップ112において、前記ステップ106にて設定された突き当て量α又はステップ108にて設定された突き当て量βに基づいてEGRバルブ42が基準位置に突き当たるようにステップモータ43のモータ駆動(イニシャル処理)が行われる。
【0031】
次に、突き当て処理が完了したか否かが判定され(ステップ114)、突き当て処理が完了したと判定すると(ステップ114でYES)、イニシャル完了フラグをONに設定し(ステップ116)、これ以後通常のモータ駆動制御が実行される。また、突き当て処理が完了していないと判定すると(ステップ114でNO)、イニシャル処理におけるステップモータ43のモータ駆動が行われる。
【0032】
また、前記ステップ104においてイニシャル完了フラグがOFFか否かが判定され、イニシャル完了フラグがOFFであると判定されると(ステップ104でYES)、ステップ112に処理が移行してイニシャル処理のモータ駆動が実行され、イニシャル完了フラグがONであると判定されると(ステップ104でNO)、次のステップ118において通常のモータ駆動制御が実行される。
【0033】
図3は本実施形態におけるエンジン11の停止時及び始動時におけるステップモータ43の制御を態様を示している。
図3に示すように時刻t1においてIGスイッチがOFFされると、エンジン11が停止されてその回転速度が低下する。このとき、ステップモータ43の目標ステップ数は「0」に設定され、この目標ステップ数に基づいてステップモータ43が回転される。そのため、EGRバルブ(ステップモータ)の実位置は徐々に移動可能限界位置に近づく。
【0034】
EGRバルブの実位置が基準位置に達する以前の時刻t2〜t3においてIGスイッチがONされるとともにスタータスイッチがONされてエンジン11が始動されると、スタータモータ20によるエンジン11のクランキングが開始される。このように、エンジン11のクランキングが開始されるとスタータモータ20の駆動によりバッテリ電圧が低下し、ステップモータ43に供給される電圧が低下することとなり、ステップモータ43が正常に回転しなくなることがある。このようにステップモータ43が正常に回転しなくなると、EGRバルブ42(ステップモータ43)の実位置は変更されなくなって、ステップモータ43は脱調することとなる。しかしながら、本実施形態では、時刻t3においてイニシャル完了フラグが強制的にOFFに設定されるとともに(図2のステップ110の処理)、ステップモータ43のイニシャル処理における突き当て量がβステップに設定される(図2のステップ108の処理)。
【0035】
そして、時刻t3においてスタータスイッチがOFFされた後、時刻t4において突き当て量βに基づいてステップモータ43のイニシャル処理によるモータ駆動制御が実行され、EGRバルブ42の基準位置への突き当て処理が実行される。時刻t5において、ステップモータ43のイニシャル処理が完了すると、ステップモータ43の目標ステップ数が設定され、この目標ステップ数に基づいてステップモータ43が駆動され、EGRバルブの開度(位置)が制御される。
【0036】
以上説明したように本実施形態のEGRバルブ制御装置によれば、次のような効果がある。
・ 本実施形態のECU50は、エンジン11の停止時においてステップモータ43の停止制御処理が完了する以前にエンジン11が再始動されるような場合において、イニシャル完了フラグを強制的にOFFに設定するとともに、突き当て量を大きな値(βステップ)としてステップモータ43のイニシャル処理におけるモータ駆動制御を行うようにした。従って、エンジン11の停止時におけるステップモータ43の停止制御処理中においてステップモータ43に供給される電圧が低下するとステップモータ43が正常に回転せず脱調するおそれがあるが、この場合にはスタータモータ20によるエンジン11の始動後においてステップモータ43のイニシャル処理を実行するとともに、ステップモータ43の突き当て量をβステップに設定している。従って、EGRバルブ42を確実に基準位置まで移動させて基準位置を検出することができ、ステップモータ43の制御精度を向上することができる。
【0037】
・ また、本実施形態ではエンジン11の停止時においてステップモータ43の停止制御処理の完了後にエンジン11が再始動されるような場合においては、イニシャル完了フラグがOFFに設定され、突き当て量を小さな値(αステップ)としてステップモータ43のイニシャル処理におけるモータ駆動制御を行うようにした。従って、短時間でEGRバルブ42を確実に基準位置まで移動させて基準位置を検出することができ、ステップモータ43の制御精度を向上することができる。
【0038】
なお、実施形態は以下のように変更して具体化することもできる。
・ 上記実施形態では、ステップモータ43のイニシャル処理における突き当て量βステップをEGRバルブ42の最大移動量に対応する値に設定したが、この突き当て量βの値を停止制御処理の開始時からの経過時間に基づいて可変設定するようにしてもよい。
【0039】
・ 上記実施形態では、EGRバルブ42を開閉制御するステップモータ43の制御装置に具体化したが、これ以外にディーゼルエンジンにおける吸気バルブを駆動するステップモータや可変ノズルターボを駆動するステップモータの制御装置に具体化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のエンジンシステムを示す概略構成図。
【図2】本実施形態における始動時のステップモータ制御処理を示すフローチャート。
【図3】同じく始動時のステップモータの制御態様を示すタイムチャート。
【図4】従来の始動時のステップモータ制御処理を示すフローチャート。
【図5】従来の始動時のステップモータの制御態様を示すタイムチャート。
【符号の説明】
11…内燃機関としてのエンジン、42…EGRバルブ、43…ステップモータ、45a…ストッパ、50…電子制御装置(ECU)。

Claims (2)

  1. 移動可能限界位置が機械的に定められた被駆動体の位置を、該移動可能限界位置を基準とするステップモータのステップ数にて制御するステップモータの制御装置であって、
    前記ステップモータへの通電停止に際して、前記被駆動体を移動可能限界位置に移動させるように前記ステップモータを制御する停止制御手段と、
    前記ステップモータの通電開始時において前記停止制御手段による移動可能限界位置への被駆動体の移動の未完了の場合には前記被駆動体が移動可能限界位置に突き当たるように第1の突き当てステップ数にて前記ステップモータを制御する第1のイニシャル制御手段と、
    前記ステップモータの通電開始時において前記停止制御手段による移動可能限界位置への被駆動体の移動の完了の場合において前記被駆動体が移動可能限界位置に突き当たるように前記第1の突き当てステップ数よりも小さい値の第2の突き当てステップ数にて前記ステップモータを制御する第2のイニシャル制御手段と
    を備えるステップモータの制御装置。
  2. 請求項1に記載のステップモータの制御装置において、
    前記被駆動体は内燃機関の排気の吸気系への再循環量を調節するバルブであるステップモータの制御装置。
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