JP3734840B2 - 高コンシステンシー硬化性オルガノシロキサン組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は硬化性オルガノシロキサン組成物に関する。より詳細には、本発明は白金触媒ヒドロシリル化反応によって硬化する高コンシステンシーオルガノシロキサン組成物に関する。該組成物は、フッ素化ポリジオルガノシロキサンと非フッ素化ポリジオルガノシロキサンとの混合物を含有する。本発明を用いて製造された硬化エラストマーは、望ましい物理特性例えば引張や引裂強度、レジリエンス、及び弾性において、予期できないほどの高い値を示す。
【0002】
【従来の技術】
フッ素化高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンと非フッ素化高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンとの混合物を含有する硬化性組成物は周知である。フッ素化ポリジオルガノシロキサン中に存在する単位の少なくとも一部を構成するより共通の反復単位の一種は、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位である。ポリジメチルシロキサンから製造された硬化エラストマーと比較した場合、フッ素化ポリジオルガノシロキサンから製造されたエラストマーは、極性有機液体例えばアルコール、ケトン、及びエステルへのより高い溶解度とともに、物理特性例えば引張や引裂強度及び弾性の低下を示す。この特性低下は、航空用や自動車用の燃料に存在する脂肪族炭化水素中における、より低い溶解度及びより高い耐分解性によって補償される。
【0003】
コンシステンシーの高いフッ素化ポリジオルガノシロキサンと非フッ素化ポリジオルガノシロキサンとは元来不混和性であるため、これらのポリマーのシリカ補強混合物から製造したエラストマーは応力下で離層する可能性があり、よってその個別のポリマーを使用して達成できる程度と比べて、エラストマーの物理特性例えば引張や引裂強度が実質的に低減される。
【0004】
フッ素化ポリジオルガノシロキサンと非フッ素化ポリジオルガノシロキサンとの相溶性を高める一つの方法が、 Evansらの米国特許第4,960,811号明細書(1990年10月2日発行)に教示されている。該特許明細書の開示によれば、ビニル基とシラノール基とを含有する変性フッ素化ポリジオルガノシロキサン100部を、ビニル基1〜約10重量%を含有するポリジメチルシロキサンガム1〜10部と混合する。
【0005】
Evansらの特許明細書に記載されている変性フッ素化ポリジオルガノシロキサンは、1)1分子当たり75個以下の反復単位を含有するビニル基を末端基とするジオルガノシロキサンコポリマー(該反復単位の50〜約67%はフッ素化されていない)及び2)1分子当たり3〜6個のフッ素化オルガノシロキサン単位を含有するシラノール基を末端基とするジオルガノシロキサンホモポリマー、を特定の量で含んで成る鎖変性混合物0.5〜2部と、環状フッ素化トリシロキサン100部との反応生成物である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、フッ素化及び非フッ素化の両方の液状有機珪素化合物で処理された補強シリカ充填剤と一緒にポリマーを混合することによって、高コンシステンシーのフッ素化ポリジオルガノシロキサンと非フッ素化ポリジオルガノシロキサンとの間の相溶性を向上させることができ、それとともに、これらポリマーの混合物から製造されたエラストマーの物理特性が結果的に向上することを発見した。本発明の高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンは、1分子当たり少なくとも2個のアルケニル基を含有し、そしてヒドロシリル化反応によって硬化する。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用、及び効果】
本発明は、以下の成分を均質に混合することによって得られた生成物を含んで成る高コンシステンシー硬化性オルガノシロキサン組成物を提供する。
A.1分子当たり少なくとも2個のアルケニル基と、化学式R1 RfSiO(式中、R1 は炭素原子1〜4個を含有するアルキル基を表し、そしてRfは炭素原子総数3〜12個を含有するペルフルオロアルキルエチル基を表す)で示される反復単位とを含んで成る、少なくとも一種の高コンシステンシーのフッ素含有ポリジオルガノシロキサン;
B.成分Aと成分Bの合計重量に対して5〜95重量%の、1分子当たり少なくとも2個のアルケニル基を含有する少なくとも一種の高コンシステンシーのフッ素を含まないポリジアルキルシロキサン(当該フッ素を含まないポリジアルキルシロキサンの反復単位は化学式R 2 R 3 SiOに相当し、ここでR 2 及びR 3 は、各々独立に、炭素原子1〜4個を含有するアルキル基を表す);
C.成分Aと成分Bの合計重量に対して10〜100重量%の、以下の成分Dで処理された補強用シリカ充填剤;
D.前記充填剤の重量に対して10〜50重量%の、第一の液状のシラノール含有有機珪素化合物またはその加水分解性前駆体(前記第一の化合物または前駆体中に存在する珪素原子の少なくとも50%は、Rf′(Rf′は前記Rfと同じ群から選択される)で示される一価のフッ素化炭化水素基を含有する)と、第二の液状のシラノール含有有機珪素化合物またはその加水分解性前駆体(前記第二の化合物または前駆体の珪素原子はフッ素化炭化水素基を実質的に含有しない)とを含んで成る混合物であって、前記第一の化合物またはその加水分解性前駆体と前記第二の化合物またはその加水分解性前駆体との相対比率が成分Aと成分Bの相対濃度にほぼ一致しているもの;
E.ヒドロシリル化触媒の存在において前記組成物の硬化を達成するのに十分量の有機水素ポリシロキサンであって、前記高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンと前記高コンシステンシーポリジアルキルシロキサンとに可溶性または混和性であるもの;並びに
F.前記組成物の硬化を促進するのに十分量の白金含有ヒドロシリル化触媒。
【0008】
本発明の組成物の新規な特徴は、1)フッ素を実質的に含まない少なくとも一種の高コンシステンシーポリジアルキルシロキサンと、珪素に結合した炭素原子の約50%以下がペルフルオロアルキルエチル基例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基の一部である少なくとも一種の高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンとの存在、並びに2)少なくとも二種のシリカ処理剤の存在である。該処理剤は、液状のシラノール含有有機珪素化合物であるか、またはシリカ処理工程の際に該化合物に転化するこれら化合物の加水分解性前駆体である。これらの有機珪素化合物の一方はフッ素を実質的に含まず、そして他方は少なくとも一部の珪素原子に結合したフッ素化炭化水素基を含有する。
【0009】
すべての高コンシステンシーポリジオルガノシロキサン(ポリマーA及びB)が、珪素に結合したアルケニル基を1分子当たり少なくとも2個含有し、そして白金触媒ヒドロシリル化反応によって硬化されることができる。ポリマーAの珪素原子に結合したすべての有機基が炭化水素基またはRf基である。
【0010】
本明細書に用いられている語句「高コンシステンシー」は、25℃でガムのコンシステンシーを示すポリジオルガノシロキサンを意味する。これらのポリマーの粘度は25℃で数百万ポアズであることが普通である。該ポリマーは、代表的には、ASTM試験手順第D926番により測定される可塑度数で特徴付けられる。この可塑度数は、代表的には、フッ素化ポリジオルガノシロキサン(ポリマーA)で約75〜約400、ポリジアルキルシロキサン(ポリマーB)で約50〜約350である。
【0011】
本発明の組成物は、以降ポリマーAと称する少なくとも一種の高コンシステンシーフッ素含有ポリジオルガノシロキサンと、以降ポリマーBと称し、ポリマーA及びBの混合重量の5〜95%を占める少なくとも一種の非フッ素化ポリジアルキルシロキサンとを含む。ポリマーBの重量が、該混合重量の20〜50%であることが好ましい。
【0012】
ポリマーA及びポリマーBは共に1分子当たり少なくとも2個のアルケニル基を含有する。本発明の硬化性組成物を用いて製造した硬化エラストマーに望まれる物理特性の組合せに依存して、これらのポリマーの非末端反復単位の3%以下に珪素結合アルケニル基を含有させることができる。
【0013】
ポリマーAの少なくとも一部の反復単位は、化学式R1 RfSiO(式中、R1 は炭素原子1〜約4個を含有するアルキル基を表し、そしてRfはペルフルオロアルキルエチル基(珪素原子が2個の非フッ素化炭素原子によってペルフルオロアルキル基から隔離されている)を表す)で示される単位に相当する。
【0014】
Rfのペルフルオロアルキル部分は、炭素原子1〜約10個を含有でき、そしてペルフルオロメチル、ペルフルオロエチル、ペルフルオロブチル、及びペルフルオロオクチルを含むが、これらには限定されない。ポリマーAの好ましい実施態様では、Rfが3,3,3−トリフルオロプロピルであり、そしてR1 がメチルである。この好ましい態様は、このポリジオルガノシロキサンを製造するのに使用する出発原料を得るための反応体や便利な方法の利用可能性に基づくものである。
【0015】
ポリマーBは、化学式R2 R3 SiO(式中、R2 及びR3 は独立にアルキルであり、そして炭素原子1〜4個を含有する)で示される反復単位から本質的に成る。R2 及びR3 がメチル基であることが好ましい。
【0016】
本発明の好ましい実施態様には、ポリマーA及び/またはポリマーBという二種類のポリジオルガノシロキサンが含まれる。第一種のポリジオルガノシロキサンは、そのポリマー分子の末端部分にのみ珪素結合アルケニル基を含有する。一方、第二種のポリジオルガノシロキサンは、その末端部分並びに非末端反復単位の両方にこれらのアルケニル基を含有する。
【0017】
ポリマーA及びBの製造方法は周知である。ある一つの方法は、ヘキサオルガノジシロキサンの存在、または珪素結合アルケニル基を含有する鎖末端単位の他の源の存在において、対応する環状ジオルガノシロキサンを重合する方法である。最終ポリマーの非末端珪素原子上にアルケニル基を存在させる場合には、必要量の環状ジオルガノシロキサン、例えば1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサンを重合混合物に含める。重合反応は、適当な触媒、例えばアルカリ金属水酸化物またはシラノラートの存在において行われる。
【0018】
ポリマーAは、以下の一般式、
【0019】
【化1】
【0020】
(上式中、Rfは先に定義したペルフルオロアルキルエチル基を表す)で示されることができる。R1 及びR4 は、炭素原子1〜4個を含有するアルキル基から独立に選択され、R5 はアルケニル基を表し、Xはヒドロキシル基またはR5 を表し、a及びbの合計値はウィリアムスの可塑度数75〜400に相当し、そしてbの値はaの0〜0.03倍であるが、但しXがヒドロキシル基である場合にはbは少なくとも2である。代わりに、末端基がXR1 2SiOであってもよい。
【0021】
R5 で表されるアルケニル基は、炭素原子2〜約10個を含有し、そしてビニル、アリル、ブテニル、ヘキセニル、及びデセニルを含むが、これらには限定されない。R5 がビニルまたはアリル以外のアルケニル基である場合には、エチレン系不飽和炭素原子が、基の末端部分に位置していることが望ましい。
【0022】
ポリマーBの反復単位がジメチルシロキサンである場合には、該ポリマーは、以下の一般式、
【0023】
【化2】
【0024】
で示されることができる。上式中、R6 はR5 と同じ群から選択されたアルケニル基を表し、Yはヒドロキシル基またはR6 を表し、c及びdの合計値はウィリアムスの可塑度数50〜350に相当し、そしてdの値はcの0〜0.03倍であるが、但しYがヒドロキシル基である場合にはdは少なくとも2である。
【0025】
本発明の硬化性オルガノシロキサン組成物は、該組成物と該組成物から製造される硬化エラストマーとの両方の物理強度を改良するために、補強用微粉シリカ充填剤(原料C)を含有する。補強シリカ充填剤の表面積は50〜400m2 /gまたはそれ以上である。補強シリカ充填剤は、該技術分野では周知であり、市販品として入手できる。補強シリカの例として、ヒュームドシリカや沈降シリカが挙げられる。
【0026】
本組成物における補強充填剤の含有量は、ポリマーA及びBの合計重量100部当たり10〜100重量部であることができるが、通常の含有量は15〜50重量部である。
【0027】
「クレーピング」や「クレープ硬化」と呼ばれる現象を防止するため、補強シリカ充填剤を低分子量有機珪素化合物(原料D)で処理することが普通である。これらのシリカ処理剤は、硬化性組成物の混合や貯蔵の際に該組成物の粘度を慣例の技法や装置では処理加工ができない程度にまで不可逆的に上昇せしめる、ポリジオルガノシロキサンと補強シリカとの間の相互作用を低減する。
【0028】
適当なシリカ処理剤が周知であり、液状のシラノール含有有機珪素化合物や、シリカ処理条件下で加水分解して該化合物を生成することができるヘキサオルガノジシラザンのような有機珪素化合物が含まれるが、これらには限定されない。
【0029】
シラノール含有シリカ処理剤の加水分解性前駆体には、環状ポリジオルガノシロキサン、シラザン、及び(アルコキシまたは他の加水分解しやすい基を含有する)線状ポリジオルガノシロキサンが含まれるが、これらには限定されない。
【0030】
好ましい充填剤処理剤には、反復単位2〜約10個を含有するシラノールを末端基とする液状ポリジオルガノシロキサンと、対応するヘキサオルガノジシラザンとが含まれる。
【0031】
本硬化性組成物の二つの特徴のうちの一つは、フッ素化液状シラノール含有有機珪素化合物またはそれらの加水分解性相当物と、フッ素を含まない液状シラノール含有有機珪素化合物またはそれらの加水分解性相当物との両方を用いて処理されたシリカの存在である。
【0032】
フッ素含有シリカ処理剤のフッ素化炭化水素基は、先述のRfで表されたペルフルオロアルキルエチル基と同じ群から選択される。該フッ素含有シリカ処理剤はシラノールを末端基とするポリメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサンであることが好ましく、そして該フッ素を含まないシリカ処理剤はシラノールを末端基とするポリジメチルシロキサンであることが好ましい。
【0033】
シリカ処理剤のどちらか一方または両方が、その反復単位の約50%以下に、ビニル基または先述のポリマーAについての化学式中でR5 で表した他のアルケニル基を含有することができる。これらのアルケニル基の存在によって、高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンを硬化して製造されたエラストマーのジュロメーター硬度の増加の他に、いくつかの物理特性、とりわけ引裂強度の改良が示された。
【0034】
好ましいフッ素化シリカ処理剤は、化学式R7 Rf′SiOで示される反復単位を含有するシラノールを末端基とするポリジオルガノシロキサンである。好ましい非フッ素化シリカ処理剤は、化学式R8 2SiOで示される反復単位を含有するシラノールを末端基とするポリジオルガノシロキサンである。R7 及びR8 で表された炭化水素基は、本組成物のポリマーAについての前記化学式中のR1 として表したアルキル基と同じ群から独立に選択される。
【0035】
シリカ処理剤の全濃度は、代表的には、シリカの重量に基づいて10〜約50重量%である。フッ素化シリカ処理剤と非フッ素化シリカ処理剤との相対比率は、フッ素化高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンと非フッ素化高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンとの相対濃度にほぼ一致することが好ましい。ポリマーA70重量部とポリマーB30重量部とを含有する好ましい組成物は、対応する重量比率の二種のシリカ処理剤を含有する。
【0036】
本発明のオルガノシロキサン組成物は、白金触媒ヒドロシリル化反応によって硬化する。硬化剤(原料E)は、珪素に結合した水素原子を1分子当たり平均して2個を上回り含有する有機水素ポリシロキサンである。該有機水素シロキサンは、1分子当たり4個程度から平均して20個またはそれ以上の珪素原子を含有し、そして25℃で10Pa・s 以下またはそれ以上の粘度を有することができる。この原料の反復単位には、一種以上のモノオルガノシロキシ、ジオルガノシロキサン、トリオルガノシロキシ、及びSiO4/2 単位の他に、HSiO1.5 、R9 HSiO、及び/R9 2HSiO0.5 が含まれるが、これらには限定されない。これらの化学式中のR9 は、前記R1 と同じ群から選択された一価の炭化水素基、または前記Rfと同じ群から選択されたフッ素化炭化水素基を表す。好ましい硬化性組成物の十分な硬化を保証するため、該硬化剤の炭化水素基の少なくとも一部はメチル及び/または3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
【0037】
代わりに、該有機水素シロキサンは、ジオルガノシロキサンや有機水素シロキサンを含有する環状化合物、または化学式Si(OSiR9 2H)4で示される化合物であることができる。
【0038】
すべての高コンシステンシーポリジオルガノシロキサン(ポリマーA及びB)における、ビニルまたは他のアルケニル基の全濃度に対する珪素に結合した水素原子のモル比率が、硬化エラストマーの特性に関して重要である。本硬化性組成物についてのその最適比率は、ポリマーA及びBのもつエチレン系不飽和炭化水素基の濃度及び硬化剤の種類によって、少なくとも部分的には決定される。この最適値は、当業者による最少限の実験によって容易に決定することができるので、本発明の構成を成すものでなはい。
【0039】
本発明の好ましい組成物については、ビニル及び/または他の脂肪族系不飽和炭化水素基に対する珪素結合水素原子のモル比率は1.3〜2の範囲にある。
【0040】
ヒドロシリル化反応は、白金族金属または白金族金属化合物である触媒(原料F)の存在下で行うことが普通である。白金化合物例えばヘキサクロロ白金酸や、特にこれらの化合物と比較的低分子量のビニル含有オルガノシロキサン化合物との錯体は、本組成物中のオルガノシロキサン反応体との相溶性や活性が高いので、好ましい触媒である。これらの錯体は、 David N.Willingの米国特許第3,419,593号明細書(1968年12月31日発行)に記載されている。珪素に結合した炭化水素基がビニル及びメチルまたは3,3,3−トリフルオロプロピルである低分子量オルガノシロキサンとの錯体は、少なくとも約70℃の温度でエラストマーの急速硬化を触媒するその性能のため、特に好ましい。
【0041】
白金含有触媒は、硬化性組成物百万部当たり白金1重量部程度に相当する量で存在することができる。実用的な硬化速度を達成するためには、硬化性組成物百万部当たり白金3〜50部に相当する触媒濃度が好ましい。それ以上高濃度の白金を使用しても硬化速度に顕著な向上は認められず、よって特に好ましい触媒を使用した場合には経済的に無駄である。
【0042】
ポリマーA及びBと、有機水素ポリシロキサンと、ヒドロシリル化触媒との混合物は、周囲温度で硬化を開始させることができる。これらの組成物の貯蔵安定性を向上させるため、あるいはより長い可使時間または「ポットライフ」を得るために、適当な抑制剤(原料G)の添加によって、周囲条件下での触媒活性を遅延または抑制させることができる。
【0043】
周知の触媒抑制剤には、Kookootsedesらの米国特許第3,445,420号明細書(1969年5月20日発行)に開示されているアセチレン系化合物が含まれる。2−メチル−3−ブチン−2−オールや1−エチニルシクロヘキサノールのようなアセチレン系アルコールが、25℃での白金含有触媒活性を抑制する好ましい種類の抑制剤である。これらの触媒を含有する組成物は、代表的には、実用的速度で硬化させるために、70℃以上の温度に加熱することを必要とする。
【0044】
周囲条件下での硬化性組成物のポットライフを延長させたい場合には、 Lee及び Markoの米国特許第3,989,667号明細書(1976年11月2日発行)に記載されている種類のエチレン系不飽和シロキサンを使用することで達成できる。環状メチルビニルシロキサンが好ましい。
【0045】
白金1モル当たり1モル程度の抑制剤濃度が、十分な貯蔵安定性及び硬化速度を付与する場合がある。白金1モル当たり500モル以下またはそれ以上の抑制剤濃度を必要とする場合もある。ある特定の組成物におけるある特定の抑制剤の最適濃度は、日常的実験によって簡単に決定することができるので、本発明を構成するものではない。
【0046】
原料Aと、原料Bと、有機水素シロキサンと、及び白金含有ヒドロシリル化触媒を含有する組成物は、触媒抑制剤が存在する場合でさえも周囲条件下で硬化し始めることができるので、本組成物を二つの部分に分けて充填して長期間の貯蔵安定性を達成することが望ましい。両方の部分は、代表的には、ポリマーA及び/またはBと、前記シリカ処理剤で処理した補強シリカ充填剤とを含有する。貯蔵安定性は、有機水素ポリシロキサンとヒドロシリル化触媒とを、それぞれ本組成物の別々の部分に充填することによって達成される。
【0047】
約40℃以下の温度で長期間貯蔵しても硬化しない一液型熱硬化性組成物は、白金含有ヒドロシリル化触媒を、マトリックスまたはコア−シェル型構造において熱可塑性の有機または有機珪素樹脂の層内に微小封入することによって製造することができる。微小封入した白金含有ヒドロシリル化触媒並びにそれらの製造方法については、 Lee及びR.Willisの米国特許第4,784,879号明細書(1988年、11月15日発行)に記載されている。
【0048】
微小封入した白金含有ヒドロシリル化触媒と特定の種類の前記触媒抑制剤との組合せを含有する硬化性組成物は、認可された米国特許第5,017,654号明細書に記載されている。
【0049】
本発明の硬化性組成物を製造する好ましい方法によると、補強シリカ充填剤は、ポリマーA及びBの存在下、これらポリマーをシリカとフッ素化シリカ処理剤とフッ素を含まないシリカ処理剤とを一緒に混合することによって処理される。これら原料の混合は、ドウ型混合器を用いて比較的高いせん断力で達成することができる。混合工程は、充填剤が完全に処理され且つ組成物全体に均一に分散して均質材料を達成するまで継続される。代表的な均質材料の組成物は、材料全体の任意の部分から試料採取した場合に、顕著に変化しない。
【0050】
混合工程は、処理されるべき材料の量や、材料の粘度、及び処理の際に材料が受けるせん断速度に依存して、15分〜2時間ぐらい必要となりうる。
【0051】
代わりに、シリカ処理剤としてシラザンを用いて、シリカを本発明の他の原料と混合する前に、シリカ充填剤を処理することができる。微粉シリカ充填剤を、高コンシステンシーオルガノシロキサン組成物に導入する前に処理する方法は周知である。
【0052】
用いる混合器の種類とは無関係に、混合工程の少なくとも後半部分は、組成物を減圧下で約100〜250℃の温度に加熱しながら行い、揮発性物質を除去する。
【0053】
本発明の硬化性組成物は、ポリマーと処理済充填剤とから得られた均質混合物を、有機水素シロキサン及びヒドロシリル化触媒と混合することによって製造される。微小封入した白金含有ヒドロシリル化触媒を使用する場合には、この原料を組成物に導入する際に微小封入体を破壊してしまい。触媒の解放が早すぎることのないように注意しなければならない。
【0054】
【実施例】
以下の例は、本発明の硬化性組成物の好ましい実施態様を記述するものであり、添付の特許請求の範囲に定義した本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきものではない。特に断わらない限り、例中に記載したすべての部及びパーセントは重量基準であり、そして粘度は25℃における測定値とした。
【0055】
例1
本例は、本発明の組成物を硬化することによって製造したエラストマーが示す高いレベルの物理特性を例示するものである。
【0056】
125〜130℃の温度に維持したダウ型混合器を使用して、以下の原料を均質になるまで混合した:
ポリマーAとして、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサン単位約99.4モル%とメチルビニルシロキサン単位0.6モル%とを含有し、且つウィリアムスの可塑度数約279を示すシラノールを末端基とする高コンシステンシーポリジオルガノシロキサン(47.8部);
ポリマーBとして、メチルビニルシロキサン単位0.142モル%を含有し且つウィリアムスの可塑度数約127を示すジメチルビニルシロキシを末端基とするポリジメチルシロキサン(ポリマーB1)(12部)、及びウィリアムスの可塑度数約152を示すジメチルビニルシロキシを末端基とするポリジメチルシロキサン(ポリマーB2)(12部);
原料Cとして、表面積約350m2 /gを示すヒュームドシリカ(21部);
フッ素含有シリカ処理剤(原料D1)として、25℃で約0.1Pa・s の粘度を示し且つ珪素に結合したヒドロキシル基約6重量%を含有する、シラノールを末端基とするポリメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン(5部);並びに
フッ素を含まないシリカ処理剤(原料D2)として、粘度0.04Pa・s を示すシラノールを末端基とするポリジメチルシロキサン(2.2部)。
【0057】
得られた混合物を150〜175℃に維持し、そして該混合物の内容物を減圧下に置いて、未反応のシリカ処理剤や他の揮発性物質を除去した。
【0058】
得られた混合物100部を、以下の原料と混合することによって、本発明の硬化性組成物を製造した:
硬化剤(原料E)として、1分子当たり平均して5個のメチル水素シロキサン単位と3個のジメチルシロキサン単位とを含有し且つ珪素に結合した水素原子の含有量が約0.7〜0.8重量%の範囲にある、トリメチルシロキシを末端基とする有機水素ポリシロキサン(1.0または1.5部);
ヒドロシリル化触媒(原料F)として、白金含量0.7重量%を達成するのに十分量の液状のジメチルビニルシロキシを末端基とするポリジメチルシロキサンで希釈した、sym−テトラメチルジビニルジシロキサンとヘキサクロロ白金酸との反応生成物(0.15部);
白金触媒抑制剤として、メチルブチノール(0.02部);並びに
ウィリアムス可塑度数約145を示すヒドロキシルを末端基とするポリジメチルシロキサンガム100重量部と水和酸化セリウム100部とを均質に混合することによって得られた生成物(1.0部)。
【0059】
最終組成物は、ゲージ圧20トンの水圧下、171℃で10分間加熱することによってシート状に硬化した。得られた硬化エラストマー試料の各種物理特性を、適当なASTM(American Society of the Testing of Materials) 試験法により測定し、その結果を表1に記録した。
【0060】
エラストマーの後硬化を空気循環炉内で200℃で4時間行った。再度同じ物理特性が測定され、表1に結果を記録した。
【0061】
比較目的で、本例中の前述のうち、有機水素ポリシロキサン、硬化触媒、及び触媒抑制剤を、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン及び不活性固体充填剤の重量比率1:1の混合物(1.0部)に置き換えた以外は同じ原料を用いて硬化性組成物を製造した。この試料を、ヒドロシリル化反応により硬化した組成物について記述したものと同じ条件下で硬化及び後硬化した。得られた硬化エラストマーの物理特性を表1に記録する。
【0062】
【表1】
【0063】
例2
本例は、硬化剤及びヒドロシリル化触媒が、珪素に結合したフッ素化炭化水素基を含有する場合の本発明の硬化性組成物の使用と、本組成物中の硬化剤濃度を変化させた場合の効果とを例示するものである。
【0064】
例1と同じ手順で且つ同じ量のポリマーA及びB並びにシリカ処理剤を用いて硬化性組成物を製造した。硬化剤は、以下の化学式、
【0065】
【化3】
【0066】
(上式中、Prfは3,3,3−トリフルオロプロピル基を表す)で示される、1分子当たり平均して3個の反復単位を含有する線状のジメチル水素シロキシを末端基とする有機水素ポリシロキサン(2部)、及びヘキサクロロ白金酸と液状ビニル含有ポリ(メチル−3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサンとの反応生成物(0.2部)とした。この反応生成物は白金0.67重量%を含有する。触媒抑制剤としてメチルブチノール0.04部を使用した。組成物を例1に記述したように硬化し且つ評価して、その結果を表2に記録した。
【0067】
【表2】
【0068】
例3
本例は、本発明の組成物と、シリカ処理剤としてポリジメチルシロキサンまたはフッ素化ポリジオルガノシロキサンのみを使用して製造した組成物との特性を比較するものである。
【0069】
例1と同じ種類及び量のポリマーA及びBと一緒に、硬化剤として、1分子当たり平均して5個のメチル水素シロキサン単位と3個のジメチルシロキサン単位とを含有し且つ珪素に結合した水素原子の含有量が約0.7〜0.8重量%の範囲にある、トリメチルシロキシを末端基とするポリジオルガノシロキサン(1部)と、触媒として、白金含量0.7重量%を達成するのに十分量の液状のジメチルビニルシロキシを末端基とするポリジメチルシロキサンで希釈した、sym−テトラメチルジビニルジシロキサンとヘキサクロロ白金酸との反応生成物(0.15部)とを使用して硬化性組成物を製造した。白金触媒抑制剤として、1−エチニルシクロヘキサノール(0.04部)を使用した。
【0070】
本発明の組成物(I)は、25℃で約0.1Pa・s の粘度を示し且つ珪素に結合したヒドロキシル基約6重量%を含有する、ヒドロキシルを末端基とするメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルポリシロキサン(原料D1)3.6部と、並びに25℃で約0.04Pa・s の粘度を示し且つ珪素に結合したヒドロキシル基約4重量%を含有する、ヒドロキシルを末端基とするポリジメチルシロキサン流体(原料D2)3.6部とを用いて製造した。二種の比較用組成物の一つ(IIc)には、フッ素化シリカ処理剤(原料D1)7.2部を含有させ、そして他方(IIIc) には、非フッ素化シリカ処理剤(原料D2)7.2部を含有させた。各組成物を例1と同様に硬化し且つ評価して、その結果を表3に記録した。
【0071】
【表3】
【0072】
例4
本例は、微小封入したヒドロシリル化触媒を含有する本発明の組成物について記述するものである。触媒は、フェニルシルセスキオキサン単位90モル%とジメチルシロキサン単位10モル%とを含有する有機シリコーン樹脂のマトリックス中に、白金含有触媒を微小封入することによって製造した。
【0073】
白金触媒は、少量のイソプロパノール及び水と一緒に未反応のジシロキサンを含有する、sym−テトラメチルジビニルジシロキサンとヘキサクロロ白金酸との反応生成物とした。白金含量は5.3%であった。
【0074】
周知の技法に従い、触媒が存在する溶液から樹脂を沈澱させ、次いで得られた微粒子をスプレー乾燥した。その微小封入体は、樹脂約92重量%と白金0.4重量%とを含有した。
【0075】
触媒組成物(原料F′)は、25℃で約2.1Pa・s の粘度を示すジメチルビニルシロキシを末端基とするポリジメチルシロキサン65.8部と、公称表面積250m2 /gを有するヒュームドシリカ26.3部と、水1.90部と、ヘキサメチルジシラザン6部とを均質に混合することによって予め調製した混合物(90部)を、前記微小封入触媒粒子(10部)と均質に混合することによって製造した。
【0076】
本発明の硬化性組成物(IV)は、例1と同じ種類及び量の高コンシステンシーポリオルガノシロキサン、充填剤、及びシリカ処理剤を使用して製造した。本組成物はまた、例1の硬化剤(原料D)1.0部と、微小封入触媒/ポリオルガノシロキサン/シリカ混合物(E′)1部と、1−エチニルシクロヘキサノール0.4部と、並びにウィリアムス可塑度数約179を示すヒドロキシルを末端基とするポリジメチルシロキサンガム100重量部及び水和酸化セリウム100部を均質に混合することによって得られた生成物1.0部をも含有した。
【0077】
該組成物を例1と同様に硬化し且つ評価して、その結果を表4に記録した。比較目的で、本例の最初の部分に記載した組成物と同じ種類及び量の高コンシステンシーポリジオルガノシロキサン、シリカ、シリカ処理剤、及び熱安定化添加剤を使用して、硬化性組成物(IVc)を製造し且つ硬化した。硬化剤及び硬化触媒は、2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサンと不活性固体希釈剤との重量比率1:1の混合物1.0部に置き換えた。
【0078】
【表4】
【0079】
表4のデータは、有機ペルオキシドを用いて硬化したエラストマーよりも、本発明の硬化性組成物を用いて製造したエラストマーの方が実質的に高い引裂強度を示したことを例示している。
【産業上の利用分野】
本発明は硬化性オルガノシロキサン組成物に関する。より詳細には、本発明は白金触媒ヒドロシリル化反応によって硬化する高コンシステンシーオルガノシロキサン組成物に関する。該組成物は、フッ素化ポリジオルガノシロキサンと非フッ素化ポリジオルガノシロキサンとの混合物を含有する。本発明を用いて製造された硬化エラストマーは、望ましい物理特性例えば引張や引裂強度、レジリエンス、及び弾性において、予期できないほどの高い値を示す。
【0002】
【従来の技術】
フッ素化高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンと非フッ素化高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンとの混合物を含有する硬化性組成物は周知である。フッ素化ポリジオルガノシロキサン中に存在する単位の少なくとも一部を構成するより共通の反復単位の一種は、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位である。ポリジメチルシロキサンから製造された硬化エラストマーと比較した場合、フッ素化ポリジオルガノシロキサンから製造されたエラストマーは、極性有機液体例えばアルコール、ケトン、及びエステルへのより高い溶解度とともに、物理特性例えば引張や引裂強度及び弾性の低下を示す。この特性低下は、航空用や自動車用の燃料に存在する脂肪族炭化水素中における、より低い溶解度及びより高い耐分解性によって補償される。
【0003】
コンシステンシーの高いフッ素化ポリジオルガノシロキサンと非フッ素化ポリジオルガノシロキサンとは元来不混和性であるため、これらのポリマーのシリカ補強混合物から製造したエラストマーは応力下で離層する可能性があり、よってその個別のポリマーを使用して達成できる程度と比べて、エラストマーの物理特性例えば引張や引裂強度が実質的に低減される。
【0004】
フッ素化ポリジオルガノシロキサンと非フッ素化ポリジオルガノシロキサンとの相溶性を高める一つの方法が、 Evansらの米国特許第4,960,811号明細書(1990年10月2日発行)に教示されている。該特許明細書の開示によれば、ビニル基とシラノール基とを含有する変性フッ素化ポリジオルガノシロキサン100部を、ビニル基1〜約10重量%を含有するポリジメチルシロキサンガム1〜10部と混合する。
【0005】
Evansらの特許明細書に記載されている変性フッ素化ポリジオルガノシロキサンは、1)1分子当たり75個以下の反復単位を含有するビニル基を末端基とするジオルガノシロキサンコポリマー(該反復単位の50〜約67%はフッ素化されていない)及び2)1分子当たり3〜6個のフッ素化オルガノシロキサン単位を含有するシラノール基を末端基とするジオルガノシロキサンホモポリマー、を特定の量で含んで成る鎖変性混合物0.5〜2部と、環状フッ素化トリシロキサン100部との反応生成物である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、フッ素化及び非フッ素化の両方の液状有機珪素化合物で処理された補強シリカ充填剤と一緒にポリマーを混合することによって、高コンシステンシーのフッ素化ポリジオルガノシロキサンと非フッ素化ポリジオルガノシロキサンとの間の相溶性を向上させることができ、それとともに、これらポリマーの混合物から製造されたエラストマーの物理特性が結果的に向上することを発見した。本発明の高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンは、1分子当たり少なくとも2個のアルケニル基を含有し、そしてヒドロシリル化反応によって硬化する。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用、及び効果】
本発明は、以下の成分を均質に混合することによって得られた生成物を含んで成る高コンシステンシー硬化性オルガノシロキサン組成物を提供する。
A.1分子当たり少なくとも2個のアルケニル基と、化学式R1 RfSiO(式中、R1 は炭素原子1〜4個を含有するアルキル基を表し、そしてRfは炭素原子総数3〜12個を含有するペルフルオロアルキルエチル基を表す)で示される反復単位とを含んで成る、少なくとも一種の高コンシステンシーのフッ素含有ポリジオルガノシロキサン;
B.成分Aと成分Bの合計重量に対して5〜95重量%の、1分子当たり少なくとも2個のアルケニル基を含有する少なくとも一種の高コンシステンシーのフッ素を含まないポリジアルキルシロキサン(当該フッ素を含まないポリジアルキルシロキサンの反復単位は化学式R 2 R 3 SiOに相当し、ここでR 2 及びR 3 は、各々独立に、炭素原子1〜4個を含有するアルキル基を表す);
C.成分Aと成分Bの合計重量に対して10〜100重量%の、以下の成分Dで処理された補強用シリカ充填剤;
D.前記充填剤の重量に対して10〜50重量%の、第一の液状のシラノール含有有機珪素化合物またはその加水分解性前駆体(前記第一の化合物または前駆体中に存在する珪素原子の少なくとも50%は、Rf′(Rf′は前記Rfと同じ群から選択される)で示される一価のフッ素化炭化水素基を含有する)と、第二の液状のシラノール含有有機珪素化合物またはその加水分解性前駆体(前記第二の化合物または前駆体の珪素原子はフッ素化炭化水素基を実質的に含有しない)とを含んで成る混合物であって、前記第一の化合物またはその加水分解性前駆体と前記第二の化合物またはその加水分解性前駆体との相対比率が成分Aと成分Bの相対濃度にほぼ一致しているもの;
E.ヒドロシリル化触媒の存在において前記組成物の硬化を達成するのに十分量の有機水素ポリシロキサンであって、前記高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンと前記高コンシステンシーポリジアルキルシロキサンとに可溶性または混和性であるもの;並びに
F.前記組成物の硬化を促進するのに十分量の白金含有ヒドロシリル化触媒。
【0008】
本発明の組成物の新規な特徴は、1)フッ素を実質的に含まない少なくとも一種の高コンシステンシーポリジアルキルシロキサンと、珪素に結合した炭素原子の約50%以下がペルフルオロアルキルエチル基例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基の一部である少なくとも一種の高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンとの存在、並びに2)少なくとも二種のシリカ処理剤の存在である。該処理剤は、液状のシラノール含有有機珪素化合物であるか、またはシリカ処理工程の際に該化合物に転化するこれら化合物の加水分解性前駆体である。これらの有機珪素化合物の一方はフッ素を実質的に含まず、そして他方は少なくとも一部の珪素原子に結合したフッ素化炭化水素基を含有する。
【0009】
すべての高コンシステンシーポリジオルガノシロキサン(ポリマーA及びB)が、珪素に結合したアルケニル基を1分子当たり少なくとも2個含有し、そして白金触媒ヒドロシリル化反応によって硬化されることができる。ポリマーAの珪素原子に結合したすべての有機基が炭化水素基またはRf基である。
【0010】
本明細書に用いられている語句「高コンシステンシー」は、25℃でガムのコンシステンシーを示すポリジオルガノシロキサンを意味する。これらのポリマーの粘度は25℃で数百万ポアズであることが普通である。該ポリマーは、代表的には、ASTM試験手順第D926番により測定される可塑度数で特徴付けられる。この可塑度数は、代表的には、フッ素化ポリジオルガノシロキサン(ポリマーA)で約75〜約400、ポリジアルキルシロキサン(ポリマーB)で約50〜約350である。
【0011】
本発明の組成物は、以降ポリマーAと称する少なくとも一種の高コンシステンシーフッ素含有ポリジオルガノシロキサンと、以降ポリマーBと称し、ポリマーA及びBの混合重量の5〜95%を占める少なくとも一種の非フッ素化ポリジアルキルシロキサンとを含む。ポリマーBの重量が、該混合重量の20〜50%であることが好ましい。
【0012】
ポリマーA及びポリマーBは共に1分子当たり少なくとも2個のアルケニル基を含有する。本発明の硬化性組成物を用いて製造した硬化エラストマーに望まれる物理特性の組合せに依存して、これらのポリマーの非末端反復単位の3%以下に珪素結合アルケニル基を含有させることができる。
【0013】
ポリマーAの少なくとも一部の反復単位は、化学式R1 RfSiO(式中、R1 は炭素原子1〜約4個を含有するアルキル基を表し、そしてRfはペルフルオロアルキルエチル基(珪素原子が2個の非フッ素化炭素原子によってペルフルオロアルキル基から隔離されている)を表す)で示される単位に相当する。
【0014】
Rfのペルフルオロアルキル部分は、炭素原子1〜約10個を含有でき、そしてペルフルオロメチル、ペルフルオロエチル、ペルフルオロブチル、及びペルフルオロオクチルを含むが、これらには限定されない。ポリマーAの好ましい実施態様では、Rfが3,3,3−トリフルオロプロピルであり、そしてR1 がメチルである。この好ましい態様は、このポリジオルガノシロキサンを製造するのに使用する出発原料を得るための反応体や便利な方法の利用可能性に基づくものである。
【0015】
ポリマーBは、化学式R2 R3 SiO(式中、R2 及びR3 は独立にアルキルであり、そして炭素原子1〜4個を含有する)で示される反復単位から本質的に成る。R2 及びR3 がメチル基であることが好ましい。
【0016】
本発明の好ましい実施態様には、ポリマーA及び/またはポリマーBという二種類のポリジオルガノシロキサンが含まれる。第一種のポリジオルガノシロキサンは、そのポリマー分子の末端部分にのみ珪素結合アルケニル基を含有する。一方、第二種のポリジオルガノシロキサンは、その末端部分並びに非末端反復単位の両方にこれらのアルケニル基を含有する。
【0017】
ポリマーA及びBの製造方法は周知である。ある一つの方法は、ヘキサオルガノジシロキサンの存在、または珪素結合アルケニル基を含有する鎖末端単位の他の源の存在において、対応する環状ジオルガノシロキサンを重合する方法である。最終ポリマーの非末端珪素原子上にアルケニル基を存在させる場合には、必要量の環状ジオルガノシロキサン、例えば1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサンを重合混合物に含める。重合反応は、適当な触媒、例えばアルカリ金属水酸化物またはシラノラートの存在において行われる。
【0018】
ポリマーAは、以下の一般式、
【0019】
【化1】
【0020】
(上式中、Rfは先に定義したペルフルオロアルキルエチル基を表す)で示されることができる。R1 及びR4 は、炭素原子1〜4個を含有するアルキル基から独立に選択され、R5 はアルケニル基を表し、Xはヒドロキシル基またはR5 を表し、a及びbの合計値はウィリアムスの可塑度数75〜400に相当し、そしてbの値はaの0〜0.03倍であるが、但しXがヒドロキシル基である場合にはbは少なくとも2である。代わりに、末端基がXR1 2SiOであってもよい。
【0021】
R5 で表されるアルケニル基は、炭素原子2〜約10個を含有し、そしてビニル、アリル、ブテニル、ヘキセニル、及びデセニルを含むが、これらには限定されない。R5 がビニルまたはアリル以外のアルケニル基である場合には、エチレン系不飽和炭素原子が、基の末端部分に位置していることが望ましい。
【0022】
ポリマーBの反復単位がジメチルシロキサンである場合には、該ポリマーは、以下の一般式、
【0023】
【化2】
【0024】
で示されることができる。上式中、R6 はR5 と同じ群から選択されたアルケニル基を表し、Yはヒドロキシル基またはR6 を表し、c及びdの合計値はウィリアムスの可塑度数50〜350に相当し、そしてdの値はcの0〜0.03倍であるが、但しYがヒドロキシル基である場合にはdは少なくとも2である。
【0025】
本発明の硬化性オルガノシロキサン組成物は、該組成物と該組成物から製造される硬化エラストマーとの両方の物理強度を改良するために、補強用微粉シリカ充填剤(原料C)を含有する。補強シリカ充填剤の表面積は50〜400m2 /gまたはそれ以上である。補強シリカ充填剤は、該技術分野では周知であり、市販品として入手できる。補強シリカの例として、ヒュームドシリカや沈降シリカが挙げられる。
【0026】
本組成物における補強充填剤の含有量は、ポリマーA及びBの合計重量100部当たり10〜100重量部であることができるが、通常の含有量は15〜50重量部である。
【0027】
「クレーピング」や「クレープ硬化」と呼ばれる現象を防止するため、補強シリカ充填剤を低分子量有機珪素化合物(原料D)で処理することが普通である。これらのシリカ処理剤は、硬化性組成物の混合や貯蔵の際に該組成物の粘度を慣例の技法や装置では処理加工ができない程度にまで不可逆的に上昇せしめる、ポリジオルガノシロキサンと補強シリカとの間の相互作用を低減する。
【0028】
適当なシリカ処理剤が周知であり、液状のシラノール含有有機珪素化合物や、シリカ処理条件下で加水分解して該化合物を生成することができるヘキサオルガノジシラザンのような有機珪素化合物が含まれるが、これらには限定されない。
【0029】
シラノール含有シリカ処理剤の加水分解性前駆体には、環状ポリジオルガノシロキサン、シラザン、及び(アルコキシまたは他の加水分解しやすい基を含有する)線状ポリジオルガノシロキサンが含まれるが、これらには限定されない。
【0030】
好ましい充填剤処理剤には、反復単位2〜約10個を含有するシラノールを末端基とする液状ポリジオルガノシロキサンと、対応するヘキサオルガノジシラザンとが含まれる。
【0031】
本硬化性組成物の二つの特徴のうちの一つは、フッ素化液状シラノール含有有機珪素化合物またはそれらの加水分解性相当物と、フッ素を含まない液状シラノール含有有機珪素化合物またはそれらの加水分解性相当物との両方を用いて処理されたシリカの存在である。
【0032】
フッ素含有シリカ処理剤のフッ素化炭化水素基は、先述のRfで表されたペルフルオロアルキルエチル基と同じ群から選択される。該フッ素含有シリカ処理剤はシラノールを末端基とするポリメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサンであることが好ましく、そして該フッ素を含まないシリカ処理剤はシラノールを末端基とするポリジメチルシロキサンであることが好ましい。
【0033】
シリカ処理剤のどちらか一方または両方が、その反復単位の約50%以下に、ビニル基または先述のポリマーAについての化学式中でR5 で表した他のアルケニル基を含有することができる。これらのアルケニル基の存在によって、高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンを硬化して製造されたエラストマーのジュロメーター硬度の増加の他に、いくつかの物理特性、とりわけ引裂強度の改良が示された。
【0034】
好ましいフッ素化シリカ処理剤は、化学式R7 Rf′SiOで示される反復単位を含有するシラノールを末端基とするポリジオルガノシロキサンである。好ましい非フッ素化シリカ処理剤は、化学式R8 2SiOで示される反復単位を含有するシラノールを末端基とするポリジオルガノシロキサンである。R7 及びR8 で表された炭化水素基は、本組成物のポリマーAについての前記化学式中のR1 として表したアルキル基と同じ群から独立に選択される。
【0035】
シリカ処理剤の全濃度は、代表的には、シリカの重量に基づいて10〜約50重量%である。フッ素化シリカ処理剤と非フッ素化シリカ処理剤との相対比率は、フッ素化高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンと非フッ素化高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンとの相対濃度にほぼ一致することが好ましい。ポリマーA70重量部とポリマーB30重量部とを含有する好ましい組成物は、対応する重量比率の二種のシリカ処理剤を含有する。
【0036】
本発明のオルガノシロキサン組成物は、白金触媒ヒドロシリル化反応によって硬化する。硬化剤(原料E)は、珪素に結合した水素原子を1分子当たり平均して2個を上回り含有する有機水素ポリシロキサンである。該有機水素シロキサンは、1分子当たり4個程度から平均して20個またはそれ以上の珪素原子を含有し、そして25℃で10Pa・s 以下またはそれ以上の粘度を有することができる。この原料の反復単位には、一種以上のモノオルガノシロキシ、ジオルガノシロキサン、トリオルガノシロキシ、及びSiO4/2 単位の他に、HSiO1.5 、R9 HSiO、及び/R9 2HSiO0.5 が含まれるが、これらには限定されない。これらの化学式中のR9 は、前記R1 と同じ群から選択された一価の炭化水素基、または前記Rfと同じ群から選択されたフッ素化炭化水素基を表す。好ましい硬化性組成物の十分な硬化を保証するため、該硬化剤の炭化水素基の少なくとも一部はメチル及び/または3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
【0037】
代わりに、該有機水素シロキサンは、ジオルガノシロキサンや有機水素シロキサンを含有する環状化合物、または化学式Si(OSiR9 2H)4で示される化合物であることができる。
【0038】
すべての高コンシステンシーポリジオルガノシロキサン(ポリマーA及びB)における、ビニルまたは他のアルケニル基の全濃度に対する珪素に結合した水素原子のモル比率が、硬化エラストマーの特性に関して重要である。本硬化性組成物についてのその最適比率は、ポリマーA及びBのもつエチレン系不飽和炭化水素基の濃度及び硬化剤の種類によって、少なくとも部分的には決定される。この最適値は、当業者による最少限の実験によって容易に決定することができるので、本発明の構成を成すものでなはい。
【0039】
本発明の好ましい組成物については、ビニル及び/または他の脂肪族系不飽和炭化水素基に対する珪素結合水素原子のモル比率は1.3〜2の範囲にある。
【0040】
ヒドロシリル化反応は、白金族金属または白金族金属化合物である触媒(原料F)の存在下で行うことが普通である。白金化合物例えばヘキサクロロ白金酸や、特にこれらの化合物と比較的低分子量のビニル含有オルガノシロキサン化合物との錯体は、本組成物中のオルガノシロキサン反応体との相溶性や活性が高いので、好ましい触媒である。これらの錯体は、 David N.Willingの米国特許第3,419,593号明細書(1968年12月31日発行)に記載されている。珪素に結合した炭化水素基がビニル及びメチルまたは3,3,3−トリフルオロプロピルである低分子量オルガノシロキサンとの錯体は、少なくとも約70℃の温度でエラストマーの急速硬化を触媒するその性能のため、特に好ましい。
【0041】
白金含有触媒は、硬化性組成物百万部当たり白金1重量部程度に相当する量で存在することができる。実用的な硬化速度を達成するためには、硬化性組成物百万部当たり白金3〜50部に相当する触媒濃度が好ましい。それ以上高濃度の白金を使用しても硬化速度に顕著な向上は認められず、よって特に好ましい触媒を使用した場合には経済的に無駄である。
【0042】
ポリマーA及びBと、有機水素ポリシロキサンと、ヒドロシリル化触媒との混合物は、周囲温度で硬化を開始させることができる。これらの組成物の貯蔵安定性を向上させるため、あるいはより長い可使時間または「ポットライフ」を得るために、適当な抑制剤(原料G)の添加によって、周囲条件下での触媒活性を遅延または抑制させることができる。
【0043】
周知の触媒抑制剤には、Kookootsedesらの米国特許第3,445,420号明細書(1969年5月20日発行)に開示されているアセチレン系化合物が含まれる。2−メチル−3−ブチン−2−オールや1−エチニルシクロヘキサノールのようなアセチレン系アルコールが、25℃での白金含有触媒活性を抑制する好ましい種類の抑制剤である。これらの触媒を含有する組成物は、代表的には、実用的速度で硬化させるために、70℃以上の温度に加熱することを必要とする。
【0044】
周囲条件下での硬化性組成物のポットライフを延長させたい場合には、 Lee及び Markoの米国特許第3,989,667号明細書(1976年11月2日発行)に記載されている種類のエチレン系不飽和シロキサンを使用することで達成できる。環状メチルビニルシロキサンが好ましい。
【0045】
白金1モル当たり1モル程度の抑制剤濃度が、十分な貯蔵安定性及び硬化速度を付与する場合がある。白金1モル当たり500モル以下またはそれ以上の抑制剤濃度を必要とする場合もある。ある特定の組成物におけるある特定の抑制剤の最適濃度は、日常的実験によって簡単に決定することができるので、本発明を構成するものではない。
【0046】
原料Aと、原料Bと、有機水素シロキサンと、及び白金含有ヒドロシリル化触媒を含有する組成物は、触媒抑制剤が存在する場合でさえも周囲条件下で硬化し始めることができるので、本組成物を二つの部分に分けて充填して長期間の貯蔵安定性を達成することが望ましい。両方の部分は、代表的には、ポリマーA及び/またはBと、前記シリカ処理剤で処理した補強シリカ充填剤とを含有する。貯蔵安定性は、有機水素ポリシロキサンとヒドロシリル化触媒とを、それぞれ本組成物の別々の部分に充填することによって達成される。
【0047】
約40℃以下の温度で長期間貯蔵しても硬化しない一液型熱硬化性組成物は、白金含有ヒドロシリル化触媒を、マトリックスまたはコア−シェル型構造において熱可塑性の有機または有機珪素樹脂の層内に微小封入することによって製造することができる。微小封入した白金含有ヒドロシリル化触媒並びにそれらの製造方法については、 Lee及びR.Willisの米国特許第4,784,879号明細書(1988年、11月15日発行)に記載されている。
【0048】
微小封入した白金含有ヒドロシリル化触媒と特定の種類の前記触媒抑制剤との組合せを含有する硬化性組成物は、認可された米国特許第5,017,654号明細書に記載されている。
【0049】
本発明の硬化性組成物を製造する好ましい方法によると、補強シリカ充填剤は、ポリマーA及びBの存在下、これらポリマーをシリカとフッ素化シリカ処理剤とフッ素を含まないシリカ処理剤とを一緒に混合することによって処理される。これら原料の混合は、ドウ型混合器を用いて比較的高いせん断力で達成することができる。混合工程は、充填剤が完全に処理され且つ組成物全体に均一に分散して均質材料を達成するまで継続される。代表的な均質材料の組成物は、材料全体の任意の部分から試料採取した場合に、顕著に変化しない。
【0050】
混合工程は、処理されるべき材料の量や、材料の粘度、及び処理の際に材料が受けるせん断速度に依存して、15分〜2時間ぐらい必要となりうる。
【0051】
代わりに、シリカ処理剤としてシラザンを用いて、シリカを本発明の他の原料と混合する前に、シリカ充填剤を処理することができる。微粉シリカ充填剤を、高コンシステンシーオルガノシロキサン組成物に導入する前に処理する方法は周知である。
【0052】
用いる混合器の種類とは無関係に、混合工程の少なくとも後半部分は、組成物を減圧下で約100〜250℃の温度に加熱しながら行い、揮発性物質を除去する。
【0053】
本発明の硬化性組成物は、ポリマーと処理済充填剤とから得られた均質混合物を、有機水素シロキサン及びヒドロシリル化触媒と混合することによって製造される。微小封入した白金含有ヒドロシリル化触媒を使用する場合には、この原料を組成物に導入する際に微小封入体を破壊してしまい。触媒の解放が早すぎることのないように注意しなければならない。
【0054】
【実施例】
以下の例は、本発明の硬化性組成物の好ましい実施態様を記述するものであり、添付の特許請求の範囲に定義した本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきものではない。特に断わらない限り、例中に記載したすべての部及びパーセントは重量基準であり、そして粘度は25℃における測定値とした。
【0055】
例1
本例は、本発明の組成物を硬化することによって製造したエラストマーが示す高いレベルの物理特性を例示するものである。
【0056】
125〜130℃の温度に維持したダウ型混合器を使用して、以下の原料を均質になるまで混合した:
ポリマーAとして、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサン単位約99.4モル%とメチルビニルシロキサン単位0.6モル%とを含有し、且つウィリアムスの可塑度数約279を示すシラノールを末端基とする高コンシステンシーポリジオルガノシロキサン(47.8部);
ポリマーBとして、メチルビニルシロキサン単位0.142モル%を含有し且つウィリアムスの可塑度数約127を示すジメチルビニルシロキシを末端基とするポリジメチルシロキサン(ポリマーB1)(12部)、及びウィリアムスの可塑度数約152を示すジメチルビニルシロキシを末端基とするポリジメチルシロキサン(ポリマーB2)(12部);
原料Cとして、表面積約350m2 /gを示すヒュームドシリカ(21部);
フッ素含有シリカ処理剤(原料D1)として、25℃で約0.1Pa・s の粘度を示し且つ珪素に結合したヒドロキシル基約6重量%を含有する、シラノールを末端基とするポリメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン(5部);並びに
フッ素を含まないシリカ処理剤(原料D2)として、粘度0.04Pa・s を示すシラノールを末端基とするポリジメチルシロキサン(2.2部)。
【0057】
得られた混合物を150〜175℃に維持し、そして該混合物の内容物を減圧下に置いて、未反応のシリカ処理剤や他の揮発性物質を除去した。
【0058】
得られた混合物100部を、以下の原料と混合することによって、本発明の硬化性組成物を製造した:
硬化剤(原料E)として、1分子当たり平均して5個のメチル水素シロキサン単位と3個のジメチルシロキサン単位とを含有し且つ珪素に結合した水素原子の含有量が約0.7〜0.8重量%の範囲にある、トリメチルシロキシを末端基とする有機水素ポリシロキサン(1.0または1.5部);
ヒドロシリル化触媒(原料F)として、白金含量0.7重量%を達成するのに十分量の液状のジメチルビニルシロキシを末端基とするポリジメチルシロキサンで希釈した、sym−テトラメチルジビニルジシロキサンとヘキサクロロ白金酸との反応生成物(0.15部);
白金触媒抑制剤として、メチルブチノール(0.02部);並びに
ウィリアムス可塑度数約145を示すヒドロキシルを末端基とするポリジメチルシロキサンガム100重量部と水和酸化セリウム100部とを均質に混合することによって得られた生成物(1.0部)。
【0059】
最終組成物は、ゲージ圧20トンの水圧下、171℃で10分間加熱することによってシート状に硬化した。得られた硬化エラストマー試料の各種物理特性を、適当なASTM(American Society of the Testing of Materials) 試験法により測定し、その結果を表1に記録した。
【0060】
エラストマーの後硬化を空気循環炉内で200℃で4時間行った。再度同じ物理特性が測定され、表1に結果を記録した。
【0061】
比較目的で、本例中の前述のうち、有機水素ポリシロキサン、硬化触媒、及び触媒抑制剤を、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン及び不活性固体充填剤の重量比率1:1の混合物(1.0部)に置き換えた以外は同じ原料を用いて硬化性組成物を製造した。この試料を、ヒドロシリル化反応により硬化した組成物について記述したものと同じ条件下で硬化及び後硬化した。得られた硬化エラストマーの物理特性を表1に記録する。
【0062】
【表1】
【0063】
例2
本例は、硬化剤及びヒドロシリル化触媒が、珪素に結合したフッ素化炭化水素基を含有する場合の本発明の硬化性組成物の使用と、本組成物中の硬化剤濃度を変化させた場合の効果とを例示するものである。
【0064】
例1と同じ手順で且つ同じ量のポリマーA及びB並びにシリカ処理剤を用いて硬化性組成物を製造した。硬化剤は、以下の化学式、
【0065】
【化3】
【0066】
(上式中、Prfは3,3,3−トリフルオロプロピル基を表す)で示される、1分子当たり平均して3個の反復単位を含有する線状のジメチル水素シロキシを末端基とする有機水素ポリシロキサン(2部)、及びヘキサクロロ白金酸と液状ビニル含有ポリ(メチル−3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサンとの反応生成物(0.2部)とした。この反応生成物は白金0.67重量%を含有する。触媒抑制剤としてメチルブチノール0.04部を使用した。組成物を例1に記述したように硬化し且つ評価して、その結果を表2に記録した。
【0067】
【表2】
【0068】
例3
本例は、本発明の組成物と、シリカ処理剤としてポリジメチルシロキサンまたはフッ素化ポリジオルガノシロキサンのみを使用して製造した組成物との特性を比較するものである。
【0069】
例1と同じ種類及び量のポリマーA及びBと一緒に、硬化剤として、1分子当たり平均して5個のメチル水素シロキサン単位と3個のジメチルシロキサン単位とを含有し且つ珪素に結合した水素原子の含有量が約0.7〜0.8重量%の範囲にある、トリメチルシロキシを末端基とするポリジオルガノシロキサン(1部)と、触媒として、白金含量0.7重量%を達成するのに十分量の液状のジメチルビニルシロキシを末端基とするポリジメチルシロキサンで希釈した、sym−テトラメチルジビニルジシロキサンとヘキサクロロ白金酸との反応生成物(0.15部)とを使用して硬化性組成物を製造した。白金触媒抑制剤として、1−エチニルシクロヘキサノール(0.04部)を使用した。
【0070】
本発明の組成物(I)は、25℃で約0.1Pa・s の粘度を示し且つ珪素に結合したヒドロキシル基約6重量%を含有する、ヒドロキシルを末端基とするメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルポリシロキサン(原料D1)3.6部と、並びに25℃で約0.04Pa・s の粘度を示し且つ珪素に結合したヒドロキシル基約4重量%を含有する、ヒドロキシルを末端基とするポリジメチルシロキサン流体(原料D2)3.6部とを用いて製造した。二種の比較用組成物の一つ(IIc)には、フッ素化シリカ処理剤(原料D1)7.2部を含有させ、そして他方(IIIc) には、非フッ素化シリカ処理剤(原料D2)7.2部を含有させた。各組成物を例1と同様に硬化し且つ評価して、その結果を表3に記録した。
【0071】
【表3】
【0072】
例4
本例は、微小封入したヒドロシリル化触媒を含有する本発明の組成物について記述するものである。触媒は、フェニルシルセスキオキサン単位90モル%とジメチルシロキサン単位10モル%とを含有する有機シリコーン樹脂のマトリックス中に、白金含有触媒を微小封入することによって製造した。
【0073】
白金触媒は、少量のイソプロパノール及び水と一緒に未反応のジシロキサンを含有する、sym−テトラメチルジビニルジシロキサンとヘキサクロロ白金酸との反応生成物とした。白金含量は5.3%であった。
【0074】
周知の技法に従い、触媒が存在する溶液から樹脂を沈澱させ、次いで得られた微粒子をスプレー乾燥した。その微小封入体は、樹脂約92重量%と白金0.4重量%とを含有した。
【0075】
触媒組成物(原料F′)は、25℃で約2.1Pa・s の粘度を示すジメチルビニルシロキシを末端基とするポリジメチルシロキサン65.8部と、公称表面積250m2 /gを有するヒュームドシリカ26.3部と、水1.90部と、ヘキサメチルジシラザン6部とを均質に混合することによって予め調製した混合物(90部)を、前記微小封入触媒粒子(10部)と均質に混合することによって製造した。
【0076】
本発明の硬化性組成物(IV)は、例1と同じ種類及び量の高コンシステンシーポリオルガノシロキサン、充填剤、及びシリカ処理剤を使用して製造した。本組成物はまた、例1の硬化剤(原料D)1.0部と、微小封入触媒/ポリオルガノシロキサン/シリカ混合物(E′)1部と、1−エチニルシクロヘキサノール0.4部と、並びにウィリアムス可塑度数約179を示すヒドロキシルを末端基とするポリジメチルシロキサンガム100重量部及び水和酸化セリウム100部を均質に混合することによって得られた生成物1.0部をも含有した。
【0077】
該組成物を例1と同様に硬化し且つ評価して、その結果を表4に記録した。比較目的で、本例の最初の部分に記載した組成物と同じ種類及び量の高コンシステンシーポリジオルガノシロキサン、シリカ、シリカ処理剤、及び熱安定化添加剤を使用して、硬化性組成物(IVc)を製造し且つ硬化した。硬化剤及び硬化触媒は、2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサンと不活性固体希釈剤との重量比率1:1の混合物1.0部に置き換えた。
【0078】
【表4】
【0079】
表4のデータは、有機ペルオキシドを用いて硬化したエラストマーよりも、本発明の硬化性組成物を用いて製造したエラストマーの方が実質的に高い引裂強度を示したことを例示している。
Claims (1)
- 以下の成分A〜Fの均質混合物を含んで成る高コンシステンシー硬化性オルガノシロキサン組成物:
A.1分子当たり少なくとも2個のアルケニル基と、化学式R1 RfSiO(式中、R1 は炭素原子1〜4個を含有するアルキル基を表し、そしてRfは炭素原子総数3〜12個を含有するペルフルオロアルキルエチル基を表す)で示される反復単位とを含んで成る、少なくとも一種の高コンシステンシーのフッ素含有ポリジオルガノシロキサン;
B.成分Aと成分Bの合計重量に対して5〜95重量%の、1分子当たり少なくとも2個のアルケニル基を含有する少なくとも一種の高コンシステンシーのフッ素を含まないポリジアルキルシロキサン(当該フッ素を含まないポリジアルキルシロキサンの反復単位は化学式R 2 R 3 SiOに相当し、ここでR 2 及びR 3 は、各々独立に、炭素原子1〜4個を含有するアルキル基を表す);
C.成分Aと成分Bの合計重量に対して10〜100重量%の、以下の成分Dで処理された補強用シリカ充填剤;
D.前記充填剤の重量に対して10〜50重量%の、第一の液状のシラノール含有有機珪素化合物またはその加水分解性前駆体(前記第一の化合物または前駆体中に存在する珪素原子の少なくとも50%は、Rf′(Rf′は前記Rfと同じ群から選択される)で示される一価のフッ素化炭化水素基を含有する)と、第二の液状のシラノール含有有機珪素化合物またはその加水分解性前駆体(前記第二の化合物または前駆体の珪素原子はフッ素化炭化水素基を実質的に含有しない)とを含んで成る混合物であって、前記第一の化合物またはその加水分解性前駆体と前記第二の化合物またはその加水分解性前駆体との相対比率が成分Aと成分Bの相対濃度にほぼ一致しているもの;
E.ヒドロシリル化触媒の存在において前記組成物の硬化を達成するのに十分量の有機水素ポリシロキサンであって、前記高コンシステンシーポリジオルガノシロキサンと前記高コンシステンシーポリジアルキルシロキサンとに可溶性または混和性であるもの;並びに
F.前記組成物の硬化を促進するのに十分量の白金含有ヒドロシリル化触媒。
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