JP3734801B2 - カラオケ装置、音程判定方法、ならびに、プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラオケ装置、音程判定方法、ならびに、プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、業務用や家庭用のカラオケ装置が広く普及している。また、パーソナルコンピュータやゲーム装置等でも、カラオケ演奏ソフトウェア等を実行させることにより、カラオケ装置として機能させることが可能となっている。
ユーザは、これらのカラオケ装置を使うことにより、お店や家庭でカラオケを楽しむことができる。
【0003】
そして、カラオケ装置の普及により、ユーザの歌唱力等も向上し、カラオケで通常にメロディ(主旋律)を歌うだけでは満足できないユーザも増えて来ている。このようなユーザは、例えば、メロディとハモる(ハーモニの動詞化)ために、ハーモニパート(ハーモニ音程)を敢えて歌唱し、自ら楽しんだり、周囲の人を感嘆させたりする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の採点機能を有するカラオケ装置では、ユーザが敢えてハーモニパートを歌った場合でも、基準となるメロディから音程が外れたと単純に判定し、ユーザの歌唱力を低く評価していた。
このため、ハーモニパートを歌唱したユーザ自身や周囲の人に不満が残り、快くカラオケを楽しめない場合も多かった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、ハーモニ音程を適切に判定することによって、娯楽性を高めることのできるカラオケ装置、音程判定方法、ならびに、これらをコンピュータによって実現するプログラムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0007】
本発明の第1の観点に係るカラオケ装置は、楽曲記憶部と、伴奏再生部と、音声入力受付部と、音程比較部と、採点部と、を備え、以下のように構成する。
【0008】
まず、楽曲記憶部は、楽曲の伴奏音を規定する伴奏情報と、模範とすべき楽曲のメロディ音程を規定するメロディ情報と、を含んだ楽曲情報を記憶する。すなわち、楽曲記憶部は、伴奏情報とメロディ情報とを含んだ楽曲情報を記憶する。
一方、伴奏再生部は、当該伴奏情報にしたがって、楽曲の伴奏音を再生する。
そして、音声入力受付部は、再生される当該伴奏音に合わせてユーザが歌う歌唱音声の入力を受け付ける。
【0009】
音程比較部は、入力を受け付けられた当該歌唱音声の音程が、当該メロディ情報のメロディ音程と一致するか若しくはハモるか比較する。なお、一致およびハモりの比較には、所定の幅を持たせてもよい。
そして、採点部は、当該比較結果にしたがって、少なくとも音程に係る歌唱力を採点する。すなわち、採点部は、ユーザがメロディに沿ったメロディパートを歌ったのか、あるいは、メロディにハモる(たとえば、メロディの3度上となる)ハーモニパートを歌ったのかを適宜判別しつつ、歌唱力を採点する。
【0010】
本発明を適用することにより、ユーザが楽曲のハーモニパートを歌った場合でも、ハーモニ音程を適切に判定でき、娯楽性を高めることができる。
【0011】
また、本発明のカラオケ装置は、ハーモニ情報生成部をさらに備え、
前記ハーモニ情報生成部は、当該メロディ情報のメロディ音程とハモるハーモニ音程を求め、当該ハーモニ音程を規定するハーモニ情報を生成し、
前記音程比較部は、当該メロディ情報および当該ハーモニ情報を用いて、入力が受け付けられた当該歌唱音声の音程が、メロディ音程およびハーモニ音程のいずれかと一致するか比較してもよい。なお、一致の判定は、完全に一致している場合だけでなく、所定の幅内であれば、一致と判定してもよい。
【0012】
これにより、ユーザが歌ったメロディパート、若しくはハーモニパートの音程を適切に判定でき、娯楽性を高めることができる。
【0013】
また、本発明のカラオケ装置は、ハーモニ情報記憶部をさらに備え、
前記楽曲記憶部は、ハーモニ音程にて歌われうるハーモニ区間を規定する区間情報をさらに記憶し、
前記音程比較部は、入力が受け付けられた当該歌唱音声の音程が、当該ハーモニ区間において、メロディ音程およびハーモニ音程のいずれかと一致するか比較し、当該歌唱区間以外において、メロディ音程と一致するか比較してもよい。なお、一致の判定は、完全に一致している場合だけでなく、所定の幅内であれば、一致と判定してもよい。
【0014】
これにより、ハーモニ音程が許されるハーモニ区間にかぎり、ユーザが歌ったハーモニパートの音程を適切に判定でき、娯楽性を高めることができる。
【0015】
また、本発明のカラオケ装置は、
ハーモニ情報生成部が、当該メロディ情報から、当該メロディ音程を基準として3度上、3度下、5度上、および5度下のいずれかの音程差となるハーモニ音程を求めて、ハーモニ情報を生成してもよい。なお、上記の3度には、場合により長3度、もしくは短3度が含まれ、また、上記の5度には、場合により完全5度、もしくは減5度が含まれるものとする。
ここで、たとえば、音階「ド」における長3度は、音階「ミ」、短3度は、音階「♭ミ」となり、完全5度は、音階「ソ」、減5度は、音階「♭ソ」となる。
【0016】
これにより、ユーザが任意のハーモニパートを歌った場合でも、ハーモニ音程を適切に判定でき、娯楽性を高めることができる。
【0017】
また、本発明のカラオケ装置は、
前記楽曲記憶部が、和音によるコード進行を規定するコード情報をさらに記憶し、
ハーモニ情報生成部が、当該コード情報および当該メロディ情報にしたがって、各コード進行に対応した、3度上、3度下、5度上、および5度下のいずれかの音程となるハーモニ音程を求めて、ハーモニ情報を生成してもよい。なお、上記3度には、場合により長3度、もしくは短3度が含まれ、また、上記5度には、場合により完全5度、もしくは減5度が含まれるものとする。
【0018】
また、本発明のカラオケ装置は、
前記楽曲記憶部が、メロディ音程とハモるハーモニ音程を規定するハーモニ情報をさらに記憶し、
音程比較部が、当該メロディ情報および当該ハーモニ情報を用いて、入力が受け付けられた当該歌唱音声の音程が、メロディ音程およびハーモニ音程のいずれかと一致するか比較してもよい。なお、一致の判定は、完全に一致している場合だけでなく、所定の幅内であれば、一致と判定してもよい。
【0019】
これにより、ユーザが歌ったメロディパート、若しくはハーモニパートの音程を適切に判定でき、娯楽性を高めることができる。
【0020】
本発明の第2の観点に係る音程判別方法は、楽曲記憶部(楽曲の伴奏音を規定する伴奏情報と、模範とすべき楽曲のメロディ音程を規定するメロディ情報と、を含んだ楽曲情報を記憶する)を用いる音程判別方法であって、ハーモニ情報生成工程と、伴奏再生工程と、音声入力受付工程と、音程比較工程と、採点工程と、を備え、以下のように構成する。
【0021】
まず、ハーモニ情報生成工程では、楽曲記憶部に記憶されるメロディ情報から、メロディ音程とハモるハーモニ音程を求め、当該ハーモニ音程を規定するハーモニ情報を生成する。たとえば、当該メロディ音程を基準として3度上(場合により長3度、もしくは短3度)のハーモニ音程を求めて、ハーモニ情報を生成する。
【0022】
一方、伴奏再生工程では、楽曲記憶部に記憶される伴奏情報にしたがって、楽曲の伴奏音を再生する。
そして、音声入力受付工程では、再生される当該伴奏音に合わせてユーザが歌う歌唱音声の入力を受け付ける。
【0023】
音程比較工程では、当該メロディ情報および当該ハーモニ情報を用いて、入力が受け付けられた当該歌唱音声の音程が、メロディ音程およびハーモニ音程のいずれかと一致するか比較する。なお、一致の判定は、完全に一致している場合だけでなく、所定の幅内であれば、一致と判定してもよい。
そして、採点工程では、当該比較結果にしたがって、少なくとも音程に係る歌唱力を採点する。すなわち、採点工程では、ユーザがメロディに沿ったメロディパートを歌ったのか、あるいは、メロディにハモる(たとえば、メロディの3度上となる)ハーモニパートを歌ったのかを適宜判別しつつ、歌唱力を採点する。
【0024】
本発明を適用することにより、ユーザが楽曲のハーモニパートを歌った場合でも、ハーモニ音程を適切に判定でき、娯楽性を高めることができる。
【0025】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、コンピュータ(ゲーム装置を含む。)を、上記のカラオケ装置として機能させるように構成する。
【0026】
このプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0027】
上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム装置に本発明が適用される実施形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA、携帯電話などの情報処理装置、および専用のカラオケ装置においても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0029】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係るカラオケ装置が実現される典型的なゲーム装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0030】
ゲーム装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、マイク105と、コントローラ106と、外部メモリ107と、DVD(Digital Versatile Disk)−ROMドライブ108と、画像処理部109と、音声処理部110と、NIC(Network Interface Card)111と、を備える。
【0031】
なお、ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着して、ゲーム装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態のカラオケ装置が実現される。
【0032】
CPU 101は、ゲーム装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
【0033】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、ゲーム装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0034】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。
【0035】
インターフェース104を介して接続されたマイク105は、ユーザが発する音声(歌唱音声等)を受け付けて、音声信号に変換して入力する。
【0036】
インターフェース104を介して接続されたコントローラ106は、ユーザがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。
【0037】
インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ107には、ゲームの進行状態を示すデータ、チャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。ユーザは、コントローラ106を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ107に記録することができる。
【0038】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0039】
画像処理部109は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部109が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部109が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部109に接続されるモニタ(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0040】
なお、画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0041】
音声処理部110は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0042】
さらに、音声処理部110は、シンセサイザ等の音源を有しており、たとえば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)データにしたがって、電子音を順次合成し、楽曲音をスピーカから出力させる。また、マイク105から入力された歌唱音声等の音声信号をサンプリングし、たとえば、音程、音量、およびリズムについて解析する。
【0043】
NIC 111は、ゲーム装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integraged Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line Modem)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0044】
このほか、ゲーム装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ107、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
また、ユーザからの文字列の編集入力を受け付けるためのキーボードや、各種の位置の指定および選択入力を受け付けるためのマウスなどを接続する形態も採用することができる。また、本実施形態のゲーム装置100にかえて、汎用のパーソナルコンピュータを利用することもできる。
【0045】
(カラオケ装置の概要構成)
図2は、本実施形態に係るカラオケ装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0046】
カラオケ装置201は、楽曲記憶部202と、ハーモニ情報生成部203と、ハーモニ情報記憶部204と、伴奏再生部205と、画像再生部206と、音声入力受付部207と、音程比較部208と、採点部209とを備える。
【0047】
まず、楽曲記憶部202は、複数の楽曲(カラオケ楽曲)のMIDIデータをあらかじめ記憶している。このMIDIデータには、楽曲の伴奏音、メロディ音程、および、ハーモニ区間の情報が含まれている。
ここで、メロディ音程とは、ユーザ(歌唱者)が楽曲の伴奏音に合わせて、歌を歌う際に、模範とすべきメロディ(主旋律)の音程である。
また、ハーモニ区間とは、楽曲中において、メロディとハモる(ハーモニの動詞化)音程で、歌われうる区間(「ハモリ」を認める区間)であり、たとえば、曲調や歌詞内容等に応じて、楽曲ごとに複数定められている。具体的にハーモニ区間は、MIDI規格において未使用定義となっているコントロールチェンジ(フラグによるイン/アウト等)を使用して、その区間が規定されている。
このようなMIDIデータの他に、楽曲記憶部202は、楽曲に応じた歌詞情報、および静止画情報等を記憶している。
そして、DVD−ROMドライブ108に装着されたDVD−ROM、外部メモリ107が、このような楽曲記憶部202として機能しうる。
【0048】
ハーモニ情報生成部203は、楽曲記憶部202に記憶されたMIDIデータから、楽曲のメロディ音程とハモるハーモニ音程を求め、求めたハーモニ音程を示すハーモニ情報を生成する。
たとえば、ハーモニ情報生成部203は、MIDIデータ中の模範とすべきメロディ音程を基準として、3度上(場合により長3度、もしくは短3度)の音程を求める。なお、ここでの度数は、音程関係を表している。
具体的にハ長調の楽曲において、図3(a)に示すように、メロディ音程が、「ド・レ・ミ」であった場合、ハーモニ情報生成部203は、図3(b)に示すように3度上の音程である「ミ・ファ・ソ」をハーモニ音程とする。
これは、音楽理論上において、「ド」の長3度上が「ミ」であり、「レ」の短3度上が「ファ」であり、「ミ」の短3度上が「ソ」であって、これら3度上の音程が、美しくハモるとされているためである。
つまり、ハーモニ情報生成部203は、メロディ音程、およびキーからハーモニ音程を求める。
【0049】
なお、ハーモニ情報生成部203は、このようなハーモニ音程を、ハーモニ区間においてのみ求める。つまり、ハーモニ情報生成部203は、MIDIデータ中のコントロールチェンジ(フラグによるイン/アウト等)にしたがって、ハーモニ区間を特定し、特定した区間中のメロディ音程から、ハーモニ区間に対応するハーモニ音程を上述したように求める。
そして、CPU 101がこのようなハーモニ情報生成部203として機能しうる。
【0050】
ハーモニ情報記憶部204は、ハーモニ情報生成部203が生成したハーモニ情報を記憶する。なお、ハーモニ情報は、対象となるハーモニ区間と対応付けられて、ハーモニ情報記憶部204に記憶される。
そして、RAM 103、外部メモリ107が、このようなハーモニ情報記憶部204として機能しうる。
なお、このように、ハーモニ情報生成部203がハーモニ情報を生成し、ハーモニ情報記憶部204がハーモニ情報を記憶するため、MIDIデータ中に、別途ハーモニ音程の情報を持たせる必要がない。これにより、MIDIデータ(チャンネル)を無駄に消費することなく、データ量の増大防止にも役立てることができる。
【0051】
伴奏再生部205は、楽曲記憶部202から再生対象となるMIDIデータを読み出し、楽曲の伴奏音を再生する。たとえば、伴奏再生部205は、音源を有しており、読み出したMIDIデータにしたがって、電子音を順次合成し、楽曲の伴奏音をスピーカから出力させる。
そして、DVD−ROMドライブ108、音声処理部110が、このような伴奏生成部205として機能しうる。
【0052】
画像再生部206は、楽曲記憶部202から再生対象となる楽曲に応じた歌詞情報、および静止画情報を読み出し、楽曲の進行に対応させた表示画像を適宜生成してモニタに表示させる。
そして、DVD−ROMドライブ108、画像処理部109が、このような画像再生部206として機能しうる。
【0053】
音声入力受付部207は、伴奏再生部205により再生される伴奏音に合わせてユーザが歌う歌唱音声の入力を受け付ける。そして、入力が受け付けられた歌唱音声の音声信号をサンプリングし、たとえば、音程、音量、およびリズムについて解析する。
そして、マイク105、音声処理部110が、このような音声入力受付部207として機能しうる。
【0054】
音程比較部208は、楽曲記憶部202のMIDIデータ、およびハーモニ情報記憶部204のハーモニ情報を用いて、音声入力受付部207にて解析された歌唱音声の音程が、メロディ音程およびハーモニ音程のいずれかと一致するか比較する。
具体的に音程比較部208は、ハーモニ区間において、歌唱音声の音程が、メロディ音程およびハーモニ音程のいずれかと一致するか比較し、一方、ハーモニ区間以外において、歌唱音声の音程がメロディ音程とだけ一致するか比較する。なお、ハーモニ区間の判定は、伴奏再生時において、MIDIデータ中のコントロールチェンジ(フラグによるイン/アウト等)にしたがって行われる。
そして、CPU 101がこのような音程比較部208として機能しうる。
【0055】
採点部209は、音程比較部208による比較結果にしたがって、少なくとも音程に係わる歌唱力を採点する。その際、ハーモニ区間を考慮する。つまり、ハーモニ区間において、ユーザがメロディに沿ったメロディパートを歌ったのか、あるいは、メロディにハモるハーモニパートを歌ったのかを適宜判別しつつ、歌唱力を採点する。
たとえば、採点部209は、通常、メロディ音程を基準として、歌唱音声の音程のずれの有無等を採点の判定材料としているが、ハーモニ区間において、歌唱音声の音程が、メロディ音程を外れていても、ハーモニ音程と近似している場合に、ハーモニ音程を基準として、歌唱音声の音程のずれ等を判定する。なお、ユーザがメロディに沿って歌っている途中で、一瞬だけ音程が外れて、ハーモニ音程と近似してしまう場合もあるが、採点部209は、この場合に、メロディ音程を基準としたまま、歌唱音声の音程のずれ等を判定する。
【0056】
具体的にハ長調の楽曲において、図4に示すように、ハーモニ区間のメロディ音程が「ド・ド・レ・ド」であり、ユーザの歌唱音程が「ド・ミ・レ・ド」であった場合、外れた音程の「ミ」が3度上(長3度上)のハーモニ音程と一致することになる。この場合でも採点部209は、メロディ音程を基準としたまま、歌唱音声の音程のずれ等を判定する。
そして、CPU 101がこのような採点部209として機能しうる。
【0057】
図5は、カラオケ装置201において実行される音程判定処理の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して説明する。なお、この音程判定処理は、たとえば、楽曲記憶部202から再生対象の楽曲(MIDIデータ等)が選択された後に開始される。
【0058】
まず、ハーモニ情報生成部203は、楽曲記憶部202に記憶された対象となるMIDIデータから、ハーモニ情報を生成する。(ステップS301)。すなわち、MIDIデータ中のコントロールチェンジにしたがって、ハーモニ区間を特定し、特定した区間中のメロディ音程を基準として、3度上(場合により長3度、もしくは短3度)の音程を求める。そして、求めたハーモニ音程を規定するハーモニ情報を生成する。生成されたハーモニ情報は、対象となるハーモニ区間と対応付けられて、ハーモニ情報記憶部204に記憶される。
【0059】
伴奏再生部205が楽曲の伴奏音を再生し、また、画像再生部206が表示画像を再生する(ステップS302)。つまり、伴奏再生部205は、MIDIデータにしたがって、電子音を順次合成し、楽曲の伴奏音をスピーカから出力させる。また、画像再生部206は、楽曲の進行に対応させた表示画像を適宜生成してモニタに表示させる。
【0060】
そして、このように再生される伴奏音に合わせて、ユーザが歌を歌うと音声入力受付部207は、ユーザの歌唱音声の入力を受け付ける(ステップS303)。つまり、音声入力受付部207は、入力が受け付けられた歌唱音声の音声信号をサンプリングし、歌唱音程等について解析する。解析された歌唱音程は、順次、音程比較部208に供給される。
【0061】
音程比較部208は、現在、ハーモニ区間であるか否かを判別する(ステップS304)。ハーモニ区間であると判別した場合(ステップS304;Yes)、音程比較部208は、歌唱音程が、メロディ音程およびハーモニ音程のいずれかと一致するか比較する(ステップS305)。そして、採点部209は、音程比較部208による比較結果にしたがって、音程に係わる歌唱力を、「ハモリ」を考慮して判定する(ステップS306)。つまり、採点部209は、ユーザがメロディに沿って歌ったのか、あるいは、メロディに「ハモらせて」歌ったのかを適宜判別しつつ、歌唱力を採点する。
【0062】
一方、ハーモニ区間でないと判別した場合(ステップS304;No)、音程比較部208は、歌唱音程がメロディ音程と一致するか比較する(ステップS307)。そして、採点部209は、音程比較部208による比較結果にしたがって、音程に係わる歌唱力を判定する(ステップS308)。
【0063】
カラオケ装置201は、楽曲の再生が終了したか否かを判別し(ステップS309)、再生が終了していない場合(ステップS309;No)、ステップS302に処理を戻して、上述のステップS302〜S309の処理を繰り返し実行する。一方、再生が終了した場合(ステップS309;Yes)、カラオケ装置201は、音程判定処理を終了する。
【0064】
本実施形態では、ユーザが楽曲のハーモニパートを歌った場合でも、ハーモニ音程を適切に判定でき、娯楽性を高めることができる。
【0065】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、ハーモニ情報生成部203が、模範とすべきメロディ音程を基準として、3度上(場合により長3度、もしくは短3度)の音程を求め、ハーモニ音程としていた。しかしながら、3度上以外に、3度下、5度上、若しくは、5度下の音程を同様に求め、いずれかをハーモニ音程としてもよい。
なお、上記3度には、場合により長3度、もしくは短3度が含まれ、また、上記5度には、場合により完全5度、もしくは減5度が含まれるものとする。
この場合、ユーザが任意のハーモニパートを歌った場合でも、ハーモニ音程を適切に判定でき、娯楽性を高めることができる。
【0066】
また、上記実施形態では、ハーモニ情報生成部203が、メロディ音程、およびキーからハーモニ音程を求める場合について説明したが、ハーモニ音を求める際に、メロディ音程等と共に、和音によるコード進行をも用いて、メロディの3度上等の音程を求めてもよい。
たとえば、楽曲のキーがCメジャーであり、コード進行が1小節ずつ「C−F−G7−C」となっている楽曲があるとする。そして、1小節目のメロディが「ド・レ・ミ」となっていた場合では、3度上の「ミ・ファ・ソ」が、音楽的にハモる音程となる。
具体的に、楽曲記憶部202に記憶するMIDIデータには、キーと和音のコードとを規定するコード進行の情報がさらに含まれているものとする。そして、ハーモニ情報生成部203は、MIDIデータに含まれる当該コード進行に対応した、メロディ音程とハモるハーモニ音程を求める。
すなわち、ハーモニ情報生成部203が、メロディ、キー、および、コードからハーモニ音程を求めるため、ハーモニ音程がより正確に求められる。そして、ユーザが歌うハーモニパートを適切に判定でき、娯楽性を高めることができる。
【0067】
上記実施形態では、模範とすべきメロディ音程やコード進行を基準として、3度上等の音程を求め、ハーモニ音程としていた。しかしながら、メロディ音程の周波数と所定の整数比(たとえば、4対3や3対2)の関係となる周波数を求め、ハーモニ音程としてもよい。
【0068】
上記実施形態では、ゲーム装置がカラオケ装置として実現される場合について説明し、採点部209が、音程比較部208による比較結果にしたがって、少なくとも音程に係わる歌唱力を採点していた。しかしながら、歌唱入力を制御入力として使用するゲーム装置においても、適宜適用可能である。
たとえば、ユーザがメロディに沿ったメロディパートを歌ったのか、あるいは、メロディにハモるハーモニパートを歌ったのかにより、進行内容の異なるゲーム装置の場合、上記と同様に、歌唱音声がメロディパートであるかハーモニパートであるかを適宜判別しつつ、ゲームを進行することができる。
【0069】
上記実施の形態では、音程比較部208が、歌唱音声の音程と、メロディ音程およびハーモニ音程との一致を比較することについて説明したが、この際、所定の幅を持たせて比較してもよい。
例えば、音程比較部208は、歌唱音声の音程がメロディ音程(若しくは、ハーモニ音程)と完全に一致している場合だけでなく、所定の幅内であれば、一致と判定してもよい。
また、音程比較部208が判定する際に幅を考慮するのではなく、メロディ音程(若しくは、ハーモニ音程)に、あらかじめ所定の幅を持たせておき、音程比較部208がその幅内での完全一致を、一致判定の条件としてもよい。
【0070】
上記実施の形態では、ハーモニ情報生成部203が、MIDIデータからハーモニ情報を生成する場合について説明したが、生成せずに、あらかじめ記憶されたハーモニ情報を使用してもよい。
例えば、楽曲情報(MIDIデータ等)中に、メロディ情報と共に、ハーモニ音程を規定するハーモニ情報が含まれていてもよい。
【0071】
なお、上記実施形態では、音の高低(音の高さ)を意味する用語として「音程」を使用している。
この「音程」は、音楽理論で言えば、2つの音の高さの間隔(音の差)を意味するものであるが、より一般的には、音の高低(音の高さ)を意味する用語として用いられている。そのため、上記実施形態において、「音程」という用語は、音の高低(音の高さ)を意味している。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ハーモニ音程を適切に判定することのできるカラオケ装置、音程判定方法、ならびに、これらをコンピュータによって実現するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るカラオケ装置が実現される典型的なゲーム装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態に係るカラオケ装置の概要構成を示す模式図である。
【図3】ハーモニ音程を説明するための模式図である。
【図4】ハーモニ区間における音程ずれの判定の様子を説明するための模式図である。
【図5】当該カラオケ装置において実行される音程判定処理の制御の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 ゲーム装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 マイク
106 コントローラ
107 外部メモリ
108 DVD−ROMドライブ
109 画像処理部
110 音声処理部
111 NIC
201 カラオケ装置
202 楽曲記憶部
203 ハーモニ情報生成部
204 ハーモニ情報記憶部
205 伴奏再生部
206 画像再生部
207 音声入力受付部
208 音程比較部
209 採点部
Claims (5)
- 楽曲記憶部と、ハーモニ情報生成部と、伴奏再生部と、音声入力受付部と、音程比較部と、採点部と、を備えるカラオケ装置であって、
前記楽曲記憶部は、楽曲の伴奏音を規定する伴奏情報と、模範とすべき楽曲のメロディ音程を規定するメロディ情報と、キーと和音のコードとを規定するコード進行情報と、を含んだ楽曲情報を記憶し、
前記ハーモニ情報生成部は、当該コード進行情報および当該メロディ情報にしたがって、当該メロディ情報のメロディ音程とハモるハーモニ音程を求め、当該ハーモニ音程を示すハーモニ情報を生成し、
前記伴奏再生部は、当該伴奏情報にしたがって、楽曲の伴奏音を再生し、
前記音声入力受付部は、再生される当該伴奏音に合わせてユーザが歌う歌唱音声の入力を受け付け、
前記音程比較部は、当該メロディ情報および当該ハーモニ情報を用いて、入力を受け付けられた当該歌唱音声の音程が、当該メロディ音程と一致するか若しくはハモるか比較し、
前記採点部は、当該比較結果にしたがって、少なくとも音程に係る歌唱力を採点する
ことを特徴とするもの。 - 請求項1に記載のカラオケ装置であって、
前記楽曲記憶部は、ハーモニ音程にて歌われうるハーモニ区間を規定する区間情報をさらに記憶し、
前記音程比較部は、入力が受け付けられた当該歌唱音声の音程が、当該ハーモニ区間において、メロディ音程およびハーモニ音程のいずれかと一致するか比較し、当該ハーモニ区間以外において、メロディ音程と一致するか比較する
ことを特徴とするもの。 - 請求項2または3に記載のカラオケ装置であって、
前記ハーモニ情報生成部は、当該コード情報および当該メロディ情報にしたがって、各コード進行に対応した、3度上、3度下、5度上、および5度下のいずれかの音程となるハーモニ音程を求めて、ハーモニ情報を生成する
ことを特徴とするもの。 - 楽曲記憶部を用いる音程判別方法であって、前記楽曲記憶部は、楽曲の伴奏音を規定する伴奏情報と、模範とすべき楽曲のメロディ音程を規定するメロディ情報と、キーと和音のコードとを規定するコード進行情報と、を含んだ楽曲情報を記憶し、
ハーモニ情報生成工程と、伴奏再生工程と、音声入力受付工程と、音程比較工程と、採点工程と、を備え、
前記ハーモニ情報生成工程では、前記楽曲記憶部に記憶される当該コード情報および当該メロディ情報にしたがって、当該メロディ情報のメロディ音程とハモるハーモニ音程を求め、当該ハーモニ音程を示すハーモニ情報を生成し、
前記伴奏再生工程では、前記楽曲記憶部に記憶される伴奏情報にしたがって、楽曲の伴奏音を再生し、
前記音声入力受付工程では、再生される当該伴奏音に合わせてユーザが歌う歌唱音声の入力を受け付け、
前記音程比較工程では、当該メロディ情報および当該ハーモニ情報を用いて、入力が受け付けられた当該歌唱音声の音程が、メロディ音程およびハーモニ音程のいずれかと一致するか比較し、
前記採点工程では、当該比較結果にしたがって、少なくとも音程に係る歌唱力を採点する
ことを特徴とする方法。 - コンピュータを、楽曲記憶部、ハーモニ情報生成部、伴奏再生部、ハーモニ情報生成部、音声入力受付部、音程比較部、および採点部として機能させるプログラムであって、
前記楽曲記憶部は、楽曲の伴奏音を規定する伴奏情報と、模範とすべき楽曲のメロディ音程を規定するメロディ情報と、キーと和音のコードとを規定するコード進行情報と、を含んだ楽曲情報を記憶し、
前記ハーモニ情報生成部は、当該コード情報および当該メロディ情報にしたがって、当該メロディ情報のメロディ音程とハモるハーモニ音程を求め、当該ハーモニ音程を示すハーモニ情報を生成し、
前記伴奏再生部は、当該伴奏情報にしたがって、楽曲の伴奏音を再生し、
前記音声入力受付部は、再生される当該伴奏音に合わせてユーザが歌う歌唱音声の入力を受け付け、
前記音程比較部は、当該メロディ情報および当該ハーモニ情報を用いて、入力が受け付けられた当該歌唱音声の音程が、メロディ音程およびハーモニ音程のいずれかと一致するか比較し、
前記採点部は、当該比較結果にしたがって、少なくとも音程に係る歌唱力を採点する
ように機能させることを特徴とするもの。
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