JP3734619B2 - レーダー装置及び類似装置並びに同装置でのデータ補間方法 - Google Patents

レーダー装置及び類似装置並びに同装置でのデータ補間方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーダー装置、スキャニングソナー装置など、極座標形で受信される探知信号を一旦直交座標に変換して画像メモリに記憶した後、ラスター走査方式の表示器に表示する装置及び同装置でのデータ補間方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図28は、従来のレーダー装置の一般的な構成図である。
【0003】
レーダーアンテナ1は、ある周期で水平面を回転しながら、別の周期でパルス状電波を発射すると同時に、物標で反射した電波を受信する。受信回路2はレーダーアンテナ1による受信信号を検波し増幅する。ADコンバータ3は、受信回路2で得られたアナログ信号をデジィタル信号に変換する。一次メモリ4はAD変換された1スイープ分の信号を実時間で記憶し、次の送信により得られる信号が再び書き込まれるまでに、その1スイープ分のデータを画像メモリに書き込む際のバッファとして用いられる。この一次メモリ4に対して実時間でデータを書き込んでいる期間は、画像メモリにデータを移すことができないので、一次メモリと画像メモリの間に更に二次メモリ5を設ける場合もある。この場合には一次メモリ4の内容を二次メモリ5に書き込むと同時に画像メモリ7に書き込み、一次メモリ4に実時間で新しいデータを書き込んでいる間にも、二次メモリのデータを画像メモリ7に書き込む。座標変換部6は、ある角度(例えば船首方向)を基準とした、その時点のアンテナの角度θと、一次メモリ(または二次メモリ)の読み出し位置Rから、対応する直交座標で配列された画像メモリの1画素を示すアドレスを作成する。具体的には次式を実現するハードウェアにより構成される。
【0004】
X=Xs+R・sinθ
Y=Ys+R・cosθ
但し、
X、Y:直交座標
Xs、Ys:中心座標
R:中心からの距離
θ:アンテナの角度
図1において、画像メモリ7はアンテナ1回転で得られる受信データを記憶する容量を持つ。図示しない表示制御部によりCRTの走査に同期して画像メモリ7の内容を高速で読み出しCRT8へ出力する。
【0005】
通常、アンテナの回転速度、即ちアンテナの角度変化と電波の送信周期は、即ち、新しいデータの取り込みは非同期に行われている。アンテナの回転速度は通常12〜60rpmであるが、空気抵抗等の変化により回転速度は変化する。一方、電波の送信繰り返し周期は通常数百〜数千Hzの範囲で、主として探知レンジにより数段階に設定され、近距離では送信繰り返し周期は短く、遠距離では長くなる。画像メモリの更新は、アンテナ1回転で前画像を更新することが理想である。
【0006】
今、送信1回につき1回だけ座標変換により画像メモリに1スイープ分の受信データを書き込んだ場合で、特にアンテナの回転速度が速く送信周期が長い組み合わせの場合、アンテナ1回転で画像メモリの全画素を更新できない場合がある。従って、通常、画像メモリの書き込みは送信繰り返しとは無関係に実行される。即ち、送信により一次メモリ(または二次メモリ)の内容を更新するが、画像メモリの更新はその時点のアンテナ角度によりスイープ方向を決定し、その時点の一次メモリ(または二次メモリ)の内容を読み出して画像メモリを書き換え、その方向の書き込みが終了すれば、再びその時点のアンテナ角度によりスイープ方向を決定し、画像メモリを更新する動作を繰り返すことにより実行している。従って、同じデータを次のスイープ方向の画素にも書き込む場合があり、反対に、同じスイープ方向の画素に異なるデータを書き込む場合もある。但し、同じ画素に異なるデータが対応する場合は単に上書きのみであれば、後で書いたデータのみ残り、先に書いたデータは無効となるので、これを防止するための措置として、いわゆるMAX処理(1画素に対応するデータのうち最も大きいデータを選択して書き込む)が行われる場合がある。
【0007】
今、座標変換のR方向の1ドットのピッチと、画像メモリX、Yの配列ピッチが同一とし、全時間を座標変換に使用できると仮定した場合、画像メモリの更新がアンテナ1回転で行われるためには次式を満足する必要がある。
【0008】
T ≧ Tsweep・N ・・・(1)
但し、
T:アンテナが一周回転に要する時間
Tsweep:座標変換1スイープ分に要する時間
N:前画像をアクセスするに必要な、アンテナ一周あたりの角度の検出数でRに比例する。
また、Tsweep=Rmax・Tcyc ・・・(2)
但し、
Rmax:一列分の座標変換の回数
Tcyc:1回の座標変換に要する時間で、回路の特性により制限される。
【0009】
また、Rmaxが大きくなる程Nが大きくなるから、仮に比例すると考えると、
N=k・Rmax ・・・(3)
但し、k:比例定数
以上から、
T ≧ Rmax・Rmax・Tcyc・k ・・・(4)
となる。
【0010】
近年は、高速船に対応してアンテナの高速回転が要求され、同時に表示品質向上のため画素数の増加が要求されるが、(4)式を満たさない場合、1回転でアクセスされない画素(画素抜け)が発生したり、画素数が制限される。即ち、画質を向上するために画像メモリの画素数を増大させ、Rmaxを大きくすると、Rmaxの2乗に比例してアンテナ1回転で全画素をアクセスできるアンテナの回転速度が小さくなる。また、アンテナ回転数が決まると、画素抜けが発生しない画素数の上限が決まる。
【0011】
画素抜けは、次の2つが原因となる。但し、実際に処理する場合、方位データθの値はあるステップで変化するが、ここでは任意のリニアな値をとれると仮定する。
【0012】
(原因1)
前後のスイープラインが、中心からの距離が大きくなるにつれ、方位方向に拡がることによって生じる。
【0013】
この原因1の場合、画素抜けが発生しない条件を図29を参照して考えると次のようになる。
【0014】
画像メモリ上で距離方向単位1(=1/Rmax)と方位方向距離Rθ(但しθ=2π/N)の4点で囲まれる面積が、1つの画素の面積(一辺1の正方形)より小さいことであると考えると、距離Rとアンテナ一周あたりの角度の検出数Nの関係は次式になる。
【0015】
Rθ ≦ 1であるから
N ≧ 2πR ・・・(5)
例えば、Rmax=256の場合、画素抜けを発生しないNの最小値は、
N=1608
となる。
【0016】
(原因2)
原因1の条件を満たす場合であっても、図30のような特定の位置関係の場合には画素抜けが発生する。
この場合の距離Rと、方位方向θの関係は、
Rθ ≦ √2−1
N ≧ 2πR/(√2−1)
この画素抜けは方位方向に拡がることを原因とするものではないが、この画素抜けをなくすためには、アンテナ一周当たりの角度の検出数Nが原因1の場合の約2.4倍に増加する。
例えば、Rmax=256の場合、画素抜けを発生しないNの最小値は、
Figure 0003734619
となる。
【0017】
従来、上記の画素抜け問題を解決するために、例えば、特公平6−19429号や特開平9−318729号に示される装置が提案されている。
【0018】
前者の装置は、アンテナ方位θn を偶数、奇数に分けて使用し、アンテナ2回転で全画素をアクセスする。
また、後者の装置は、従来の画像メモリに加えこの画像メモリと同じアドレス構成を持つ未アクセス判定用メモリを持ち、座標変換時にアクセスされなかった画素を判定し、未アクセスメモリにその位置を記憶させる。画像メモリから表示器にデータを出力する際に同時に未アクセス判定用メモリを読み出し、未アクセス画素があった場合は、対応する画像メモリ上の画素の1画素前のデータを読み出し、補間することにより表示器上の画素抜けをなくす。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公平6−19429号の装置では、1回転で全画素をアクセスする場合よりもアンテナの回転速度が2倍になり、またアンテナ回転速度に対してRmaxを大きくできるという利点があるが、
(a)映像の方位精度が悪くなる。
(b)1回転で全画素が更新できない。
(c)図29に示す原因1による画素向けは解決できない。
という欠点があった。
【0020】
また、特開平9−318729号の装置は、1回転で全画素をアクセスする場合よりアンテナの回転速度が2倍になり、また、アンテナ回転速度に対してRmaxを大きくできるという利点があるが、
(d)アクセスする画素がアンテナ回転毎に変化しないようにするため方位データ数を意図的に半分にする結果、映像の方位精度が悪くなる。
【0021】
(e)補間データの方向が表示器の走査方向により決まるために不自然な補間となる。
【0022】
(f)全周にわたる容量を持つ、未アクセス判定用メモリが別途必要になりコストアップになる。
【0023】
という欠点があった。
【0024】
本発明の目的は、上記(a)〜(g)の従来の装置の各欠点をすべて一掃することのできるレーダー装置及び類似装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
図1は、請求項1に係る発明の構成を示す。なお、ここではレーダー装置を例示しているが、他のスキャンニングソナー装置等、極座標を直交座標に変換して表示する類似装置でも同様である。
【0026】
θn はアンテナ方向のスイープを示し、ここではこのスイープを先行スイープという。また、先行スイープの1つ前のスイープを後行スイープといい、θn-1 で表す。各スイープ上のサンプル点に対する処理はスイープライン方向に順番にRクロック毎に行われていく。同図において、LAST検出部10は後行スイープθn-1 上の任意のサンプル点iがLASTであるかどうかを検出し、LASTである場合に、その状態を画素抜け検出部11に送る。画素抜け検出部11は、サンプル点iがLASTであるとともに、同サンプル点iの対応画素に対してスイープ回転方向に接する隣接画素が、サンプル点iに近接する他の近接サンプル点の各対応画素が一致するかどうかを検出し、いずれも一致しない場合に、該隣接画素に対応するサンプル点が存在しない画素抜け状態があったものとして検出する。補間アドレス発生部12は、画素抜けが検出されると、該隣接画素を補間画素として、その補間画素のアドレスを発生する。画像メモリ13は、補間アドレスが発生すると、その補間画素のアドレスに対して近傍画素のデータで補間する。
【0027】
図1に示す例では、今、後行スイープθn-1 の上のB点のデータについて注目すると、LAST検出部10が、B点と、同じ後行スイープθn-1 上のC点と、また、先行スイープθn 上のD〜F点と、各対応画素の位置判断を行う(A点は特に判断をしなくてもよい。後述)。図1に示す例では、B点の対応画素X−1が、C、D〜Fの各点の対応画素と一致していないために、B点はLASTサンプル点として検出される。また、画素抜け検出部11においては、A、C、D〜Fの5つのサンプル点の各対応画素が、B点の対応画素X−1に対してスイープ回転方向へ接する隣接画素Xに一致するかどうかを検出する。図1に示す例では、隣接画素Xに対していずれの画素も一致しないために、該隣接画素Xは画素抜けと検出される。補間アドレス発生部12は、この時、画素抜け検出された隣接画素Xを補間画素として、X−1の画素のデータで補間するために、該補間画素Xのアドレスを発生する。即ち、補間画素Xに対してB点のデータが、即ちX−1の画素のデータが書き込まれる。
【0028】
画素抜けを検出するのにLAST検出が必要な理由は次の通りである。
図2(A)に示す場合を考えると、画素X−1においては、B点が対応した後に先行スイープθn でE点が対応するから、B点はLASTサンプル点ではない。同様に、図2(B)に示す場合もサンプル点のB点はX−1の画素への最後のアクセスではない。従って、B点がLASTサンプル点でない限り、その時点では、隣接画素Xが画素抜けにあるかどうかを判断することはできない。
【0029】
なお、図1において、B点がLASTサンプル点かどうかを検出する時、周囲の近接サンプル点と対比をするが、C点及びD〜F点の合計4個の各サンプル点との対比が必要十分条件となる。なぜなら、同一スイープ上では各サンプル点の対比が当然にスイープライン下流方向に行われるから、後行スイープθn-1 上では1つ前の近接サンプル点であるA点との対比を特に行う必要がなく、また、C点よりも更に下流方向のサンプル点との対比も行う必要がない。C点との対比でそれぞれの対応画素が一致していなければ当然にC点以降のサンプル点の対応画素とも一致していないからである。また、先行スイープθn 上では、D点、F点のスイープライン上流方向、下流方向のサンプル点との対比を行う必要がない。F点の対応画素とB点の対応画素が一致していなければ、F点よりも下流方向のサンプル点とB点との対応画素が一致しないし、同様にB点とD点との各対応画素が一致していなければ、D点よりも上流側のサンプル点とB点の各対応画素も当然に一致しないからである。このように、B点については後行スイープθn-1 上の下流方向の隣接サンプル点であるC点と、先行スイープθn 上のB点と同じサンプル位置のサンプル点E点及びその前後の2つのサンプル点であるD点とF点の合計4サンプル点が、B点がLASTサンプル点であるかどうかを検出する時の必要十分な比較サンプル点である。
【0030】
図3は、請求項2に係る発明の構成を示す。
【0031】
図1に示す構成では、LAST検出部10を設けたが、これに代えてFIRST検出部15を設けることも可能である。図1では、後行スイープθn-1 上のB点を基準として、該B点がLASTサンプル点であるかどうかを検出し、且つ画素Xが画素抜けの状態であるかどうかを検出したが、図3に示すように、先行スイープθn 上のE点を基準として、該E点が画素X+1に対して最初のアクセス(FIRST)で、且つA、B、C、D、F点の5点のすべての対応画素が画素X+1のスイープ反回転側に接する隣接画素Xに一致するかどうかを検出し、いずれも一致しない場合に隣接画素Xに画素抜け状態があったものと検出することも可能である。従って、この場合には、図1のLAST検出部10に代えてFIRST検出部15が構成される。
【0032】
FIRST検出部15が必要な理由を、図4を参照して説明する。
【0033】
即ち、図4に示す例では、E点が画素X+1に対応する前に同じ画素を他の点が対応しているから、E点は画素X+1への最初のサンプル点(FIRSTサンプル点)ではない。この場合、隣接画素Xがθn-2 上のサンプル点でアクセスされている可能性があるから、E点がFIRSTでない限りE点においては画素抜け有無の判定をできない。
【0034】
FIRSTサンプル点の検出は、LASTサンプル点の検出と同様に、図3の、A〜Dの合計4サンプル点との比較が必要十分条件となる(それ以上の近接サンプル点と比較することを禁止するわけではない)。なお、図1の場合は、アンテナが先行スイープθn にある時に画素Xに対して画素X−1のデータで補間するから、1スイープ分の受信データを遅延させる遅延バッファが必要であるが、図3では、画素X+1のデータで画素Xを補間するために、現在、受信しているデータの補間操作となる。このため遅延バッファが不要となる利点がある。
【0035】
なお、図1及び図3より、画素抜けの生じる画素は、スイープ回転方向に生じると考えるのが自然である。そこで、全方位を8象限に分けて考えると図1のLAST検出部を設けた装置では画素抜けの検出される隣接画素の位置は図5に示すようになる。同図において、実線はスイープ回転方向が右回り、点線は左回りの場合をそれぞれ示している。例えば、右回りの場合で2つのスイープが象限0にある場合を考える。この場合のB点の画素位置を(x、y)とすると、画素抜けの検出される画素位置は(x+1,y)となる。この時他の5点(A、C、D、E、F)の対応する画素の少なくともどれか1つが(x+1,y)と等しい場合は画素抜けが発生しない。また、象限が1の場合は、B点の画素位置を(x,y)とすると、画素抜けの検出される隣接画素の位置は(x,y+1)(Y軸は下向きが+)となる。なお、船が急に左回転した場合演算の上ではアンテナが右回転であってもスイープ回転方向が瞬間的に左回転になる場合があり得る。図5の点線はこのような場合を想定したものである。
【0036】
以上の構成により、方位θn の数Nが減らないために映像の方位精度が悪化することがなく、また、1回転で全画素を更新できる。また、補間は方位方向に行われるために自然な補間となり、画素抜けを検出するための容量の大きなメモリを必要とすることもない。また、従来に比較してアンテナ回転速度やスキャンニング速度を速くでき、また、高画質化のための画素数増加に対応出来る。
【0037】
【発明の実施の形態】
図6は本発明の実施形態であるレーダー装置の制御部の要部ブロック図である。
構成において、図28に示す従来の装置に対して次の構成が変更または追加される。
20:座標変換回路(変更)
21:画素抜け検出回路(新規)
22:遅延バッファ(新規)
23:補間アドレス発生回路(新規)
24:クロックゲート(新規)
座標変換回路20は、X、Yアドレスを発生するとともに先行スイープθn 及び後行スイープθn-1 のX、Yキャリーを発生する。
【0038】
画素抜け検出回路21は、上記Xキャリー及びYキャリーに基づいて画素抜けの有無を検出する。本実施形態では、画素抜けの検出を、X、Y座標値で行わずに、座標変換の回路構成の中間生成出力であるX、Yのキャリーパルスの数の差により行っている。このようにすることにより回路の規模が小さく利点がある。
図7は、座標変換回路20の前段部の構成を示す。
【0039】
アンテナ駆動部から得られるスイープ角度θn は、sinデータROM30及びcosデータROM31に入力され、この出力はラッチ32〜35に入力されて、それぞれのラッチ出力としてsin(θn )、sin(θn-1 )、cos(θn )、cos(θn-1 )が得られるようにしている。また、それらのデータは1サイクル毎に1パルス発生するRクロックとともにr・sin(θn )を演算する累算部36、r・sin(θn-1 )を演算する累算部37、r・cos(θn )を演算する累算部38、r・cos(θn-1 )を演算する累算部39にそれぞれ入力される。これらの回路は、上記各式を演算する周知の回路であって、座標変換を行う時に、直交座標形の座標が1つ進む毎にキャリーを出力する。累算部36は、先行スイープθn においてのXキャリー、累算部37は後行スイープθn-1 においてのXキャリー、累算部38は先行スイープθn においてのYキャリー、累算部39は後行スイープθn-1 においてのYキャリーをそれぞれ出力する。ラッチ40と41は、スイープ角度θn とθn-1 を出力するものであって、後述のように、このデータは象限判定とスイープ方向判定に用いられる。
【0040】
ラッチ32〜35及び40、41は、1スイープ毎に出るパルスであるスイープトリガSWP−Tに同期して入力データをラッチする。即ち、先行スイープのデータを1スイープ分シフトして後行スイープのデータとしている。
【0041】
図8は座標変換回路20の後段のブロック図を示している。この回路は象限データ発生部50とアップダウンカウンタ51とからなる。象限データ発生部50はアンテナ1回転の360度を4つの象限に分けた時、現在処理しているサンプル点が第1〜第4象限のどの象限に位置するかを判断する。アップダウンカウンタ51はキャリーがある度にXまたはY座標をすすめていくカウンタである。このカウンタ51の出力は画像メモリ7のX座標またはY座標を示す。アップダウンカウンタ51に入力するキャリーは、累算部37からの後行スイープXキャリイと累算部39からの後行スイープYキャリーだけである。この理由は、実際の座標変換が必要になる時は、LAST検出が行われる時だけであるから、LAST検出のためには後行スイープθn-1 のキャリーがあればよいからである。従って、アップダウンカウンタ51は2つ用意され、累算部37と39の出力にそれぞれ別々に接続される。
【0042】
象限データ発生部50は、図9に示すように、第1象限〜第4象限において、アップダウンカウンタ51のカウント方向を決定するための象限データを出力する。例えば、第1象限ではX座標はカウントアップしていかなければならないが(右方向をカウントアップ方向とした場合)、Y座標はカウントダウンする必要がある(上方向をカウントアップ方向とした場合)。また、第2象限ではX座標はカウントダウン、Y座標はカウントダウンする必要がある。このように、スイープ回転方向と象限によってアップダウンカウント51でのアップダウン方向を変える必要があるために、それを決めるための象限データを象限データ発生部50で発生し、アップダウンカウンタ51に出力する。また、アップダウンカウンタ51には、カウントのスタート値となるプリセットデータが入力されている。このプリセットデータは座標変換の開始座標データとなる。
【0043】
図10は、画素抜け検出回路21の一部のブロック図である。
【0044】
この回路では、後行スイープθn-1 及び先行スイープθn の各X、Yキャリーについて3段のシフト回路を設け、図1のA〜Fの各サンプル点でのキャリーを生成する。
【0045】
図11は、画素抜け検出回路21の他の一部のブロック図である。画素抜けは、B点とD〜F点とを対比するB対D−F回路70と、B点とA及びC点との対比を行うB対A−C回路71とLAST検出回路72と、ORゲート73とで構成される。B対D−F回路70で画素抜けなしを検出するか、B対A−C回路71で画素抜けなしを検出するか、または、B点がLASTサンプル点でないことを検出するとゲート73は画素抜けなしの1を出力する。従って、回路70、71が共に0を出力し(画素抜けがあるための条件)、且つB点がLASTサンプル点である時(画素抜けがあるためのもう一つの条件)に初めて、ゲート73は0を出力し、画素抜けがあることを検出する。
【0046】
図11に示すように、B点とA〜F点とを対比する時、B対A−Cの対比とB対D−Fの対比を独立して行う。また、これらの対比は象限に応じて行う。
【0047】
図12〜図13はB対A−C回路71について説明する図である。
図12は、象限別に、画素抜けなしをどのように検出するかを説明する。この検出には象限が図5に示すように0〜7の合計8つに分割される。例えば象限0においては、図12(A)に示すように画素抜けが不明の場合と画素抜けなしが確定する場合がある。B点からC点に推移する時点でXキャリー及びYキャリーがあれば画素Xにおいて画素抜けがあるかどうか不明であり、XキャリーがありYキャリーがなければ画素Xにおいて画素抜けがないことが確定する。この場合、A点は画素XにくることはないからA点についての検出操作は不要である。また、図12(B)に示すように象限1においては、A点からB点に推移する時、Xキャリー及びYキャリーが共にあれば画素Xにおいての画素抜けが不明となり、XキャリーがなくYキャリーがあれば画素Xにおいて画素抜けがないことが確定する。この場合、C点の対応画素は画素Xの位置にくることはないから検出操作は不要である。
【0048】
以上の例の通り、B点が存在する象限によって画素抜け検出操作をする必要のないサンプル点が決まり、また、画素抜けがないことが確定する条件が象限別に決まる。従って、不必要なサンプル点のチェックを略すことによりチェックが簡単となり回路構成が簡易化する。図13は各象限に対応するチェックすべきサンプル点と画素抜きなしを確定できる条件を回転方向別に示す表である。また、図14は、図13に示す表を実現するB対A−C回路のブロック図である。
【0049】
図13に示すように、象限0〜7において、チェックする点と画素抜けなしの条件とが同一のものがある。例えば、象限0と4においてはそれらが同一である。このように、図13に示す表を4つの象限グループに分けて回路を構成することができる。図14はそのようにした場合の構成である。即ち、ゲート80は、C点でのX、Yキャリーの有無を判断するものであり、図13の象限0と象限4について判断している。また、ゲート81は、同様に象限1と象限5の判断をしている。ゲート82は象限2と象限6の判断、ゲート83は象限3と象限7の判断をしている。これらのゲート80〜83の出力は象限グループ信号によっていずれかを選択するセレクタ84に入力される。
【0050】
次に、図11のB対D−F回路70について図15以下を参照して説明する。
図1の画素XがD〜Fの対応画素に一致するかどうかの判定は、B点の中心からのキャリーの合計と、D〜Fの各サンプル点の中心からのキャリーの合計の差によって行うことができる。
中心においてはB点と他の点は同一画素であるから差は0である。その後キャリーに差がある場合にカウントする。カウント結果はB点との位置関係を示す。また、2つのスイープは途中で再び近づくことはない(差がある程度以上離れると再び差が0または1に戻ることがない。)ので、適当な値以上になればカウントする必要がなく、カウント動作を停止し以後の2点の画素位置は十分離れているとして処理できる。このようにすると数ビットの小さなカウンタで構成できる。
【0051】
D、E、F点の場合は、B点と異なるスイープライン上にあるから、2つのスイープラインが存在する象限によってカウント方向を変更することが必要である。この場合の象限は360度を4つに分割した4象限である。
【0052】
(a)2つのスイープが互いに反対の象限にある場合
この場合は画素抜けは必ず発生するが、通常は起こらない特殊な状態であるから画素抜けの補間処理は必要ない。
【0053】
(b)2つのスイープが同一象限にある場合
カウントする場合:2点のうち片側にのみキャリーがある場合(どちらにもキャリーがある場合は相殺され、差がないからカウントする必要がない。)
カウント方向:互いに異なる方向でカウントする。(例えばB側にキャリーがあり、次にE側にキャリーがある場合相殺され、差が再びなくなるから)
(c)2つのスイープが象限をまたぐ場合
これについては後述する。
【0054】
上記(b)においては、象限別にカウント方向を変えることが必要である。図15(A)はスイープ回転方向が右回りの場合、(B)は左回りの場合をそれぞれ示している。また、図16は右回りと左回りの場合の象限別のカウント方向を示す表である。例えば、図15(A)の右回りの場合、象限1のXキャリーについてみれば、θn についてのカウント方向は+、θn-1 についてのカウント方向は−に設定される。ここでは、カウント方向の符号は、カウント値が常に正の値となるように決めている。従って、象限1のXキャリーについては、θn のX値はθn-1 のX値よりも常に大きいためにθn はカウント方向が+となり、θn-1 はカウント方向が−となる。同様な理由から、象限1のYキャリーについては、θn-1 の符号を+、θn の符号を−とすることによりカウント値を常に正にすることができる。
【0055】
図17は、図11のB対D−F回路70のブロック図を示し、図18はその一部の構成である差カウンタ回路を示している。図17の差カウンタ群90はアップダウンカウンタの群とその他の回路で構成され、図16に示される表のカウント方向に従ってB対D、B対E、B対Fの各サンプル点のキャリーの合計の差を検出する。例えば、B点とD点に対しては図18に示すような回路となる。この回路は、アップダウンカウンタ93とイクスクルーシブORゲート94と、アップダウン方向回路95とからなる。ゲート94は、B点とD点の2点のうち片側にのみキャリーがある場合カウンタ93を動作させる。アップダウン方向回路95は図16の表に従ってアップダウン方向を決定する。アップダウンカウンタ93の出力は、カウント値が0の場合にはB点とD点の対応画素が同じであり、1の場合にはB点とD点の対応画素がX方向に1だけ離れていることを示す。
【0056】
図19は図17のゲート回路91の一部の構成図である。デコード回路100、101は図18に示すアップダウンカウンタの値をデコードし、それらの出力をANDゲート102、103に分配する。ANDゲート102では、B点とD点のXキャリー差が0で、且つ、Yキャリー差が1の時に(即ち、X=0、Y=1の時)1を出力する。この場合は、象限が0、3、4、7の場合でB点とD点の対応画素がY方向において1つだけずれていることになるから画素抜けはない。また、ANDゲート103は、X方向にキャリー差があり、Y方向にキャリー差がない(X=1、Y=0)の時に1を出力する。この場合は、象限が1、2、5、6の場合でB点とD点の対応画素がX方向に1ずれているだけであって画素抜けはない。ゲート回路91は、B点と他の点についても同様の回路構成により画素抜けなしの状態にあるかどうかを検出する。図17のORゲート92は、B点とD点、B点とE点、B点とF点のそれぞれについてのゲート出力を論理和し、B対D−F回路の出力とする。従って、ORゲート92の出力が1の場合にはB点とD〜F点について画素抜けがないことを検出できる。
【0057】
なお、上記の図15〜図19においては、先行スイープθn および後行スイープθn-1 が共に同一象限にある上述の(b)の場合について説明したものであるが、上述の(c)の場合、即ち2つのスイープが象限をまたぐ場合については次のように処理される。
【0058】
図20(A)、(B)は、それぞれ2つのスイープがY軸をまたぐ場合とX軸をまたぐ場合を示している。
【0059】
(タイプAの場合)
カウントする場合:Xキャリーは少なくともどちらかにキャリーがある場合。Yキャリーは片側にのみキャリーがある場合。
カウント方向:Xキャリーは同一方向にカウントする。Yキャリーは互いに異なる方向でカウントする。
このタイプAでは、2つのスイープの象限が異なるために、Xの差は、キャリーにより離れるだけで近づくことはない。そこで上記のような処理をする。
【0060】
(タイプBの場合)
カウントする場合:Xキャリーは片側にのみキャリーがある場合。Yキャリーは少なくともどちらかにキャリーがある場合。
カウント方向:Xキャリーは互いに異なる方向でカウントする。Yキャリーは同一方向にカウントする。
タイプBでは、2つのスイープの象限が異なるので、Yの差はキャリーにより離れるだけで近づくことはない。そこで上記のような処理をする。
【0061】
但し、タイプAにおけるXキャリーの場合とタイプBにおけるYキャリーの場合とでは、2点(例えばB点とD点)とも同時にキャリーのある場合は差が2となるにも係わらずカウント値の変化は1である(カウンタは一度に一つしか進まない)。従って、この方法では1か2かを区別できないので次の方法を使用して検出する。
【0062】
即ち、2つのスイープの象限が異なるためにキャリーの差は大きくなるだけで再び小さくなることはない。また、検出したいキャリー差は、0又は1か、2以上かであるので、2以上の場合は画素抜けのある状態となるから、同時にキャリーがあった場合を検出し、以後はその2点は接することがないとみなす。
【0063】
図21は、上記の同時にキャリーがあった場合を検出するためのB点とD点のYキャリーについての回路図である。ANDゲート110においてB点とD点のYキャリーが同時に発生し、且つ象限がまたいでいる場合1を出力する。この状態は、ORゲート111とフリップフロップ112とで記憶され、以後その状態を保持する。その出力Pは図19のANDゲート102に入力する。Pが1の場合、即ちスイープがY軸をまたいでYキャリーが同時に出た場合はANDゲート102の出力が0となる。なお、ANDゲート102(図19)はX=0、Y=1を見るゲートであるから、このゲートに対してB点とD点のYキャリーが同時に発生したときの信号が条件として与えられる。ANDゲート103に対しては(図19)、B点とD点のXキャリーが同時に発生したときの信号が条件として与えられる。同様にして、B点ーE点およびB点ーF点の各ゲート回路の各ANDゲート(図示せず)に対しても、図21に示す処理回路が接続される。
【0064】
次に、図11のLAST検出回路72について説明する。図1を参照して説明したように、B点のLAST検出は、C〜F点の対応画素とB点の対応画素がすべて一致しない場合にB点がLASTサンプル点として検出できる。図22は、LAST検出回路72の構成を示している。各キャリー信号は図10の回路から得られる。カウンタ120〜122はX、Yキャリー差を検出する。これらのキャリー差検出回路であるカウンタ120〜122は、キャリーパルスの数の差がある時にのみカウントするアップダウンカウンタで構成される。
【0065】
今、図1において先行スイープθn と後行スイープθn-1 を考えた場合、Rクロックに従って中心Oより各スイープラインの下流方向に向かって処理対処となるサンプル点が1つずつ進んでいくが、各スイープの注目している2つのサンプル点の対応座標が同一である時にはキャリー差はなく、座標が異なればキャリー差が生じる。この場合、例えば、先行スイープθn 上のキャリーがあって、後行スイープθn-1 上のキャリーがない場合にはカウンタを1つ進め、反対に、先行スイープθn 上のキャリーがなく、後行スイープθn-1 上のキャリーがある場合にはカウンタを1つ減らす。また、2つのスイープの両方のキャリーがある場合とない場合にはカウンタの計数をしない。この動作を中心OからRクロックに従ってスイープライン進行方向(下流方向)に順次行うことにより、例えば、図1のB点とF点を注目すると、もし、両者のキャリーを入力するカウンタのカウント値が0である場合には両者の対応画素が同一であることになり、カウント値が1である場合にはF点の対応画素はB点のそれよりも1つ進んでいることになる。なお、カウンタのカウント方向は象限によって異なってくる。図15は、各象限1〜4のそれぞれにおけるカウント方向を示す。例えば、スイープ回転方向が時計方向(右回り)の時には、象限1のXキャリーについては2つのスイープの注目しているサンプル点のうち、θn 上のサンプル点がθn-1 上のサンプル点よりもキャリーがはやく進むから、そのキャリー差が+となるようにするためには、カウント方向をθn については+、θn-1 については−とする。象限1のYキャリーについては、2つのスイープの注目しているサンプル点のうち、θn-1 上のサンプル点がθn 上のサンプル点よりもキャリーがはやく進むから、そのキャリー差が+となるようにするためには、カウント方向をθn-1 については+、θn については−とする。図16は、B点とD、E、F点の対比による各象限別及びスイープ回転方向別のカウント方向を示している。
【0066】
図22において、カウンタ120〜122は、それぞれ図1のB点を基準とした場合の各サンプル点とのキャリー差を求める。即ち、カウンタ120は、B点とF点のXキャリー差およびYキャリー差を求め、カウンタ121は、B点とE点のXキャリー差及びYキャリー差を求め、カウンタ122は、B点とD点のXキャリー差及びYキャリー差を求める。このカウンタにおいて、例えば、B点とF点のXキャリー差を求めるカウンタ120ーでは、B点とF点で、中心OらのXキャリーの数が異なっている場合に1となる。なお、同一スイープ上のB点とC点のキャリー差については、もしB点からC点に進んだ場合にC点にキャリーが発生すればB点とC点の対応画素の座標が異なることを意味するから、この2つのサンプル点のキャリー差を検出する特別の回路を必要としない。従って、ライン123は、C点のXキャリー及びYキャリーをそのまま後段のゲート回路に導く。
【0067】
ORゲート124〜127は、カウンタ120〜122及びライン123の信号を論理和し、その出力をANDゲート128に導く。ANDゲート128は、もし、すべての入力が1である場合、即ち、B点が他の4点(C、D、E、F)とすべて対応座標が異なっている時に1を出力する。ANDゲート128の出力が1の時は、B点がLASTサンプル点として検出されたことを意味する。
【0068】
以上のように、図11において、B対D−F検出回路70、B対A−C検出回路71、及びLAST検出回路72のすべての出力が0の場合だけ、ORゲート73の出力が0となり画素抜けがあるものとして検出される。
【0069】
次に、図6の補間アドレス発生回路23について説明する。
【0070】
画素抜けの原因は、主にスイープラインが拡がることにあるから、方位方向のデータで補間するのが好ましい。そこで、図1の補間画素Xのアドレス(補間アドレス)は、B点がLASTサンプル点であることを検出され、画素抜け検出回路21で画素抜けが検出された時に、B点が対応する画素X−1にX方向に1画素分増加することによって求める。この場合、象限によってはX方向に1画素分減少することにより求め、または、Y方向に1画素分増加または減少することにより求める。XまたはYのどちらを増加または減少するかは、B点の存在する象限(8象限の中のどれか)と、スイープ回転方向により決定する。
【0071】
図23は補間画素Xが存在する象限別とスイープ回転方向別に補間方向を示す図及び表であり、同図(A)は右回転の場合、同図(B)は左回転の場合を示している。例えば、右回転の場合で、象限0に補間アドレスXが存在する場合は、B点の対応画素X−1に対してX方向に+1した画素を補間画素Xとする。また、B点の対応画素X−1が象限1にある場合は、X−1にY方向に+1した画素を補間画素Xとする。
【0072】
図24は、補間アドレス発生回路23(図6参照)の構成図を示している。補間方向回路130は、スイープ回転方向と8象限データに基づいて補間方向を決定する。補間方向の決定は図23の表に従って行われる。この結果は、X加減算回路131、Y加減算回路132及びANDゲート133、134に出力される。また、図11の画素抜け検出回路のORゲート73の出力である補間信号はANDゲート133、134を介してX加減算回路131、132に入力され、画素抜けありの場合にこれらの加減算回路においてX、Yアドレスに1が加減算される。この回路により、例えば、補間画素Xが象限0にある場合は、補間方向回路130の出力端子a、bはそれぞれ1となり、c、dはそれぞれ0となる。この時、補間が1(補間バーが0)であると、X加減算回路131はA入力のXアドレスに対してB入力の1を加算して出力する。
【0073】
このようにして補間アドレスが発生すると、その補間アドレスによって画像メモリ7がアクセスされ、遅延バッファ22に記憶されているB点のデータが補間される(書き込まれる)。なお、補間が0のときは、X、Yアドレスがそのまま画像メモリ7に出力され、通常のメモリアクセスとなる。また、図6のゲート24は、補間時にその補間時間を稼ぐために4、5、22の回路の動作を一次停止するものである。
【0074】
以上のように、画素抜けが検出され、且つB点がLASTサンプル点であることが検出された場合に、B点の対応画素のデータによって補間画素に対する補間が行われる。
【0075】
以上の実施形態は図1に示す構成に対応するものであるが、図3に示す構成に対応する場合には、FIRST検出部15を設ける必要がある。図25はFIRST検出回路の構成図を示す。キャリー差を検出するためのカウンタ140〜142、ライン143、ORゲート144〜147、ANDゲート148はそれぞれ図22に示すLAST検出回路と同じ構成である。即ち、この回路では、図3においてE点の対応画素が、A〜Dの各点の対応画素とすべて異なる場合にE点がFIRSTサンプル点として検出される。そしてその検出はLASTサンプル点の検出と同様にキャリーパルス数の差によって検出される。画素抜け検出回路21(図6)については図26に示すようになる。E対A−C回路140はE点とA〜C点との対比で画素抜けなしの状態にあるかどうかを検出し、E対D−F回路141は、E点とD及びF点との対比で画素抜けなしの状態にあるかどうかを検出する。FIRST検出回路142は図25に示す構成にある。これらの140〜142の出力をORゲート143で受けて、すべての出力が0の場合にのみ画素抜けありとする。補間アドレス発生回路23については、図24に示す回路と同じであるが、補間方向回路130については図3に示すように補間方向が逆方向となるために符号が逆転する。その他は同じ構成である。また、遅延バッファ22については受信データを1スイープ分保持する必要がないために不要である。
【0076】
図27は、補間アドレス発生回路23から出力されるX、Yアドレスの進み方を示している。同図(A)〜(C)はアドレスの進み方の3種類のパターンであり、矢印の示している部分について補間が生じている。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果を奏する。
【0078】
(1)アンテナ回転速度がはやくなって補間が必要となった場合にも、1画素分の画素抜けであればアンテナ1回転で全画素を更新できる。
【0079】
(2)補間が必要でない回転速度の時には、Rmaxで定まる方位データ数Nの値をそのまま使用するために、映像の方位精度を下げることなく全画素を更新できる。
【0080】
(3)補間データの方向を方位方向としているために自然な補間ができる。
【0081】
(4)補間動作により、高画質化のための画素数増加にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】補間の動作説明図
【図2】(A)(B)
B点がLASTであることの必要性を説明する図
【図3】補間の他の例の動作説明図
【図4】E点がFIRSTであることの必要性を説明する図
【図5】B点と補間画素の関係を示す図
【図6】本発明の実施形態であるレーダー装置の全体構成図
【図7】座標変換回路の前段部の構成図
【図8】座標変換回路の後段部の構成図
【図9】カウント方向を示す図
【図10】画素抜け検出回路の一部構成図
【図11】画素抜け検出回路の一部構成図
【図12】(A)(B)
B点とA、C点の対比による画素抜け検出条件について説明する図
【図13】B点とA、C点の対比による象限別画素抜け検出条件を示す表
【図14】B対A−C回路の構成図
【図15】(A)(B)
B点とD、E、F点の対比による象限とスイープ回転方向を示す図
【図16】B点とD、E、F点の対比による象限別カウント方向を示す表
【図17】B対D−F回路の構成図
【図18】差カウンタ回路の構成図
【図19】ゲート回路の構成図
【図20】(A)(B)
2つのスイープが象限をまたぐ場合を示す図
【図21】2つのスイープが象限をまたぐ場合の処理回路の構成図
【図22】LAST検出回路の構成図
【図23】(A)(B)
象限別補間方向を示す図
【図24】補間アドレス発生回路の構成図
【図25】FIRST検出回路の構成図
【図26】画素抜け検出回路の一部構成図
【図27】(A)〜(C)
アドレスの進み方のパターン例を示す図
【図28】従来のレーザー装置のブロック図
【図29】画素抜け(原因1)を示す図
【図30】画素抜け(原因2)を示す図

Claims (7)

  1. 受信データを極座標から直交座標に座標変換して記憶する画像メモリと、
    後行スイープθn-1 上の任意のサンプル点iと、後行スイープθn-1 および先行スイープθn 上の複数の近接サンプル点との各対応画素の一致判断を行い、サンプル点iの対応画素が他のサンプル点の各対応画素の全てと一致しない場合に、該サンプル点iをLASTサンプル点として検出するLAST検出手段と、
    前記他のサンプル点の各対応画素が、LASTサンプル点の対応画素に対してスイープ回転側に接する隣接画素に一致するか否かを検出し、いずれも一致しない場合に、該隣接画素に対応するサンプル点が存在しない画素抜け状態があったものとして検出する画素抜け検出手段と、
    画素抜け検出時に該隣接画素を補間画素として、近傍画素のデータで補間する補間手段と、を備えてなるレーダー装置及び類似装置。
  2. 受信データを極座標から直交座標に座標変換して記憶する画像メモリと、
    先行スイープθn 上の任意のサンプル点jと、先行スイープθn 上および後行スイープθn-1 上の複数の近接サンプル点との各対応画素の一致判断を行い、サンプル点jの対応画素が他のサンプル点の各対応画素の全てと一致しない場合に、該サンプル点jをFIRSTサンプル点として検出するFIRST検出手段と、
    前記他のサンプル点の各対応画素が、FIRSTサンプル点の対応画素に対してスイープ反回転側に接する隣接画素に一致するか否かを検出し、いずれも一致しない場合に、該隣接画素に対応するサンプル点が存在しない画素抜け状態があったものとして検出する画素抜け検出手段と、
    画素抜け検出時に該隣接画素を補間画素として、近傍画素のデータで補間する補間手段と、を備えてなるレーダー装置及び類似装置。
  3. 補間手段は、補間画素の方位方向の画素のデータで補間することを特徴とする、請求項1または2記載のレーダー装置及び類似装置。
  4. 受信データを実時間で記憶する一次メモリと、
    極座標を直交座標値に変換する座標変換部と、
    座標変換部で変換された直交座標値でアクセスされる画像メモリと、
    画像メモリの記憶データをラスタ表示する表示器と、
    後行スイープθn-1 上の任意のサンプル点iと、後行スイープθn-1 および先行スイープθn 上の複数の近接サンプル点との各対応画素の一致判断を行い、サンプル点iの対応画素が他のサンプル点の各対応画素の全てと一致しない場合に、該サンプル点iをLASTサンプル点として検出するLAST検出手段と、
    前記他のサンプル点の各対応画素が、LASTサンプル点の対応画素に対してスイープ回転側に接する隣接画素に一致するか否かを検出し、いずれも一致しない場合に、該隣接画素に対応するサンプル点が存在しない画素抜け状態があったものとして検出する画素抜け検出手段と、
    画素抜け検出時に該隣接画素を補間画素として、近傍画素のデータで補間する補間手段と、
    を備えてなるレーダー装置及び類似装置。
  5. 受信データを極座標から直交座標に座標変換して画像メモリに記憶するステップと、
    後行スイープθn-1 上の任意のサンプル点iと、後行スイープθn-1 および先行スイープθn 上の複数の近接サンプル点との各対応画素の一致判断を行い、サンプル点iの対応画素が他のサンプル点の各対応画素の全てと一致しない場合に、該サンプル点iをLASTサンプル点として検出するステップと、
    前記他のサンプル点の各対応画素が、LASTサンプル点の対応画素に対してスイープ回転側に接する隣接画素に一致するか否かを検出し、いずれも一致しない場合に、該隣接画素に対応するサンプル点が存在しない画素抜け状態があったものとして検出する画素抜け検出ステップと、
    画素抜け検出時に該隣接画素を補間画素として、近傍画素のデータを補間する補間ステップと、を備えてなるレーダー装置及び類似装置でのデータ補間方法。
  6. 受信データを極座標から直交座標に座標変換して画像メモリに記憶するステップと、
    先行スイープθn 上の任意のサンプル点jと、先行スイープθn 上および後行スイープθn-1 上の複数の近接サンプル点との各対応画素の一致判断を行い、サンプル点jの対応画素が他のサンプル点の各対応画素の全てと一致しない場合に、該サンプル点jをFIRSTサンプル点として検出するステップと、
    前記他のサンプル点の各対応画素が、FIRSTサンプル点の対応画素に対してスイープ反回転側に接する隣接画素に一致するか否かを検出し、いずれも一致しない場合に、該隣接画素に対応するサンプル点が存在しない画素抜け状態があったものとして検出する画素抜け検出ステップと、
    画素抜け検出時に該隣接画素を補間画素として、近傍画素のデータで補間する補間ステップと、を備えてなるレーダー装置及び類似装置でのデータ補間方法。
  7. 補間は、補間画素の方位方向の画素のデータで行うことを特徴とする、請求項5または6記載のレーダー装置及び類似装置でのデータ補間方法。
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