JP3734562B2 - 自動車用ランプ制御回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に配設されたランプの点灯を制御するための自動車用ランプ制御回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来の自動車用ランプ制御回路の配線を模式的に示す図である。
一般に自動車は、図5に示すように、車体1のフロントに左から順に配設されたサイドターンランプ(左)11L、フロントターンランプ(左)12L、ヘッドランプ(左高)13L、ヘッドランプ(左低)14L、コーナリング/クリアランスランプ(左)15L、コーナリング/クリアランスランプ(右)15R、ヘッドランプ(右低)14R、ヘッドランプ(右高)13R、フロントターンランプ(右)12R及びサイドターンランプ(右)11Rを備えるとともに、車体1のリアに左から順に配設されたリアターンランプ(左)21L、ストップランプ(左)22L、テールランプ(左)23L、バックアップランプ(左)24L、ライセンスランプ25、バックアップランプ(右)24R、テールランプ(右)23R、ストップランプ(右)22R及びリアターンランプ(右)21Rを備えている。
【0003】
フロントの左右のコーナリング/クリアランスランプ15L,15Rと、リアのストップランプ(左)22L及びテールランプ(左)23Lと、テールランプ(右)23R及びストップランプ(右)22Rとは、それぞれ1電球に2本のフィラメントが配設されて構成されている。
【0004】
運転席近傍に配置されたジョイントボックス30内には、各ランプへの通電をオン、オフするリレーがランプ数に対応する数だけ配設されており、電力線Pがエンジンルーム2内のバッテリー31から、信号線Sが運転席前方のインストルメントパネル32に配設された操作スイッチや図略のブレーキペダルから、それぞれジョイントボックス30に引き込まれている。また、ジョイントボックス30内の各リレーからフロントの対応する各ランプとを接続するワイヤハーネスW11がエンジンルーム2を通って配設され、ジョイントボックス30内の各リレーからリアの対応する各ランプとを接続するワイヤハーネスW12が車室3を通って配設されている。ワイヤハーネスW11,W12は、ジョイントボックス30内の各リレーと対応する各ランプとを接続する電力供給のための電線の束である。
【0005】
そして、信号線Sを介して入力される電気信号に応じて各ランプに対応するリレーをオン、オフさせることによって、それぞれ動作論理が異なる各ランプの点灯及び消灯を個別に制御している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図5に示すように、ワイヤハーネスW11,W12の本数が多く、エンジンルーム2と車室3との境界を多数の電線が越えることになるため、ワイヤハーネスW11,W12の車体1への組付けの作業性の向上や信頼性の確保が困難になっていた。
【0007】
また、最近は、例えばフロント側のフォグランプやリア側のハイマウントストップランプなどのようにランプ数が増加する傾向にあるため、複雑なワイヤハーネスの車体への組付けが更に困難になってくる。一方、ランプ数の増加に応じてランプへの電源供給に用いるリレーの個数が増加するために、ジョイントボックス30の大型化を招くこととなり、運転席近傍へのジョイントボックス30の取付けも困難になる。
【0008】
このように、複雑化したワイヤハーネスは、重量の増大と線束径の大型化を招いており、数mmの車両スペースや数gの車両重量を重要視する自動車においては大きい問題になる。そこで、1本の信号線で複数のランプに対する制御信号を伝送する多重通信を行うことによって、ワイヤハーネスの省線化を図ることが考えられる。
【0009】
しかしながら、その場合には、別途、多重通信を行うための多重通信ユニットを配設する必要があるために、ワイヤハーネスの省線化が図れても、省スペース化を実現することができない虞れがあった。
【0010】
本発明は、上記問題を解決するもので、ワイヤハーネスの車体への組付けの作業性を向上するとともに信頼性を確保し得る自動車用ランプ制御回路を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、省スペース化が可能な自動車用ランプ制御回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、指示信号出力部から出力される自動車のフロントランプ部に配設されたランプ群の動作を指示するフロントランプ指示信号及びリアランプ部に配設されたランプ群の動作を指示するリアランプ指示信号に応じて電源から上記各ランプ部のランプへの電力供給を制御する自動車用ランプ制御回路において、フロントランプ制御回路部と、リアランプ制御回路部と、上記電源と上記フロントランプ制御回路部とを接続する第1の電力線と、上記電源と上記リアランプ制御回路部とを接続する第2の電力線と、上記フロントランプ制御回路部と上記リアランプ制御回路部とを接続する多重通信用の信号線とを備え、上記フロントランプ制御回路部は、上記フロントランプ部と上記電源との間に設けられ、制御端子に入力される制御信号に応じて上記フロントランプ部の各ランプと上記電源との接続をオン、オフする半導体スイッチング素子からなる第1のスイッチング部と、上記フロントランプ指示信号及びリアランプ指示信号を受信するとともに、受信した上記リアランプ指示信号を上記信号線を介して上記リアランプ制御回路部に送信する第1の多重通信部と、上記第1のスイッチング部に生じる回路異常の有無を検出する第1の異常検出部と、上記受信したフロントランプ指示信号および上記検出した回路異常の有無を用いて上記第1のスイッチング部の半導体スイッチング素子のオン、オフを制御する第1の制御部とが第1の基板上に一体的に形成されてなり、上記リアランプ制御回路部は、上記リアランプ部と上記電源との間に設けられ、制御端子に入力される制御信号に応じて上記リアランプ部の各ランプと上記電源との接続をオン、オフする半導体スイッチング素子からなる第2のスイッチング部と、上記リアランプ指示信号を上記信号線を介して受信する第2の多重通信部と、上記第2のスイッチング部に生じる回路異常の有無を検出する第2の異常検出部と、上記受信したリアランプ指示信号および上記検出した回路異常の有無を用いて上記第2のスイッチング部の半導体スイッチング素子のオン、オフを制御する第2の制御部とが第2の基板上に一体的に形成されてなり、上記第1、第2の異常検出部は、上記フロントランプ制御回路部およびランプ制御回路部においてそれぞれ、スイッチング部の各素子と各ランプとの間に接続されて上記各素子から各ランプへ流れる電流を検出する電流検出部を有するものである。
【0013】
この構成によれば、電源及びフロントランプ制御回路部とリアランプ制御回路部との間は、第2の電力線と信号線とで接続されることにより、その間の電線本数が削減され、これによって車体重量が低減される。また、フロントランプ制御回路部及びリアランプ制御回路部は、それぞれ、スイッチング部、多重通信部、異常検出部および制御部が基板上に一体的に形成されてなるので、小型化される。
【0015】
また、第1のスイッチング部に回路異常が生じると、第1の制御部により、例えば第1のスイッチング部の半導体スイッチング素子をオフにすることによって電流を遮断するなどの処理が可能になり、第2のスイッチング部に回路異常が生じると、第2の制御部により、例えば第2のスイッチング部の半導体スイッチング素子をオフにすることによって電流を遮断するなどの処理が可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図4は本発明に係る自動車用ランプ制御回路の配線を示す図である。自動車の車体1は、フロントランプ部10と、リアランプ部20とを備えている。
【0021】
フロントランプ部10は、左から順に配設されたサイドターンランプ(左)11L、フロントターンランプ(左)12L、ヘッドランプ(左高)13L、ヘッドランプ(左低)14L、コーナリング/クリアランスランプ(左)15L、コーナリング/クリアランスランプ(右)15R、ヘッドランプ(右低)14R、ヘッドランプ(右高)13R、フロントターンランプ(右)12R及びサイドターンランプ(右)11Rを備えている。
【0022】
リアランプ部20は、左から順に配設されたリアターンランプ(左)21L、ストップ・テールランプ(左)26L、バックアップランプ(左)24L、ライセンスランプ25、バックアップランプ(右)24R、ストップ・テールランプ(右)26R及びリアターンランプ(右)21Rを備えている。
【0023】
フロントランプ部10の左右のコーナリング/クリアランスランプ15L,15Rは、それぞれ1電球に2本のフィラメントが配設されて構成されている。
【0024】
車体1は、前部に配設されたエンジンルーム2と、その後部に配設された車室3とを備え、車室3は、前端部に配設された運転席4を備えている。エンジンルーム2の適所にはバッテリー31が配設されており、このバッテリー31は、図略のエンジンのスタータモータを駆動するとともに、車体1の各部に電力を供給するものである。上記運転席4は、インストルメントパネル32、ハンドル33、方向指示レバー34及びブレーキペダル35や図略のアクセルペダルなどを備えており、このインストルメントパネル32、ハンドル33、方向指示レバー34及びブレーキペダル35などによって操作表示部40が構成されている。
【0025】
エンジンルーム2内のフロントランプ部10の近傍には、後述するフロントIPS(Intelligent Power Switch)50が配設され、このフロントIPS50とフロントランプ部10の各ランプとは点灯の電力を供給するためのワイヤハーネスW1で接続され、フロントIPS50とバッテリー31の正極端子とは電源供給のための電力線P1で接続され、フロントIPS50と操作表示部40とは信号伝送のための信号線S1で接続されている。
【0026】
また、車室3内のリアランプ部20の近傍には、後述するリアIPS80が配設され、このリアIPS80とリアランプ部20の各ランプとは点灯の電力を供給するためのワイヤハーネスW2で接続されている。
【0027】
また、フロントIPS50とリアIPS80とは、電源供給のための電力線P2及び信号伝送のための信号線S2で接続され、バッテリー31のアース端子とフロントIPS50及びリアIPS80とは、アースラインGNDで接続されている。
【0028】
次に、図1〜図3を用いてフロントIPS50及びリアIPS80について説明する。図1、図2は本発明に係る自動車用ランプ制御回路の一実施形態を示すブロック図、図3は多重通信部43,75,105を示すブロック図である。
【0029】
フロントIPS50(フロントランプ制御回路部)は、図2に示すように、電源部51、スイッチング部60(第1のスイッチ部)及びインテリジェント部70を備え、これらがプリント回路基板や半導体基板などの基板上に一体的に形成されている。なお、各部が配置された基板上を樹脂でモールドするようにしてもよい。
【0030】
電源部51は、バッテリー31に接続され、フロントランプ部10の各ランプ及びフロントIPS50の各部に電圧を供給する内部電源である。
【0031】
スイッチング部60は、図1に示すように、半導体スイッチング素子61〜68を備えている。半導体スイッチング素子61〜68は、電界効果トランジスタ(FET)や絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)などからなり、電源部51とフロントランプ部10の各ランプとの接続をオン、オフさせるものである。
【0032】
インテリジェント部70は、図2に示すように、過電圧検出部71、電流検出部72、温度検出部73、駆動部74(第1の制御部)、及び後述する多重通信部75(第1の多重通信部)を備えている。なお、当実施形態では過電圧検出部71、電流検出部72および温度検出部73が第1の異常検出部を構成している。
【0033】
過電圧検出部71は、電源部51の電源供給ラインに接続され、過電圧の有無を検出するものである。電流検出部72は、スイッチング部60の各素子61〜68からフロントランプ部10の各ランプへの信号ラインにそれぞれ接続された電流検出回路721〜728からなり、電流を検出することにより過電流や各ランプの短絡及び断線等を検出するものである。温度検出部73は、サーミスタなどからなり、周囲温度を検出して過熱の有無を検出するものである。駆動部74は、多重通信部75からの信号により各素子61〜68をオン、オフさせる駆動信号を出力するものである。
【0034】
リアIPS80(リアランプ制御回路部)は、フロントIPS50とほぼ同様の構成を有している。すなわち、図2に示すように、電源部81、スイッチング部90(第2のスイッチ部)及びインテリジェント部100を備え、これらがプリント回路基板や半導体基板などの基板上に一体的に形成されている。電源部81は、バッテリー31に接続され、リアランプ部20の各ランプ及びリアIPS80の各部に電圧を供給する内部電源である。
【0035】
スイッチング部90は、図1に示すように、半導体スイッチング素子91〜97を備えている。半導体スイッチング素子91〜97は、電界効果トランジスタ(FET)や絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)などからなり、電源部81とリアランプ部20の各ランプとの接続をオン、オフさせるものである。
【0036】
インテリジェント部100は、図2に示すように、過電圧検出部101、電流検出部102、温度検出部103、駆動部104(第2の制御部)、及び後述する多重通信部105(第2の多重通信部)を備えている。なお、当実施形態では過電圧検出部101、電流検出部102および温度検出部103が第2の異常検出部を構成している。
【0037】
過電圧検出部101は、電源部81の電源供給ラインに接続され、過電圧の有無を検出するものである。電流検出部102は、スイッチング部90の各素子91〜97からリアランプ部20の各ランプへの信号ラインにそれぞれ接続された電流検出回路1021〜1027からなり、電流を検出することにより過電流や各ランプの短絡及び断線等を検出するものである。温度検出部103は、サーミスタなどからなり、周囲温度を検出して過熱の有無を検出するものである。駆動部104は、多重通信部105からの信号により各素子91〜97をオン、オフさせる駆動信号を出力するものである。
【0038】
また、操作表示部40は、操作スイッチ部41、表示部42、及び後述する多重通信部43を備えている。操作スイッチ部41は、上記インストルメントパネル32などに配設された操作スイッチ、方向指示レバー34やブレーキペダル35への操作によりオンされるスイッチなどからなる。表示部42は、インストルメントパネル32に配設され、フロントIPS50やリアIPS80で検出された上記過電圧、過電流や各ランプの短絡及び断線などの回路異常の警告表示を行うものである。
【0039】
多重通信部43は、図3に示すように、パラレル/シリアル(P/S)変換部431及びシリアル/パラレル(S/P)変換部432を備え、多重通信部75は、同様に、P/S変換部751及びS/P変換部752を備え、多重通信部105は、同様に、P/S変換部1051及びS/P変換部1052を備え、それぞれ論理回路などで構成されている。
【0040】
P/S変換部431,751,1051は、それぞれマルチプレクサなどからなり、パラレルに入力される制御信号をシリアルに変換するもので、変換したシリアル制御信号をそれぞれS/P変換部752,1052,752に送信するものである。
【0041】
S/P変換部432,752,1052は、それぞれデマルチプレクサなどからなり、シリアルに入力される制御信号をパラレルに変換するもので、変換した制御信号をそれぞれ表示部42、駆動部74、駆動部104に送るものである。
【0042】
また、多重通信部75,105は、上記過電圧、過電流や各ランプの短絡及び断線などの回路異常が生じたときに、駆動部74,104を介して電流遮断などの処理を行うものである。
【0043】
ここで、多重通信部75における信号の流れについて説明する。
P/S変換部431から送信されてくる制御信号は、S/P変換部752でパラレルに変換されて、フロントランプ部10に対応する制御信号は矢印Aに示すように駆動部74に送られ、リアランプ部20に対応する制御信号は矢印Bに示すようにP/S変換部751を介してS/P変換部1052に送信される。
【0044】
また、P/S変換部1051から送信されてくる制御信号は、矢印Cに示すように一旦S/P変換部752でパラレルに変換されてP/S変換部751に送られ、矢印Dに示すように上記各部71〜73からP/S変換部751に送られてくる制御信号とともにP/S変換部751でシリアルに変換されて、S/P変換部432に送信される。
【0045】
次に、動作例について説明する。
例えば運転者が方向指示レバー34を左折方向に操作すると、その旨の信号が多重通信部43から多重通信部75に送信され、更に多重通信部105に送信される。そして、多重通信部75から駆動部74に制御信号が送られ、駆動部74から半導体スイッチング素子68に駆動信号が送られてオンし、サイドターンランプ(左)11L及びフロントターンランプ(左)12Lが点灯する。また、多重通信部105から駆動部104に制御信号が送られ、駆動部104から半導体スイッチング素子96に駆動信号が送られてオンし、リアターンランプ(左)21Lが点灯する。
【0046】
また、運転者がブレーキペダル35を操作すると、その旨の信号が多重通信部43から多重通信部75に送信され、更に多重通信部105に送信される。そして、多重通信部105から駆動部104に制御信号が送られ、駆動部104から半導体スイッチング素子91,92に駆動信号が送られてオンし、ストップ・テールランプ(右)26R及びストップ・テールランプ(左)26Lが点灯する。
【0047】
一方、運転者がインストルメントパネル32で図略のテールランプ点灯スイッチを操作すると、その旨の信号が多重通信部43から多重通信部75に送信され、更に多重通信部105に送信される。そして、多重通信部105から駆動部104に所定のデューティ比(<1)で周波数が100Hz以上のPWM制御信号が送られ、駆動部104から半導体スイッチング素子91,92に駆動信号が送られて上記デューティ比でオン、オフを繰り返す。これによってストップ・テールランプ(右)26R及びストップ・テールランプ(左)26Lが上記ブレーキ操作のときに比べて低輝度で点灯する。
【0048】
更に、バッテリー31〜フロントIPS50〜フロントランプ部10〜アースラインGNDにおいて、過電圧や過電流が生じた場合や、フロントIPS50近傍で過熱が生じた場合には、電流が遮断されたり、インストルメントパネル32に警告表示が行われる。
【0049】
また、バッテリー31〜リアIPS80〜リアランプ部20〜アースラインGNDにおいて、過電圧や過電流が生じた場合や、リアIPS80近傍で過熱が生じた場合には、電流が遮断されたり、フロントIPS50を経由して信号が送信されてインストルメントパネル32に警告表示が行われる。
【0050】
このように、フロントIPS50とリアIPS80の間を1本の電力線P2、1本の信号線S2及びアースラインGNDで接続するようにしたので、ワイヤハーネスを極めて簡素化することができ、これによってワイヤハーネスの組付けの作業性及び信頼性を向上させることができ、自動車の生産性を大幅に向上させることができるとともに、車体重量を低減することができる。
【0051】
また、フロントIPS50をフロントランプ部10の近傍に配設し、リアIPS80をリアランプ部20の近傍に配設したので、ワイヤハーネスW1,W2を短縮することができ、これによって更に車体重量を低減することができる。
【0052】
また、半導体スイッチング素子91,92を所定のデューティ比でオン、オフを繰り返させてランプへの供給電流量を制御することによって輝度を調整するようにしたので、ストップ・テールランプ(右)26R及びストップ・テールランプ(左)26Lをそれぞれ1本のフィラメントで形成してストップランプ及びテールランプとして兼用することができ、これによって部品点数を削減することができる。
【0053】
なお、上記実施形態において、IPS50,80は、それぞれ過電圧検出部71,101、電流検出部72,102及び温度検出部73,103などの回路の異常を検出するための異常検出部を備えたが、本発明はこれに限られず、上記異常検出部を備えなくてもよく、また、一部のみを備えたり、他の異常を検出する異常検出部を備えるようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施形態において、IPS50,80は、それぞれ電源部51,81を備えたが、本発明はこれに限られず、バッテリー31から直接IPS50,80の各部に電源を供給するようにしてもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電源及びフロントランプ制御回路部とリアランプ制御回路部との間を、第2の電力線と信号線とで接続するようにしたので、その間の電線本数を削減することができ、これによって、部品点数を削減するとともに、車体重量を低減することができる。また、フロントランプ制御回路部及びリアランプ制御回路部は、それぞれ第1、第2の基板上に一体的に形成するようにしたので、各回路部の小型化を図ることができ、これによって省スペース化が実現できる。
【0056】
また、第1、第2のスイッチング部に生じる回路異常の有無を検出する第1、第2の異常検出部を備えることにより、第1、第2のスイッチング部に回路異常が生じると、電流を遮断するなどの処理を行うことができる。
【0057】
また、フロントランプ制御回路部をフロントランプ部の近傍に配設し、リアランプ制御回路部をリアランプ部の近傍に配設することにより、各ランプと半導体スイッチング素子を接続する電線の寸法を短縮することができ、これによって電線全体の重量を低減できることから車体重量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用ランプ制御回路の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る自動車用ランプ制御回路の一実施形態を示すブロック図である。
【図3】多重通信部を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る自動車用ランプ制御回路の配線を示す図である。
【図5】従来の自動車用ランプ制御回路の配線を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10 フロントランプ部
20 リアランプ部
31 バッテリー(電源)
40 操作表示部(指示信号出力部)
50 フロントIPS(フロントランプ制御回路部)
51 電源部
60 スイッチング部(第1のスイッチング部)
61〜68 半導体スイッチング素子
70 インテリジェント部
71 過電圧検出部(第1の異常検出部)
72 電流検出部(第1の異常検出部)
73 温度検出部(第1の異常検出部)
74 駆動部
75 多重通信部(第1の多重通信部、第1の制御部)
80 リアIPS(リアランプ制御回路部)
81 電源部
90 スイッチング部(第2のスイッチング部)
91〜97 半導体スイッチング素子
100 インテリジェント部
101 過電圧検出部(第2の異常検出部)
102 電流検出部(第2の異常検出部)
103 温度検出部(第2の異常検出部)
104 駆動部
105 多重通信部(第2の多重通信部、第2の制御部)
GND アースライン
P1 電力線(第1の電力線)
P2 電力線(第2の電力線)
S1 信号線
S2 信号線(多重通信用の信号線)

Claims (1)

  1. 指示信号出力部から出力される自動車のフロントランプ部に配設されたランプ群の動作を指示するフロントランプ指示信号及びリアランプ部に配設されたランプ群の動作を指示するリアランプ指示信号に応じて電源から上記各ランプ部のランプへの電力供給を制御する自動車用ランプ制御回路において、
    フロントランプ制御回路部と、リアランプ制御回路部と、上記電源と上記フロントランプ制御回路部とを接続する第1の電力線と、上記電源と上記リアランプ制御回路部とを接続する第2の電力線と、上記フロントランプ制御回路部と上記リアランプ制御回路部とを接続する多重通信用の信号線とを備え、
    上記フロントランプ制御回路部は、上記フロントランプ部と上記電源との間に設けられ、制御端子に入力される制御信号に応じて上記フロントランプ部の各ランプと上記電源との接続をオン、オフする半導体スイッチング素子からなる第1のスイッチング部と、上記フロントランプ指示信号及びリアランプ指示信号を受信するとともに、受信した上記リアランプ指示信号を上記信号線を介して上記リアランプ制御回路部に送信する第1の多重通信部と、上記第1のスイッチング部に生じる回路異常の有無を検出する第1の異常検出部と、上記受信したフロントランプ指示信号および上記検出した回路異常の有無を用いて上記第1のスイッチング部の半導体スイッチング素子のオン、オフを制御する第1の制御部とが第1の基板上に一体的に形成されてなり、
    上記リアランプ制御回路部は、上記リアランプ部と上記電源との間に設けられ、制御端子に入力される制御信号に応じて上記リアランプ部の各ランプと上記電源との接続をオン、オフする半導体スイッチング素子からなる第2のスイッチング部と、上記リアランプ指示信号を上記信号線を介して受信する第2の多重通信部と、上記第2のスイッチング部に生じる回路異常の有無を検出する第2の異常検出部と、上記受信したリアランプ指示信号および上記検出した回路異常の有無を用いて上記第2のスイッチング部の半導体スイッチング素子のオン、オフを制御する第2の制御部とが第2の基板上に一体的に形成されてなり、
    上記第1、第2の異常検出部は、上記フロントランプ制御回路部およびランプ制御回路部においてそれぞれ、スイッチング部の各素子と各ランプとの間に接続されて上記各素子から各ランプへ流れる電流を検出する電流検出部を有することを特徴とする自動車用ランプ制御回路。
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