JP3734101B2 - ハイパーメディア構築支援装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイパーメディア文書が作成可能なコンピュータやワードプロセッサなどの各種OA機器において、このハイパーメディア文書の構築を支援するハイパーメディア構築支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ハイパーメディアとは、文書(テキスト)や画像、音声などの各種メディアデータをネットワーク(関連網)状にリンク(連結)させたデータ構造をいい、このリンクを辿って種々のメディアを順次表示再生することにより、断片的な各メディア情報を有機的に結び付けて提示することができるようにしたものである。また、ここでは、文書データを中心に、この文書データの各語句などに各種メディアデータ(ハイパーメディア部品)をリンクさせたものをハイパーメディア文書と称する。
【0003】
上記ハイパーメディア文書は、文書データにリンクされる画像データや動画データ、音声データなどを格納するために大きな記憶容量を必要とし、これらの表示再生の際にも高い処理能力が要求される。しかしながら、近年のハードウエアの急速な発達により、このようなハイパーメディア文書も例えばパーソナルコンピュータなどによって容易に取り扱うことができるようになって来ている。しかも、このハイパーメディア文書は、紙上に印刷可能な単なる文書データや画像データなどの組み合わせを超えたフレキシブルかつ表現力豊かな情報提供手段となり得るので、その利用がマルチメディアの分野で大いに期待されている。そして、このためには、誰もが手軽にハイパーメディア文書を構築できるようにするためのハイパーメディア構築支援装置が必要となる。
【0004】
ところで、従来のワードプロセッサなどには、手紙や論文などのほぼ定型の文書の作成を支援するための文書作成支援装置を備えたものがあった。例えば、ワードプロセッサ専用機に設けられた文書作成支援装置は、まず作成文書の目的をメニューから選択し、選択した目的の文書に必要となる固有名詞などを入力したり、その目的に応じた文書形式に沿って提示される文案を選択し、または、例示される文例に基づいて文章を作成することなどにより文書の作成を支援するものであった。しかし、このような文書作成支援装置は、ハイパーメディア文書においては、文書データのみの作成に利用できるものにすぎず、各種メディアとのリンクを行うことによりハイパーメディア文書を構築する際の支援を行うものではなかった。
【0005】
また、特開平5−20362号公報には、複数の文書データからそれぞれ重要なキーワードを抽出すると共に、同一のキーワードが抽出された文書データ間をリンクする操作を自動化した「文書テキスト間の連鎖自動作成システム」の発明が提示されている。しかし、この発明は、いわゆるハイパーテキストを構築する際の支援を行うものであり、マルチメディアとしての画像データや音声データなども含む各種メディアをリンクさせたハイパーメディアを構築するためのものではなかった。
【0006】
さらに、特開平5−2521号公報には、複数のハイパーメディア文書を結合させるための「マルチメディアデータファイルの結合方式」の発明が提示されている。しかし、この発明は、既に構築済みの複数のハイパーメディア文書を結合する際の行位置の調整を短時間で行うためのものであり、ハイパーメディア文書の構築自体を支援するものではなかった。
【0007】
さらに、特開平6−28416号公報には、ハイパーメディア文書にリンクされたメディアデータが多数存在する場合に、ユーザが多くのリンクを無意味に辿ることがないようにした「ハイパーメディア処理装置」の発明が提示されている。しかし、この発明は、構築済みのハイパーメディア文書について重要で優先度の高いリンクをユーザが容易に選択できるようにしたものであり、ハイパーメディア文書の構築自体を支援するものではなかった。
【0008】
したがって、従来は、文書データと共に、この文書データに適した画像や動画および音声などの各種メディアデータをユーザ自身が作成してリンクすることによりハイパーメディア文書を構築する他なかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、画像や動画および音声などのデータの元となる絵画、イラスト、アニメーション、CG[Computer Graphics]、デザイン、写真および映像並びに音楽などの分野は、作者の芸術性やセンスが問われる分野であり、誰もが優れた画像データや音楽データなどを作成し得るものではない。しかも、これらを作成する能力のある人にとっても、画像データや音楽データなどを新たに作成することは極めて手間のかかる作業となる。このため、従来は、ハイパーメディア文書を構築するために、優れた人材と十分な時間が必要となり、作成コストが大きな負担になるという問題があった。
【0010】
また、既存の各種メディアデータを多数用意しておき、これをハイパーメディア部品として自由に文書データにリンクできるようにすれば、上記問題を解消することも可能となる。しかしながら、文書データから語句などを選出すると共に、この語句などに応じたハイパーメディア部品を検索して実際にリンクさせる作業は、リンク数が多くなるほど面倒で煩わしくなるだけでなく、語句などの選択やハイパーメディア部品の選択にある程度の熟練を要するので、全くの素人ではバランスの悪いハイパーメディア文書になり易いという問題もあった。
【0011】
さらに、ハイパーメディア文書は、シナリオに定められた時間に従って文書データの表示や各ハイパーメディア部品の表示再生を行うようにする場合があり、この場合のシナリオの作成も極めて複雑かつ面倒なものになるという問題があった。
【0012】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、誰でもがわずかな手間である程度バランスの良いハイパーメディア文書を構築することができるハイパーメディア構築支援装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のハイパーメディア構築支援装置は、マルチメディア用のコンピュータを用いてハイパーメディア文書の構築を支援するハイパーメディア構築支援装置であって、文書データにハイパーメディア部品をリンクしたハイパーメディア文書の各種設定を定めたパラメータを設定するパラメータ設定手段と、該設定されたパラメータに従って文書データを要素に分解する文章解析手段と、該分解された要素を、該パラメータの設定に従って選択する要素選択手段と、該パラメータの設定に従って選択された要素をキーワードに変換するキーワード変換手段と、多数の各種メディアデータとして、ハイパーメディア部品が格納されてデータベース化されている2次記憶装置と、該変換されたキーワードに基づいて該2次記憶装置からハイパーメディア部品を検索するハイパーメディア部品検索手段と、 該検索されたハイパーメディア部品を文書データ中の対応する要素の位置に関連付けてリンクさせるハイパーメディア部品連結手段とを有し、CPU [Central Processing Unit] が、内部バスを介して主記憶装置内のプログラムおよびデータに基づいて、該パラメータ設定手段、該文章解析手段、該要素選択手段、該キーワード変換手段、該ハイパーメディア部品検索手段および該ハイパーメディア部品連結手段の各機能を実行するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0014】
本発明のハイパーメディア構築支援装置は、マルチメディア用のコンピュータを用いてハイパーメディア文書の構築を支援するハイパーメディア構築支援装置であって、文書データを要素に分解する文章解析手段と、該文章解析手段によって分解された複数の要素を表示すると共に、これらの要素から対話的入力操作により必要な要素のみに絞り込む要素選択手段と、該絞り込まれた要素をパラメータの設定に従ってキーワードに変換するキーワード変換手段と、多数の各種メディアデータとして、ハイパーメディア部品が格納されてデータベース化されている2次記憶装置と、該変換されたキーワードに基づいて該2次記憶装置からハイパーメディア部品を検索するハイパーメディア部品検索手段と、該検索されたハイパーメディア部品を文書データ中の対応する要素の位置に関連付けてリンクさせるハイパーメディア部品連結手段とを有し、CPU [Central Processing Unit] が、内部バスを介して主記憶装置内のプログラムおよびデータに基づいて、該文章解析手段、該要素選択手段、該キーワード変換手段、該ハイパーメディア部品検索手段および該ハイパーメディア部品連結手段の各機能を実行するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0015】
さらに、好ましくは、入力装置からの文字入力を制御して文書データを作成する文書データ入力制御手段を備え、前記文章解析手段が、該文書データ入力制御手段が作成中の文書データについて随時要素に分解する。
【0016】
さらに、好ましくは、本発明のハイパーメディア構築支援装置における文章解析手段によって分解された複数の要素に対し、該複数の要素からパラメータに設定されたリンク数の目安などに基づいて決定された優先順位の高い一部または全部の要素を選択し、該選択した要素のみを前記ハイパーメディア部品検索手段が検索を行う要素とする要素選択手段が設けられる。
【0017】
さらに、好ましくは、本発明のハイパーメディア構築支援装置における要素選択手段が、複数の要素から優先順位の高い一部または全部の要素を選択する際に、文書データごとに設定された変更可能な規則に適合することも考慮する。
【0018】
さらに、好ましくは、本発明のハイパーメディア構築支援装置における要素選択手段が、複数の要素から優先順位の高い一部または全部の要素を選択する際に、既定の規則に適合することも考慮する。
【0020】
さらに、好ましくは、本発明のハイパーメディア構築支援装置におけるハイパーメディア部品検索手段によって検索されたハイパーメディア部品、または、前記ハイパーメディア部品連結手段によってリンクされたハイパーメディア部品を、文書データ中の対応する要素または文字列の位置に関連付けてアイコンによって表示するハイパーメディア部品表現手段が設けられる。
【0021】
さらに、好ましくは、本発明のハイパーメディア構築支援装置におけるハイパーメディア部品検索手段によって検索されたハイパーメディア部品、または、前記ハイパーメディア部品連結手段によってリンクされたハイパーメディア部品を、文書データの表示ウインドウとは異なる別のウインドウに表示するハイパーメディア部品表現手段が設けられる。
【0022】
さらに、好ましくは、本発明のハイパーメディア構築支援装置におけるハイパーメディア部品検索手段によって検索された複数のハイパーメディア部品から、文書データごとに設定された変更可能な規則に基づいて一部または全部のハイパーメディア部品を選択し、該選択したハイパーメディア部品のみを前記ハイパーメディア部品連結手段がリンクを行うハイパーメディア部品とするハイパーメディア部品選択手段が設けられる。
【0023】
さらに、好ましくは、本発明のハイパーメディア構築支援装置におけるハイパーメディア部品検索手段によって検索された複数のハイパーメディア部品から既定の規則に基づいて一部または全部のハイパーメディア部品を選択し、該選択したハイパーメディア部品のみを前記ハイパーメディア部品連結手段がリンクを行うハイパーメディア部品とするハイパーメディア部品選択手段が設けられる。
【0024】
さらに、好ましくは、本発明のハイパーメディア構築支援装置におけるハイパーメディア部品検索手段によって検索された複数のハイパーメディア部品を前記ハイパーメディア部品表現手段によって表示すると共に、これらのハイパーメディア部品表現手段から対話的入力操作により一部または全部のハイパーメディア部品を選択し、該選択したハイパーメディア部品のみを前記ハイパーメディア部品連結手段がリンクを行うハイパーメディア部品とするハイパーメディア部品選択手段が設けられる。
【0025】
さらに、好ましくは、本発明のハイパーメディア構築支援装置におけるハイパーメディア部品連結手段が、ハイパーメディア部品をハイパーメディアのリンク機構を用いてリンクさせる。
【0026】
さらに、好ましくは、本発明のハイパーメディア構築支援装置におけるハイパーメディア部品連結手段が、ハイパーメディア部品を文書データ中の対応する要素または文字列の位置に関連付けてリンクさせる際に、時間軸に沿った再生表示を指示するシナリオを付加する。
【0027】
さらに、好ましくは、本発明のハイパーメディア構築支援装置におけるハイパーメディア部品連結手段によってハイパーメディア部品をリンクされた文書データを表示すると共に、前記ハイパーメディア部品表現手段によって表示されたハイパーメディア部品が入力操作によって指定された場合に、当該ハイパーメディア部品を再生するハイパーメディア表示手段が設けれらる。
【0028】
さらに、好ましくは、本発明のハイパーメディア構築支援装置におけるハイパーメディア部品連結手段によってハイパーメディア部品をリンクされた文書データを表示する際に、前記シナリオに従って該文書データの表示と該ハイパーメディア部品の再生を行うハイパーメディア表示手段が設けられる。
【0029】
上記構成により、以下、その作用を説明する。
【0030】
本発明においては、文章解析手段が文書データを複数の要素に分解することにより、キーワードの元となる語句などの要素を文書データ中からほぼ自動的に切り出すことができる。そして、ハイパーメディア部品検索手段がこれらの要素に対応するキーワードに基づいてハイパーメディア部品を検索すると、ハイパーメディア部品連結手段がこのハイパーメディア部品を文書データ中の対応する要素の位置に関連付けてリンクさせる。したがって、例えばユーザが既存の文書データを指定するだけで、この文書データに各種メディアのサンプルなどをリンクさせたハイパーメディア文書をほぼ自動的に構築することができるようになる。
【0031】
また、上記構成により、作成中の文書データについても、例えば一連の文字列が入力されると、この文字列をリアルタイムに要素に分解して直ちにハイパーメディア部品の検索とリンクを行うことができるので、文書を作成しながら同時にこの文書のハイパーメディア化を図ることができるようになる。
【0032】
さらに、上記構成により、文書データが要素への分解が不要な1または2以上の文字列のみで構成される場合には、文章解析手段による要素の分解処理を行うことなく直接ハイパーメディア部品の検索とリンクを行いハイパーメディア化を図ることができる。
【0033】
さらに、上記構成により、文章解析手段が分解した複数の要素から優先順位の高い要素のみを選択し、この要素についてのみハイパーメディア部品の検索を行うので、不必要なハイパーメディア部品やほとんど無関係のハイパーメディア部品が検索される煩雑さを解消することができる。
【0034】
さらに、上記構成により、文書データごとに定めた任意の規則に適合するように要素の選択を行うので、文書データの内容に応じた個別の規則によって要素を選択することができるようになる。
【0035】
さらに、上記構成により、ハイパーメディア文書に共通の規則に適合するように要素の選択を行うので、例えばハイパーメディア部品のメディアの種類が偏ったり、ハイパーメディア部品のリンク位置が偏るようなバランスの悪いものとなるのを防止することができる。
【0036】
さらに、上記構成により、文章解析手段が分解した複数の要素からユーザが対話的(interactive)な入力操作によってハイパーメディア部品と結合すべき要素を自由に選択できるので、このユーザの意図をより的確に反映したハイパーメディア化を図ることができるようになる。なお、この場合、ユーザは、要素を選択するために入力操作が必要となるが、ユーザ自身が文書データを読んで順次要素を切り出す手間に比べれば、自動的に提示された複数の要素の候補からいずれか1または2以上の要素を選択するだけで済むので、はるかに少ない労力で要素の切り出しが可能となる。また、複数の要素をユーザに提示する際には、上記優先順位が高い順に表示したり、文書データごとの規則や既定の規則によって予め選択された要素のみを表示することにより、選択手間をさらに軽減することもできる。
【0037】
さらに、上記構成により、文書データ中の各要素について、ハイパーメディア部品が検索されたことやリンクされたことを、当該要素位置付近に表示されたアイコンによってユーザが知ることができるようになる。
【0038】
さらに、上記構成により、文書データ中の各要素について、ハイパーメディア部品が検索されたことやリンクされたことを、ウインドウ表示によってユーザが知ることができるようになる。
【0039】
さらに、上記構成により、文書データ中の各要素について複数のハイパーメディア部品が検索された場合に、文書データごとに定めた任意の規則に基づいてこのハイパーメディア部品を選択するので、文書データの内容に応じた選択を行うことができるようになる。
【0040】
さらに、上記構成により、文書データ中の各要素について複数のハイパーメディア部品が検索された場合に、ハイパーメディア文書に共通の規則に基づいてこのハイパーメディア部品を選択するので、偏った選択が行われるのを防止してバランスの良いハイパーメディア文書を構築することができる。
【0041】
さらに、上記構成により、文書データ中の各要素について複数のハイパーメディア部品が検索された場合に、ユーザが対話的な入力操作によって任意のハイパーメディア部品を自由に選択できるので、このユーザの意図をより的確に反映したハイパーメディア化を図ることができるようになる。なお、この場合も、ユーザは、ハイパーメディア部品を選択するために入力操作が必要となるが、選択だけのわずかな労力で足りる。
【0042】
さらに、上記構成により、ハイパーメディア部品を通常のハイパーメディアのリンク機構を用いて文書データの当該要素位置に結合させることができる。
【0043】
さらに、上記構成により、ハイパーメディア部品をリンクする際にシナリオを付加することにより、各ハイパーメディア部品を時間軸に沿って順次表示再生することができるので、より表現力の高いハイパーメディア文書を構築することができるようになる。
【0044】
さらに、上記構成により、ユーザの入力操作によってハイパーメディア部品を適宜表示再生することにより静的なハイパーメディア文書の表示再生を行うことができるようになる。
【0045】
さらに、上記構成により、シナリオに従って元の文書データと各ハイパーメディア部品を時間軸に沿って順に表示再生することにより動的なハイパーメディア文書の表示再生を行うことができるようになる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0047】
図1〜図29は本発明の第1の実施の形態を示すものであって、図1はハイパーメディア構築支援装置の構成を示すブロック図、図2は文書データの表示例を示す図、図3はハイパーメディア文書の表示例を示す図、図4はシナリオ付きのハイパーメディア文書の表示例を示す図、図5はシナリオ付きのハイパーメディア文書の表示例を示す図、図6は文書データの例を示す図、図7はハイパーメディア文書の例を示す図、図8はハイパーメディア構築支援装置のハードウエア構成を示すブロック図、図9は表示再生処理部の動作を示す図、図10はハイパーメディア編集部の構成を示すブロック図、図11はパラメータの例を示す図、図12はパラメータ処理部の動作を示すフローチャート、図13はパラメータの格納例を示す図、図14はパラメータ処理部の他の動作を示すフローチャート、図15はパラメータ処理部の選択画面を示す図、図16は文章解析部の動作を示すフローチャート、図17は要素選択部の動作を示すフローチャート、図18はキーワード変換部の動作を示すフローチャート、図19はハイパーメディア部品表現部とハイパーメディア部品選択部の動作を示すフローチャート、図20はハイパーメディア部品選択部の動作を示すフローチャート、図21はハイパーメディア部品連結部の動作を示すフローチャート、図22はハイパーメディア文書のフォーマットを示す図、図23はリンク部品の構成を示す図、図24はハイパーメディア部品連結部の他の動作を示すの動作を示すフローチャート、図25はシナリオの構造を示す図、図26はシナリオの構造を示す図、図27はシナリオの構造を示す図、図28はシナリオの構造を示す図、図29はハイパーメディア文書の格納例を示すブロック図である。
【0048】
まず、ハイパーメディア文書について、簡単な例に基づいて説明を行う。図2に示すような手紙の文書データを本実施の形態のハイパーメディア構築支援装置によって処理すると、例えば図3に示すようなハイパーメディア文書が作成される。このハイパーメディア文書は、文書データの文を文節ごとに分解したものを要素とし、各要素ごとにアンダーラインを付加して表示される。また、一部の要素のアンダーラインの下には「☆」マークの後に英字を付したアイコンが表示される。「☆V」のアイコンは、効果音となる音声データのハイパーメディア部品がリンクされていることを示し、「☆I」のアイコンは、イラストとなる画像データのハイパーメディア部品がリンクされていることを示し、「☆M」のアイコンは、要素の文字が変化するモーフィングを実行するためのハイパーメディア部品がリンクされていることを示す。そして、これらのアイコンをマウスでクリックしたりペンでタッチすることによりハイパーメディア部品が表示再生される。即ち、例えば「☆V」のアイコンをマウスクリックした場合には、リンクされた音声データが再生されて効果音を発することになる。
【0049】
ハイパーメディア部品は、通常は音声データなどのメディアデータからなるが、これらのデータにはオブジェクトとして操作手段が対応付けられている。したがって、マウスクリックなどにより例えば音声データを呼び出した場合には、対応する音声再生プログラムが起動されることによりこの音声データが再生される。なお、このハイパーメディア部品は、上記「☆M」のモーフィングの場合などのように、要素の文字に対する操作手段のみからなるようなものであってもよい。音声データやここでは例示しなかった動画データなどのハイパーメディア部品は、一定の再生時間を要するために時間属性を有する。しかし、画像データなどのハイパーメディア部品は、静止画を表示するものであるため、時間属性を有さない。
【0050】
図4および図5にシナリオ付きのハイパーメディア文書を示す。このハイパーメディア文書は、文章が時間の経過と共に先頭の「前略」から順に表示される。しかも、ここでは、ボールのイラストが各行ごとに画面左端から右方向に跳ねるに従って文字も順に表示されるようになっている。図4では、3行目の画面左端からボールが現れ、「わたしは」の文字まで表示された状態を示す。また、図5は、このボールが跳ねながら右方向に移動し、「元気です」の文字まで表示された状態を示す。そして、この「元気です!」の文字が表示されると、「☆V」のアイコンでリンクされた音声データが自動的に再生されて効果音を発することになる。
【0051】
ただし、以降の説明では、図6に示す文書データAを図7に示すハイパーメディア文書Bに変換する場合について説明する。このハイパーメディア文書Bでは、文書データA中の「動画」の語句に動画データCがリンクされ、「音声」と「音楽」の語句に音響データDがリンクされ、「絵」の語句に静止画データEがリンクされるものとする。これら動画データC、音響データDおよび静止画データEは、いずれもハイパーメディア部品である。なお、図7では、リンクされた各語句にアイコンを付加する代わりに、枠線で囲んだ表している。
【0052】
本実施の形態のハイパーメディア構築支援装置は、図8に示すように、マルチメディア用のコンピュータを用いて構成される。このコンピュータは、CPU[Central Processing Unit]101に内部バス102を介して主記憶装置103と2次記憶装置104と入力装置105と表示装置106と通信インターフェース107などが接続されている。主記憶装置103は、プログラムやデータを格納する半導体記憶装置からなる。2次記憶装置104は、ハイパーメディア部品などの各種メディアデータが格納されるために大容量のハードディスク装置やMD[Mini Disk]などの光ディスク装置などが用いられ、文書データやハイパーメディア文書およびパラメータなども格納されるようになっている。入力装置105としては、文字入力のためのキーボードの他に、マウス、ペンおよびタッチパネルなどのポインティングデバイス(座標入力装置)やイメージスキャナなどの画像入力装置を備えている。表示装置106は、カラー画像が表示可能なビットマップ方式のCRT[Cathode Ray Tube]ディスプレイやLCD[Liquid Crystal Display]ディスプレイが用いられる。
【0053】
また、上記内部バス102には、音声や音楽を出力するスピーカを備えた音響出力装置108と、音声を入力するマイクロフォンを備えた音声入力装置109が接続されている。さらに、この内部バス102には、画像処理用ハードウエア110が接続されている。この画像処理用ハードウエア110は、カラー動画像をMPEG[Moving Picture Experts Group]規格で圧縮した動画データを高速に復号化するためのMPEG用LSIや、カラー静止画像をJPEG[Joint Photographic Experts Group]規格によって圧縮した静止画データを高速に復号化するためのJPEG用LSIなどからなる。
【0054】
上記ハードウエアを用いた本実施の形態のハイパーメディア構築支援装置の構成を図1に基づいて説明する。このハイパーメディア構築支援装置は、制御処理部1とハイパーメディア編集部2を備えている。制御処理部1は、各種制御処理を行うプログラム群であり、ハイパーメディア編集部2は、文書データをハイパーメディア文書に変換するプログラム群である。文書データは、入力装置105のキーボード105aから入力装置制御部3を介して入力された文字を制御処理部1で編集し、記録装置制御部4によって2次記憶装置104に格納することができる。また、この文書データは、他のワードプロセッサやテキストエディタなどの文書作成装置を用いて作成したものを2次記憶装置104に格納するようにしてもよい。入力装置制御部3は、この文書データの作成のためのキーボード105aを用いた文字入力の他、後に説明するパラメータ入力やマウス105bなどを用いた選択の指示などの種々の入力処理を行うことができる。入力装置制御部3と記録装置制御部4は、入力装置105や2次記憶装置104との入出力インターフェース回路とBIOS[Basic Input/Output System]などによって構成される。
【0055】
2次記憶装置104に格納された文書データは、記録装置制御部4によって読み出され、制御処理部1を介してハイパーメディア編集部2に送られハイパーメディア文書に変換される。そして、このハイパーメディア文書は、制御処理部1を介して記録装置制御部4に戻され2次記憶装置104に格納される。また、これらの文書データやハイパーメディア文書は、制御処理部1から表示装置制御部5を介して表示装置106に送られ表示される。この表示装置制御部5と表示装置106は、この他に、ハイパーメディア部品の表示やパラメータ入力の入力画面および各種選択画面などの表示にも用いられる。表示装置制御部5は、表示装置106との入出力インターフェース回路とBIOSなどによって構成される。
【0056】
上記制御処理部1には、パラメータ処理部11とリンク処理編集部12と表示再生処理部13とが設けられている。パラメータ処理部11は、2次記憶装置104に格納されるパラメータの設定をキーボード105aなどからの入力に基づいて修正するプログラムである。ハイパーメディア編集部2が文書データをハイパーメディア文書に変換する際には、各種の規則に従って種々の処理を行う。そして、これらの規則のうちで全てのハイパーメディア文書一般に共通する既定の規則は、各種ルールとして予め2次記憶装置104に格納されている。しかし、これらの規則の中には、文書データの内容に応じて変更すべきものやユーザの好みに応じて変更したいものがある。そこで、このような規則は、パラメータとして文書データごとに設定を変更することができるようにしている。なお、このパラメータ処理部11の処理内容については後にさらに詳細に説明する。
【0057】
リンク処理編集部12は、ハイパーメディア編集部2が文書データにハイパーメディア部品をリンクしてハイパーメディア文書を作成する際の文書データに付加すべき情報の処理を行うプログラムである。また、このリンク処理編集部12は、ハイパーメディア編集部2が要素テーブル管理部6に作成した要素テーブルを参照して、この付加情報の処理を行う。要素テーブル管理部6は、要素テーブルを格納するデータ領域を有し、ここで各要素を管理すると共に、これらの要素の優先順位やリンクの候補となるハイパーメディア部品のファイル名やID(識別符号)を管理するプログラムである。
【0058】
表示再生処理部13は、ハイパーメディア編集部2が作成したハイパーメディア文書を表示装置106などの出力装置で表示再生する際の制御処理を行うプログラムである。この表示再生処理は、ハイパーメディア文書がシナリオなしかシナリオ付きかによって処理内容が異なる。例えば、図7に示したハイパーメディア文書Bの場合、図9に示すように、シナリオが付かないときは、まずステップ(以下「S」という)1で最初の頁の文章とアイコンを画面に表示し、次にユーザの入力操作のイベント待ち状態とする(S2)。ここで、ユーザが次頁の表示を指示する操作を行うと、画面表示が次頁の文章に切り替わり、順次頁をめくるようにしてこの文章を読み進めることができる。また、マウス105bなどの操作によって例えば「動画」のアイコンを指定すると、この「動画」にリンクされた動画データCが所定時間再生されてから(S3)、再びS2のイベント待ち状態に戻る。したがって、シナリオなしのハイパーメディア文書Bの場合には、ユーザが興味のある語句にリンクされたハイパーメディア部品のみを任意に指定して表示再生させることができ、ハイパーメディア部品のリンクを静的に利用することになる。
【0059】
また、ハイパーメディア文書Bがシナリオ付きの場合には、文章を最初の頁の先頭から順に表示する(S4)。この文章の順次表示のスピードは、シナリオに任意に設定することができる。そして、この文章の表示がまず「動画」の語句に達すると(S5)、この「動画」にリンクされた動画データCが所定時間再生されてから(S6)、再び文章の順次表示に戻る。次に、この文章の表示が「音声」の語句に達すると(S7)、この「音声」にリンクされた音響データDが所定時間再生されてから(S8)、再び文章の順次表示を続行する。したがって、シナリオ付きのハイパーメディア文書Bの場合には、シナリオに設定された時間の経過に伴って文書データAやハイパーメディア部品が順次表示再生されることになる。
【0060】
図1に示すハイパーメディア編集部2は、文書データをまず文章解析部21で要素に分解する。この文章解析部21は、要素への分解を自動的に行ってもよいし、ユーザがキーボード105aやマウス105bなどを用いて対話的な入力操作によって指定した語句のみを要素として分解することもできる。自動的に分解を実行する場合には、パラメータの設定などに従って、文書データの文章を節、文節若しくは単語またはブロック、フレーム、パラグラフ若しくはワードなどの単位で要素に分解する。また、この分解の手法としては、機械翻訳などの自然言語処理で用いられる形態素解析や統語解析(構文解析)による文章構造の解析に基づく処理の他、仮名漢字変換プログラムなどの前処理で用いられる分かち書き処理、句読点や記号、スペースなどで文章を区切る処理、または、その他の既定の規則やパラメータの設定に基づく処理などの各種アルゴリズムを用いることができる。なお、この文章解析部21については後にさらに詳細に説明する。
【0061】
上記文章解析部21で分解された要素は、要素選択部22で必要な要素のみを選択する絞り込みが行われる。文章を分解して得た要素は、通常は数が多いために以降の処理に長時間を要するおそれがあり、しかも、無意味なものが含まれている場合が多いので、このような絞り込みが必要となる。この要素の選択は、パラメータの設定などに従って自動的に行ってもよいし、ユーザが対話的入力操作によって選択してもよい。なお、この要素選択部22についても後にさらに詳細に説明する。
【0062】
上記要素選択部22で選択された要素は、キーワード変換部23でパラメータの設定などに従ってキーワードに変換される。文章を分解して得た要素は、その語句がそのままデータベースのキーワードインデックスに存在するとは限らず、意味は同じでも表記が異なる同義語などが掲げられている場合がある。そこで、検索を行うためには、このような要素を適当なキーワードに変換する必要がある。このキーワードの変換手法としては、意味ベクトルの近いものをキーワードとする処理、類語辞書を用いて要素の周辺の類義語をキーワードとする処理、または、要素の語句の上位概念、下位概念および類義語の関係を定めたシソーラスを用いてキーワードを定める処理などがある。ただし、場合によっては選択された要素をそのままキーワードとすることもできる。
【0063】
各要素が上記キーワード変換部23でキーワードに変換されると、このキーワードを用いてハイパーメディア部品検索部24でハイパーメディア部品の検索が行われる。ハイパーメディア部品は、サンプルとして提供された多数の各種メディアデータであり、2次記憶装置104に格納されてデータベース化されている。ここでのデータベースは、スキーマによって構造化された通常のデータベースではなく、種々のメディアデータを扱ういわゆるマルチメディアデータベースであり、検索の対象となるキーワードがキーワードインデックスに抽出されている。このようなマルチメディアデータベースの検索は、例えば特開平6−28416号公報に開示された「マルチメディア情報検索システム」などがあり、既存の任意の手法を用いることができる。ただし、ハイパーメディア部品は、このようなデータベースに限らず任意の構造で格納することができる。また、これらのハイパーメディア部品は、ユーザの操作によって内容を修正することも可能であり、新規に作成することもできる。なお、図1では、ハイパーメディア部品検索部24が直接2次記憶装置104のデータベースにアクセスするように記述されているが、実際には、記録装置制御部4を介してアクセスが行われる。
【0064】
上記ハイパーメディア部品検索部24で検索された1個または2個以上のハイパーメディア部品は、ハイパーメディア部品表現部25でその内容が視角的に認識できるように表示される。即ち、検索されたハイパーメディア部品の内容やメディアの種類を表すアイコンを対応する要素の下に表示したり、ウインドウシステムの場合には、各ハイパーメディア部品をそれぞれ別ウインドウに表示する。また、動画データや音声データなどの場合には、これをユーザの操作によって個別に再生することもできるようにする。このハイパーメディア部品表現部25による表示は、選択された要素を指定することにより要素ごとに実行してもよいし、1画面分の全要素または文書データ中の全要素に対応するハイパーメディア部品のアイコンなどを一斉に表示するようにしてもよい。
【0065】
上記ハイパーメディア部品表現部25がハイパーメディア部品のアイコンなどを表示すると、ハイパーメディア部品選択部26で各要素ごとに実際にリンクするハイパーメディア部品を選択する。ハイパーメディア部品検索部24が検索したハイパーメディア部品を全てリンクさせる場合には、これらハイパーメディア部品表現部25とハイパーメディア部品選択部26の処理は不要となる。しかし、ハイパーメディア部品検索部24で検索されたハイパーメディア部品が多すぎたり、無意味なものが検索される場合もあるので、選択による絞り込みが必要となる。このハイパーメディア部品選択部26でのハイパーメディア部品の選択は、パラメータの設定などに従って自動的に行ってもよいし、ユーザが対話的入力操作によって選択してもよい。ただし、自動的に選択を行う場合には、ハイパーメディア部品表現部25でのハイパーメディア部品のアイコンなどの表示は必ずしも必要ではない。なお、このハイパーメディア部品選択部26についても後にさらに詳細に説明する。
【0066】
上記ハイパーメディア部品選択部26で選択されたハイパーメディア部品は、ハイパーメディア部品連結部27で対応する要素にリンクされる。このリンク手法としては、通常のハイパーメディアで用いる動的なリンク機構を用いることができるが、例えば直接ハイパーメディア部品をハイパーメディア文書Bの該当箇所にコピーするような静的な方法を用いることも可能である。ハイパーメディア部品は、通常は対応する要素の下にアイコンを表示することによりリンクされたことを明示する。
【0067】
また、上記ハイパーメディア部品連結部27では、ハイパーメディア部品をリンクさせる際に時間軸に沿った再生表示を指示するシナリオを付加することもできる。このシナリオの内容は、パラメータの設定などに従って自動的に作成することもできるし、新規に作成したりサンプルなどに基づいて適宜修正して編集することもできる。シナリオの編集は、画面に文章中の要素が現れるたびに実行する他、ユーザが編集を行うハイパーメディア部品を操作によって逐次指定するようにしてもよい。なお、このハイパーメディア部品連結部27についても後にさらに詳細に説明する。
【0068】
上記パラメータ処理部11とハイパーメディア編集部2について、以下に詳細に説明する。ハイパーメディア編集部2は、図10に改めて示すように、例えば文書データAをハイパーメディア文書Bに変換するためのプログラム群である。また、この際、既定の各種ルールやパラメータを参照すると共に、ハイパーメディア部品のデータベースの検索を行う。
【0069】
パラメータは、例えば図11に示すように、当該ハイパーメディア文書についての各種設定を定めたものであり、この内容をパラメータ処理部11で設定および変更することができる。図11に示すパラメータは、例えば1文書データ中の動画データのリンク数を3程度とし、再生時間は5分程度とし、要素の分解の単位を「単語」とし、キーワードへの変換の際のマッチング度を0.3以上に限るなどの設定が行われている。
【0070】
〔パラメータ処理部11〕
パラメータ処理部11は、図12に示すように、まず前回のパラメータの設定内容を呼び出し(S11)、これを表示装置106の画面に表示する(S12)。既存のパラメータの設定内容は、図13に示すパラメータインデックス中の各ポインタが指し示す領域に格納されているので、これに基づいて前回の設定内容を呼び出すことができる。また、当該ハイパーメディア文書についての最初のパラメータ設定の場合には、予め設定された既定値のパラメータの内容が呼び出される。図13では、パラメータインデックス中の「default」で表したポインタがパラメータの既定値の設定内容をポイントしている状態を示す。なお、このパラメータの設定は、主記憶装置103の書き換え可能な不揮発性領域(EEPROM[Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory]など)や2次記憶装置104に格納される。パラメータが表示されると、ユーザの操作による設定の変更を受け付け(S13)、変更があった場合には(S14)、この変更後の新たなパラメータの設定内容を格納し(S15)、変更がなかった場合にはそのまま処理を終了する。
【0071】
また、このパラメータ処理部11は、上記のようにパラメータを各項目ごとに設定するのではなく、何種類かの設定例を選択するようにしてもよい。即ち、図14に示すように、まず複数種類のパラメータ例を画面に表示する(S21)。パラメータ例は、各項目の設定内容を逐一表示するのではなく、図15に示すように、「ニュース放送調」や「映画調」というような抽象的な名称で表す。そして、ユーザの操作によりこれらのパラメータ例からいずれかを選択し(S22)、選択されたパラメータ例の各項目の具体的な設定内容(例えば図11に示すような設定内容)を呼び出すと共に(S23)、これを新たなパラメータの設定内容として格納する(S24)。したがって、ユーザは、パラメータを個々の各項目ごとに設定しなくても、大まかなハイパーメディア文書の傾向を簡易に決定することができ、操作の手間を大幅に軽減することができる。
【0072】
〔文章解析部21〕
ハイパーメディア編集部2における文章解析部21は、図16に示すように、まず文書データを呼び出し(S31)、パラメータの設定に従ってこの文書データの文章を要素に分解する(S32)。要素の分解は、先に例示したような各種のアルゴリズムを適宜利用することができる。パラメータには、分解する要素の単位などを設定する。例えば図11に示したパラメータの場合には、分解する要素の単位を「単語」に設定している。これ以外の要素の単位としては、先に例示したように、文や文節またはパラグラフやブロック若しくはフレームなどがある。このようにして要素の分解が完了すると、これら要素と文書データの関係情報の整理が行われて(S33)、例えば表1に示すように、各要素をリストアップした要素テーブルが図1に示した要素テーブル管理部6に作成される。
【0073】
【表1】
【0074】
なお、表1の要素テーブルでは各要素が単にリストアップされているが、要素テーブル管理部6は、これら各要素と文書データA中の位置との対応関係も管理している。そして、この関係情報の整理が完了すると、処理を要素選択部22に移行する。
【0075】
〔要素選択部22〕
要素選択部22は、図17に示すように、まず文書データと要素情報を呼び出し(S41)、多数の要素の中からいくつかの要素を選択して絞り込みを行う(S42)。要素の選択は、例えば各要素に優先順位を設定して、この優先順位が高い順に抽出することにより行う。優先順位は、パラメータに設定されたリンク数の目安などに基づいて決定される要素選択ルールなどに従って設定する。例えば動画を豊富に利用するために動画データのリンク数を大きく設定している場合には、この動画データのハイパーメディア部品に多く用いられるキーワードに関連する語句の要素ほど優先順位を高く設定する。この優先順位を設定した要素テーブルの例を表2に示す。
【0076】
【表2】
【0077】
なお、ハイパーメディア部品に多く用いられるキーワードは、このハイパーメディア部品のデータベースにおける表3に示すようなキーワードインデックスを参照することにより容易に知ることができる。
【0078】
【表3】
【0079】
また、例えば既定の規則により1頁のハイパーメディア部品のリンク数が制限されているような場合には、同じ文の中から複数の要素を選択するよりは、異なる文から要素を選択できる場合の方を優先するような処理を行うこともできる。このようにして要素が選択されると、選択した要素と文書データの関係情報を整理してから(S43)、処理をキーワード変換部23に移行する。
【0080】
ところで、例えば文書データAにおける「近年、動画、音声、音楽、絵…」の文字列は、まず読点ごとに「近年」と「動画」と「音声」と「音楽」と「絵」とに分解されると共に、さらに「近」と「年」と「動」と「画」と「音」と「声」と「音」と「楽」と「絵」とに分解される場合があり、同一の文字列が互いに重なり合った複数の要素に分解される。そして、このような場合には、一般により文字数の多い要素を優先するように選択するのが好ましい。もっとも、このような問題は、上記文章解析部21において要素の分解を行う際に、分かち書き処理の最長一致法を採用すれば解消される。最長一致法は、例えば要素を単語ごとに分解する場合、単語辞書の見出し語との一致が最長となる文字列を切り出すようにする分かち書き処理では周知の手法である。
【0081】
〔キーワード変換部23〕
キーワード変換部23は、図18に示すように、まず選択された要素情報を呼び出し(S51)、各要素ごとにマッチング処理を行う(S52)。マッチング処理は、キーワードシソーラスや類語辞書を要素の語句で検索し、その語句の上位概念や下位概念および類義語をキーワードとして抽出する処理である。キーワードシソーラスは、表4に示すように、例えば「画像」に対する類義語として「動画」や「静止画」、「カラー画像」、「映画」などの語句を関係付けたものであり、
【0082】
【表4】
【0083】
具体的には日本科学技術センター(JICST)のオンライン検索システム(JOIS)に用いられるシソーラス辞書などが利用できる。また、キーワードとして抽出する類義語などの範囲は、このキーワードの重み付けが図11に示したパラメータのマッチング度の設定範囲内に限るようにすればよい。1つの要素に対して複数のキーワードが抽出された場合には、各キーワードの重み付けと共に、これらを要素ごとのキーワード群として抽出する。ここで、各要素ごとに抽出されたキーワードの例を表5に示す。
【0084】
【表5】
【0085】
なお、この表5では、優先順位が1以上の要素が全て選択されたものとして、これらについてキーワードを抽出している。キーワードの抽出が完了すると、このキーワードを各要素に対応させて設定し(S53)、処理をハイパーメディア部品検索部24に移行する。
【0086】
〔ハイパーメディア部品検索部24〕
ハイパーメディア部品検索部24は、キーワード変換部23で変換されたキーワードに基づいてハイパーメディア部品のデータベースの検索を行う。この検索には、先に説明したように、従来からの任意の手法を用いることができる。そして、このハイパーメディア部品検索部24によって各要素ごとにハイパーメディア部品が検索されると、処理をハイパーメディア部品選択部26に移行する。
【0087】
〔ハイパーメディア部品表現部25,ハイパーメディア部品選択部26〕
ハイパーメディア部品選択部26は、図19に示すように、まず検索されたハイパーメディア部品の候補テーブルと文書データの関係情報を呼び出し(S61)、ハイパーメディア部品表現部25によってハイパーメディア部品の候補を表示する(S62)。ハイパーメディア部品の候補テーブルは、表6に示すように、各要素ごとに検索によって選出されたハイパーメディア部品のID(ファイル名などでもよい)を列挙したものである。
【0088】
【表6】
【0089】
ハイパーメディア部品表現部25は、この候補テーブルに列挙されたハイパーメディア部品のアイコンを文書データ中の対応する要素の下に表示することにより関連を明示する。また、上記のようにこれらの各ハイパーメディア部品を別ウインドウに表示するようにしてもよい。また、候補となるハイパーメディア部品は、要素ごとに表示したり、全てを一斉に表示することもできる。ハイパーメディア部品の候補がこのように表示されると、要素ごとにユーザの操作によっていくつかのハイパーメディア部品を選択する(S63)。ハイパーメディア部品検索部24でのキーワードによる検索では、必ずしも適切なハイパーメディア部品のみが検索されるとは限らない。したがって、ここでは、候補として列挙された中から1または2以上のハイパーメディア部品をユーザが手操作によって選択するようにしている。各要素ごとに選択したハイパーメディア部品の例を表7に示す。
【0090】
【表7】
【0091】
ただし、ここでは各要素ごとに1つのハイパーメディア部品のみを選択したものとする。このようにして各要素ごとにハイパーメディア部品が選択されると、選択したハイパーメディア部品と文書データの関係情報を整理して(S64)、処理をハイパーメディア部品連結部27に移行する。
【0092】
また、上記では、ハイパーメディア部品選択部26がユーザの手操作によってハイパーメディア部品を選択する場合を示したが、この選択を自動的に行うこともできる。この場合、ハイパーメディア部品選択部26は、図20に示すように、まず検索されたハイパーメディア部品の候補テーブルと文書データの関係情報を呼び出し(S71)、パラメータの部品選択ルールなどに従ってハイパーメディア部品の選択を行う(S72)。部品選択ルールは、上記要素選択ルールと同様のものであり、パラメータの設定に応じて動画データを優先したり、1頁のリンク数の制限に適合させるような選択処理を行う。このようにして各要素ごとにハイパーメディア部品が選択されると、選択したハイパーメディア部品と文書データの関係情報を整理して(S73)、処理をハイパーメディア部品連結部27に移行する。なお、本実施の形態は、全自動による処理を目指すものではないので、ハイパーメディア部品のより良い選択を行うためには、図19に示すような手操作による処理が好ましい。
【0093】
〔ハイパーメディア部品連結部27〕
ハイパーメディア部品連結部27は、図21に示すように、まず選択したハイパーメディア部品と文書データの関係情報を呼び出し(S81)、各ハイパーメディア部品のリンク情報の付加処理を行う(S82)。リンク情報の付加処理には、通常のハイパーメディアのリンク機構を用いて、ハイパーメディア文書のフォーマットに従い各ハイパーメディア部品のIDを順次格納することにより行われる。本実施の形態のハイパーメディア文書のフォーマットは、図22に示すような構成となっている。即ち、ハイパーメディア文書の各頁ごとのシート部品におけるシート部品コンテントのエントリブロックのエントリ情報内にオブジェクトIDを格納することによりリンク処理が行われる。オブジェクトIDは、図23に示すオブジェクトとしてのリンク部品を識別するためのものであり、このリンク部品のリンク先の欄によってリンクするハイパーメディア部品が指し示されることになる。このようにしてハイパーメディア文書が作成されると、これを2次記憶装置104に格納して(S83)、ハイパーメディア構築支援装置の処理を完了する。
【0094】
また、ハイパーメディア文書がシナリオ付きの場合には、上記ハイパーメディア部品連結部27での処理の際にシナリオを作成する必要がある。この場合、ハイパーメディア部品連結部27は、図24に示すように、まずシナリオの自動生成を行う(S91)。このシナリオは、例えば頁ごとの所要時間がパラメータの再生時間の設定にほぼ沿うように定めると共に、既定のシナリオのルールに従って自動的に生成させる。そして、選択したハイパーメディア部品と文書データの関係情報を呼び出し(S92)、各ハイパーメディア部品のリンク情報の付加処理を行うと共に、時間情報をシナリオに挿入する処理を行う(S93)。例えば文章中の要素が表示されてこれにリンクされたハイパーメディア部品が再生されると、この再生に要する時間だけ以降の文章の表示をずらす必要が生じる。このため、これらの時間の調整を時間情報の挿入処理によって行う。ただし、静止画データや注釈用文書データなどのハイパーメディア部品は時間属性を有さないので、これらの場合には時間調整は不要である。
【0095】
本実施の形態のハイパーメディア文書におけるシナリオの構造を図25〜図28に示す。図25に示すように、ハイパーメディア文書の各頁(シーン)のデータは、シーンリスト71に順次格納される。シーンリスト71の各データは、行データの欄によって行リスト72中のデータの開始位置を指定する。行リスト72の各データは、複合数の欄が0の場合には1行分のデータとなるが、複合数が例えば2の場合には3つのデータで1行分となる。この行リスト72の各データのアクターデータの欄は、図26に示すように、アクターリスト73中のデータの開始位置を指定する。また、このアクターリスト73の各データの入力点データの欄は、入力点リスト74のデータの開始位置を指定する。入力点リスト74の各データは、アクターの表示座標位置や動きを定めたデータである。そして、この入力点リスト74の各データの中間点特性データの欄に数字が設定されている場合には、図27に示すように、中間点特性データ75のデータの開始位置を指定する。この中間点特性データ75は、動きに応じて放物線や曲線のものがあり、これによってアクターに例えばボールが飛び跳ねるような動作を行わせることができる。さらに、図28に示すように、シーンリスト71の各データのジャンプfromの欄は、ジャンプリストのジャンプfromリスト76のデータの開始位置を指定し、このジャンプfromリスト76の各データのtoデータの欄は、ジャンプtoリスト77のデータの開始位置を指定する。また、シーンリスト71の各データのスクリプトデータの欄は、スクリプトリスト78のデータの開始位置を指定し、再生インデックスの欄は、再生インデックスリスト79のデータの開始位置を指定する。
【0096】
上記のようにしてリンク情報の付加とシナリオへの時間情報の挿入が完了すると、このハイパーメディア文書を2次記憶装置104に格納して(S94)、ハイパーメディア構築支援装置の処理を完了する。このようにして2次記憶装置104上に格納されたハイパーメディア文書の例を図29に示す。2次記憶装置104では、インデックスのヘッダにハイパーメディア部品C,Eとハイパーメディア文書D,Fの各ファイルの管理情報が格納される。また、このインデックスにはアイコンデータも格納される。オブジェクトファイルには、これらハイパーメディア部品C,Eとハイパーメディア文書D,Fの各ファイルの実体が格納されている。ハイパーメディア文書Dには、作成元となった文書データAの他に、画像データなどのメディアデータも直接含まれている。そして、このハイパーメディア文書Dは、ハイパーメディア部品C,Eにリンクしている。また、ハイパーメディア文書Fは、作成元となった文書データBを含むと共に、ハイパーメディア部品E,Hにリンクしている。ハイパーメディア部品C,Eは、いずれも独立のファイルであり、ここではハイパーメディア部品Eがハイパーメディア文書D,Fに共有されることになる。ハイパーメディア部品Hは、MDなどの光ディスク装置111に格納された独立のメディアデータであり、同じ光ディスク装置111内に格納されたハイパーメディア文書Iからもリンクされている。そして、この光ディスク装置111のインデックスには、ハイパーメディア文書Gとハイパーメディア部品Hの各ファイルの管理情報が格納されている。
【0097】
上記構成により、本実施の形態のハイパーメディア構築支援装置は、文書データに基づいて、わずかな手間である程度まとまりのある見栄えのするハイパーメディア文書を作成することができるので、今後ますます活用が期待されるこれらハイパーメディア文書の作成時のユーザの負担を大幅に軽減することができるようになる。例えば3000文字からなる文書データについて、100文字ごとにハイパーメディア部品をリンクさせる語句が存在する場合、従来であれば、ユーザが約30回程度、手作業によって各語句を切り出しキーワードへの変換と検索を行ってリンク処理を実行する必要があった。しかし、本実施の形態の場合には、全自動の場合にはほとんど手間がかからず、選択を行う場合にも各語句ごとにわずかな手間をかけるだけで、ある程度完成度の高いハイパーメディア文書を作成することができる。また、面倒なシナリオも比較的簡単に作成できるようになる。
【0098】
図30は本発明の第2の実施の形態を示すものであって、ハイパーメディア編集部の構成を示すブロック図である。なお、図10に示した第1の実施の形態と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記して説明を省略する。
【0099】
第1の実施の形態のハイパーメディア構築支援装置は、既に作成済みの文書データをハイパーメディア文書に変換するためのものであった。これに対して、本実施の形態のハイパーメディア構築支援装置は、文書データの作成中にリアルタイムでこれをハイパーメディア文書に変換するようになっている。即ち、ハイパーメディア編集部2には、作成途上の文書データAが順次入力される。そして、文章解析部21は、語句が確定し次第随時要素に分解し、処理結果を順次要素選択部22以降の処理に送る。したがって、例えば図示のように文書データAの「近年、動画」の文字列が入力されると、「動画」の語句に対応するキーワードで検索されたハイパーメディア部品がハイパーメディア部品連結部27によりリンクされてハイパーメディア文書Bが順次作成される。したがって、ユーザは、文書データAの作成に伴って順次ハイパーメディア文書Bも完成されるので、レスポンスの良い文書作成が可能となる。
【0100】
ところで、このようなリアルタイム処理は、ハードウエアへの負担が極めて大きく、文書データAの入力処理が重く感じるおそれがあり、処理の並列化や簡略化を図る必要が生じる。しかし、最近のハードウエアの急速な進歩によれば、近い将来にはこのような処理も極めて容易に実用化され得るものと思われる。
【0101】
なお、上記各実施の形態では、いずれも文書データの文章を文章解析部21で要素に分解する場合について説明したが、元の文書データがそのまま要素となり得る文字列のみによって構成されている場合には、この文章解析部21の処理が不要となるので、直ちに以降の処理を実行するように構成することもできる。
【0102】
【発明の効果】
以上のように本発明のハイパーメディア構築支援装置によれば、ユーザが例えば既存のハイパーメディア部品のサンプルなどを用いて文書データのハイパーメディア化を図ることができるので、画像データや音楽データなどの作成が不得意なユーザでも簡単にハイパーメディア文書を構築することができるようになる。
【0103】
しかも、ハイパーメディア部品をリンクする語句などを自動的に切り出し選択すると共に、これらの語句などに関連するハイパーメディア部品を自動的に検索しこれを選択してリンクすることができるので、語句などの切り出しや検索とリンクなどの手間が軽減されるだけでなく、ハイパーメディア化に不慣れな素人でも、熟練者の経験やノウハウに基づいたある程度見栄えのするハイパーメディア文書を構築することができるようになる。また、これら語句などの選択やハイパーメディア部品の選択をある程度自動化することにより、これらの選択にユーザの恣意が入り込み、例えば文書データの最初の部分と最後の部分とで選択の判断基準が大きく変換してバランスの悪いものとなるような不都合も回避することができる。
【0104】
さらに、一般には困難なシナリオの作成も容易となり、簡単なプレゼンテーション用のハイパーメディア文書なども手軽に作成することができるようになる。
【0105】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、ハイパーメディア構築支援装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、文書データの表示例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、ハイパーメディア文書の表示例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、シナリオ付きのハイパーメディア文書の表示例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、シナリオ付きのハイパーメディア文書の表示例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、文書データの例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、ハイパーメディア文書の例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、ハイパーメディア構築支援装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、表示再生処理部の動作を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、ハイパーメディア編集部の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、パラメータの例を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、パラメータ処理部の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、パラメータの格納例を示す図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、パラメータ処理部の他の動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、パラメータ処理部の選択画面を示す図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、文章解析部の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、要素選択部の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、キーワード変換部の動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、ハイパーメディア部品表現部とハイパーメディア部品選択部の動作を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、ハイパーメディア部品選択部の動作を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、ハイパーメディア部品連結部の動作を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、ハイパーメディア文書のフォーマットを示す図である。
【図23】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、リンク部品の構成を示す図である。
【図24】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、ハイパーメディア部品連結部の他の動作を示すの動作を示すフローチャートである。
【図25】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、シナリオの構造を示す図である。
【図26】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、シナリオの構造を示す図である。
【図27】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、シナリオの構造を示す図である。
【図28】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、シナリオの構造を示す図である。
【図29】本発明の第1の実施の形態を示すものであって、ハイパーメディア文書の格納例を示すブロック図である。
【図30】本発明の第2の実施の形態を示すものであって、ハイパーメディア編集部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
13 表示再生処理部
21 文章解析部
22 要素選択部
24 ハイパーメディア部品検索部
25 ハイパーメディア部品表現部
26 ハイパーメディア部品選択部
27 ハイパーメディア部品連結部
Claims (15)
- マルチメディア用のコンピュータを用いてハイパーメディア文書の構築を支援するハイパーメディア構築支援装置であって、
文書データにハイパーメディア部品をリンクしたハイパーメディア文書の各種設定を定めたパラメータを設定するパラメータ設定手段と、
該設定されたパラメータに従って文書データを要素に分解する文章解析手段と、
該分解された要素を、該パラメータの設定に従って選択する要素選択手段と、
該パラメータの設定に従って選択された要素をキーワードに変換するキーワード変換手段と、
多数の各種メディアデータとして、ハイパーメディア部品が格納されてデータベース化されている2次記憶装置と、
該変換されたキーワードに基づいて該2次記憶装置からハイパーメディア部品を検索するハイパーメディア部品検索手段と、
該検索されたハイパーメディア部品を文書データ中の対応する要素の位置に関連付けてリンクさせるハイパーメディア部品連結手段とを有し、
CPU [Central Processing Unit] が、内部バスを介して主記憶装置内のプログラムおよびデータに基づいて、該パラメータ設定手段、該文章解析手段、該要素選択手段、該キーワード変換手段、該ハイパーメディア部品検索手段および該ハイパーメディア部品連結手段の各機能を実行するハイパーメディア構築支援装置。 - マルチメディア用のコンピュータを用いてハイパーメディア文書の構築を支援するハイパーメディア構築支援装置であって、
文書データを要素に分解する文章解析手段と、
該文章解析手段によって分解された複数の要素を表示すると共に、これらの要素から対話的入力操作により必要な要素のみに絞り込む要素選択手段と、
該絞り込まれた要素をパラメータの設定に従ってキーワードに変換するキーワード変換手段と、
多数の各種メディアデータとして、ハイパーメディア部品が格納されてデータベース化されている2次記憶装置と、
該変換されたキーワードに基づいて該2次記憶装置からハイパーメディア部品を検索するハイパーメディア部品検索手段と、
該検索されたハイパーメディア部品を文書データ中の対応する要素の位置に関連付けてリンクさせるハイパーメディア部品連結手段とを有し、
CPU [Central Processing Unit] が、内部バスを介して主記憶装置内のプログラムおよびデータに基づいて、該文章解析手段、該要素選択手段、該キーワード変換手段、該ハイパーメディア部品検索手段および該ハイパーメディア部品連結手段の各機能を実行するハイパーメディア構築支援装置。 - 入力装置からの文字入力を制御して文書データを作成する文書データ入力制御手段を備え、
前記文章解析手段が、該文書データ入力制御手段が作成中の文書データについて随時要素に分解するものである請求項1または2に記載のハイパーメディア構築支援装置。 - 前記文章解析手段によって分解された複数の要素に対し、該複数の要素から、パラメータに設定されたリンク数の目安に基づいて決定された優先順位の高い一部または全部の要素を選択し、該選択した要素のみを前記ハイパーメディア部品検索手段が検索を行う要素とする要素選択手段が設けられた請求項1〜3のいずれかに記載のハイパーメディア構築支援装置。
- 前記要素選択手段が、複数の要素から優先順位の高い一部または全部の要素を選択する際に、文書データごとに設定された変更可能な規則に適合することも考慮するものである請求項4記載のハイパーメディア構築支援装置。
- 前記要素選択手段が、複数の要素から優先順位の高い一部または全部の要素を選択する際に、既定の規則に適合することも考慮するものである請求項4記載のハイパーメディア構築支援装置。
- 前記ハイパーメディア部品検索手段によって検索されたハイパーメディア部品、または、前記ハイパーメディア部品連結手段によってリンクされたハイパーメディア部品を、文書データ中の対応する要素または文字列の位置に関連付けてアイコンによって表示するハイパーメディア部品表現手段が設けられた請求項1〜6のうちいずれかに記載のハイパーメディア構築支援装置。
- 前記ハイパーメディア部品検索手段によって検索されたハイパーメディア部品、または、前記ハイパーメディア部品連結手段によってリンクされたハイパーメディア部品を、文書データの表示ウインドウとは異なる別のウインドウに表示するハイパーメディア部品表現手段が設けられた請求項1〜6のうちいずれかに記載のハイパーメディア構築支援装置。
- 前記ハイパーメディア部品検索手段によって検索された複数のハイパーメディア部品から、文書データごとに設定された変更可能な規則に基づいて一部または全部のハイパーメディア部品を選択し、該選択したハイパーメディア部品のみを前記ハイパーメディア部品連結手段がリンクを行うハイパーメディア部品とするハイパーメディア部品選択手段が設けられた請求項1〜8のうちいずれかに記載のハイパーメディア構築支援装置。
- 前記ハイパーメディア部品検索手段によって検索された複数のハイパーメディア部品から既定の規則に基づいて一部または全部のハイパーメディア部品を選択し、該選択したハイパーメディア部品のみを前記ハイパーメディア部品連結手段がリンクを行うハイパーメディア部品とするハイパーメディア部品選択手段が設けられた請求項1〜8のうちいずれかに記載のハイパーメディア構築支援装置。
- 前記ハイパーメディア部品検索手段によって検索された複数のハイパーメディア部品を前記ハイパーメディア部品表現手段によって表示すると共に、これらのハイパーメディア部品表現手段から対話的入力操作により一部または全部のハイパーメディア部品を選択し、該選択したハイパーメディア部品のみを前記ハイパーメディア部品連結手段がリンクを行うハイパーメディア部品とするハイパーメディア部品選択手段が設けられた請求項7または8に記載のハイパーメディア構築支援装置。
- 前記ハイパーメディア部品連結手段が、ハイパーメディア部品をハイパーメディアのリンク機構を用いてリンクさせるものである請求項1〜11のうちいずれかに記載のハイパーメディア構築支援装置。
- 前記ハイパーメディア部品連結手段が、ハイパーメディア部品を文書データ中の対応する要素または文字列の位置に関連付けてリンクさせる際に、時間軸に沿った再生表示を指示するシナリオを付加するものである請求項1〜11のうちいずれかに記載のハイパーメディア構築支援装置。
- 前記ハイパーメディア部品連結手段によってハイパーメディア部品をリンクされた文書データを表示すると共に、前記ハイパーメディア部品表現手段によって表示されたハイパーメディア部品が入力操作によって指定された場合に、当該ハイパーメディア部品を再生するハイパーメディア表示手段が設けれらた請求項7または8に記載のハイパーメディア構築支援装置。
- 前記ハイパーメディア部品連結手段によってハイパーメディア部品をリンクされた文書データを表示する際に、前記シナリオに従って該文書データの表示と該ハイパーメディア部品の再生を行うハイパーメディア表示手段が設けれらた請求項13記載のハイパーメディア構築支援装置。
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