JP3733962B2 - 薄膜抵抗測温シート - Google Patents

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Description

この発明は、薄膜抵抗測温シートに関し、詳しくは積層基板のホットプレス装置や熱融着シートのシーラー等で使用される薄膜抵抗測温シートに関するものである。
最近の電子機器は高度な機能を有し且つ小型軽量化が求められており、この双方を実現するために、狭いスペースに複雑な制御回路を実装する必要があることから、制御回路用のプリント基板として、複数の配線層と絶縁層でなる多層基板が用いられる。この多層基板は、複数の配線層と絶縁層をサンドイッチ状に上下に積み重ねてプレスするホットプレス工程を経て製作される。このホットプレス工程は、多層基板1枚を製作するための複数の配線層と絶縁層を上下に積み重ねた状態の1個のワークを、複数個、更に上下に重ねて、上下2個の熱板で挟み、100〜200℃の高温、高圧でプレスするものである。このホットプレス工程では、プレス時のワークの表面温度のばらつきが多層基板の品質に重要な影響を及ぼすことから、その温度管理が必要であり、そのためにはホットプレス工程におけるプレス時のワークの表面温度分布を測定する必要がある。
図5(a)はホットプレス工程におけるプレス前の状態の説明図、(b)は(a)のC−D断面図、(c)はプレス中の状態の説明図である。このホットプレス工程におけるプレス時の表面温度分布の測定は、従来、次のように行われていた。即ち、図5において、上熱板21と下熱板22の間に、複数のワーク23を積み重ねて配置する。そして、図6(a)に示すような熱電対チップ24を、複数個、図5(b)に示すように、ワーク23の表面の異なる位置に配置し、図5(a)、(c)に示すように、積み重ねたワークの間に挟んだ上で、上熱板21と下熱板22を接近させて高温高圧でプレスし、この際のワークの表面温度分布を熱電対チップ24を用いて測定するものである。この熱電対チップ24としては、特許文献1に記載されているもの等が用いられている。これらの熱電対チップ24は、一般に、図6(a)において、リード線25として銅とコンスタンタン、鉄とコンスタンタン、或いはクロメルとアルメル等の2種類の金属を用いてその先端同士を接触等させてカップリング点26を形成し、このカップリング点26の周辺部分を上下2枚のポリイミド等のプラスチックシートで挟んで密封したものである。
上記の複数個の熱電対チップ24を用いる方法は、ワーク23の表面に熱電対チップ24を配置するのに手間がかかることから、熱電対チップ24に替えて、図6(b)に示すような、複数の熱電対を1枚のシートに組み込んだ熱電対シート27も用いられている。この熱電対シート27は、例えば、図5(b)に示すワーク23の表面と同じ大きさのポリイミド等のプラスチックシートの複数の位置に、上記で説明した熱電対チップ24と同じ構造の熱電対を配設したものである。この熱電対シート27は、上記のホットプレス工程におけるプレス時の温度測定時に、この熱電対シート27を、例えば、図5(a)、(c)に示すワーク23の間に挟むだけでよく、熱電対チップをワーク表面の所定の位置に配置する手間を省くことができる。
特許第2582260号公報
しかし、上記の熱電対チップ24を用いる場合、或いは、熱電対シート27を用いる場合のいずれの場合も、これらの熱電対チップ24や熱電対シート27をホットプレス工程で十数回繰り返して使用すると、これらの熱電対チップ24や熱電対シート27のポリイミド等のプラスチックシートの部分が、高温と高圧のため、縮んだりしわができたりして、平面性が損なわれ使用できなくなり、耐久性に劣るという問題があった。
そこで、この発明はこの問題を解決するためになされたものであって、高温高圧の条件下で行なわれるホットプレス工程における測温においても、繰り返して使用が可能な耐久性に優れた薄膜抵抗測温シートを提供しようとするものである。
上記の従来例において、熱電対チップや熱電対シートが十数回の繰り返し使用でプラスチックシートの部分が、縮んだりしわができたりしたのは、プラスチックシートは、本来、高温高圧に対して、縮んだりしわになったりしやすいところ、プラスチックシートのみの部分は、金属であるリード線によるサポートがないためと考えられる。
ところで、上記の従来例では、熱電対を用いてホットプレス工程におけるワークの表面温度分布を測定しているが、温度測定方法としては、熱電対を用いる方法以外に、さまざまな方法があり、抵抗膜を用いた温度測定方法もその一つである。この抵抗膜を用いる温度測定方法では、薄膜抵抗測温シートを用いるが、この薄膜抵抗測温シートは、例えば、ポリイミド等のプラスチックシートに抵抗膜層でなる薄膜を形成したものであり、本発明は、この薄膜抵抗測温シートの抵抗膜層の薄膜のパターンを工夫することにより、上記の熱電対チップや熱電対シートのプラスチックシートの部分に発生したような縮みやしわの発生の防止を図ったものである。
具体的には、本発明の薄膜抵抗測温シートは、少なくとも、シート状で耐熱性の絶縁材でなるベース層と、シート状で温度により電気抵抗が変化する耐熱性の抵抗膜層とで形成される積層シートでなり、前記積層シートの端部に、外部接続用の端子部を設けるとともに、前記抵抗膜層に、感温抵抗部と薄膜リード部とを、前記感温抵抗部と前記薄膜リード部とが形成される以外の前記抵抗膜層のエリアの一部を除去した部分でなる絶縁部で、周囲を囲んで形成し、前記感温抵抗部は、始端から終端に到る連続した形状であり、前記薄膜リード部は、前記感温抵抗部の前記始端及び前記終端を前記端子部に接続してなることを特徴としている。
上記の薄膜抵抗測温シートでは、前記抵抗膜層に形成された、前記感温抵抗部、前記薄膜リード部、前記絶縁部、及び、前記端子部以外の部分における前記抵抗膜層を、除去せずに残存させていることが重要である。これにより、ベース層の表面は、広い範囲に渡って抵抗膜層で覆われており、ベース層のみの部分は少なく、薄膜抵抗測温シートの略全体に渡って、一般に金属が用いられる抵抗膜層が一般にプラスチックが用いられるベース層をサポートすることで、高温高圧下における測温においても、縮みやしわを生じにくくさせていると考えられる。
また、上記の薄膜抵抗測温シートにおいて、前記抵抗膜層の表面に、シート状で耐熱性の絶縁材でなるカバー層を設けるようにしてもよく、この場合、このカバー層、前記ベース層、及び前記抵抗膜層でなる前記積層シートの厚さを0.05〜0.1mmとするのが好ましい。
また、上記の薄膜抵抗測温シートにおいて、前記感温抵抗部及び前記薄膜リード部の周囲を囲む前記絶縁部を、帯状とするのが好ましい。
また、上記の薄膜抵抗測温シートにおいて、前記感温抵抗部を、帯状で蛇行した形状とするのが効果的である。
また、上記の薄膜抵抗測温シートにおいて、前記感温抵抗部の前記始端及び前記終端と前記外部接続用の端子部とを接続する少なくとも一方の前記薄膜リード部を2本とするとともに、該薄膜リード部を、前記外部接続用の端子部に設けた独立した端子に接続するようにしてもよい。
また、上記の薄膜抵抗測温シートにおいて、前記抵抗膜層を、銅、ニッケル、または、白金とするのが好ましい。
また、上記の薄膜抵抗測温シートにおいて、前記感温抵抗部及び前記薄膜リード部の周囲を囲む前記絶縁部を、前記抵抗膜層のエッチングにより形成するのが実用的である。
また、上記の薄膜抵抗測温シートにおいて、複数の前記感温抵抗部を、前記積層シートに設けるようにしてもよい。
上記の薄膜抵抗測温シートとして、前記抵抗膜層の材質を銅、厚さを0.008mmとし、前記感温抵抗部の形状を、幅が0.03〜0.04mmの蛇行した帯状の形状で、該形状の全体の大きさを略10×5mmとし、前記絶縁部の形状を幅が0.025〜0.035mmの帯状とするようにしてもよい。
本発明の薄膜抵抗測温シートは、少なくとも、シート状で耐熱性の絶縁材でなるベース層と、シート状で温度により電気抵抗が変化する耐熱性の抵抗膜層とで形成される積層シートでなり、前記積層シートの端部に、外部接続用の端子部を設けるとともに、前記抵抗膜層に、感温抵抗部と薄膜リード部とを、前記感温抵抗部と前記薄膜リード部とが形成される以外の前記抵抗膜層のエリアの一部を除去した部分でなる絶縁部で、周囲を囲んで形成している。即ち、本発明の薄膜抵抗測温シートでは、前記抵抗膜層に形成された、前記感温抵抗部、前記薄膜リード部、前記絶縁部、及び、前記端子部以外の部分の前記抵抗膜層を除去せずに残存させている。そのため、ベース層の表面は、広い範囲に渡って抵抗膜層で覆われており、ベース層のみの部分は少なく、薄膜抵抗測温シートの略全体に渡って、一般に金属が用いられる抵抗膜層が一般にプラスチックが用いられるベース層をサポートしているといえる。そこで、本発明の薄膜抵抗測温シートを高温高圧下でのホットプレス工程等におけるプレス時のワークの表面温度分布測定等に用いても、縮みやしわを生じにくくさせていると考えられる。従って、本発明によれは、高温高圧の条件下で行なわれるホットプレス工程等における測温おいても、繰り返して使用が可能な耐久性に優れた薄膜抵抗測温シートを提供することができる。
次に、本発明の実施例につき、図面に基づき詳しく説明する。本実施例の薄膜抵抗測温シートは、積層基板のホットプレス工程におけるプレス時のワークの表面温度分布測定に用いられるものである。図1は、本実施例の薄膜抵抗測温シートの平面図、図2は、本実施例の薄膜抵抗測温シートの測温部の拡大平面図、図3は、図2のA−B断面図である。図1において、本実施例の薄膜抵抗測温シートは、縦240mm、横400mm、厚さ(図3のd)約0.05mmであり、耐熱性の絶縁材でなるベース層2と、温度により電気抵抗が変化する耐熱性の電気抵抗体でなる抵抗膜層3と、耐熱性の絶縁材でなるカバー層4の3層から構成される積層シートである。
ベース層2は、厚さ(図3のd1)が約0.015mmの耐熱性の絶縁材であるポリイミドで形成する。抵抗膜層3は、本実施例では、厚さ(図3のd2)が約0.008mmの銅箔で形成し、ベース層2の表面上に貼り付け或いは電着する。銅は一般に電気の導体として知られているが、電気抵抗を有しており、本実施例では、薄膜抵抗測温シートの抵抗膜層を、この銅を用いて形成する。この抵抗膜層3上には、この抵抗膜層3の一部を除去することでパターンを描くことにより、後述するような、全体の大きさが、縦10mm、横5mm程度の複数個の測温部11と、この測温部11に一端を接続するリード部12とを形成する。この薄膜抵抗測温シート1の端部には、外部接続用の端子部5を設け、リード部12の他端をこの端子部5に接続する。本実施例では、リード部12は、電圧測定用と電流測定用の2種類を備えている。本実施例では、薄膜抵抗測温シート1に複数個の測温部11を形成しており、これらを、図1に示すように、薄膜抵抗測温シート1の中央に1箇所、その周囲に4箇所の計5箇所に設けている。また、抵抗膜層3の表面には、この抵抗膜層3を保護するため、厚さ(図3のd3)が約0.015mmの耐熱性の絶縁材であるポリイミドで形成されたカバー層4を、接着剤9を用いて貼り付けしている。尚、カバー層4を接着剤を用いず、コーティングして形成することも出来る。コーティングを用いる方が、接着剤を用いた貼り付けよりも、抵抗膜層3の銅箔の抵抗値が長時間に渡り安定するという効果がある。
図1〜図3において、抵抗膜層3は、厚さ(図3のd2)が約0.008mmの銅箔で形成されているが、この銅箔をエッチング等の技術により一部帯状に除去して、図2に示すようなパターンを描くことにより、測温部11とリード部12とを形成する。即ち、測温部11については、抵抗膜層3の銅箔に、上述した測温部11の大きさである縦10mm×横5mmのエリア内に収まるような、蛇行した帯状のパターンの感温抵抗部11aの輪郭が現れるように、その抵抗膜層3の銅箔の一部を帯状に削除して絶縁部10を形成することにより、感温抵抗部11aを形成して測温部11としている。同様にしてリード部12については、抵抗膜層3の銅箔に、帯状のパターンの電流測定用薄膜リード部12a及び電圧測定用薄膜リード部12bの輪郭が現れるように、抵抗膜層3の銅箔の一部を帯状に削除して絶縁部10を形成することにより、電流測定用薄膜リード部12a及び電圧測定用薄膜リード部12bを形成してリード部12としている。上記の感温抵抗部11aと電流測定用薄膜リード部12a及び電圧測定用薄膜リード部12bは、感温抵抗部11aの始端及び終端が、それぞれ、電流測定用薄膜リード部12a及び電圧測定用薄膜リード部12bの先端につながるように形成されている。上記の帯状の感温抵抗部11aの幅(図3のW2)は、0.03〜0.04mmとするのが好ましく、また、感温抵抗部11a、電流測定用薄膜リード部12a及び電圧測定用薄膜リード部12bの周囲に形成される帯状の絶縁部10の幅(図3のW1)は、0.025〜0.035mmとするのが好ましい。
後述するように、本実施例の薄膜抵抗測温シート1を用いる温度の測定は、感温抵抗部11aで構成される測温部11が、リード部12及び端子部5を介して測定回路に接続して行われることから、これらの電気的特性が、測定に使用される測定回路に適合させるのが好ましい。このような観点から、一例として、感温抵抗部11aの常温における電気抵抗を50Ω±10%とする場合に対して、上述した抵抗膜層3の厚さや、測温部11の全体の大きさ、測温部11を構成する帯状の感温抵抗部11aの幅や帯状の絶縁部10の幅等のサイズは、これらを満足するように設定されたものである。また、これらのサイズは、本実施例の薄膜抵抗測温シート1の製作技術上からも妥当とされるものである。
本実施例の薄膜抵抗測温シート1は、次のようにして製作される。まず、ポリイミド製のシートであるベース層2と、その表面に貼り付けまたは電着された銅箔でなる抵抗膜層3とでなるシートの抵抗膜層3の表面に感光剤を塗布した後、このシートの表面に感温抵抗部11a、電流測定用薄膜リード部12a及び電圧測定用薄膜リード部12bのパターンが透明なフイルム上に描かれた原版を重ねて露光処理を行ない、現像した後エッチング液に浸して不要な部分の銅箔を溶かし出して除去するエッチング処理を行ない、このエッチング処理完了後に洗浄する。すると、ポリイミド製のシートの表面に、感温抵抗部11a、電流測定用薄膜リード部12a及び電圧測定用薄膜リード部12bのパターンが銅箔で形成されるので、抵抗膜層3の表面にポリイミド製のシートをカバー層4として接着剤を用いて貼り付けし、端子部5を形成してリード線6を接続する。尚、カバー層4の形成方法としては、上述したように、接着剤を用いず、コーティングによる方法もある。
本実施例の薄膜抵抗測温シート1を用いた温度測定は、次のようにして行なわれる。電流測定用薄膜リード部12aの両端子に測定用の直流電源と電流計を直列に接続するとともに、電圧測定用薄膜リード部12bの両端子に電圧計を接続し、電流と電圧とを測定して、この測定値から薄膜抵抗測温シート1の感温抵抗部11aの抵抗値を求める。図4はこの測定における測定回路の等価回路であり、図中、17は直流電源、18は電圧計、そして、19は電流計である。また、T1及びT4は、端子部5における電流測定用薄膜リード部12aの両端子であり、T2及びT3は、端子部5における電圧測定用薄膜リード部12bの両端子である。薄膜抵抗測温シート1の感温抵抗部11aの抵抗値と温度との関係は予め求められているので、感温抵抗部11aの抵抗値がわかれば、温度を知ることができる。
本実施例の薄膜抵抗測温シート1では、図2からわかるように、測温部11及びリード部12以外の部分にも、抵抗膜層3の銅箔の部分を周辺部13として残している。即ち、抵抗膜層3で、抵抗膜層3の銅箔が存在しないのは、感温抵抗部11a、電流測定用薄膜リード部12a及び電圧測定用薄膜リード部12bを形成するために、抵抗膜層3の銅箔を帯状に削除して形成した絶縁部10のみである。従って、ベース層2の表面は、そのほとんどが抵抗膜層3で覆われており、薄膜抵抗測温シート1全体に渡って、銅箔でなる抵抗膜層3がポリイミドでなるベース層2をサポートすることで、高温高圧下における測温においても、従来例の熱電対シートにおけるプラスチックシートのみの部分に生じたような、縮みやしわを生じにくくさせているといえる。
この効果を確認するため、本実施例の薄膜抵抗測温シート1を製作するとともに、感温抵抗部11a、電流測定用薄膜リード部12a及び電圧測定用薄膜リード部12bのパターンが、本実施例の薄膜抵抗測温シート1と全く同じで、周辺部13の銅箔を全て除去した比較用薄膜抵抗測温シートを製作して、両者をおよそ150℃前後の高温、高圧の条件下で行なわれるホットプレス工程における温度測定に用いて、両者の比較耐久試験を行なった。その結果、比較用薄膜抵抗測温シートは20回程度の繰り返し使用でベース層とカバー層のみでなるプラスチックシートのみの部分に生じる縮みやしわにより、平面性が損なわれて使用できなくなったが、本実施例の薄膜抵抗測温シート1は、100回繰り返し使用しても外観上の異常はほとんど生じず、本実施例の薄膜抵抗測温シート1は、繰り返し使用に対する耐久性に優れていることがわかった。
本実施例の薄膜抵抗測温シート1ではリード部12は、電圧測定用と電流測定用の2種類を備えるいわゆる4線式であるが、このほか、電圧測定用と電流測定用の2種類をリード部12の片方のみに用いる3線式、或は2線式を採用するようにしてもよい。そこで、これらの各方式について比較すると、感温抵抗部の抵抗値を求める際に、2線式では、測定した電流値と電圧値とから抵抗値を求めると、この抵抗値には、感温抵抗部の抵抗とともに、双方の電流測定用薄膜リード部の有する抵抗が含まれてしまうので、測定誤差を生じる。3線式においても、3本のリード線それぞれが異なる抵抗を有すると測定誤差を生じるので、2線式ほどではないにしても測定誤差を生じる。これに対して、4線式では、測定した電流値と電圧値とから抵抗値を求める際、図4からわかるように、電流測定用薄膜リード部12aの有する抵抗は、求めた抵抗値には含まれず、求めた抵抗値は感温抵抗部11aの抵抗値(R)のみとなることから、測定誤差の少ない測定を行なうことができる。
上記の本実施例の薄膜抵抗測温シート1の厚さ(図3のd)は約0.05mmであり、これよりも多少厚くしてもよいが、厚さとしては、0.05〜0.1mmとするのが好ましい。これは、例えば、前述した図5(a)、(c)に示すような、ホットプレス工程における温度測定の場合、薄膜抵抗測温シートの厚さは、上熱板21及び下熱板22のストローク距離に影響を与えるので、小さい方が望ましいからであり、この観点で、上記の数値は好ましいものである。
また、上記の本実施例の薄膜抵抗測温シート1では、薄膜抵抗測温シートの抵抗膜層を銅で形成しているが、ニッケルまたは白金を用いてもよく、或いは、その他の電気抵抗を有する抵抗膜層を用いてもよい。また、上記の本実施例の薄膜抵抗測温シート1では、5箇所に測温部11を設けているが、測温部11を1個のみとし、この測温部11を収容するだけの小さい形状のベース層2とカバー層4とを用いた単体の薄膜抵抗測温シートを製作することもできる。
また、本発明の薄膜抵抗測温シートは、そのシートの形状を、熱融着シートのシーラー等に適合する形状に変える等することにより、熱融着シートのシーラー等におけるシール時の温度測定にも使用することができる。
本実施例の薄膜抵抗測温シート1は、測温部11及びリード部12以外の部分にも、抵抗膜層3の銅箔の部分を周辺部13として残しており、ベース層2の表面は、そのほとんどが、抵抗膜層3の銅箔で覆われているので、前述のとおり、高温高圧下での使用に対して優れた耐久性を有する特徴を備えている。しかし、高温高圧下で使用しないのであれば、周辺部13の銅箔を全て除去した薄膜抵抗測温シートであっても、十分使用することができる。
本実施例の薄膜抵抗測温シートの平面図である。 本実施例の薄膜抵抗測温シートの測温部の拡大平面図である。 図2のA−B断面図である。 本実施例の薄膜抵抗測温シートを用いた測定回路の等価回路図である。 (a)はホットプレス工程におけるプレス前の状態の説明図、(b)は(a)のC−D断面図、(c)はプレス中の状態の説明図である。 (a)は熱電対チップの平面図、(b)は熱電対シートの平面図である。
符号の説明
1 薄膜抵抗測温シート 2 ベース層
3 抵抗膜層 4 カバー層
5 端子部 6 リード線
9 接着剤 10 絶縁部
11 測温部 11a 感温抵抗部
12 リード部
12a 電流測定用薄膜リード部
12b 電圧測定用薄膜リード部
13 周辺部 17 直流電源
18 電圧計 19 電流計
21 上熱板 22 下熱板
23 ワーク 24 熱電対チップ
25 リード線 26 熱電対接合部
27 熱電対シート

Claims (10)

  1. 少なくとも、シート状で耐熱性の絶縁材でなるベース層と、シート状で温度により電気抵抗が変化する耐熱性の抵抗膜層とで形成される積層シートでなり、
    前記積層シートの端部に、外部接続用の端子部を設けるとともに、
    前記抵抗膜層に、感温抵抗部と薄膜リード部とを、前記感温抵抗部と前記薄膜リード部とが形成される以外の前記抵抗膜層のエリアの一部を除去した部分でなる絶縁部で、周囲を囲んで形成し、
    前記感温抵抗部は、始端から終端に到る連続した形状であり、前記薄膜リード部は、前記感温抵抗部の前記始端及び前記終端を前記端子部に接続してなることを特徴とする薄膜抵抗測温シート。
  2. 前記抵抗膜層の表面に、シート状で耐熱性の絶縁材でなるカバー層を設けてなる請求項1記載の薄膜抵抗測温シート。
  3. 前記ベース層、前記抵抗膜層及び前記カバー層でなる前記積層シートの厚さを0.05〜0.1mmとしてなる請求項2記載の薄膜抵抗測温シート。
  4. 前記感温抵抗部及び前記薄膜リード部の周囲を囲む前記絶縁部を、帯状としてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜抵抗測温シート。
  5. 前記感温抵抗部を、帯状で蛇行した形状としてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜抵抗測温シート。
  6. 前記感温抵抗部の前記始端及び前記終端と前記外部接続用の端子部とを接続する少なくとも一方の前記薄膜リード部を2本とするとともに、該薄膜リード部を、前記外部接続用の端子部に設けた独立した端子に接続してなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜抵抗測温シート。
  7. 前記抵抗膜層の材質を、銅、ニッケル、または、白金としてなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄膜抵抗測温シート。
  8. 前記感温抵抗部及び前記薄膜リード部の周囲を囲む前記絶縁部を、前記抵抗膜層のエッチングにより形成してなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の薄膜抵抗測温シート。
  9. 複数の前記感温抵抗部を、前記積層シートに設けてなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の薄膜抵抗測温シート。
  10. 前記抵抗膜層の材質を銅、厚さを0.008mmとし、前記感温抵抗部の形状を、幅が0.03〜0.04mmの蛇行した帯状の形状で、該形状の全体の大きさを略10×5mmとし、前記絶縁部の形状を幅が0.025〜0.035mmの帯状としてなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の薄膜抵抗測温シート。
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