JP3733636B2 - インクジェットプリンタ及びインクカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタのインクカートリッジ、特にインク吸蔵部材(例えば多孔質体)が充填されてなるインクカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、印字ヘッドのノズル孔を通じてインク液滴を飛翔させて記録紙等の記録媒体に記録させるインクジェットプリンタにおいて、印字ヘッドにインクを供給するインクカートリッジを交換可能としたものが知られている。また、かかるインクジェットプリンタに用いるインクカートリッジとして、カートリッジ本体内にインクが吸蔵されているインク吸蔵部材が収容され、印字ヘッド側のインク供給管部をカートリッジ本体のインク供給孔に挿通して連結することで、インクを供給可能な状態とするものが知られている。
【0003】
このようなインクカートリッジにおいては、内部空間を大気圧に保持しかつインク吸蔵部材からインク供給孔を通じての印字ヘッドへのインクの供給を円滑にするために、上記インク供給孔とは別に大気連通孔が設けられている。
【0004】
ところで、このようなインクカートリッジは、搬送時等におけるインクの漏れや蒸発を防止し、しかも使用する際には容易に開封してインクカートリッジを取り出すことができるように、まず、インクカートリッジのインク供給孔と大気連通孔をシール材で密閉し、それからそれを包装材でパッキングするようにしている。
【0005】
ところで、そのようなシール材で密閉する場合、図7に示すように、インクカートリッジaのインク供給孔bを密閉するシール部材cの内面側に、インク吸蔵部材dよりのインクeが付着する場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのようにインクeがシール材cの内面側に付着していると、インクカートリッジaを使用する際に、インクカートリッジaのインク供給孔bに対して設けられたシール材cを、使用者が引き剥がす必要があるので、引き剥がす際、インクが飛び散り、周囲を汚損するという課題があった。
【0007】
ところで、特開平6−320749号公報に記載されるように、非インク浸透性材料からなる破砕可能な封止部材にてインクタンクのタンク開口を封止し、一方、インクジェットヘッドのインク供給管端部周囲には、インクタンク装着時にてインク供給管がタンク開口の封止部材に圧接した際に封止部材が破砕される複数の突起を設けると共に、タンク開口に対応する封止部材が非破断部を残して破片状に破断されるよう少なくとも一対の突起間寸法を他の突起間寸法より大きく設定したものが提案されているが、かかるものは、突起により突き破るのにかなりの力を要するので、その際に封止部材の裏面にインクが付着していれば、やはり飛び散るおそれがある。また、突き破る際に、破片がでるおそれもある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、インクがシール材に付着するのを防止したインクジェットプリンタのインクカートリッジを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、インク供給孔を有するカートリッジ本体と、該カートリッジ本体のインク供給孔の外壁面側に引き剥がし可能に設けられるシール材と、その外壁面に対して前記シール材と反対側の内部に充填されるインク吸蔵部材とを備え、印字ヘッドを有するヘッドユニットに装着して用いられるインクジェットプリンタのインクカートリッジにおいて、前記インク供給孔に、前記インク供給孔の周壁間を連結する橋部が設けられ、その橋部に前記インク吸蔵部材が押圧されるとともに、前記橋部を挟んで前記シール材と前記インク吸蔵部材とが対向配置されている構成とする。
【0010】
請求項1の発明によれば、インク供給孔の周壁が橋部によって連結され、その橋部に前記インク吸蔵部材が押圧されるので、前記橋部を挟んで前記シール材と前記インク吸蔵部材とが対向配置されているとしても、前記橋部によってインク吸蔵部材が、インク供給孔内に突出するのが規制され、前記シール材へのインクの付着が防止される。それによって前記シール材を引き剥がす際に、インクが周囲に飛び散ることがない。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1のインクジェットプリンタのインクカートリッジにおいて、前記橋部の一部がカートリッジ本体内に突出している。
【0012】
請求項2の発明によれば、カートリッジ本体内に突出する橋部の一部によってインク吸蔵部材が押圧され、インク吸蔵部材のインク供給孔内への進入が効果的に規制される。よって、シール材へのインクの付着も防止される。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2のインクジェットプリンタのインクカートリッジにおいて、前記橋部は、前記インク供給孔の周壁間を連結する方向が、インク吸蔵部材に吸蔵されるインクの色彩に応じて異なっている。
【0014】
請求項3の発明によれば、橋部は、前記インク供給孔の周壁間を連結する方向(前記橋 部が延びている方向)が、インク吸蔵部材に吸蔵されるインクの色彩に応じて異なっており、異なる色彩のインクを収容するインクカートリッジが誤って装着されることがない。
請求項4の発明は、インク供給孔を有するカートリッジ本体、該カートリッジ本体のインク供給孔の外壁面側に引き剥がし可能に設けられるシール材、及びその外壁面に対して前記シール材と反対側の内部に充填されるインク吸蔵部材を備えるインクカートリッジと、印字ヘッド及びインク供給管を有するヘッドユニットとを備えるインクジェットプリンタにおいて、前記インクカートリッジのインク供給孔に、前記インク供給孔の周壁間を連結する橋部が設けられ、その橋部に前記吸蔵部材が押圧されており、前記ヘッドユニットのインク供給管には、前記橋部と干渉しないように前記橋部が進入するスリット部が形成されていることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、インク供給孔の周壁が橋部によって連結され、その橋部に前記インク吸蔵部材が押圧されているので、前記橋部によってインク吸蔵部材が、インク供給孔内に突出するのが規制され、シール材へのインクの付着が防止される。ヘッドユニットのインク供給管には、前記橋部と干渉しないように前記橋部が進入するスリット部が形成されているので、インクカートリッジがヘッドユニットに装着された際、前記橋部がインク供給管と干渉することなく、インクの供給が可能な状態となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1はインクカートリッジがヘッドユニットに搭載された状態を、図2はインクカートリッジを搭載する前の状態をそれぞれ示す。尚、本例においては、4種類のインクを用いていることから、それぞれのインクに対応する4種類のインクカートリッジ1A〜1Dを備えている。
【0017】
上記各インクカートリッジ1A〜1Dは、基本的には、同一の構造で、それぞれ、内部にインク吸蔵部材2が収容されるカートリッジ本体3と、該カートリッジ本体3の上部開口を閉塞する蓋体4とを有する。上記インクカートリッジ1A〜1Dの各カートリッジ本体3には、インクを印字ヘッド11に供給するためのインク供給孔5(図3参照)と、そのインクの供給を円滑に行うための大気連通孔6とが設けられている。
【0018】
そして、上記各インクカートリッジ1A〜1Dのカートリッジ本体3のインク供給孔5及び大気連通孔6の外壁面側には、インクカートリッジ1内にインクが充填された後、該インクの蒸発防止等の理由から、図3及び図4に示すように、シール材7が溶着され、インクカートリッジ1A〜1D内を外部と遮断するようになっている。よって、インクカートリッジの使用時には、シール材7を引き剥がし、インク供給孔5を露出させるようにする必要がある。
【0019】
また、前記カートリッジ本体3のインク供給孔5には、該インク供給孔5の直径方向に延びる板状で周壁間を連結する橋部8が設けられ、該橋部8の一部がカートリッジ本体3内に突出してインク吸蔵部材2を押圧している。よって、橋部8によって、インク吸蔵部材2がインク供給孔5内に進入するのが効果的に規制され、シール材7の裏面側にインクが付着するのが防止される。
【0020】
上記インクカートリッジ1A〜1Dは、印字ヘッド11を有するヘッドユニット12に装着されるようになっている。ヘッドユニット12は、基板部13の一側の縦壁部14には、インク流路15aを有するインク供給管15が挿通されている。インク供給管15は、インク供給孔5には橋部8が設けられていることから、図5及び図6に示すように、橋部8と干渉しないように、橋部8が進入するスリット部15bが形成されている。尚、上記印字ヘッド11は、インク供給管15より供給されたインクを前面のノズル孔から飛翔させるアクチュエータを含む。
【0021】
また、上記インク供給管15は、縦壁部14より内側の部分には、肉ぬすみ部を介して筒状のシールラバー16が外嵌されている。インクカートリッジ1A〜1Dがヘッドユニット12に装着された際、シールラバー16がインクカートリッジ1との間のシール性を確保するようになっている。
【0022】
上記のように構成すれば、橋部8の一部がカートリッジ本体3内に突出していることから、該橋部8の一部によってインク吸蔵部材2が押圧され、それよって、インク吸蔵部材2がインク供給孔5内に進入するのが効果的に規制され、その結果、シール材7の、インク供給孔5に臨む裏面側へのインクの付着が防止されることになる。よって、インクカートリッジ1A〜1Dを使用するために、シール材7をカートリッジ本体3より引き剥がす際に、シール材7にはインクが付着していないので、インクが周囲に飛び散ることがない。その一方、インク供給管15にはスリット部15bが形成されているので、インクカートリッジ1A〜1Dがヘッドユニット12に装着される際、インクカートリッジ1A〜1Dの橋部8がインク供給管15と干渉することなく、インクの供給が可能な状態となる。
【0023】
上記実施の形態においては、橋部8は、インク供給孔5の直径方向に延びる板状で、前記インク供給孔の周壁間を連結する方向が一定となるようにしているが、それに代えて、前記インク供給孔の周壁間を連結する方向を、インクカートリッジ1A〜1D内のインク吸蔵部材2に吸蔵されるインクの色彩に応じて異なるようにし、インクの色彩が異なるインクカートリッジが誤って装着されることがないようにすることもできる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1の発明は、上記のように、インク供給孔の周壁を橋部によって連結し、その橋部にてインク吸蔵部材を押圧しているので、前記橋部を挟んで前記シール材と前記インク吸蔵部材とを対向配置しているとしても、前記シール材へのインクの付着を回避し、それによって前記シール材を引き剥がす際に、インクが周囲に飛び散ることを防止することができる。
【0025】
請求項2の発明は、カートリッジ本体内に橋部の一部を突出させ、インク吸蔵部材を積極的に押圧するようにしているので、インク供給孔内へのインク吸蔵部材の進入を効果的に規制し、シール材へのインクの付着を確実に防止することができる。
【0026】
請求項3の発明は、インク供給孔の周壁間を連結する橋部の方向を、インク吸蔵部材に吸蔵されるインクの色彩に応じて異なるようにしているので、色彩の異なるインクを収容するインクカートリッジを誤って装着することを確実に回避することができる。
請求項4の発明は、ヘッドユニットのインク供給管に、橋部と干渉しないように前記橋部が進入するスリット部を形成しているので、インクカートリッジがヘッドユニットに装着される際、前記橋部がインク供給管と干渉することなく、インクの供給が可能な状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクカートリッジがヘッドユニットに装着された状態を示す断面図である。
【図2】 同分解斜視図である。
【図3】 本発明に係るインクカートリッジの斜視図である。
【図4】 インクカートリッジの非使用時の状態を示す説明図である。
【図5】 インクカートリッジの使用時の、ヘッドユニットに装着する前の状態を示す説明図である。
【図6】 インクカートリッジの使用時の、ヘッドユニットに装着した後の状態を示す説明図である
【図7】 従来例の説明図である
【符号の説明】
1A〜1D インクカートリッジ
2 インク吸蔵部材
3 カートリッジ本体
5 インク供給孔
7 シール材
8 橋部
12 ヘッドユニット
15 インク供給管
15b スリット部
Claims (4)
- インク供給孔を有するカートリッジ本体と、該カートリッジ本体のインク供給孔の外壁面側に引き剥がし可能に設けられるシール材と、その外壁面に対して前記シール材と反対側の内部に充填されるインク吸蔵部材とを備え、印字ヘッドを有するヘッドユニットに装着して用いられるインクジェットプリンタのインクカートリッジにおいて、
前記インク供給孔に、前記インク供給孔の周壁間を連結する橋部が設けられ、その橋部に前記インク吸蔵部材が押圧されるとともに、前記橋部を挟んで前記シール材と前記インク吸蔵部材とが対向配置されていることを特徴とするインクジェットプリンタのインクカートリッジ。 - 前記橋部は、一部がカートリッジ本体内に突出しているところの請求項1記載のインクジェットプリンタのインクカートリッジ。
- 前記橋部は、前記インク供給孔の周壁間を連結する方向が、インク吸蔵部材に吸蔵されるインクの色彩に応じて異なっているところの請求項1又は2記載のインクジェットプリンタのインクカートリッジ。
- インク供給孔を有するカートリッジ本体、該カートリッジ本体のインク供給孔の外壁面側に引き剥がし可能に設けられるシール材、及びその外壁面に対して前記シール材と反対側の内部に充填されるインク吸蔵部材を備えるインクカートリッジと、
印字ヘッド及びインク供給管を有するヘッドユニットと
を備えるインクジェットプリンタにおいて、
前記インクカートリッジのインク供給孔に、前記インク供給孔の周壁間を連結する橋部が設けられ、その橋部に前記吸蔵部材が押圧されており、
前記ヘッドユニットのインク供給管には、前記橋部と干渉しないように前記橋部が進入するスリット部が形成されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9071796A JP3733636B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | インクジェットプリンタ及びインクカートリッジ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9071796A JP3733636B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | インクジェットプリンタ及びインクカートリッジ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09277547A JPH09277547A (ja) | 1997-10-28 |
JP3733636B2 true JP3733636B2 (ja) | 2006-01-11 |
Family
ID=14006303
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9071796A Expired - Lifetime JP3733636B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | インクジェットプリンタ及びインクカートリッジ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3733636B2 (ja) |
-
1996
- 1996-04-12 JP JP9071796A patent/JP3733636B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09277547A (ja) | 1997-10-28 |
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