JP3732858B2 - Hivプロテアーゼ阻害剤としてのn−(3− アミノ−2− ヒドロキシブチル)スルホンアミド誘導体 - Google Patents

Hivプロテアーゼ阻害剤としてのn−(3− アミノ−2− ヒドロキシブチル)スルホンアミド誘導体 Download PDF

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Description

背景
本発明は、HIVプロテアーゼ阻害剤として有用である新規な一連の化合物、並びに抗ウイルス剤としての該化合物の使用に関するものである。
後天性免疫不全症候群(AIDS)は比較的最近になって確認された疾病または症状である。AIDSは身体の免疫系を次第に低下させるのみならず、中枢および末梢神経系の進行性退化を引き起こす。1980年代の初頭に初めて確認されて以来、AIDSは急速に広まって、いまや比較的限られた集団内での流行病の域に達している。徹底した研究の結果、その原因はヒトTリンパ球性レトロウイルスIII(HTLV-III)、現在ではより一般的にヒト免疫不全ウイルスまたはHIVと呼ばれているウイルスであることが突き止められた。
HIVはレトロウイルスとして知られているウイルスのクラスに属するものである。レトロウイルスのゲノムはRNAからなり、このRNAが逆転写によりDNAに変換される。次に、このレトロウイルスDNAが宿主細胞の染色体に安定的に組み込まれ、宿主細胞の複製過程において新たなレトロウイルス粒子をつくり、そして他の細胞へと感染していく。HIVは免疫系において極めて重要な働きをするヒトT−4リンパ球細胞に対して特に高い親和性をもっているようである。こうした白血球細胞のHIV感染はこの白血球集団を減少させる。最終的には、免疫系が種々の日和見感染、中でも、カリニ肺炎、カポジ肉腫、リンパ系の癌に対して作用しなくなり、不全状態に陥る。
HIVウイルスの形成とその働きの正確なメカニズムは理解されていないが、このウイルスが同定されたことによりこの疾患をある程度コントロールできるようになった。例えば、薬剤アジドチミジン(AZT)はHIVウイルスのレトロウイルスゲノムの逆転写を阻害するのに有効であることが判明し、こうして、AIDSにかかった患者に、治癒ではないものの、ある程度のコントロールをもたらした。致命的なHIVウイルスを取り除いたり、または該ウイルスのコントロールを少なくとも向上させる薬剤を求めて今なお研究が続けられている。
レトロウイルスの複製は一般的にポリタンパク質の翻訳後プロセシングに特徴がある。このプロセシングはウイルスによりコードされたHIVプロテアーゼ酵素により行われる。その結果、あとで感染性ウイルスの形成および機能に役立ち得る成熟ポリペプチドが生成される。この分子プロセシングが阻止されると、正常なHIVの生産が停止する。したがって、HIVプロテアーゼの阻害剤は抗HIVウイルス剤として作用し得るのである。
HIVプロテアーゼはHIV構造タンパク質のpol遺伝子から翻訳された産物のうちの一つである。このレトロウイルスプロテアーゼは他の構造ポリペプチドを別々の部位で特異的に切断して、新たに活性化された構造タンパク質および酵素を放出させ、それによりビリオンを複製能のあるものにする。こうして、強力な化合物によるHIVプロテアーゼの阻害は、HIV−1生活環の初期における感染Tリンパ球のプロウイルス組み込みを妨げるばかりでなく、その後期段階ではウイルスのタンパク質分解プロセシングを阻止することができる。さらに、プロテアーゼ阻害剤は、現在入手可能な薬剤と比べて容易に入手可能であり、ウイルス内により長く存在し、毒性がより少ないという利点を有するが、これはおそらくレトロウイルスプロテアーゼに対するそれらの特異性によるものだろう。
本発明によると、HIVプロテアーゼの活性を阻害および/または遮断して、HIVウイルスの増殖を停止させることができる新規なクラスの化合物、これらの化合物を含有する医薬組成物、およびHIVプロテアーゼの阻害剤としての該化合物の使用が提供される。
発明の概要
本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)1型(HIV−1)または2型(HIV−2)によりコードされるプロテアーゼを阻害する、以下の式(1)に含まれる化合物およびその薬学的に許容される塩に関するものである。これらの化合物はHIVによる感染の治療および後天性免疫不全症候群(AIDS)の治療に有効である。本発明による式(1)の化合物、それらの薬学的に許容される塩および医薬組成物は単独で、または他の抗ウイルス薬、免疫調節剤、抗生物質またはワクチンとの組合せで使用することができる。また、本発明の化合物はプロドラッグとしても使用し得る。AIDSの治療方法、HIV感染の治療方法およびHIVプロテアーゼの阻害方法が記載される。
本発明の化合物は式(1):
Figure 0003732858
〔式中、
1は置換または無置換の炭素環、複素環、アルキル、アルキニルおよびアルケニルから選択され、
2はヒドロキシル、ハロゲン、加水分解性の基、および置換または無置換の炭素環、複素環、アルキル、アルコキシル、炭素環オキシル、複素環オキシル、アミノ、アシル、アルキニルおよびアルケニルから選択され、
3はメルカプト、置換されたアリールまたはアリールオキシル、および置換または無置換のチオエーテル、アミノおよび部分飽和複素環から選択され、
4−Q8は、存在する場合、水素、ヒドロキシル、メルカプト、ジオキシド、ニトロ、ハロゲン、−O−J(ここでJは置換または無置換の加水分解性の基である)、および置換または無置換のアルコキシル、アリールオキシル、チオエーテル、アシル、スルフィニル、スルホニル、アミノ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、飽和または部分飽和の複素環およびアリールから独立に選択され、さらに、Q4−Q8のいずれか1つまたはそれ以上はスピロ環の一員であってよく、Q4−Q8のいずれか2つは共に1つの環の員原子であってよく、
Yは酸素、−N−H、−N−アルキル、−N−アルケニル、−N−アルキニル、硫黄、セレンおよび2個の水素原子から選択され、
Eは炭素または窒素であり、そして
Aはさらに置換されていてもよい炭素環または複素環である〕
で表されるか、またはその薬学的に許容される塩である。
式(I)の好ましい化合物種は、N-[(2 syn,3S)-2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル]-N-イソブチル-4-メトキシ-ベンゼンスルホンアミド、その薬学的に許容される塩およびそのプロドラッグ類似体;N-[(2 syn,3S)-2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル]-N-イソブチル-4-ヒドロキシ-ベンゼンスルホンアミド、その薬学的に許容される塩およびそのプロドラッグ類似体;N-シクロペンチルメチル-4-ヒドロキシ-N-((2 syn,3S)-2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド、その薬学的に許容される塩およびそのプロドラッグ類似体;N-シクロペンチルメチル-4-アミノ-N-((2 syn,3S)-2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド、その薬学的に許容される塩およびそのプロドラッグ類似体;およびN-[(2 syn,3S)-2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル]-N-シクロヘキシルメチル-4-メトキシ-ベンゼンスルホンアミド、その薬学的に許容される塩およびそのプロドラッグ類似体である。
本発明はさらに、有効量の式(1)の化合物またはその薬学的に許容される塩を、希釈剤または賦形剤のような製剤学的に許容される担体と共に、含んでなる医薬組成物を提供するものである。
本発明はさらに、霊長類のような宿主または患者に、有効量の本発明化合物を投与することを含んでなるAIDSの治療方法を提供するものである。
本発明はさらに、HIV感染細胞、HIVに感染しやすい細胞、または霊長類のような宿主または患者に、有効量の本発明化合物を投与することを含んでなるHIV複製の阻止方法を提供するものである。
発明の詳細な説明
本発明は、HIV感染および/またはAIDSの治療に有効な、上述した式(1)に含まれる新規な化合物を提供する。Q3がQ3aで置き換えられた化合物(ただし、Q3aはメルカプト、および置換または無置換のアルコキシル、アリールオキシル、チオエーテル、アミノ、アルキル、シクロアルキル、飽和または部分飽和の複素環、およびアリールを表す)も製造することができる。
式(1)の化合物はプロドラッグであり得る。例えば、Q4−Q8の少なくとも1つが上で定義したような−O−Jであり、かつ/またはQ2が置換基−O−Jを有する化合物はプロドラッグとして用いることができ、このプロドラッグは化合物の薬物速度論的性質(例えば、生物学的利用能または溶解度)などの医薬品の諸性質を向上させるために利用される。プロドラッグを製造するには、例えばQ4−Q8の少なくとも1つが−O−Hであり、かつ/またはQ2が置換基−O−Hを有する式(1)の化合物を、例えば活性型のアミノアシル、ホスホリルまたはヘミスクシニル誘導体と反応させる。
ここに記載した温度はすべてセ氏(℃)で表してある。ここで採用した測定の単位はすべて重量単位であるが、液体については容量単位である。
ここで用いる「アルキル」という用語は、好ましくは1〜8個、より好ましくは1〜6個、最も好ましくは1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状の基を意味する。「C1−C6アルキル」とは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖を表す。C1−C6アルキル基の例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシルなどがある。「C1−C6アルキル」はその定義内に「C1−C4アルキル」を含む。
「シクロアルキル」という用語は、飽和または部分飽和のモノ−またはポリ−炭素環、好ましくは5〜14個の環炭素原子を有するもの、を表す。シクロアルキルの例として、3〜7個、好ましくは3〜6個の炭素原子を有する単環、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどがある。代表的なシクロアルキルは5〜7個の炭素原子を含む飽和炭化水素環構造のC5−C7シクロアルキルである。
「アルコキシル」という用語は−O−アルキルを表す。アルコキシルの例は、酸素原子に1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖が結合しているC1−C6アルコキシルである。代表的なC1−C6アルコキシル基としては、メトキシル、エトキシル、プロポキシル、イソプロポキシル、ブトキシル、sec-ブトキシル、t-ブトキシル、ペントキシル、ヘキソキシルなどがある。C1−C6アルコキシルはその定義内にC1−C4アルコキシルを含む。
ここで用いる「アルケニル」という用語は、1個以上の二重結合を有する非環式不飽和炭化水素のクラスを指す。
ここで用いる「アルキニル」という用語は、1個以上の三重結合を有する非環式不飽和炭化水素のクラスを指す。
ここで用いる「アリール」という用語は、炭素環式もしくは複素環式で、芳香族の、5〜14員の単環または多環を指す。アリールの例として、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、フリル、イソチアゾリル、フラザニル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3-b]チアントレニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチエニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、テトラヒドロキノリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニルおよびフェノキサジニルが挙げられる。
「アリールオキシル」という用語は−O−アリールを表す。
「加水分解性の基」という用語は、生体内でヒドロキシル基に加水分解され得る、酸素に結合されたときエステルを形成する基を表す。加水分解性の基(場合により置換されていてもよい)の例として、アシル基、スルホネート基およびホスフェート基がある。例えば、このような加水分解性の基はブロックされたまたはされていないアミノ酸残基、ヘミスクシネート残基およびニコチネート残基を含む。
「ハロゲン」という用語は塩素、フッ素、臭素またはヨウ素を表す。「ハロ」という用語はクロロ、フルオロ、ブロモまたはヨードを表す。
「炭素環」という用語は、芳香族または飽和もしくは部分飽和の5〜14員の単環または多環、例えば5〜7員の単環または7〜10員の二環を表す。ただし、環の員原子はすべて炭素原子である。炭素環の例はフェニルである。
「複素環」という用語は、窒素、酸素および硫黄から選択された1〜3個のヘテロ原子を有する、芳香族または飽和もしくは部分飽和の5〜14員の単環または多環、例えば5〜7員の単環または7〜10員の二環を表す。ここで、窒素および硫黄へテロ原子は場合により酸化されていてもよく、また、窒素へテロ原子は場合により四級化されていてもよい。複素環は任意の適当なヘテロ原子または炭素原子で結合され得る。このような複素環の例として、デカヒドロイソキノリニル、オクタヒドロ-チエノ[3,2-c]ピリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼピニル、ピロリル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イソベンゾフラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリル、チアントレニル、トリアジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、キノリニル、クロメニル、キサンテニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾアゾリル、フリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3-b]チエニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、フェノキサチエニル、インドリジニル、イソインドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニルおよびフェノキサジニルが挙げられる。
「炭素環オキシル」という用語は炭素環−Oを表す。
「複素環オキシル」という用語は複素環−Oを表す。
「チオエーテル」という用語は、S−アリール、例えばフェニルチオ、ナフチルチオ;S−複素環、ここで複素環は飽和または部分飽和である;S−(C5−C7)−シクロアルキル;およびS−アルキル、例えばC1−C6アルキルチオを含む。チオエーテルにおいて、−アリール、−複素環、−シクロアルキルおよび−アルキルは場合により置換されていてもよい。チオエーテルの一例は、硫黄原子に1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖が結合している「C1−C6アルキルチオ」である。代表的なC1−C6アルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、t-ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオなどがある。
「メルカプト」という用語は−SHを表す。
「アミノ」という用語は−NL12(ここでL1およびL2は好ましくは炭素環、複素環、アルキル、スルホニル、アルコキシル、炭素環オキシル、複素環オキシルおよび水素から独立に選択される)またはNC(O)L3(ここでL3は好ましくはアルキル、アルコキシル、水素または−NL12である)を表す。炭素環、複素環、アルキルおよびアルコキシル基は場合により置換されていてもよい。アミノの例は、アミノ基に1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖が結合しているC1−C4アルキルアミノである。代表的なC1−C4アルキルアミノ基としては、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、sec-ブチルアミノなどがある。アミノの他の例は、共通のアミノ基に2つの直鎖または分枝アルキル鎖(それぞれ1〜4個の炭素原子を有する)が結合しているジ(C1−C4)アルキルアミノである。代表的なジ(C1−C4)アルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、メチルプロピルアミノ、エチルイソプロピルアミノ、ブチルメチルアミノ、sec-ブチルエチルアミノなどがある。アミノの他の例は、スルホニルアミノ部分に1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖が結合しているC1−C4アルキルスルホニルアミノである。代表的なC1−C4アルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ、イソプロピルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、sec-ブチルスルホニルアミノ、t-ブチルスルホニルアミノなどがある。
「アシル」という用語はL6C(O)L4を表し、ここでL6は単結合、−Oまたは−NL1(L1は上で定義したとおり)であり、L4は好ましくはアルキル、アミノ、ヒドロキシル、アルコキシルまたは水素である。アルキルおよびアルコキシル基は場合により置換されていてもよい。アシルの例は、カルボニル部分に1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルコキシル鎖が結合しているC1−C4アルコキシカルボニルである。代表的なC1−C4アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニルなどである。アシルの他の例は、L6が単結合で、L4がアルコキシル、水素またはヒドロキシルであるカルボキシである。アシルのさらに他の例は、カルバモイル部分の窒素原子に1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖が結合しているN−(C1−C4)アルキルカルバモイル(L6が単結合で、L4がアミノ)である。代表的なN−(C1−C4)アルキルカルバモイル基としては、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−イソプロピルカルバモイル、N−ブチルカルバモイル、N−t-ブチルカルバモイルなどがある。アシルのさらに別の例は、カルバモイル部分の窒素原子に2つの直鎖または分枝アルキル鎖(それぞれ1〜4個の炭素原子を有する)が結合しているN,N−ジ(C1−C4)アルキルカルバモイルである。代表的なN,N−ジ(C1−C4)アルキルカルバモイル基としては、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−エチルメチルカルバモイル、N,N−メチルプロピルカルバモイル、N,N−エチルイソプロピルカルバモイル、N,N−ブチルメチルカルバモイル、N,N−sec-ブチルエチルカルバモイルなどがある。
「スルフィニル」という用語は−SO−L5を表し、ここでL5は好ましくはアルキル、アミノ、アリール、シクロアルキルまたは複素環である。アルキル、アリール、シクロアルキルおよび複素環は場合により置換されていてもよい。
「スルホニル」という用語は−SO2−L5を表し、ここでL5は好ましくはアルキル、アリール、シクロアルキル、複素環またはアミノである。アルキル、アリール、シクロアルキルおよび複素環は場合により置換されていてもよい。スルホニルの例は、スルホニル部分に1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖が結合しているC1−C4アルキルスルホニルである。代表的なC1−C4アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、t-ブチルスルホニルなどがある。
上で示したように、多くの基は場合により置換される。アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールのための置換基の例として、メルカプト、チオエーテル、ニトロ(NO2)、アミノ、アリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシルおよびアシル、並びにアリール、シクロアルキル、飽和または部分飽和の複素環が挙げられる。複素環及びシクロアルキルのための置換基の例としては、アルキルおよびアリールについて上で列挙したもの、並びにアリールおよびアルキルが挙げられる。
代表的な置換アリールとしては、ハロ、ヒドロキシ、モルホリノ(C1−C4)アルコキシカルボニル、ピリジル(C1−C4)アルコキシカルボニル、ハロ(C1−C4)アルキル、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C1−C4)アルキルカルバモイル、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、または式−(CH2a−R7の基(ここでaは1、2、3または4であり、R7はヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、アミノ、カルバモイル、C1−C4アルキルアミノまたはジ(C1−C4)アルキルアミノである)から独立に選択される、1個以上、好ましくは1〜3個の置換基で置換されたフェニルまたはナフチル環が挙げられる。
置換アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖に1〜3個のハロゲン原子が結合しているハロ(C1−C4)アルキルである。代表的なハロ(C1−C4)アルキル基としては、クロロメチル、2-ブロモエチル、1-クロロイソプロピル、3-フルオロプロピル、2,3-ジブロモブチル、3-クロロイソブチル、ヨード-t-ブチル、トリフルオロメチルなどがある。
他の置換アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖に1個のヒドロキシル基が結合しているヒドロキシ(C1−C4)アルキルである。代表的なヒドロキシ(C1−C4)アルキル基としては、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシイソプロピル、4-ヒドロキシブチルなどがある。
さらに他の置換アルキルは、直鎖または分枝C1−C4アルキル基にC1−C4アルキルチオ基が結合しているC1−C4アルキルチオ(C1−C4)アルキルである。代表的なC1−C4アルキルチオ(C1−C4)アルキル基としては、メチルチオメチル、エチルチオメチル、プロピルチオプロピル、sec-ブチルチオメチルなどがある。
置換アルキルのさらに他の例は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖に複素環が結合している複素環(C1−C4)アルキルである。代表的な複素環(C1−C4)アルキルとしては、ピロリルメチル、キノリニルメチル、1-インドリルエチル、2-フリルエチル、3-チエン-2-イルプロピル、1-イミダゾリルイソプロピル、4-チアゾリルブチルなどがある。
さらに他の置換アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖にアリール基が結合しているアリール(C1−C4)アルキルである。代表的なアリール(C1−C4)アルキル基としては、フェニルメチル、2-フェニルエチル、3-ナフチル-プロピル、1-ナフチルイソプロピル、4-フェニルブチルなどがある。
複素環は、例えば、ハロ、ハロ(C1−C4)アルキル、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C1−C4)アルキルカルバモイル、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノまたは構造−(CH2a−R7を有する基(ここでaは1、2、3または4であり、R7はヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、アミノ、カルバモイル、C1−C4アルキルアミノまたはジ(C1−C4)アルキルアミノである)から独立に選択される1、2または3個の置換基で置換することができる。
置換複素環の例として、3-N-t-ブチルカルボキサミドデカヒドロイソキノリニル、6-N-t-ブチルカルボキサミドオクタヒドロ-チエノ[3,2-c]ピリジニル、3-メチルイミダゾリル、3-メトキシピリジル、4-クロロキノリニル、4-アミノチアゾリル、8-メチルキノリニル、6-クロロキノキサリニル、3-エチルピリジル、6-メトキシベンズイミダゾリル、4-ヒドロキシフリル、4-メチルイソキノリニル、6,8-ジブロモキノリニル、4,8-ジメチルナフチル、2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、N-メチル-キノリン-2-イル、2-t-ブトキシカルボニル-1,2,3,4-イソキノリン-7-イルなどが挙げられる。
AまたはBにより表される代表的な複素環系には、(1)5員の単環基、例えばチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、フリル、イソチアゾリル、フラザニル、イソキサゾリル、チアゾリルなど;(2)6員の単環基、例えばピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニルなど;および(3)多環式複素環基、例えばデカヒドロイソキノリニル、オクタヒドロ-チエノ[3,2-c]ピリジニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3-b]チアントレニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、およびそれらの完全または部分飽和同族体が含まれる。
シクロアルキルはハロ、ハロ(C1−C4)アルキル、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C1−C4)アルキルカルバモイル、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノまたは構造−(CH2a−R7を有する基(ここでaは1、2、3または4であり、R7はヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、アミノ、カルバモイル、C1−C4アルキルアミノまたはジ(C1−C4)アルキルアミノである)から独立に選択される1、2または3個の置換基で場合により置換されていてもよい。代表的な置換シクロアルキル基としては、3-メチルシクロペンチル、4-エトキシシクロヘキシル、5-カルボキシシクロヘプチル、6-クロロシクロヘキシルなどがある。
置換された加水分解性基の例として、N-ベンジルグリシル、N-Cbz-L-バリル、およびN-メチルニコチネートが挙げられる。
本発明の化合物は、以下の式(1)中に星印で示した、少なくとも2つの不斉中心を有する。
Figure 0003732858
これらの不斉中心の結果、本発明の化合物は可能な立体異性体のいずれかの形態で存在することができ、立体異性体の混合物(光学活性またはラセミであり得る)として、または本質的に純粋な立体異性体(すなわち、95%以上の純度)として単独で用いられる。全ての不斉形態、個々の立体異性体およびそれらの組合せが本発明の範囲に包含されるものである。
式(1)の化合物およびその中間体に関して、該分子が、例えば、化合物N-[(2 syn,3S)-2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル]-N-イソブチル-4-メトキシ-ベンゼンスルホンアミド;N-[(2 syn,3S)-2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル]-N-イソブチル-4-ヒドロキシ-ベンゼンスルホンアミド;N-シクロペンチルメチル-4-ヒドロキシ-N-((2 syn,3S)-2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド;N-シクロペンチルメチル-4-アミノ-N-((2 syn,3S)-2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド;およびN-[(2 syn,3S)-2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル]-N-シクロヘキシルメチル-4-メトキシ-ベンゼンスルホンアミドを描写するときのように、伸長したジグザグ表記で描写されるとき、明示したヒドロキシルの立体化学は隣接炭素原子上の−CH2−Q3に対して規定される。OHと−CH2−Q3が該化合物の伸長したバックボーン(主鎖)により規定される平面の同じ側にある場合、そのヒドロキシルの立体化学は“syn”と呼ばれる。OHと−CH2−Q3が該平面の反対側にある場合は、そのヒドロキシルの立体化学は“anti”と呼ばれる。
好ましくは、本発明の化合物は実質的に純粋なもの、すなわち50%以上の純度を有するものである。より好ましくは、該化合物は少なくとも75%の純度を有するものである。さらに好ましくは、該化合物は90%を越える純度を有するものである。さらに好ましくは、該化合物は少なくとも95%の純度、より好ましくは少なくとも97%の純度、最も好ましくは少なくとも99%の純度を有するものである。
上述したとおり、本発明は、式(1)により定義される化合物の薬学的に許容される塩を包含する。本発明の化合物は、十分に酸性の官能基、十分に塩基性の官能基、または両方の官能基をもつことができ、したがって、多くの無機および有機の塩基または酸のいずれかと反応して薬学的に許容される塩を形成する。
ここで用いる「薬学的に許容される塩」とは、生存している生物に対して実質的に無毒性である上記式の化合物の塩を意味する。代表的な薬学的に許容される塩には、本発明の化合物と鉱酸もしくは有機酸または無機塩基との反応により製造される塩が含まれる。このような塩は酸付加塩および塩基付加塩として知られている。
酸付加塩を生成するために使用し得る酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸などの無機酸、およびp-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p-ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸などの有機酸である。
薬学的に許容される塩の例は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ヘキシン-1,6-二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、λ-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、マンデル酸塩などである。
好ましい薬学的に許容される酸付加塩は、塩酸や臭化水素酸のような鉱酸により形成されるもの、およびマレイン酸やメタンスルホン酸のような有機酸により形成されるものである。
塩基付加塩としては、無機および有機塩基、例えばアンモニウムまたはアルカリもしくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩などから誘導されるものが含まれる。したがって、本発明の塩を製造するのに有用な塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどである。カリウム塩とナトリウム塩の形態が特に好ましいものである。
本発明の塩の一部を形成する対イオンは、塩が全体として薬理学的に許容されしかも対イオンが全体として塩の望ましからざる性質の一因とならない限り、特に決定的な性質のものではないことを理解すべきである。
好ましい化合物は以下のものである:
N-[2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル]-N-イソブチル-4-メトキシ-ベンゼンスルホンアミド:
Figure 0003732858
N-[2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル]-N-イソブチル-4-ヒドロキシ-ベンゼンスルホンアミド:
Figure 0003732858
N-シクロペンチルメチル-4-ヒドロキシ-N-(2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド:
Figure 0003732858
N-シクロペンチルメチル-4-アミノ-N-(2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド:
Figure 0003732858
および
N-[2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル]-N-シクロヘキシルメチル-4-メトキシ-ベンゼンスルホンアミド:
Figure 0003732858
上記の5つの式は、それぞれが2つの不斉中心を有し、したがって、4つの個々の立体異性体および2以上の立体異性体の混合物の群から選択される化合物を規定するものである。
これらの化合物の好ましい立体異性体は以下のものである:
N-[(2 syn,3S)-2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル]-N-イソブチル-4-メトキシ-ベンゼンスルホンアミド:
Figure 0003732858
N-[(2 syn,3S)-2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル]-N-イソブチル-4-ヒドロキシ-ベンゼンスルホンアミド:
Figure 0003732858
N-シクロペンチルメチル-4-ヒドロキシ-N-((2 syn,3S)-2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル]-ベンゼンスルホンアミド:
Figure 0003732858
N-シクロペンチルメチル-4-アミノ-N-((2 syn,3S)-2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド:
Figure 0003732858
および
N-[(2 syn,3S)-2-ヒドロキシ-4-フェニルチオ-3-(2'-メチル-3'-ヒドロキシフェニル)カルボキサミド-ブチル]-N-シクロヘキシルメチル-4-メトキシ-ベンゼンスルホンアミド:
Figure 0003732858
以下の製造例及び実施例は本発明の態様を説明する。これらの実施例は説明の目的のためのものであり、本発明の範囲を制限することを意味するものではない。
融点、核磁気共鳴スペクトル、電子衝撃質量スペクトル、フィールド脱着(field desorption)質量スペクトル、高速原子衝撃質量スペクトル、赤外吸収スペクトル、紫外吸収スペクトル、元素分析、高速液体クロマトグラフィー、及び薄層クロマトグラフィーの用語の略号は、それぞれ、m.p.、NMR、EIMS、MS(FD)、MS(FAB)、IR、UV、分析、HPLC、及びTLCである。更に、IRスペクトルに示した吸収極大は関心のあるものであり、全ての極大を観察したわけではない。
NMRスペクトルに関して、以下の略号を使用する:一重線(s)、二重線(d)、二重の二重線(dd)、三重線(t)、四重線(q)、多重線(m)、二重の多重線(dm)、幅広の一重線(br.s)、幅広の二重線(br.d)、幅広の三重線(br.t)、及び幅広の多重線(br.m)。Jは単位がHertz(Hz)の結合定数を示す。他に明記しない限り、NMRデータはその化合物の遊離の塩基に対応するものである。
NMRスペクトルはBruker Corp.270MHz装置またはGeneral Electric QE-300 300MHz装置で得た。化学シフトはδ値(テトラメチルシランから低磁場側のppm値)で表現する。MS(FD)スペクトルはカーボンデンドライトエミッターを用いてVarian−MAT 731スペクトロメーターで得た。EIMSスペクトルはConsolidated Electrodynamics Corporation製のCEC21−110装置で得た。MS(FAB)スペクトルはVG ZAB−3スペクトロメーターで得た。IRスペクトルはPerkin-Elmer281装置で得た。UVスペクトルはCary118装置で得た。TLCはE.Merckのシリカゲルプレートで行った。融点は修正していない。
以下の反応において使用するエポキシドは反応式Aを用いて合成することができる。
反応式A
Figure 0003732858
[式中:
Aはアミノ保護基であり;
3は式(1)で先に定義したものであり;そして
ZZはハロである。]
上記反応式Aは、反応1−5を順に行うことによって達成される。一旦反応が完了すると、必要であればこの分野で既知の方法によって中間化合物を単離してもよく、例えば化合物を結晶化させ、次いで濾過して回収し、または反応溶媒を抽出、蒸発乾固またはデカンテーションによって除去してもよい。中間化合物は、必要であれば、反応式の次の工程を実施する前に、結晶化またはシリカゲルまたはアルミナ等の固相支持体を用いるクロマトグラフィーのような通常の技術によって更に精製してもよい。
反応A.1は、構造:
Figure 0003732858
を有するアミノ基を保護したカルボン酸反応体を、この分野で既知の条件下で対応する混合酸無水物に変換することによって行う。例えば、アミノ基を保護したカルボン酸反応体を、好ましくは酸消去剤の存在下で、イソブチルクロロホルメートのようなC1−C6アルキルクロロホルメートと反応させる。好ましい酸消去剤はトリアルキルアミン、好ましくはトリエチルアミンである。反応は典型的にはエチルアセテートのような非プロトン性溶媒中で行う。溶媒の選択は、用いる溶媒が進行中の反応に対して不活性であり、反応体が目的とする反応を行うために十分溶解している限り厳密なものではない。得られた混合酸無水物反応体は、更に単離または精製することなく反応A.2で使用するのが好ましい。
反応A.2は2工程で行われる。まず、エーテル溶媒、好ましくはジエチルエーテルの層で被覆された水酸化ナトリウム溶液を、大過剰量のN−メチル−N−ニトロ−N−ニトロソグアニジンと反応させてジアゾメタン反応体を形成する。水酸化ナトリウムは、約4−6mol/lの水酸化ナトリウムを含有する水溶液として使用するのが好ましい。この反応が一旦実質的に完了したら、有機層を水酸化カリウム等の脱水剤で乾燥させる。この溶液を次いで上記反応A.1から得た混合酸無水物と反応させて、対応するα−ジアゾカルボニル化合物を生成させる。ジアゾメタン反応体は単離または精製することなくこの反応で使用するのが好ましい。反応は典型的には約−50℃から約−10℃、好ましくは約−20℃の温度で行う。
反応A.3において、反応A.2で調製したα−ジアゾカルボニル化合物を、ジエチルエーテルのような非プロトン性溶媒中でZZがハロである式H−ZZの酸と反応させて、α−ハロカルボニル化合物を形成する。好ましい酸反応体は、対応するα−クロロカルボニル化合物を与える塩酸である。反応は典型的には約−30℃から約0℃の温度で行う。溶媒の選択は、用いる溶媒が進行中の反応に対して不活性であり、反応体が目的とする反応を行うために十分溶解している限り厳密なものではない。酸反応体は、典型的には反応が実質的に完了したと思われるまで少量ずつ無水のガスの形で添加する。反応は薄層クロマトグラフィーでモニターすることができる。
反応A.4では、反応A.3で調製した化合物のカルボニル部分をこの分野で既知の標準的な条件を用いて還元し、対応するα−クロロヒドロキシ化合物を形成する。例えば、反応A.3で調製した化合物を混合溶媒中で還元剤と反応させる。典型的な還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化ジイソブチルアルミニウム、及び水素化ビス(2−メトキシ−エトキシ)アルミニウムナトリウムが挙げられる。好ましい還元剤は水素化ホウ素ナトリウムである。典型的な混合溶媒としては、テトラヒドロフラン/水のようなプロトン性/非プロトン性溶媒の混合物が挙げられる。溶媒の選択は、用いる溶媒が進行中の反応に対して不活性であり、反応体が目的とする反応を行うために十分溶解している限り厳密なものではない。反応は典型的には約−10℃、好ましくは約0℃の温度で行う。
反応A.5では、反応A.4で調製したα−クロロヒドロキシ化合物を強塩基で処理してこの分野で既知の標準的な条件下で対応する(上記反応I.5で使用する)エポキシドを形成する。例えば、α−クロロヒドロキシ化合物をエタノール等のアルコール性溶媒中で水酸化カリウム/エタノール混合物と反応させる。反応は典型的には約0℃から溶媒のほぼ還流温度までの温度で行う。好ましくは反応は室温で行う。
反応式Aで得られたエポキシドは、次いで以下の反応式Bを用いて式1の化合物を製造するために使用することができる(反応式Bにおいて、反応式Aで得られたエポキシドの保護基VAは、特に
Figure 0003732858
として示される)。
反応式B
Figure 0003732858
Figure 0003732858
反応式Bの工程Iは、以下の実施例を示すように、あるいは一般的に反応A.5で調製したエポキシドを、アルコール性溶媒中で約20℃から100℃の温度で複素環式反応体、H−Xと反応させることによって実施することができる。溶媒の選択は、用いる溶媒が進行中の反応に対して不活性であり、反応体が目的の反応を行うために十分溶解している限り厳密なものではない。この反応での典型的な溶媒としては、アルコール、好ましくはイソプロパノールまたはエタノールが挙げられる。反応は好ましくは約80℃の温度で行う。
反応式Bの工程IIにおいて、式1aの化合物はスルホニル−活性化物質との反応によって式1bの化合物に変換し、スルホンアミド、スルホニル尿素、チオカルバメート等を形成することができる。こうしたスルホニル活性化物質を調製する方法はこの分野の通常の技術の範囲内である。典型的には、スルホンアミドを得るためにはスルホニルハライドが使用される。スルホニルハライドの多くは商品として入手し得る;他のものは通常の合成技術を用いて容易に得ることができる(Gilbert,E.E.“調製的スルホン化及び硫酸化の最近の進展(Recent Developments in Preparative Sulfonation and Sulfation)”Synthesis 1969:3(1969)及びここに引用された参考文献;Hoffman, R.V.“塩化M−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル(M-Trifluoromethylbenzenesulfonyl Chloride)”Org. Synth. Coll. Vol. VII, John Wiley and Sons (1990); Hartman, G.D.ら“局所的カーボニックアンヒドラーゼ阻害剤としての4−置換チオフェン−及びフラン−2−スルホンアミド(4-Substituted Thiophene-and Furan-2-sulfonamides as Topical Carbonic Anhydrase Inhibitors)”J. Med. Chem., 35, p.3822(1992)及びここに引用された参考文献)。スルホニル尿素は通常アミンと塩化スルフリル、またはスルフリル−ビス−イミダゾールまたはスルフリル−ビス−N−メチルイミダゾール等の適当な等価物との反応によって得られる。チオカルバメートは、典型的にはアルコールと塩化スルフリル、またはスルフリル−ビス−イミダゾールまたはスルフリル−ビス−N−メチルイミダゾール等の適当な等価物との反応によって得られる。
反応式Bの工程IIIは、当業者に既知の方法によってアミンから保護基を除去することによって行う。例えば、パラジウム、プラチナまたはロジウム触媒の存在下の水素添加により、液体アンモニア中のナトリウム;塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、蟻酸、トリフルオロメタンスルホン酸、またはトリフルオロ酢酸;第二級アミン;フッ化物イオン;臭化物及びヨウ化物等のトリメチルシリルハライド;またはアルカリによる処理等の、参考としてここに挙げる、BodanszkyとBodanszky,“ペプチド合成の実際(The practice of Peptide Synthesis)”, Springer-Verlag, Berlin, Germany(1984)及び“ペプチド(The Peptides)”,GrossとMeinhofer(編);Academic Press, 1979,Vols.I-IIIに記載されている方法によって保護基を除去してもよい。必要であれば、メトキシフェニルスルホンアミドのメチル基をルイス酸またはプロトン性の酸、例えばBBr3で処理することによって除去することができる。
反応式Bの工程IVにおいて、式1cの化合物と適当な活性化試薬との反応によって、式1の化合物が収量よく得られるだろう。例えば、アシルハライド(例えば酸フッ化物、酸塩化物、及び酸臭化物)のような活性化カルボキシレート、ニトロフェニルエステルまたは1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)エステルのような活性化エステル、対称酸無水物またはイソブチル酸無水物のような酸無水物、あるいは炭酸−リン酸または炭酸−亜リン酸の混合酸無水物との反応によって、対応するアミドが得られるだろう。
特定の反応を促進するために、1種またはそれ以上の潜在的に反応性のある基を保護し、後にその基を除去することが必要となり得ることが容易に認識できるだろう。上述の反応式にこうした改変を加えることは、この分野における通常の技術の範囲内のことである。
製造例1
2−メチル−3−ヒドロキシ安息香酸
濃硫酸0.65mLを含有する水5mL中に2−メチル−3−アミノ安息香酸0.54g(3.3mmol)を入れた冷却懸濁液(0℃)に亜硝酸ナトリウムの固体0.25g(3.6mmol)を添加した。約15分後、反応混合液を濃硫酸4mLを含有する温水20mL中に注いだ。得られた反応混合液をゆっくり90℃に加熱すると、気体が発生した。気体の発生が止まった後、溶液を室温まで冷却し、エチルアセテートで抽出した。有機層を合わせ、0.5N塩酸で洗浄し、乾燥し、減圧下で濃縮した。粗残渣をシリカゲル(5%メタノール含有塩化メチレンを溶離液とする)による急速濾過で精製し、白色固体350mgを得た(融点137−138℃)。
収率:69%
Figure 0003732858
883についての分析:
計算値:C, 63.15;H, 5.29;
実測値:C, 63.32;H, 5.36.
あるいはまた、目的とする標記化合物は、3−アミノ−2−メチル安息香酸45g(0.30mol)及び濃硫酸106g(58mL;1.08mol)を水400mLに溶解した冷却溶液(−10℃)中に、7℃以下の温度を維持しながら、亜硝酸ナトリウム22.6g(0.33mol)を少量ずつ添加することによって調製した。得られた反応混合液をおよそ30分間−10℃で撹拌し、濃硫酸240mLを水1.2Lに溶解した中に注ぎ、次いでゆっくりと80℃に加熱した(40−60℃の温度で重い気体が発生する)。気体の発生が止まった時、反応混合液を室温まで冷却し、標記化合物をエチルアセテート(600mL)で5回抽出した。有機層を合わせたものを飽和炭酸ナトリウム水溶液500mLと合わせた。得られた層を分離し、水層を濃塩酸でpH2に酸性化した。次いでエチルアセテート(500mL)を用いて標記化合物を抽出し、有機層を合わせたものを食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過してから減圧下で濃縮して粗物質を得た。この物質をエチルアセテート/クロロホルム混合液から2回再結晶させて精製し、明るい橙色の粉末23.2gを得た。
収率:52%
製造例2
A.2R−N(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−3−ナフト−2−イルチオプロパン酸
ナフタレン−2−チオール1.28g(8.00mmol)のテトラヒドロフラン30mL溶液に、窒素下で60%水素化ナトリウム1.77g(8.16g)をゆっくり添加した。およそ15分間撹拌した後、N(ベンジルオキシカルボニル)セリン−β−ラクトンのテトラヒドロフラン20mL溶液をゆっくり添加した。反応混合液をおよそ1時間室温で反応させ、次いで減圧下で濃縮して残渣を得た。この残渣をエチルアセテートに溶解し、0.5N重硫酸ナトリウム及び飽和食塩水で続けて洗浄した。得られた層を分離し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下で濃縮して残渣を得た。この残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して淡黄色固体2.08gを得た。
収率:68%
Figure 0003732858
2019NO4Sに対する分析:
計算値:C, 66.12;H, 5.02;N, 3.67;
実測値:C, 66.22;H, 5.04;N, 3.86.
B.3R−1−ジアゾ−2−オキソ−3−N−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−4−(ナフト−2−イルチオ)ブタン
製造例2Aの標記化合物15.38g(40.3mmol)をエチルアセテート230mLに溶解した冷却溶液(−30℃)に、シリンジを介して窒素下でトリエチルアミン5.62mL(40.3mmol)をゆっくり添加した。得られた溶液に、次いでイソブチルクロロホルメート7.84mL(60.5mmol)をシリンジを介して添加した。別のフラスコ中でジエチルエーテル170mLと5N水酸化ナトリウム溶液170mLの二層型混合液にN(メチル)−N(ニトロ)−N(ニトロソ)−グアニジン10gを注意深く添加すると、気体が大量に発生した。この反応が実質的に完了した時点で、水層から有機層をデカントして水酸化カリウム上に移し、乾燥した。このジアゾメタン形成と添加を、等量のジエチルエーテルと水酸化ナトリウム、及びN(メチル)−N(ニトロ)−N(ニトロソ)−グアニジン30gを用いて繰り返した。得られたジアゾメタン反応体を、次いで上記のようにして調製した混合酸無水物溶液に添加し、反応混合液をおよそ20分間冷却下(−30℃)で反応させた。TLCでモニターして反応が実質的に完了した時点で、過剰量のジアゾメタンを除去するため、火仕上げパスツールピペットを用いて溶液に窒素を通し、次いで減圧下で溶液を濃縮して残渣を得た。この残渣を(10%エチルアセテート含有塩化メチレンを溶離液とする)フラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、黄色油13.62gを得た。
収率:83%
Figure 0003732858
C.3R−1−クロロ−2−オキソ−3−N−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−4−(ナフト−2−イルチオ)ブタン
製造例2Bの標記化合物13.62g(33.59mmol)をジエチルエーテル230mLに溶解した冷却溶液(−20℃)に無水塩酸(気体)を一気に(約2秒間で)通し、気体を発生させた。この方法を過剰量の塩酸を添加しないように注意しながら繰り返した。TLCでモニターして反応が実質的に完了した時点で、溶液を減圧下で濃縮して残渣を得た。この残渣を(10%エチルアセテート含有塩化メチレンを溶離液とする)フラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、淡い褐色の固体12.05gを得た。
収率:87%
Figure 0003732858
2220NO3SClに対する分析:
計算値:C, 63.84;H, 4.87;N, 3.38;
実測値:C, 64.12;H, 4.95;N, 3.54.
D.[3R−(3R * ,4S * )]−1−クロロ−2−ヒドロキシ−3−N−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−4−(ナフト−2−イルチオ)ブタン
製造例2Cの標記化合物530mg(1.28mmol)をテトラヒドロフラン10mL及び水1mLに溶解した冷却溶液(0℃)に、水素化ホウ素ナトリウム73mg(1.92mmol)を添加した。TLCでモニターして反応が実質的に完了した時点で、飽和塩化アンモニウム水溶液10mLと5N塩酸溶液500μLを用いて溶液をpH3に調整した。得られた溶液を塩化メチレンで2回抽出し、有機層を合わせて水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して減圧下で濃縮し、残渣を得た。この残渣を(塩化メチレンを溶離液とする)ラジアルクロマトグラフィーを用いて精製し、褐色固体212mgを得た。
収率:40%
Figure 0003732858
2222NO3ClSに対する分析:
計算値:C, 63.53;H, 5.33;N, 3.37;
実測値:C, 63.72;H, 5.60;N, 3.64.
E.[1’R−(1’R * ,1S * )]−1−[1’−N−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−2’−(ナフト−2−イルチオ)エチル]オキシラン
製造例2Dの標記化合物190mg(0.46mmol)を1:2エタノール/エチルアセテート混合液6mLに溶かした中に、水酸化カリウム31mg(0.55mmol)をエタノール1mLに溶かした溶液を添加した。TLCでモニターして反応が実質的に完了した時点で、反応混合液を水/塩化メチレン混合液中に注いだ。得られた層を分離し、有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下で濃縮して残渣を得た。この残渣を(10%エチルアセテート含有塩化メチレンを溶離液とする)ラジアルクロマトグラフィーを用いて精製し、明るい褐色固体172mgを得た。
収率:99%
Figure 0003732858
2221NO3Sに対する分析:
計算値:C, 69.63;H, 5.58;N, 3.69;
実測値:C, 69.41;H, 5.53;N, 3.64.
製造例3
A.2R−2−N(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−3−フェニルチオプロパン酸
目的とする標記の中間体は、実質的に製造例2Aに詳述した方法に従って、チオフェノール13.1mL(127mmol)、60%水素化ナトリウム溶液4.6g(117mmol)及びL−N(ベンジルオキシカルボニル)−セリンβ−ラクトン25.6g(116mmol)をテトラヒドロフラン450mLに溶解したものを用いて調製し、残渣を得た。この残渣を(0−2%酢酸含有4:1塩化メチレン/エチルアセテート混合液を勾配溶離液とする)フラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、白色固体27.9gを得た。
収率:72%
Figure 0003732858
1717NO4Sに対する分析:
計算値:C, 61.61;H, 5.17;N, 4.23;
実測値:C, 61.69;H, 5.22;N, 4.47.
製造例3Aは以下の方法に変えることができる:
2LのフラスコにPh3P(109.6g)をCH2Cl2500mLに入れたものを添加し、混合液を−70℃に冷却した。混合液にジエチルアジドジカルボキシレート(66ml)をTHF60mlに溶かした溶液を25分間にわたって滴下した。25分後、N−カーボベンジルオキシ−L−セリン(100g)をTHF400mlに溶かした溶液を45分間にわたって滴下し、2時間かけて水浴上で室温まで加温した。THF150mlを混合液に添加した。もう一つのフラスコで、チオフェノール(46g)をTHF1Lに溶かした溶液を氷浴上で0℃に冷却し、NaH分散液(10g)で少しずつ処理して濃厚溶液を得た。1時間後、粗ラクトン溶液をチオレート溶液に添加用漏斗を介して30分間かけて滴下した。12時間後、白色の沈澱物を濾取し、ケーキ状濾過物をTHFで洗浄した。固体を0.4NのNaHSO4及びEtOAcにとり、分離して、有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、溶媒を蒸発乾固させて粘ちょう性の油として2R−2−N(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−3−フェニルチオプロパン酸85gを得た。
最初の固体は目的とする生成物のナトリウム塩であると考えられる。従って、収率及び単離の容易さはナトリウム塩を直接単離することで改良されるかも知れない。
B.3S−1−ジアゾ−2−オキソ−3−N−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−4−フェニルチオブタン
目的とする標記化合物は、実質的に製造例2Bに詳述した製法に従って、製造例3Aの標記化合物12.1g(37mmol)、トリエチルアミン5.09mL(37mmol)、イソブチルクロロホルメート7.13mL(55mmol)、ジアゾメタン溶液146mmolを用いて調製し、残渣を得た。ジアゾメタン溶液は製造例2Bに記載したようにジエチルエーテル100mL、5N水酸化ナトリウム溶液150mL及びN(メチル)−N(ニトロ)−N(ニトロソ)−グアニジン21g(146mmol)を用いて調製した。この残渣を(0−5%エチルアセテート含有塩化メチレンを勾配溶離液とする)フラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、黄色油を得た。
収率:73%
Figure 0003732858
C.3R−1−クロロ−2−オキソ−3−N−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−4−フェニルチオブタン
目的とする標記化合物は、実質的に製造例2Bに詳述した製法に従って、製造例3Bの標記化合物22.3g(63mmol)及び少量の塩酸(気体)をジエチルエーテル400mLに溶かしたものを用いて調製し、白色固体21gを得た。この固体を更に精製することなく使用した。
Figure 0003732858
1818NO3SClに対する分析:
計算値:C, 59.42;H, 4.99;N, 3.85;
実測値:C, 59.57;H, 5.09;N, 4.13.
D.「2S−(2R * ,3S * )]−1−クロロ−2−ヒドロキシ−3−N−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−4−フェニルチオブタン
目的とする標記化合物は、実質的に製造例2Dに詳述した製法に従って、製造例3Cの標記化合物21g(58mmol)、水素化ホウ素ナトリウム2.4g(63mmol)をテトラヒドロフラン300mLに溶かしたものを用いて調製し、残渣を得た。この残渣を(0−2%メタノール含有塩化メチレンを勾配溶離液とする)フラッシュクロマトグラフィー、次に(0−2%エチルアセテート含有クロロホルムを勾配溶離液とする)フラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、次いで塩化メチレンから−78℃で再結晶させて標記化合物8.3gを得た。
収率:39%
Figure 0003732858
1820NO3SClに対する分析:
計算値:C, 59.09;H, 5.51;N, 3.83;
実測値:C, 59.03;H, 5.50;N, 3.96.
製造例3Dは以下の製法に変えることができる:
粗クロロケトン3R−1−クロロ−2−オキソ−3−N−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−4−フェニルチオブタン(16.87g、46.4mmol)を無水EtOH1L及びTHF200mLに添加し、溶液をCO2−アセトン浴(内部温度−78°)上で冷却し、NaBH4(2.63g、69.5mmol)を無水EtOH200mlに入れたものを1時間かけて滴下した(内部温度<−75℃)。添加後のTLC分析は反応が完了したことを示した。反応液をエーテル300mLで希釈し、0.4N NaHSO3を撹拌しながらゆっくり添加して反応を止めると、気体が発生した。この混合液を減圧下で濃縮してEtOHの大部分を除去し、更に水を添加した。混合液をエーテルで抽出し、有機層を合わせて飽和NaHCO3水溶液及び食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮して灰白色固体15.7gを得た。この物質を沸騰ヘキサン(300mL)で細かくすりつぶし、熱いうちにヘキサンを注意深くデカントした。これを10回(それぞれ300mL)繰り返して灰白色固体10.35gを得た(TLCによると1種の純粋な異性体)。ヘキサン濾過物を濃縮して白色固体6gを得、これを取り分けた。すりつぶした固体をCH2Cl250mL及びヘキサン約6mLと共に加熱し、熱いうちに濾過した。透明な溶液を25℃まで冷却し、次いでフリーザーに入れた。得られた固体を濾過し、ヘキサンで洗浄して白色固体7.157gを得た。濾過物を上記のヘキサン濾過物及び2つの小スケール実験(それぞれ出発ケトン500mg)の粗反応生成物と合わせ、合わせた物質をSiO2のクロマトグラフィー(2:1ヘキサン−エーテル−−→1:1ヘキサン−エーテル、CH2Cl2で負荷)にかけて更に2.62gの生成物を得た。全量で10.31gの[2S−(2R*,3S*)]−1−クロロ−2−ヒドロキシ−3−N−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−4−フェニルチオブタンの純粋な異性体(酸からの収率50%)が得られた。
αD=−63.6°(c=1、MeOH)
E.[1’R−(1’R * ,1S * )]−1−[(1’−N−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−2’−フェニルチオ)エチル]オキシラン
目的とする標記化合物は、実質的に製造例2Eに詳述した製法に従って、製造例3Dの標記化合物8.3g(23mmol)、水酸化カリウム1.4g(25mmol)をエタノール400mLに溶かした溶液を用いて調製し、残渣を得た。この残渣を(0−2%エチルアセテート含有塩化メチレンを勾配溶離液とする)フラッシュクロマトグラフィーを用いて精製して白色固体6.4gを得た。
収率:85%
Figure 0003732858
324534Sに対する分析:
計算値:C, 65.63;H, 5.81;N, 4.25;
実測値:C, 65.48;H, 5.82;N, 4.29.
実施例1
Figure 0003732858
A.化合物1A
製造例3Eの標記化合物及びイソブチルアミンの無水エタノール溶液を80℃に一晩加熱する。反応混合液を減圧下で蒸発乾固して残渣を得る。この残渣をフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、化合物1Aを得る。
B.化合物1B
化合物1AのCH2Cl2溶液に、過剰量の飽和重炭酸ナトリウム水溶液、重炭酸ナトリウム、及び塩化4−メトキシベンゼンスルホニルを添加する。混合液を24時間激しく撹拌する。得られた混合液をCH2Cl2で希釈し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して濾過する。真空下で混合液を濃縮した後、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して化合物1Bを得る。
C.化合物1C
化合物1BのEtOAc溶液を室温下10%パラジウム/炭素で処理し、水素の正圧下で水素添加する。混合液を濾過し、真空下で濃縮して粗残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して化合物1Cを得る。
D.化合物1D
化合物1C及び製造例1で調製した化合物、DCC、及びHOBT・H2OをCH2Cl2中で共に混合し、一晩撹拌する。反応混合液をCH2Cl2で希釈し、H2Oで洗浄する。有機物を乾燥させ、蒸発乾固させて残渣を得る。得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、化合物1Dを得る。
実施例2
Figure 0003732858
A.化合物2A
製造例3Eの標記化合物及びイソブチルアミンの無水エタノール溶液を80℃に一晩加熱する。反応混合液を減圧下で蒸発乾固して残渣を得る。この残渣をフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、化合物2Aを得る。
B.化合物2B
化合物2AのCH2Cl2溶液に、過剰量の飽和重炭酸ナトリウム水溶液、重炭酸ナトリウム、及び塩化4−メトキシベンゼンスルホニルを添加する。混合液を24時間激しく撹拌する。得られた混合液をCH2Cl2で希釈し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して濾過する。真空下で混合液を濃縮した後、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して化合物2Bを得る。
C.化合物2C
化合物2BのEtOAc溶液を室温下10%パラジウム/炭素で処理し、水素の正圧下で水素添加する。混合液を濾過し、真空下で濃縮して粗残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して化合物2Cを得る。
D.化合物2D
化合物2CのCH2Cl2溶液を、三臭化ホウ素のCH2Cl2溶液に添加する。反応混合液を室温下で24時間撹拌する。溶液を重炭酸ナトリウムの飽和溶液上に注ぐ。水層をCH2Cl2及びEtOAcで抽出する。有機層を合わせ、無水MgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して化合物2Dを得る。
E.化合物2E
化合物2D及び製造例1で調製した化合物、DCC、及びHOBT・H2OをCH2Cl2中で共に混合し、一晩撹拌する。反応混合液をCH2Cl2で希釈し、H2Oで洗浄する。有機物を乾燥し、蒸発乾固して残渣を得る。得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、化合物2Eを得る。
実施例3
Figure 0003732858
A.化合物3A
製造例3Eの標記化合物及びシクロペンチルメチルアミンの無水エタノール溶液を80℃に一晩加熱する。反応混合液を減圧下で蒸発乾固して残渣を得る。この残渣をフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製して化合物3Aを得る。
B.化合物3B
化合物3AのCH2Cl2溶液に、過剰量の飽和重炭酸ナトリウム水溶液、重炭酸ナトリウム、及び塩化4−メトキシベンゼンスルホニルを添加する。混合液を24時間激しく撹拌する。得られた混合液をCH2Cl2で希釈し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して濾過する。真空下で混合液を濃縮した後、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して化合物3Bを得る。
C.化合物3C
化合物3BのEtOAc溶液を室温下10%パラジウム/炭素で処理し、水素の正圧下で水素添加する。混合液を濾過し、真空下で濃縮して粗残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して化合物3Cを得る。
D.化合物3D
化合物3CのCH2Cl2溶液を、三臭化ホウ素のCH2Cl2溶液に添加する。反応混合液を室温下で24時間撹拌する。溶液を重炭酸ナトリウムの飽和溶液上に注ぐ。水層をCH2Cl2及びEtOAcで抽出する。有機層を合わせ、無水MgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮して粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して化合物3Dを得る。
E.化合物3E
化合物3D及び製造例1で調製した化合物、DCC、及びHOBT・H2OをCH2Cl2中で共に混合し、一晩撹拌する。反応混合液をCH2Cl2で希釈し、H2Oで洗浄する。有機物を乾燥し、蒸発乾固して残渣を得る。得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、化合物3Eを得る。
実施例4
Figure 0003732858
A.化合物4A
製造例3Eの標記化合物及びシクロペンチルメチルアミンの無水エタノール溶液を80℃に一晩加熱する。反応混合液を減圧下で蒸発乾固して残渣を得る。この残渣をフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製して化合物4Aを得る。
B.化合物4B
化合物4AのCH2Cl2溶液に、過剰量の飽和重炭酸ナトリウム水溶液、重炭酸ナトリウム、及び塩化4−ニトロベンゼンスルホニルを添加する。混合液を24時間激しく撹拌する。得られた混合液をCH2Cl2で希釈し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して濾過する。真空下で混合液を濃縮した後、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して化合物4Bを得る。
C.化合物4C
化合物4BのEtOAc溶液を室温下10%パラジウム/炭素で処理し、水素の正圧下で水素添加する。混合液を濾過し、真空下で濃縮して粗残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して化合物4Cを得る。
D.化合物4D
化合物4C及び製造例1で調製した化合物、DCC、及びHOBT・H2OをCH2Cl2中で共に混合し、一晩撹拌する。反応混合液をCH2Cl2で希釈し、H2Oで洗浄する。有機物を乾燥し、蒸発乾固して残渣を得る。得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、化合物4Dを得る。
実施例5
Figure 0003732858
Figure 0003732858
A.化合物5A
製造例3Eの標記化合物及びシクロヘキシルメチルアミンの無水エタノール溶液を80℃に一晩加熱する。反応混合液を減圧下で蒸発乾固して残渣を得る。この残渣をフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製して化合物5Aを得る。
B.化合物5B
化合物5AのCH2Cl2溶液に、過剰量の飽和重炭酸ナトリウム水溶液、重炭酸ナトリウム、及び塩化4−メトキシベンゼンスルホニルを添加する。混合液を24時間激しく撹拌する。得られた混合液をCH2Cl2で希釈し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して濾過する。真空下で混合液を濃縮した後、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して化合物5Bを得る。
C.化合物5C
化合物5BのEtOAc溶液を室温下10%パラジウム/炭素で処理し、水素の正圧下で水素添加する。混合液を濾過し、真空下で濃縮して粗残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して化合物5Cを得る。
D.化合物5D
化合物5C及び製造例1で調製した化合物、DCC、及びHOBT・H2OをCH2Cl2中で共に混合し、一晩撹拌する。反応混合液をCH2Cl2で希釈し、H2Oで洗浄する。有機物を乾燥させ、蒸発乾固して残渣を得る。得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、化合物5Dを得る。
上記実施例の化合物のカーボベンジルオキシ基を脱保護するために、例えば実施例2Cに記載したように、化合物を酢酸に溶解した33%HBr中で還流することができる。溶媒の除去後、化合物をカラムクロマトグラフィーで単離する。
上記のように、本発明の化合物は、ウイルス構成成分の製造及び組み立てに関連する酵素であるHIVプロテアーゼを阻害するために有用である。本発明の態様は、霊長動物等の宿主または患者に有効量の式(1)の化合物またはその薬学的に許容し得る塩を投与することからなる、HIV感染を治療する方法である。本発明のもう一つの態様は、宿主または患者に有効量の式(1)の化合物またはその薬学的に許容し得る塩を投与することからなる、AIDSを治療する方法である。本発明の更に他の態様は、HIV感染細胞あるいはHIVに感染した霊長動物などの宿主または患者に有効量の式(1)の化合物またはその薬学的に許容し得る塩を投与することからなる、HIVプロテアーゼを阻害する方法である。
「有効量」の用語は、ウイルス構成成分の製造及び組み立てを仲介するHIVプロテアーゼを阻害するために有効な式(1)の化合物またはその薬学的に許容し得る塩の量を意味する。治療または阻害効果を得るために本発明に従って投与される化合物の特定の投与量は、もちろん、例えば投与される化合物、投与経路、治療すべき状態及び治療すべき個々の宿主または患者等の、その症例をめぐる特別な状況によって決定されるだろう。(一回または分割による投与での)1日量の例では、体重に対して約0.01mg/kgから約50mg/kgの本発明の化合物の投与レベルが含まれる。好ましい1日量は一般に約0.05mg/kgから約20mg/kgであり、より好ましくは約0.1mg/kgから約10mg/kgである。
本発明の化合物は、経口、直腸内、経皮、皮下、静脈内、筋肉内及び鼻内経路等の種々の経路で投与し得る。本発明の化合物は投与に先立ち製剤化されているのが好ましい。従って、本発明のもう一つの態様は、有効量の式(1)の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、及びその目的のための希釈剤または賦形剤等の製薬上許容し得る担体を含有する医薬組成物または製剤である。
活性成分は好ましくは製剤中0.1重量%から99.9重量%の範囲で含有される。「製薬上許容し得る」の用語は、希釈剤または賦形剤のような担体が製剤中の他の成分と適合し、宿主または患者に有害でないことを意味する。
医薬製剤は本発明の化合物から、既知の、容易に入手し得る成分を用いて既知の方法で調製し得る。このような成分の例としては、アビセル(avicel)、澱粉、乳糖、硫酸カルシウム二水和物、テラアルバ(terra alba)、ショ糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ピーナッツ油、オリーブ油、グリセリルモノステアレート、トウィーン80、1,3−ブタンジオール、ココア脂、ミツロウ、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、ステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、グリセリン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、塩化ナトリウム、水が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物を製造するにあたり、活性成分は通常担体と混合され、または担体によって希釈され、あるいはカプセル、サシェー、紙または他の適当な容器の形であってもよい担体中に内包されるだろう。担体が希釈剤として機能する場合、それは活性成分のためのベヒクル、賦形剤または媒体として働く固体、半固体または液体物質であり得る。従って組成物は、錠剤、ピル、粉剤、ロゼンジ、サシェー、カシェー、エリキシル、懸濁剤、エマルジョン、溶液、シロップ、(固体としてまたは液体媒体中の)エアゾール、(活性化合物を例えば10重量%まで含有する)軟膏、軟及び硬ゼラチンカプセル、坐薬、無菌の注射可能な溶液、無菌的に包装された粉剤等の形にすることができる。
活性スクリーニング
HIVプロテアーゼ阻害化合物の生物学的活性を調べるために多くの試験を使用することができる。例えば、HIV感染細胞系に対するタンパク分解の阻害率及び抗ウイルス効果を分析するための試験を使用できる。これらの実験のいくつかの手順を以下に記載する。
I.抗HIV化合物のIC50及びKi値の決定
精製HIV−1プロテアーゼのタンパク分解活性はRichardsらが開発したクロモジェニックアッセイ(chromogenic assay)(J. Biol. Chem.265:7733(1990))を用いて慣例的に測定する。合成ペプチドHis-Lys-Ala-Arg-Val-Leu-Phe(pNO2)-Glu-Ala-Nle-Ser-NH2(American Peptide Company)を基質として用いる。
このアッセイは、0.5M NaCl、50mM MES pH5.6、2%DMSO(ジメチルスルホキサイド)中で37℃で行う。ロイシンとパラニトロフェニルアラニン(Phe(pNO2))との切断可能な結合の開裂は305nmの吸光度の減少をモニターする分光光度計でアッセイする。初速度は反応の最初の100秒間の吸光度の低下率で決定する。標準的な条件下で、この基質に対するミカエリス定数(Km)は52±15μMである。
HIV−1プロテアーゼ阻害剤の阻害率を決定するために、飽和濃度の基質(200μM)を用いる。15−25の濃度の阻害剤を添加し、上記のようにしてそれぞれの濃度で反応速度を測定する。
阻害定数はJacksonらの方法(Adv. in Enzyme Regulation22:187(1984))を用いて計算する。上述のアッセイにおいて、アスパラギン酸プロテアーゼの標準的な阻害剤であるペプスタチンAは見かけのKi=3.1±0.1μMで、IC50=3.8±0.7μMである。
II.Southern Research Institute(SRI)における抗HIV化合物の一次薬剤スクリーニング
A.MTTアッセイの原理:
SRIには、選択された化合物のHIVで引き起こされる細胞死を阻害する能力を測定するマイクロタイターアッセイで化合物の一次抗ウイルス分析をするための確立されたプログラムがある。このアッセイには、代謝的に活性な細胞中のミトコンドリア酵素によるテトラゾリウム色素MTTの着色ホルマザン生成物への変換が必要である。このアッセイ系は、SRIで年に30,000種を超える化合物をスクリーニングするために使用されている。簡単に言えば、このアッセイは丸底の96ウェルプレートでのCEMまたはMT2細胞の感染を必要とする。対象の化合物は感染直前に添加する。37℃で6日間インキュベーションした後、プレートをMTTで染色する。アッセイの結果はMolecular Devices Vmaxプレートリーダーで分光測光的に定量する。データを内蔵のソフトウェアプログラムを利用して直線回帰によって分析し、抗ウイルス活性(IC25、IC50、IC95)及び毒性(TC25、TC50、TC95)及び他の数値を計算する。
一次抗ウイルスアッセイはCEMまたはMT−2細胞で慣例的に実施する。SRIは全ての活性化合物がCEM細胞において確認されたのに対し、MT−2細胞系で実施した実験は若干の活性化合物を見失うことを見いだした。
B.CEM及びMT−2細胞における標準的なスクリーニングアッセイ
1.化合物の希釈及びプレートへの分注
必要であれば、化合物を蒸留水またはDMSOのような適当なベヒクルに溶解する。有害な可能性のある薬剤への露出を防止するために、全操作過程の間、ゴム手袋、実験着及びマスクを使用する。薬剤は適当な濃度で調製し、スクリーニング実験室で使用するまで−20℃で保存する。それぞれの化合物の一次希釈は媒体によって最高試験濃度の2倍希釈となるように希釈試験管中に調製する。次いでそれぞれの化合物の連続的な2分の1対数希釈を調製するために無菌の滴定管を使用する。薬剤の希釈に続いて、希釈した化合物を96ウェルのマイクロタイタープレートの適当なウェルに入れる。細胞対照、ウイルス対照、毒性対照、薬剤着色対照、媒体対照及びプラスチック(バックグラウンド)対照等の全ての適当な対照と共に、12の希釈液までを単一のプレートで3回反復してアッセイすることができる。試験に6までの希釈液が含まれる場合、単一のマイクロタイタープレートで2種の薬剤をアッセイすることができる。薬剤は最終容量100μlとなるようにプレートに入れる。
2.細胞とウイルス
薬剤希釈液を調製する間に細胞を洗浄し、計数する。トリパンブルー色素排除によって生存能をモニターし、生存能が90%未満に落ちたらアッセイは実施しない。細胞を指数的成長相に維持し、指数的成長速度を確認するためにアッセイ前日に1:2に分割する。
一次スクリーニングのために使用する細胞系はCEM及びMT−2である。他に明記しない限り、用いる培地は10%熱不活化ウシ胎児血清(FBS)、グルタミン及び抗生物質を含有するRPMI1640である。
細胞は空気中に5%CO2を含有する雰囲気下で37℃で増殖させる。この仕事に用いられるウイルスは、急性感染過程で調製されたHIV−1 IIIB及び/またはRF分離株である。
簡単に言えば、感染3日後から培養中の細胞全てがウイルスに殺されるまで基本的に毎日ウイルス感染細胞を集める。最大量のウイルスを有するプールを同定するために逆転写酵素活性とp24ELISAを使用する。
これらの24時間収集物を集め、濾過して−90℃で凍結する。アッセイで使用する前に、ウイルスの感染性プールは全ての入手し得る細胞系に対して抗ウイルスアッセイに必要なウイルス量を決定するために力価検定する。
一般に、急性感染法によって製造されたプールはウェル当たり1μlの感染性ウイルスの添加を必要とし、結果として感染多重度0.01で薬剤をスクリーニングすることになる。この方法で、1000個以上のマイクロタイタープレートを完成させるのに十分量のウイルスを調製して凍結し、感染性ウイルスの単一のストックから2,000種までの化合物の試験ができるようになる。長い試験期間ウイルスの単一のストックを使用することは、アッセイ系の再現性に非常に好ましい効果を及ぼす。
抗ウイルスアッセイのためのCEM及びMT−2細胞のウイルス感染は大量感染方法で行う。アッセイを完了させるために必要な適当な数の細胞を全体積1−2mlのコニカル小遠心管中で感染性ウイルスと混合する。
4時間のインキュベーションの後、感染した細胞を新鮮な組織培養培地で適当な最終濃度である5×104cells/mlにし、100μlを適当な実験用及びウイルス対照用ウェルに入れる。同濃度の未感染細胞を毒性対照及び細胞対照としてプレートにまく。アッセイはまた、ウェル内感染法を用いて実施することもできる。この場合、薬剤、細胞及びウイルスをウェルに別々に入れる。それぞれの場合に6日目のウイルス対照ウェルにおける完全な細胞死を与えるためにMOIを調整する。
3.CPE−阻害の評価
マイクロタイタープレートへの細胞及び薬剤の添加に続き、プレートを37℃で6日間インキュベートする。より長期間(7−8日)のインキュベーションまたはより多い細胞数(1×104)の使用では、結果として細胞対照の生存率が顕著に減少し、MTTで染色したときの細胞及びウイルス対照間の光学濃度の差が小さくなることが実験で明らかになった。
抗ウイルスアッセイを評価する方法では、プレートのそれぞれのウェルに4−8時間、5mg/mlのMTTのテトラゾリウム塩を20μl添加する必要がある。このインキュベーション時間の後、20%SDS含有0.01N HCl 50μlの添加で細胞を破砕する。
培養中の生存細胞の代謝活性はMolecular Devices Vmaxプレートリーダーを使って570nmで分光測光的に測定できる着色反応生成物を結果的に生じさせる。光学濃度(O.D.)値は生存細胞の数に比例するホルマザン生成物の量の関数である。
プレートリーダーはプレートデータを評価し、プレートデータを計算するスクリーニングラボラトリーマイクロコンピューターにオンラインでつながっている。プレートからの報告によって、生のO.D.値、計算された平均O.D.値、及びウイルスCPEの減少率、及びTC50、IC50及び抗ウイルス係数及び特異性係数等の計算値等の全ての適切な情報が得られる。最後に、この結果には未感染細胞に対する化合物の作用(毒性)及び感染細胞に対する化合物の予防的または非予防的効果を視覚的に描くプロットが含まれる。
本発明に係る化合物の多くの例を添付した付録Iに示してある。付録Iには式IのQ1、Q2、及び左側についての選択可能物が含まれる。これらの成分のいかなる組み合せを作ってもよく、本発明は示した選択可能物に制限されない。
付録I
1は以下のものから選択できるが、これらに制限されない:
Figure 0003732858
付録I
2は以下のものから選択できるが、これらに制限されない:
Figure 0003732858
付録I
Figure 0003732858
付録I
式I
Figure 0003732858
の左側
Figure 0003732858
の例
Figure 0003732858
付録I
式I
Figure 0003732858
の左側
Figure 0003732858

Claims (1)

  1. 式(1)
    Figure 0003732858
    〔式中、
    1はC1-6アルキルまたはC3-6シクロアルキルC1-6アルキルであり、
    2はヒドロキシル、アミノ、およびC1-6アルコキシルから選択される1個以上の基で置換されていてもよいフェニル基であり、
    3はフェニルチオであり、
    4−Q8は、水素、ヒドロキシル、またはC1-6アルキルであり、
    Yは酸素であり、
    Eは炭素であり、そして
    Aはフェニル環である〕
    で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
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