JP3732767B2 - デジタル放送疑似信号発生方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地上デジタル放送波の伝送性能を確認するためにデジタル放送疑似信号を発生するデジタル放送疑似信号発生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地上デジタル(テレビジョン)放送(ISDB−T:Terrestrial Integrated Services Digital Broadcasting)は、2003年から関東、近畿及び中京広域圏で、また、2006年までにその他の地域で本放送開始が予定されている。
【0003】
このため共聴用機器、CATV伝送機器、TV受信機等では、既に地上デジタル放送波の伝送に対応した機器の検討や開発が進められている。すなわち、伝送路は複数の地上デジタル放送信号を伝送しなければならず、また、受信機は複数の地上デジタル放送信号を受信して目的の1波を正常に受信しなければならない。このため最終的には実際に複数の地上デジタル放送波を受信伝送した地上デジタル放送波伝送性能の確認が必要であり、地上デジタル放送開始後の電波発射状況をシミュレートした信号が必要になる。
【0004】
地上デジタル放送開始後の電波発射状況をシミュレートした複数の地上デジタル放送波を生成するには、現在、以下の3つの方法が考えられる。
(1) 地上デジタル放送変調器を複数台用意する。
【0005】
(2) 図12に示すように1台の地上デジタル放送変調器(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)変調器)1の出力を、複数のRFコンバータ(周波数コンバータ)2によりそれぞれ設定チャンネルの周波数に変換して出力する。
【0006】
(3) 東京パイロット実験協議会が発射している地上デジタル試験放送を受信し、複数の周波数コンバータで複数の周波数に変換して出力する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記3つの方法によって地上デジタル放送波伝送性能の確認試験を行なうことができるが、次のような問題がある。
上記(1)の方法は最も理想的であるが、実際の放送用変調器を複数台使用するので非常に高価になる。
上記(2)の方法は、1台の地上デジタル放送変調器1の出力を複数のRFコンバータ2で周波数変換するので、その出力信号は複数の同期した同一スペクトルの信号、すなわち、シンボルのタイミングや変調まで全く同じ信号となり、地上デジタル放送開始後の実際の電波発射状況と異なってしまい、実際の状況に即した試験ができない。
上記(3)の方法は、空中に発射された電波を受信するので、場所によって安定度やC/N比(Carrier to Noise ratio)が異なる等の問題がある。
【0008】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、各チャンネル毎に異なる波形のデジタル放送疑似信号を発生でき、実際の状況に即した試験を行ない得ると共に安価に構成し得るデジタル放送疑似信号発生方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係るデジタル放送疑似信号発生方法は、ランダムデータによりQPSKあるいはQAM変調されたOFDM信号のキャリアを複素数のデータとして出力するステップと、前記各キャリアを逆フーリエ変換して複素数の時間波形データとして出力するステップと、前記時間波形データに対し、OFDMシンボル期間の後端部におけるキャリア波形をOFDMシンボルの前端にガードインターバルとして付加するステップと、前記ガードインターバルを付加したOFDM信号を4倍の周波数にアップサンプルするステップと、前記アップサンプルしたOFDM信号を直交変調するステップと、前記直交変調後の信号に対して帯域外スぺクトラムを除去するステップとからなるソフトウェア処理によりOFDMの時間波形データを得たものを波形バンク部に登録し、信号発生に際しては前記波形バンク部に登録された時間波形データを前記波形バンク部から読出し、高速メモリに記憶させ、前記高速メモリから繰り返し出力することを特徴とする。
第2の発明に係るデジタル放送疑似信号発生方法は、ランダムデータによりQPSKあるいはQAM変調されたOFDM信号のキャリアを複素数のデータとして出力するステップと、前記各キャリアを逆フーリエ変換して複素数の時間波形データとして出力するステップと、前記時間波形データに対し、OFDMシンボル期間の後端部におけるキャリア波形をOFDMシンボルの前端にガードインターバルとして付加するステップと、前記ガードインターバルを付加したOFDM信号の帯域外スぺクトラムを除去するステップと、前記帯域外スぺクトラムを除去した信号を4倍の周波数にアップサンプルし、4倍アップサンプルフィルタを介して取り出すステップと、前記4倍アップサンプルフィルタの出力信号を直交変調するステップと、前記直交変調後の信号に対して帯域外スぺクトラムを除去するステップとからなるソフトウェア処理によりOFDMの時間波形データを得たものを波形バンク部に登録し、信号発生に際しては前記波形バンク部に登録された時間波形データを前記波形バンク部から読出し、高速メモリに記憶させ、前記高速メモリから繰り返し出力することを特徴とする。
【0010】
上記のように、ランダムデータによりQPSKあるいはQAM変調されたOFDM信号のキャリアを複素数のデータとして取り出し、逆フーリエ変換して複素数の時間波形データとし、ガードインターバルを付加すると共に4倍アップサンプル処理し、その後、直交変調を行なうと共にスぺクトラム制限処理により帯域外スぺクトラムを除去して最終的なOFDM信号を作成することにより、デジタル放送疑似信号の基準となるOFDM信号を作成することができる。そして、上記OFDM信号を波形バンク部に予め登録し、この波形バンク部に登録した任意波形のデータを選択的に読出して高速メモリに記憶し、この高速メモリから繰り返して出力することにより連続した波形データを発生することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本発明に係るデジタル放送疑似信号発生方法の全体の構成を示すブロック図である。図1において、11は任意波形発生部で、クロック生成部12から4×512/63MHz(32.507936…MHz)のクロックが入力される。上記任意波形発生部11は、上記クロックに同期して波形バンク部13に対するアドレスを生成し、このアドレスにより波形バンク部13から波形データを読出して内部の高速メモリに記憶し、この高速メモリに記憶した波形データを繰り返し読出して次段のIFコンバータ14に出力する。
【0012】
上記クロック生成部12は、内部に例えば水晶振動子等の10MHzのクロックを発生する発振素子17を備え、この発振素子17のクロックと外部から入力される10MHzの外部基準信号とを任意に切換えて使用できるようになっている。
【0013】
クロック生成部12は、10MHzの外部基準信号あるいは発振素子17の出力信号に基づいて4×512/63MHz(32.507936…MHz)のクロックと512/63+37.15MHz(45.276984…MHz)のクロックを生成し、4×512/63MHz(32.507936…MHz)のクロックを任意波形発生部11に入力し、512/63+37.15MHz(45.276984…MHz)のクロックをIFコンバータ14に局部発振信号として入力する。
【0014】
波形バンク部13は、複数のメモリ例えば16個のEPROMを備え、各EPROMにそれぞれデジタル放送疑似信号波形データすなわちOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)信号を予め登録している。上記各EPROMに登録するOFDM信号は、モード、ガードインターバル、変調方式について、ISDB−T(Terrestrial Integrated Services Digital Broadcasting:地上デジタル放送)の仕様に準拠し、ランダムデータで変調された複数のシンボルからなっている。この各EPROMに登録するOFDM信号の生成方法については詳細を後述する。また、波形バンク部13における16個のEPROMは、フロントパネル部15に設けた16個の波形選択ボタンによって選択できるようになっている。
上記フロントパネル部15の波形選択ボタンが操作されると、対応するEPROMが選択され、このEPROMが任意波形発生部11によりアドレス指定されて予め登録されている波形データが読出される。
【0015】
任意波形発生部11は、波形バンク部13から読出した波形データを内部の高速メモリに記憶した後、この高速メモリから繰り返して読出し、順次D/A変換して中心周波数512/63MHz(8.126985…MHz)の信号を生成し、IFコンバータ14に入力する。IFコンバータ14は、任意波形発生部11から入力される中心周波数512/63MHz(8.126985…MHz)の信号とクロック生成部12からの局部発振周波数512/63+37.15MHz(45.276984…MHz)の信号との差をとり、37.15MHzを中心とするIF周波数(中間周波数)に変換してRFコンバータ16に出力する。
【0016】
また、RFコンバータ16には、10MHzの外部基準信号及びチャンネル設定信号が入力される。RFコンバータ16は、内部にクロック生成部を備えている。このクロック生成部は、上記図1におけるクロック生成部12と同様に、内部発振素子による10MHzのクロックと外部から入力される10MHzの外部基準信号とを任意に切換えて必要な同期クロックを生成している。
【0017】
RFコンバータ16は、内部のクロック生成部で生成した同期クロックに同期して動作し、IFコンバータ14から入力されるIF信号をチャンネル設定信号に従って指定TVチャンネルの周波数に変換し、デジタル放送疑似信号として出力する。
【0018】
RFコンバータ16におけるチャンネル設定、すなわち、90MHzから770MHzまでの周波数を使用する有線テレビジョン放送の搬送波の周波数は、93MHzから767MHzまで、例えば93MHz、99MHz、105MHz、…、…、767MHzと、6MHzの間隔で設定された周波数のうちから選定し、かつ、その周波数よりも1/7MHz(=142.857…kHz)だけ高い方へずらして配置する。また、デジタル放送の標準方式の使用する周波数帯域は5.6MHzである。なお、RFコンバータ16は、上記有線テレビジョン放送法施行規則で規定された周波数と、1/7MHzを加えない周波数の切換えができるようになっている。
【0019】
また、図2は搬送波の変調波スペクトルの許容範囲を示したものである。搬送波の周波数に対し、±2.79MHzにおける相対減衰量は0dB、±2.86MHzにおける相対減衰量は−20dB、±3.00MHzにおける相対減衰量は−27dB、±4.36MHzにおける相対減衰量は−50dBとなっている。
【0020】
図3は、波形バンク部13の各EPROMに登録するOFDM信号の生成方法について示したものである。このOFDM信号の生成は、ソフトウェア処理によって行なうもので、このソフトウェア処理は、例えばランダムデータ生成/マッピング手段21、IFFT手段22、ガードインターバル付加手段23、スぺクトラム制限手段24、4倍アップサンプル手段25、4倍アップサンプルフィルタ26、直交変調手段27、スぺクトラム制限手段28からなっている。
【0021】
上記ランダムデータ生成/マッピング手段21は、例えば数値演算ソフトのランダム関数を用いてランダムデータを生成する。ランダム関数の生成アルゴリズムとしては、例えば線形合同法が用いられる。ランダムデータ生成/マッピング手段21は、上記ランダムデータにより例えば図4(a)、(b)に示すようにQAM変調あるいはQPSK変調し、デジタル放送疑似信号のキャリアとして出力する。このキャリアは、複素数のデータ(Re:実数、Im:虚数)として出力される。図4(a)、(b)は、OFDM信号の各キャリアのマッピング状態を示したもので、(a)は64QAM変調を行なった場合、(b)はQPSK変調を行なった場合である。
【0022】
上記ランダムデータ生成/マッピング手段21から出力されるキャリアは、逆フーリエ変換(IFFT)手段22により、複素数の時間波形データとして出力される。
【0023】
上記逆フーリエ変換手段22で時間波形生成後、ガードインターバル付加手段23により、図5(a)に示すように各OFDMシンボル期間の後端部におけるキャリア波形をOFDMシンボルの前端にガードインターバルとして付加する。図5(b)は、ガイドインターバルを付加したときの波形例を示したものである。上記ガードインターバルの長さは、例えば1/32、1/16、1/8、1/4等の値に予め設定される。
【0024】
上記ガードインターバルを付加することで、OFDM信号のスぺクトラムが広がるので、スぺクトラム制限手段24により、デジタルLPFにて帯域外スぺクトラムを除去する。上記デジタルLPFを使用する場合、例えばOFDM信号をフーリエ変換(FFT)により周波数領域に変換し、周波数軸データ上で不要スぺクトラム部分のデータを“0”とすることによってスぺクトラム制限を行なう。上記の処理によってソフトウェア上の処理が簡単となり、処理速度を向上することができる。
【0025】
上記スぺクトラム制限手段24で帯域外スぺクトラムを除去した信号を4倍アップサンプル手段25にて4倍の周波数にアップサンプルし、4倍アップサンプルフィルタ26を介して取り出す。これは最終的に512/63MHz(8.126985…MHz)の中心周波数の信号を得るための処理である。
【0026】
そして、直交変調手段27において、上記4倍アップサンプルフィルタ26の出力信号、すなわちベースバンドのOFDM信号を直交変調し、中心周波数が512/63MHz(8.126985…MHz)のIF周波数に変換する。直交変調手段27は、sin 及びcos の信号を局部発振周波数の信号として使用し、直交変調する。
【0027】
図6は、直交変調時のスペクトルを示したもので、同図(a)はFFT窓内でのキャリアの配置状態、同図(b)は直交変調後のキャリアの配置状態を示している。アナログのハードウエアで直交変調を行なった場合、DCオフセットの影響を受けるという問題があるが、上記のようにソフトウェアで直交変調を行なうことにより、DCオフセットの影響を確実に防止することができる。
【0028】
次に、上記直交変調後の信号に対し、スぺクトラム制限手段28により帯域外スぺクトラムを除去し、最終的なOFDMの時間波形信号として取り出し、上記波形バンク部13に登録する。
【0029】
上記OFDM信号の生成では、ランダムデータ生成/マッピング手段21等において、ISDB−Tに準拠したOFDMパラメータを設定し、複数種類の波形信号を生成し、波形バンク部13に設けられている複数のEPROMに登録する。従って、EPROM131を選択することによって任意の波形を選択することができる。
【0030】
ISDB−Tに準拠したOFDMパラメータは、
キャリア変調方式:DPQSK、QPSK、16QAM、64QAM、
キャリア数:Mode 1:1405本、Mode 2:2809本、Mode3:5617本、
ガードインターバル:1/32、1/16、1/8、1/4、
となっている。また、シンボル数は、Mode 1でガードインターバルが1/32のとき「31シンボル」、Mode 3でガードインターバルが1/4のとき「6シンボル」である。
【0031】
波形バンク部13に登録するOFDM信号は、ISDB−Tに完全に準拠する必要はないが、例えばMode、FFT周期、変調方式、ガードインターバル長についてISDB−Tに準拠することで、振幅特性の特徴をISDB−TのOFDM信号と同様にする。
【0032】
図7は、波形バンク部13のEPROMに登録するOFDM信号として12種類のパターンを生成する場合のパラメータ設定例について示したものである。すなわち、モード3種類(Mode 1〜Mode 3)、キャリア変調方式2種類(QPSK、64QAM)、ガードインターバル2種類(1/32、1/4)を組み合わせて12種類の信号パターンを設定している。
【0033】
上記波形バンク部13におけるEPROMとして4Mbitのメモリを使用すれば、OFDM信号(Mode 1、ガードインターバル1/32)を31シンボル出力することができる。
【0034】
次に、図3におけるスぺクトラム制限手段28の処理について、更に詳細に説明する。複数のシンボルで構成されるOFDM信号を生成したとき、図8に示すようにシンボル間の接続点A、Bが不連続の状態になり、スぺクトラムが広がるので、複数のシンボルがつながった状態で帯域制限する必要がある。
【0035】
本実施形態では、波形バンク部13に登録した有限の複数シンボルからなるOFDM信号を任意波形発生部11に読出してメモリに記憶し、このメモリに記憶した有限シンボル数を繰り返し出力するので、シンボルの先頭と末尾の接続で不連続が生じないようにスぺクトラム制限手段28において処理する。
【0036】
今、例えば図9(a)に示すように1〜28のシンボルを接続してなるOFDM信号に対し、スぺクトラム制限手段28でそのままでフィルタ処理して帯域を制限した場合には、同図(b)に示すように各シンボル1〜28間のつなぎ目は生じないが、末尾のシンボル28と先頭のシンボル1との間が不連続の状態となる。
【0037】
このような不都合を解消するため本実施形態では、スぺクトラム制限手段28におて、先ず、図10(a)に示すように先頭のシンボル1の前に末尾のシンボル28と同じシンボルを付加すると共に、末尾のシンボル28の後に先頭のシンボル1と同じシンボルを付加する。この状態でフィルタ処理を行なって帯域を制限すると、図10(b)に示すようにシンボル1〜28間のつなぎ目がなくなると共に、先頭のシンボル1とその前に付加されたシンボル28との間、及び末尾のシンボル28とその後に付加されたシンボル1との間のつなぎ目がなくなった状態になる。この状態で、図10(c)に示すように先頭に付加したシンボル28と、末尾に付加したシンボル1を取り除くと、末尾のシンボル28と先頭のシンボル1との間が滑らかに連続した状態となる。
【0038】
上記のスぺクトラム制限処理を行なったOFDM信号を波形バンク部13の各EPROMに登録すると、任意波形発生部11が波形バンク部13から読出したOFDM信号をメモリに記憶して繰り返し出力しても、末尾のシンボル28と先頭のシンボル1との間が滑らかに連続した状態に保持される。
【0039】
図11は、任意波形発生部11における出力信号の周波数スペクトルを示したもので、(a)はスぺクトラム制限手段28において不連続部に対するフィルタ処理を行なわなかった場合、(b)は不連続部に対するフィルタ処理を行なった場合である。図11(a)では帯域外スペクトルが発生しているが、同図(b)では帯域外スペクトルが十分に除去されていることが分かる。
上記スぺクトラム制限手段28の処理を行なうことにより、複数シンボル間のつなぎ目を無くして円滑に接続でき、帯域外スペクトルを確実に除去することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、ランダムデータによりQPSKあるいはQAM変調されたOFDM信号のキャリアを複素数のデータとして取り出し、逆フーリエ変換して複素数の時間波形データとし、ガードインターバルを付加すると共に4倍アップサンプル処理し、その後、直交変調を行なうと共にスぺクトラム制限処理により帯域外スぺクトラムを除去して最終的なOFDM信号を作成することにより、デジタル放送疑似信号の基準となるOFDM信号を作成することができる。そして、上記OFDM信号を波形バンク部に予め登録し、この登録した任意波形のデータを選択的に読出して高速メモリに記憶し、この高速メモリから繰り返して出力することにより連続した波形データを発生することができる。更に、この連続した波形データを指定されたチャンネルの高周波信号に変換することにより、任意チャンネルのデジタル放送疑似信号を発生することができる。従って、各チャンネル別に異なる波形のデジタル放送疑似信号を発生でき、実際の状況に即した試験を行なうことができると共に、実際の放送用変調器を使用しないので安価に構成することができる。
【0041】
また、上記直交変調後の信号に対して帯域外スぺクトラムを除去し、最終的なOFDM信号として取り出す際に、OFDM信号を構成する先頭のシンボルの前に末尾と同じシンボルを付加すると共に、末尾のシンボルの後に先頭と同じシンボルを付加した後、フィルタ処理して帯域外スぺクトラムを除去し、その後、上記帯域外スぺクトラムを除去したOFDM信号に対し、先頭及び末尾に付加したシンボルを取り除くようにしたので、OFDM信号を繰り返して出力する場合においても、複数シンボル間のつなぎ目を無くして円滑に接続でき、帯域外スペクトルを確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るデジタル放送疑似信号発生方法の全体構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態における搬送波の変調波スペクトルの許容範囲を示す図。
【図3】同実施形態における波形バンク部に登録するOFDM信号の生成方法を示す図。
【図4】(a)は64QAM変調を行なった場合OFDM信号の各キャリアのマッピング状態を示す図、(b)はQPSK変調を行なった場合OFDM信号の各キャリアのマッピング状態を示す図。
【図5】(a)はガードインターバルを付加する場合の処理動作を説明するための図、(b)はガードインターバルを付加した場合の波形例を示す図。
【図6】直交変調時のスペクトルを示す図。
【図7】波形バンク部に登録するOFDM信号のパラメータ設定例を示す図。
【図8】複数シンボルを接続した場合におけるシンボル間の不連続状態を示す波形図。
【図9】複数のシンボルを接続してなるOFDM信号に対して通常のフィルタ処理を行なった場合におけるシンボル間の接続状態を示す図。
【図10】複数のシンボルを接続してなるOFDM信号に対して本発明のフィルタ処理を行なった場合におけるシンボル間の接続状態を示す図。
【図11】スぺクトラム制限手段28において不連続部に対するフィルタ処理を行なわなかった場合の周波数スペクトルを示す図、(b)は不連続部に対してフィルタ処理を行なった場合の周波数スペクトルを示す図。
【図12】従来の地上デジタル放送信号の作成例を示す図。
【符号の説明】
11…任意波形発生部
12…クロック生成部
13…波形バンク部
14…IFコンバータ
15…フロントパネル部
16…RFコンバータ
17…発振素子
21…ランダムデータ生成/マッピング手段
22…逆フーリエ変換手段
23…ガードインターバル付加手段
24…スぺクトラム制限手段
25…4倍アップサンプル手段
26…4倍アップサンプルフィルタ
27…直交変調手段
28…スぺクトラム制限手段

Claims (4)

  1. ランダムデータによりQPSKあるいはQAM変調されたOFDM信号のキャリアを複素数のデータとして出力するステップと、前記各キャリアを逆フーリエ変換して複素数の時間波形データとして出力するステップと、前記時間波形データに対し、OFDMシンボル期間の後端部におけるキャリア波形をOFDMシンボルの前端にガードインターバルとして付加するステップと、前記ガードインターバルを付加したOFDM信号を4倍の周波数にアップサンプルするステップと、前記アップサンプルしたOFDM信号を直交変調するステップと、前記直交変調後の信号に対して帯域外スぺクトラムを除去するステップとからなるソフトウェア処理によりOFDMの時間波形データを得たものを波形バンク部に登録し、信号発生に際しては前記波形バンク部に登録された時間波形データを前記波形バンク部から読出し、高速メモリに記憶させ、前記高速メモリから繰り返し出力することを特徴とするデジタル放送疑似信号発生方法。
  2. ランダムデータによりQPSKあるいはQAM変調されたOFDM信号のキャリアを複素数のデータとして出力するステップと、前記各キャリアを逆フーリエ変換して複素数の時間波形データとして出力するステップと、前記時間波形データに対し、OFDMシンボル期間の後端部におけるキャリア波形をOFDMシンボルの前端にガードインターバルとして付加するステップと、前記ガードインターバルを付加したOFDM信号の帯域外スぺクトラムを除去するステップと、前記帯域外スぺクトラムを除去した信号を4倍の周波数にアップサンプルし、4倍アップサンプルフィルタを介して取り出すステップと、前記4倍アップサンプルフィルタの出力信号を直交変調するステップと、前記直交変調後の信号に対して帯域外スぺクトラムを除去するステップとからなるソフトウェア処理によりOFDMの時間波形データを得たものを波形バンク部に登録し、信号発生に際しては前記波形バンク部に登録された時間波形データを前記波形バンク部から読出し、高速メモリに記憶させ、前記高速メモリから繰り返し出力することを特徴とするデジタル放送疑似信号発生方法。
  3. 前記直交変調後の信号に対して帯域外スぺクトラムを除去するステップは、OFDM信号を構成する先頭のシンボルの前に末尾と同じシンボルを付加すると共に、末尾のシンボルの後に先頭と同じシンボルを付加するステップと、前記シンボルを付加したOFDM信号をフィルタ処理して帯域外スぺクトラムを除去するステップと、前記帯域外スぺクトラムを除去したOFDM信号に対し、先頭及び末尾に付加したシンボルを取り除くステップとを具備したことを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタル放送疑似信号発生方法。
  4. 前記OFDMの時間波形データの生成過程において、OFDMのパラメータを異ならせて複数種類の時間波形データを生成し、波形バンク部に前記複数種類の時間波形データを登録し、前記波形バンク部に登録された前記複数種類の時間波形データを任意に選択し、前記選択された時間波形データを高速メモリから繰り返し出力することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のデジタル放送の疑似信号発生方法。
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