JP3732299B2 - 透過型電子顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料の微小領域の計測を行うことのできる透過型電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
透過型電子顕微鏡は、試料を透過した電子線を電子レンズを用いて結像して試料の拡大像を得る装置であり、試料内部の形態観察、電子線回折による結晶解析、元素の定量分析等に適した装置である。透過型電子顕微鏡を利用する分野では、試料の拡大像、例えば100万倍に拡大した試料微小領域の寸法を測定したいとの要求が強い。従来このような場合、電子顕微鏡内に装着されているフィルムに試料拡大像を撮影して画像記録を行い、同時にフィルム上に撮影倍率を記録する。続いてフィルムを現像し、次にフィルムを印画紙に光学的に引き延ばして焼き付ける。そして、この最終像の中で関心のある部分の長さを定規で測定し、その測定値と撮影倍率及び引き延ばし倍率をもとに計算によって最終的な長さを求めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この従来のフィルムに撮影した試料拡大像を印画紙に焼き付け、印画紙上で実測した長さを撮影倍率、引き延ばし倍率で除算して実際の長さを計算する方法では、結果を得るために約1日もの長時間を要する上に、ヒューマンエラーの可能性があり精度も信頼性に乏しいという問題がある。また、試料の位置が光軸方向にずれた場合、焦点が変わり、倍率も変わってしまうという問題があった。
【0004】
本発明は、このように時間がかかる上に測定精度の点で信頼性に欠ける従来の透過型電子顕微鏡の微小部分計測機能を改良しようとするものであり、高速かつ高精度の微小部分計測機能を有する透過型電子顕微鏡を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の透過型電子顕微鏡は、試料を透過した電子線の拡大像をシンチレータ上に形成し、これをCCDなどの撮像素子を使って光学的な画像を電気信号として扱えるカメラで撮影する。撮影された画像は、A/D変換されてデジタル画像としてメモリに記録される。メモリに記録された画像は、中央演算装置を介して、モニタ上にデジタル画像として表示される。他方、電子線の拡大像を形成する電子レンズの励磁の設定状態は、倍率情報あるいはカメラ長情報として電子レンズ制御系から出力される。中央演算装置は、この倍率情報から画素に対応した長さを定義し、カメラ長情報から画素に対応した散乱角を定義する。
【0006】
更に、シンチレータが設けられている位置と、電子顕微鏡の倍率基準位置と、シンチレータ上の光像を光学的に結像する光学系の結像倍率とを予め中央演算装置に入力しておき、その情報を用いて倍率補正を行う。その後、デジタル画像上の例えば2点に対応する画素を選択し、その画素の間に存在する画素数を数え、その数に画素に定義された長さを乗じて2点間の長さを計算し、あるいは散乱角を計算する。この計算結果は、画像上に数値表示される。このような手段により、カメラにより撮影された画像の2点間の長さあるいは散乱角を高速に測定することができる。
【0007】
すなわち、本発明の透過型電子顕微鏡は、電子銃と、電子銃からの電子線を試料に照射するための照射レンズ系と、試料を透過した電子による電子線像を形成するための対物レンズ系及び結像レンズ系と、電子線像を受像するシンチレータと、シンチレータ上の光像をデジタル画像として取り込むための撮像手段と、デジタル画像を表示する表示手段と、演算手段とを含み、演算手段は、レンズ系を制御する制御系からの情報をもとにデジタル画像の画素に対応する試料上の長さを定義することを特徴とする。
【0008】
演算手段は、レンズ系を制御する制御系からの倍率情報と、シンチレータ位置の倍率基準位置よりの偏差から生じる倍率変化率と、シンチレータ上の光像を撮像手段の撮像面に投影する光学系の倍率と、撮像手段の撮像面上での1画素の大きさをもとに、デジタル画像の画素の長さを演算することができる。また、演算手段は、デジタル画像の画素の長さを用いて画像上で指定された2点間の長さに対応する試料上の長さを計算する機能を有することができ、デジタル画像の画素の長さを用いて画像上で指定された領域の面積を演算する機能を有することもできる。長さの数値を入力することにより、試料上におけるその長さに相当する線分と前記数値とを画像上に表示する機能を有することもできる。
【0009】
また、演算手段は、レンズ系を制御する制御系からのカメラ長情報と、シンチレータ位置のカメラ長基準位置よりの偏差から生じるカメラ長変化率と、シンチレータ上の光像を撮像手段の撮像面に投影する光学系の倍率と、撮像手段の撮像面上での1画素の大きさをもとに、デジタル画像の画素の長さを電子線回折像の散乱角として演算することができる。演算手段は、デジタル画像の画素の長さを用いて、画像上で指定された2点間の長さに対応する電子線回折像の散乱角を計算する機能を有することができ、散乱角の数値を入力することにより、その散乱角に相当する線分と前記数値とを画像上に表示する機能を有することもできる。
【0010】
いずれの場合においても、演算手段は、対物レンズ系の焦点位置の基準位置からのずれ量をもとにデジタル画像の画素の長さを補正することをができ、あるいは各倍率における倍率補正パラメータを使用してデジタル画像の画素の長さを補正することができる。また、演算手段は、画像上で指定された2本の線分の間の角度を演算し表示する機能を有することができる。
【0011】
画像上の点の指定は、マウス等のポインティングデバイスを用いて行うことができる。また、画像上の測定を行った後に、その指定した点をポインティングデバイスを使用して変更する機能を持たせることもできる。
本発明は、従来電子顕微鏡を使用して計測を行っているすべての分野、例えば、半導体デバイス製造分野、新素材開発研究分野、医学生物研究分野において利用可能である。
【0012】
本発明によれば、透過電子像を観察し、その画像上の2点を選択すると、その間の試料上での長さを表示することができる。このため、高速かつ高精度に微小長さの測定を行うことができる。更に、電子顕微鏡を電子線回折像観察モードにして画像を取り込んだ場合には、任意の2点間の距離を測定した上で、これを電子線の散乱角として表示することができる。
【0013】
そして、本発明によると、倍率変化、モード変化、焦点位置の変化などに伴うカメラ上での倍率精度を正確に抑えることができるため、オペレータは信頼性の高い測長をフィルム現像などの作業を行うことなしに迅速且つ簡単に行うことができ、試料上の寸法測定の能率を大幅に向上することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による透過型電子顕微鏡の概略説明図である。この透過型電子顕微鏡は、透過電子像を画像データとして取り込む撮像装置と画像処理及び演算を行うコンピュータとを備え、試料上の距離や角度の測定を行うことができるものである。
【0015】
電子銃101より発生した電子線を照射レンズ系102によって試料103上に収束、照射し、試料103を透過してきた電子線を対物レンズ系104及び結像レンズ系105により拡大し、蛍光板やフィルム106上に電子線像111を結像し、試料の透過電子像を得る。照射レンズ系102、対物レンズ系104及び結像レンズ系105は、電子顕微鏡制御部121によって制御される。ここまでの構成は、従来の透過型電子顕微鏡と同一である。
【0016】
本発明の透過型電子顕微鏡は、さらに、フィルム106より下の位置にCCDカメラ等の光学的画像取り込み装置(以下、カメラと呼ぶ)109専用の電子線発光素子(以下、シンチレータと呼ぶ)107を設置し、このシンチレータ107上に写る二次元電子線像111を光像112に変換し、その光像112を光学系108によりカメラ109の撮像面110上に結像する。撮像面110上に結像された光像112は、カメラ109の撮像素子により電気信号に変換される。この電気信号はA/Dコンバータによってデジタル信号に変換され、中央演算装置123へ送られる。この結果、試料103の透過電子像は、央演算装置123上で二次元デジタル画像として取り扱うことができるようになる。
【0017】
中央演算装置123に接続されたモニタ122上に表示された画像上の任意の2点間距離を計るには、マウス等のポインティングデバイス124を使い、モニタ122に表示された画像上の2点を選ぶ。その2点間の距離は2つの点のx座標の差の2乗とy座標の差の2乗との和の平方根である。中央演算装置123は、この画像上の距離を画像の倍率で除算することにより実際の試料上の距離に換算してモニタ122上に表示する。
【0018】
電子顕微鏡の結像レンズ系105によって、試料103の像が拡大投影される。その拡大倍率は、結像レンズ系105の各電磁レンズに流れる電流量によって決まるものである。しかし、従来の透過型電子顕微鏡はフィルム106を用いて画像の記録を行うことを前提として作られているため、それ以外のもので撮影する時にはその受像位置によって倍率換算を行う必要がある。前記したカメラ109の場合は、シンチレータ107の位置がフィルム106の位置より下にあるため、電子顕微鏡に設定されている倍率よりもっと拡大された投影像を撮像する。更に、このシンチレータ107によって変換された光像112を光学系108によってカメラ109の撮像面110上へ縮小結像しているため、その縮小率も考慮して倍率を換算する必要がある。
【0019】
図2は、倍率換算の方法を説明する図である。電子顕微鏡の設定倍率をm、光学系108の縮小率をn、フィルム106の面とシンチレータ107の面の間の距離をa、最終段拡大電磁レンズ中心201とフィルム面との距離をbとすると、カメラ109の撮像面110上での倍率Mは次の〔数1〕のようになる。
【0020】
【数1】
【0021】
また、倍率は対物レンズ系104の焦点位置が変わることでも変化する。電子顕微鏡の場合、試料103との焦点合わせを行うときには、電磁レンズで構成される対物レンズ系104に流す電流量を調整し、対物レンズ系104の焦点距離を変えることによって行う。この対物レンズ系104の焦点位置による倍率変化は以下のように計算できる。対物レンズ系104の焦点距離の関係式は、図6のように、対物レンズ系104の焦点距離をfとし、対物レンズ系104と物面との距離をg、像面との距離をhとすると、次の〔数2〕で与えられる。
【0022】
【数2】
【0023】
このときの対物レンズ系104による倍率m0は、次の〔数3〕で与えられる。
【0024】
【数3】
【0025】
対物レンズ系104の焦点距離がΔfだけ変化したときの倍率の変化は、次の〔数4〕で与えられる。
【0026】
【数4】
【0027】
この式で、hは電子顕微鏡内の決まった位置であるので測定可能であり、Δ fは対物レンズ系104の電磁石に流す電流量から、次の〔数5〕のように計算できる。〔数5〕において、Ccは定数、Iは焦点距離fのときの対物レンズ系104の励磁電流、ΔIは焦点距離をΔfだけ変化させるのに必要な励磁電流の変化量である。
【0028】
【数5】
【0029】
電子顕微鏡の表示倍率は、対物レンズ系104と結像レンズ系105で拡大されたフィルム106面上での倍率であるから、この表示倍率をmとすると、対物レンズ系104の焦点位置ずれΔfのときの撮像面110上での倍率Mは、次の〔数6〕で計算できる。これをもとに倍率補正をかけることにより、電子顕微鏡像上のより正確な測長が可能となる。
【0030】
【数6】
【0031】
次に、図3を用いて、モニタ122の表示画面上で距離を測定すべき2点を指定する方法及び距離表示方法を説明する。ここでは、前記〔数6〕で表される倍率Mを用いて測長などを行い、その結果を表示する。
カメラ109で撮像したデジタル画像304上で指定した2点すなわち測長始点301と測長終点302間の試料103上での距離dは、カメラ109の撮像面110上での1画素306の大きさをp、指定した2点301,302の画像上の座標を(x1,y1),(x2,y2)とすると、次の〔数7〕で計算できる。
【0032】
【数7】
【0033】
中央演算装置123に予めp,n,a,b,h,fの値を記憶させておき、画像を撮影したときの倍率mと対物レンズ系104の焦点距離のずれ量Δfを電子顕微鏡制御部121から中央演算装置123へ送ってもらい、中央演算装置123を介して画像304上の2点301,302を選ぶことで、その選んだ2点間の試料103上での距離dを計算し、計算した値をその画像304上に表示することができる。
【0034】
この2点の選び方には、いくつかの方法がある。1つの方法は、中央演算装置123のモニタ122に映し出されている取得画像304の上で直接2点を選ぶ方法である。マウスアイコン305を取得画像304上へ持って行き、所望する1点目の場所(測長始点)301でマウスボタンを押し、押したまま2点目の場所(測長終点)302へ移動させて手を放す。そうすると、その2点301,302を中央演算装置123が認識し、選んだ1点目301と2点目302を結んだ直線303を描き、前記〔数7〕の計算をして、その2点間の距離数値307をその直線303の近くに表示する。
【0035】
一度選んだ2点301,302を別の位置に変更することも可能である。点301を点308に変更する場合の操作の一例について説明する。直線303の端点301へマウスアイコン305を持って行き、そこでマウスボタンを押し、押したまま所望する場所(測長始点変)308へ移動させて手を離す。この操作により、点301が点308に変更され、その変更された点308ともう一つの点302との間の距離が307の様に直線309と共に表示される。 もう一つの方法は、まずキーボード等の入力手段125により試料上での長さを中央演算装置123に入力し、その長さに相当する線分310を画像304上に表示し、その線分310の近くにその長さの数値311を表示する方法である。この線分310と数値311はワンセットにして、画像304内での表示位置をマウスアイコン305を使って自由に移動することができる。
【0036】
シンチレータ107の位置や光学系108による倍率変更及び、対物レンズ系104の状態による倍率補正を行ってもなお所望する精度が得られない場合には、各倍率毎に個別の補正パラメータを用意しておき、そのパラメータを調整することで各倍率の測長精度を確保することができる。調整は次のようにして行うことができる。まず、各補正パラメータをすべてデフォルト値1にセットしておく。そして、長さのわかっている試料を入れて画像を取り込み、その既知の長さを上記の測長機能で測定する。次に、測長補正モードにしてから今測長した結果を選んで正しい数値を入力すると、その倍率における補正パラメータの数値が入力した正しい数値と選んだ測長結果の商として中央演算装置123のメモリに記憶される。これ以後の測長結果は、測定した結果とこの補正パラメータとの積として計算され、表示される。
【0037】
電子顕微鏡を電子線回折像を観察するモードにした場合には、電子顕微鏡制御部121は中央演算装置123にカメラ長の情報を伝える。カメラ長は、対物レンズの焦点距離にレンズ倍率を掛けたもので与えられる。電子線回折像上での距離は、カメラ長を考慮して計算すると電子線の散乱角になる。本発明の電子顕微鏡は、電子線回折像上の距離を散乱角度で自動表示することができる。電子線回折像モードの場合も、通常のカメラ長Lはフィルム106上で定義されているので、回折斑点の散乱角度を測定するには、画像倍率と同様にシンチレータ107の位置や光学系108の倍率で補正を行う必要がある。また、電子線回折像においても対物レンズ系104の焦点距離の変化に応じてカメラ長が変化する。
【0038】
いま、カメラ109で撮像した図3のデジタル画像304上で、点301と点302を指定してその間の散乱角θを求める場合を考える。対物レンズ系104の焦点距離の基準値fからのずれ量をΔfとし、電子顕微鏡制御部121から与えられるカメラ長をLとすると、求める散乱角θは次の〔数8〕で計算できる。pは、カメラ109の撮像面110上での1画素の大きさである。
【0039】
【数8】
【0040】
2点301,302の指定の仕方や表示の方法は、電子顕微鏡像上の距離を測るときと同様である。中央演算装置123は、通信で電子顕微鏡制御部121から電子線回折像を観察するモードであるのか否かの情報を得て、電子線回折モードであるときだけその2点301,302間の距離307を散乱角で表示する。また、電子線回折像観察モードの時、キーボード等の入力手段125により散乱角の数値を中央演算装置123に入力し、その散乱角に相当する線分を画像上に表示するようにすることも可能である。この時、散乱角θを入力された中央演算装置123は、上記〔数8〕の関係を用いて散乱角θに相当する画像上の距離θL′/pを計算し、指定された方向の線分として画像上に表示する。
【0041】
次に、図4を参照して、試料上の任意の角度の測定方法について説明する。デジタル画像400上で指定した3点401,402,403の画像上の座標を(x1,y1),(x2,y2),(x3,y3)とすると、求める点401(x1,y1)を中心とした角度αは、次の〔数9〕によって計算できる。
【0042】
【数9】
【0043】
この3点を指定する方法は、まず角度測定モードを選択し、マウスアイコンを第1点目の場所401へ持っていきそこでクリックする。そして、第2点目の場所402と第3点目の場所403を順にクリックして指定すると、第1点目401と第2点目402、第1点目401と第3点目403を結ぶ線分404,405と、その2線分の間に第1点目401を中心とした円弧407を描き、その円弧407の近くに上記の〔数9〕で計算された角度の数値406を表示する。
【0044】
次に、図5を参照して、任意の多角形内の面積を測定する方法について説明する。多角形を多数の三角形に分割し、それぞれの三角形の面積を求め、そのそれぞれの三角形の面積を足し合わせることで多角形の面積とすることができる。例えば、3つの頂点511,512,513を結んでできる三角形の面積Sは、デジタル画像500上でにおける3つの頂点511,512,513の座標(x1,y1),(x2,y2),(x3,y3)から、次の〔数10〕で計算することができる。ただし、Mは〔数6〕で表される撮像面110上での倍率、pはカメラ109の撮像面110上での1画素の大きさである。
【0045】
【数10】
【0046】
多角形を指定するには、まず面積測定モードを選択し、例えばマウスアイコンを第1点目の場所511へ持っていきそこでクリックする。そして、2点目、3点目と順にクリックしていき、n点目をクリックした後、1点目付近でダブルクリックすると多角形が閉じ、n角形が出来上がる。出来上がったn角形の内側はユーザーの定義した色もしくは模様で塗られる。そして、そのn角形の面積が前記〔数10〕で計算される三角形の面積の和として求められて、塗られた場所の上にその結果の数値が単位付きで518のように表示される。
【0047】
【発明の効果】
本発明によると、今まで透過型電子顕微鏡で観察していた試料上の実際の寸法、角度、面積等を簡単にかつ正確に計測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による透過型電子顕微鏡の概略説明図。
【図2】カメラの撮像面上での倍率を求める方法の説明図。
【図3】画像上での距離測定方法の説明図。
【図4】画像上での角度測定方法の説明図。
【図5】画像上での面積測定方法の説明図。
【図6】レンズ焦点距離の説明図。
【符号の説明】
101…電子銃、102…照射レンズ系、103…試料、104…対物レンズ系、105…結像レンズ系、106…フィルム、107…シンチレータ、108…光学系、109…カメラ、110…撮像面、111…電子線像、112…光像、121…電子顕微鏡制御部、122…モニタ、123…中央演算装置、124…ポインティングデバイス、125…入力手段、201…最終段拡大電磁レンズの中心位置、301…測長始点、302…測長終点、303…測長線分(始点と終点を結ぶ直線)、304…取得画像、305…マウスアイコン、306…画素、307…測長結果数値表示、308…測長始点変更点、309…変更後の測長線分、310…指定された長さに相当する線分、311…指定された長さの数値表示、400…デジタル画像、401…角度測定基準点第1点、402…角度測定基準点第2点、403…角度測定基準点第3点、404…角度測定始線分、405…角度測定終線分、406…測定角度数値表示、407…測定角表示円弧、500…デジタル画像、511…面積測定範囲指定第1点、512…面積測定範囲指定第2点、513…面積測定範囲指定第3点、514…面積測定範囲指定第4点、518…n角形内面積数値表示
Claims (8)
- 電子銃と、前記電子銃からの電子線を試料に照射するための照射レンズ系と、試料を透過した電子による電子線像を形成するための対物レンズ系及び結像レンズ系と、前記電子線像を受像するシンチレータと、前記シンチレータ上の光像をデジタル画像として取り込むための撮像手段と、前記デジタル画像を表示する表示手段と、演算手段とを含み、
前記演算手段は、前記レンズ系を制御する制御系からのカメラ長情報と、前記シンチレータ位置のカメラ長基準位置よりの偏差から生じるカメラ長変化率と、前記シンチレータ上の光像を前記撮像手段の撮像面に投影する光学系の倍率と、前記撮像手段の撮像面上での1画素の大きさをもとに、前記デジタル画像の画素の長さを電子線回折像の散乱角として演算することを特徴とする透過型電子顕微鏡。 - 請求項1記載の透過型電子顕微鏡において、
前記演算手段は、前記デジタル画像の画素の長さを用いて、画像上で指定された2点間の長さに対応する電子線回折像の散乱角を計算する機能を有することを特徴とする透過型電子顕微鏡。 - 請求項1又は2記載の透過型電子顕微鏡において、
散乱角の数値を入力することにより、その散乱角に相当する線分と前記数値とを画像上に表示する機能を有することを特徴とする透過型電子顕微鏡。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載の透過型電子顕微鏡において、
前記演算手段は、前記対物レンズ系の焦点位置の基準位置からのずれ量をもとに前記デジタル画像の画素の長さを補正することを特徴とする透過型電子顕微鏡。 - 請求項1〜4のいずれか1項記載の透過型電子顕微鏡において、
前記演算手段は、各倍率における倍率補正パラメータを使用して、前記デジタル画像の画素の長さを補正することを特徴とする透過型電子顕微鏡。 - 請求項1〜5のいずれか1項記載の透過型電子顕微鏡において、
前記演算手段は、画像上で指定された2本の線分の間の角度を演算し表示する機能を有することを特徴とする透過型電子顕微鏡。 - 請求項1〜6のいずれか1項記載の透過型電子顕微鏡において、
ポインティングデバイスを用いて画像上の点を指定する機能を有することを特徴とする透過型電子顕微鏡。 - 請求項7記載の透過型電子顕微鏡において、
画像上の測定を行った後に、その指定した点を前記ポインティングデバイスを使用して変更する機能を有することを特徴とする透過型電子顕微鏡。
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