JP3732236B2 - 固定部品と開閉可能な部品との間にシールを形成するための磁気ガスケット - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
自動車用のガスケットは、例えば、本出願人のイタリア特許第1107502 号及びイタリア実用新案第21692 B/83 号で周知である。このガスケットは、例えば、ドア、ハッチ、フード等を閉じたときに、これら車両本体と本体の作動部とのシールを形成するのに適したものであり、スナップ嵌めによって車両本体に固定することができる変形可能に輪郭作られたストリップからなるタイプである。これらの輪郭ストリップは、車両本体と開閉可能な部品との間の直線係合領域に沿って結合される。管状部は、一対の別個の隣接したチャンバに分割され、それらのうちの一つは空気チャンバベローズとして機能し、他の一つは、磁化材料用の座として機能する。
【０００２】
これらの磁気ガスケットは、閉鎖を行う密閉作用を改善し、引張動作を減じた点で、磁気シールのない圧縮作動式ガスケットに比して相当な進歩を遂げた。
しかし、このタイプのガスケットを、固定部品と開閉可能な部品との間の係合領域がとることのできるような広範囲の輪郭に、特に曲線領域で、曲率半径が小さい場合に、適応させるには技術的な問題がある。非常に曲率半径が小さい曲線領域では、磁気ガスケットを変形し、押しつぶすことに関して相当な問題がある。即ち、シールの喪失、ひだ及び不連続点の形成、或いはある時間経過後のガスケットの破損を引き起こすことがある。
【０００３】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
本発明の主な目的は、実質的に自在な、自動車用及び冷蔵庫、フリーザ、窓、キャビン等の固定部品と開閉可能な部品との間にシールを必要とする他の装置用の磁気ガスケットを提供することであり、換言すれば、曲率半径が小さい曲線領域を含め、ガスケットが働くような、固定部品と開閉可能な部品との間の係合領域のあらゆる形状に容易に適応させることである。
【０００４】
さらなる目的は、磁気シールの本質的な特性すなわち、固定部品と開閉可能な部品の間、シール平面に垂直な方向に沿う容易な伸長性の特性を維持しながら、平面度のあらゆる欠如を補償するために、磁気ガスケットを提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
これらの目的は、本発明にしたがって、曲線延長部の固定部品と開閉可能な部品との間、例えば、特に車両の本体とドアの間に、シールを形成するのに特に適した磁気ガスケットによって達成され、このガスケットは、これらの部品に固定するために輪郭ストリップと、磁気インサートを収容する管状座を有するタイプであって、形作られた固定ストリップ及び磁気インサート用管状座は、対向する開放壁が、実質的に曲線で、同じ方向に湾曲した伸長可能な変形可能管状チャンバによって、互いに連結されることを特徴とする。
【０００６】
【実施例】
図において、図１から図６は、車両用に、例えば車両本体とドア、ブーツ或いはフードのような開閉可能な部品との間をシールするのに適当なガスケットを示す。
図６を参照すると、金属コア５を備え、かつＣ字形の断面を有するスナップ嵌めストリップ４が、出入用ドア３と協働する自動車本体のフレーム１に沿って固定されている。ストリップ４は、基本的には、フレーム１の延長部全体に沿って固定されたリングであり、金属コアのフィンによって及ぼされる圧力によってフレームの延長部に押しつけられ、かつ固定され、車両本体フレームの表面に作用する鋸歯状の突出部６の作用によって、固着を完全にする。輪郭ストリップ４は、変形したり円環面の展開を行ったりする能力を有するので、フレーム１の角張った領域及び曲線領域に沿う形状に追従する。
【０００７】
可塑性フェライトバー11のような磁性材料を収容する管状座8 が、輪郭ストリップ４と反対の側で、これと平行な方向に、ドア３の方向に延びる。可塑性フェライトバー１１のような磁性材料を収容した管状座 8 は、磁極として作用することができ、これに対する反磁極は、ドアが強磁性材料であれば、ドア３それ自身によって形成される。或いはドアが、例えばプラスチック材料であれば、反磁極は、ドアのフェライトバー１１に面する位置に、適当な強磁性板９を設置することによって形成される。
【０００８】
スナップ嵌めストリップ４と磁気インサートを収容する座８は、介在した管状チャンバ１０によって、互いに連結され、この環状テャンバ１０は弾性的に撓みが変形可能であるから、特に、反磁極との接触面と垂直な方向にベローズとして延びることができる。チャンバ１０の形態は、断面で見た時、以下のようである。２つの対向した壁１２と１３は、スナップ嵌めのストリップ或いは磁気インサート用座によって付勢されないときには、後に定義される意味において、本質的に曲線状で、平行な形状である。壁１２は、車両本体のフレーム１に面する壁であり、それ故に作動可能に取り付けられた時、外側にある壁である。壁１３は、作動位置にあるとき、内側にある壁である。したがって、２つの壁１２及び１３は両方とも、ガスケットが曲線係合領域内で取る曲線の外側に向かって、湾曲している。壁１３は、その中央領域で最も曲線であり、これに対して、スナップ嵌めストリップに連結された側部分１４及び磁気インサート座に連結された側部分１５では、直線延長部である。
【０００９】
前記２つの部分の間のスペーサとして作用するリブ１６が、直線部分１４から延びている。対応するスペーサ１７が、フレーム１の方向に外壁１２から延びている。
図１から図５は、車両本体の曲線係合領域内での、本発明によるガスケットの性能を示す。図３は、実際には、ガスケットの変形のない、領域III-III におけるガスケットの断面形態を示し、この断面は、基本的には、公称断面に相当する。図４は、係合領域の輪郭が異なる曲率半径となったことによる、領域IV-IV におけるガスケットの変形を示す。図４に示す対応するガスケットの断面は、図３に示すガスケット断面と比較したとき、外壁１２は偏平になり、部分１４と１５の近づきで、内壁１３の曲率は大きくなる。
【００１０】
係合領域の輪郭の曲率半径がさらに減少する図２の領域V-V のような領域では、さらに、図５に示す対応するガスケットの断面は、リブ１６を介して部分１４と部分１５が接触し、外壁１２は偏平になり、内壁１３は曲率が大きくなった状態になる。
明らかなように、関連した箇所における曲率半径の変化によって、ガスケットの係合領域に起こり得る変形を補償する効果があり、従ってたとえ曲率半径が小さくても、ガスケット表面は、対応する曲率半径とは関係無く係合領域に常に完全に固着する。同時に、反磁極と接触する表面に垂直な方向に、ガスケットの十分な伸縮性が維持される。この伸縮性によって、ガスケットは正常に作動し、接触面の平面度の不正確さを保償し、かつ全輪郭に沿って、シールを確保することができる。
【００１１】
冷蔵庫、フリーザー及び同様のドアに及び窓、ドアフレーム、キャビンその他に関連した用途のために、ガスケットは、図７及び図８に示す形態をとることができる。
図７は、薄肉管状部１８内に磁気インサート１１を収容する可塑性のPVC 、熱可塑性ゴム或いは伝統的な加硫エラストマーのような軟質弾性材料の単一押し出しガスケットの断面を示す。
【００１２】
固定要素は、この場合には、冷蔵庫のドアの当接部、或いはドア、又は窓のフレームの凹部へ挿入するためのフィン２０付の本体１９からなるフィッシュボーン部分である。この凹部は、冷蔵庫の場合には、熱成形によって、或いはドア及び窓フレームの場合には、フライス加工によって形成され、隅部を面取りして、溶接の必要性を回避する。
【００１３】
ガスケットは、接合部でシールを形成するため９０°突き合わせ溶接によって、完成される。
図８は、連結脚が、ガスケットの残部と同じ軟質の材料のフィン２２付の剛性部２１からなる共押し出しガスケットを示す。剛性材料と軟質材料の組み合わせは、伝統的な２つの硬さの加硫エラストマー、剛性と軟質のPVC 、或いは共押し出し可能な熱可塑性ゴムと剛性材料の形態をとることができ、それゆえに剛性材料と軟質材料（熱可塑性オレフィンゴムとポリプロピレン、ABS と熱可塑性スチレン或いはポリエステルゴム）との間の完全な接着を達成する。
【００１４】
図７及び図８に示す両方の場合において、伸張可能な管状チャンバ１０は、先行例で説明した特徴的な構造を有する。それゆえ、本発明のこれらのガスケットの作動は、図１から図６を参照して既に説明したものと本質的に同様である。
冷蔵庫用キャビネット等の場合には、長方形形状に追従するように、隅で溶着された磁気ガスケットを使用することが周知の技術であるが、本発明の磁気ガスケットは、冷蔵庫用キャビネット等にも適用することができる。即ち、適当な曲率半径の隅部を有するガスケットの連結部品を受け入れるべき凹部を適当に形作り、そこに本発明のガスケットを適用することによって、隅部に４つの 90 °溶着部を有するガスケット代わりに、たった一つの 180 °突き合わせ溶接部を有するガスケットを適用することが可能になる。これは、冷蔵庫のガスケットを簡単にし、コストを減少させる。
【００１５】
本発明のガスケットは又、例えば、完全に長方形ではなく、その代わり円形に仕上げられたドア、或いは窓のような、建設工業でのドア及び窓のフレーム、ベランダ、或いは一般的に或る曲率を有する包囲体の縁に適用する必要があるとき、同様に適用することができる。これらの場合には、ベローズの平行な湾曲壁が必要な曲率となるように、ガスケットの押出し成形される部分を形成する。この概念は、例えば、イタリアの実用新案第21837 B /85 号及び本願の第21806 B/86号に開示される。
【００１６】
さらに、説明した適用分野において、曲線に追従する装置は、設計者に仕上げ品を設計するのに多くの自由を与え、さもなければ、90°或いは他の隅部溶接に依存する。
【図面の簡単な説明】
本発明の特徴及び利点は、添付図面を参照しながら説明する幾つかの非限定的な具体例から、より明らかになるであろう。
【図１】本発明によるガスケットの斜視断面図である。
【図２】異なる作動状態における図１と同じガスケットを示す図である。
【図３】図１の線III-III における断面図である。
【図４】図２の線IV-IV における断面図である。
【図５】図２の線V-V における断面図である。
【図６】自動車に作動可能に取り付けられた前記図によるガスケットである。
【図７】本発明によるガスケットのさらなる具体例の断面図である。
【図８】本発明によるガスケットのさらなる具体例の断面図である。
【符号の説明】
４ ストリップ
８ 座
１０ 管状チャンバ
１２ 壁
１６ リブ

Claims (5)

1. 固定部分と可動部分との間にシールを形成するための磁気ガスケットであって、
   前記固定部分又は前記可動部分に固定するための輪郭付けられたストリップと、
   磁気インサートを収容するための管状座と、
   前記輪郭付けられたストリップと前記磁気インサートを収容するための管状座とを連結する変形可能管状チャンバと、を有し、
   前記変形可能管状チャンバが、実質的に曲線で、同じ方向に湾曲した対向する壁を有し、
   作動位置にあるとき、前記固定部分と前記可動部分との間の係合領域の曲率の内方に面する前記変形可能管状チャンバの前記壁は、その中央部で本質的に湾曲し、その側部分が、直線状であり、
   さらに、リブを有し、このリブが、直線状の前記側部分の少なくとも１つから、他の一つの方へ延びていることを特徴とする磁気ガスケット。
2. 湾曲がより小さい係合領域から、湾曲がより大きい係合領域にかけて、湾曲の内方に面する前記変形可能管状チャンバの前記壁は、曲率が大きくなり、これに対し、湾曲の外方に面する前記変形可能管状チャンバの前記壁は、曲率が小さくなり、平面形状とみなせることを特徴とする請求項１に記載のガスケット。
3. 前記固定部分に面した前記変形可能管状チャンバの前記壁は、スペーサを有することを特徴とする請求項１に記載のガスケット。
4. 前記固定するための輪郭付けられたストリップ、前記磁気インサートを収容するための管状座及び前記変形可能管状チャンバは、別個の部品であり、接着剤のような適当な手段によっていっしょに結合されることを特徴とする請求項１に記載のガスケット。
5. 前記固定するための輪郭付けられたストリップ、前記磁気インサートを収容するための管状座及び前記変形可能管状チャンバは、一体に成形され、或いは押し出されることを特徴とする請求項１に記載のガスケット。

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