JP3731232B2 - ポリプロピレン繊維、その製造方法及びそれを用いた不織布 - Google Patents
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Description
【0010】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン繊維等に関する。さらに詳しくは、熱接着型ポリプロピレン不織布の原料となる熱ロール加工適性の優れたポリプロピレン繊維、その製造方法及びそれを用いた不織布に関する。
【0011】
【従来の技術】
ポリプロピレン繊維は、加圧熱ロールにより繊維同士を熱圧着する、いわゆる熱ロール加工により不織布に加工され、紙おむつ・生理用品等の衛生用品の表面材として使用されている。従来より、衛生用品の表面材は、強力があり、かつ柔軟な風合いを有する不織布が要求されていたが、近年、表面材不織布の低目付化に伴い、強力、風合いの要求もよりレベルの高いものとなっている。熱ロール加工法により強力の高い不織布を得るには、ポリプロピレン繊維間の融着結合を良好にする必要があるが、その為にはポリプロピレン繊維が融着結合時に充分軟化する高い温度条件で不織布を製造しなければならない。しかしながら、高い温度で不織布を製造すると、融着結合点以外のポリプロピレン繊維が熱の影響を受けて不織布の風合い(柔軟性)が悪化する。この現象は目付の低い不織布ほど顕著である。風合いの悪化を防ぐため低いロール温度で加工すると、接着不良により不織布強力が不十分となり易い。したがって、少しの加工温度の差で強力が弱くなったり、風合いが堅くなったりして、所望とする強力があり柔軟な風合いを有するポリプロピレン不織布を得る熱加工製造条件は非常に狭いものであった。このため、柔らかくて強いポリプロピレン不織布を得ることが可能な広い加工温度幅を有し、熱ロール加工適性に優れたポリプロピレン繊維の開発が待ち望まれていた。
【0012】
熱ロール加工適性に優れたポリプロピレン繊維として、特開昭62−156310号公報に軟化点が132℃以下であって所定量のエチレンを含有したエチレン−プロピレンランダム共重合体よりなるポリプロピレン繊維が提案されているが、この繊維を用いた不織布は風合いが堅く、実用に適する強力と風合いを持った不織布を製造できる加工温度幅が極めて狭いという欠点がある。また、特開平2−264012号公報には特定の化合物を配合したポリプロピレン繊維が提案されているが、風合い、強力共に充分ではない。更に、特開平4−228666号公報及び特開平7ー11508号公報には繊維表面を酸化劣化させたポリプロピレン繊維が提案されているが、風合いが堅く不充分である。このように、強力、風合いに優れたポリプロピレン不織布を熱ロール加工により提供しようとする試みは数多く行われているが、製造される不織布の性能も充分ではなく、また製造時の加工温度幅も狭く、満足のいくポリプロピレン繊維はいまだ開発されていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、熱ロール加工により高強力、風合い良好のポリプロピレン不織布を容易に製造でき、かつ加工温度幅の広い、熱ロール加工に適した加工し易い優れたポリプロピレン繊維を提供することにある。
【0014】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題解決のため鋭意検討を重ねた結果、沸騰n−ヘプタン抽出物が1.5重量%以上であり、かつ該抽出物が140℃以上の融点ピークを有するポリプロピレン繊維が、所期の目的を達成することを知り本発明を完成するに到った。本発明は次の構成を有する。
(1)メルトフローレート5〜30(g/10分、230℃)のポリプロピレンを270〜320℃の押出温度で押出し、ドラフト比(紡糸速度と吐出線速度の比)400〜1200の条件下、1200〜2500m/分の紡糸速度で引き取り、その際ノズル出口からノズル下0.5mまでの繊維の温度分布が下方に向かって1.8〜3.5℃/cmの割合で低下するようにコントロールし、得られた原糸を温度20〜100℃、3倍以下の倍率で延伸することによって得られる、沸騰n−ヘキサン抽出後の沸騰n−ヘプタン抽出物が1.5〜5重量%であり、かつ該抽出物が140℃以上の融点ピークを有する事を特徴とするポリプロピレン繊維。
(2)ポリプロピレンが、プロピレンを主体とするオレフィン系モノマーの結晶性共重合体である(1)項に記載のポリプロピレン繊維。
(3)繊維伸度が200〜350%である(1)項に記載のポリプロピレン繊維。
(4)繊維重量の0.03〜0.5重量%の鉱物油若しくは二塩基酸ジエステルを付着させた(1)項に記載のポリプロピレン繊維。
(5)メルトフローレート5〜30(g/10分、230℃)のポリプロピレンを270〜320℃の押出温度で押出し、ドラフト比(紡糸速度と吐出線速度の比)400〜1200の条件下、1200〜2500m/分の紡糸速度で引き取り、その際ノズル出口からノズル下0.5mまでの繊維の温度分布が下方に向かって1.8〜3.5℃/cmの割合で低下するようにコントロールし、得られた原糸を温度20〜100℃、3倍以下の倍率で延伸することを特徴とするポリプロピレン繊維の製造方法。
(6)上記(1)項に記載のポリプロピレン繊維を熱融着することにより得られた不織布。
(7)不織布強力が1.8Kg以上であり加工温度幅が4℃以上あり、柔軟性が30mm以下である(6)項に記載の不織布。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。本発明のポリプロピレン繊維は沸騰n−ヘプタン抽出物が、1.5重量%以上でなければならない。沸騰n−ヘプタン抽出物が1.5重量%を下回ると、得られる不織布は強力が低く、不織布を得る際の加工温度幅が狭いものとなる。ポリプロピレン繊維の沸騰n−ヘプタン抽出物の量の上限は、5.0重量%であり、この値以下であることがカード通過性等を考慮すると好ましい。
本発明でいうポリプロピレン繊維の沸騰n−ヘプタン抽出物とは、以下の方法により得たものである。まず前処理として沸騰n−ヘキサンで5時間抽出処理したポリプロピレン繊維を沸騰n−ヘプタンで5時間抽出処理し、得られた抽出液を60℃の真空乾燥機にて乾燥、n−ヘプタンを除去し、得られた物をいう。
【0016】
このようにして得られた沸騰n−ヘプタン抽出物は、140℃以上の融点ピークを有する必要がある。融点ピークが複数存在する場合は、1個以上の融点ピークが140℃以上であればよい。融点ピークが140℃に満たない場合、得られる不織布は強力が低く、不織布を得る際の加工温度幅が狭いものとなる。
本発明でいう融点ピークとは、DSC(示差走査型熱量系)で測定した融点のピークである。
本発明のポリプロピレン繊維は、沸騰n−ヘプタン抽出物が1.5重量%以上であり、かつ該抽出物が140℃以上の融点ピークを有することにより、高強力、風合い良好の不織布を得ることができ、かつ不織布を得る際の加工温度幅が広いものとなる。この効果は、繊維の伸度が200〜350%の時、顕著であり、更に200〜300%の時により顕著である。
本発明において、加工温度幅が広いということは、例えば不織布の風合いの基準として表示される柔軟性が30mm以下の時、目標とする1.8kg以上の不織布強力を得ることが可能な熱加工ロールの温度範囲が広いことを意味する。
【0017】
したがって、本発明のポリプロピレン繊維を用いると強力、風合いの双方を満足した品質の安定した不織布を得ることができ、かつ、熱ロール温度管理も許容範囲が広く容易である。このため、不織布の加工速度も上げることができ、生産性も向上できる。熱加工温度範囲は3℃以上、より好ましくは4℃以上を有することが望ましい。
本発明においてポリプロピレン繊維の140℃以上の融点を有する沸騰n−ヘプタン抽出物は、繊維同士の融着に大きく関与している成分であると考えている。上記のような製造法によって沸騰n−ヘプタンに抽出される140℃以上の成分が生成されるのか、繊維表層に集中してくるかは不明であるが、熱ロール加工時に該成分自身が融着、もしくは融点降下剤的な働きをし、繊維同士の融着結合を通常ポリプロピレン繊維より強固なものとしていると考えている。
【0018】
本発明のポリプロピレン繊維の原料であるポリプロピレン樹脂は、プロピレンの結晶性単独重合体を好適に使用することができるが、プロピレンを主体とするオレフィン系モノマーの共重合体を使用することもできる。該共重合体としては85%以上のプロピレンと15%以下のエチレンからなる結晶性の二元系ランダム共重合体、あるいは50%以上のプロピレンと50%以下のブテン−1からなる結晶性の三元系ランダム共重合体が好ましい。
本発明のポリプロピレン繊維は、例えば、次のような製造方法によって得ることができる。MFR5〜30(g/10分、230℃)のポリプロピレンを270〜320℃の押し出し温度で、1200〜2500m/分の紡糸速度で引き取る。このときのドラフト比(紡糸速度と吐出線速度の比)は、400〜1200とする。紡糸時の冷却条件は、ノズル出口からノズル下0.5mまでの繊維の温度分布が下方に向かって1.8〜3.5℃/cmの割合で低下するようにコントロールする。この原糸を延伸温度20〜100℃、3倍以下の延伸倍率で延伸する。更に、鉱物油、DOP(フタル酸ージー2ーエチルヘキシル)若しくはアジピン酸ージー2ーエチルヘキシル等の二塩基酸ジエステル、等のポリプロピレンに浸透し易い成分を含む油剤は、本発明の効果を更に顕著にするので用いることが好ましい。油剤の付着量は0.03〜0.5重量%が好ましい。
本発明のポリプロピレン繊維は短繊維として、或いは長繊維として使用することができる。
本発明のポリプロピレン繊維には、ポリプロピレン繊維に通常使用される各種の添加剤、例えば光安定剤、滑剤、帯電防止剤、顔料等を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0019】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における各種の物性値は以下の方法で測定されたものである。
・メルトフローレート(MFR):ASTM D 1238の条件(L)に準拠して測定した。
【0020】
・融点:PERKIN−ELMER社製7Series Thermal Analysys Systemを用いて測定した。試料量約2mgを昇温速度10℃/分で30℃〜230℃まで昇温後230℃で10分間保持し、ついで−200℃/分の降温速度で−60℃まで降温し、10分間保持する。ついで、10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温する際に示した融点ピークを融点とする。
【0021】
・繊維伸度:JIS L1015 7.7.1に準じて測定した。
【0022】
・不織布強力:機械方向に対し横方向の柔軟性が30mmとなるように加工温度を調整して作った、目付量20g/m2の不織布より、縦15cm、横5cmの試験片を機械方向、横方向各々切り出し、該試験片を引張試験機を用いて、試験片つかみ間隔10cm、引張速度100mm/分の条件で破断強力を測定した後、次式により定義した。
【0023】
・柔軟性:JIS L1018 6.21A項に準拠して測定した。片方の端が45度の斜面を持ち表面が滑らかでスケールが目盛られている水平台(カンチレバー型試験機)の上に、目付重量20g/m2の不織布の横方向より切り出した縦15cm、横5cmの不織布(試験片)をスケールに合わせて置き、手動により不織布を斜面の方向へ穏やかに滑らせて繰り出し、不織布の端が斜面と接したときの繰り出し長さをmm単位で読みとり、この数値を柔軟性の指標とした。この値が小さいほど不織布の柔軟性が良好なことを示す。
【0024】
・加工温度幅:柔軟性が30mm以下でかつ不織布強力が1.8kg以上の不織布が得られる熱ロールの温度範囲を示す。例えば、130℃から134℃の範囲でこの条件を満たす不織布が得られるなら加工温度幅は4℃である。
【0025】
実施例1
MFR15(g/10分、230℃)のポリプロピレンを300℃の押し出し温度、引き取り速度1500m/分で溶融紡糸し、原糸を得た。このときのドラフト比は960である。ノズル出口からノズル下0.5mまでの間の平均冷却速度は2.1℃/cmとした。この原糸を60℃の延伸温度、1.3倍の延伸倍率で延伸し、スタファボックスで機械捲縮を付与した後、長さ38mmに切断した短繊維を得た。このとき使用した油剤は下記組成物からなり、付着量は繊維重量の0.5重量%である。
PEG400ジラウレート 75重量%
C8フォスフェートK塩 25重量%
得られた繊維の沸騰n−ヘプタン抽出物量及び沸騰n−ヘプタン抽出物の融点ピーク値を表1に示した。次に繊維をローラーカード機にて20m/分の速度でカーディングし、目付重量20g/m2のウェブとした。続いて同一速度にてウェブを接着面積率24%のエンボスロールで不織布に加工した。エンボスロールの加熱温度は0.5℃刻みで設定した。各加熱温度で得られた不織布より所定の試験片を調整し、不織布強力、柔軟性を測定し、柔軟性が30mm時の不織布強力、加工温度幅を求めた。これらの各値を表1に併せて示した。
【0026】
実施例2
MFR10(g/10分、230℃)のポリプロピレンを用い、引き取り速度を1800m/分、ノズル出口からノズル下0.5mまでの間の平均冷却速度を2.5℃/cmとした以外は、実施例1と同様にした。各値を表1に示した。
【0027】
比較例1
延伸温度を130℃とした以外は実施例1と同様にした。各値を表1に示した。
【0028】
比較例2
押し出し温度を350℃、ドラフト比を3000とした以外は実施例2と同様にした。各値を表1に示した。
【0029】
実施例3
紡糸速度を2000m/分、ドラフト比を700、延伸倍率を1.8倍とした以外は実施例1と同様にした。各値を表1に示した。
【0030】
実施例4
ノズル出口からノズル下0.5mまでの間の平均冷却速度を2.0℃/cm、延伸温度を80℃とした以外は実施例2と同様にした。各値を表1に示した。
【0031】
実施例5
MFR25(g/10分、230℃)のプロピレン99.8%とエチレン0.2%とのランダム共重合体を使用した以外は、実施例1と同様にした。各値を表1に示した。
なお、各実施例、比較例共延伸後の繊維は、2d/fとなるようにした。
【0032】
実施例6
実施例1において使用された油剤のうちのPEG400ジラウレートの使用量の50%を二塩基酸ジエステルであるジオクチルアジペートに変更して下記組成物にし、それを繊維重量の0.5重量%付着させた以外は実施例1と同様の製造方法で紡糸し、それを不織布に加工した。各測定値は表1に示した。
PEG400ジラウレート 37.5重量%
ジオクチルアジペート 37.5重量%
C8フォスフェートK塩 25 重量%
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】
本発明のポリプロピレン繊維は、幅広い加工温度範囲で、熱ロール加工により高強力、風合い良好である本発明のポリプロピレン不織布を製造することができる。また、本発明の製造方法により、この様なポリプロピレン繊維を容易に得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン繊維等に関する。さらに詳しくは、熱接着型ポリプロピレン不織布の原料となる熱ロール加工適性の優れたポリプロピレン繊維、その製造方法及びそれを用いた不織布に関する。
【0011】
【従来の技術】
ポリプロピレン繊維は、加圧熱ロールにより繊維同士を熱圧着する、いわゆる熱ロール加工により不織布に加工され、紙おむつ・生理用品等の衛生用品の表面材として使用されている。従来より、衛生用品の表面材は、強力があり、かつ柔軟な風合いを有する不織布が要求されていたが、近年、表面材不織布の低目付化に伴い、強力、風合いの要求もよりレベルの高いものとなっている。熱ロール加工法により強力の高い不織布を得るには、ポリプロピレン繊維間の融着結合を良好にする必要があるが、その為にはポリプロピレン繊維が融着結合時に充分軟化する高い温度条件で不織布を製造しなければならない。しかしながら、高い温度で不織布を製造すると、融着結合点以外のポリプロピレン繊維が熱の影響を受けて不織布の風合い(柔軟性)が悪化する。この現象は目付の低い不織布ほど顕著である。風合いの悪化を防ぐため低いロール温度で加工すると、接着不良により不織布強力が不十分となり易い。したがって、少しの加工温度の差で強力が弱くなったり、風合いが堅くなったりして、所望とする強力があり柔軟な風合いを有するポリプロピレン不織布を得る熱加工製造条件は非常に狭いものであった。このため、柔らかくて強いポリプロピレン不織布を得ることが可能な広い加工温度幅を有し、熱ロール加工適性に優れたポリプロピレン繊維の開発が待ち望まれていた。
【0012】
熱ロール加工適性に優れたポリプロピレン繊維として、特開昭62−156310号公報に軟化点が132℃以下であって所定量のエチレンを含有したエチレン−プロピレンランダム共重合体よりなるポリプロピレン繊維が提案されているが、この繊維を用いた不織布は風合いが堅く、実用に適する強力と風合いを持った不織布を製造できる加工温度幅が極めて狭いという欠点がある。また、特開平2−264012号公報には特定の化合物を配合したポリプロピレン繊維が提案されているが、風合い、強力共に充分ではない。更に、特開平4−228666号公報及び特開平7ー11508号公報には繊維表面を酸化劣化させたポリプロピレン繊維が提案されているが、風合いが堅く不充分である。このように、強力、風合いに優れたポリプロピレン不織布を熱ロール加工により提供しようとする試みは数多く行われているが、製造される不織布の性能も充分ではなく、また製造時の加工温度幅も狭く、満足のいくポリプロピレン繊維はいまだ開発されていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、熱ロール加工により高強力、風合い良好のポリプロピレン不織布を容易に製造でき、かつ加工温度幅の広い、熱ロール加工に適した加工し易い優れたポリプロピレン繊維を提供することにある。
【0014】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題解決のため鋭意検討を重ねた結果、沸騰n−ヘプタン抽出物が1.5重量%以上であり、かつ該抽出物が140℃以上の融点ピークを有するポリプロピレン繊維が、所期の目的を達成することを知り本発明を完成するに到った。本発明は次の構成を有する。
(1)メルトフローレート5〜30(g/10分、230℃)のポリプロピレンを270〜320℃の押出温度で押出し、ドラフト比(紡糸速度と吐出線速度の比)400〜1200の条件下、1200〜2500m/分の紡糸速度で引き取り、その際ノズル出口からノズル下0.5mまでの繊維の温度分布が下方に向かって1.8〜3.5℃/cmの割合で低下するようにコントロールし、得られた原糸を温度20〜100℃、3倍以下の倍率で延伸することによって得られる、沸騰n−ヘキサン抽出後の沸騰n−ヘプタン抽出物が1.5〜5重量%であり、かつ該抽出物が140℃以上の融点ピークを有する事を特徴とするポリプロピレン繊維。
(2)ポリプロピレンが、プロピレンを主体とするオレフィン系モノマーの結晶性共重合体である(1)項に記載のポリプロピレン繊維。
(3)繊維伸度が200〜350%である(1)項に記載のポリプロピレン繊維。
(4)繊維重量の0.03〜0.5重量%の鉱物油若しくは二塩基酸ジエステルを付着させた(1)項に記載のポリプロピレン繊維。
(5)メルトフローレート5〜30(g/10分、230℃)のポリプロピレンを270〜320℃の押出温度で押出し、ドラフト比(紡糸速度と吐出線速度の比)400〜1200の条件下、1200〜2500m/分の紡糸速度で引き取り、その際ノズル出口からノズル下0.5mまでの繊維の温度分布が下方に向かって1.8〜3.5℃/cmの割合で低下するようにコントロールし、得られた原糸を温度20〜100℃、3倍以下の倍率で延伸することを特徴とするポリプロピレン繊維の製造方法。
(6)上記(1)項に記載のポリプロピレン繊維を熱融着することにより得られた不織布。
(7)不織布強力が1.8Kg以上であり加工温度幅が4℃以上あり、柔軟性が30mm以下である(6)項に記載の不織布。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。本発明のポリプロピレン繊維は沸騰n−ヘプタン抽出物が、1.5重量%以上でなければならない。沸騰n−ヘプタン抽出物が1.5重量%を下回ると、得られる不織布は強力が低く、不織布を得る際の加工温度幅が狭いものとなる。ポリプロピレン繊維の沸騰n−ヘプタン抽出物の量の上限は、5.0重量%であり、この値以下であることがカード通過性等を考慮すると好ましい。
本発明でいうポリプロピレン繊維の沸騰n−ヘプタン抽出物とは、以下の方法により得たものである。まず前処理として沸騰n−ヘキサンで5時間抽出処理したポリプロピレン繊維を沸騰n−ヘプタンで5時間抽出処理し、得られた抽出液を60℃の真空乾燥機にて乾燥、n−ヘプタンを除去し、得られた物をいう。
【0016】
このようにして得られた沸騰n−ヘプタン抽出物は、140℃以上の融点ピークを有する必要がある。融点ピークが複数存在する場合は、1個以上の融点ピークが140℃以上であればよい。融点ピークが140℃に満たない場合、得られる不織布は強力が低く、不織布を得る際の加工温度幅が狭いものとなる。
本発明でいう融点ピークとは、DSC(示差走査型熱量系)で測定した融点のピークである。
本発明のポリプロピレン繊維は、沸騰n−ヘプタン抽出物が1.5重量%以上であり、かつ該抽出物が140℃以上の融点ピークを有することにより、高強力、風合い良好の不織布を得ることができ、かつ不織布を得る際の加工温度幅が広いものとなる。この効果は、繊維の伸度が200〜350%の時、顕著であり、更に200〜300%の時により顕著である。
本発明において、加工温度幅が広いということは、例えば不織布の風合いの基準として表示される柔軟性が30mm以下の時、目標とする1.8kg以上の不織布強力を得ることが可能な熱加工ロールの温度範囲が広いことを意味する。
【0017】
したがって、本発明のポリプロピレン繊維を用いると強力、風合いの双方を満足した品質の安定した不織布を得ることができ、かつ、熱ロール温度管理も許容範囲が広く容易である。このため、不織布の加工速度も上げることができ、生産性も向上できる。熱加工温度範囲は3℃以上、より好ましくは4℃以上を有することが望ましい。
本発明においてポリプロピレン繊維の140℃以上の融点を有する沸騰n−ヘプタン抽出物は、繊維同士の融着に大きく関与している成分であると考えている。上記のような製造法によって沸騰n−ヘプタンに抽出される140℃以上の成分が生成されるのか、繊維表層に集中してくるかは不明であるが、熱ロール加工時に該成分自身が融着、もしくは融点降下剤的な働きをし、繊維同士の融着結合を通常ポリプロピレン繊維より強固なものとしていると考えている。
【0018】
本発明のポリプロピレン繊維の原料であるポリプロピレン樹脂は、プロピレンの結晶性単独重合体を好適に使用することができるが、プロピレンを主体とするオレフィン系モノマーの共重合体を使用することもできる。該共重合体としては85%以上のプロピレンと15%以下のエチレンからなる結晶性の二元系ランダム共重合体、あるいは50%以上のプロピレンと50%以下のブテン−1からなる結晶性の三元系ランダム共重合体が好ましい。
本発明のポリプロピレン繊維は、例えば、次のような製造方法によって得ることができる。MFR5〜30(g/10分、230℃)のポリプロピレンを270〜320℃の押し出し温度で、1200〜2500m/分の紡糸速度で引き取る。このときのドラフト比(紡糸速度と吐出線速度の比)は、400〜1200とする。紡糸時の冷却条件は、ノズル出口からノズル下0.5mまでの繊維の温度分布が下方に向かって1.8〜3.5℃/cmの割合で低下するようにコントロールする。この原糸を延伸温度20〜100℃、3倍以下の延伸倍率で延伸する。更に、鉱物油、DOP(フタル酸ージー2ーエチルヘキシル)若しくはアジピン酸ージー2ーエチルヘキシル等の二塩基酸ジエステル、等のポリプロピレンに浸透し易い成分を含む油剤は、本発明の効果を更に顕著にするので用いることが好ましい。油剤の付着量は0.03〜0.5重量%が好ましい。
本発明のポリプロピレン繊維は短繊維として、或いは長繊維として使用することができる。
本発明のポリプロピレン繊維には、ポリプロピレン繊維に通常使用される各種の添加剤、例えば光安定剤、滑剤、帯電防止剤、顔料等を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0019】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における各種の物性値は以下の方法で測定されたものである。
・メルトフローレート(MFR):ASTM D 1238の条件(L)に準拠して測定した。
【0020】
・融点:PERKIN−ELMER社製7Series Thermal Analysys Systemを用いて測定した。試料量約2mgを昇温速度10℃/分で30℃〜230℃まで昇温後230℃で10分間保持し、ついで−200℃/分の降温速度で−60℃まで降温し、10分間保持する。ついで、10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温する際に示した融点ピークを融点とする。
【0021】
・繊維伸度:JIS L1015 7.7.1に準じて測定した。
【0022】
・不織布強力:機械方向に対し横方向の柔軟性が30mmとなるように加工温度を調整して作った、目付量20g/m2の不織布より、縦15cm、横5cmの試験片を機械方向、横方向各々切り出し、該試験片を引張試験機を用いて、試験片つかみ間隔10cm、引張速度100mm/分の条件で破断強力を測定した後、次式により定義した。
【0023】
・柔軟性:JIS L1018 6.21A項に準拠して測定した。片方の端が45度の斜面を持ち表面が滑らかでスケールが目盛られている水平台(カンチレバー型試験機)の上に、目付重量20g/m2の不織布の横方向より切り出した縦15cm、横5cmの不織布(試験片)をスケールに合わせて置き、手動により不織布を斜面の方向へ穏やかに滑らせて繰り出し、不織布の端が斜面と接したときの繰り出し長さをmm単位で読みとり、この数値を柔軟性の指標とした。この値が小さいほど不織布の柔軟性が良好なことを示す。
【0024】
・加工温度幅:柔軟性が30mm以下でかつ不織布強力が1.8kg以上の不織布が得られる熱ロールの温度範囲を示す。例えば、130℃から134℃の範囲でこの条件を満たす不織布が得られるなら加工温度幅は4℃である。
【0025】
実施例1
MFR15(g/10分、230℃)のポリプロピレンを300℃の押し出し温度、引き取り速度1500m/分で溶融紡糸し、原糸を得た。このときのドラフト比は960である。ノズル出口からノズル下0.5mまでの間の平均冷却速度は2.1℃/cmとした。この原糸を60℃の延伸温度、1.3倍の延伸倍率で延伸し、スタファボックスで機械捲縮を付与した後、長さ38mmに切断した短繊維を得た。このとき使用した油剤は下記組成物からなり、付着量は繊維重量の0.5重量%である。
PEG400ジラウレート 75重量%
C8フォスフェートK塩 25重量%
得られた繊維の沸騰n−ヘプタン抽出物量及び沸騰n−ヘプタン抽出物の融点ピーク値を表1に示した。次に繊維をローラーカード機にて20m/分の速度でカーディングし、目付重量20g/m2のウェブとした。続いて同一速度にてウェブを接着面積率24%のエンボスロールで不織布に加工した。エンボスロールの加熱温度は0.5℃刻みで設定した。各加熱温度で得られた不織布より所定の試験片を調整し、不織布強力、柔軟性を測定し、柔軟性が30mm時の不織布強力、加工温度幅を求めた。これらの各値を表1に併せて示した。
【0026】
実施例2
MFR10(g/10分、230℃)のポリプロピレンを用い、引き取り速度を1800m/分、ノズル出口からノズル下0.5mまでの間の平均冷却速度を2.5℃/cmとした以外は、実施例1と同様にした。各値を表1に示した。
【0027】
比較例1
延伸温度を130℃とした以外は実施例1と同様にした。各値を表1に示した。
【0028】
比較例2
押し出し温度を350℃、ドラフト比を3000とした以外は実施例2と同様にした。各値を表1に示した。
【0029】
実施例3
紡糸速度を2000m/分、ドラフト比を700、延伸倍率を1.8倍とした以外は実施例1と同様にした。各値を表1に示した。
【0030】
実施例4
ノズル出口からノズル下0.5mまでの間の平均冷却速度を2.0℃/cm、延伸温度を80℃とした以外は実施例2と同様にした。各値を表1に示した。
【0031】
実施例5
MFR25(g/10分、230℃)のプロピレン99.8%とエチレン0.2%とのランダム共重合体を使用した以外は、実施例1と同様にした。各値を表1に示した。
なお、各実施例、比較例共延伸後の繊維は、2d/fとなるようにした。
【0032】
実施例6
実施例1において使用された油剤のうちのPEG400ジラウレートの使用量の50%を二塩基酸ジエステルであるジオクチルアジペートに変更して下記組成物にし、それを繊維重量の0.5重量%付着させた以外は実施例1と同様の製造方法で紡糸し、それを不織布に加工した。各測定値は表1に示した。
PEG400ジラウレート 37.5重量%
ジオクチルアジペート 37.5重量%
C8フォスフェートK塩 25 重量%
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】
本発明のポリプロピレン繊維は、幅広い加工温度範囲で、熱ロール加工により高強力、風合い良好である本発明のポリプロピレン不織布を製造することができる。また、本発明の製造方法により、この様なポリプロピレン繊維を容易に得ることができる。
Claims (7)
- メルトフローレート5〜30(g/10分、230℃)のポリプロピレンを270〜320℃の押出温度で押出し、ドラフト比(紡糸速度と吐出線速度の比)400〜1200の条件下、1200〜2500m/分の紡糸速度で引き取り、その際ノズル出口からノズル下0.5mまでの繊維の温度分布が下方に向かって1.8〜3.5℃/cmの割合で低下するようにコントロールし、得られた原糸を温度20〜100℃、3倍以下の倍率で延伸することによって得られる、沸騰n−ヘキサン抽出後の沸騰n−ヘプタン抽出物が1.5〜5重量%であり、かつ該抽出物が140℃以上の融点ピークを有する事を特徴とするポリプロピレン繊維。
- ポリプロピレンが、プロピレンを主体とするオレフィン系モノマーの結晶性共重合体である請求項1に記載のポリプロピレン繊維。
- 繊維伸度が200〜350%である請求項1に記載のポリプロピレン繊維。
- 繊維重量の0.03〜0.5重量%の鉱物油若しくは二塩基酸ジエステルを付着させた請求項1に記載のポリプロピレン繊維。
- メルトフローレート5〜30(g/10分、230℃)のポリプロピレンを270〜320℃の押出温度で押出し、ドラフト比(紡糸速度と吐出線速度の比)400〜1200の条件下、1200〜2500m/分の紡糸速度で引き取り、その際ノズル出口からノズル下0.5mまでの繊維の温度分布が下方に向かって1.8〜3.5℃/cmの割合で低下するようにコントロールし、得られた原糸を温度20〜100℃、3倍以下の倍率で延伸することを特徴とするポリプロピレン繊維の製造方法。
- 請求項1に記載のポリプロピレン繊維を熱融着することにより得られた不織布。
- 不織布強力が1.8Kg以上であり加工温度幅が4℃以上あり、柔軟性が30mm以下である請求項6に記載の不織布。
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