JP3730573B2 - 露光装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光体を露光しトナーにて可視像を形成するデジタル電子写真装置などに用いる露光装置および画像形成装置に関し、特に、有機EL素子を用いた光プリンタヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、感光体に静電潜像を書込むための露光装置としては、レーザ光を走査するLSUやLEDを1ライン分配列したLEDアレイが主に用いられている。LSUは数万回転(rpm)するポリゴンミラーが必要であることや、光路長が長いこと、レンズなどの多数の光学部品を必要とすることため、小型化が難しく、さらなる高速化への対応が困難であるという課題を有している。
【0003】
LEDアレイは、GaAsなどのIII−V族化合物半導体基板からなるものが一般的であるため、材料的に高価であるという課題がある。また、複数の発光素子を有する複数個のLEDチップを高精度に配列する技術が必要であることや、単結晶シリコン基板に形成される駆動回路チップと、上記GaAsのLEDチップとをワイヤボンディングで接続する必要があることで、さらに低価格化が困難となっている。
【0004】
特に、高解像度化に伴い発光素子を高密度に集積化する要求のもとでは、ワイヤボンディングが制約となってドライバICとの配線を高密度に行なえないという問題がある。そのための解決方法として、LEDの1ラインを、たとえば、8個のブロックに分け、時間軸方向に8回ずらして発光するような「時分割駆動」が知られている。これは高密度な発光素子とドライバICとの配線密度を緩和する効果があり、このワイヤボンディングの負担を軽減する効果がある。
【0005】
具体的には、20ミクロンピッチで形成された64個の発光素子を発光させる場合、8ブロック時分割駆動とするとマトリックス状の配線となるため、ドライバICとの接続線の数は16本(8+8=16)に軽減でき、接続ピッチも4倍(64/16=4)の80ミクロンに緩和できる。
【0006】
ところが、上記8個で1ブロックとした例では、時分割駆動を行なわない場合に比べて1/8の発光時間で必要光量を得なければならないため、発光素子の必要光量(単位時間当りの発光強度)が大きくなるという課題が生じる。つまり、時分割駆動を行なわない場合に比べて8倍の光量が必要になる。また、時分割駆動を行なうと、画像データを再配列する必要があり、回路規模が増大するという課題も生じる。
【0007】
以上のように、LEDアレイはLSUより小型でサイズ的に圧倒的に有利であるにもかかわらず、コスト的課題や性能的課題でLSUに劣る面があり、未だ広く普及するに至っていない。
【0008】
ところで、LEDに代わる発光原理の露光デバイスとして、無機ELを応用したものが電子写真学会誌第30巻第4号(1991)に開示されている。
【0009】
また、これら露光デバイスとは別に、近年有機ELの性能向上が著しく、ディスプレイ用途のデバイスとして実用化検討が進んでいる。有機ELはディスプレイ用途であるために、基板は光透過性のよいガラス基板や樹脂基板が一般的であるが、単結晶シリコン基板を用いた例も特開平9−114398号公報に開示されている。単結晶シリコン基板を使用することで、マトリックス状の駆動素子形状を小さくでき面発光の開口率を大きくできることや、熱疲労による劣化を阻止できるなどのメリットが開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記無機ELを応用した露光デバイスは、デバイスの駆動に250Vの交流高圧パルスが必要であることや、応答速度が数百μsecと遅いことなどの課題があり、まだ実用化には至っていない。
【0011】
また、ディスプレイ用途の面発光タイプの有機ELをプリンタ用露光ヘッドとして応用することを考えた場合、感光体を露光するために必要な光量を得ることが大きな課題となる。
【0012】
たとえば、一般的な有機感光体の感度Eを0.5[μJ/cm2]、プロセス速度Vを120[mm/s]、解像度Rを600[dpi]と仮定すると、感光体表面で必要なエネルギWは次式で概算される。すなわち、W=E/(25.4/W/V)の式に、上記仮定値を代入し、SI単位で表現するとW=14[W/m2]となる。
【0013】
また、面発光タイプの有機ELの場合、放射角が大きいという特徴があり、ディスプレイにとっては視野角が大きいというメリットとなるが、プリンタ用露光ヘッドにとっては逆に大きなデメリットとなる。結像光学系が必要である露光ヘッドにとって、放射角が大きい場合には、光学系の光の利用効率が悪くなるからである。
【0014】
光学系の光の利用効率を10%と仮定すると、光源としての必要光量は140[W/m2]となる。解像度が1200dpiの場合はさらに2倍の光量が必要となる。このような光量を有機ELで得ることは、有機EL寿命を考慮すると非常に困難である。
【0015】
さらに、結像光学系との関係に起因した場合もある。すなわち、LEDに代表されるような発光素子アレイを用いたデバイスをプリンタ用露光ヘッドとして応用する場合、ロッドレンズアレイのような1対1の横倍率の光学系が一般的である。たとえばA3用紙を印字する場合、A3短辺長である約300mmの像面の幅が必要となり、横倍率1倍の光学系であれば発光素子アレイは300mm程度でよい。
【0016】
拡大光学系もしくは縮小光学系とした場合、画角が大きくなるため収差を除去するための結像光学系の負担が大きくなり小型化が困難になる。縮小光学系であればさらに発光素子アレイの幅が300mmより大きくなってしまうという問題が生じる。
【0017】
ロッドレンズアレイのような横倍率1倍の結像光学系を用いた場合、レンズ径の収差やMTF劣化により結像スポットの大きさは光源の大きさより大きくなる。必要な結像スポットの大きさは解像度600dpiの場合、約60ミクロンから80ミクロン程度、1200dpiの場合、約30ミクロン程度である。LED光源の場合は発光部の大きさは数ミクロンでほぼ点光源とみなすことができるので、結像光学系の負担は小さく、上記大きさを実現することができる。
【0018】
一方、面発光タイプの有機ELの場合は、前記光量不足を補うためにできるだけ発光面積を大きくしてしまうと、光源の大きさ(発光面積)もそれに応じて大きくなる。つまり、面発光タイプの有機ELの場合には、光量の増加と結像光学系への負担とはトレードオフの関係にある。したがって、横倍率1倍の光学系では、必要結像スポットの大きさより大きな発光面は原理的に不可能となる。
【0019】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、有機ELの技術を最大限に活用して露光デバイスへの応用を図ることによって、上述のLEDのコスト的・技術的課題を解決し、小型・低コストの露光デバイスを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明に基づいた露光装置においては、基板と、上記基板上に設けられ、有機EL発光素子を複数個直線状に配列した発光素子アレイと、上記基板上に設けられ、上記有機EL発光素子をスイッチングする素子を含む駆動回路と、を備え、上記有機EL発光素子は、電極層と有機化合物層との積層方向に対して直交する端面方向から光を放射する端面発光構造を有し、上記積層方向から見た発光素子1つの発光部面積(S)と隣接する発光素子の周期(d)とが、S>d2の関係を満足する。
【0021】
これにより、駆動回路を含む基板上にモノリシックに有機EL発光素子を形成することができるため、ワイヤボンディングなどの接続配線系が不要となり、低コストで高密度な配線が可能となる。さらに複数の有機EL発光素子と、この発光素子をスイッチングする回路素子とを1対1対応させることができ、1ライン分の発光を同時に行なうことができる。さらに、1つの発光素子の発光時間を最大限に長くとることができるので、単位時間当りに発光する光量を小さくできる。すなわち、上述の有機ELの課題である輝度と寿命に対して有利な構成が実現できる。
【0022】
また、上記露光装置において好ましくは、上記有機化合物層の膜厚は、発光中心波長より薄く、上記電極層を挟んで上記有機化合物層とは反対側に、上記発光中心波長より厚い膜厚の光導波層を有する。また、さらに好ましくは、上記光導波層は、上記有機EL発光素子に接する屈折率がn1の第1の透明層と、上記第1の透明層の上記有機EL発光素子に接していない部分に接する屈折率がn2の第2の透明層とを有し、上記第1の透明層の屈折率n1と上記第2の透明層の屈折率n2とが、n1>n2の関係を満足する。
【0023】
このように発光層とは別に外側に光導波層を構成することで、損失の多い有機層内部だけで光を導波させず、薄膜電極の外側に光を出し、光導波層で受けて効率よく端面まで伝播させることができる。すなわち、光の利用効率を向上する効果が得られる。なお言うまでもなく、上記の透明とは、有機ELの発光波長に対して十分光透過性が良いことを意味し、屈折率は主たる発光波長に対する屈折率を意味する。
【0024】
また、上記露光装置において好ましくは、上記電極層を挟んで、上記第1の透明層と反対側の上記有機化合物層の屈折率n3は、上記第1の透明層の屈折率n1よりも小さい。これにより光導波層を伝播する光が発光層に戻る割合を低減でき、光の利用効率を向上することができる。
【0025】
また、上記露光装置において好ましくは、各上記有機EL発光素子に対応する上記光導波層の間に、光吸収性の遮光壁を有する。また、必要であれば、隣接する各上記有機EL発光素子の間に、光を透過しない光吸収性の遮光壁を有する。これにより、隣接する光導波層からの光のクロストークを防止でき、高品位な画像を提供できる。なお言うまでもなく、上記の光透過性(光を透過しない)とは、有機ELの発光波長に対して十分光透過性がないことを意味する。
【0026】
また、上記露光装置において好ましくは、上記基板の上に上記第1の電極層が設けられ、上記第1の電極層の上に上記有機化合物層が設けられ、上記有機化合物層の上に上記第2の電極層が設けられることにより、上記有機EL発光素子が構成され、上記第2の電極層は、光透過性の電極材料からなり、上記第2の電極層に上記光導波層が設けられる。これにより、有機EL部での発光に伴う発熱をシリコン基板から効率よく放熱する効果が得られる。
【0027】
また、上記露光装置において好ましくは、上記光導波層は、上記基板の上に設けられる屈折率がn2の第2の透明層と、上記第2の透明層に略囲まれた屈折率がn1の第1の透明層とを有し、上記光導波層の上に上記第1の電極層が設けられ、上記第1の電極層の上に上記有機化合物層が設けられ、上記有機化合物層の上に上記第2の電極層が設けられることにより、上記有機EL発光素子が構成される。これにより、熱や衝撃に弱い有機層の上部に薄膜を形成する工程が最小限にできるので、製造が容易になり低コスト化が期待できる。
【0028】
また、上記露光装置において好ましくは、上記基板に溝が設けられ、上記溝の内部に上記第2の透明層および上記第1の透明層が設けられる。また、さらに好ましくは、上記溝の内壁面と上記第2の透明層との間に、光吸収性の遮光膜がさらに設けられる。
【0029】
また、上記露光装置において好ましくは、上記有機化合物層は、屈折率がn4の発光層と、上記発光層を挟み込み、電子輸送材料とホール輸送材料とを混合し、屈折率がn5の挟み込み層との3層構造を有し、上記発光層の屈折率n4と上記挟み込み層の屈折率n5とは、n4>n5の関係を満足し、隣接する各上記有機EL発光素子の間に、光を透過しない光吸収性の遮光壁を有する。このように有機化学物層自体を対称型導波路構造とすることで、発光波長よりも薄い薄膜であっても外部導波路に頼らず効率よく光を導波することができる。
【0030】
また、好ましくは、上記基板は、単結晶シリコン基板または多結晶シリコン基板である。
【0031】
また、この発明に基づいた画像形成装置においては、上述した露光装置と、上記露光装置により露光される感光体とを備える。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に基づいた各実施の形態について、図を参照して説明する。
【0033】
(実施の形態1)
図1は、単結晶シリコン基板1上に陽極を形成した場合の、露光装置の構造の一例を模式的に示す断面図である。また、基板の一例として単結晶シリコンを用いている。図1を参照した場合、この露光装置は、駆動回路を含むドライバ回路部4、陽極12、ホール輸送層13、電子輸送層兼発光層14、陰極15、光導波路コア層5、光導波路クラッド層6、遮光壁7が設けられている。図1中のxyz座標のz方向が膜の積層方向、y方向が端面発光方向であり、有機EL発光素子2が、電極層と有機化合物層との積層方向に対して直交(z方向)する端面方向(y方向)から光を放射する端面発光構造が採用されている。
【0034】
図2は、単結晶シリコン基板1上に陰極を形成した場合の、露光装置の構造の一例を模式的に示す断面図である。図1を参照した場合、この露光装置は、ドライバ回路部4、陽極22、ホール輸送層23、電子輸送層兼発光層24、陰極25、光導波路コア層5、光導波路クラッド層6、遮光壁7が設けられている。図2中のxyz座標のz方向が膜の積層方向、y方向が端面発光方向であり、有機EL発光素子2が、電極層と有機化合物層との積層方向に対して直交(z方向)する端面方向(y方向)から光を放射する端面発光構造が採用されている。
【0035】
図1および図2の単結晶シリコン基板1には、画像情報に基づき複数の有機EL発光素子のスイッチングを制御するための駆動回路としてのドライバ回路部4が形成されている。このドライバ回路部4には、たとえば画像情報をシリアル/パラレル変換するシフトレジスタ回路部、データクラッチ回路部、有機EL層に流す電流のスイッチングを制御するFET(電界効果トランジスタ)回路部等が含まれている。また、必要に応じて、各素子の光量ばらつきを補正する回路部を含んでいる。
【0036】
スイッチングを制御する素子がFETの場合、FETのソースもしくはドレインには有機EL層に電流を供給するための第1の電極層が接続され、同じ単結晶シリコン基板1上に形成されている。この第1の電極層の形状が発光面形状をほぼ支配する。
【0037】
図1に示す構造の露光装置においては、第1の電極層を陽極12とし、材料としてはP型シリコンまたはP型シリコン上にITOを形成したものとした。また、図2に示す構造の露光装置においては、第1の電極層を陰極25とし、材料としてはリチウム/アルミニウム合金とした。
【0038】
この単結晶シリコン基板1もしくは結晶シリコン基板1上に形成する電極材料にかかわ事項をさらに詳細に説明する。
【0039】
複数の有機EL素子を形成するために単結晶シリコン基板1上に形成される複数の電極としては、P型シリコンやN型シリコンのようなドーピングによるものや、AlやCuのような金属のパターンによるものを、IC製造技術であるフォトリソグラフィなどによる方法で作製する。このスイッチング回路側の第1の電極は有機EL素子にとって陽極であっても陰極であってもよく、設計事項である。
【0040】
まず、図1に示すように、第1の電極を陽極12とした場合、仕事関数の大きな材料が要求される。P型シリコンを用いる方法、ITO(仕事関数約4.6eV)、金(仕事関数約5.2eV)、酸化錫[SnO2]などの材料をパターニングする方法、ポリアニリンなどの有機材料を陽極としてパターニングする方法などが可能である。また、P型シリコン、N型シリコン、AlやCuにより電極パターニングした上に、上記ITOに代表されるような仕事関数の大きな陽極材料を形成してもよい。
【0041】
陽極12の上に有機層(ホール輸送層13)を形成する前に、必要に応じて図示しないバッファ層などを設けてもよい。バッファ層として、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウムなどの仕事関数の大きい金属酸化物や、銅フタロシアニン[CuPc]、スターバースト型アミン[m−MTDATA]、ポリアニリンなどを用いることでホール輸送層への注入障壁を下げることができる。
【0042】
ITOを陽極として用いた場合、UV−オゾン処理や酸素プラズマ処理を施すことで仕事関数を5.0eV以上に上昇させることができホール輸送層への注入障壁を下げることができる。
【0043】
次に、図2に示すように、第1の電極を陰極25とした場合、仕事関数の小さい材料が要求される。N型シリコンを用いる方法や、マグネシウムと銀の合金[Mg:Ag]や、Al、Li、Mg、Caあるいはこれらの合金をパターニングする方法などが可能である。また、P型シリコン、N型シリコン、AlやCuにより電極パターニングした上に、上記マグネシウムと銀との合金に代表されるような仕事関数の小さな陰極材料を形成してもよい。
【0044】
陰極25の上に有機層(電子輸送層24)を形成する前に、必要に応じて図示しないバッファ層などを設けてもよい。LiF、MgOなどのアルカリ金属化合物や、MgF2、CaF2、SrF2、BaF2などのアルカリ土類金属化合物や、Al23などの酸化物をバッファ層として用いることで、電子注入効率や電極材料の安定性を向上できる。
【0045】
次に、陽極12(22)と陰極15(25)の2つの電極層に挟まれた有機化合物層に関して説明する。
【0046】
図1において、陽極12の上にホール輸送層13、電子輸送層兼発光層14、陰極15の順に形成されている。ホール輸送層13の材料としてはアミン系のN、N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(以下、TPDと称す)、電子輸送層兼発光層14の材料としては、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体(以下、Alq3と称す)とした。
【0047】
【化1】
Figure 0003730573
【0048】
【化2】
Figure 0003730573
【0049】
図2において、陰極25の上に電子輸送層兼発光層24、ホール輸送層23、陽極22の順に形成されている。ホール輸送層23の材料としてはアミン系のTPD、電子輸送層兼発光層24の材料としてはAlq3とした。
【0050】
上記実施の形態において、有機化合物層は低分子系材料による2層構造(シングルヘテロ構造)としたが、ホール輸送層と発光層と電子輸送層とからなる3層構造(ダブルヘテロ構造)でもよく、さらに機能分離した多層構造でもよい。高分子系材料による1層構造、多層構造でもよい。また、有機化合物材料に関しても上記材料に限定されるものではない。
【0051】
有機化合物材料に関し、さらに詳細に説明する。有機EL素子の材料に関し、まず重要なことは隣接する有機層あるいは電極とのエネルギ障壁を制御することである。電荷の注入を容易にするために、陰極15(25)の仕事関数と電子輸送層14(24)の最低空準位(LUMO)、および陰陽極12(22)の仕事関数とホール輸送層13(23)の最高被占準位(HOMO)との間のエネルギ障壁を小さくする必要がある。また図1および図2のような2層構造の場合は、電子輸送層14(24)とホール輸送層13(23)の界面において、電子がホール輸送層13(23)に入るのを防ぐために電子輸送層14(24)とホール輸送層13(23)のLUMOレベル間に高い障壁が必要となる。さらに多層構造の場合でも、これに類するエネルギ障壁を実現する構造と材料の設計が重要となる。
【0052】
また、ホールの注入量と電子の注入量をできるだけ等しくすること、耐熱性の材料を使用することなど、効率よく安定的に発光させるために重要である。このような設計事項を満足させるために、さまざまな材料が提案されている。
【0053】
たとえば、電子輸送層の材料としては、上記Alq3の他に、2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)、α―NPD、耐熱性を向上した1,3,5−トリス[5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアオール]ベンゼン(TPOB)など、ホール輸送材料としては上記TPDの他に、耐熱性を向上したスターバスト系の4,4’、4’’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)など、数多く知られている。
【0054】
【化3】
Figure 0003730573
【0055】
【化4】
Figure 0003730573
【0056】
【化5】
Figure 0003730573
【0057】
【化6】
Figure 0003730573
【0058】
【化7】
Figure 0003730573
【0059】
また、所望の発光波長を得るためにさまざまな発光材料が提案されている。感光体露光ヘッドとして用いる場合、現在主流であるフタロシアニン有機感光体の感度が高い領域から赤色から赤外域であるため、有機ELの発光波長もこの感光体の波長領域であることが望ましい。しかし、有機ELの発光波長が青色から赤色の領域であっても、感光体の材料を変えることによって対応可能である。発光材料と例として、上記Alq3の場合、緑色の発光である。赤色近辺の発光を示す材料としては、BPPC[ペリレン誘導体]、Eu(TTA)3(phen)[Eu錯体]、Nile Redなどが知られている。
【0060】
【化8】
Figure 0003730573
【0061】
【化9】
Figure 0003730573
【0062】
【化10】
Figure 0003730573
【0063】
その他、大幅な発光効率の改善が期待できるものとして、三重光状態からの燐光を利用するものがあり、材料としては赤色のtOEP[白金ポフィリン錯体]、緑色のIr(ppy)3[イリジウム錯体]などが知られている。
【0064】
【化11】
Figure 0003730573
【0065】
【化12】
Figure 0003730573
【0066】
次に、有機化合物層の上層に形成される第2の電極層について説明する。この電極材料に関しても、前述の第1の電極材料と同様の考え方で材料が決定される。
【0067】
第2の電極層は、図1の場合陰極15で、図2の場合陽極22である。
図1および図2において、陰極15はAlやZnOなどの薄膜、陽極22はITO薄膜などで構成される。この第2の電極層は、その上層に形成される光導波層3に光を導くために、光透過性がよいことが要求される。電極としての導電性が高いことと光透過性が高いという2つの特性も満足する材料としては、ワイドギャップ半導体薄膜が一般的である。具体的にはITO、酸化亜鉛、酸化錫などがある。
【0068】
ITOは一般的にスパッタ法により成膜されるが、このスパッタ法では基板に数十eVの高いエネルギを持った原子が入射するため、下地への照射損失を引起すことがある。上述のように有機層上に第2の電極層としてITOを成膜する場合、たとえば保護層として4nmのペリレンテトラカルボン酸に無水物(PTCDA)を蒸着した上でITOをスパッタすれば有機層の損傷を回避できる。
【0069】
次に、シリコン基板に関し詳細に説明する。たとえばプロセス速度Vを120[mm/s]、プロセス方向の解像度R1を1200[dpi]とすると、1ライン分露光するのに費やする時間S1は、下式より最大176μsecとなる。
【0070】
S1=25.4/R1/V
上記プロセス方向と直交するライン方向の解像度R2を1200[dpi]とすると、A3用紙短辺長さが298mmであることより、1ドットのデータを転送等に費やする時間S2は、下式より12.5nsecとなる。
【0071】
S2=S1/(R2×298/25.4)
単結晶シリコン基板1上の回路部には、たとえば、画像情報をシリアル/パラレル変換するシフトレジスタ回路部やデータラッチ回路部、有機EL層に流す電流のスイッチングを制御するFET(電界効果トランジスタ)回路部などが含まれている。回路基板材料が単結晶シリコンの場合、上記時間内でのデータ処理は当然可能であるが、多結晶シリコン基板を用いた場合でも、希望される回路規模や基板サイズなどの設計上の制約条件次第で使用可能である。
【0072】
次に、光導波路に関し、詳細に説明する。有機EL素子に用いられる有機化合物は、本来絶縁材料であることが多く、そのため薄膜化積層が必須要件となっている。したがって、2つの電極層(たとえば、陽極12および陰極15)に挟まれた有機化合物層の膜厚は、数十〜数百nmであることが一般的である。すると有機化合物層の膜厚が発光する光の波長より短くなるため、光を損失なく有機化合物層に閉じ込め、光を端面まで導くことは困難となる。
【0073】
すなわち有機化合物層の外側にある電極層の電子による光エネルギの吸収や、電極層を透過した光のロスにより、端面まで導波した光の強度が減衰してしまうものである。そこで有機化合物層の膜厚が発光する光の波長より短い場合に、薄膜電極の外に染み出す光を積極的に利用するために光導波層3を設ける。たとえば、有機化合物層の膜厚は、有機化合物層の発光中心波長より薄く、電極層を挟んで有機化合物層とは反対側に、発光中心波長より厚い膜厚の光導波層を設ける。なお、発光中心波長とは、光強度の最も強い波長のことを意味する。
【0074】
また、光導波層3は、有機EL発光素子に接する屈折率がn1の第1の透明層と、この第1の透明層の有機EL発光素子に接していない部分に接する屈折率がn2の第2の透明層とを有し、第1の透明層の屈折率n1と第2の透明層の屈折率n2とが、n1>n2の関係を満足していることが好ましい。このように発光層とは別に外側に光導波層を構成することで、損失の多い有機層内部だけで光を導波させず、薄膜電極の外側に光を出し、光導波層で受けて効率よく端面まで伝播させることができる。すなわち、光の利用効率を向上する効果が得られる。さらに、電極層を挟んで、第1の透明層と反対側の有機化合物層の屈折率n3は、第1の透明層の屈折率n1よりも小さいことが好ましい。これにより光導波層を伝播する光が発光層に戻る割合を低減でき、光の利用効率を向上することができる。
【0075】
たとえば、図1および図2において、陰極15もしくは陽極22からしみ出した光を受ける光導波路コア層5、この光導波路コア層5の光を所望の角度で全反射させ端面に導くための光導波路クラッド層6、およびクロストークを防止するための遮光壁7とから光導波層3は構成されている。
【0076】
光導波路構造とするために、コア層の屈折率はクラッド層の屈曲率より大きく設定される。コア層およびクラッド層は、PMMA[ポリメタクリル酸メチル]、PS[ポリスチレン]のような有機材料でもSiO2のような無機材料でもよいが、複数有機EL発光部に対応してパターニングされている。
【0077】
ここで、光導波層に上記有機材料を使用する場合は、下地の有機EL層が有機溶媒で侵食されないような製造上の配慮が必要である。また、光導波層にSiO2のような無機材料を用いる場合、真空蒸着等の高エネルギ・高温の成膜方法が一般的であるが、下地の有機EL層が成膜時の熱で変質・破壊されないような製造上の配慮が必要である。
【0078】
この光導波路の層厚は、光伝播効率を高くするために発光波長より充分大きい必要があり、数ミクロンの厚みで形成する。遮光壁7は、発光波長に対して透過性のない材料を、最後に成膜する。これら光導波路や遮光壁7は有機ELを大気中水分などによる劣化から保護する保護膜の役割も兼ね備え、素子の長寿命化のためにも非常に有効な構造である。
【0079】
図1および図2に示す光導波路は、コア層屈折率がクラッド層の屈折率より大きく設定されており、3次元光導波路に類する構造であるが、電極面(図1の場合には陰極15)と接する面だけ光導波路クラッド層6が層構造となっている。
【0080】
これは有機EL部で生成した光を光導波路に効率よく導くことと、製造上の容易さの理由からである。一旦、光導波路コア層に入った光が再度有機EL層に戻り光量ロスとならないために、電極層と接する面にクラッド層を設けてもよいが、有機EL層の屈折率を利用する方法が効果的である。すなわち、電極層を挟んで光導波路コア層と反対側に接する有機EL層の屈折率をコア層の屈折率より小さく設定することである。これにより、有機EL層をある程度クラッド層とみなすことができ、全反射を利用した光の導波効率を向上できる。
【0081】
このように光導波路を設け、端面から光を取出すような構造とした場合、端面から奥行き方向(−y方向)に離れた位置で発光した光も効率よく取出すことができる。したがって、有機ELの発光面を奥行き方向に長い短冊状の形状にすることによって、前述の光量不足の課題を克服することができる。
【0082】
すなわち、有機ELの発光部面積を大きくして端面から取出す光量を増大させても、発光端面の形状に変化はなく、横倍率1の光学系の課題を解決できるのである。なお、有機ELの発光部面積とは、図1の場合、陽極12のXY面での面積を示し、具体的には、X軸方向で陽極12の幅と、Y軸方向でホール輸送層13の奥行きとにより囲まれる面積をいう。端面に並ぶ発光素子の周期は、解像度により制約される。たとえば、1列に配列し、解像度が600dpiの場合、周期dは42.3μmとなる。同様に1200dpiの解像度の場合は、21.2μmとなる。面発光の場合の発光面積の限界値は、上記横倍率の制約からSはd2に略等しくなるが、端面発光の場合、発光部面積Sを増大させるために、奥行き方向(−y方向)に長い短冊状の発光面とできる。すなわち、端面に並ぶ発光素子の周期は、解像度により制約される距離のままで、S>d2という条件で発光部を構成でき、光量不足の課題を克服できるものである。
【0083】
たとえば、一般的な有機感光体の感度Eを0.5[μJ/cm2]、プロセス速度Vを120[mm/s]、解像度Rを600[dpi]、光学系の光の利用効率Oを10%と仮定すると、S=d2の面発光素子1個の必要なエネルギは次式で概算される。
【0084】
W=E÷(25.4÷R÷V)÷O
上記600dpiの仮定値を代入すると、SI単位で表現するとW=140[W/m2]となる。
【0085】
また、解像度を1200dpiとすると、発光素子1個の必要なエネルギはW=280[W/m2]となる。
【0086】
ここで、図6は印加電圧と面発光強度との関係を測定した結果である。試作測定した有機EL素子は、陽極にITO、陰陽極側にバッファ層にCuPc(銅フタロシアニン)、ホール輸送層にα−NPD、電子輸送層にAlq3、陰極側バッファ層にLiF、陰極にAlを用いた構成とした。印加電圧の上昇とともに素子の電流密度と発光強度が指数関数的に増加する特性がある。印加電圧が22.2Vに達したとき、最大発光強度175[W/m2]となり、素子は破損した。
【0087】
有機EL素子の寿命は、発光強度の1乗から2乗に反比例して小さくなることが別の実験で既にわかっており、プリンタ用露光デバイスで使用する場合、素子寿命を満足するには上記のような破壊に至る発光強度の1/10以下の発光強度で使用することが望ましい。このことからも、発光素子としては面発光換算で、数十[W/m2]以下の光量密度が望ましく、面発光タイプでは困難であることがわかる。発光面を断続状にし、上述のような光導波路を具備した端面発光構造とすることで、光量不足の課題を克服できた。
【0088】
有機EL素子を長寿命化する手段として、放熱構造が重要である。有機ELに用いられる有機化合物として、たとえば、電子輸送材料であるAlq3のガラス転移温度は175℃と比較的高いが、ホール輸送材料であるTPDは約60℃と低く、耐熱性が問題であった。素子が高温になると、材料自体の変質や非結晶性が損なわれることによる発光強度の低下が発生してしまう。材料側からのさまざまな改善が試みられ、新規材料が提案されているが、放熱構造も重要である。図1および図2に示すように、熱伝導率のよい単結晶シリコン基板1上にまず有機EL部を形成することで、シリコン基板からの効率よい放熱が可能となり、素子を長寿命化できる。
【0089】
(実施の形態2)
次に、図3を参照して、実施の形態2における露光装置について説明する。図1および図2に示す構造において、光導波層3を伝播する光量が、有機EL発光素子2を伝播する光量より十分大きく、有機EL発光素子2における光のクロストークが微小であることが前提条件である。ところが、屈折率等の材料的な制約、膜厚等の構造的制約等により、有機EL発光素子2を伝播する光量は比較的大きくなってしまう場合がある。この場合、有機EL発光素子2における光のクロストークが問題となる。すなわち非発光の素子に隣接した素子から発光された光が、非発光部に伝播し、非発光部の端面から光を放出してしまうものである。露光ヘッドにおいてこのクロストークが発生すると、本来非画像部である場所に画像が形成されてしまい、大きな画像劣化となる。
【0090】
このような課題を解決するために、本実施の形態における露光装置においては、図3に示すように、隣接する有機EL発光素子2の間にも遮光壁16を設けた構造とする。有機EL発光素子2をパターニングする工程が増えるが、クロストークを防止する効果がある。図3において、単結晶シリコン基板1上にまず陽極12を形成した例を示したが、これまでの議論からまず陰極を形成しても問題はない。また有機EL発光素子の有機化合物層は、図3に示した2層タイプに限定されるものでなく、また、ホール輸送層が発光層を兼ね備えていてもよく、さらに、基板も単結晶シリコン基板および多結晶シリコン基板が可能である。基板を単結晶シリコンまたは多結晶シリコンとした場合、同基板には、有機ELを駆動するための回路の少なくとも一部を含むことができる。
【0091】
(実施の形態3)
次に、図4を参照して、実施の形態3における露光装置について説明する。光導波層3がなくても有機EL発光素子2における光伝播効率を向上できるものが図4に示す実施の形態における露光装置の構造である。
【0092】
有機化合物層は、屈折率がn4の発光層と、この発光層を挟み込み、電子輸送材料とホール輸送材料とを混合し、屈折率がn5の挟み込み層との3層構造を有し、発光層の屈折率n4と挟み込み層の屈折率n5とは、n4>n5の関係を満足し、隣接する各前記有機EL発光素子の間に、光を透過しない光吸収性の遮光壁が設けられる。
【0093】
たとえば、図4に示すように、有機EL発光素子2を3層構造とする。この場合、有機EL発光素子2が光導波路の機能を備えるため、発光層46が屈折率の高いコア層、電子輸送層44とホール輸送層43は屈折率の低いクラッド層となる。Alq3のような発光層46をコア層とし、上下のクラッド層は電子輸送材料とホール輸送材料をともに蒸着し、屈折率を対称構造とした対称型導波路とすることが光の取出し効率を大きくするための必須要件となる。
【0094】
たとえば、Alq3を挟む上下の層にTPDとOXD(オキサジアゾール誘導体)をともに蒸着することで屈折率を同じにし、電子輸送とホール輸送の両方の機能を満足させるものである。さらにクロストークを防止するため、隣接する有機EL発光素子2の間に遮光壁16を設けた構造とすることで、露光ヘッドとしての機能を満足させることが可能となる。また、有機化学物層自体を対称型導波路構造とすることで、発光波長よりも薄い薄膜であっても外部導波路に頼らず効率よく光を導波することが可能になる。
【0095】
(実施の形態4)
次に、図5に基づいて、実施の形態4における露光装置について説明する。単結晶シリコン基板1上にまず溝加工を施し、光導波路コア層5と光導波路クラッド層6とを成膜する。次に、陽極52をパターニングし、ホール輸送層53、電子輸送層兼発光層54の順に成膜し、最後に陰極55を成膜する。このような構成の場合、溝を利用することで、光導波路部などのパターニングは容易になる。
【0096】
このように、シリコン基板上に、まず、光導波層を形成する構成では、光導波層や下部電極層の成膜に、上述したスパッタ法のような高エネルギの成膜プロセスを使用した場合でも、下地が熱衝撃に強いシリコン基板であるため、損傷のおそれがない。したがって、光導波路部をSiO2などの無機材料で構成することが製造上容易になる。さらにITOのような陽極に代表される下部電極層の成膜時も、下地が熱衝撃に強いSiO2やシリコンであるため、製造が容易となる。このようにシリコン基板上にまず光導波路部を形成し、その上に有機EL発光素子を形成する場合、熱衝撃に代表されるような成膜時の制約条件が、緩和され、製造が容易になる効果がある。またシリコン基板自体が遮光壁の機能を兼ね備えることができるため、より簡易な構造が可能となる。さらに、光導波層を有機材料で構成する場合も、下地が無機材料であるため、有機溶剤に侵食されにくく、ウエット法等の成膜方法が可能となり、成膜の制約条件が緩和される効果が生じる。
【0097】
シリコンは赤外に光透過性があるので、発光波長に赤外線を多く含み、感光体に赤外域の感度がある場合は注意を要する。この場合は、単結晶シリコン基板1と光導波路クラッド層5の間に赤外域の光吸収性遮光膜を成膜しておくことにより、クロストークの問題が解決される。
【0098】
図5において、光導波路上部にまず陽極52を形成した例を示したが、これまでの議論からまず陰極を形成しても問題はない。また、有機EL発光素子の有機化合物層は、図5に示した2層タイプに限定されるものではなく、また、ホール輸送層が発光層を兼ね備えていてもよく、さらに、基板も単結晶シリコン基板および多結晶シリコン基板が可能である。基板を単結晶シリコンまたは多結晶シリコンとした場合、同基板には、有機ELを駆動するための回路の少なくとも一部を含むことができる。
【0099】
(実施の形態5)
次に、図7に基づいて、実施の形態5における露光装置について説明する。
【0100】
図7は本発明に基づく露光装置の一例を示す概略構成図である。解像度600dpiの場合、1024個の有機EL発光素子とドライバ回路とをシリコン基板上に形成したものを1個のシリコンチップ72とすると、7個のチップが基板71上に1列に配列された構成となる。解像度1200dpiの場合、同様に1024個の有機EL発光素子とドライバ回路とをシリコン基板上に形成したものを1個のシリコンチップとすると、14個のチップが基板上に1列に配列された構成となる。また有機EL発光素子の端面から発光された光を結像するためのロッドレンズアレイ73がシリコンチップに並列して形成されている。この露光装置によりA3短辺幅(約300mm)の露光を可能とでき、A3用紙までのプリンタ・複写機を実現できる。よって、上記各実施の形態における露光装置と、この露光装置により露光される感光体とを備えることにより、画像形成装置を構成することが可能になる。
【0101】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0102】
【発明の効果】
以上この発明に基づいた露光装置および画像形成装置においては、有機EL発光素子により端面発光構造とすることで、露光装置(露光ヘッド)としての光量不足をはじめとするさまざまな課題を解決し、小型・低コストの露光装置および画像形成装置(露光デバイス)を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づいた実施の形態1における露光装置の構造を模式的に示す第1断面図である。
【図2】 本発明に基づいた実施の形態1における露光装置の構造を模式的に示す第2断面図である。
【図3】 本発明に基づいた実施の形態2における露光装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図4】 本発明に基づいた実施の形態3における露光装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図5】 本発明に基づいた実施の形態4における露光装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図6】 面発光タイプの有機ELの駆動電圧と発光強度との相関を示す説明図である。
【図7】 本発明に基づいた実施の形態5における露光装置の構造を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 単結晶シリコン基板、3 光導波層、4 ドライバ回路部、5 光導波路コア層、6 光導波路クラッド層、7,16 遮光壁、12,22 陽極、13,23,43,53 ホール輸送層、14,24,44,54 電子輸送層兼発光層、15,25,55 陰極、22,52 陽極、46 発光層、71 基板、72 シリコンチップ、73 ロッドレンズアレイ。

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられ、有機EL発光素子を複数個直線状に配列した発光素子アレイと、
    前記基板上に設けられ、前記有機EL発光素子をスイッチングする素子を含む駆動回路と、を備え、
    前記有機EL発光素子は、電極層と有機化合物層との積層方向に対して直交する端面方向から光を放射する端面発光構造を有し、
    前記積層方向から見た発光素子1つの発光部面積(S)と隣接する発光素子の周期(d)とが、S>d2の関係を満足し
    前記有機化合物層の膜厚は、発光中心波長より薄く、
    前記電極層を挟んで前記有機化合物層とは反対側に、前記発光中心波長より厚い膜厚の光導波層を有し、
    前記光導波層は、前記有機EL発光素子に接する屈折率がn1の第1の透明層と、前記第1の透明層の前記有機EL発光素子に接していない部分に接する屈折率がn2の第2の透明層とを有し、
    前記第1の透明層の屈折率n1と前記第2の透明層の屈折率n2とが、n1>n2の関係を満足し、
    前記電極層を挟んで、前記第1の透明層と反対側の前記有機化合物層の屈折率n3は、前記第1の透明層の屈折率n1よりも小さい、露光装置。
  2. 各前記有機EL発光素子に対応する前記光導波層の間に、光吸収性の遮光壁を有する、請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記基板の上に前記第1の電極層が設けられ、前記第1の電極層の上に前記有機化合物層が設けられ、前記有機化合物層の上に前記第2の電極層が設けられることにより、前記有機EL発光素子が構成され、
    前記第2の電極層は、光透過性の電極材料からなり、
    前記第2の電極層に前記光導波層が設けられる、請求項に記載の露光装置。
  4. 前記光導波層は、前記基板の上に設けられる屈折率がn2の第2の透明層と、前記第2の透明層に略囲まれた屈折率がn1の第1の透明層とを有し、
    前記光導波層の上に前記第1の電極層が設けられ、前記第1の電極層の上に前記有機化合物層が設けられ、前記有機化合物層の上に前記第2の電極層が設けられることにより、前記有機EL発光素子が構成される、請求項に記載の露光装置。
  5. 前記基板に溝が設けられ、
    前記溝の内部に前記第2の透明層および前記第1の透明層が設けられる、請求項に記載の露光装置。
  6. 前記溝の内壁面と前記第2の透明層との間に、光吸収性の遮光膜がさらに設けられる、請求項に記載の露光装置。
  7. 隣接する各前記有機EL発光素子の間に、光を透過しない光吸収性の遮光壁を有する、請求項に記載の露光装置。
  8. 前記有機化合物層は、
    屈折率がn4の発光層と、前記発光層を挟み込み、電子輸送材料とホール輸送材料とを混合し、屈折率がn5の挟み込み層との3層構造を有し、
    前記発光層の屈折率n4と前記挟み込み層の屈折率n5とは、n4>n5の関係を満足し、
    隣接する各前記有機EL発光素子の間に、光を透過しない光吸収性の遮光壁を有する、請求項に記載の露光装置。
  9. 前記基板は、単結晶シリコン基板または多結晶シリコン基板である、請求項1から8のいずれかに記載の露光装置。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の露光装置と、
    前記露光装置により露光される感光体と、
    を備える、画像形成装置。
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