JP3730309B2 - 無機質板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は主として外壁材に使用される無機質板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からこの種の無機質板はセメントと骨材とを主体とする原料混合物を用いて押出し法、注型法、プレス成形法等によって製造されているが、表面に凹凸模様を付した無機質板を効率良く製造する方法としては注型法が推奨される。該注型法は上記原料混合物を水と混練した混練物を基型と上型との間に流し込み硬化せしめる方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
無機質板の靱性を高めて強度を向上させるためには、上記原料混合物中に補強材として繊維を添加することが望ましい。しかし注型法にあっては、混練物中に繊維を混合すると混練物の流拡性が低下し、その結果該混練物の型面への付回り性が低下し、表面に深い凹凸模様を有する無機質板が得られないと言う問題点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、セメントと骨材とを主体とする混合物の硬化物中に、軟化温度30℃以上の非水溶性合成樹脂バインダーによって結着されているチョップドストランドが0.5〜3重量%の量で分散しており、注型法によって製造されている無機質板であって、該無機質板表面には凹凸模様が付されており、該チョップドストランドの長さは5〜20mmの範囲であり、かつ該無機質板の最小厚みaの0.3aから1.5aの範囲である無機質板を提供するものである。
該無機質板を製造するにはセメントと骨材とチョップドストランドと水との混練物Mを表面に凹凸陰模様を付した基型(1) と上型(2) との間に流し込み硬化せしめる注型法が適用される。そして該混練物Mのフロー値は200〜300の間に調節されていることが望ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に詳細に説明する。
〔セメント〕
本発明に使用されるセメントは例えばばポルトランドセメント、白色セメント、ジェットセメント、高炉スラグセメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント等の一種または二種以上の混合物である。
【0006】
〔骨材〕
本発明に使用される骨材としては例えば川砂、ケイ砂、ケイ石粉、パーライト、シラスバルーン、高炉スラグ、膨張頁岩、膨張粘土、焼成ケイ藻土、石膏粉、フライアッシュ、石炭ガラ、汚泥焼却灰等の一種または二種以上の混合物である。
【0007】
〔繊維補強材〕
本発明においては、繊維補強材としてチョップドストランドが使用される。該チョップドストランドを構成する繊維としては例えばポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、アセテート繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維やガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ロックウール等の無機繊維等の一種または二種以上の混合物が使用され、望ましい繊維としては例えばポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、耐アルカリガラス繊維等の耐アルカリ性繊維がある。該チョップドストランドはバインダーとして軟化温度30℃以上、望ましくは40℃以上、更に望ましくは50℃以上の非水溶性合成樹脂を使用したものである。このような合成樹脂としては例えば軟化温度30℃以上の酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂等がある。上記合成樹脂バインダーによって結着されたチョップドストランドは剛性があり、また耐水性を有し水と接触してもほぐれにくい。該チョップドストランドの平均長さLは5〜20mmとされ、この範囲で製造される無機質板の最小厚みaの0.3aから1.5aの範囲の長さLのものが選択される。L<0.3aの場合はチョップドストランドの無機質板に対する補強効果は期待出来ず、L>1.5aの場合は原料の混練物を型に流し込んだ場合、型面の凹凸にチョップドストランドが引掛り易くなり、チョップドストランドが均一に分散した無機質板を製造することが困難となる。
【0008】
〔調合〕
上記セメントと骨材とは通常重量比で30:70〜50:50の比率で混合され、上記チョップドストランドは原料混合物中に0.5〜3重量%の範囲で混合されることが望ましい。該チョップドストランドの添加量が0.5重量%未満の時には該チョップドストランドによる無機質板補強効果が期待出来ず、また3重量%を越えると混練物のフロー値を所定の範囲に調節する
ことが困難となる。
該混合物には水を添加して混練するが、該混練物の水分含有量は通常15〜23重量%とし、該混練物のフロー値は200〜300とする。該フロー値はJIS−R5201記載の方法に準じて測定する。該フロー値が200未満では流拡性が低下して深い凹凸模様を有する無機質板が得られにくゝなり、300を越えると骨材が沈降分離するおそれがある。該フロー値の調整は使用する骨材およびセメントの種類によって異なるが、通常0.1〜2重量%の減水剤や流動化剤を添加して行なう。該減水剤や流動化剤としては例えばメラミンスルフォン酸系、リグニンスルフォン酸系、ポリカルボン酸系、ポリアルキルアリルスルフォン酸系、ナフタリンスルフォン酸系等のものがある。
上記したように本発明のチョップドストランドは剛性がありかつ耐水性を有するので、上記混練物中の攪拌力や水との接触によってもほぐれにくい。しかし該チョップドストランドのほぐれを確実に防止するためには混練中の攪拌を穏やかに行なうことが望ましい。
【0009】
〔成形〕
本発明の無機質板は注型法によって製造される。注型法にあっては型面に凹凸陰模様を付した基型と上型との間に上記混練物を流し込み、通常16〜24時間放置して硬化させ、硬化物を脱型して通常常温で14〜28日間放置して自然養生するか、あるいは50〜80℃に加熱した状態で6〜12時間放置した後1〜2週間自然養生して無機質板製品とする。
上記注型法の場合、基型と上型との間に混練物を流し込む場合は、基型と上型とを予めセットしてその間に混練物を流し込む方法または基型に混練物を流し込んでから上型を押付ける方法がある。前者は主として90°〜150°に屈曲した隅角用外壁材の製造に適用され、後者は主として平板状の外壁材の製造に適用される。上記注型法において、基型と上型との間に混練物を流し込む際、基型および上型に骨材が分離しない程度に15〜25秒間振動を与えてもよい。
【0010】
〔実施例および比較例〕
ポルトランドセメントと川砂との40:60重量比の混合物に、繊維補強材として表1に示す添加量でポリプロピレン繊維を軟化温度80℃の酢酸ビニル樹脂によって結着したチョップドストランド(平均長さL13mm)および水を添加混練し、水分含有量19重量%の混練物を調製した。各混練物のフロー値は表1に示される。
【0011】
図1に示すように型面に凹凸陰模様が付された基型(1) と上型(2) とを予めセットしておき、その間に上記混練物Mを流し込み、約20秒振動を与えた後常温で20時間放置して硬化せしめ、得られた硬化物を脱型して常温で14日間放置して自然養生を行なった。このようにして図2に示すような隅角用外壁材CSが得られた。該外壁材CSの最小厚みaは9mmであり、チョップドストランドの平均長さLと外壁材CSの最小厚みaとの比率L/aは1.44であった。
このようにして製造された各外壁材CS(本発明試料No.1〜4)の外観、曲げ試験の測定結果および総合評価は表1にまとめられる。
【0012】
更に比較試料としてチョップドストランドを添加しない外壁材(比較試料1)、チョップドストランドを3重量%を越える量で添加した外壁材(比較試料2)および水溶性合成樹脂をバインダーとして使用した耐アルカリガラス繊維チョップドストランドを0.5重量%添加した外壁材(比較試料3)、軟化温度25℃のアクリル樹脂をバインダーとして使用したポリプロピレン繊維のチョップドストランドを0.5重量%添加した外壁材(比較試料4)を同様に製造して同様な性能評価を行なった。その結果も表1に示される。
【0013】
【表1】
【0014】
表1をみれば、チョップドストランドの添加量が0.5〜3重量%の範囲にある本発明試料1〜4はチョップドストランドがほぐれることなく分散しており、外観良好でかつ充分な強度を有し撓み量も大きいが、該チョップドストランドが添加されていない比較試料1では強度が充分でなく荷重負荷時の撓み量も小さい。また該チョップドストランドが3重量%を越える量で含まれる比較試料2では混練物のフロー値が200未満となり、型面への付回り性が悪く表面に巣孔が発生する。また水溶性合成樹脂をバインダーとして使用したチョップドストランドが添加された比較試料3は混練中に該チョップドストランドが殆ど繊維にまでほぐされ、その結果繊維相互の絡み合いが生じ混練物は流し込み不能となる。更に軟化温度が30℃以下の合成樹脂をバインダーとして使用したチョップドストランドが添加されている比較試料4では、該チョップドストランドの剛性が不足し、その結果該チョップドストランドのほぐれ絡み合いが生じ、フロー値が低くなって型面への付回り性が悪くなり、また製品表面に巣孔が発生しかつチョップドストランドからほぐれた繊維が絡み合ってファイバーボールが形成される結果強度も低下する。
【0015】
図3〜図5には他の実施例が示される。本発明試料3の混練物Mは図3に示すように基型(11)の型面上に流し込まれ、次いで図4に示すようにその上から上型(12)が押圧される。該上型(12)による押圧によって該混練物Mは円滑に流拡して該基型(11)の型面の凹凸陰模様に良好に付回る。この場合骨材が分離しない程度に押圧時に振動をかけると該混練物Mが一層型面の凹凸陰模様になじむようになる。
この状態で常温で1日間放置して混練物Mを硬化せしめ、硬化物を脱型して常温で14日間放置して自然養生することによって図5に示すような外観良好かつ充分な強度を有する平板状外壁材Sが製造される。該外壁材Sの裏面には軽量化と材料節減のための凹部Dが形成されており、凹部Dにおける最小厚みaは10mmであってしたがってL/aは1.3であった。
【0016】
【発明の効果】
本発明では繊維補強材として軟化温度が30℃以上の非水溶性合成樹脂をバインダーとして使用し、したがって剛性が高く絡み合い性の低く、かつ混練中にもほぐれにくいチョップドストランドであって、長さ5〜20mmのものを使用するから、原料混練物の流拡性が良好になり、したがって優れた注型成形性が得られ、優れた外観の凹凸模様付表面を有しかつチョップドストランドが均一に分散した高強度の無機質板を製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
図1および図2は実施例および比較例の説明図である。
【図1】 成形状態説明図
【図2】 隅角用外壁材斜視図
図3〜図5は他の実施例に関するものである。
【図3】 成形前説明図
【図4】 成形状態説明図
【図5】 外壁材斜視図
【符号の説明】
1,11 基型
2,12 上型
M 混練物
CS 隅角用外壁材
S 外壁材
Claims (3)
- セメントと骨材とを主体とする混合物の硬化物中に、軟化温度30℃以上の非水溶性合成樹脂バインダーによって結着されているチョップドストランドが0.5〜3重量%の量で分散しており、注型法によって製造されている無機質板であって、該無機質板表面には凹凸模様が付されており、該チョップドストランドの長さは5〜20mmの範囲であり、かつ該無機質板の最小厚みaの0.3aから1.5aの範囲であることを特徴とする無機質板
- セメントと骨材とチョップドストランドと水との混練物を表面に凹凸陰模様を付した基型と上型との間に流し込み硬化せしめることを特徴とする請求項1に記載されている無機質板の製造方法
- 該混練物のフロー値は200〜300の間に調節されている請求項2に記載の無機質板の製造方法
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JP9912496A JP3730309B2 (ja) | 1996-03-27 | 1996-03-27 | 無機質板およびその製造方法 |
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JPH09263437A JPH09263437A (ja) | 1997-10-07 |
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