JP3729657B2 - 一次被覆層の再溶融処理方法及び装置 - Google Patents

一次被覆層の再溶融処理方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3729657B2
JP3729657B2 JP26292698A JP26292698A JP3729657B2 JP 3729657 B2 JP3729657 B2 JP 3729657B2 JP 26292698 A JP26292698 A JP 26292698A JP 26292698 A JP26292698 A JP 26292698A JP 3729657 B2 JP3729657 B2 JP 3729657B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating layer
ring material
primary coating
peripheral surface
inductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26292698A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000087211A (ja
Inventor
康男 渡辺
義信 曽地
文明 多田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Ichi High Frequency Co Ltd filed Critical Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Priority to JP26292698A priority Critical patent/JP3729657B2/ja
Publication of JP2000087211A publication Critical patent/JP2000087211A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3729657B2 publication Critical patent/JP3729657B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空の円筒状の部材(以下リング材という)の外周面又は内周面に、耐摩耗性、耐熱性、耐食性等を付与するために溶射法等で形成した金属被覆層を緻密化するための高周波誘導加熱による再溶融処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属管或いは金属ローラ等の外周面に、物性を向上させるために、溶射等によって金属被覆層を形成することが行われている。また、溶射等によって金属被覆層を形成した後、その金属被覆層(一次被覆層)を誘導加熱して溶融させ、その一次被覆層に存在していた気孔及び酸化物を除去し、緻密な二次被覆層にする再溶融処理を施すことも知られている。通常、金属管或いは金属ローラの外周面に形成した一次被覆層に高周波誘導加熱による再溶融処理を施すには、金属管或いは金属ローラの軸線方向の小区間を取り囲む環状の誘導コイルを用い、その誘導コイルで一次被覆層を環状に加熱、溶融させると共にその誘導コイルを金属管或いは金属ローラの軸線方向に相対的に移動させ、一次被覆層の全長に再溶融処理を施していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
最近、直径が1〜3mに及ぶ大径のリング材の外周面或いは内周面の物性向上のために、緻密な組織を持った金属被覆層を形成するという要求が生じた。そこで、本発明者等は、従来の金属管や金属ローラに対する場合と同様に、リング材の外周面に金属材料の一次被覆層を溶射法等を用いて形成し、次いで、その一次被覆層に高周波誘導加熱による再溶融処理を施して一次被覆層に存在していた気孔及び酸化物を除去し、緻密な二次被覆層とすることを考えた。
【0004】
ところが、大径のリング材の外周面に形成した一次被覆層を取り囲む構成の誘導コイルは、きわめて大型となるので、再溶融処理装置全体がきわめて大型化し、設備費が大きくなるという問題を生じた。また、リング材の内周面に形成した一次被覆層の再溶融処理の場合にも同様の問題を生じる。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、大径のリング材の外周面或いは内周面に形成した一次被覆層に対して、小型の誘導子を用いて効率良く高周波誘導加熱を施して再溶融処理を行うことを可能とした一次被覆層の再溶融処理方法並びに、その方法に使用する再溶融処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リング材外周面又は内周面に形成した一次被覆層を高周波誘導加熱して再溶融処理するために、前記リング材を複数の支持ローラに、前記リング材の熱膨張に伴う外径の拡大を許容する形で且つ定位置で回転するように支持させ、そのリング材に形成している前記一次被覆層の一部領域に対向して、高周波電流の通電により前記一次被覆層の周方向の一部領域を誘導加熱する誘導子を配置し、該誘導子に高周波電流を通電すると共に前記リング材を回転させるという構成としたものである。ここで、リング材を、リング材の熱膨張に伴う外径の拡大を許容する形で支持したのは、リング材の外周面が外径の拡大を妨げる形で拘束されているとリング材が熱膨張した際に局部的な異常変形を生じるので、それを避けるためであり、リング材を熱膨張に伴う外径の拡大を許容する形で支持する形態は、リング材の外周面が全く拘束されていない場合のみならず、リング材の外周面の1箇所若しくは複数箇所が移動しないように拘束されていてもリング材が全体として拡径可能な場合を含むものである。
【0007】
本発明は、この構成により、誘導子が前記一次被覆層の周方向の一部領域を誘導加熱して溶融させ、リング材の回転によってその溶融部分が前記一次被覆層に沿って全周に亘って移動し、一次被覆層に存在していた気孔及び酸化物を除去し、緻密な二次被覆層にすることができる。ここで使用する誘導子は、リング材外周面又は内周面の一次被覆層の、周方向の一部領域のみを誘導加熱しうるものであれば良いので、リング材の外径に関係なく小型のものとすることができる。また、この誘導子はリング材を局部的に加熱するため、リング材の加熱された部分には熱膨張による伸びが生じるが、リング材は、熱膨張に伴う外径の拡大を許容する形で支持されているため比較的自由に伸びることができ、拘束による異常変形が生じるということがなく、大径のリング材に対しても小さい誘導子を用いて良好に一次被覆層の再溶融処理を施すことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、リング材の外周面又は内周面に溶射法等を用いて形成した金属材料の一次被覆層に対して高周波誘導加熱を施して再溶融処理を行う方法であって、前記リング材を複数の支持ローラに、前記リング材の熱膨張に伴う外径の拡大を許容する形で且つ定位置で 回転するように支持させ、そのリング材に形成している前記一次被覆層の一部領域に対向して、高周波電流の通電により前記一次被覆層の周方向の一部領域を誘導加熱する誘導子を配置し、該誘導子に高周波電流を通電すると共に前記リング材を回転させることにより、前記一次被覆層の周方向の一部領域を誘導加熱して溶融させると共にその誘導加熱されて溶融する部分を前記一次被覆層の周方向に相対的に移動させ、前記一次被覆層の全周に亘って、該一次被覆層を溶融し、該一次被覆層に存在していた気孔及び酸化物を除去し、緻密な二次被覆層にすることを特徴とする、一次被覆層の再溶融処理方法である。以下詳細に説明する。
【0009】
本発明において、再溶融処理の対象とするリング材の形状は特に限定されるものではなく、全体が中空円筒状のものであれば任意である。例えば、図6(a)に示すリング材1のように、段差の無い内周面と外周面を備えた単純な形状のものに限らず、図6(b)に示すリング材2のように、内周面に段差を有するものでも、図6(c)に示すリング材3のように外周面に段差を有するものでも、図6(d)に示すリング材4のように外周面に金属被覆層形成用の浅い溝を形成したものでも、更には、上記(a)〜(d)における内外周面の仕様を逆にした形状のものでもよく、また、これらを適当に組み合わせたものでもよい。リング材の寸法も特に限定されるものではないが、径の大きいもの、例えば外径が1〜3mといった大径のものが、本発明適用の効果が特に大きい。また、リング材の材質も限定されるものではないが、具体例としては、炭素鋼、低合金鋼、ステンレス鋼、鋳鋼、鋳鉄、Ni基合金、Cu基合金等を挙げることができる。
【0010】
リング材に形成する一次被覆層の形成位置は、通常は外周面であり、図6(a)、(b)に示すように、リング材1、2の外周面の全周、全幅に一次被覆層5、6を形成するが、必要に応じリング材1、2の外周面の一部領域のみに一次被覆層を形成する構成としてもよい。また、図6(c)に示すように、リング材3の大径側の外周面に一次被覆層7を形成するとか、図6(d)に示すように、リング材4の外周の溝内に一次被覆層8を形成する構成としてもよい。更に、一次被覆層はリング材の内周面の所望位置に形成してもよい。一次被覆層(5〜8等)の材料としては、Ni基合金、Co基合金、或いはこれらにWC、Cr32 、TiB2 等の硬質材微粒子を配合したもの等を挙げることができる。また、一次被覆層の材料には、再溶融が円滑に行えるよう、B、Siなどのフラックス生成成分を配合して自溶性を具備させておくことが望ましい。リング材に対して金属材料の一次被覆層を形成する方法は、溶射法が一般的であるが、それ以外にも圧密法、スラリー塗布法、遠心堆積法(リング材内周面に形成する場合)等を採用しうる。一次被覆層の厚さは、所期の厚さの金属被覆層(二次被覆層)が最終的に得られるように定めるものであり、通常、0.5〜5mm程度に選定される。
【0011】
リング材の外周面又は内周面に形成した一次被覆層を誘導加熱するための手段として、本発明では、一次被覆層の周方向の一部領域を誘導加熱しうる小型のものを用い、その誘導子によって一次被覆層の全周を誘導加熱するために、リング材を定位置で回転させる構成とする。この際、リング材の熱膨張を支障なく生じさせて局部変形を回避できるように、リング材の熱膨張に伴う外径の拡大を許容する形で、即ち、リング材を外径の拡大を妨げない形で支持しておく。このようにリング材を外径の拡大を妨げない形で支持しておくと、リング材が誘導子によって局部的に加熱されて熱膨張を生じようとした時にも、リング材全体が拡径するように非加熱部分が弾性変形できるので、加熱部分が塑性変形を伴わずに熱膨張できて、局部的な異常変形を生じることがない。
【0012】
リング材を外径の拡大を妨げない形で支持して定位置で回転させるための機構としては、複数個の支持ローラを用いたものを挙げることができるが、その支持ローラの配置は、一次被覆層を外周面に形成した場合と内周面に形成した場合で異なるので、以下にそれぞれの場合を説明する。一次被覆層を外周面に形成したリング材を外径の拡大を妨げない形で支持して定位置で回転させるための機構としては、リング材の内周面の複数個所を支持ローラで支持すると共に、その支持ローラの少なくとも一つを回転駆動する構成を挙げることができる。このような複数個の支持ローラを用いると、リング材の内周面の複数個所を支持してリング材を定位置に保持できるが、そのリング材を外径方向に拘束することはなく、このためリング材が局部的に加熱されて熱膨張を生じた時にも、自由に熱膨張を生じ、局部的な異常変形を生じることがない。リング材を回転させる際の姿勢(回転中心軸線の方向)は任意であるが、代表的なものとして、リング材の回転中心軸線をほぼ垂直とする場合(リング材はほぼ水平に配置される)と、ほぼ水平とする場合(リング材はほぼ垂直に配置される)を挙げることができる。以下、それぞれの場合についての実施の形態を説明する。
【0013】
図1、図2は、リング材1の回転中心軸線を垂直に配置した実施の形態による再溶融処理装置を示すものである。この再溶融処理装置は、外周面に一次被覆層5を形成したリング材1を回転可能に保持するための手段として、軸線が垂直になるように且つ回転可能に設けられた3個の支持ローラ11A、11B、11Cと、水平に設けられた受けローラ12を備えている。ここで、3個の支持ローラ11A、11B、11Cのうち、2個の支持ローラ11A、11Bは、一定位置で回転するように設けられているが、残りの支持ローラ11Cはその軸線に直角方向に(矢印Aで示す方向に)移動可能に設けられている。更に、その支持ローラ11Cには、その支持ローラ11Cを適当な圧力でリング材1の内面に押し付けるようエアシリンダ等の押圧手段(図示せず)が連結されている。かくして、3個の支持ローラ11A、11B、11Cを取り囲むようにリング材1を配置し、支持ローラ11Cを矢印A方向に押してリング材1の内周面に押し付けることにより、リング材1の内周面を定位置に配置された2個の支持ローラ11A、11Bに押し付け、リング材1をその2個の支持ローラ11A、11Bで定まる所定位置に位置決めして保持できる。
【0014】
このように、移動可能な支持ローラ11Cを含む3本の支持ローラ方式を採用すると、リング材1をセットする際に、支持ローラ11Cを矢印Aとは反対方向に引っ込めておくことにより、リング材1のセットをきわめて容易に行うことができ、またリング材1の内径の大小に関係なく、リング材1を2個の支持ローラ11A、11Bで定まる所定位置に位置決めして保持できるという効果が得られる。なお、支持ローラ11A、11Bの配置間隔は簡単に変更できるようにしておくことが好ましい。ここで使用する支持ローラの個数は、図示した3個に限らず、2個或いは4個以上とすることも可能である。例えば、2個使用する場合には、一方を定位置に設け、他方を移動可能とすることにより、リング材2をその2個の支持ローラがリング材2の直径上に位置するように位置決めすることができる。また、4個を使用する場合には2個を定位置に設け、残り2個を移動可能とすることで、リング材を定位置の2個で定まる位置に位置決めすることができる。
【0015】
図1、図2の実施の形態において、更に、1個の支持ローラ11Aには、その支持ローラを回転駆動するための駆動手段(図示せず)が連結されており、その支持ローラ11Aを回転させることで、リング材1を回転させることができる。前記した支持ローラ11Cをリング材1の内周面に押し付ける押圧力としては、リング材1が半径方向に移動しないように拘束すると共に支持ローラ11Aの回転をリング材1に伝達可能な摩擦力を確保しうるが、リング材1を変形させることがないように低く定めている。なお、駆動手段で回転させる支持ローラは、1個に限らず、2個或いは全部としてもよい。回転駆動する支持ローラの個数を多くすると、リング材1を回転させるのに必要な摩擦力が小さくて済むので、リング材1を回転させるために要する支持ローラのリング材1に対する押圧力を小さくすることが可能となる。
【0016】
リング材1を支持する受けローラ12は、単にリング材1の重量を受けるためのものであり、リング材1の回転に支障を生じないよう、受けローラ12も回転自在に設けられている。なお、リング材1を回転自在に保持する手段としては受けローラ12に限らず、適宜変更可能である。
【0017】
図1、図2に示す再溶融処理装置は更に、3個の支持ローラ11A、11B、11Cで所定位置に保持されているリング材1の外周面に対向して配置された誘導子14を備えている。この誘導子14は、リング材外周面の一次被覆層5の周方向の一部領域を、一次被覆層5の全幅に亘って誘導加熱しうる構成のものであり、高周波電源装置(図示せず)に接続されている。誘導子14の構造は、特に限定されるものではないが、ここでは図示したように、導体をループ状にしたものが使用される。ここで、誘導子14による加熱領域15(図3にハッチングで示す領域)の周方向の寸法dは、誘導子14による投入電力、リング材1の回転速度等によっても異なるが、通常は20〜70mm程度に設定される。この寸法dが20mmよりも小さいと、加熱領域が小さすぎて、良好な誘導加熱が困難となると共にリング材1の回転速度を小さくせざるを得ず、このため処理速度が遅くなり、一方70mmよりも大きいと、誘導子14が大型化してしまう。これらを考慮すると上記した寸法範囲が好ましい。誘導子14は通常、リング材1の回転中心軸線に平行に配置され、従って、加熱領域15もリング材1の中心軸線に平行となっている。なお、必要に応じ、誘導子14をリング材1の軸線に対して傾斜させることも可能であり、その場合には、図4に示すように加熱領域15Aは、リング材1の軸線に対して傾斜した状態に形成される。また、図2において、誘導子14をリング材1の外周面に対して傾斜させ、リング材外周面との距離がリング材1の幅方向に変化するようにしてもよく、これによりリング材の幅方向の温度分布を調整できる。
【0018】
次に、上記構成の再溶融処理装置による再溶融処理動作を説明する。外周面に溶射等で形成した金属材料の一次被覆層5を備えたリング材1を図1、図2のようにセットし、3個の支持ローラ11A、11B、11Cで所定位置に位置決めすると共に、その外周面に対向した近接位置に誘導子14をセットする。次いで、誘導子14に通電を開始し、一次被覆層5の誘導子14に対向する領域15を誘導加熱して溶融させると共に、支持ローラ11Aの回転を開始し、リング材1を連続的に回転させる。これにより、加熱領域15で一次被覆層5が溶融して、その一次被覆層5に存在していた気孔及び酸化物を除去すると共に、その加熱領域15が一次被覆層5の周方向に連続的に移動してゆき、一次被覆層15の新たな部分を次々と溶融させ、気孔及び酸化物を除去してゆく。そして、加熱領域15がリング材1の外周面を1周することにより、一次被覆層5の全面が再溶融処理され、緻密な二次被覆層が形成される。
【0019】
以上の再溶融処理動作において、誘導子14がリング材1の外周面の周方向の一部領域を加熱するので、リング材1は局部的に加熱され、その部分が熱膨張しようとし、リング材1の径を拡大させようとする。この時、リング材1は半径方向には、その内周面を3個の支持ローラ11A、11B、11Cで支えられるのみであるので、拡径方向には自由であり、リング材1の加熱部は支障なく熱膨張でき、拘束による異常変形が生じるということがなく、良好な再溶融処理を行うことができる。
【0020】
なお、以上の説明は、誘導子14による加熱領域15が図3に示すようにリング材1の中心軸線に対して平行に形成される場合のものであるが、図4に示すように加熱領域15Aを傾斜させた場合も、同様にして一次被覆層5の全周に対して再溶融処理を行うことができる。そしてこの場合には、一次被覆層5のリング材中心軸線に平行な部分、例えば、図4の線B−B上の部分の再溶融処理が時間差をおいて実施されるので、一次被覆層5に対して周方向の品質むらがきわめて小さい再溶融処理を行うことができる。
【0021】
上記した実施の形態では、誘導子14として一次被覆層5の全幅を誘導加熱しうるものを用いたが、誘導子14は必ずしもこの構成とする必要はなく、一次被覆層5の幅方向の一部を誘導加熱しうる大きさのものとしてもよい。この場合には、誘導子14のリング材1に対する位置を軸線方向にも変えて同様な動作を繰り返すことにより、一次被覆層5の全面に対して再溶融処理を行うことができる。
【0022】
図5は、リング材1の回転中心軸線を水平に配置した実施の形態による再溶融処理装置を示すものである。この再溶融処理装置は、外周面に一次被覆層5を形成したリング材1を回転可能に保持するための手段として、軸線が水平になるように且つ同じ高さに間隔をあけて設けられた2個の支持ローラ21A、21Bを用いている。この実施の形態では、単に定位置に設けられた2個の支持ローラ21A、21Bの上にリング材1の内周面を載せることで、種々な内径のリング材1を所定位置に回転可能に保持することができ、構造を簡単化できる利点が得られる。なお、支持ローラ21A、21Bの配置間隔も簡単に変更できるようにしておくことが望ましい。また、必要に応じ、支持ローラ21A、21Bに保持されたリング材1が軸線方向に動くのを阻止するための適当な手段を設けてもよい。更には図1記載例と同様に第三の支持ローラをリング材周方向の適宜個所に設けてリング材が踊りにくいようにしてもよい。
【0023】
更に、この実施の形態においても、少なくとも1個の支持ローラ21Aに、その支持ローラを回転駆動するための駆動手段(図示せず)が連結されており、その支持ローラ21Aを回転させることで、リング材1を回転させることができる。なお、リング材1の自重のみでは、支持ローラ21Aに対する摩擦力が不足し、支持ローラ21Aで回転させられることが困難な場合には、2個の支持ローラ21A、21Bの下方に、図1に示す装置の支持ローラ11Cと同様に移動可能な支持ローラを設け、それを押圧手段によってリング材1の内周面に押し付ける構成とすればよい。リング材1の外周面に近接した位置には誘導子24が配置されている。この誘導子24も、図1、図2に示す誘導子14と同様に、リング材外周面の一次被覆層4の周方向の一部領域を、一次被覆層4の全幅に亘って誘導加熱しうる構成のものであり、高周波電源装置(図示せず)に接続されている。誘導子24の取り付け位置は、特に限定されるものではないが、この実施の形態では、リング材1の回転中心軸線O−Oから水平に引いた水平線H−Hよりも上方の位置に誘導子24を位置させている。
【0024】
図5に示す実施の形態でも、誘導子24に通電した状態で、リング材1を回転させることにより、誘導子24で一次被覆層5を誘導加熱して溶融させ、その溶融部分を一次被覆層5の周方向に連続的に移動させて行くことができ、一次被覆層5に対して再溶融処理を行って緻密な二次被覆層を形成することができる。また、この再溶融処理の際、リング材1は外径方向に拘束されていないため、加熱部分が熱膨張する際に、拘束による異常変形を生じることがなく、このため、冷却した時には元の状態に戻る。かくして、リング材に異常変形を残すことなく、再溶融処理を行うことができる。更に、上記の実施の形態では、誘導子24をリング材1の上半分に対向する位置に配置したため、一次被覆層5の溶融した部分が上向きとなっており、気泡が抜けやすいという利点が得られる。また、リング材1の回転中心軸線を水平としているので、一次被覆層5の溶融した部分が水平となっており、このため溶融金属が重量で下方に流れることがあるとしても、水平方向には流れず、一次被覆層5の幅方向の皮膜厚さの変化を抑制できるという利点も得られる。なお、再溶融処理時におけるリング材1の回転方向としては、図5に示すように、誘導子24に対向する一次被覆層5が上向きに移動するように選定することが好ましい。この構成とすると、溶融した金属が下方に流れるのを阻止しうる利点が得られる。
【0025】
以上の説明では、図1、図2、図5等に示す再溶融処理装置で、リング材1の外周面の一次被覆層5に再溶融処理を施す場合のみを説明したが、この装置は再溶融処理のみならず、一次被覆層4を形成するための溶射にも使用可能である。例えば、図1、図2に示す再溶融処理装置においては、3本の支持ローラ11A、11B、11Cにリング材1を保持させ、そのリング材1に対向して溶射ガンを配置しておき、リング材1を回転させながらリング材1の外周面に対して溶射を行うことで、一次被覆層5を形成することが可能である。更には、上記溶射に続く一連動作で再溶融処理を行うことも可能であり、これによって生産性を向上させることができる。
【0026】
一次被覆層を内周面に形成したリング材を外径の拡大を妨げない形で支持して定位置で回転させるための機構としては、リング材の外周面に接触しうる位置に、該リング材を回転可能に且つ外径の拡大を妨げない形で支持する複数個の支持ローラを配置し、且つその支持ローラの少なくとも一つを回転駆動する構成を挙げることができる。この場合にも、リング材を回転させる際の姿勢は任意であるが、代表的なものとして、リング材の回転中心軸線をほぼ垂直とする場合(リング材はほぼ水平に配置される)と、ほぼ水平とする場合(リング材はほぼ垂直に配置される)を挙げることができる。以下、それぞれの場合についての実施の形態を説明する。
【0027】
図7は、リング材1の回転中心軸線を垂直に配置した実施の形態による再溶融処理装置を示すものである。この再溶融処理装置は、図1、図2に示した再溶融処理装置に比べて、3個の支持ローラ31A、31B、31Cをリング材1の外周面に接触するように配置し、且つ誘導子34をリング材1の内周面の一次被覆層9に対向するように配置した点において異なっているが、その他の構成は同様である。図7の実施の形態においても、3個の支持ローラ31A、31B、31Cのうち、2個の支持ローラ31A、31Bは、一定位置で回転するように設けられているが、残りの支持ローラ31Cはその軸線に直角方向に(矢印Cで示す方向に)移動可能に設けられ、且つ適当な圧力でリング材1の外周面に押し付けるようエアシリンダ等の押圧手段(図示せず)に連結されている。また、1個の支持ローラ31Aには、その支持ローラを回転駆動するための駆動手段(図示せず)が連結されている。
【0028】
この構成により、3個の支持ローラ31A、31B、31Cの内側に位置するようにリング材1を配置し、支持ローラ31Cを矢印C方向に押してリング材1の外周面に押し付けることにより、リング材1の外周面を定位置に配置された2個の支持ローラ31A、31Bに押し付け、リング材1をその2個の支持ローラ31A、31Bで定まる所定位置に位置決めして保持でき、支持ローラ31Aを回転させることでリング材1を回転させることができる。ここで、前記した支持ローラ31Cをリング材1の外周面に押し付ける押圧力としては、リング材1を定位置に配置された2個の支持ローラ31A、31Bに押し付けて位置決めすると共に支持ローラ31Aの回転をリング材1に伝達可能な摩擦力は確保できるが、リング材1が誘導子34によって加熱され拡径しようとした時には、支持ローラ31Cがその拡径を拘束することなく後退させられるように低く定めている。従って、リング材1は3個の支持ローラ31A〜31Cによって外径の拡大を妨げない形で回転可能に保持されることとなる。
【0029】
上記構成の再溶融処理装置においても、図1、2に示す装置で説明したのと同様な再溶融処理動作が行われる。すなわち、内周面に溶射等で形成した金属材料の一次被覆層9を備えたリング材1を図7のようにセットし、3個の支持ローラ31A〜31Cで所定位置に位置決めすると共に、その内周面に対向した近接位置に誘導子34をセットし、誘導子34への通電を開始し、一次被覆層9の誘導子34に対向する領域を誘導加熱して溶融させると共に、支持ローラ31Aの回転を開始し、リング材1を連続的に回転させる。これにより、加熱領域で一次被覆層9が溶融して、その一次被覆層9に存在していた気孔及び酸化物を除去して行き、加熱領域がリング材1の内周面を1周することにより、一次被覆層9の全面が再溶融処理され、緻密な二次被覆層が形成される。この動作の際、リング材1は外径方向に拘束されていないので、誘導子34による局部的な加熱による熱膨張によって全体が支障なく拡径し、従って拘束による異常変形が生じるということがなく、良好な再溶融処理を行うことができる。
【0030】
図8は、リング材1の回転中心軸線を水平に配置した実施の形態による再溶融処理装置を示すものである。この再溶融処理装置は、図5に示した再溶融処理装置に比べて、2個の支持ローラ41A、41Bをリング材1の外周面を乗せて支持するように配置すると共に上面を押さえるように押圧機構(図示せず)を備えた支持ローラ41Cを設け、且つ誘導子44をリング材1の内周面の一次被覆層9に対向するように配置した点において異なっているが、その他の構成は同様である。この実施の形態においても、支持ローラ41Cの押圧力は、支持ローラ41Aの回転をリング材1に伝達可能な摩擦力は確保できるが、リング材1が誘導子44によって加熱され拡径しようとした時には、支持ローラ41Cがその拡径を拘束することなく後退させられるように低く定めている。従って、リング材1は3個の支持ローラ41A〜41Cによって外径の拡大を妨げない形で回転可能に保持されることとなる。なお、リング材1の自重のみで支持ローラ41Aの回転をリング材1に伝達可能な摩擦力を確保できる場合には、支持ローラ41Cは省略してよい。
【0031】
図8に示す実施の形態でも、誘導子44に通電した状態で、リング材1を回転させることにより、誘導子44で一次被覆層9を誘導加熱して溶融させ、その溶融部分を一次被覆層9の周方向に連続的に移動させて行くことができ、一次被覆層9に対して再溶融処理を行って緻密な二次被覆層を形成することができる。また、この再溶融処理の際、リング材1は外径方向に拘束されていないため、加熱部分が熱膨張する際に、拘束による異常変形を生じることがなく、良好な再溶融処理を行うことができる。なお、図示したように、誘導子44をリング材1の内周面の最下部に対向するように配置すると、一次被覆層9の溶融した部分が上向きとなって、気泡が抜けやすく、また、一次被覆層9の溶融した部分が水平であるので溶融金属が自重で流れるということがなく、一次被覆層9の皮膜厚さの変化を抑制できるという利点が得られる。
【0032】
なお、図7、図8に示す実施の形態においても、図1〜図5に示す実施の形態で説明したような変形を行うことができることは言うまでもない。
【0033】
【実施例】
〔実施例1〕
供試リング材1として、外径1500mm×内径1440mm×幅70mm、材質S25Cのリング材を用意し、その外周に溶射により一次被覆層5を形成した。一次被覆層5の材質は、JIS H8303 SFNi4(融点1020°C)、厚さは2.5mmである。このリング材1の内周面の偏心度を測定したところ、1.8mmであった。
【0034】
このリング材1を図1、図2に示す再溶融処理装置の3個の支持ローラ11A、11B、11Cの周囲に置き、支持ローラ11Cをリング材1の内周面に100kgの押圧力で押し付けることで、リング材1を他の支持ローラ11A、11Bに押し付け、所定位置に位置決めした。ここで使用した支持ローラ11A、11B、11Cは、外径が100mmの金属ローラである。誘導子14として、一次被覆層5の全幅を加熱可能で且つ周方向の加熱幅(加熱領域15の周方向の寸法d)が30mmのものを用意し、その誘導子14を一次被覆4に対して2mm離れた位置に且つリング材1の中心軸線に平行方向にセットした。この状態で、誘導子14に通電し(周波数20kHz、電力20kW)、リング材1を周速が1.5mm/sで回転させ、リング材1の全周に再溶融処理を行った。
【0035】
得られた二次被覆層の外観を目視検査したところ、表面が平滑で良好な外観を呈していた。また、処理後のリング材1の内周面の偏心度を測定したところ、4.5mmであったが、再溶融処理による異常変形は生じていなかった。
【0036】
〔実施例2〕
実施例1と同じ供試リング材1に実施例1と同じ一次被覆層5を形成した。このリング材1の内周面の偏心度を測定したところ、0.1mmであった。このリング材1を図5に示す再溶融処理装置にセットし、誘導子14として、一次被覆層5の全幅を加熱可能で且つ周方向の加熱幅(加熱領域15の周方向の寸法d)が30mmのものを用意し、その誘導子14を、リング材1の回転中心軸線から水平に対して15°上方に傾斜した位置で且つ一次被覆5に対して2mm離れた位置にセットした。この状態で、誘導子14に通電し(周波数20kHz、電力20kW)、リング材1を周速が1.5mm/sで回転させ、リング材1の全周に再溶融処理を行った。
【0037】
得られた二次被覆層の外観を目視検査したところ、表面が平滑で良好な外観を呈していた。また、処理後のリング材1の内周面の偏心度を測定したところ、3.2mmであったが、再溶融処理による異常変形は生じていなかった。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明方法は、リング材を複数の支持ローラに、前記リング材の熱膨張に伴う外径の拡大を許容する形で且つ定位置で回転するように支持させ、そのリング材に形成している前記一次被覆層の一部領域に対向して、高周波電流の通電により前記一次被覆層の周方向の一部領域を誘導加熱する誘導子を配置し、該誘導子に高周波電流を通電すると共に前記リング材を回転させることにより、前記一次被覆層を誘導加熱して溶融させ、一次被覆層に存在していた気孔及び酸化物を除去し、緻密な二次被覆層にするという再溶融処理を、リング材の径の大小に関係なく且つ一次被覆層の全周に亘って行うことができ、また、この際、拘束による異常変形を生じさせることがなく、このため、小型の誘導子を用いて種々な径のリング材に対して良好な一次被覆層の再溶融処理を行うことができるという効果を有している。
【0039】
また、本願の一つの発明の装置は、リング材の内周面に接触しうる位置に配置され、該リング材を回転可能に支持する複数個の支持ローラと、該支持ローラの少なくとも1個を回転させる駆動手段と、リング材外周面に対向配置される誘導子を備えた構成としたことにより、誘導子でリング材外周面の一次被覆層を誘導加熱しながら、リング材をその内周面を支持して定位置で回転させることができ、従って、リング材を熱膨張に伴う外径の拡大を許容する形で支持して回転させることができ、外周面に一次被覆層を形成したリング材に対して前記した本発明方法の再溶融処理を行うことができる。
【0040】
ここで、複数個の支持ローラを、少なくとも1個の支持ローラが定位置に設けられ、他の少なくとも1個の支持ローラがその軸線に直角方向に移動可能に設けられると共にリング材の内面に押し付けられるように押圧手段に連結する構成とすると、種々な径のリング材を容易に、前記した複数の支持ローラに保持させ且つ定位置に保持できるという効果が得られる。
【0041】
また、前記支持ローラを、リング材を回転中心軸線がほぼ水平となるように支持するよう、それぞれの軸線を水平に且つほぼ同じ高さの定位置に2個設ける構成とすると、その2個の支持ローラにリング材の内面を載せるようにセットするのみで、種々な径のリング材を所定位置に位置決めして保持することができ、構造をきわめて簡略化できるという効果が得られる。更に、その際、リング材の回転中心軸線から水平に引いた水平線よりも上方の位置に誘導子を配置する構成とすると、誘導加熱されて溶融する部分が上向きとなり、一次被覆層内の気泡が抜けやすいという効果も得られる。
【0042】
本願の他の発明の装置は、リング材の外周面に接触しうる位置に配置され、該リング材を回転可能に且つ熱膨張に伴う外径の拡大を許容する形で支持する複数個の支持ローラと、該支持ローラの少なくとも1個を回転させる駆動手段と、前記複数の支持ローラに支持された前記リング材の内周面の一次被覆層に対向する位置に配置され、該一次被覆層の周方向の一部領域を誘導加熱しうる誘導子を備えた構成としたことにより、誘導子でリング材内周面の一次被覆層を誘導加熱しながら、リング材をその外周面を支持して且つ熱膨張に伴う外径の拡大を許容する形で支持して定位置で回転させることができ、内周面に一次被覆層を形成したリング材に対して前記した本発明方法の再溶融処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態による再溶融処理装置を示す概略斜視図
【図2】 図1に示す装置の概略断面図
【図3】 図1の装置において誘導子が加熱する一次被覆層の領域を示す概略側面図
【図4】 誘導子が加熱する領域の変形例を示す図3と同様な概略側面図
【図5】 本発明の他の実施の形態による再溶融処理装置を示す概略斜視図
【図6】 (a)、(b)、(c)、(d)は、リング材の例を示す概略断面図
【図7】 本発明の更に他の実施の形態による再溶融処理装置を示す概略斜視図
【図8】 本発明の更に他の実施の形態による再溶融処理装置を示す概略斜視図
【符号の説明】
1、2、3、4 リング材
5、6、7、8、9 一次被覆層
11A、11B、11C 支持ローラ
12 受けローラ
14 誘導子
15 加熱領域
21A、21B 支持ローラ
24 誘導子
31A、31B、31C 支持ローラ
34 誘導子
41A、41B、41C 支持ローラ
44 誘導子

Claims (5)

  1. リング材の外周面又は内周面に溶射法等を用いて形成した金属材料の一次被覆層に対して高周波誘導加熱を施して再溶融処理を行う方法であって、前記リング材を複数の支持ローラに、前記リング材の熱膨張に伴う外径の拡大を許容する形で且つ定位置で回転するように支持させ、そのリング材に形成している前記一次被覆層の一部領域に対向して、高周波電流の通電により前記一次被覆層の周方向の一部領域を誘導加熱する誘導子を配置し、該誘導子に高周波電流を通電すると共に前記リング材を回転させることにより、前記一次被覆層の周方向の一部領域を誘導加熱して溶融させると共にその誘導加熱されて溶融する部分を前記一次被覆層の周方向に相対的に移動させ、前記一次被覆層の全周に亘って、該一次被覆層を溶融し、該一次被覆層に存在していた気孔及び酸化物を除去し、緻密な二次被覆層にすることを特徴とする、一次被覆層の再溶融処理方法。
  2. リング材の外周面に形成した金属材料の一次被覆層に対して高周波誘導加熱を施して再溶融処理を行う装置であって、前記リング材の内周面に接触しうる位置に配置され、該リング材を回転可能に支持する複数個の支持ローラと、該支持ローラの少なくとも1個を回転させる駆動手段と、前記複数の支持ローラに支持された前記リング材の外周面の一次被覆層に対向する位置に配置され、高周波電流の通電により前記一次被覆層の周方向の一部領域を誘導加熱する誘導子を有する、一次被覆層の再溶融処理装置。
  3. 前記支持ローラが、前記リング材を回転中心軸線がほぼ垂直となるように支持するよう、それぞれの軸線をほぼ垂直に設けられており、少なくとも1個の支持ローラが定位置に設けられ、他の少なくとも1個の支持ローラがその軸線に直角方向に移動可能に設けられると共に前記リング材の内面に押し付けられるように押圧手段に連結されていることを特徴とする請求項2記載の、一次被覆層の再溶融処理装置。
  4. 前記支持ローラが、前記リング材を回転中心軸線がほぼ水平となるように支持するよう、それぞれの軸線を水平に且つほぼ同じ高さの定位置に2個設けられており、更に、前記リング材の回転中心から水平に引いた水平線よりも上方の位置に前記誘導子が配置されていることを特徴とする請求項2記載の、一次被覆層の再溶融処理装置。
  5. リング材の内周面に形成した金属材料の一次被覆層に対して高周波誘導加熱を施して再溶融処理を行う装置であって、前記リング材の外周面に接触しうる位置に配置され、該リング材を回転可能に且つ熱膨張に伴う外径の拡大を許容する形で支持する複数個の支持ローラと、該支持ローラの少なくとも1個を回転させる駆動手段と、前記複数の支持ローラに支持された前記リング材の内周面の一次被覆層に対向する位置に配置され、高周波電流の通電により前記一次被覆層の周方向の一部領域を誘導加熱する誘導子を有する、一次被覆層の再溶融処理装置。
JP26292698A 1998-09-17 1998-09-17 一次被覆層の再溶融処理方法及び装置 Expired - Fee Related JP3729657B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26292698A JP3729657B2 (ja) 1998-09-17 1998-09-17 一次被覆層の再溶融処理方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26292698A JP3729657B2 (ja) 1998-09-17 1998-09-17 一次被覆層の再溶融処理方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000087211A JP2000087211A (ja) 2000-03-28
JP3729657B2 true JP3729657B2 (ja) 2005-12-21

Family

ID=17382517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26292698A Expired - Fee Related JP3729657B2 (ja) 1998-09-17 1998-09-17 一次被覆層の再溶融処理方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3729657B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110284094A (zh) * 2019-07-04 2019-09-27 华北电力大学 锅炉水冷壁高温防腐涂层制备与管基体热处理协同强化技术

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100456918B1 (ko) * 2000-12-20 2004-11-10 재단법인 포항산업과학연구원 자용성합금 용사코팅의 재용융장치
JP6454849B2 (ja) * 2014-03-31 2019-01-23 一般財団法人近畿高エネルギー加工技術研究所 柱状母材への金属皮膜の形成方法
CN117646195B (zh) * 2024-01-30 2024-04-26 湖南德智新材料有限公司 支撑机构、支撑装置和薄膜制备设备

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6053111B2 (ja) * 1982-09-10 1985-11-22 株式会社荏原製作所 溶射被膜の再溶融処理方法
JPS6247470A (ja) * 1985-08-23 1987-03-02 Toshiba Corp 円筒内面の溶射被覆形成方法
JPS6439360A (en) * 1987-08-03 1989-02-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Treatment for internal tube surface
JPH01252762A (ja) * 1988-03-31 1989-10-09 Kobe Steel Ltd 金属円筒内面のコーティング方法
JP3001363B2 (ja) * 1993-12-27 2000-01-24 第一高周波工業株式会社 金属溶射皮膜の形成方法
JP3481055B2 (ja) * 1996-07-26 2003-12-22 第一高周波工業株式会社 耐食性伝熱管の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110284094A (zh) * 2019-07-04 2019-09-27 华北电力大学 锅炉水冷壁高温防腐涂层制备与管基体热处理协同强化技术
CN110284094B (zh) * 2019-07-04 2020-10-02 华北电力大学 锅炉水冷壁高温防腐涂层制备与管基体热处理协同强化技术

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000087211A (ja) 2000-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4885882B2 (ja) 誘導焼入れによる大寸法転動軸受の軸受リングの生産方法
EP2985088B1 (en) Method and device for producing rolling roll
US8336755B2 (en) Friction welding enclosure
JP6842664B2 (ja) リング圧延用主ロールの冷却方法及びリング圧延体の製造方法
JP3729657B2 (ja) 一次被覆層の再溶融処理方法及び装置
WO2015136927A1 (ja) 熱処理装置および熱処理方法
EP3103557B1 (en) Spinning moulding device
JP4327907B2 (ja) 連続キャスター・ロールのステンレス鋼表面クラッディング
CN102416374A (zh) 环形带状体的制造方法
JP3929205B2 (ja) 一次被覆層の溶融処理方法
JPS62177183A (ja) 金属管等の内面に金属ライニングを施す方法
JP2007244948A (ja) 鋼管塗装方法
JP2008169432A (ja) 鋼球の熱処理方法および鋼球の熱処理装置
JP3875555B2 (ja) 金属筒体内面の自溶合金被覆方法
JP4446530B2 (ja) 金属被覆層を有するリング材の平均直径修正方法
JPS62183967A (ja) パイプ内面肉盛装置
JP2024029100A (ja) 軸肥大加工方法及び軸肥大加工装置
JP3272020B2 (ja) 金属塊の空中浮揚加熱方法及びその装置
WO2014158899A1 (en) Roll with induction heater, and devices and methods for using
JP6523053B2 (ja) 環状ワークの加熱装置
US5460850A (en) Hold-down device in apparatus for metalizing internal surfaces of metal bodies
KR100490844B1 (ko) 자용성 합금 용사코팅의 재용융 장치
JP2003342708A (ja) 二軸シリンダーの製造方法
JP2000317687A (ja) 鋼管の内面ビード圧延装置
JP2550795B2 (ja) 金属筒体の開口端部の加熱方法と装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051004

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081014

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091014

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101014

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111014

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121014

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131014

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees