JP3729441B2 - ピッキングフォークリフトの運転台 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピッキングフォークリフトの運転台に関する。
【0002】
【従来の技術】
荷役車両としてのフォークリフトのうちには、ピッキングフォークリフトといわれるものがある。ピッキングフォークリフトはフォーク等の荷役装置と共に昇降する運転台に乗り込んだオペレータが、ラック倉庫内などに並列設置されているラック棚間に設けられた通路を走行し、パレット作業及びピッキング作業を行うように構成されている。
【0003】
従来のピッキングフォークリフト51は、図3で概略構造を示すように、車両本体52と、この車両本体52の前側の左右に間隔を置いて立設された一対のマスト53と、マスト53に沿って昇降させられる運転台54と、運転台54の前面に設けられた荷役装置55と、運転台54の床面部57上に立設された操作盤56とを有している。
【0004】
操作盤56は、図4に示すように、側部フレーム部材81等のフレーム部材により骨組みが形成され、表面をカバ−部材82で覆われて外形が概略直方体に形成されている。上面を所定の穴等が設けられた上面カバー部材84で覆い、下面は運転台54に取り付けるように開放している。この取付面に走行用のステアリングハンドル80a、前進後退切替用のコントロールレバー等の走行操作用レバー80bや、シフトレバー80c等の荷役操作用のレバー、キ−スイッチ80d等のスイッチ類、走行表示灯80e等のランプ類などの部材を設けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のピッキングフォークリフト51においては、次のような不都合が生じていた。
(1)操作盤の上面に全ての操作レバーやスイッチ類等を設けているので、平面面積が大きくなり、操作盤の下部に余分な空間ができていた。(2)運転台の構造物の平面面積が大きいとそれだけ運転台が窮屈になり、フォーク側への出入り等の運転台でのオペレータの行動が不自由であった。
【0006】
本発明はこれらの不都合に鑑みて創案されたものであって、操作盤の平面面積を小さくし運転台の小型化、又はオペレータの運転台での行動が容易なようにしたピッキングフォークリフトの運転台の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るピッキングフォークリフトの運転台は、車両本体と、この車両本体に立設されたマストと、車両本体の前側に配置されてこのマストの立設方向に沿って昇降させられる運転台と、この運転台の前方に位置し、フォークを有する荷役装置とからなるピッキングフォークリフトであって、運転台はその前部に操作手段が上下複数段に配列されてなる操作盤を備え、この操作盤の上段には走行操作のための操作手段を、下段には荷役操作のための操作手段をそれぞれ設置してあることを特徴とする。
【0008】
上記のように構成してなる本願のピッキングフォークリフトの運転台によれば、操作盤の平面面積を小さくすることができ、それだけ運転台を小さくできるか、自由空間を広くすることができる。その結果、オペレータがピッキング作業をする場合には、操作盤の左右からの出入りが容易にできるようになり、安全に作業することができ、作業能率を向上できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施例に係るピッキングフォークリフトの全体構造を簡略化して示す斜視図、図2は操作盤を示す斜視図である。
【0010】
ピッキングフォークリフト1は、車両本体2と、この車両本体2の前側の左右に間隔を置いて立設された一対のマスト3と、マスト3に沿って昇降させられる運転台4と、運転台4の前面に設けられた荷役装置5と、運転台4の床面部7上に立設された操作盤6を有し、この操作盤6のレバー類やスイッチ類等の部材の取り付け面を上下二段に形成している。
【0011】
ピッキングフォークリフト1の車両本体2は、動力装置やメインの油圧装置などを内蔵し、その下側面に操舵輪、回転輪が設けられている。これらを操作することでピッキングフォークリフトを方向転換可能に走行させ、パレット作業及びピッキング作業を行わせる。
【0012】
オペレータが乗り込む運転台4は、図示しないリフト用の油圧シリンダとリフトチェーン9とを用いて昇降させられる構成となっている。そして、ピッキングフォークリフト1の走行、昇降は操作盤6に設けられた操作レバ−を操作することにより走行モータ、油圧シリンダ等を駆動して行われるようにしている。
【0013】
操作盤6は、図2に示すように、切取り空間部30を上部に設けられて外形が概略直方体に形成され、下面は運転台4に取り付けるように開放されている。フレーム部材31により骨組みが形成され、表面がカバ−部材32で覆われて箱状に形成されている。切取り空間部30が設けられた残りの箱部内をシャフト、ケーブル等を通している。前面のカバー部材34を突出させて表示用のパネルを形成し、上面を上面カバー部材34で覆うと共に、切取り空間部30の上部を下段カバー部材35で覆っている。上面カバー部材34及び下段カバー部材35は、所定の穴等が設けられ、計器、レバー、スイッチ、表示ランプ等の取り付け面に形成されている。
【0014】
上面カバー部材34の取り付け面には、ホイールハンドル6a,走行コントロールレバー6b等の走行関係の部材や表示灯6eを設けている。下段カバー部材35の取り付け面には、シフト操作レバー6c、ローテイト操作レバー、サブリフト操作レバー等の荷役関係の部材を設けている。さらに、下段カバー部材35の取り付け面には、ロック解除ボタン6f、照明スイッチ6g等を設けている。このように、レバー、スイッチ等を二段に分けて配置すると取り付け面の面積、すなわち、操作盤6の平面面積を小さくでき、運転台の空間を広く使えるようにできる。
【0015】
荷役装置5は、運転台4の床面部7と天井部8との間に左右に移動可能に設けられている。荷役装置5のシフト機構部10は、シフトキャリッジともいわれ、上下方向に垂下した状態で前面に突出して設けられている。このシフト機構部10の下部には、フォーク15を回転させるローテイト機構部11が上下に移動自在に配置されている。シフト機構部10の支持部材12は運転台4の前面に突出して設けられ、支持部材12の内部を挿通するように位置決めされた回転シャフトが配設されている。この回転シャフトの上下端それぞれにはピニオンギヤが取り付けられ、運転台4を構成している床面部7及び天井部8の前端面にはそれぞれラックギヤ14が取り付けられている。ピニオンギヤは、回転シャフトを介してカバ−18に覆われている油圧モータでもって回転させられ、シフト機構部10は運転台4の前端面に沿って左右に移動する。このシフト機構部10は、操作盤6に設けられた操作レバ−により、操作される。
【0016】
シフト機構部10の下部のローテイト機構部11は、カバー18内に収容された油圧モータでもって回転させられるローテイトシャフト20と、フィンガバー22とを具備している。フィンガバー22によって一対のフォーク15が並列に支持されている。ピッキング作業においては、フォークと共に昇降する運転台4に乗り込んだオペレータがフォーク15上に乗り移って作業することが可能にされている。
【0017】
さらに、シフト機構部10とローテイト機構部11との間には、このローテイト機構部11を上下に沿って昇降させるためのサブリフト機構部21が配置されている。サブリフト機構部21はシフト機構部10の前側に配設され、サブリフト用の油圧シリンダ24と一対のサブリフトチェーン26とを備えている。そして、サブリフト機構部21は操作盤6に設けられた操作レバ−により操作されるようになっている。
【0018】
運転台4には、天井部8を支持するように左右一対の支柱28が設けられ、各支柱28の側面の保護ガード29が設けられている。保護ガード29は床部7に略平行な平伏状態から支柱28に略平行な起立状態までの間を起伏できるようになっている。このように保護ガード29を設けることによりオペレータの作業の安全を向上できるようにされている。
【0019】
つぎに、本実施例の形態に係るピッキングフォークリフトによりラック棚から荷物をピッキングする動作及び作用について説明する。まず、オペレータは保護ガード29を起立させて運転台4に乗り込んだ後、保護ガード29を倒して平伏状態にする。そして、操作盤6に向かって立って、走行コントロールレバー、ホイ−ルハンドルを操作してピッキングフォークリフト1を走行させ、所要のラック棚のところに行く。そこで、操作盤6でレバー類を操作して、運転台4を昇降して、荷役装置5を所用の高さに上昇させる。このとき、高さ位置が狂っていればサブリフト機構部21の油圧シリンダ24を動作させて、高さを合わせ、フォーク15の方向が荷物の方向を向くようにローテイト機構部11の油圧モータで回動させる。
【0020】
車両本体2を前進させて荷取り作業ができない場合は、シフト機構部10を左又は右に移動させることによりフォーク15を前進させて、荷物の下にフォーク15を差し込む。そして、サブリフト機構部21を上昇させて荷取りをする。ピッキング作業をする場合には、オペレータは荷物の前にピッキングフォークリフトを止め、側面の保護ガード29を起立させて、支え部材35に掴まってフォーク15に乗り移って、ピッキングを行う。ピッキング作業が終了したら、オペレータは運転台4に乗り込み、保護ガード29を倒して安全を確保した後、操作盤6に向かって立って、シフト機構部10を移動させて荷物を運転台4の中央部に位置させる。そして、走行コントロールレバー、ホイ−ルハンドルを操作してピッキングフォークリフト1を走行させ、所要のラック棚のところに行き、荷下ろし作業を行う。以下必要に応じて上記の作業を繰り返す。
【0021】
以上説明したように、本発明に係るピッキングフォークリフトの運転台においては、操作盤のレバー等の配置を上下複数段に分割して配置するので、操作盤の設置面積を小さくすることができ、操作にそれほど不便を与えることなく、オペレータのピッキング作業等で運転台からの出入りが容易になり、安全性を向上できる。
【0022】
なお、本願発明は、上記説明のものに限定されず、発明の趣旨を変更しない範囲で変更実施できることはもちろんである。例えば、上記においては、操作盤を切り取り空間部を形成して二段に分割し、切り取り空間部の残部の操作盤の前面部に、箱内空間に連続した空間を形成して、ケーブル等を通すように構成した例で説明したが、もっと多段に形成してもよい。また、段の形成方法も、上部の中央部を凹ませて切取り空間部を設け、上面にレバー類、スイッチ類の取り付け面を形成し、両サイドに内部連通空間を形成して、連通空間にケーブル等を通すように構成してもよい。また、複数段に分割するレバー、スイッチ等は上記の例に限られず、荷役用の部材のみを分割して、上下に配置するようにしてもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るピッキングフォークリフトの運転台においては、操作盤のレバー等の操作手段の配置を複数段に分割するので、操作盤の設置面積を小さくすることができ、オペレータのピッキング作業等で運転台からの出入りが容易になり、安全性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の形態に係るピッキングフォークリフトの全体構造を簡略化して示す斜視図である。
【図2】本発明の操作盤を示す斜視図である。
【図3】従来のピッキングフォークリフトの全体構造を簡略化して示す斜視図である。
【図4】従来の操作盤を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ピッキングフォークリフト
2 車両本体
3 マスト
4 運転台
5 荷役装置
6 操作盤
7 床部
8 天井部
9 チェーン
10 シフト機構部
11 ローテイト機構部
12 支柱
30 切取り空間部
Claims (1)
- 車両本体と、この車両本体に立設されたマストと、車両本体の前側に配置されてこのマストの立設方向に沿って昇降させられる運転台と、この運転台の前方に位置し、フォークを有する荷役装置とからなるピッキングフォークリフトであって、運転台はその前部に操作手段が上下複数段に配列されてなる操作盤を備え、この操作盤の上段には走行操作のための操作手段を、下段には荷役操作のための操作手段をそれぞれ設置してあることを特徴とするピッキングフォークリフトの運転台。
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2000
- 2000-09-13 JP JP2000278093A patent/JP3729441B2/ja not_active Expired - Fee Related
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