JP3729026B2 - 高炉への原料装入方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルレス型装入装置を有する高炉への原料装入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に高炉の操業においては、高炉の炉頂から原料となる鉄源として鉱石(すなわち塊鉱石、焼結鉱、ペレット等)および炭材としてコークスを交互に装入して、鉱石やコークスを層状に堆積させる。高炉の下方から吹き込まれる熱風がコークスを燃焼して発生する高温の還元性ガスが、高炉内に堆積された原料の間隙を上昇しながら、原料の昇温や鉱石の還元を行なうことによって銑鉄を製造している。
【0003】
高炉内に堆積されたコークスは燃焼によって消費され、鉱石は還元あるいは溶融によって消費されるため、高炉内の原料は下方へ降下していく。そこで炉頂から新たに鉱石やコークスを交互に装入して、高炉内の原料を常時ほぼ一定の高さに維持しながら、連続的に銑鉄を製造する。
このように炉頂から交互に繰り返し装入する鉱石やコークスの1サイクル分(以下、1チャージという)の装入量はそれぞれ所定の量になるように制御する。さらに高炉の生産性を向上するためには、高炉内の半径方向や円周方向の原料の消費を適切な状態に維持することによって高炉内の上昇ガス流を適切な状態に維持し、原料が連続的に降下するようにする必要がある。
【0004】
高炉内の上昇ガス流を適正に維持するためには、原料の粒径を揃えて被還元性や反応性等の性状を安定に保つことが必要である。一方、溶銑の製造コストを低減する観点から、細粒鉱石の使用量を増加して原料コストを下げる、あるいは原料として使用されるペレット,還元鉄,スクラップ等の鉄源や成形コークス等の炭材をコストに応じて選択することが望ましい。
【0005】
しかし従来から知られている装入方法を用いて、細粒鉱石,ペレットや成形コークス等の原料を高炉内に装入すると、高炉内の通気抵抗が増大して高炉の生産性が低下する。すなわち細粒鉱石の装入量が増加すると、鉱石層の空隙が減少するため高炉内の通気抵抗が増大する。ペレットの装入量を増加した場合は、ペレットが高炉内の原料の堆積面上を転がりやすいため、炉中心部あるいは炉壁部に偏って堆積し、その部位の通気抵抗を増大させる。
【0006】
また成形コークスは形状が一定で丸みを帯びているため、成形コークスの装入量を増加した場合も、成形コークスが高炉内の原料の堆積面上を転がって炉中心部あるいは炉壁部に偏って堆積し、その部位の通気抵抗を増大させる。
そこで、細粒鉱石等の原料を装入しながら高炉の操業を安定させるために、種々の装入方法が提案されている。
【0007】
たとえば特開平2-225608号公報には、高炉の中心部の原料堆積面を低くし、炉壁に近づくほど原料堆積面を高くしていき、炉壁近傍の原料堆積面を平坦にする方法が開示されている。これは炉壁近傍の通気抵抗を大きくして、炉壁近傍の上昇ガス流を抑制することによって、相対的に中心部の上昇ガス流を強化するものである。しかし特開平2-225608号公報に開示された方法は、細粒鉱石を使用する場合に、炉壁近傍の通気抵抗が過大になり、炉壁近傍の上昇ガス流が減少するため、炉壁に不活性な付着物が生成する。このような炉壁付着物は、高炉内の原料が降下するときに障害となり、高炉の操業が不安定となる。そのため、細粒鉱石の使用量を増やせないという問題があった。
【0008】
さらに、高炉内でのコークスの粉化を防止するために、鉱石とコークスの一部をあらかじめ混合した混合物を高炉へ装入する部分混合装入法も知られている。しかし、鉱石とコークスは粒径が異なるので、混合したときに粒度偏析を起こしやすい。その結果、各チャージごとの粒度分布が変化し、高炉内の通気性の悪化およびガス利用率の悪化の原因になる。
【0009】
このように、高炉に装入される原料のうち、粒径,強度,形状,被還元性あるいは反応性等の性状が、他の原料と異なる特定の原料(以下、特定原料という)を装入する際に、従来の装入方法を用いると高炉内の通気抵抗が増大する。したがって特定原料を装入しながら高炉内の上昇ガス流を適正に維持するためには、特定原料を適正な位置に安定して装入する必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題を解消し、特定原料の装入量を増加した場合においても、特定原料が高炉内の炉中心部あるいは炉壁部に偏って堆積することを防止し、高炉内の通気抵抗の増加を抑制して安定した操業を維持できるベルレス型装入装置を有する高炉への原料装入方法を提供することを目的とし、特に、細粒鉱石を大量に使用しても高炉内の通気性を阻害せず、安定した操業が可能なベルレス型装入装置を有する高炉への原料装入方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ベルレス型装入装置を用いて高炉内へ原料として鉄源および炭材を層状に堆積させる高炉への原料装入方法において、鉄源の内、細粒鉱石、ペレット、還元鉄およびスクラップから選ばれる1種以上を特定原料とし、特定原料以外の残余の鉄源を1バッチで、堆積面の炉口半径をRとして半径方向の 0.2R〜 0.9Rの範囲に凹部を形成するように装入し、次いで凹部に特定原料を装入する高炉への原料装入方法である。
【0013】
前記した発明においては、好適態様として、特定原料に細粒鉱石が含まれる場合に、細粒鉱石の粒径が2〜5mmであることが好ましい。
さらに本発明は、ベルレス型装入装置を用いて高炉内へ原料として鉄源および炭材を層状に堆積させる高炉への原料装入方法において、炭材の内、成形コークスを特定原料とし、特定原料以外の残余の炭材を1バッチで、堆積面の炉口半径をRとして半径方向の 0.2R〜 0.9Rの範囲に凹部を形成するように装入し、次いで凹部に特定原料を装入する高炉への原料装入方法である。
また本発明は、ベルレス型装入装置を用いて高炉内へ原料として鉄源および炭材を層状に堆積させる高炉への原料装入方法において、鉄源の内、焼結鉱を特定原料とし、特定原料以外の残余の鉄源を1バッチで、堆積面の炉口半径をRとして半径方向の 0.2R〜 0.9Rの範囲に凹部を形成するように装入し、次いで凹部に特定原料とコークスとの混合物を装入する高炉への原料装入方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の原料装入方法の一例として、高炉内に粗粒鉱石を装入して凹部を形成し、その凹部に特定原料として細粒鉱石を装入した状態を示す炉内原料堆積層の炉内半径方向の断面図である。図1中のCは1チャージ分のコークス層、1は1バッチ目の粗粒鉱石層、2は2バッチ目の細粒鉱石層を示す。粗粒鉱石層1と細粒鉱石層2とを合わせて1チャージ分の鉱石となる。また高炉中心からの距離は、堆積面の炉口半径Rに対する比率で表わした。つまり中心を0、炉壁をRとして、その中間を比率で表わした。図の上方が炉口である。
【0015】
まずコークスを装入してコークス層Cを形成し、そのコークス層Cの上に鉱石層を形成するにあたって、粗粒鉱石を半径方向の 0.2R〜 0.9Rの範囲に凹部を形成するように装入する。次いで粗粒鉱石層1の凹部に特定原料として細粒鉱石を装入する。こうすることによって、高炉内の中心部や炉壁近傍と比較して中間部の通気抵抗を大きくすることができ、高炉の中心部と炉壁近傍に強いガス流を形成できる。
【0016】
このような原料の装入方法は、ベルレス型装入装置を用いることによって可能である。ベルレス型装入装置は図4に示すように、炉頂に配設した旋回シュート3を介して原料5を炉内へ装入する。旋回シュート3は高炉の中心軸の周囲を旋回するとともに、高炉の中心軸と旋回シュート3とのなす角(以下、傾動角という)θを変更することができる。したがって原料5を装入する際に、旋回シュート3を旋回させながら傾動角θを変更すると、炉内の原料堆積位置を調整できる。すなわち傾動角θを大きくすると原料5は炉壁4に近い方向へ飛び出して炉壁4近傍に堆積し、傾動角θを小さくすると原料5は下方へ飛び出して炉中心部のに堆積する。このようにして傾動角θを変更することによって、炉内半径方向の任意の位置に原料5を装入することができる。
【0017】
旋回シュート3を回転させながら原料5を装入する際に、傾動角θを大きい方から小さい方へ変更すると、原料5は炉壁4側から中心部へ堆積されていく。逆に傾動角θを小さい方から大きい方へ変更すると、原料5は中心部から炉壁4側へ堆積されていく。通常は、原料5が旋回シュート3から飛び出して高炉内の原料堆積面に落下したときに所定の位置に堆積するように、旋回シュート3の傾動角θを数段階に設定(以下、ノッチという)しておき、所定の傾動角θで1回転または複数回転させて装入した後、次の傾動角へ変更するという方法で原料5を装入する。
【0018】
したがって旋回シュート3の傾動角θを設定するノッチを操作することによって、半径方向の 0.2R〜 0.9Rの範囲に凹部を形成することが可能である。
旋回シュート3の傾動角θの変更方法は、通常、傾動角θの大きい方から小さい方へ変更する方法(以下、順傾動装入法という)が採用される。炉内における原料5の堆積面は、炉壁4側が高く中心部が低い、すり鉢状の斜面を形成する。このようにして炉中心部の層厚を小さくして、炉中心部の上昇ガス流を強くしている。したがって順傾動装入法では斜面の上方から原料5を堆積させることになる。
【0019】
傾動角θを小さい方から大きい方へ変更(以下、逆傾動装入法という)すると、原料の堆積面である斜面を下方から堆積させることになる。この場合、先の旋回で堆積面に装入された原料が斜面に沿って炉中心部へ流れ込むのを、次の旋回で装入される原料が防ぐので、順傾動装入法よりも精度良く堆積位置を調整できる。よって傾動角θの変更方法は、逆傾動装入法を用いるのが望ましい。
【0020】
コークスを装入してコークス層Cを形成した後、粗粒鉱石を装入して粗粒鉱石層1を形成する際に、凹部に相当する位置で旋回シュートのノッチの設定を大きく変更することによって凹部を形成する。旋回シュートの傾動については、順傾動装入法および逆傾動装入法のどちらを採用しても良い。ただし逆傾動装入法の方が、より安定した凹部形状を得ることができ、凹部の広さや深さ等も精度良く制御できる。
【0021】
こうして形成された凹部に特定原料として細粒鉱石を装入して細粒鉱石層2を形成すると、細粒鉱石が高炉の中心部や炉壁近傍へ流れ込むことはない。
粗粒鉱石層1の凹部の位置が炉壁に近すぎる場合は、炉壁近傍の通気抵抗が増大して炉壁近傍の上昇ガス流を阻害するため、炉壁付着物が生成する。凹部が高炉の中心に近すぎる場合は、シャフト圧力や羽口圧力の増大あるいは炉心の不活性化等の問題が生じる。そこで凹部を形成する位置について冷間モデルを用いて検討した結果、高炉の半径方向に 0.2R〜 0.9Rの範囲が好適であることを見出した。
【0022】
冷間モデルとして、高炉のシャフト部を模擬的に再現した実験装置を用いて鉱石とコークスの充填層を形成し、下部に設けられた30個の羽口から 200Nm3 /hで空気を流して充填層の上部堆積面における半径方向の各位置の上昇ガス流速を測定した。測定には熱線風速計を使用した。
実験装置の大きさは、下部の羽口近辺の直径690mm ,炉腹部の直径750mm ,炉頂部の直径490mm とし、高さは 1.4mである。これは実機高炉の1/15程度の大きさである。さらに実機の約1/15の縮尺の旋回シュートを設けた。
【0023】
コークスは粒径4〜6mm、粗粒鉱石は粒径1〜3mm、細粒鉱石は粒径 0.5〜1mmである。鉱石の内の粗粒鉱石の質量割合を30%,細粒鉱石の質量割合を70%とした。また鉱石とコークスの質量比は、鉱石/コークス=3.2 とした。
冷間モデルで検討したコークス層C、粗粒鉱石層1および細粒鉱石層2の堆積状態の模式図を図5(a) に示す。粗粒鉱石層1の凹部に形成された細粒鉱石層2の炉壁側の端から炉中心までの距離をr1 とし、距離r1 を変化させて、炉壁近傍の上昇ガス流速(m/秒)を測定した。ここで炉壁近傍とは 0.9R〜Rの範囲であり、この範囲内で3ケ所の上昇ガス流速を測定し、その平均値を算出した。なおRは炉口半径である。
【0024】
その結果を図5(b) に示す。細粒鉱石層2の炉壁側の端から炉中心までの距離r1 が 0.9R以下の範囲では、炉壁近傍の上昇ガス流速はほぼ一定である。しかしr1 が 0.9Rを超えると炉壁近傍の上昇ガス流速は低下する。
冷間モデルで検討した他の堆積状態の模式図を図6(a) に示す。粗粒鉱石層1の凹部に形成された細粒鉱石層2の中心側の端から炉中心までの距離をr2 とし、距離r2 を変化させて、炉中心部の上昇ガス流速(m/秒)を測定した。ここで炉中心部とは0〜 0.1Rの範囲であり、この範囲内で3ケ所の上昇ガス流速を測定し、その平均値を算出した。
【0025】
その結果を図6(b) に示す。細粒鉱石層2の炉中心側の端から炉中心までの距離r2 が 0.2R以上の範囲では、炉中心部の上昇ガス流速はほぼ一定である。しかしr2 が 0.2R未満では炉中心部の上昇ガス流速は低下する。
冷間モデルによる検討結果から、粗粒鉱石層1の 0.2R〜 0.9Rの範囲に凹部を形成し、その凹部に特定原料として細粒鉱石を装入して細粒鉱石層2を形成すると、炉壁近傍および炉中心部の上昇ガス流速の低下を防止できることが分かる。ただし 0.2R〜 0.9Rの範囲の全領域に細粒鉱石層2を形成する必要はなく、 0.2R〜 0.9Rの範囲の一部に細粒鉱石層2を形成すれば良い。
【0026】
この効果は細粒鉱石層2を 0.2R〜 0.9Rの範囲に形成することによって得られるものであるから、細粒鉱石層2には細粒鉱石のみを使用する必要はなく、細粒鉱石と粗粒鉱石を混合したものを使用しても良い。こうすることによって細粒鉱石の使用量を変更するときも、細粒鉱石と粗粒鉱石の質量比を変えることなく実施でき、旋回シュート3の操作に大きな影響を与えることなく操業できる。
【0027】
細粒鉱石の粒径は、従来の高炉操業では生産量を増加するために5mm以上の鉱石を使用しているが、本発明では5mm以下の細粒鉱石を使用できる。ただし粒径2mm未満の鉱石は旋回シュート3から炉内へ落下するときに、上昇ガス流によって飛散して、所定の位置に装入するのが困難になる。したがって細粒鉱石の粒径は2〜5mmの範囲が好適範囲である。
【0028】
以上、粗粒鉱石を装入して半径方向の 0.2R〜 0.9Rの範囲に凹部を形成し、その凹部に特定原料として細粒鉱石を装入する例について説明したが、特定原料として他の原料を凹部に装入しても同様の効果が得られる。
たとえば鉄源としての鉱石を粗粒鉱石と細粒原料とに分離せず、鉱石を装入して半径方向の 0.2R〜 0.9Rの範囲に凹部を形成し、その凹部に特定原料としてペレット,還元鉄,スクラップ等を装入すれば、特定原料が炉中心部や炉壁部に流れ込むのを防止でき、その結果、高炉内の通気性の悪化を防止できる。
【0029】
炭材についても、特定原料を分離して、残余の原料と特定原料を装入する際に本発明の装入方法を適用できる。たとえば炭材としてのコークスを粗粒コークスと細粒コークスとに分離し、粗粒コークスを装入して半径方向の 0.2R〜 0.9Rの範囲に凹部を形成し、その凹部に特定原料として細粒コークスを装入しても、特定原料が炉中心部や炉壁部に流れ込むのを防止できる。
【0030】
また粗粒コークスと細粒コークスとに分離せず、コークスを装入して半径方向の 0.2R〜 0.9Rの範囲に凹部を形成し、その凹部に特定原料として成形コークスを装入すれば、特定原料が炉中心部や炉壁部に流れ込むのを防止でき、その結果、高炉内の通気性の悪化を防止できる。
特定原料の装入量が少ない場合は、特定原料以外の残余の原料で半径方向の 0.2R〜 0.9Rの範囲に凹部を形成し、特定原料と特定原料以外の残余の原料との混合物をその凹部に装入しても良い。
【0031】
【実施例】
容量5153m3 、羽口40本のベルレス型高炉を用いて、図1に示すように、半径方向の 0.2R〜 0.9Rの範囲に凹部を有するように粗粒鉱石層1を形成し、その凹部に細粒鉱石層2を形成した。旋回シュートの傾動は順傾動装入法と逆傾動装入法を用い、特定原料すなわち細粒鉱石として粒径2〜5mmの小粒径焼結鉱を使用した。
【0032】
粗粒鉱石および細粒鉱石を装入するために旋回シュートを傾動する際のノッチ設定を表1に示す。表1において発明例1の粗粒鉱石装入のノッチ設定が14から6へ大きく変更される箇所、および発明例2の粗粒鉱石装入のノッチ設定が6から14へ大きく変更される箇所で凹部が形成される。表1中で同じノッチ設定が2回繰り返し表示されている箇所は、同一設定で旋回シュートが2回転することを示している。ノッチ設定と傾動角の関係を表2に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003729026
【0034】
【表2】
Figure 0003729026
【0035】
比較例1として、図2に示すように、順傾動装入法によって粗粒鉱石を装入して炉壁近傍に平坦部を有するように粗粒鉱石層1を形成し、その平坦部に細粒鉱石を装入して細粒鉱石層2を形成した。
それぞれの原料装入方法について、高炉の操業における高炉シャフト部の圧力損失を調査した。
【0036】
銑鉄1トンあたりの細粒鉱石の装入量(kg/t-p)とシャフト部の圧力損失(kPa /m)の関係を図3に示す。発明例1および発明例2は、比較例1と比べて圧力損失が小さいことが分かる。
発明例1と発明例2を比べると、発明例2の方が圧力損失が大きい。これは、発明例2で用いた順傾動装入法では、凹部を形成するためにノッチを大きく変更するときに原料が散乱して明確な凹部が形成されず、従って凹部に装入した特定原料すなわち細粒鉱石の一部が高炉の中心部あるいは炉壁近傍へ流れ込んだためである。しかし発明例2と比較例1を比べると、発明例2の方が圧力損失が小さくなっているのは明らかである。
【0037】
以上から本発明によって細粒鉱石を大量に使用しても通気性の悪化を抑制できることが分かった。
なお、ここでは特定原料として細粒鉱石を原料堆積面の凹部に装入する例について説明したが、細粒鉱石と粗粒鉱石とを混合した混合物を特定原料として凹部に装入しても良い。
【0038】
また、ここでは細粒鉱石として小粒径焼結鉱を使用する例について説明したが、特定原料として小粒径の鉱石やペレット等を使用しても同様の効果が得られる。また鉱石原料を篩い分けした篩い下や、いわゆる返鉱等を使用しても良い。
次に特定原料として、ペレット,還元鉄,スクラップ,成形コークスおよび焼結鉱とコークスとの混合物を装入して、高炉のシャフト部の圧力損失(kPa /m)を測定した。その結果は表3に示す通りである。なおシャフト部の圧力損失(kPa /m)は、下記の式で算出される値である。
【0039】
シャフト部の圧力損失(kPa /m)=(P1 −P2 )/L
1 :羽口から吹き込む熱風の送風圧(kPa )
2 :炉頂圧(kPa )
L :送風圧の測定位置と炉頂圧の測定位置との距離(m)
【0040】
【表3】
Figure 0003729026
【0041】
まず、表1の発明例1と同一のノッチ設定で鉱石を装入して鉱石層に凹部を形成し、その凹部に特定原料としてペレットを装入した。これを発明例3とする。また、表1の比較例1と同一のノッチ設定で凹部を形成せずに鉱石を装入した後、特定原料としてペレットを装入した。これを比較例2とする。
発明例3および比較例2ともに、ペレットは5〜25mmの篩で篩い分けしたものを使用し、その装入量は銑鉄1トンあたり 100kgであった。発明例3と比較例2を比べると、シャフト部の圧力損失は発明例3の方が小さかった。
【0042】
さらに表1の発明例1と同一のノッチ設定で鉱石を装入して鉱石層に凹部を形成し、その凹部に特定原料として還元鉄を装入した。これを発明例4とする。また、表1の比較例1と同一のノッチ設定で凹部を形成せずに鉱石を装入した後、特定原料として還元鉄を装入した。これを比較例3とする。
発明例4および比較例3ともに、還元鉄は粒径15〜20mmのものを使用し、その装入量は銑鉄1トンあたり 100kgであった。発明例4と比較例3を比べると、シャフト部の圧力損失は発明例4の方が小さかった。
【0043】
さらに表1の発明例1と同一のノッチ設定で鉱石を装入して鉱石層に凹部を形成し、その凹部に特定原料としてスクラップを装入した。これを発明例5とする。また、表1の比較例1と同一のノッチ設定で凹部を形成せずに鉱石を装入した後、特定原料としてスクラップを装入した。これを比較例4とする。
発明例5および比較例4ともに、スクラップは工場内で発生する鋼材屑を15〜20mmの大きさに切断したものを使用し、その装入量は銑鉄1トンあたり 100kgであった。発明例5と比較例4を比べると、シャフト部の圧力損失は発明例5の方が小さかった。
【0044】
さらに表1の発明例1と同一のノッチ設定でコークスを装入してコークス層に凹部を形成し、その凹部に特定原料として成形コークスを装入した。これを発明例6とする。また、表1の比較例1と同一のノッチ設定で凹部を形成せずにコークスを装入した後、特定原料として成形コークスを装入した。これを比較例5とする。
【0045】
発明例6および比較例5ともに、成形コークスの装入量は銑鉄1トンあたり60kgであった。発明例6と比較例5を比べると、シャフト部の圧力損失は発明例6の方が小さかった。
さらに表1の発明例1と同一のノッチ設定で鉱石を装入して鉱石層に凹部を形成し、その凹部に特定原料として焼結鉱とコークスとの混合物を装入した。これを発明例7とする。また、表1の比較例1と同一のノッチ設定で凹部を形成せずに鉱石を装入した後、特定原料として焼結鉱とコークスとの混合物を装入した。これを比較例6とする。
【0046】
発明例7および比較例6ともに、焼結鉱は粒径5mm以上,コークスは粒径30mm以上のものを質量比率で焼結鉱:コークス=4:1になるように混合した混合物を使用し、その装入量は銑鉄1トンあたり60kgであった。発明例7と比較例6を比べると、シャフト部の圧力損失は発明例7の方が小さかった。
表3から明らかなように、各特定原料を装入する際に、本発明の装入方法を用いる方が、いずれも高炉のシャフト部の圧力損失が小さかった。これは、本発明の装入方法を用いることによって、各特定原料が半径方向の 0.2R〜 0.9Rの範囲に安定して装入されたことによって、炉中心部や炉壁部への特定原料の流れ込みが発生せず、高炉内の上昇ガス流を適正に維持できたためである。
【0047】
【発明の効果】
本発明では、細粒鉱石等の特定原料を大量に使用しても高炉内の通気性を阻害せず、安定した操業を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で原料を装入した状態を示す炉内原料堆積層の断面図である。
【図2】炉壁近傍に細粒鉱石を装入した例を示す概略図である。
【図3】銑鉄1トンあたりの細粒鉱石の装入量とシャフト部の圧力損失との関係を示すグラフである。
【図4】ベルレス型装入装置と高炉炉頂部の要部を示す断面図である。
【図5】冷間モデルで検討した原料の堆積状態の模式図と上昇ガス流速の測定結果のグラフであり、(a) はコークス層、粗粒鉱石層、細粒鉱石層の堆積状態を示す模式図、(b) は距離r1 と炉壁近傍ガス流速との関係を示すグラフである。
【図6】冷間モデルで検討した原料の堆積状態の模式図と上昇ガス流速の測定結果のグラフであり、(a) はコークス層、粗粒鉱石層、細粒鉱石層の堆積状態を示す模式図、(b) は距離r2 と炉中心部ガス流速との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
C コークス層
1 粗粒鉱石層
2 細粒鉱石層
3 旋回シュート
4 炉壁
5 原料
θ 傾動角

Claims (4)

  1. ベルレス型装入装置を用いて高炉内へ原料として鉄源および炭材を層状に堆積させる高炉への原料装入方法において、前記鉄源の内、細粒鉱石、ペレット、還元鉄およびスクラップから選ばれる1種以上を特定原料とし、特定原料以外の残余の鉄源を1バッチで、堆積面の炉口半径をRとして半径方向の 0.2R〜 0.9Rの範囲に凹部を形成するように装入し、次いで前記凹部に前記特定原料を装入することを特徴とする高炉への原料装入方法。
  2. 前記特定原料に細粒鉱石が含まれる場合に、前記細粒鉱石の粒径が2〜5mmであることを特徴とする請求項に記載の高炉への原料装入方法。
  3. ベルレス型装入装置を用いて高炉内へ原料として鉄源および炭材を層状に堆積させる高炉への原料装入方法において、前記炭材の内、成形コークスを特定原料とし、特定原料以外の残余の炭材を1バッチで、堆積面の炉口半径をRとして半径方向の 0.2R〜 0.9Rの範囲に凹部を形成するように装入し、次いで前記凹部に前記特定原料を装入することを特徴とする高炉への原料装入方法。
  4. ベルレス型装入装置を用いて高炉内へ原料として鉄源および炭材を層状に堆積させる高炉への原料装入方法において、前記鉄源の内、焼結鉱を特定原料とし、特定原料以外の残余の鉄源を1バッチで、堆積面の炉口半径をRとして半径方向の 0.2R〜 0.9Rの範囲に凹部を形成するように装入し、次いで前記凹部に前記特定原料とコークスとの混合物を装入することを特徴とする高炉への原料装入方法。
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