JP3728869B2 - インクジェットヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッドに関し、詳しくは、連続的に形成された複数のインク噴射用のチャンネルと、該複数のチャンネル間に設けられチャンネル内のインクに圧力を与えるアクチュエータと、隣接するチャンネルを連続して高速駆動するための駆動回路と、を用いたインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、連続的に形成された複数のインク噴射用のノズルを持つチャンネルと、該チャンネルに対応して設けられた圧力発生素子および該圧力発生素子に電圧を印加するための電極からなるアクチュエータとを備え、前記アクチュエータの電極に印加することによりチャンネル内に圧力変化を生じさせて前記ノズルよりインクを噴射するインクジェットヘッドの駆動回路は知られている。
【0003】
かかるインクジェットヘッド1は、例えば図3に示すように、一体的に立設され分極された圧電材料で少なくとも一部が構成されたチャンネル壁11a,11b,11c,11d,11e(圧力発生素子)を有する圧電素子基板2と、該圧電素子基板2の上側に接着層4(図5参照)を介して固定されるカバープレート3とを備え、圧電素子基板2、液室上壁となるカバープレート3と、チャンネル壁11a〜11eによって区画されて、印字のための噴射されるインクが供給されるチャンネル8a,8b,8c,8d,8e,8fが多数(例えば64個)溝状に形成されている。
【0004】
各チャンネル8a〜8fは、圧電素子基板2の後端部に近いところで浅くなっている。カバープレート3には、インク導入口21、それに接続したマニホールド22が形成されている。そして、各チャンネル8の上面がカバープレート3で覆われることにより、各チャンネル8a〜8fの後端部がマニホールド22、インク導入口21を介して、インク供給源であるインクカートリッジ(図示せず)に接続される。
【0005】
圧電素子基板2及びカバープレート3の前面にはノズルプレート31が接着固定され、該ノズルプレート31には各チャンネル8a〜8fに対応してノズル孔32が各々形成されている。
【0006】
各チャンネル8a〜8fのチャンネル壁11a〜11eの両面には、該チャンネル壁11a〜11eの圧電材料に分極方向とほぼ直交する駆動電界を発生させるために電極13が各々設けられている。基板41には、各チャンネル11a〜11eに対応した導電パターン42が各々形成され、該各導電パターン42と各電極13とはワイヤボンディングによって導線43で各々接続されている。そして、導電パターン42には、図4に示すように、インク噴射を駆動制御するヘッドドライバ51が連係され、該ヘッドドライバ51に制御信号がライン53を通じて入力されるようになっている。また、ヘッドドライバ51には、電源電圧Vがライン54を通じて印加され、また、接地のためにライン55が設けられている。そして、図5及び図6において、各チャンネル8a〜8fで示し、その間のチャンネル壁を11a〜11eで示し、各チャンネルに対応して設けられた電極を13a1,13a2,13b1,13b2,13c1,13c2,13d1,13d2,13e1,13e2,13f1,13f2で示している。図5は各電極13a1〜13f2に電圧を印加していない状態を示すインクジェットヘッド1の縦断面図であり、図6は電極13c1,13c2に所定のON電圧を印加した状態を示すインクジェットヘッド1の縦断面図である。
【0007】
次に、インクジェットヘッド1のインク噴射動作について簡単に説明する。電極13c1と電極13c2に所定のON電圧を印加し、電極13b2と電極13d1は接地した状態にすると、圧電厚み滑り効果により、前記チャンネル壁11b,11cが例えば図5から図6に示すように変形し、チャンネル容積が変化して、前記チャンネル8cのインクに圧力を与えてインクを噴射する。
【0008】
図7は上記構成のインクジェットヘッドの等価回路と駆動回路との接続関係を示す回路図である。隣り合う電極13a2及び電極13b1と当該両電極に挟まれたチャンネル壁11aとにより静電容量成分C(コンデンサ成分)が形成され、隣り合う電極13b2及び電極13c1と当該両電極に挟まれたチャンネル壁11bとにより静電容量成分Cが形成され、隣り合う電極13c2及び電極13d1と当該両電極に挟まれたチャンネル壁11cとにより静電容量成分Cが形成され、隣り合う電極13d2及び電極13e1と当該両電極に挟まれたチャンネル壁11dとにより静電容量成分Cが形成され、隣り合う電極13e2と電極13f1と当該両チャンネルに挟まれたチャンネル壁11fにより静電容量成分Cが形成される。
【0009】
また、電極13a1と電極13a2に駆動回路14aが接続され、電極13b1と電極13b2に対し駆動回路14bが接続され、電極13c1と電極13c2に対し駆動回路14cが接続され、電極13d1と電極13d2に対し駆動回路14dが接続され、電極13e1と電極13e2に対し駆動回路14e接続され、電極13f1と電極13f2に対し駆動回路14fが接続されている。
【0010】
次に、図8を参照して駆動回路と各電極の電気的構成を詳述する。
【0011】
図8に示すように、駆動回路14cでは、2つのスイッチング素子である第1トランジスタQ1及び第2トランジスタQ2が電源V(電圧E(V))とグランド側の間に直列接続され、第1のトランジスタQ1と第2のトランジスタQ2との接続点P1に抵抗R1(抵抗値R(Ω))の一端を接続し、抵抗R1の他端を電極13c1及び電極13c2に接続して、第1のトランジスタQ1を電極13c1及び電極13c2への電圧印加の立ち上げ用(充電用)とし、第2のトランジスタQ2を立ち下げ用(放電用)としている。即ち、トランジスタQ1とトランジスタQ2は、一方がONのとき他方がOFFに成るように選択的にベースBにON電流が印加される。
【0012】
また、駆動回路14cの下方に示す駆動回路14bでは、2つのスイッチング素子である第1トランジスタQ3及び第2トランジスタQ4が電源V(電圧E(V))とグランド側の間に直列接続され、第1のトランジスタQ3と第2のトランジスタQ4との接続点P2に抵抗R2(抵抗値R(Ω))の一端を接続し、抵抗R2の他端を電極13b1及び電極13b2に接続して、第1のトランジスタQ3を電極13b1及び電極13b2への電圧印加の立ち上げ用(充電用)とし、第2のトランジスタQ4を立ち下げ用(放電用)としている。
【0013】
さらに、駆動回路14cの上方に示す駆動回路14dでは、2つのスイッチング素子である第1トランジスタQ5及び第2トランジスタQ6が電源V(電圧E(V))とグランド側の間に直列接続され、第1のトランジスタQ5と第2のトランジスタQ6との接続点P3に抵抗R3(抵抗値R(Ω))の一端を接続し、抵抗R3の他端を電極13d1及び電極13d2に接続して、第1のトランジスタQ5を電極13d1及び電極13d2への電圧印加の立ち上げ用(充電用)とし、第2のトランジスタQ6を立ち下げ用(放電用)としている。
【0014】
上記のように、静電容量成分Cが直列接続されているインクジェットヘッドを駆動するため、図示外の制御装置からのON電流がトランジスタQ1のベースBに入力されると(このときトランジスタQ2は、OFF状態)、トランジスタQ1にコレクタ電流Iq1が流れ、トランジスタQ1のコレクタcと抵抗Rを介して接続されているB点の電圧が狽g買激xル(E(V))となり、電極13C1及び電極13C2にE(V)が印加される。これによって図6に示すように、アクチュエータ壁11b、11cがそれぞれチャンネル8c側に変形して、インクに圧力を与え、インクを噴射する。そして、トランジスタQ1をOFFし、トランジスタQ2のベースBにON電流が入力されると、印加した電圧が狽k買激xル(0(V))に落ちる。その後、次にインクを噴射すべきチャンネルの電極に電圧を印加する。
【0015】
特に、隣接するチャンネル8c、8dを連続駆動する場合には、両チャンネル間のアクチュエータ壁が共有されているため、直線状態に復帰した後でなければ、次のチャンネルは図6と同様の変形をすることができない。したがって、アクチュエータ壁が機械的な変形、復帰、変形をする周期で、インクの噴射間隔が決定される。
【0016】
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、隣接するチャンネルを連続して高速駆動するための駆動回路を有するインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1に記載の発明は、連続的に形成された複数のインク噴射用のチャンネルと、これら複数のチャンネルの各々に対応して設 けられたノズル孔と、前記複数のチャンネル間に設けられチャンネル内のインクに圧力を与えるアクチュエータと、このアクチュエータに電圧を印加することによって前記チャンネル内に圧力変化を生じさせて前記ノズル孔よりインクを噴射させる駆動回路とを備えたインクジェットヘッドにおいて、前記駆動回路は、前記複数のチャンネルのうち隣接する両チャンネル内のインクを連続して噴射するとき、両チャンネル間のアクチュエータに、一方のチャンネルのインクに噴出に寄与する圧力を与えるようにアクチュエータを変形させる駆動電圧を印加し、その後、そのアクチュエータを復帰させる駆動電圧を印加することによって他方のチャンネルのインクに噴出に寄与する圧力を与えるものであるとともに、隣接する一方のチャンネルからインクを噴射するための駆動電圧を印加する期間の後半に重複して、他方のチャンネルからインクを噴射するための駆動電圧の印加を開始する。
【0018】
つまり、隣接する両チャンネル間のアクチュエータを駆動して一方のチャンネルからインクを噴射した後、アクチュエータが復帰する動作を利用して他方のチャンネルからインクを噴射することで、インクの噴射間隔を短くするものである。すなわち、アクチュエータ壁をその一方の側面の電極に電圧を印加して変形させ一方のチャンネルからインクを噴射した後、その電圧を維持した状態で、アクチュエータ壁の他方の側面の電極に電圧を印加すると、アクチュエータ壁は、両側面に同電圧が印加されることで復帰することから、その復帰動作に基づいて短い噴射間隔で他方のチャンネルから噴射することができる。
【0019】
また、請求項2に記載のように、前記アクチュエータは、複数のチャンネルを形成するようにその複数のチャンネル間に設けられチャンネル壁であることが望ましい。これにより、チャンネル内に特別なアクチュエータを設けることなくインクジェットヘッドを構成することができる。
【0020】
また、請求項3に記載のように、前記駆動回路は、インクを噴射しようとするチャンネルの両側のチャンネル壁に対して駆動電圧を印加するものであって、チャンネル内のインクに対して両側のチャンネル壁から圧力を与えることが望ましい。これにより、インクに大きな噴射圧力を与えることができるだけでなく、隣接する両チャンネルが連続駆動される場合、両チャンネル間のアクチュエータ壁が復帰する動作と、それと対向するアクチュエータ壁が変形する動作とで共同してインクに圧力を与えることになり、隣接するチャンネルが連続して駆動されない場合において、アクチュエータ壁が復帰した際の誤噴射を防止することができる。
【0021】
また、請求項4に記載のように、請求項2又は3に記載の構成において、前記アクチュエータ壁の少なくとも一部は、分極処理された圧電材料であり、その圧電材料のチャンネル側両側面に、分極方向と直角方向に駆動電界を発生するための電極を有することが望ましい。これにより、請求項2又は3に記載の構成は、一層簡単にインクジェットヘッドを構成することができる。
【0022】
【0023】
また、請求項5に記載のように、前記駆動回路は、2個のスイッチング素子を電源側とグランド側の間に直列接続し、その接続点を前記電極へ接続して、一方のスイッチング素子を該電極への電圧印加の立ち上げ用とし、他方のスイッチング素子を印加電圧の立ち下げ用とし、これらのスイッチング素子の各々と並列に、逆バイアス保護用の保護ダイオードを接続するとともに、該保護ダイオードの最大定格の平均整流電流I0 が次の式を満たしていることが望ましい。
【0024】
I0≧E×C×f×2(A)
E:電源電圧(V)
C:圧力発生素子チャンネル壁の静電容量(F)
f:最大印字周波数(Hz)
このように、保護ダイオードによってスイッチング素子に過大な逆バイアス電圧が作用するのを防止でき、スイッチング素子の破壊を防止することが可能となる。また、保護ダイオードの最大定格平均整流電流I0が上記の条件を満たしているので、保護ダイオードの破壊も防止することができる。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
また、請求項6記載のように、前記保護ダイオードの最大定格の尖頭電流IFMが次の式を満たしていることが望ましい。
【0029】
IFM≧2(E−EF)/(2R+RON) (A)
E:電源電圧(V)
EF:保護ダイオードの順方向電圧降下R:保護ダイオードから電極に至るまでの駆動回路のインピーダンスの抵抗成分(Ω)
RON:トランジスタのオン抵抗(Ω)
これにより、保護ダイオードの破壊防止効果が一層高まる。
【0030】
また、請求項7に記載のように、前記チャンネルは、隣接したチャンネルが異なったグループに属するように、複数のグループ単位に分け、前記グループ毎に駆動電圧を印加するることが望ましい。つまり、隣接したチャンネルは、一方のチャンネルを駆動した後アクチュエータを復帰させて、他方のチャンネルを駆動することで、両者同時には駆動できない。このため、隣接したチャンネルが異なったグループに属するように、複数のチャンネルを複数のグループ単位に分け、グループ毎に駆動電圧を印加することで、複数のチャンネルの全部を順次駆動することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
インクジェットヘッド自体は前述したものと同様の構成であり、連続的に形成された複数のインク噴射用のノズルを持つチャンネルと、該チャンネルに対応して設けられた圧力発生素子および該圧力発生素子に電圧を印加するための電極からなるアクチュエータとを備え、前記アクチュエータの電極に駆動電圧を印加することによりチャンネル内に圧力変化を生じさせて前記ノズルよりインクを噴射するようになっている。
【0033】
本実施の形態において、駆動回路14cは、電極13c1と電極13c2に所定のON電圧(図1010のB)を印加し、電極13b2と電極13d1は接地した状態にすると、圧電厚み滑り効果により、チャンネル壁11b,11cが例えば図5から図6に示すようにチャンネル8c内に向け中央を突出させるように変形し、チャンネル8cのインクに圧力を与えてインクを噴射する。ここまでは、前述したものと同様であるが、本実施の形態では、上記チャンネル8cと隣接したチャンネル8dからインクを噴射する場合、図10に示すように、上記の電圧Bを印加する期間の後半(電圧Bの立ち上がり後t時間後)で、チャンネル8dの電極13d1,13d2に電圧Cを印加する。この結果、チャンネル壁11cは、その両側の電極13c2,13d1から同電圧が印加されることとなって、図11に示すように直線状態に復帰する。同時にチャンネル8dの他方のチャンネル壁11dは、電極13d2に印加された電圧により、チャンネル8d側に変形する。つまり、チャンネル8d内のインクは、直線状態に復帰したチャンネル壁11cと内側へ変形したチャンネル壁11dとにより、両側から圧力が与えられ、大きな圧力で噴射される。
【0034】
同様に、そのチャンネル8dに隣接するチャンネル8eに対しても、上記電圧Cに一部重複して電圧Aを印加することで、そのチャンネル8e内のインクを噴射することができる。
【0035】
電圧が狽k買激xル(0(V))になると、例えば、チャンネル壁11bが直線状態に復帰し、噴射することを意図していないチャンネル8bに対してインクに少しの圧力が与えられるが、片側だけからの圧力ではインクを噴射させないように設定されている。
【0036】
上記構成であるから、隣接するチャンネルは、同時にはインクを噴射することができない。このため、複数のチャンネルを、隣接するチャンネルが異なったグループに属するように、複数のグループ単位に分けて駆動する。例えば2つおきにチャンネルを分けて、3グループとする。駆動回路は、チャンネル8bと8eが属するグループ、チャンネル8cが属するグループ、チャンネル8dが属するグループをそれぞれ上記の噴射間隔tで図10のように相互にずれたタイミングで駆動する。このようにすることで、1つのグループの全チャンネル壁が同時に復帰しても、他のグループのどのチャンネルも片側だけから圧力を受けるようにでき、インクを誤噴射することはない。
【0037】
上記のように、隣接するチャンネル間のチャンネル壁の変形、復帰動作を利用して、両チャンネルから連続してインクを噴射することができ、インクの噴射間隔を短くすることができる。異なるグループのチャンネルどうしは、相互に影響なく駆動することができるから、上記の噴射間隔で、ヘッドの記録速度が決定される。また、チャンネル間に空間を設けないから、チャンネルを高密度に配置でき、高密度の記録を可能にする。
【0038】
本実施の形態の場合、駆動回路は、前述した図8のものを使用すると、トランジスタQ1がONされ(図9(a)のT1)、電極13C1及び電極13C2にE(V)が印加された状態(図9(a)のT1とT2の間の状態)で、隣接するチャンネルを駆動するために、トランジスタQ3がONされ、C点の電圧が狽k買激xル(0(V))から狽g買激xル(E(V))に上昇する図9(a)のT2)。すなわち電極13b1及び電極13b2の電位がE(V)になって、C点がE(V)の状態になる。したがって電極13b2の電位はグランドに対してE(V)高く、電極13C1の電位は電極13b2の電位に対してE(V)高いので、結果として、グランドに対して電極13c1の電位は2E(V)となり、トランジスタQ1に対しては、2E−E=E(V)の逆バイアス電圧がかかることになる。したがって、逆バイアスE(V)による貫通電流(ラッチアップ)により、B点に接続された電極13c1及び電極13c2に対するスイッチング素子であるトランジスタQ1が破壊されるという問題がある。
【0039】
さらに、B点の電圧が狽g買激xル(E(V))のときに、即ち、電極13C1及び電極13C2にE(V)が印加されているときに、A点の電位が狽k買激xル(0(V))から狽g買激xル(E(V))に上昇すると、電極13d1及び電極13d2の電位がE(V)になる。したがって、電極13d1の電位はグランドに対してE(V)高く、電極13C2の電位は電極13d1の電位に対してE(V)高いので、結果として、グランドに対して電極13c2の電位は2E(V)となり、トランジスタQ1に対しては、2E−E=E(V)の逆バイアス電圧がかかることになる。したがって、前記同様に逆バイアスE(V)による貫通電流(ラッチアップ)により、B点に接続された電極13c1及び電極13c2に対するスイッチング素子であるトランジスタQ1が破壊されるという問題がある。
【0040】
逆に、B点の電圧が狽k買激xル(0(V))にあるとき(図9(b)のT3とT4の間の状態)、即ち、図示外の制御装置からのON電流がトランジスタQ2のベースBに入力され、トランジスタQ2にコレクタ電流Iq2が流れ、トランジスタQ2のコレクタcと抵抗Rを介して接続されているB点の電圧が狽k買激xル(0(V))であるとき、電極13C1及び電極13C2の電位は0(V)である。その状態でC点の電圧が狽g買激xル(E(V))のときは、電極13b1及び電極13b2の電位はE(V)である。そして、駆動回路14bのトランジスタQ4がONされるとC点の電位は狽g買激xル(E(V))から狽k買激xル(0(V))に下降する。その瞬間においては、まだ、電極13b2に対して電極13c1の電位がE(V)低いので、電極13c1はグランドに対してE(V)低いことになる(図9(b)のT4)。
【0041】
したがって、B点の電位がグランドに対してE(V)低いので、トランジスタQ2には−E(V)の逆バイアス電圧がかかることになり、トランジスタQ2が破壊されることになる。
【0042】
また、上記同様にB点の電圧が狽k買激xル(0(V))にあるとき(図9(b)のT3とT4の間の状態)、即ち、電極13C1及び電極13C2の電位は0(V)のとき(図9(b)のT3とT4の間の状態)、その状態でA点の電圧が狽g買激xル(E(V))のときは、電極13d1及び電極13d2の電位はE(V)である。そして、駆動回路14dのトランジスタQ6がONされ、トランジスタQ5がOFFされると、A点電位は狽g買激xル(E(V))から狽k買激xル(0(V))に下降する。その瞬間においては、まだ、電極13d1に対して電極13c2の電位がE(V)低いので、電極13c2はグランドに対してE(V)低いことになる(図9(b)のT4)。
【0043】
したがって、B点の電位がグランドに対して(V)低いので、トランジスタQ2には−E(V)の逆バイアス電圧がかかることになり、トランジスタQ2が破壊されることになる。
【0044】
尚、図9においては、トランジスタQ1,Q2のON時における電圧降下分は0Vと仮定している。
【0045】
図1は本発明の実施の形態の駆動回路を示す。図1に示すように、圧力発生素子を構成するチャンネル壁11aには電極13a2と13b1とが設けられ、チャンネル壁11bには電極13b2と13cとが設けられ、チャンネル壁11cには電極13c2と13d1とが設けられ、チャンネル壁11dには電極13d2と13e1とが設けられている。これらの壁11a,11b,11c,11dが各々等価的に静電容量Cとなり、これらが電極13b1,13c1,13c2,13d1,13d2により直列に接続されている。
【0046】
駆動回路14cでは、2つのスイッチング素子である第1トランジスタQ1及び第2トランジスタQ2が電源V(電圧E(V))とグランド側の間に直列接続されている。このとき、第1トランジスタQ1のコレクタCと第2トランジスタQ2のコレクタCが接続点P1で接続されており、当該接続点P1に抵抗R1(抵抗値R(Ω))の一端が接続され、抵抗R1の他端は電極13c1及び電極13c2に接続されている。なお、前記抵抗R1は、後述する保護ダイオードのD1のアノードと保護ダイオードD2のカソードの接続点から電極13c1及び電極13c2までのインピーダンスの抵抗成分を表しているものであるが、説明の便宜上一つの抵抗R1として説明しているものである。
【0047】
第1のトランジスタQ1が電極13c1及び電極13c2への電圧印加の立ち上げ(充電)を制御し、第2のトランジスタQ2が電極13c1及び電極13c2の立ち下げ(放電)を制御する。また、トランジスタQ1とトランジスタQ2は、一方がONのとき他方がOFFに成るように選択的に各々のベースBにON電流が印加される。即ち、第1のトランジスタQ1のベースBにON信号電流が入力されると、第1のトランジスタQ1のコレクタCに電流Iq1が流れ、第1のトランジスタQ1がON状態になる。このとき、第2のトランジスタQ2はOFF状態に保たれている。この制御は、図示外の制御装置が第1のトランジスタQ1のベースBと第2のトランジスタQ2のベースBに選択的に所定のタイミングでON信号電流を流すことにより行われる。第2のトランジスタQ2がONとなった場合には、当該第2のトランジスタQ2のコレクタにコレクタ電流Iq2が流れて電極13c1及び電極13c2より静電容量Cにチャージされた電荷が放電される。
【0048】
また、第1のトランジスタQ1と第2のトランジスタQ2との接続点P1と抵抗R1との間には、保護ダイオードD1のアノードが接続され、当該保護ダイオードD1のカソードは電源Vに接続され、第1のトランジスタQ1にかかる逆バイアスを電流Id1として電源Vへ逃がすように構成されている。また、前記接続点P1と抵抗R1との間には保護ダイオードD2のカソードが接続され、当該保護ダイオードD2のカソードはグランドに接続されており、第2のトランジスタQ2にかかる逆バイアスを電流Id2として逃がすように構成されている。
【0049】
また、図1に示すように、駆動回路14bでは、2つのスイッチング素子である第1トランジスタQ3及び第2トランジスタQ4が電源V(電圧E(V))とグランド側の間に直列接続されている。このとき、第1トランジスタQ3のコレクタCと第2トランジスタQ4のコレクタCが接続点P2で接続されており、当該接続点P2に抵抗R2(抵抗値R(Ω))の一端が接続され、抵抗R2の他端は電極13b1及び電極13b2に接続されている。なお、前記抵抗R2は、後述する保護ダイオードのD3のアノードと保護ダイオードD4のカソードの接続点から電極13b1及び電極13b2までのインピーダンスの抵抗成分を表しているものであるが、説明の便宜上一つの抵抗R2として説明しているものである。
【0050】
第1のトランジスタQ3が電極13b1及び電極13b2への電圧印加の立ち上げ(充電)を制御し、第2のトランジスタQ4が電極13b1及び電極13b2の立ち下げ(放電)を制御する。また、トランジスタQ3とトランジスタQ4も、一方がONのとき他方がOFFに成るように選択的に各々のベースBにON電流が印加される。即ち、第1のトランジスタQ3のベースBにON信号電流が入力されると、第1のトランジスタQ3のコレクタCに電流Iq3が流れ、第1のトランジスタQ3がON状態になる。このとき、第2のトランジスタQ4はOFF状態に保たれている。この制御は、図示外の制御装置が第1のトランジスタQ3のベースBと第2のトランジスタQ4のベースに選択的に所定のタイミングでON信号電流を流すことにより行われる。
【0051】
第2のトランジスタQ4がONとなった場合には、当該第2のトランジスタQ4のコレクタにコレクタ電流Iq4が流れて電極13b1及び電極13b2より静電容量Cにチャージされた電荷が放電される。
【0052】
また、第1のトランジスタQ3と第2のトランジスタQ4との接続点P2と抵抗R2との間には、保護ダイオードD3のアノードが接続され、当該保護ダイオードD3のカソードは電源Vに接続され、第1のトランジスタQ3にかかる逆バイアスを電流Id3として電源Vへ逃がすように構成されている。また、前記接続点P2と抵抗R2との間には保護ダイオードD4のカソードが接続され、当該保護ダイオードD4のカソードはグランドに接続されており、第2のトランジスタQ4にかかる逆バイアスを電流Id4として逃がすように構成されている。
【0053】
また、図1に示すように、駆動回路14dでは、2つのスイッチング素子である第1トランジスタQ5及び第2トランジスタQ6が電源V(電圧E(V))とグランド側の間に直列接続されている。このとき、第1トランジスタQ5のコレクタCと第2トランジスタQ6のコレクタCが接続点P3で接続されており、当該接続点P3に抵抗R3(抵抗値R(Ω))の一端が接続され、抵抗R3の他端は電極13d1及び電極13d2に接続されている。なお、前記抵抗R3は、後述する保護ダイオードのD5のアノードと保護ダイオードD6のカソードの接続点から電極13d1及び電極13d2までのインピーダンスの抵抗成分を表しているものであるが、説明の便宜上一つの抵抗R3として説明しているものである。
【0054】
第1のトランジスタQ5が電極13d1及び電極13d2への電圧印加の立ち上げ(充電)を制御し、第2のトランジスタQ6が電極13d1及び電極13d2の立ち下げ(放電)を制御する。また、トランジスタQ5とトランジスタQ6も、一方がONのとき他方がOFFに成るように選択的に各々のベースBにON電流が印加される。即ち、第1のトランジスタQ5のベースBにON信号電流が入力されると、第1のトランジスタQ6のコレクタCに電流Iq5が流れ、第1のトランジスタQ5がON状態になる。このとき、第2のトランジスタQ2はOFF状態に保たれている。この制御は、図示外の制御装置が第1のトランジスタQ5のベースBと第2のトランジスタQ6のベースに選択的に所定のタイミングでON信号電流を流すことにより行われる。
【0055】
第2のトランジスタQ6がONとなった場合には、当該第2のトランジスタQ6のコレクタにコレクタ電流Iq6が流れて電極13d1及び電極13d2より静電容量Cにチャージされた電荷が放電される。
【0056】
第1のトランジスタQ5と第2のトランジスタQ6との接続点P3と抵抗R3との間には、保護ダイオードD5のアノードが接続され、当該保護ダイオードD5のカソードは電源Vに接続され、第1のトランジスタQ5にかかる逆バイアスを電流Id5として電源Vへ逃がすように構成されている。また、前記接続点P3と抵抗R3との間には保護ダイオードD6のカソードが接続され、当該保護ダイオードD6のカソードはグランドに接続されており、第2のトランジスタQ6にかかる逆バイアスを電流Id6として逃がすように構成されている。
【0057】
なお、上記以外の連続する他の電極13a1,13a2,13e1,13e21,13f1,13f2等についても上記同様の駆動回路及び保護ダイオードが接続されている。
【0058】
次に、図1及び図2を参照して本実施形態の動作について説明する。
【0059】
図示外の制御装置からのON電流(ベース電流)がトランジスタQ1のベースBに入力されると(このときトランジスタQ2は、OFF状態)(図1(a)のT1)、トランジスタQ1にコレクタ電流Iq1が流れ、トランジスタQ1のコレクタcと抵抗R1を介して接続されているB点の電圧が狽g買激xル(E(V))となり、電極13c1及び電極13c2にE(V)が印加される(図1(a)のT1とT2の間の状態)。この時、電極13b2と電極13c1とチャンネル壁11bから構成されるコンデンサの静電容量をC(F)とすると、電極13c1に帯電する電荷Q1とすると、Q1=CE(C)となる。また、電極13c2と電極13d1とチャンネル壁11cから構成されるコンデンサの静電容量をC(F)とすると、電極13c2に帯電する電荷をQ2とすると、Q2=CE(C)となる。したがって、電極13c1及び電極13c2に帯電している電荷の合計Qは、Q=Q1+Q2=CE+CE=2CE(C)その状態でC点の電圧が狽k買激xル(0(V))から狽g買激xル(E(V))に上昇すると(図1(a)のT2)、電極13b1及び電極13b2の電位がE(V)になる。即ち、C点がE(V)の状態になる。したがって、電極13b2の電位はグランドに対してE(V)高く、電極13C1の電位は電極13b2の電位に対してE(V)高いので、結果として、グランドに対して電極13c1の電位は2E(V)となり、トランジスタQ1に対しては、2E−E=E(V)の逆バイアス電圧がかかるが、保護ダイオードD1により、逆バイアス電圧が逃がされることになる。
【0060】
さらに、B点の電圧が狽g買激xル(E(V))のときに、即ち、電極13C1及び電極13C2にE(V)が印加されているときに、A点の電位が狽k買激xル(0(V))から狽g買激xル(E(V))に上昇すると、電極13d1及び電極13d2の電位がE(V)になる。したがって、電極13d1の電位はグランドに対してE(V)高く、電極13C2の電位は電極13d1の電位に対してE(V)高いので、結果として、グランドに対して電極13c2の電位は2E(V)となり、トランジスタQ1に対しては、2E−E=E(V)の逆バイアス電圧がかかるが、保護ダイオードD1により、逆バイアス電圧が逃がされることになる。
【0061】
このとき、チャンネル壁11b及びチャンネル壁11cに帯電している電荷の合計は2CE(C)であるので、保護ダイオードD1に流れる電流をId5とすると、Id5=d/dt 2CE(A)となる。
【0062】
ここで、最大印字周波数をf(Hz)とすると、fは単位時間あたりの回数なので、d/dtをfと置換することができ、Id5=f2CE(A)・・・・(式1)となる。
【0063】
逆に、B点の電圧が狽k買激xル(0(V))にあるとき(図2(b)のT3とT4の間の状態)、即ち、図示外の制御装置からのON電流がトランジスタQ2のベースBに入力されると、トランジスタQ2にコレクタ電流Iq2が流れ、トランジスタQ2のコレクタcと抵抗R1を介して接続されているB点の電圧が狽k買激xル(0(V))であるとき、電極13C1及び電極13C2の電位は0(V)である。その状態でC点の電圧が狽g買激xル(E(V))のときは、電極13b1及び電極13b2の電位はE(V)である。
【0064】
この時、電極13b2と電極13c1とチャンネル壁11bから構成されるコンデンサの静電容量をC(F)とすると、電極13c1に帯電する電荷Q1とすると、Q1=−CE(C)となる。また、電極13c2と電極13d1とチャンネル壁11cから構成されるコンデンサの静電容量をC(F)とすると、電極13c2に帯電する電荷をQ2とすると、Q2=−CV(C)となる。したがって、電極13c1及び電極13c2に帯電している電荷の合計Qは、Q=Q1+Q2=(−CE)+(−CE)=−2CE(C)そして、駆動回路14bのトランジスタQ4がONされるとC点電位は狽g買激xル(E(V))から狽k買激xル(0(V))に下降する。その瞬間においては、まだ、電極13b2に対して電極13c1の電位がE(V)低いので、電極13c1はグランドに対して−E(V)低いことになる(図2(b)のT4)。
【0065】
したがって、B点の電位がグランドに対して−E(V)低いので、トランジスタQ2には−E(V)の逆バイアス電圧がかかるが、保護ダイオードD2により、逆バイアス電圧が逃がされることになる。
【0066】
このとき、チャンネル壁11b及びチャンネル壁11cに帯電している電荷の合計は−2CE(C)であるので、保護ダイオードD2に流れる電流をId6とすると、Id6はId5と電流の流れる向きが逆なので、−Id6=d/dt −2CE(A)となる。
【0067】
即ち、Id6=d/dt 2CE(A)となる。
【0068】
ここで、最大印字周波数をf(Hz)とすると、fは単位時間あたりの回数なので、d/dtをfと置換することができ、Id6=f2CE(A)・・・・(式2)となる。
【0069】
したがって、上記の何れの場合においても、(式1)及び(式2)から分かるように、前記保護ダイオードD1及び保護ダイオードD2は、それぞれの最大定格の平均整流電流I0(A)とすると、放電された電荷による多大な電流が流れても破損しないためには、最大定格平均整流電流I0は次の式を満たすことが必要である。
【0070】
I0≧E×C×f×2(A)・・・・(式3)
E:電源電圧(V)
C:圧力発生素子チャンネル壁の静電容量(F)
f:最大印字周波数(Hz)
したがって、本実施形態のインクジェットヘッドの駆動回路では、保護ダイオードD1及び保護ダイオードD2を上記(式3)の条件を満たすものを採用している。
【0071】
次に、前記保護ダイオードD1及び保護ダイオードD2の尖頭電流の最大定格について検討する。
【0072】
上記の説明から分かるように、図1.に示す駆動回路では、トランジスタQ1をON、トランジスタQ2をOFF、トランジスタQ3をOFF、トランジスタQ4をONした状態では、電極13c1の電位はE(V)であり、電極13b2の電位は0(V)である。即ち、電極13c1は電極13b2よりも電位がE(V)高い。その後、トランジスタQ3をONし、トランジスタQ4をOFFすると、電極13b2の電位がE(V)に上昇するため、電極13c1の電位は2E(V)になる。したがって、トランジスタQ1には、2E−E=E(V)の逆バイアスが印加されることになるが、保護ダイオードD1が接続されているため、保護ダイオードD1に電流Id1が流れる。この電流Id1は、駆動回路14bの電源Vから、トランジスタQ3、接続点P2、抵抗R2、C点、電極13b2、電極13c1、B点、抵抗R1、保護ダイオードD1、駆動回路14cの電源Vから成る閉回路を流れる(ここで、トランジスタQ3のベース電流は微少であるため、トランジスタQ3のエミッタ電流とコレクタ電流は同じ電流値と見なしている)。
【0073】
ここで、トランジスタQ3のON抵抗をRon(Ω)、抵抗R1及びR2の抵抗値を各々R(Ω)、保護ダイオードD2の順方向電圧降下をEF(V)とすると、キルホッフの閉回路法則及びオームの法則により、0=−Id1Ron−Id1R+E−Id1R−EF= −Id1(2R+Ron)+E−EFしたがって、Id1=(E−EF)/(2R+Ron)・・・(式4)次に、電極13c2側について考えると、上記と同様に、駆動回路14dの電源VからトランジスタQ5、接続点P3、抵抗R3、A点、電極13d1、電極13c2、抵抗R1、保護ダイオードD1、駆動回路14cの電源Vという閉回路が考えられ、トランジスタQ5のON抵抗をRon(Ω)、抵抗R3及びR2の抵抗値を各々R(Ω)、保護ダイオードD1の順方向電圧降下をEF(V)とすると、キルホッフの閉回路法則及びオームの法則により、0=−Id1Ron−Id1R+E−Id1R−EF= −Id1(2R+Ron)+E−EFしたがって、Id1=(E−EF)/(2R+Ron)・・・(式5)(式4)及び(式5)から分かるように、保護ダイオードD1には、電極13c1から(E−EF)/(2R+Ron)(A)の電流が流れ、かつ、電極13c2からも(E−EF)/(2R+Ron)(A)の電流が流れるので、その合計電流をIFMとすると、IFM=2(E−EF)/(2R+Ron)・・・(式6)となる。
【0074】
また、保護ダイオードD2についても上記の同様にキルヒホッフの閉回路法則とオウムの法則により、IFM=2(E−EF)/(2R+Ron)・・・(式7)となる。
【0075】
したがって、(式6)及び(式7)から分かるように、前記保護ダイオードD1及び保護ダイオードD2は、それぞれの最大定格の尖塔電流IFM(A)とすると、過大な尖塔電流により破損しないためには、次の式を満たすことが必要である。
【0076】
IFM≧2(E−EF)/(2R+Ron) (A)・・・(式8)
E:電源電圧(V)
EF:保護ダイオードの順方向電圧降下(V)
C:圧力発生素子チャンネル壁の静電容量(F)
R:保護ダイオードD1のアノードと保護ダイオードD2カソードとの接続点から電極13c1及電極13c2に至るまでの駆動回路のインピーダンスの抵抗成分(Ω)
RON:トランジスタのオン抵抗(Ω)
したがって、本実施形態のインクジェットヘッドの駆動回路では、保護ダイオードD1及び保護ダイオードD2を上記(式8)の条件を満たすものを採用している。
【0077】
よって、図2に示すように、トランジスタQ1に電流Iq1が流れ、B点の電圧が狽g煤iE(V))レベルとなり(図2(a)のT1〜T2の間の状態)、その状態でB点を挟むA点及びC点の電圧が狽k煤i0(V))レベルから狽g煤iE(V))レベルに上昇すると(図2(a)のT2の状態)、B点の電圧が過大(2E(V))となるが、保護ダイオードD1に電流Id1が流れ、その結果、B点に対するスイッチング素子であるトランジスタQ1の破壊が防止される。また、逆に、B点の電圧が狽k煤i0(V))レベルにあるときに、A点及びC点の電圧が狽g煤iE(V))レベルから狽k煤i0(V))レベルに下降すると、B点の電圧が過小(−E(V))となるが、保護ダイオードD2に電流Id2が流れ、トランジスタQ2の破壊が防止される。尚、図2においては、図9の場合と同様に、トランジスタQ1,Q2のON時における電圧降下分は0Vと仮定している。
【0078】
上記の場合、保護ダイオードD1,D2の最大定格平均整流電流I0は、I0≧E×C×f×2 (A)であり、保護ダイオードD1,D2の最大定格尖頭電流IFMは、IFM≧2(E−EF)/(2R+Ron) (A)であるので、逆バイアス電圧を逃がすために、保護ダイオードに電流が流れても保護ダイオードが破壊されることがない。
【0079】
したがって、記録動作を繰り返しても、インクジェットヘッドの駆動回路は故障することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットヘッドの駆動回路を示す図である。
【図2】本発明に係るインクジェットヘッドの駆動回路で駆動した場合の信号波形図である。
【図3】インクジェットヘッドの一部を断面にして示す斜視図である。
【図4】ヘッドドライバと導電パターンとの関係を示す図である。
【図5】インクジェットヘッドの断面図である。
【図6】図5のインクジェットヘッドが動作した状態の断面図である。
【図7】インクジェットヘッドの等価回路図である。
【図8】従来のインクジェットヘッドの駆動回路を示す図である。
【図9】従来のインクジェットヘッドの駆動回路で駆動した場合の信号波形図である。
【図10】本発明に係るインクジェットヘッドの駆動タイミングを示す図である。
【図11】図5のインクジェットヘッドが動作した状態の断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド
2 圧電素子基板
8 チャンネル
11 チャンネル壁
13 電極
14 駆動回路
Q1 第1のトランジスタ
Q2 第2のトランジスタ
D1 第1の保護ダイオード
D2 第2の保護ダイオード
Claims (7)
- 連続的に形成された複数のインク噴射用のチャンネルと、これら複数のチャンネルの各々に対応して設けられたノズル孔と、前記複数のチャンネル間に設けられチャンネル内のインクに圧力を与えるアクチュエータと、このアクチュエータに電圧を印加することによって前記チャンネル内に圧力変化を生じさせて前記ノズル孔よりインクを噴射させる駆動回路とを備えたインクジェットヘッドにおいて、前記駆動回路は、前記複数のチャンネルのうち隣接する両チャンネル内のインクを連続して噴射するとき、両チャンネル間のアクチュエータに、一方のチャンネルのインクに噴出に寄与する圧力を与えるようにアクチュエータを変形させる駆動電圧を印加し、その後、そのアクチュエータを復帰させる駆動電圧を印加することによって他方のチャンネルのインクに噴出に寄与する圧力を与えるものであるとともに、隣接する一方のチャンネルからインクを噴射するための駆動電圧を印加する期間の後半に重複して、他方のチャンネルからインクを噴射するための駆動電圧の印加を開始することを特徴とするインクジェットヘッド。
- 前記アクチュエータは、複数のチャンネルを形成するようにその複数のチャンネル間に設けられチャンネル壁であることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
- 前記駆動回路は、インクを噴射しようとするチャンネルの両側のチャンネル壁に対して駆動電圧を印加するものであって、チャンネル内のインクに対して両側のチャンネル壁から圧力を与えることを特徴とする請求項2記載のインクジェットヘッド。
- 前記チャンネル壁の少なくとも一部は、分極処理された圧電材料であり、その圧電材料のチャンネル側両側面に、分極方向と直角方向に駆動電界を発生するための電極を有することを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェットヘッド。
- 前記駆動回路は、2個のスイッチング素子を電源側とグランド側の間に直列接続し、その接続点を前記電極へ接続して、一方のスイッチング素子を該電極への電圧印加の立ち上げ用とし、他方のスイッチング素子を印加電圧の立ち下げ用とし、これらのスイッチング素子の各々と並列に、逆バイアス保護用の保護ダイオードを接続すると共に、該保護ダイオードの最大定格の平均整流電流I0 が次の式を満たしていることを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッド。
I0≧E×C×f×2(A)
E:電源電圧(V)
C:圧力発生素子チャンネル壁の静電容量(F)
f:最大印字周波数(Hz) - 更に、前記保護ダイオードの最大定格の尖頭電流I FM が次の式を満たしているところの請求項5に記載のインクジェットヘッド。
I FM ≧2(E−E F )/(2R+R on ) (A)
E:電源電圧(V)
E F :保護ダイオードの順方向電圧降下(V)
C:圧力発生素子チャンネル壁の静電容量(F)
R:保護ダイオードD1のアノードと保護ダイオードD2カソードとの接続点から電極13c1及電極13c2に至るまでの駆動回路のインピーダンスの抵抗成分(Ω)
R ON :トランジスタのオン抵抗(Ω) - 前記チャンネルは、隣接するチャンネルを異なったグループに属するように、複数のグループ単位に分け、前記グループ毎に駆動電圧を印加することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
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