JP3728860B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置、例えばインクを吸引する機能を有するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、紙等の記録媒体にインクを噴射して印字等の記録を行うインクジェット記録装置として、例えばインクジェットプリンタが知られている。
このインクジェットプリンタでは、図9に示す様に、インクを収容するインクカートリッジP1を、記録ヘッドP2を備えた記録ヘッドユニットP3に対して交換可能に設け、交換したインクカートリッジP1からインクを記録ヘッドP2に供給し、各噴射ノズルP4より噴射して記録を行なっている。
【0003】
また、インクジェットプリンタの使用の途中などにおいて、例えば使用者のスイッチ操作によって、又は所定の条件が満たされた場合に自動的に、噴射ノズルP4の先端側、即ち噴射孔(図示せず)が開口するノズル面P5からインクを吸引するいわゆるパージ動作が行われている。
【0004】
このパージ動作とは、ノズル面P5に吸引キャップP6をかぶせて、吸引ポンプ(図示せず)により吸引キャップP6内に負圧をかけることによって、吸引キャップP6を介して記録ヘッドP2内からインクを吸引して外部に除去する動作である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した負圧を利用した吸引によるパージ動作だけでは、インクの流路内に残留する微少な気泡やゴミを、十分には除去できないことがあった。
つまり、インクの流路を形成する図示しないチャンネルやマニホールドの内周面(壁面)には、微少な気泡やゴミが付着していることがあるが、インクの流速は壁面に近いほど小さくなるので、パージを実行してインクの流れを発生させても、壁面に付着した気泡やゴミは除去し難いという問題があった。
【0006】
そして、この気泡やゴミがインクの流路内に残留していると、インクの噴射の際に、噴射を阻害して記録品質が低下することがあった。
本発明の課題は、インクの流路の壁面に付着した気泡やゴミを効果的に除去できるインクジェット記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための請求項1の発明は、記録媒体にインクを噴射して記録を行なう記録ヘッドに対して、インクの噴射状態を改善するために、記録ヘッドの噴射側から記録ヘッド内のインクを吸引するパージ動作を複数回行うインクジェット記録装置において、記録ヘッドのインクを噴射させる電気的アクチュエータ内にて、パージ動作の開始によって生じたインクの流速がある期間内に、パージ動作の開始から所定時間遅延して前記アクチュエータを駆動するとともに、アクチュエータの駆動回数を、先のパージ動作の際よりも後のパージ動作の際ほど少なくし、且つ、最後のパージ動作は、アクチュエータを駆動しないで行うことを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0008】
つまり、本発明では、パージ動作の開始によって生じたインクの流速がある期間内に、アクチュエータを駆動してインクの流路の壁面に振動を与える。この振動により、あるいはその振動に基づくキャビテーションにより、インクの流路の壁面に付着している微少な気泡やゴミを、壁面から離脱させて、インクの流れとともに記録ヘッド内から排出することができる。その結果、記録品質(例えば印字品質)を常に高く保つことができる。
また、本発明では、アクチュエータの駆動回数を、先のパージ動作の際よりも後のパージ動作の際ほど少なくする。これによって、前の回のアクチュエータの作動により、流路の壁面に付着した気泡やゴミを効果的に除去し、後の回のアクチュエータの作動により、気泡を発生させることなく、インク中に残留する気泡やゴミを除去することができる。
更に、本発明では、パージ動作の開始から所定時間遅延してアクチュエータを駆動する。つまり、パージ動作の開始と同時にアクチュエータを駆動するのではなく、パージ動作の開始から所定時間遅延してアクチュエータを駆動するので、ある流速のもとで壁面が振動することになり、壁面から気泡やゴミを除去する能力が一層高まる。
その上、本発明では、最後のパージ動作は、アクチュエータを駆動しないで行う。それにより、最後のパージ動作の際には、気泡が全く生じないので、気泡を除去する能力が一層高まる。つまり、記録動作に入る前に、インク内に気泡が残っていると、記録抜け(印字抜け)が発生することがあるので、記録動作の直前である最後のパージ動作の際には、アクチュエータの作動を禁止するものである。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
請求項2の発明では、アクチュエータは機械的に振動するものである。
前記アクチュエータとしては、例えば圧電素子を利用でき、この圧電素子に電圧を印加することにより、インクの流路の壁面を振動させて、壁面に付着した気泡やゴミを除去することができる。
請求項3の発明では、1回目のパージ動作では、最初は小さな負圧による小パージ、続いて小さな負圧より大きな負圧による本パージを実行し、2回目以降のパージ動作では、大きな負圧による本パージのみを実行する。
請求項4の発明では、パージ動作の開始から所定時間が、本パージの開始から1秒である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェット記録装置の実施の形態(実施例)を、図面に沿って説明する。
(実施例1)
a)まず、本実施例であるインクジェットプリンタの内部構成について、図1に基づいて説明する。
【0022】
図1に示す様に、キャリッジ8は、ガイドロッド11及びガイド部材12に、各々スライド可能に支持され、ベルト13に固着されて、CRモータ16により駆動されて往復移動される。
前記キャリッジ8には、印字等の記録を行うための記録ヘッド18を有する記録ヘッドユニット17が取り付けられている。この記録ヘッドユニット17は、4色のインク(シアンc、マゼンタm、イエローy、ブラックb)を記録媒体である記録用紙P上に、インク液滴を吐出して記録動作を行うインクジェット式であり、その記録側に設けられた記録ヘッド18には、図2に示す様に、各色のインクを各々噴射するために、4つの噴射ノズル21y,21m,21c,21b(21と総称する)を備えている。
【0023】
また、記録ヘッドユニット17の後部(図2の左側)には、各噴射ノズル21に、各色のインクを供給する4つのインクカートリッジ22y,22m,22c,22b(カートリッジ22と総称する)が着脱可能に搭載されている。
前記噴射ノズル21は、圧電素子からなるインクを噴射するためのアクチュエータであり、圧電素子の材料に多数の凹部が平行に且つ線状に削られて、インクの流路となる多数の(例えば64個の)チャンネル(図示せず)が形成されている。このチャンネルは、ノズル面23にて開口して、多数の各噴射孔24を形成している。
【0024】
従って、各チャンネルの壁面を構成する位置の圧電素子をアクチュエータとして、所定の周波数の電圧を印加することにより、所望の噴射孔24よりインクを噴射することができる。特に、本実施例では、後述する様に、パージ動作の際に、所定の噴射ノズル21に対応した圧電素子に電圧を印加して、各チャンネルの壁面を振動させることにより、気泡やゴミ等を除去する動作をも行なうことができる。
【0025】
図1に戻り、前記記録ヘッド18と対向する位置には、記録用紙Pを搬送する搬送機構LFが配設され、搬送機構LFは、LFモータ30(図5参照)の駆動により回転するプラテンローラ25の回転によって、記録用紙Pを搬送する構成とされている。
【0026】
また、前記搬送機構LFの側方には、記録ヘッド18のインク噴射動作の維持・回復を行う維持・回復機構RMが設けられている。この維持・回復機構RMは、記録ヘッド18の使用中に、インクが乾燥したり、その内部に気泡が発生したり、噴射ノズル21のノズル面23にインク液滴が付着したりする等の原因で発生する噴射不良を解消するための吸引手段26と、インクジェットプリンタ1の不使用時にノズル面23を覆ってインクの乾燥を防止する保存キャップ27と、ノズル面23を拭うワイパ部材28とを備える。
【0027】
前記吸引手段26は、図3に示す様に、記録ヘッド18の各噴射ノズル21の面23に対し、密着・離隔可能な吸引キャップ33と、該吸引キャップ33が記録ヘッド18に密着しているときに、吸引キャップ33を介してインクを吸引する吸引ポンプ34(図1参照)とを備える。そして、この吸引手段26は、カム部材36及びカム駆動モータ35(図5参照)により、吸引キャップ33及びワイパ部材28を記録ヘッド18に向けて進退駆動するとともに、吸引ポンプ34を駆動し吸引キャップ33を介して吸引動作(パージ動作)を行なう。
【0028】
具体的には、この吸引ポンプ34の1回の往復動作により、図4(a)に示す様な、吸引動作が行われる。例えばある噴射ノズル21に対して1回のパージが行われる場合には、最初は小さな負圧による小パージが実行され、次に大きな負圧による本パージが実行される(この吸引ポンプ34の1回の往復動作によるパージを1サイクルのパージと称す)。尚、複数回のパージを行なう場合には、2回目からは小パージは行われない。例えば2回目からは、小パージに対応する位置で、カム部材36を高速で回転させることで、小パージを通過させ、実質的に小パージを省略することができる。
【0029】
特に、本実施例では、1つの噴射ノズル21に対して複数回のパージを行なう場合には、図4(b)に示す様に、噴射ノズル21を駆動する。つまり、例えば6回の本パージを行なう場合には、最初の本パージにて、圧電素子に10.8kHzの電圧を印加して、約1万回の振動を発生させ、2回目及び3回目の本パージにて、約5千回の振動を発生させ、その後の、4〜6回目の本パージでは、圧電素子への電圧の印加を禁止して振動を発生させなかった。尚、1〜3回目の本パージにおける圧電素子への印加のタイミングは、本パージ開始後の1秒後とした。
【0030】
b)次に、本実施例のインクジェットプリンタ1の電気的構成について、図5に基づいて説明する。
図5に示す様に、インクジェットプリンタ1の制御装置(ECU)50は、周知のCPU50a、ROM50b、RAM50c、入出力部50dを備えたマイクロコンピュータとして構成されている。
【0031】
前記入出力部50dには、吸引手段26による吸引動作を指示するパージボタン51等のスイッチ類、カートリッジ22の装着状態の有無を検出するカートリッジ検出器52、吸引ポンプ34が原点位置にあることを検知するパージHPセンサ53、記録用紙Pの先端を検知するPEセンサ54、キャリッジ8の位置を検知するCR位置センサ56等が接続されている。
【0032】
また、噴射動作及び今回の気泡やゴミの除去動作を行うアクチュエータである噴射ノズル21、キャリッジ8を移動させるCRモータ16、搬送機構LFを駆動するLFモータ30、吸引手段26を駆動するためのカム部材を駆動するカム駆動モータ35、現在の操作状態等を表示するインジケータ類57等が接続されている。
【0033】
c)次に、本実施例のインクジェットプリンタ1の制御処理について、図6及び図7のフローチャートに基づいて説明する。
ここでは、カートリッジ22の交換後に行われるインクの初期導入時のパージ(イニシャルパージ)について説明する。
【0034】
図6に示す様に、パージボタン51が操作されたか否かを判定し(S1)、操作された場合には(S1:Yes)、イニシャルパージの実行の条件、例えばカートリッジ22が取り外され再び装着されたことがカートリッジ検出器22で検出されたか否かを判定する(S2)。
【0035】
ここで、イニュシャルパージの実行の条件が満たされた場合には(S2:Yes)、今回実施するパージが何回目であるかを判断する(S3)。
そして、今回実施するパージが1回目であると判断された場合には、小パージと本パージを含むパージを実行する(S4)。その後、本パージの開始から1秒間待機した後に、圧電素子に10.8kHzの電圧を印加して、約1万回の振動を発生させる(S5)。
【0036】
そして、パージを6回実行したか否かを判定し(S9)、実行していない場合は(S9:No)、再度パージを実行する。一方、既に6回パージを実行した場合は(S9:Yes)、イニシャルパージが完了したとして、一旦本処理を終了する。
【0037】
また、前記S3にて、今回実施するパージが2,3回目であると判断された場合には、小パージを省略したパージを実行する(S6)。その後、パージの開始から1秒間待機した後に、圧電素子に電圧を印加して、約5千回の振動を発生させ(S7)、同様にパージを6回実行したか否かの判定を行なう(S9)。
【0038】
更に、前記S3にて、今回実施するパージが4〜6回目であると判断された場合には、小パージを省略したパージを実行する(S8)が、このときには、圧電素子を駆動させることなく、同様にパージを6回実行したか否かの判定を行ない(S9)、一旦本処理を終了する。
【0039】
また、パージを6回実行していない場合は(S9:No)、再度パージを実行する。一方、既に6回パージを実行した場合は(S9:Yes)、イニシャルパージが完了したとして、一旦本処理を終了する。
この様に、本実施例では、噴射ノズル21に対して複数回のパージ動作を実施する場合には、パージ動作の実行中にアクチュエータである圧電素子を作動させてインクの流路の壁面を振動させるので、この振動により直接、あるいはその振動に基づくキャビテーションにより、壁面に付着した気泡やゴミを除去して、効率よく噴射ノズル21外へ排出することができる。そのため、記録品質(印字品質)が向上するという顕著な効果を奏する。
【0040】
また、アクチュエータの作動のタイミングは、パージの開始から1秒後であるので、実際にインクが流れ出してから行われることになり、気泡やゴミを除去する能力に優れている。
更に、最初(1回目)のパージ動作におけるアクチュエータの動作の状態(この場合は振動回数)よりも、後の(2,3回目の)アクチュエータの動作の状態が低減されているので、結果として、インク中に残留する気泡が低減する。つまり、アクチュエータの作動によって壁面の気泡やゴミの除去ができるが、逆に気泡が発生することがあるので、記録タイミングに近い方のアクチュエータの作動を低減することにより、気泡を低減して、記録品質の一層の向上を図ることができる。
【0041】
特に、記録直前、即ち最後のパージにおけるアクチュエータの作動は禁止しているので、より確実に気泡の発生を防止して、一層の記録品質の向上を図ることができる。
(実施例2)
次に実施例2について説明する。
【0042】
本実施例のハード構成は、前記実施例1と同様であり、その制御処理に特徴があるので、制御処理について述べる。
ここで、インクジェットプリンタの使用開始後に行われるインクの乾燥の防止のためのパージ(回復パージ)について、図7及び図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0043】
尚、この回復パージは、マニュアル又は自動にて行われるが、ここでは、自動にて行われる例について述べる。
図7に示す様に、記録命令(印字命令)が入力されたか否かを判定し(S11)、ここで、記録命令が入力されたと判断されると(S11:Yes)、前回のパージから1分以上経過しているか否かを判定する(S12)。
【0044】
ここで、前回のパージから1分以上経過していないと判断されると(S12:No)、1分間記録動作を禁止した後に(S15)、噴射ノズル21よりインクを噴射して記録(印字)を実行し(S16)、一旦本処理を終了する。
一方、前回のパージから1分以上経過していると判断されると(S12:Yes)、自動パージ判定を行なう(S12)。この自動パージ判定とは、パージを行なう噴射ノズル21に対して何サイクルパージを実施するかを、例えば前回パージを実行してからの放置期間(例えば日数)などから判断する。例えば放置期間が短い場合には、1サイクルのパージ(シングルパージSP)を実施し、放置期間が長くなるにつれて、2サイクルのパージ(ダブルパージWP)、3サイクルのパージ(トリプルパージTP)と増加させてゆくものである。
【0045】
そして、自動パージ判定により、前回パージを行なってからそれほど期間が経過しておらず、よってパージが不要であると判断された場合には(S13:No)、そのまま記録を実行し(S16)、一旦本処理を終了する。
一方、自動パージ判定により、前回パージを行なってから所定の期間以上経過しており、よってパージが必要であると判断された場合には(S13:Yes)、その経過期間の長さに応じて決められるサイクル数のパージを行なう(S14)。
【0046】
その後、強制待機を1分間行なってから(S15)、記録を実行して(S16)、一旦本処理を終了する。
次に、前記S14におけるパージ実行の処理について、例えば各色3サイクルのパージ(TP)を行なう場合を例に挙げて、図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0047】
図8に示す様に、自動パージの判定により3サイクルのパージ(TP)の命令が入力されたか否かを判定し(S21)、ここで、TPの命令が入力されないと判断されると(S21:No)、一旦本処理を終了し、他の処理を行なう。
一方、ここで、TPの命令が入力されたと判断されると(S21:Yes)、各色に対応した噴射ノズル21に対するパージを行なうために、今回実行するパージが何回目であるかを判定する(S22)。
【0048】
そして、今回実施するパージが1回目であると判断された場合には、小パージと本パージを含むパージを実行する(S23)。その後、本パージの開始から1秒間待機した後に、圧電素子に高い電圧(例えば25V)を印加して、壁面に大きな振動を発生させる(S24)。そして、パージを3回実行したか否かを判定し(S28)、実行していない場合は(S28:No)、再度パージを実行する。
【0049】
また、前記S22にて、今回実施するパージが2回目であると判断された場合には、小パージを省略したパージを実行する(S25)。その後、パージの開始から1秒間待機した後に、圧電素子に低い電圧(例えば20V)電圧を印加して、壁面に小さな振動を発生させ(S26)、同様にパージを3回実行したか否かの判定を行なう(S28)。
【0050】
更に、前記S22にて、今回実施するパージが3回目であると判断された場合には、小パージを省略したパージを実行する(S27)が、このときには、圧電素子を駆動させることなく、同様にパージを3回実行したか否かの判定を行なう(S28)。
【0051】
そして、ある色に対応した噴射ノズル21に対してパージを3回実行したと判断されると(S28:Yes)、全ての色に対応した噴射ノズル21に対して、3回のパージが実行されたか否かを判断し(S29)、そうでなければ(S29:No)、他の色に関して、前記S22〜S27の処理を繰り返し、そうであれば(S29:Yes)、回復パージが完了したとして、一旦本処理を終了する。
【0052】
この様に、本実施例では、噴射ノズル21に対して複数回のパージ動作を実施する場合に、最初のパージの際のアクチュエータの作動の状態を大きくし、中間のパージの際のアクチュエータの作動の状態を低減し、最後のパージの際のアクチュエータの作動を禁止している。それにより、前記実施例と同様な効果を奏する。
【0053】
また、前記S13のパージの必要か否かの判定後、1サイクルのパージ(SP)または2サイクルのパージ(WP)が行われる場合、1サイクルのパージ(SP)に対してはアクチュエータの駆動は行わない。また、2サイクルのパージ(WP)における最初のパージに対してはアクチュエータを駆動するが、2回目のパージに対してはアクチュエータの駆動は行わない。
【0054】
更に、前記パージ動作における小パージは、カートリッジ22の交換後の初期導入に際して、インクが空の通路に入り始めるときの泡立ちを押さえることが主目的であるから、通路の形態によっては、これを省略することもできる。また、前記図7の自動パージの際、使用者が上記のようにスイッチ操作で行なうパージのときには、既に通路にインクが充填されているから、最初のパージであっても、小パージを省略することができる。
【0055】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本実施例の要旨を逸脱しない範囲内で各種の態様で実施できることは勿論である。
(1)例えば、前記実施例1,2では、インクジェットプリンタについて説明したが、それ以外のファックス等の各種の記録装置に適用することができる。
【0056】
(2)また、前記実施例1,2では、ある噴射ノズルに対して連続してパージを行なう例について述べたが、例えば複数の色に対応した噴射ノズルの全てに対して、順番に1回づつ本パージを行ない、その後同様なパージを全ての色に対して繰り返して行なう例にも適用できる。この場合は、ある噴射ノズルに関してみると、パージの間には前記実施例より時間があるが、インクの壁面に付着した気泡やゴミを除去する効果は十分にある。
【0057】
【0058】
【発明の効果】
以上、詳述したとおり、請求項1の発明では、パージ動作の開始によって生じたインクの流速がある期間内に、アクチュエータを駆動してインクの流路の壁面に振動を与えるので、その振動により、あるいは振動に基づくキャビテーションにより、インクの流路の壁面に付着している微少な気泡やゴミを、壁面から離脱させて、インクの流れとともに記録ヘッド内から排出することができる。その結果、記録品質を常に高く保つことができる。
また、本発明では、アクチュエータの駆動回数を、先のパージ動作の際よりも後のパージ動作の際ほど少なくするので、前の回で流路の壁面に付着した気泡やゴミを効果的に除去し、後の回で気泡を発生させることなく、インク中に残留する気泡やゴミを除去することができる。
更に、本発明では、パージ動作の開始から所定時間遅延してアクチュエータを駆動するので、ある流速のもとで壁面が振動することになり、壁面から気泡やゴミを除去する能力が極めて高い。
その上、本発明では、最後のパージ動作は、アクチュエータを駆動しないで行うので、最後のパージ動作の際には、気泡が全く生じない。よって、記録品質が大きく向上する。
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
請求項2の発明は、アクチュエータが機械的に振動するものであるので、この振動によりインクの流路の壁面を振動させて、壁面に付着した気泡やゴミを効果的に除去することができる。
請求項3の発明では、1回目のパージ動作では、最初は小さな負圧による小パージ、続いて小さな負圧より大きな負圧による本パージを実行し、2回目以降のパージ動作では、大きな負圧による本パージのみを実行する。
請求項4の発明では、パージ動作の開始から所定時間が、本パージの開始から1秒である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のインクジェットプリンタの内部構造を示す説明図である。
【図2】 実施例1の記録ヘッドユニットを示す斜視図である。
【図3】 実施例1の吸引手段等の構成を示す説明図である。
【図4】 実施例1のパージ動作にともなう負圧の変化を示し、(a)は1回のパージ動作を示すグラフ、(b)は複数回のパージ動作を示すグラフである。
【図5】 実施例1のインクジェットプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【図6】 実施例1のパージ動作に伴う制御処理を示すフローチャートである。
【図7】 実施例2のパージ動作の制御処理を示すフローチャートである。
【図8】 実施例2のパージ動作に伴うアクチュエータの制御処理を示すフローチャートである。
【図9】 従来技術を示す説明図である。
【符号の説明】
1…インクジェットプリンタ
8…キャリッジ(CR)
17…記録ヘッドユニット
18…記録ヘッド
21…噴射ノズル
22…インクカートリッジ(カートリッジ)
23…ノズル面
26…吸引手段
33…吸引キャップ
34…吸引ポンプ
Claims (4)
- 記録媒体にインクを噴射して記録を行なう記録ヘッドに対して、前記インクの噴射状態を改善するために、該記録ヘッドの噴射側から該記録ヘッド内のインクを吸引するパージ動作を複数回行うインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドの前記インクを噴射させる電気的アクチュエータ内にて、前記パージ動作の開始によって生じた前記インクの流速がある期間内に、前記パージ動作の開始から所定時間遅延して前記アクチュエータを駆動するとともに、
前記アクチュエータの駆動回数を、先のパージ動作の際よりも後のパージ動作の際ほど少なくし、且つ、最後のパージ動作は、前記アクチュエータを駆動しないで行うことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記アクチュエータが機械的に振動するものであることを特徴とする前記請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 1回目のパージ動作では、最初は小さな負圧による小パージ、続いて前記小さな負圧より大きな負圧による本パージを実行し、2回目以降のパージ動作では、前記大きな負圧による本パージのみを実行することを特徴とする前記請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記パージ動作の開始から所定時間が、本パージの開始から1秒であることをことを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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