JP3728818B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関の空燃比フィードバック制御方法としては、図8に示すようなものが一般に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の制御方法では、空燃比フィードバック制御ゲインに固定値を用いていたため、減速域等において、急に空燃比に乱れが生じると、その乱れにフィードバック制御が応答性よく追従できない惧れがあり、特に、この空燃比の乱れに良好に追従できないことによってリーン過補正となるような場合には、その後の再加速時において、エミッションや運転性の低下などを招く惧れがある。
【0004】
また、過渡時の空燃比の急変動に対応するために、過渡を識別した結果や運転条件の変更に従ってフィードバックゲインを変更する(基本的には大とする)ものがあるが、エンジンの空燃比フィードバック系には遅れ時間が存在するので過大なゲイン設定は過補正を招くこととなり、ゲインの変更代には制限があり、結果として、あまり急激な空燃比変動は補正しきれない。追従できないゲイン設定で、遅れのある補正を行なうと、却って空燃比の乱れを大きくしてしまうことがある。
【0005】
例えば、定常運転状態からスロットルを閉じて減速したとき、吸気管負圧が大きくなり、シリンダへの吸気量は減少する一方、吸気管壁に付着していた燃料がシリンダへ流れ込むので、減速初期に急激なリッチ化が発生する。この状態で、フィードバック制御を行なえば、このリッチ化を検知して、空燃比をリーンにすべく補正することになる。ところが、吸気管壁に付着していた燃料は間もなく消費されてしまうので、機関作動ガスは直ぐに急激にリーン方向へ転ずることになる。燃料供給装置の特性バラツキなどで、減速運転時の空燃比がリーンであったとすると、上述のように、フィードバックがリーン側への補正となっているため、双方の作用により、過剰なリーン化を招き、運転性を損なう惧れがある。
【0006】
かかる惧れを抑制すべく、空燃比フィードバック補正値を固定してしまう方策も提案されているが、単に固定するのみでは、燃料供給装置の特性バラツキが大きい場合には、これによって減速運転時の空燃比がリーン化が過剰であっても、この補正についても停止してしまうので、やはり運転性を損ねる惧れがある。
なお、このような惧れを抑制するためには、空燃比フィードバックの固定値やその固定期間を適切に設定することが考えられるが、かかる方策では、様々な条件に適合させるためには、場合分けによって設定値を多く持つ必要があるなど、制御構成が複雑化すると共に、その値を設定するための適合工数が膨大になってしまうことになる。
【0007】
本発明は、上述した従来の実情に鑑みなされたもので、空燃比フィードバック制御中で、機関吸入混合気の空燃比をリーン方向に補正する(或いは空燃比検出手段がリッチを検出している)場合に、機関が減速運転となったときには、空燃比フィードバック補正量(即ち、空燃比フィードバック補正係数αや空燃比フィードバック補正燃料量を含む概念である)を適切に制御できるようにして、以って空燃比の過薄を防止し、運転性やエミッションなどの悪化を抑制できるようにした内燃機関の空燃比制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の発明にかかる内燃機関の空燃比制御装置は、
機関吸入混合気の空燃比が目標空燃比となるように、空燃比制御量を空燃比フィードバック補正量を介してフィードバック制御する機能を備えた内燃機関の空燃比制御装置であって、
前記フィードバック制御中で、機関吸入混合気の空燃比をリーン方向に変化させる場合に、機関が減速運転となったときとそれ以外のときとで前記空燃比フィードバック補正量の制御を異ならせ、機関が減速運転となったときには、機関吸入混合気の空燃比の所定以上のリーン化を抑制すべく、前記空燃比フィードバック補正量を制御するようにした。
【0009】
請求項2に記載の発明にかかる内燃機関の空燃比制御装置は、図1に示すように、
機関吸入混合気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、
前記空燃比検出手段の検出結果に基づいて、機関吸入混合気の空燃比が目標空燃比となるように、空燃比制御量を空燃比フィードバック補正量を介してフィードバック制御する空燃比フィードバック制御手段と、
機関の減速運転を検出する減速運転検出手段と、
前記空燃比フィードバック制御手段による空燃比フィードバック制御中で、前記空燃比フィードバック補正量を介して機関吸入混合気の空燃比をリーン方向に変化させる場合に、前記減速運転状態検出手段により機関の減速運転が検出されたときには、それ以外のときとは前記空燃比フィードバック補正量の制御を異ならせ、機関吸入混合気の空燃比の所定以上のリーン化を抑制すべく、前記空燃比フィードバック補正量を制御する減速時空燃比フィードバック補正量制御手段と、
を含んで構成した。
【0010】
上記請求項1,請求項2に記載の発明によれば、空燃比フィードバック制御によるリーン方向への空燃比の補正が必要であり、機関吸入混合気の空燃比をリーン方向に変化させる場合(例えば、機関吸入混合気の空燃比がリッチである場合)に、機関運転状態が減速状態となったときには、空燃比の所定以上のリーン化を抑制すべく、空燃比フィードバック補正量を制御するようにする。
即ち、例えば、請求項5に記載の発明のように、空燃比フィードバック補正量の変動ゲイン〔換言すれば、空燃比フィードバック制御の制御ゲイン(比例,積分ゲイン)〕を縮小するように制御したり、或いは、請求項6に記載の発明のように空燃比フィードバック補正量の変動を所定範囲に規制(リミット)する制御を行なったり、若しくは、請求項7に記載の発明のように空燃比フィードバック補正量を所定値に固定制御するようにしたので、空燃比フィードバック制御の応答遅れに伴う空燃比の過薄化を抑制することができ、以って再加速時などにおけるエミッションや運転性の低下などを抑制することができる。
【0011】
つまり、空燃比フィードバック制御によるリッチ方向への空燃比の補正が必要な場合は、例え減速運転となっても、通常時と同様の空燃比フィードバック制御を継続させることで、後述するベース空燃比の過薄が生じても、この過薄を防止すべく、空燃比をリッチ方向に補正し、運転性を確保させることができる一方、空燃比フィードバック制御によるリーン方向への空燃比の補正が必要な場合に、減速運転となった場合には、通常時と同様の空燃比フィードバック制御を継続すると、応答遅れによって、空燃比フィードバック制御が追従しきれず、そのままリーン方向への補正が継続され、結局過薄を招いてしまう惧れがあるが(過薄を助長することとなるが)、本発明によれば、このような惧れを確実に抑制することができる。
【0012】
更に言い換えると、本発明によれば、過渡運転時においても、空燃比フィードバック制御を行なわせることによって、空燃比を目標空燃比に高精度に維持させることができる一方、過渡運転中のうちの減速運転時において空燃比フィードバック制御を行なわせることによる空燃比のリーン化という問題を同時に解決できるというものである。
【0013】
請求項3に記載の発明では、前記空燃比フィードバック補正量を介して機関吸入混合気の空燃比をリーン方向に変化させる場合を、前記空燃比検出手段が機関吸入混合気の空燃比がリッチであると検出している場合とした。
このようにすれば、比較的簡単な構成で、及び簡単な制御ロジックで、本発明を達成することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、前記空燃比検出手段が、機関排気の空燃比を検出する手段であるようにした。
即ち、排気空燃比を検出することで機関吸入混合気の空燃比を補正する場合、混合気が燃焼室に吸入され燃焼され排気されてから、その空燃比が検出されるので、この排気空燃比に基づく空燃比フィードバック制御の追従遅れも比較的大きくなるので、本発明を採用することによる効果を最大限有効に発揮することができることとなる。また、排気空燃比を検出する手段は、一般的に採用されているものであり、本発明の利用価値が最大限高められることになる。
【0015】
請求項5に記載の発明では、前記減速時空燃比フィードバック補正量制御手段が、前記空燃比フィードバック補正量の変動ゲインを縮小する手段であるように構成した。
このように、空燃比フィードバック補正量の変動ゲインを縮小するようにすると、空燃比フィードバック制御の応答遅れに伴う空燃比の過薄化を確実に抑制することができ、以って再加速時などにおけるエミッションや運転性の低下などを抑制することができると共に、例えば、極短時間で終了するような減速運転の検出等(例えば、ノイズ等)があっても、直ちに空燃比フィードバック制御に代えて空燃比フィードバック補正量を所定値に固定するような制御に移行してしまうこと(例えば、請求項7に記載の発明等参照)を防止できるので、ノイズ等に対処しつつ高精度に空燃比を制御できることになる。
【0016】
請求項6に記載の発明では、前記減速時空燃比フィードバック補正量制御手段が、前記空燃比フィードバック補正量の変動範囲を規制する手段を含んで構成されるようにした。
このように、空燃比フィードバック補正量の変動を所定範囲に規制(リミット)するようにすると、ノイズ等の影響に対処しつつ、確実に必要以上にリーン化することを防止することができる。
【0017】
請求項7に記載の発明では、前記減速時空燃比フィードバック補正量制御手段が、前記空燃比フィードバック補正量を所定値に固定する手段であるように構成した。
このように、空燃比フィードバック補正量を所定値に固定制御するようにすると、簡単な構成で、空燃比フィードバック制御の応答遅れに伴う空燃比の過薄化を確実に抑制することができ、以って再加速時などにおけるエミッションや運転性の低下などを抑制することができる。
【0018】
【発明の効果】
請求項1,請求項2に記載の発明によれば、機関吸入混合気の空燃比をリーン方向に変化させる場合に、機関運転状態が減速状態となったときには、空燃比の所定以上のリーン化を抑制すべく、空燃比フィードバック補正量を制御するようにしたので、空燃比フィードバック制御の応答遅れに伴う空燃比の過薄化を抑制することができ、以って再加速時などにおけるエミッションや運転性の低下などを抑制することができる。
【0019】
即ち、請求項1,請求項2に記載の発明によれば、過渡運転時においても、空燃比フィードバック制御を行なわせることによって、空燃比を目標空燃比に高精度に維持できる一方、減速運転時において空燃比フィードバック制御を行なわせることによる空燃比のリーン化という問題を同時に解決することができる。
請求項3に記載の発明によれば、比較的簡単な構成で、及び簡単な制御ロジックで、本発明を達成することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、本発明を採用することによる効果を最大限有効に発揮することができ、かつ、本発明の利用価値を最大限高めることができる。
請求項5に記載の発明によれば、空燃比フィードバック補正量の変動ゲインを縮小するようにしたので、空燃比フィードバック制御の応答遅れに伴う空燃比の過薄化を確実に抑制することができ、以って再加速時などにおけるエミッションや運転性の低下などを抑制することができると共に、例えば、極短時間で終了するような減速運転の検出等(例えば、ノイズ等)があっても、直ちに空燃比フィードバック制御に代えて空燃比フィードバック補正量を所定値に固定するような制御に移行してしまうこと(例えば、請求項7に記載の発明等)を防止できるので、ノイズ等に対処しつつ高精度に空燃比を制御できることになる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、空燃比フィードバック補正量の変動を所定範囲に規制(リミット)するようにしたので、ノイズ等の影響に対処しつつ、確実に必要以上にリーン化することを防止することができる。
請求項7に記載の発明によれば、空燃比フィードバック補正量を所定値に固定制御するようにしたので、簡単な構成で、空燃比フィードバック制御の応答遅れに伴う空燃比の過薄化を確実に抑制することができ、以って再加速時などにおけるエミッションや運転性の低下などを抑制することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を、添付の図面に基づいて説明する。
本発明の一実施形態に係る全体システム構成を表した図2において示されるように、本実施形態に係る内燃機関1には、運転状態を検出するセンサとして、吸入空気流量を検出するエアフローメータ2、機関回転速度などを検出するために所定角度毎(例えば、1度毎)のクランク角度信号を出力するクランク角センサ3が備えられている。更に、排気通路には空燃比検出手段として空燃比を検出するための酸素センサ6(なお、空燃比をリニアに検出するタイプのものであってもよい)が設けられ、また機関温度(冷却水温度)を検出するための水温センサ(図示せず),スロットル弁の開度を検出するためのスロットル開度センサ(図示せず)等も備えられる。
【0023】
これの各種センサからの検出信号は、CPU,ROM,RAM,入出力I/F,A/D変換器等を含んで構成されるマイクロコンピュータからなるコントロールユニット4に入力され、当該コントロールユニット4では、これら各種センサからの検出信号に基づいて、燃料噴射弁5を駆動するための噴射指令信号(開弁時間,開弁時期等)を演算し、燃料噴射弁5へ、その噴射指令信号を出力するようになっている。
【0024】
なお、上記コントロールユニット4が、本発明に係る空燃比検出手段、空燃比フィードバック制御手段、減速運転検出手段、減速時空燃比フィードバック補正量制御手段としての機能をソフトウェア的に備えるものである。
以下に、本実施形態におけるコントロールユニット4が行なう空燃比フィードバック制御について説明する。
【0025】
本実施形態における空燃比フィードバック制御は、前述したように、コントロールユニット4内のソフトウェアプログラムとして構成されており、演算装置(CPU)によって、所定間隔毎に、以下に説明するプログラムが読み出され、その動作が実行されるようになっている。
ここにおいて、まず初めに、従来における空燃比フィードバック制御について、図8のフローチャートを参照して説明することにする。
【0026】
従来の空燃比フィードバック制御は、図8のフローチャートに示すように、まず、空燃比フィードバック制御(F/B)条件であるか否かを、ステップ(以下、単にsと言う)1で判定する。
なお、空燃比フィードバック制御条件でない場合とは、
▲1▼機関の冷却水温が低すぎて理論混合比では機関運転が不安定になる場合や運転条件が所定の高負荷であり理論混合比では作動ガスの燃焼温度が高すぎる場合などであって理論混合比よりもリッチ(濃い)な混合比で運転する必要がある場合等や、
▲2▼燃料カット時及びその直後に機関の発生トルクを抑えるため多少リーン(希薄)な混合比で運転する必要がある場合等や、
▲3▼更に、始動直後などで酸素センサ6が活性化していない場合等であり、
これら以外が、空燃比フィードバック制御条件となる。
【0027】
上記のs1で、空燃比フィードバック制御条件であると判定されると、実際に空燃比フィードバック制御を行なうため、s2以降へ進む。
s2では、酸素センサ6の出力(以下、VO2とも言う)を、閾値(以下、SLとも言う)と比較する。SLは、例えば理論混合比(目標空燃比)に相当する値である。
【0028】
VO2≧SLであれば、リッチと判定して、機関1への燃料供給量を減ずるため、s3へ進む。
逆に、VO2<SLであれば、リーンと判定して、機関1への燃料供給量を増すため、s4へ進む。
s3では、前回このプログラムを実行したときのリッチ・リーン判定結果を読み出し、前回もリッチであれば、s5へ進み、空燃比フィードバック補正係数αから、所定積分ゲインIRを減ずる。一方、前回はリーンであったと判定された場合は、今回リッチになったばかりであるので、所定積分ゲインIRに比較して大きな所定ステップ(比例)ゲインPRを減ずる。ここで、所定積分ゲインIRに代えて、所定ステップ(比例)ゲインPRを用いるのは、所定積分ゲインIRによる空燃比フィードバック補正係数αのオーバーシュート分を回収し、なるべくF/B速度を速めるためである。
【0029】
一方、s2でリーンと判定された場合は、s4へ進むが、当該s4では、前回のリッチ・リーン判定結果を読み出し、前回もリーンであれば、機関1への燃料供給量を増やすため、s7で空燃比フィードバック補正係数αに所定積分ゲインILを加える。これに対し、前回がリッチであった場合は、s8で所定ステップ(比例)ゲインPLを加える。
【0030】
このようにして、空燃比がリッチであれば、空燃比フィードバック補正係数αを小さくし、リーンであれば大きくする。
機関1への燃料供給量は、図2に示すエアフローメータ2により機関1への吸入空気流量を検出し、かつ、クランク角センサ3によって、機関の吸気頻度(換言すれば機関回転速度)を検出することにより、機関1のシリンダが吸気1回当たりに吸入する空気量を求め、これに対し空燃比が理論混合比付近となるように、基本燃料供給量をコントロールユニット4にて演算し、この演算結果を、上述した空燃比フィードバック補正係数αで補正することにより求められる。そして、コントロールユニット4では、この結果を燃料供給指令信号(開弁時間,開弁時期等の指令信号)として燃料噴射弁5へ送信し、燃料噴射弁5を開弁駆動することで、実際の空燃比が理論混合比付近となるように補正された供給燃料量を機関1に供給することになる。なお、前記空燃比フィードバック補正係数αや前記各ゲインは、直接燃料量(空燃比フィードバック補正燃料量)として与えることもできる。
【0031】
ここで、空燃比フィードバック補正係数αの波形は、図4に示すようになり、これにより、空燃比を略理論混合比に保つことが可能となる。
なお、s1で空燃比フィードバック制御を行なわないと判定された場合には、s9へ進み、ここで、空燃比フィードバック補正係数αは、所定値(例えばα=1.0)に固定されるようになっている。
【0032】
ところで、従来の空燃比フィードバック制御においては、減速域でも、空燃比フィードバック制御を実行するか、或いは、制御ハンチングを防止する等のために空燃比フィードバック補正係数αを所定値に固定するか、の何れかを行なうようにしていた。
しかしながら、実際には、空燃比フィードバック制御を実行する以前の空燃比(以下、ベース空燃比と言う。)には乱れが存在し、特に、減速域等の過渡時においては、その乱れが大きい。
【0033】
このため、例えば、ベース空燃比の過薄が生じる場合には、この過薄を防止すべく、空燃比フィードバック制御を行なわせることによって、空燃比をリッチ方向に補正し、運転性を確保するようにすることが望まれる。
しかし、逆に、空燃比が過濃となっている場合には、空燃比フィードバック制御によって、空燃比フィードバック補正係数αはリーン方向(小さい値)に変化されることになるが、このとき、減速運転により、ベース空燃比がリッチからリーンに急激に反転すると、空燃比フィードバック制御が追従しきれず(この制御遅れは、例えば吸入混合気が燃焼され排気されて酸素センサ6で空燃比が検出されるまでの遅れ時間や、酸素センサ6自体の検出遅れ時間等に起因する)、そのままリーン方向への補正が継続され、結局過薄を招いてしまい(過薄を助長することとなり)、以ってその後の再加速時において、エミッションや運転性の低下などを招く惧れが生じる。
【0034】
なお、空燃比フィードバック制御により空燃比をリッチ方向に補正している間に、減速運転により、ベース空燃比がリーン側に大きく変化したような場合は、空燃比フィードバック制御によるリッチ方向への補正が継続されるのであるから、過薄を縮小する方向に補正されるので、再加速性などを低下させる惧れは少ない。
【0035】
そこで、本実施形態では、減速運転検出手段と、酸素センサ6の出力と、によって、減速時かつリッチ時を検出したときには(換言すれば、空燃比フィードバック制御によるリーン方向への補正が必要な場合で、減速運転が検出されたときには)、空燃比フィードバック補正係数αを制限、若しくは固定する、或いは制御ゲインを縮小する(或いは符号を代えて補正方向を逆転させる)ようにするものである。
【0036】
即ち、本実施形態におけるコントロールユニット4が行なう空燃比フィードバック制御は、図3のフローチャートに示すようになっている。なお、従来の空燃比フィードバック制御を示す図8のフローチャートと共通するステップについては同様の動作が行なわれるので、説明を省略することにする。
つまり、本実施形態におけるコントロールユニット4が行なう空燃比フィードバック制御は、図3のフローチャートに示すように、
s101,s102で、減速時であると判定された場合は、s9へ進み、空燃比フィードバック補正係数αをクランプする。なお、減速運転は、例えばスロットル開度センサの出力信号の変化度合等に基づいて検出することができる。
【0037】
s101,s102は、空燃比がリッチ時の動作であり、これにより、減速時、かつ、リッチ時の空燃比フィードバック補正係数αの固定が可能となる。
このように、本実施形態によれば、空燃比フィードバック制御によるリーン方向への補正が必要な場合で(換言すれば、空燃比フィードバック制御中の酸素センサ6のリッチ検出時に)、減速運転が検出されたときには、空燃比フィードバック補正係数αを固定、或いは制限、若しくは制御ゲインを変更するようにしたので、空燃比フィードバック制御の応答遅れに伴う空燃比の過薄化を抑制でき、以って再加速時などにおけるエミッションや運転性の低下などを抑制することができる。
【0038】
つまり、空燃比フィードバック制御によるリッチ方向への空燃比の補正が必要な場合は、例え減速運転となっても、通常時と同様の空燃比フィードバック制御を継続させることで、後述するベース空燃比の過薄が生じても、この過薄を防止すべく、空燃比をリッチ方向に補正し、運転性を確保させることができる一方、空燃比フィードバック制御によるリーン方向への空燃比の補正が必要な場合に、減速運転となった場合には、通常時と同様の空燃比フィードバック制御を継続すると、応答遅れによって、空燃比フィードバック制御が追従しきれず、そのままリーン方向への補正が継続され、結局過薄を招いてしまう惧れがあるが(過薄を助長することとなるが)、このような惧れを確実に抑制することができる。
【0039】
更に言い換えると、本実施形態によれば、過渡運転時においても、空燃比フィードバック制御を行なわせることによって、空燃比を目標空燃比に高精度に維持させることができる一方、過渡運転中のうちの減速運転時において空燃比フィードバック制御を行なわせることによる空燃比のリーン化という問題をも同時に解決できることになる。
【0040】
なお、s101,s102で、減速時であると判定された場合に、図5に示すように、積分ゲインIRや比例ゲインPRを通常時より小さな値に設定し(或いは積分ゲインIRや比例ゲインPRを負の値に設定することもできる。図5のs501,s502を参照。)、空燃比フィードバック制御の応答遅れに伴う空燃比の過薄化を抑制するようにすることも可能である。
【0041】
また、s101,s102で、減速時であると判定された場合に、フィードバックが減量側で過剰補正とならないように、図6に示すように、空燃比フィードバック補正係数αを所定の値(下限値)に制限するようにして(図6のs601,s602を参照)、空燃比フィードバック制御の応答遅れに伴う空燃比の過薄化を抑制するようにすることもできる。
【0042】
そして、s101,s102で、減速時であると判定された場合に限り、図7に示すように、空燃比フィードバック補正係数αを所定値(αLMT)にクランプするようにして(図7のs701を参照。)、空燃比フィードバック制御の応答遅れに伴う空燃比の過薄化を抑制するようにすることも可能である。
なお、本実施形態では、空燃比検出手段として排気空燃比を検出するものとして説明したが、本発明は、これに限らず、例えば吸入混合気中の特定成分濃度等を検出して吸入混合気の空燃比を検出する場合にも勿論適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施形態を示すシステム図。
【図3】同上実施形態の空燃比制御を説明するためのフローチャート。
【図4】空燃比フィードバック制御による空燃比(λ),α(ALPHA),酸素センサ出力(VO2)の変化の様子を示すタイムチャート。
【図5】空燃比制御の他の一例を説明するためのフローチャート。
【図6】空燃比制御の他の一例を説明するためのフローチャート。
【図7】空燃比制御の他の一例を説明するためのフローチャート。
【図8】従来の空燃比フィードバック制御を説明するフローチャート。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 エアフローメータ
3 クランク角センサ
4 コントロールユニット
5 燃料噴射弁
6 酸素センサ
Claims (7)
- 機関吸入混合気の空燃比が目標空燃比となるように、空燃比制御量を空燃比フィードバック補正量を介してフィードバック制御する機能を備えた内燃機関の空燃比制御装置であって、
前記フィードバック制御中で、機関吸入混合気の空燃比をリーン方向に変化させる場合に、機関が減速運転となったときとそれ以外のときとで前記空燃比フィードバック補正量の制御を異ならせ、機関が減速運転となったときには、機関吸入混合気の空燃比の所定以上のリーン化を抑制すべく、前記空燃比フィードバック補正量を制御するようにしたことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 機関吸入混合気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、
前記空燃比検出手段の検出結果に基づいて、機関吸入混合気の空燃比が目標空燃比となるように、空燃比制御量を空燃比フィードバック補正量を介してフィードバック制御する空燃比フィードバック制御手段と、
機関の減速運転を検出する減速運転検出手段と、
前記空燃比フィードバック制御手段による空燃比フィードバック制御中で、前記空燃比フィードバック補正量を介して機関吸入混合気の空燃比をリーン方向に変化させる場合に、前記減速運転状態検出手段により機関の減速運転が検出されたときには、それ以外のときとは前記空燃比フィードバック補正量の制御を異ならせ、機関吸入混合気の空燃比の所定以上のリーン化を抑制すべく、前記空燃比フィードバック補正量を制御する減速時空燃比フィードバック補正量制御手段と、
を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記空燃比フィードバック補正量を介して機関吸入混合気の空燃比をリーン方向に変化させる場合を、前記空燃比検出手段が機関吸入混合気の空燃比がリッチであると検出している場合としたことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記空燃比検出手段が、機関排気の空燃比を検出する手段であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記減速時空燃比フィードバック補正量制御手段が、前記空燃比フィードバック補正量の変動ゲインを縮小する手段であることを特徴とする請求項2〜請求項4の何れか1つに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記減速時空燃比フィードバック補正量制御手段が、前記空燃比フィードバック補正量の変動範囲を規制する手段を含んで構成されたことを特徴とする請求項2〜請求項5の何れか1つに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記減速時空燃比フィードバック補正量制御手段が、前記空燃比フィードバック補正量を所定値に固定する手段であることを特徴とする請求項2〜請求項4の何れか1つに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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