JP3728632B2 - 架構構造物 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無柱の居住空間部を備えた架構構造物に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、一般事業者が入居するオフィスビルなどの建物にあっては、平面上に多くの柱体をその配列方向を縦横にして配置し、その柱体の間に梁体を架設した構造としており、建物内部での居住空間部は前記柱体を含む形態で構成され、居住空間部の内部を仕切る間仕切壁もビル構築時に一体的に形成するなどして固定的なものとされている。これに対して研究所などを組織する事業者にあっては、その事業内容の変更に伴い居住空間部の利用形態を変化させることが多く、前記した構造の建物に入居している場合、居住空間部を仕切る間仕切を可動的なものとし、必要に応じてこれらを移動させて各部屋の拡大、縮小を行っている。
しかしながら、このような固定的な間仕切により居住空間部が複数に仕切られている場合、居住する利用者側の組織変更や事情内容の変更などにより各空間の拡大、縮小を行う必要が生じても、それに柔軟に対向することができないという問題がある。また、居住空間部の環境を整える空調などのダクト配管設備は、居住空間部の天井裏に基幹となるダクトや配管を予め通しておき、その基幹から居住空間部の構築当初における区画に対応する形で枝分かれ状に延設されているため、居住空間部内における区画変更を行う際には、この区画変更に対応するように前記基幹も含めてダクト配管設備を大きく変更する必要があり、よって、居住空間部の区画変更は容易に行えるものとはなっていなかった。
【0003】
そこで本発明は上記事情に鑑み、架構構造として居住空間部に柱体が立設されないようにするとともに、空調などにおけるダクト配管が天井裏で予め定間隔で配設されるようにすることを課題とし、広い無柱の居住空間部を得て区画変更に容易に対応できるようにし、天井裏側でのダクト配管の移設工事なども必要としないようにすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、建物の相対向する一組の二辺部それぞれに内側柱列と外側柱列との二列にして配列される複数の柱体が、前記配列方向に定間隔にして配置され、前記配列方向と直交する方向に配置される梁体が、前記二辺部それぞれの内外側柱列の柱体の間と、相対する内側柱列の柱体の間に架け渡されて、内側柱列の柱体と外側柱列の柱体とを、この内外側柱列の柱体の間の前記梁体を介して一体とし、かつ、この一体とした内外側柱列の柱体で、相対する内側柱列の柱体の間の前記梁体を支持する架構構造を有し、前記架構構造での相対する内側柱列の柱体の間に梁体が架け渡されて支持されている一方の内側柱列と他方の内側柱列との間に、間仕切可能な無柱の居住空間部を設け、かつ、前記架構構造での梁体の架け渡しにより内外側柱列の柱体が一体とされている内側柱列と外側柱列との間に、通路空間部を設け、前記通路空間部での天井裏に前記居住空間部に対する空調などのダクト配管設備の基幹が配置され、該基幹からのダクト配管設備が、前記配列方向と直交する方向に定間隔にして前記通路空間部から居住空間部に前記梁体の架設方向に沿って延設されていることを特徴とする架構構造物を提供して、上記課題を解消するものである。
【0005】
本発明においては、建物の二辺部それぞれにある内側柱列の間に居住空間部が形成され、相対する内側柱列の柱体に梁体が掛け渡されることで居住空間部を無柱にするとができるようになり、間仕切を移動させ易いものとなる。また、ダクト配管設備が通路空間部から居住空間部に延設されるようにしているため、前記ダクト配管設備の基幹を通路空間部に配置できるようになり、その通路空間部においてダクト配管設備のメンテナンスなどが行えるようになる。
【0006】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明を図1から図6に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1は本発明の架構構造物であり、該架構構造物1は各階層の平面が横長の形状となるものとされ、長手方向に沿った二つの辺部2それぞれに通路空間部3が形成され、その相対する通路空間部3の間が居住空間部4として形成されている。(なお、図1においては架構構造体の骨格が概略的に表現されており、図による説明を容易にするために、内部側の構造は図示されていない)
そして、この架構構造物1においては、前記辺部2それぞれに内側柱列5と外側柱列6との平行な二つの並びとして配列される複数の柱体7が、前記配列方向に定間隔にして配置されている。前記の間隔としては1800mmを基本単位(モジュール)にして7200mmとするのが一例として挙げられる。このように、前記辺部2それぞれに複数の柱体7が立設し、この柱体7の並びにより前記通路空間部3と居住空間部4とが区別されてていて、柱体7が並んでなる内側柱列5と外側柱列6との間が上記通路空間部3とされ、相対する内側柱列5の間が居住空間部4とされている。
【0007】
符号8,9は、通り芯を同じにして辺部2の方向と直交する方向に配置される梁体を示し、配管やダクトが貫通配置できるトラス梁である。そして、前記梁体8は相対する内側柱列5の柱体7に掛け渡して連結されており、その内側柱列5の柱体7に前記梁体8が掛け渡されることで、居住空間部4を無柱の空間とし広いスペースが得られるようにしている。また、辺部2それぞれの内側柱列5の柱体7と外側柱列6の柱体7とに前記梁体9が掛け渡されて連結が行われており、この辺部において相対する内側柱列5の柱体7と外側柱列6の柱体7とが梁体9を介して一体化され、辺部それぞれにおいて一体化した二つの柱体7,7にて前記梁体8を支持する架構構造としている。
このように、二つの柱体7を一体化させて梁体8の支持体としているため、その梁体8の長さを大きくとることが可能とされ、梁体8方向のスパン長が大きく設定されている。
なお、柱体7の配列方向においては隣接する柱体相互が梁体10により連結されている。
【0008】
上記構造の架構構造物1において、内側柱列5に挟まれる居住空間部4が無柱としているため、図示するように間仕切により複数の区画に分けることが可能であり、間仕切を移動可能なものとすることで柱体の影響を受けることなくその変更も容易になる。そして、この架構構造物1の居住空間部4にあっては、図3に示すように、上述した基本単位に基づいて天井側の照明機器11が配置されており、天井伏せ図を表現しているこの図3と同階層の平面を表している図4に示されているように、基本単位に基づく可動間仕切12を用いることで前記照明機器11に干渉することなく居住空間部4を複数に区画できるようにしている。
【0009】
さらに、架構構造物1においては、図5と図6に示されているように、通路空間部3の天井裏13には、居住空間部4の環境を整える空調などのダクト配管設備における基幹14が配置されている。この基幹14は例えば空調機14a、排煙ダクト14b、給気ダクト14c、ケーブル14d、全熱交換器14e、天井埋込型パッケージエアコンディショナ14fなどであって、通路空間部3の天井裏13に位置するこの基幹14から居住空間部4のダクト配管設備15が前記居住空間部4の天井裏16に上記梁体8の長さ方向に沿って延設されている。さらに、このダクト配管設備15は例えば梁体8の間ごとに延設されるもので、梁体8の方向に延びるこのダクト配管設備15が、この架構構造物1の辺部2の方向に定間隔にして設けられており、居住空間部4の辺部方向にいずれの場所においてもほぼ同一の環境が得られるようにしている。例えば、図5において示すように、可動間仕切12にて区画された居住空間部4の天井裏16に、空調機14aから延設されたダクト配管設備15としての給排気ダクト15aが延設され、その給排気ダクト15aから給排気口15bが天井面から室内側に臨むようにすることができ、この空調機14aと給排気ダクト15aと給排気口15bとの組み合わせが、辺部2の方向に複数構成されている。
このように、基幹14を通路空間部3の天井裏13に配置しているため、設備点検などにおいては通路空間部3側にてそのメンテナンスが行えるようにしている。そして、区画変更によって風量、換気回数、室温などに初期能力以上の設備が要求される場合にはこの天井裏13に新たな機器を設置することで対応すればよい。
【0010】
居住空間部4の床部は図示されているように室内側から開け閉めできる二重床構造(いわゆる、OAフロア)とされ、居住空間部4に設置する各種電気機器の配線を敷設することができるように設けられており、上述のように区画変更があった場合には必要とされる部分の床板を上げてその配線を敷設し直せばよく、前記区画変更にデ−タ配線や電話配線などの盛り替えが容易に行えるようにしている。
なお、梁体として上記実施の例ではトラス梁を示したが、これに代えて一定間隔でスリーブ孔をあけた梁を用いるようにしてもよい。
【0011】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の架構構造物は、建物の相対向する一組の二辺部それぞれに内側柱列と外側柱列との二列にして配列される複数の柱体が、前記配列方向に定間隔にして配置され、前記配列方向と直交する方向に配置される梁体が、前記二辺部それぞれの内外側柱列の柱体の間と、相対する内側柱列の柱体の間に架け渡されて、内側柱列の柱体と外側柱列の柱体とを、この内外側柱列の柱体の間の前記梁体を介して一体とし、かつ、この一体とした内外側柱列の柱体で、相対する内側柱列の柱体の間の前記梁体を支持する架構構造を有し、前記架構構造での相対する内側柱列の柱体の間に梁体が架け渡されて支持されている一方の内側柱列と他方の内側柱列との間に、間仕切可能な無柱の居住空間部を設け、かつ、前記架構構造での梁体の架け渡しにより内外側柱列の柱体が一体とされている内側柱列と外側柱列との間に、通路空間部を設け、前記通路空間部での天井裏に前記居住空間部に対する空調などのダクト配管設備の基幹が配置され、該基幹からのダクト配管設備が、前記配列方向と直交する方向に定間隔にして前記通路空間部から居住空間部に前記梁体の架設方向に沿って延設されていることを特徴とするものである。このように、架構構造とすることで居住空間部を無柱の空間部とすることができ、可動間仕切を用いることで居住空間部の区画変更が容易になり、無柱であるため、空間を有効に利用できる。また、通路空間部を形成する対の柱体が一体となり、内側柱列の間に掛け渡される梁体を支持する構成であるため、大規模な架構が形成できて前記梁体の長さを大きくすることが可能となり、よって、無柱にして広い居住空間部が得易くなる。
さらに、居住空間部に対する空調などのダクト配管設備が、前記通路空間部から居住空間部に前記梁体の架設方向に沿って延設されているので、架構構造物の辺部方向に亘る設備環境をほぼ同様に形成でき、よって、居住空間部における区画変更が生じた場合においても各区画内の環境が揃い、従来の区画変更により空調工事を必要としなくなる。そして、通路空間部を介して居住空間部にダクト配管設備が延設されるため、その通路空間部を設備の基幹とすることが可能となり、居住空間部の内部に立ち入ることなく通路空間部側で各種のメンテナスを行えるようにすることも可能であるなど、実用性に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る架構構造物の実施例を示す説明図である。
【図2】実施例を平面で示す説明図である。
【図3】任意階の天井伏せを示す説明図である。
【図4】同じく任意階の平面を示す説明図である。
【図5】任意階を断面で示す説明図である。
【図6】同じく任意階の通路空間部と居住空間部の天井裏を示す説明図である。
【符号の説明】
1…架構構造物 3…通路空間部 4…居住空間部 5…内側柱列
6…外側柱列 7…柱体 8,9,10…梁体 12…可動間仕切
13,16…天井裏 14…基幹 15…ダクト配管設備
【発明の属する技術分野】
本発明は無柱の居住空間部を備えた架構構造物に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、一般事業者が入居するオフィスビルなどの建物にあっては、平面上に多くの柱体をその配列方向を縦横にして配置し、その柱体の間に梁体を架設した構造としており、建物内部での居住空間部は前記柱体を含む形態で構成され、居住空間部の内部を仕切る間仕切壁もビル構築時に一体的に形成するなどして固定的なものとされている。これに対して研究所などを組織する事業者にあっては、その事業内容の変更に伴い居住空間部の利用形態を変化させることが多く、前記した構造の建物に入居している場合、居住空間部を仕切る間仕切を可動的なものとし、必要に応じてこれらを移動させて各部屋の拡大、縮小を行っている。
しかしながら、このような固定的な間仕切により居住空間部が複数に仕切られている場合、居住する利用者側の組織変更や事情内容の変更などにより各空間の拡大、縮小を行う必要が生じても、それに柔軟に対向することができないという問題がある。また、居住空間部の環境を整える空調などのダクト配管設備は、居住空間部の天井裏に基幹となるダクトや配管を予め通しておき、その基幹から居住空間部の構築当初における区画に対応する形で枝分かれ状に延設されているため、居住空間部内における区画変更を行う際には、この区画変更に対応するように前記基幹も含めてダクト配管設備を大きく変更する必要があり、よって、居住空間部の区画変更は容易に行えるものとはなっていなかった。
【0003】
そこで本発明は上記事情に鑑み、架構構造として居住空間部に柱体が立設されないようにするとともに、空調などにおけるダクト配管が天井裏で予め定間隔で配設されるようにすることを課題とし、広い無柱の居住空間部を得て区画変更に容易に対応できるようにし、天井裏側でのダクト配管の移設工事なども必要としないようにすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、建物の相対向する一組の二辺部それぞれに内側柱列と外側柱列との二列にして配列される複数の柱体が、前記配列方向に定間隔にして配置され、前記配列方向と直交する方向に配置される梁体が、前記二辺部それぞれの内外側柱列の柱体の間と、相対する内側柱列の柱体の間に架け渡されて、内側柱列の柱体と外側柱列の柱体とを、この内外側柱列の柱体の間の前記梁体を介して一体とし、かつ、この一体とした内外側柱列の柱体で、相対する内側柱列の柱体の間の前記梁体を支持する架構構造を有し、前記架構構造での相対する内側柱列の柱体の間に梁体が架け渡されて支持されている一方の内側柱列と他方の内側柱列との間に、間仕切可能な無柱の居住空間部を設け、かつ、前記架構構造での梁体の架け渡しにより内外側柱列の柱体が一体とされている内側柱列と外側柱列との間に、通路空間部を設け、前記通路空間部での天井裏に前記居住空間部に対する空調などのダクト配管設備の基幹が配置され、該基幹からのダクト配管設備が、前記配列方向と直交する方向に定間隔にして前記通路空間部から居住空間部に前記梁体の架設方向に沿って延設されていることを特徴とする架構構造物を提供して、上記課題を解消するものである。
【0005】
本発明においては、建物の二辺部それぞれにある内側柱列の間に居住空間部が形成され、相対する内側柱列の柱体に梁体が掛け渡されることで居住空間部を無柱にするとができるようになり、間仕切を移動させ易いものとなる。また、ダクト配管設備が通路空間部から居住空間部に延設されるようにしているため、前記ダクト配管設備の基幹を通路空間部に配置できるようになり、その通路空間部においてダクト配管設備のメンテナンスなどが行えるようになる。
【0006】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明を図1から図6に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1は本発明の架構構造物であり、該架構構造物1は各階層の平面が横長の形状となるものとされ、長手方向に沿った二つの辺部2それぞれに通路空間部3が形成され、その相対する通路空間部3の間が居住空間部4として形成されている。(なお、図1においては架構構造体の骨格が概略的に表現されており、図による説明を容易にするために、内部側の構造は図示されていない)
そして、この架構構造物1においては、前記辺部2それぞれに内側柱列5と外側柱列6との平行な二つの並びとして配列される複数の柱体7が、前記配列方向に定間隔にして配置されている。前記の間隔としては1800mmを基本単位(モジュール)にして7200mmとするのが一例として挙げられる。このように、前記辺部2それぞれに複数の柱体7が立設し、この柱体7の並びにより前記通路空間部3と居住空間部4とが区別されてていて、柱体7が並んでなる内側柱列5と外側柱列6との間が上記通路空間部3とされ、相対する内側柱列5の間が居住空間部4とされている。
【0007】
符号8,9は、通り芯を同じにして辺部2の方向と直交する方向に配置される梁体を示し、配管やダクトが貫通配置できるトラス梁である。そして、前記梁体8は相対する内側柱列5の柱体7に掛け渡して連結されており、その内側柱列5の柱体7に前記梁体8が掛け渡されることで、居住空間部4を無柱の空間とし広いスペースが得られるようにしている。また、辺部2それぞれの内側柱列5の柱体7と外側柱列6の柱体7とに前記梁体9が掛け渡されて連結が行われており、この辺部において相対する内側柱列5の柱体7と外側柱列6の柱体7とが梁体9を介して一体化され、辺部それぞれにおいて一体化した二つの柱体7,7にて前記梁体8を支持する架構構造としている。
このように、二つの柱体7を一体化させて梁体8の支持体としているため、その梁体8の長さを大きくとることが可能とされ、梁体8方向のスパン長が大きく設定されている。
なお、柱体7の配列方向においては隣接する柱体相互が梁体10により連結されている。
【0008】
上記構造の架構構造物1において、内側柱列5に挟まれる居住空間部4が無柱としているため、図示するように間仕切により複数の区画に分けることが可能であり、間仕切を移動可能なものとすることで柱体の影響を受けることなくその変更も容易になる。そして、この架構構造物1の居住空間部4にあっては、図3に示すように、上述した基本単位に基づいて天井側の照明機器11が配置されており、天井伏せ図を表現しているこの図3と同階層の平面を表している図4に示されているように、基本単位に基づく可動間仕切12を用いることで前記照明機器11に干渉することなく居住空間部4を複数に区画できるようにしている。
【0009】
さらに、架構構造物1においては、図5と図6に示されているように、通路空間部3の天井裏13には、居住空間部4の環境を整える空調などのダクト配管設備における基幹14が配置されている。この基幹14は例えば空調機14a、排煙ダクト14b、給気ダクト14c、ケーブル14d、全熱交換器14e、天井埋込型パッケージエアコンディショナ14fなどであって、通路空間部3の天井裏13に位置するこの基幹14から居住空間部4のダクト配管設備15が前記居住空間部4の天井裏16に上記梁体8の長さ方向に沿って延設されている。さらに、このダクト配管設備15は例えば梁体8の間ごとに延設されるもので、梁体8の方向に延びるこのダクト配管設備15が、この架構構造物1の辺部2の方向に定間隔にして設けられており、居住空間部4の辺部方向にいずれの場所においてもほぼ同一の環境が得られるようにしている。例えば、図5において示すように、可動間仕切12にて区画された居住空間部4の天井裏16に、空調機14aから延設されたダクト配管設備15としての給排気ダクト15aが延設され、その給排気ダクト15aから給排気口15bが天井面から室内側に臨むようにすることができ、この空調機14aと給排気ダクト15aと給排気口15bとの組み合わせが、辺部2の方向に複数構成されている。
このように、基幹14を通路空間部3の天井裏13に配置しているため、設備点検などにおいては通路空間部3側にてそのメンテナンスが行えるようにしている。そして、区画変更によって風量、換気回数、室温などに初期能力以上の設備が要求される場合にはこの天井裏13に新たな機器を設置することで対応すればよい。
【0010】
居住空間部4の床部は図示されているように室内側から開け閉めできる二重床構造(いわゆる、OAフロア)とされ、居住空間部4に設置する各種電気機器の配線を敷設することができるように設けられており、上述のように区画変更があった場合には必要とされる部分の床板を上げてその配線を敷設し直せばよく、前記区画変更にデ−タ配線や電話配線などの盛り替えが容易に行えるようにしている。
なお、梁体として上記実施の例ではトラス梁を示したが、これに代えて一定間隔でスリーブ孔をあけた梁を用いるようにしてもよい。
【0011】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の架構構造物は、建物の相対向する一組の二辺部それぞれに内側柱列と外側柱列との二列にして配列される複数の柱体が、前記配列方向に定間隔にして配置され、前記配列方向と直交する方向に配置される梁体が、前記二辺部それぞれの内外側柱列の柱体の間と、相対する内側柱列の柱体の間に架け渡されて、内側柱列の柱体と外側柱列の柱体とを、この内外側柱列の柱体の間の前記梁体を介して一体とし、かつ、この一体とした内外側柱列の柱体で、相対する内側柱列の柱体の間の前記梁体を支持する架構構造を有し、前記架構構造での相対する内側柱列の柱体の間に梁体が架け渡されて支持されている一方の内側柱列と他方の内側柱列との間に、間仕切可能な無柱の居住空間部を設け、かつ、前記架構構造での梁体の架け渡しにより内外側柱列の柱体が一体とされている内側柱列と外側柱列との間に、通路空間部を設け、前記通路空間部での天井裏に前記居住空間部に対する空調などのダクト配管設備の基幹が配置され、該基幹からのダクト配管設備が、前記配列方向と直交する方向に定間隔にして前記通路空間部から居住空間部に前記梁体の架設方向に沿って延設されていることを特徴とするものである。このように、架構構造とすることで居住空間部を無柱の空間部とすることができ、可動間仕切を用いることで居住空間部の区画変更が容易になり、無柱であるため、空間を有効に利用できる。また、通路空間部を形成する対の柱体が一体となり、内側柱列の間に掛け渡される梁体を支持する構成であるため、大規模な架構が形成できて前記梁体の長さを大きくすることが可能となり、よって、無柱にして広い居住空間部が得易くなる。
さらに、居住空間部に対する空調などのダクト配管設備が、前記通路空間部から居住空間部に前記梁体の架設方向に沿って延設されているので、架構構造物の辺部方向に亘る設備環境をほぼ同様に形成でき、よって、居住空間部における区画変更が生じた場合においても各区画内の環境が揃い、従来の区画変更により空調工事を必要としなくなる。そして、通路空間部を介して居住空間部にダクト配管設備が延設されるため、その通路空間部を設備の基幹とすることが可能となり、居住空間部の内部に立ち入ることなく通路空間部側で各種のメンテナスを行えるようにすることも可能であるなど、実用性に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る架構構造物の実施例を示す説明図である。
【図2】実施例を平面で示す説明図である。
【図3】任意階の天井伏せを示す説明図である。
【図4】同じく任意階の平面を示す説明図である。
【図5】任意階を断面で示す説明図である。
【図6】同じく任意階の通路空間部と居住空間部の天井裏を示す説明図である。
【符号の説明】
1…架構構造物 3…通路空間部 4…居住空間部 5…内側柱列
6…外側柱列 7…柱体 8,9,10…梁体 12…可動間仕切
13,16…天井裏 14…基幹 15…ダクト配管設備
Claims (1)
- 建物の相対向する一組の二辺部それぞれに内側柱列と外側柱列との二列にして配列される複数の柱体が、前記配列方向に定間隔にして配置され、
前記配列方向と直交する方向に配置される梁体が、前記二辺部それぞれの内外側柱列の柱体の間と、相対する内側柱列の柱体の間に架け渡されて、
内側柱列の柱体と外側柱列の柱体とを、この内外側柱列の柱体の間の前記梁体を介して一体とし、かつ、この一体とした内外側柱列の柱体で、相対する内側柱列の柱体の間の前記梁体を支持する架構構造を有し、
前記架構構造での相対する内側柱列の柱体の間に梁体が架け渡されて支持されている一方の内側柱列と他方の内側柱列との間に、間仕切可能な無柱の居住空間部を設け、かつ、
前記架構構造での梁体の架け渡しにより内外側柱列の柱体が一体とされている内側柱列と外側柱列との間に、通路空間部を設け、
前記通路空間部での天井裏に前記居住空間部に対する空調などのダクト配管設備の基幹が配置され、該基幹からのダクト配管設備が、前記配列方向と直交する方向に定間隔にして前記通路空間部から居住空間部に前記梁体の架設方向に沿って延設されていることを特徴とする架構構造物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP09229196A JP3728632B2 (ja) | 1996-04-15 | 1996-04-15 | 架構構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP09229196A JP3728632B2 (ja) | 1996-04-15 | 1996-04-15 | 架構構造物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09279869A JPH09279869A (ja) | 1997-10-28 |
JP3728632B2 true JP3728632B2 (ja) | 2005-12-21 |
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ID=14050321
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP09229196A Expired - Fee Related JP3728632B2 (ja) | 1996-04-15 | 1996-04-15 | 架構構造物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3728632B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5106950B2 (ja) * | 2007-08-22 | 2012-12-26 | 鹿島建設株式会社 | 構造物の架構 |
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1996
- 1996-04-15 JP JP09229196A patent/JP3728632B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH09279869A (ja) | 1997-10-28 |
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