JPH07150750A

JPH07150750A - 建物躯体の構造

Info

Publication number: JPH07150750A
Application number: JP5295044A
Authority: JP
Inventors: Ryuji Matsushita; 龍二松下; Ichiro Nagai; 一郎長井; Masashi Urano; 雅司浦野
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1993-11-25
Filing date: 1993-11-25
Publication date: 1995-06-13

Abstract

(57)【要約】【目的】配線や配管を室内に露出することなく配置でき
るようにする。吹出口が室内に露出するのを防止して室
内を輻射熱によって冷暖房できるようにする。【構成】少なくとも隣合うように複数立設された柱１間
に梁２を架設して部屋を構成する構造体３を形成する。
柱１及び梁２の長手方向に沿って中空部４を設ける。各
中空部４を連通させる。内部に中空部を有する箱状の壁
パネルを隣合う柱１間に取着する。内部に中空部を有す
る箱状の床パネルを隣合う梁２間に取着する。壁パネル
及び床パネルに設けられた中空部を柱１または梁２に設
けられた中空部４に連通させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建物躯体の構造に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、建物の構造体である梁または柱を
中空状に形成し、この梁または柱内に設けられた中空部
を配線用、配管用、空調用ダクト等として使用するもの
が、実開昭６３−１０１２２号公報、特開平３−１６４
６２２号公報、特開平４−２７２３４５号公報、実開平
２−１３１６号公報、特開平４−２６５３５１号公報等
に示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来例にあっては、柱または梁の長手方向の適所
に開口部が設けられており、この開口部より中空部内に
挿通された配線や配管を導出させるようにしたり、開口
部にて吹出口を形成して室内に冷暖房用の空気を吐出さ
せるように構成されており、室内の壁や床まで配線や配
管の端部を臨ませる場合には柱または梁の外面から導出
された配線や配管が壁パネルや床パネルの表面上に配置
されることとなり、見栄えが悪いものであった。また、
開口部にて吹出口を形成するようにしてあると吹出口が
室内より見えることとなってこの点においても見栄えが
悪いという問題があった。

【０００４】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、配線や配管が室内に露出することなく配置で
き、しかも、吹出口が室内に露出するのを防止して室内
を輻射熱によって冷暖房することができる建物躯体の構
造を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、少なくとも隣合うように複数立設され
た柱１間に梁２を架設して部屋を構成する構造体３を形
成し、柱１及び梁２の長手方向に沿って中空部４を設
け、各中空部４を連通させ、内部に中空部５ａを有する
箱状の壁パネル５を隣合う柱１間に取着し、内部に中空
部６ａを有する箱状の床パネル６を隣合う梁２間に取着
し、壁パネル５及び床パネル６に設けられた中空部５
ａ，６ａを柱１または梁２に設けられた中空部４に連通
させたものである。

【０００６】また、柱１及び梁２に設けられた中空部４
の内面に断熱材７を設けるようにしてもよい。

【０００７】

【作用】しかして、柱１及び梁２に設けられた中空部４
に配線や配管を挿通すると共に壁パネル５または床パネ
ル６に設けられた中空部５ａ，６ａ内に配線や配管を挿
通することで配線や配管が壁パネル５や床パネル６の表
面上に配置されたりすることなく室内の壁や床まで配線
や配管の端部を臨ませることができる。また、柱１及び
梁２に設けられた中空部４内に供給される冷暖房用の空
気を壁パネル５または床パネル６に設けられた中空部５
ａ，６ａ内に供給することで壁パネル５または床パネル
６からの輻射熱によって室内を冷暖房することができ
る。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を図示された実施例に基づいて
詳述する。建物躯体は図３に示されるように基台８上に
所定間隔毎に柱１を立設し、隣合う柱１間に梁２を架設
し、柱１の上部に屋根下地９を設置して主体が構成され
ており、柱１と梁２とで部屋を構成する構造体３が形成
されている。

【０００９】柱１及び梁２は例えば、鉄骨材によって構
成されており、内部には長手方向にわたって中空部４が
設けられている。柱１は図４に示されるように断面ロ字
状に形成されている。梁２は図５に示されるように断面
略エ字状に形成されており、上下のフランジ２ａ間のウ
ェブ部２ｂに中空部４が形成されている。ここで、梁２
は断面略エ字状に限定されるものではなく、要は内部に
中空部４が形成されていれば他の形状であってもよい。
また、柱１も断面ロ字状に限定されるものではなく要は
内部に中空部４が形成されていれば他の形状であっても
よい。

【００１０】隣合う柱１間に梁２が架設されるものであ
るが、柱１と梁２とは中空部４を連通させるようにして
相互に連結されており、柱１の外面に設けられた開口１
ａと梁２の中空部４の端部開口の位置を合わせて接続す
ることで各中空部４が連通された状態となっている。こ
こで、柱１の外面に設けられる開口１ａは１つの柱１に
対して複数の梁２が接続されることがあるために複数設
けられている。つまり、図６中左側に位置する柱１は２
本の梁２が接続されるようになっているために図７
（ａ）に示されるように隣合う外面の２面に開口１ａが
設けられており、また、図６において中央に位置する柱
１は３本の梁２が接続されるようになっているために図
７（ｂ）に示されるように隣合う外面の３面に開口１ａ
が設けられており、また、図６中右側に位置する柱１は
４本の梁２が接続されるようになっているために図７
（ｃ）に示されるように全外面の４面に開口１ａが設け
られている。また、柱１に設けられた中空部４を空調用
ダクトとして使用する場合には図１（ｂ）に示されよう
に中空部４を２分割して供給用空気路４ａと戻り用空気
路４ｂを形成するようにしてあってもよい。また、図示
を省略しているが、梁２も中空部４を２分割して供給用
空気路４ａと戻り用空気路４ｂを形成するようにしてあ
ってもよい。

【００１１】図２に示されるように隣合う柱１間には複
数の壁パネル５が設置されており、隣合う梁２間には複
数の床パネル６が設置されている。床パネル６及び壁パ
ネル５は内部に中空部６ａ，５ａを有する箱状に形成さ
れており、この中空部５ａ，６ａを柱１または梁２に設
けられた中空部４と連通させるようにしてそれぞれ設置
されている。つまり、柱１または梁２の外面に設けられ
た開口部１０を壁パネル５または床パネル６の端部に開
口する中空部５ａ，６ａに接続するようにして壁パネル
５及び床パネル６は設置されている。

【００１２】建物躯体の下部には図１、図２に示される
ように蓄熱槽１１が設けられており、蓄熱槽１１は柱１
または梁２の中空部４に連通している。この蓄熱槽１１
は図示していない冷暖房装置にて夜間電力を利用して暖
房用あるいは冷房用の熱を蓄熱することができるもので
あり、各中空部４，５ａ，６ａ内に温風を循環させるこ
とで室内の暖房を行い、各中空部４，５ａ，６ａ内に冷
風を循環させることで室内の冷房を行うようになってい
る。ここで、室内を冷暖房するにあたっては、壁パネル
５または床パネル６からの輻射熱によって室内が冷暖房
されるものであり、室内を乾燥させたり、室内の空気に
対流を生じさせたりするようなことなく効率良く室内を
冷暖房することができるようになっている。

【００１３】柱１及び梁２に設けられた中空部４の内面
には必要に応じて図４（ａ）、図５（ａ）に示されるよ
うに断熱材７が設けられており、柱１及び梁２に設けら
れた中空部４を空調用ダクトとして使用する場合に中空
部４内を通される冷暖房用の空気が供給途中で大きな温
度変化を起こさないようになっている。しかして、各中
空部４，５ａ，６ａ内に蓄熱槽１１から冷暖房用の空気
を送り、各中空部４，５ａ，６ａ内を循環させることで
空調用ダクトとして利用することができ、また、各中空
部４，５ａ，６ａ内に電線や給排水管を挿通させること
で配線用ダクトまたは配管用ダクトとして利用すること
ができるものである。

【００１４】そして、空調用ダクトとして使用して室内
の冷暖房を行う場合には壁パネル５及び床パネル６から
の輻射熱によって室内を冷暖房することができるもので
あり、冷暖房用の空気の吹出口を室内に設けるような必
要がないものであり、抜出口が室内に露出することで見
栄えを悪くするようなこともないものである。また、配
線用ダクトまたは配管用ダクトとして利用する場合には
壁パネル５及び床パネル６の内部にまで配線・配管する
ことができるので壁または床の所定位置まで電線や給排
水管の端部を見えないように配置することができ、電線
や給排水管の一部が室内に露出するようなこともないも
のである。図３中一点鎖線にて電気配線及び電話線の配
線状態の一実施例を示し、二点鎖線にて給水管・排水管
の配管状態の一実施例を示し、三点鎖線にて換気・空調
ダクトの形成状態の一実施例を示している。

【００１５】すなわち、室内に水回り設備を設置する場
合、壁パネル５または床パネル６に沿って設置される水
回り設備に対して壁パネル５または床パネル６より導出
した給排水管を水回り設備に直接接続することで給排水
管が壁パネル５または床パネル６の表面に沿って配管さ
れるのを防止することができる。また、室内に電気機器
を設置する場合、壁パネル５または床パネル６に沿って
設置される電気機器に対して壁パネル５または床パネル
６より導出した電線を電気機器に直接接続することで電
線が壁パネル５または床パネル６の表面に沿って配管さ
れるのを防止することができる。さらに、冷暖房は壁パ
ネル５及び床パネル６からの輻射熱によって行われるた
めに室内に冷暖房用の空気を吐出する吹出口を設ける必
要がないものであり、室内には吹出口、電線、配管等が
見えないようにすることができるものである。

【００１６】

【発明の効果】本発明は上述のように、少なくとも隣合
うように複数立設された柱間に梁を架設して部屋を構成
する構造体を形成し、柱及び梁の長手方向に沿って中空
部を設け、各中空部を連通させ、内部に中空部を有する
箱状の壁パネルを隣合う柱間に取着し、内部に中空部を
有する箱状の床パネルを隣合う梁間に取着し、壁パネル
及び床パネルに設けられた中空部を柱または梁に設けら
れた中空部に連通させてあるので、柱及び梁に設けられ
た中空部に配線や配管を挿通することで柱や梁や壁パネ
ル及び床パネルを配線用ダクトまたは配管用ダクトとし
て利用することができ、しかも、各中空部内に配線や配
管を挿通することで配線や配管が壁パネルや床パネルの
表面上に配置されたりすることなく室内の壁や床まで配
線や配管の端部を臨ませることができるものである。ま
た、柱及び梁に設けられた中空部内に供給される冷暖房
用の空気を壁パネルまたは床パネルに設けられた中空部
内に供給することで柱や梁や壁パネル及び床パネルを空
調用ダクトとして利用することができ、しかも、壁パネ
ルまたは床パネルからの輻射熱によって室内を冷暖房す
ることができるものであり、配線や配管が室内に露出す
ることなく配置できると共に室内に吹出口が露出したり
するのを防止して輻射熱によって室内を冷暖房すること
ができるものである。

【００１７】また、柱及び梁に設けられた中空部の内面
に断熱材を設けるようにしてあると、柱及び梁の内部に
設けられた中空部を空調用ダクトとして使用する場合、
内部を通る冷暖房用の空気がダクト内で温度変化するの
を防止することができ、冷暖房の効率を低下させるのを
防止することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すものであり、（ａ）は
構造体と床パネルの斜視図、（ｂ）は（ａ）におけるＡ
−Ａ線断面図である。

【図２】同上の壁パネルと床パネルの設置状態を示す一
部破断した斜視図である。

【図３】同上の全体斜視図である。

【図４】（ａ）（ｂ）（ｃ）は柱の各使用状態を示す一
部破断した斜視図である。

【図５】（ａ）（ｂ）（ｃ）は梁の各使用状態を示す一
部破断した斜視図である。

【図６】床パネルの設置状態を示す概略斜視図である。

【図７】（ａ）（ｂ）（ｃ）は柱に設けられる開口の各
実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

１柱２梁３構造体４中空部５壁パネル５ａ中空部６床パネル６ａ中空部７断熱材

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｈ０２Ｇ 3/04 ３０１Ｚ 9175−5Ｇ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】少なくとも隣合うように複数立設された
柱間に梁を架設して部屋を構成する構造体を形成し、柱
及び梁の長手方向に沿って中空部を設け、各中空部を連
通させ、内部に中空部を有する箱状の壁パネルを隣合う
柱間に取着し、内部に中空部を有する箱状の床パネルを
隣合う梁間に取着し、壁パネル及び床パネルに設けられ
た中空部を柱または梁に設けられた中空部に連通させて
成ることを特徴とする建物躯体の構造。
【請求項２】柱及び梁に設けられた中空部の内面に断
熱材を設けて成ることを特徴とする請求項１記載の建物
躯体の構造。