JP3728240B2 - 無耐火被覆鉄骨部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、火災を受ける鉄骨構造物において使用する、700℃超〜850℃以下での高温降伏強度が高い耐火鋼材による30分無耐火被覆鉄骨部材あるいは60分無耐火被覆鉄骨部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築分野の火災を受ける鉄骨構造物に使用される鋼材については、仕様規定により表面温度350℃以下で使用することが定められている。このため多くの場合、吹付けロックウール等の耐火被覆が必要となり、施工費用及び工程、環境・美観上の問題から鉄骨構造の競争力を著しく阻害している。
昭和62年の防耐火総プロの成果を受けて(建築基準法・旧38条認定により)性能型の設計が可能となった結果、鋼材の高温強度と、建物に実際に加わっている荷重により、耐火被覆の能力を決定できるようになり、場合によっては鋼材を無耐火被覆で使用することも可能になった。
【0003】
上記防耐火総プロの成果を受けて、近年は短時間の高温強度を高めた、いわゆる耐火鋼が多数開発されており、例えば、特開平2−77523号公報を始めとして、600℃での高温耐力が常温時の2/3以上となる鋼材(耐火鋼)が多数開示されている。また特開平9−209077号公報では、700℃での高温耐力が常温時の2/3以上となる鋼材(耐火鋼)が開示されている。
【0004】
これら従来の耐火鋼においては、経済性を失することなく鋼に耐火性を与えるため、C,Mn,Mo等の合金化を図っているが、成分元素の添加はコストアップに直結するだけでなく、溶接性や靭性、常温降伏強度にも大きく影響する。換言すると、高温降伏強度の上昇は必然的に溶接性や靭性の劣化、常温降伏強度の上昇を招くという問題がある。
【0005】
一方、現行の耐震設計法では、骨組の変形による地震エネルギー吸収を前提としていることから、設計で想定した骨組の崩壊形の確保や、部材の塑性変形能力の確保、部材性能を十分発揮させるための接合部耐力の確保が必要となり、これに用いる建築構造用の鋼材として、靭性下限や降伏強度の「ばらつき」の制限(つまり降伏強度上限)、降伏比上限などの耐震性の規定、Ceq上限などの溶接性の規定が必要となる。
【0006】
例えば、SN材(JIS G 3136−1994)はこれらの耐震性・溶接性に関する規定がなされた鋼材であり、400MPa級(降伏強度下限235MPa)の場合、靭性下限が0℃で27J、降伏強度上限が355MPa、降伏比上限が80%、Ceq上限が0.36質量%というように規定されている。
したがって、耐火性を有する建築構造用の鋼材には、耐火性(高温降伏強度確保)と、耐震性(靭性下限、常温降伏強度上限)、溶接性(Ceq上限)という相反する性能を両立させる技術の確立が求められ、これこそが従来の耐火鋼開発すなわち無耐火被覆構造化の課題となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
火災によって30分以上の加熱を受けた場合、部材断面にもよるが、一般に部材は700℃超の高温にさらされることが知られている。
よって、火災を受ける鉄骨構造物において30分無耐火被覆構造さらには60分無耐火被覆構造を可能にするためには、従来の700℃の耐火鋼よりさらに耐火性に優れた、700℃超〜850℃以下で所定の高温降伏強度を有する新しい耐火鋼材が必要である。
【0008】
本発明者等は、高温領域での降伏強度が、従来の700℃耐火鋼では常温降伏強度下限の2/3以上となるように性能を定めているが、実設計上では、常温降伏強度下限(235MPa)の0.2〜0.4以上であれば使用可能であることから、700℃超〜850℃以下の降伏強度においても、常温降伏強度下限の0.4(94MPa)あればよいことを見出した。
したがって本発明では、従来の700℃耐火鋼よりさらに耐火性の優れた新しい耐火鋼を用い、700℃超〜850℃以下で30分無耐火被覆構造さらには60分無耐火被覆構造を可能とする柱材、梁材、接合金物、損傷集中部材などの無耐火被覆鉄骨部材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、特定の耐火鋼材を規定の断面形状で使用することにより、無耐火被覆構造を可能とするもので、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)火災を受ける鉄骨構造物に使用する鉄骨部材であって、質量%で、
C :0.01〜0.08%、 Si:0.2〜2.0%、
Mn:0.5%以下、 Al:0.25〜1.0%、
Mo:0.5〜2.0%、 V :0.05〜0.50%、
Nb:0.02〜0.50%、 Ti:0.05〜0.30%
を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、700℃超〜850℃以下の温度領域の降伏強度が94MPa以上の耐火鋼材で、断面形状係数Hp/A(m-1)が150以下となるよう形成され、30分無耐火被覆構造が可能であることを特徴とする無耐火被覆鉄骨部材。
(2)火災を受ける鉄骨構造物に使用する鉄骨梁部材であって、質量%で、
:0.01〜0.08%、 Si:0.2〜2.0%、
Mn:0.5%以下、 Al:0.25〜1.0%、
Mo:0.5〜2.0%、 V :0.05〜0.50%、
Nb:0.02〜0.50%、 Ti:0.05〜0.30%
を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、700℃超〜850℃以下の温度領域の降伏強度が94MPa以上の耐火鋼材で、断面形状係数Hp/A(m-1)が60以下となるよう形成され、60分無耐火被覆構造が可能であることを特徴とする無耐火被覆鉄骨部材。
(3)前記耐火鋼材が、さらに質量%で、
Cu:0.1〜2.0%、 Ni:0.1〜0.5%、
Cr:0.1〜1.0%、 B :0.005〜0.010%
のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の無耐火被覆鉄骨部材。
なお上記Hp/Aで、Hpは断面の周長、Aは断面積である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、火災を受ける鉄骨構造物において、700℃超〜850℃以下の降伏強度が94MPa以上である耐火鋼材により形成した鉄骨部材であって、断面形状係数Hp/A(m-1)を150以下とすることによって30分無耐火被覆構造を、また、Hp/A(m-1)を60以下とすることによって60分無耐火被覆構造を可能にするものである。
本発明でいう鉄骨部材とは、主部材である柱材と梁材と、および柱材と柱材、柱材と梁材、梁材と梁材を接合するために用いるスプリットテイ、エンドプレート、スプライスプレートなどの接合部材(高力ボルトを含む)、損傷集中部材などである。
【0011】
本発明者等は、火災発生の場合に30分無耐火被覆構造を実現するため、鋼材に対して火災発生時に想定される加熱条件を付与する独自の加熱実験を行い、鋼材表面温度と断面形状係数Hp/A、正方形断面とした場合の換算板厚との関係について解析を行い、この解析から700℃超〜850℃以下領域で降伏強度94MPa以上の耐火性能を有し30分無耐火被覆構造が可能な条件について検討を行った。以下にその結果について説明する。
【0012】
図1は、柱材として用いられることの多い鋼材からなる箱形断面部材、H形断面部材について、ISO834標準加熱を4方向(4面)から受けた場合の、2次元熱伝導解析結果の例を示すもので、耐火温度(ここでは常温降伏強度の0.4以上の降伏強度を確保できる上限温度を「耐火温度」という。)700℃超〜850℃以下の達成可能領域を表したものである。
図中の縦軸は、30分加熱後の鋼材の温度(表面温度)を、横軸1段目はこの鋼材の断面形状係数Hp/A(Hpは断面の周長、Aは断面積)、同じく2段目は正方形断面とした場合の換算板厚(mm)を示す。
代表的な鉄骨部材(鋼材)の断面例と断面形状係数Hp/Aを表1に示す。
【0013】
図1では、
1) 鋼材の耐火温度が700℃の場合、鋼材裸使用でHp/A≦53(換算板厚≧19mm)で30分無耐火被覆構造が可能になる。
2) 鋼材の耐火温度が750℃の場合、鋼材裸使用でHp/A≦66(換算板厚≧15mm)で30分無耐火被覆構造が可能になる。
3) 鋼材の耐火温度が800℃の場合、鋼材裸使用でHp/A≦94(換算板厚≧11mm)で30分無耐火被覆構造が可能になる。
4) 鋼材の耐火温度が850℃の場合、鋼材裸使用でHp/A≦150(換算板厚≧7mm)で30分無耐火被覆構造が可能になる。
ことを示している。
また、
5) 鋼材の耐火温度が700℃の場合、鋼材裸使用でHp/A≦20(換算板厚≧51mm)で60分無耐火被覆構造が可能になる。
6) 鋼材の耐火温度が750℃の場合、鋼材裸使用でHp/A≦23(換算板厚≧43mm)で60分無耐火被覆構造が可能になる。
7) 鋼材の耐火温度が800℃の場合、鋼材裸使用でHp/A≦28(換算板厚≧36mm)で60分無耐火被覆構造が可能になる。
8) 鋼材の耐火温度が850℃の場合、鋼材裸使用でHp/A≦35(換算板厚≧29mm)で60分無耐火被覆構造が可能になる。
ことを示している。
【0014】
図1から、従来の700℃耐火鋼でも、Hp/A≦53(換算板厚≧19mm)で30分無耐火被覆構造が可能になるが、比較的鋼材断面が大きくなってしまうこと、耐火温度700℃超〜850℃以下の耐火鋼材をもってして初めて、Hp/A>53(板厚換算<19mm)の領域において、経済性を失することなく30分無耐火被覆構造が実現可能であることが分かる。
【0015】
また、同様に、60分無耐火被覆構造では、従来の700℃耐火鋼でも、Hp/A≦20(換算板厚≧51mm)で60分無耐火被覆構造が可能になるが、比較的鋼材断面が大きくなってしまうこと、耐火温度700℃超〜850℃以下の耐火鋼材をもってして初めて、Hp/A>20(板厚換算<51mm)の領域において、経済性を失することなく60分無耐火被覆構造が実現可能であることが分かる。このように、本発明の限定する下限値以下のHp/Aで耐火設計を行うことは可能であるが、耐火温度700℃超〜850℃以下の耐火鋼材を使用する意味がないので好ましくない。
【0016】
表1の柱(4面加熱)では、同じHp/Aでも箱形断面部材とH形断面部材で、その断面および板厚が大きく異なることを示している。例えば、□−500×32(Hp/A=33.4)とBH−500×500×50×70(Hp/A=33.0)は、同じHp/A、断面せいを有しているが、その板厚は箱形断面部材が32mm、H形断面部材がフランジで70mmとなることを表している。
【0017】
図2は、梁材として用いられ、上面に床材を配置することの多い鋼材からなるH形断面部材(十分な厚さの床スラブ付き)について、ISO834標準加熱を3方向(実質両ウエブ、下フランジ下面の3面)から受けた場合の2次元熱伝導解析結果の例を示すもので、30分加熱後の鋼材の温度(表面温度)と、鋼材の断面形状係数Hp/A(Hpは断面の周長、Aは断面積)との関係、耐火温度700℃〜850℃の達成可能領域を表したものである。代表的なH形断面(鋼材)の断面例と断面形状係数Hp/Aを表1に示す。
【0018】
図2では、
1) 鋼材の耐火温度が700℃の場合、鋼材裸使用でHp/A≦91(概算フランジ厚≧24mm)で30分無耐火被覆構造が可能になる。
2) 鋼材の耐火温度が750℃の場合、鋼材裸使用でHp/A≦115(概算フランジ厚≧18mm)で30分無耐火被覆構造が可能になる。
3) 鋼材の耐火温度が800℃および850℃の場合、鋼材裸使用でHp/A≦150 (概算フランジ厚≧7mm)で30分無耐火被覆構造が可能になる。
4) 鋼材の耐火温度が700℃の場合、鋼材裸使用でHp/A≦34(概算フランジ厚≧65mm)で60分無耐火被覆構造が可能になる。
5) 鋼材の耐火温度が750℃の場合、鋼材裸使用でHp/A≦40(概算フランジ厚≧60mm)で60分無耐火被覆構造が可能になる。
6) 鋼材の耐火温度が800℃の場合、鋼材裸使用はHp/A≦48(概算フランジ厚≧50mm)で60分無耐火被覆構造が可能になる。
7) 鋼材の耐火温度が850℃の場合、鋼材裸使用でHp/A≦60(概算フランジ厚≧40mm)で60分無耐火被覆構造が可能になる。
ことを示している。
【0019】
図2から、従来の700℃耐火鋼でも、Hp/A≦91(概算フランジ厚≧24mm)で30分無耐火被覆構造が可能になるが、比較的鋼材断面が大きくなってしまうこと、耐火温度700℃超〜850℃以下の耐火鋼材をもってして初めて、Hp/A>91(概算フランジ厚<24mm)という比較的鋼材断面の小さい領域において、経済性を失することなく30分無耐火被覆構造が実現可能であることが分かる。
【0020】
また、同様に、60分無耐火被覆構造では、従来の700℃耐火鋼でも、Hp/A≦34(概算フランジ厚≧65mm)で60分無耐火被覆構造が可能になるが、比較的鋼材断面が大くなってしまうこと、耐火温度700℃超〜850℃以下の耐火鋼材をもってして初めて、Hp/A>34(板厚概算<65mm)の領域において、経済性を失することなく60分無耐火被覆構造が実現可能であることが分かる。このように、本発明の限定する下限値以下のHp/Aで耐火設計を行うことは可能であるが、耐火温度700℃超〜850℃以下の耐火鋼材を使用する意味がないので好ましくない。
【0021】
図2の床スラブ配置の場合では、表面温度上昇はやや遅くなるが、耐火温度はHp/Aとの関係で見た場合、図1の場合と有意差はない。ただし、表1のスラブ付き梁(3面加熱)と柱(4面加熱)におけるH形断面部材では、ほぼ同じ断面でもHp/Aが大きく異なることを示している。例えば、スラブ付き梁(3面加熱)のH−440×300×11×18(Hp/A=115.3)と柱(4面加熱)のH−488×300×11×18 (Hp/A=136.6)は、ほぼ同じ断面形状を有しているが、そのHp/Aは3面加熱の方が20程度小さくなることを表している。
【0022】
本発明では、鉄骨構造物の実設計範囲が常温降伏強度下限の0.2〜0.4倍程度であることを勘案し、常温降伏強度下限比を安全側である0.4(94MPa)以上にすることを前提として、特に700℃超〜850℃以下での耐火特性を強化して、この温度領域で30分無耐火被覆構造、また60分無耐火被覆構造が可能な鉄骨部材とし、火災を受ける鉄骨構造物用の鉄骨部材として供するものである。
基本的には、耐火温度が850℃の鋼材による場合、箱形断面部材(溶接組立、熱間成形、冷間成形)、H形断面部材(溶接組立、熱間成形、冷間成形)ともに形状係数Hp/Aが≦150であれば30分無耐火被覆構造用としての耐火特性を、また形状係数Hp/Aが≦60であれば60分無耐火被覆構造用としての耐火特性を有する。
【0023】
ただし、図1および図2で説明したように、断面形状係数(換算板厚)によって、鋼材の耐火特性評価が変わること、対象鉄骨構造物によって要求される耐火温度が同じでないことから、対象鉄骨構造物、使用する鋼材の断面形状係数(換算板厚)に応じて、鋼材の耐火温度レベルを選択(使い分け)することが、コスト面を考慮すると得策である。
【0024】
最も厳しい柱材の4面加熱を前提として整理すると、
a.耐火温度が700℃の鋼材を使用すれば、鋼材の断面形状係数が≦53(換算板厚19mm以上)で30分無耐火被覆構造を、鋼材の断面形状係数が≦20(換算板厚51mm以上)で60分無耐火被覆構造を実現可能である。
b.耐火温度が750℃の鋼材を使用すれば、鋼材の断面形状係数が≦66(換算板厚15mm以上)で30分無耐火被覆構造を、鋼材の断面形状係数が≦23(換算板厚43mm以上)で60分無耐火被覆構造を実現可能である。
c.耐火温度が800℃の鋼材を使用すれば、鋼材の断面形状係数が≦94(換算板厚11mm以上)で30分無耐火被覆構造を、鋼材の断面形状係数が≦28(換算板厚36mm以上)で60分無耐火被覆構造を実現可能である。
d.耐火温度が850℃の鋼材を使用すれば、鋼材の断面形状係数が≦150(換算板厚7mm以上)で30分無耐火被覆構造を、鋼材の断面形状係数が≦35(換算板厚29mm以上)で60分無耐火被覆構造を実現可能である。
ことから、使用する鋼材の断面形状係数(換算板厚)に応じて、鋼材の耐火温度レベルを選択(使い分け)することが有利である場合が多い。特に60分耐火の場合は、床スラブにより3面加熱となる梁材では、柱材と比べ断面形状係数もしくは鋼材耐火温度の規制が明らかに緩和される。
【0025】
鋼材の耐火温度は、基本的には、Feを主成分としてC,Si,Mnを含有させ、これにVを核としたNb,Mo,(Al)の微細な複合析出物の析出量を制御することで、耐火温度レベルを700℃超に強化でき、さらにCu,Ni,Cr,Ti,B,(N)などを含有させることによって、耐火温度をさらに850℃レベルまで強化することができる。
この複合析出物は、単独の析出物や他の複合析出物に比べて高温における安定性が非常に高く、700℃超〜850℃以下の高温領域においても30分程度の短時間であれば十分微細なまま安定で、安定した耐火性能を維持する。しかし、析出物自体は安定であっても、温度上昇によって素地が変態して析出物と素地の整合性が失われて非整合になると、析出物による強化作用が急激に低下する。すなわち、高温でも安定したVを核としたNb,Moの複合析出物による強化を利用するには、設計温度である700℃超〜850℃以下において素地組織を変態させないことが必須となる。
【0026】
発明者らは、以下に述べる添加元素の工夫により変態温度を高くしてAc1 変態温度を700℃超〜850℃以下とすることで、この温度領域で30分程度保持した場合にもVを核としたNb,Moの複合析出物と素地との整合性が維持でき、耐火温度を十分強化できることを確認した。
Ac1 変態温度を効果的に高める元素としては、Siや5%以上のCrなどが上げられるが、これらは常温引張強度を上げ過ぎるため、400MPa級および490MPa級鋼の規格値を満足する範囲では700℃超のAc1 変態温度を得ることは困難である。
【0027】
常温強度をあまり上げないでAc1 変態温度を大幅に上げる元素としてはAlが有効である。しかしながら、Alは多量に添加すると、特に溶接部の靭性を損なう場合があることから、その添加量は、脱酸のために必要な0.01〜0.05%程度であり、例えば0.1%を超えて添加されることは通常なかった。
本発明では、作用応力の大きな部位を溶接レス構造とすることを前提としており、溶接性をあまり要求しないことから、この制約に拘束されずにAlのAc1 変態温度上昇効果を有効に利用することができる。
Ac1 変態温度を十分に高くするためには0.2%以上の添加が特に有効である。さらに、常温強度を上げ過ぎない範囲でSiを添加すること、Ac1 変態温度を低下させ、かつ常温強度も上げる元素であるCおよびMnの添加量を抑制することによって、常温温度を上げ過ぎずに700℃超のAc1 変態温度を得ることができる。
【0028】
一方、Ac1 変態温度が900℃を超えると、圧延中に変態が進行するため析出サイトとして有効な圧延組織が得られないことから、却って高温強度は得にくくなる。したがって、700℃超の高温強度を得るためにはAc1 変態温度が700℃超、900℃以下であることが必要条件となる。
【0029】
以下に、本発明で用いる耐火鋼について各成分を含有する理由を説明する。
Cは、常温での強度を得るために0.01%が必要であるが、0.10%を超える添加によりAc1 変態温度が上昇するために700℃超〜850℃以下の高温強度が得にくく、靭性も低下する。このため添加量は、700℃超の高温強度を得るためには0.01%以上、0.10%以下に限定し、850℃の高温強度を得るためには0.01%以上、0.08%以下に限定する。
【0030】
Siは、Ac1 変態温度を高めるために有効な元素であり、0.2%以上の添加が望ましい。しかし、2.0%を超えると母材靭性を低下させる場合があるため、0.2%以上、2.0%以下に限定する。なお、常温降伏強度上限を考慮する場合には、Siの上限は1.2%とすることが望ましい。
【0031】
Mnは、常温温度に対する強化元素であるが、高温強度にはあまり効果がない。却ってAc1 変態温度を低くするため、700℃超〜850℃以下の高温強度には有害となることから、添加量は、700℃超の高温強度を得るためには0.6%以下に限定し、850℃高温強度を得るためには0.5%以下に限定する。
【0032】
Alは、常温強度をあまり高めずにAc1 変態温度を大きく上昇させる、本発明における重要な元素である。この目的のためには0.2%以上の添加が特に有効である。しかし、1.0%を超えて添加するとAc1 変態温度が高くなり過ぎて却って高温強度が得にくくなる。このため添加量は、700℃超の高温強度を得るためには0.2%以上、1.0%以下に限定し、850℃の高温強度を得るためには0.25%以上、1.0%以下に限定する。
【0033】
Moは、高温強度を高める複合析出物を構成する元素であり、固溶強化による高温強度向上効果もあることから、本発明においては必須元素である。こうした特性を発揮して700℃〜850℃以下の高温強度を高めるには、0.5%以上の添加が必要であるが、2.0%を超えて添加すると母材靭性を低下させる場合があるため、0.5%以上、2.0%以下に限定する。なお、常温降伏強度上限を考慮する場合には、Moの上限を1.5%とすることが望ましい。
【0034】
Vは、高温強度を高める複合析出物を構成する基本元素として重要である。700℃超〜850℃以下の高温強度を高めるためには、0.05%以上の添加が有効である。しかし、0.50%を超えて添加すると微細析出物が得にくくなり、また母材靭性を低下させる場合があるため、添加量は0.05%以上、0.50%以下に限定する。なお、常温降伏強度上限を考慮する場合には、Vの上限は0.20%とすることが望ましい。
【0035】
Nbは、高温強度を高める複合析出物を構成する基本元素として重要である。700℃超〜850℃以下の高温強度を高めるためには、0.01%以上の添加が有効である。しかし、0.50%を超えて添加すると微細析出物が得にくくなり、また母材靭性を低下させる場合があるため、添加量は、700℃超の高温強度を得るためには0.01%以上、0.20%以下に限定し、850℃の高温強度を得るためには0.02%以上、0.50%以下に限定する。
【0036】
Tiは、析出強化により700℃超〜850℃以下の高温強度を高める析出物を得る元素として重要であり、その目的で添加する場合には、0.01%以上必要であるが、0.10%を超えて添加すると母材靭性を低下させる場合がある。このため添加量は、700℃超の高温強度を得るためには0.01%以上、0.10%以下に限定し、850℃高温強度を得るためには、母材靭性下限(換言すれば破面遷移動温度上限)の制約の緩和を条件として0.05%以上、0.30%以下に限定する。
【0037】
Cuは、析出強化元素として添加する場合には0.1%以上の添加を必要とするが、2.0%を超えて添加しても効果は変わらず、また靭性を低下させることから、添加量は0.1%以上、2.0%以下に限定する。
【0038】
Niは、母材靭性を高めるために添加する場合には0.1%以上を必要とするが、Ac1 変態温度を低下させるため、0.5%を超えて添加すると高温強度が低下することから、添加量は0.1%以上、0.5%以下に限定する。
【0039】
Crは、焼入強化元素として添加する場合には0.1%以上を必要とするが、1.0%を超えて添加すると常温強度が高くなり過ぎ、またAc1 変態温度を低下させて高温強度を低下させることから、添加量は0.1%以上、1.0%以下に限定する。
【0040】
Bは、焼入性を高め、強度を得るめに添加する場合には0.005%以上の添加を必要とするが、0.010%を超えて添加してもその効果が変わらないので、添加量は0.005%以上、0.010%以下に限定する。
【0041】
上記の各成分およびその含有量を、対象鉄骨構造物、使用する鋼材の断面形状係数(換算板厚)に応じた鋼材の耐火温度レベルによって選択(使い分け)することによって、常温降伏強度下限比を0.4(94MPa)以上にすることを前提として、700℃超〜850℃以下での耐火特性を強化して、この温度領域で30分無耐火被覆構造あるいは60分無耐火被覆構造が可能な鉄骨部材とすることができる
【0042】
【実施例】
以下に、本発明の鉄骨部材に用いて適性のある耐火鋼材(以下「本耐火鋼材」という)の実例について説明する。
表2に示すような化学組成を有する各種の圧延鋼板を供試鋼板とし、それぞれの鋼板から採取した長さ方向が圧延方向である試験片について、室温(常温)引張試験と850℃の高温引張試験を行った。この試験結果を表2に示す。
この実験に供された本耐火鋼材は、耐火温度850℃の耐火特性、所要の靭性を有するものであり、耐火温度700℃、750℃、800℃の耐火特性を兼ねる700℃超〜850℃以下で30分無耐火被覆を可能とするものであり、ここでは実験例の評価は耐火温度850℃で30分無耐火被覆あるいは60分無耐火被覆が可能かどうかの観点で行っている。
【0043】
表2中、A1〜A10は本耐火鋼材、B1〜B14は化学組成が本耐火鋼材と異なる耐火鋼材(以下「比較鋼材」という)である。この比較鋼材で下線のあるところは、化学組成で本耐火鋼材と異なるところ、特性値が本発明の鉄骨部材としての目標値に達していないところである。
なお、常温降伏強度の目標値は235MPa以上とし、Ac1 変態温度の目標値は850℃以上、900℃以下とした。また靭性は、JIS Z 2242記載の方法により破面遷移温度vTrs50を測定し、目標値はvTrs50≦−10℃とした。
【0044】
本耐火鋼材A1〜A10は、いずれもAc1変態温度が850℃〜900℃の範囲にあり、850℃での降伏強度が94MPa以上、vTrs50が−10℃以下である。
これに対して、比較鋼材B1はCが高いため、比較鋼材B6はMoが高いため、比較鋼材B12はCuが高いため、それぞれAc1 変態温度が低く、850℃での降伏強度も低く、かつ靭性も低い。
比較鋼材B2はSiが低いため、比較鋼材B4はMnが高いため、比較鋼材B13はNiが高いため、比較鋼材B14はCrが高いため、それぞれAc1 変態温度が低く、850℃降伏強度も低い。
【0045】
比較鋼材B3はSiが高いため、Ac1 変態温度が高過ぎて、850℃降伏強度が低く、かつ靭性が低い。比較鋼材B5はMoが低いため、比較鋼材B7はNbが低いため、比較鋼材B9はVが低いため、それぞれ850℃降伏強度が低い。
比較鋼材B8はNbが高いため、比較鋼材B10はVが高いため、比較鋼材B11はTiが高いため、それぞれ靭性が低い。
なお本耐火鋼材は、基本的には火災を受ける柱梁接合部を有する鉄骨構造の構造部材として、30分無耐火被覆鉄骨材あるいは60分無耐火被覆構造として要求される特性を十分に満足するものであるが、一般の鉄骨部材にも広く用いることができる。
【0046】
【表1】
Figure 0003728240
【0047】
【表2】
Figure 0003728240
【0048】
【発明の効果】
本発明の鉄骨部材は、常温降伏強度および700℃超〜850℃以下での高温降伏強度が高く30分無耐火被覆構造あるいは60分無耐火被覆構造が可能であり、経済性を失することなく市場に供給することが可能である。
特に700超〜850℃以下で30分無耐火被覆構造あるいは60分無耐火被覆構造とすることが可能であることから、耐火被覆省略によるコストダウン、工期短縮を可能とし、さらには耐火被覆工程省略による環境負荷低減や、無耐火被覆による鉄骨構造物を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 箱形断面鋼材の温度と断面形状係数および正方形断面部材の換算板厚の関係、耐火温度700℃超〜850℃以下の達成可能領域を表す説明図。
【図2】 H形断面鋼材の温度と断面形状係数の関係、耐火温度700℃超〜850℃の達成可能領域を表す説明図。

Claims (3)

  1. 火災を受ける鉄骨構造物に使用する鉄骨部材であって、質量%で、
    C :0.01〜0.08%、 Si:0.2〜2.0%、
    Mn:0.5%以下、 Al:0.25〜1.0%、
    Mo:0.5〜2.0%、 V :0.05〜0.50%、
    Nb:0.02〜0.50%、 Ti:0.05〜0.30%
    を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、700℃超〜850℃以下の温度領域の降伏強度が94MPa以上の耐火鋼材で、断面形状係数Hp/A(m-1)が150以下となるよう形成され、30分無耐火被覆構造が可能であることを特徴とする、無耐火被覆鉄骨部材。
  2. 火災を受ける鉄骨構造物に使用する鉄骨部材であって、質量%で、
    C :0.01〜0.08%、 Si:0.2〜2.0%、
    Mn:0.5%以下、 Al:0.25〜1.0%、
    Mo:0.5〜2.0%、 V :0.05〜0.50%、
    Nb:0.02〜0.50%、 Ti:0.05〜0.30%
    を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、700℃超〜850℃以下の温度領域の降伏強度が94MPa以上の耐火鋼材で断面形状係数Hp/A(m-1)が60以下となるよう形成され、60分無耐火被覆構造が可能であることを特徴とする無耐火被覆鉄骨部材。
  3. 前記耐火鋼材が、さらに質量%で、
    Cu:0.1〜2.0%、 Ni:0.1〜0.5%、
    Cr:0.1〜1.0%、 B :0.005〜0.010%
    のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の無耐火被覆鉄骨部材。
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