JPH04350120A - 建築用高強度耐火鋼板の製造方法 - Google Patents
建築用高強度耐火鋼板の製造方法Info
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- JPH04350120A JPH04350120A JP12595291A JP12595291A JPH04350120A JP H04350120 A JPH04350120 A JP H04350120A JP 12595291 A JP12595291 A JP 12595291A JP 12595291 A JP12595291 A JP 12595291A JP H04350120 A JPH04350120 A JP H04350120A
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐火鋼板の製造方法に
関し、詳しくは、600℃における耐力が216N/m
m2以上である490N/mm2級の建築用高強度耐火
鋼板の製造方法に関するものである。
関し、詳しくは、600℃における耐力が216N/m
m2以上である490N/mm2級の建築用高強度耐火
鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築用鋼板は、常温での諸特性を有する
ように設計・製造されているが、一般的には温度の上昇
にともないその強度は低下する。日本鋼構造協会発行の
JSSC Vol.4 No.33 1968 には、
SM50Bの高温時の降伏点または 0.2%耐力は
、高温になるにしたがい徐々に低下し、 500℃以上
での低下は著しく、常温時の値の 2/3に低下する温
度は 400〜500 ℃であると記してある。
ように設計・製造されているが、一般的には温度の上昇
にともないその強度は低下する。日本鋼構造協会発行の
JSSC Vol.4 No.33 1968 には、
SM50Bの高温時の降伏点または 0.2%耐力は
、高温になるにしたがい徐々に低下し、 500℃以上
での低下は著しく、常温時の値の 2/3に低下する温
度は 400〜500 ℃であると記してある。
【0003】高温用鋼板としては、JIS 、ASTM
等に規定されているボイラ・圧力容器用のCr−Mo系
鋼板や熱間加工用の W−Co系工具鋼板が広く使用さ
れている。前者は、数十万時間という長時間使用の場合
の鋼板であり、その保証温度は 350〜400 ℃で
ある。後者は、高温成形−冷却を1加工サイクルとし、
数十万回以上という長時間使用の場合の鋼板であり、成
形温度は 600℃前後から1200℃前後である。
等に規定されているボイラ・圧力容器用のCr−Mo系
鋼板や熱間加工用の W−Co系工具鋼板が広く使用さ
れている。前者は、数十万時間という長時間使用の場合
の鋼板であり、その保証温度は 350〜400 ℃で
ある。後者は、高温成形−冷却を1加工サイクルとし、
数十万回以上という長時間使用の場合の鋼板であり、成
形温度は 600℃前後から1200℃前後である。
【0004】従来のSi−Mn系の建築用490N/m
m2級鋼板では、 350℃を超えると火災時に構造部
材に要求される耐力である長期耐力(常温耐力の2/3
)の216N/mm2を下回るため、鉄骨の温度が
350℃を超えないように、工事費、工期などの面から
足枷となる耐火被覆施工が義務ずけられている。しかし
、最近追加された『新耐火設計法』では、鋼板が 60
0℃において常温の規格降伏強度の2/3 以上を有す
る場合など、高温における強度におうじて、耐火被覆量
の削減が認められるようになっている。
m2級鋼板では、 350℃を超えると火災時に構造部
材に要求される耐力である長期耐力(常温耐力の2/3
)の216N/mm2を下回るため、鉄骨の温度が
350℃を超えないように、工事費、工期などの面から
足枷となる耐火被覆施工が義務ずけられている。しかし
、最近追加された『新耐火設計法』では、鋼板が 60
0℃において常温の規格降伏強度の2/3 以上を有す
る場合など、高温における強度におうじて、耐火被覆量
の削減が認められるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現状、高温耐力の優れ
た鋼板としては、前記のボイラ・圧力容器用鋼板や熱間
加工用工具鋼板があるが、両鋼板とも、 600℃にお
ける耐力は216N/mm2以上を有するが、前者は溶
接割れ感受性組成(PCM)が高いために、耐溶接割れ
性が悪く、予熱、後熱を行うなど溶接施工に難点がある
。さらに、溶接施工効率を高めるために用いられるエレ
クトロスラグ溶接やサブマージアーク溶接のような大入
熱溶接を施すと溶接熱影響部(HAZ)の靱性が著しく
低下するため、小入熱溶接が余儀なくされている。また
、後者は溶接構造用として成分設計されていない。
た鋼板としては、前記のボイラ・圧力容器用鋼板や熱間
加工用工具鋼板があるが、両鋼板とも、 600℃にお
ける耐力は216N/mm2以上を有するが、前者は溶
接割れ感受性組成(PCM)が高いために、耐溶接割れ
性が悪く、予熱、後熱を行うなど溶接施工に難点がある
。さらに、溶接施工効率を高めるために用いられるエレ
クトロスラグ溶接やサブマージアーク溶接のような大入
熱溶接を施すと溶接熱影響部(HAZ)の靱性が著しく
低下するため、小入熱溶接が余儀なくされている。また
、後者は溶接構造用として成分設計されていない。
【0006】このため、建築用鋼の耐火被覆施工の低減
あるいは省略を図るために、高い高温耐力を有するとと
もに優れた溶接性、大入熱溶接継手靱性および母材特性
を有し、従来と同じ設計・施工ができる鋼板が必要とさ
れている。また、建築用鋼には、地震時の建築物の変形
能の点から、80%以下の降伏比の要求が強まっている
。
あるいは省略を図るために、高い高温耐力を有するとと
もに優れた溶接性、大入熱溶接継手靱性および母材特性
を有し、従来と同じ設計・施工ができる鋼板が必要とさ
れている。また、建築用鋼には、地震時の建築物の変形
能の点から、80%以下の降伏比の要求が強まっている
。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の建築用
鋼における上記の問題点に鑑み、本発明者らが鋭意研究
を行った結果、化学成分、特に、少量の W添加と、N
bの析出強化によって、溶接性を損なわずに、高温耐力
を大幅に改善し、さらに、TiN を活用することによ
り優れた大入熱溶接継手靱性を確保できるという知見を
得て完成されたもので、その第1発明は、C:0.05
〜0.15%、 Si:0.60%以下、 Mn:0.
50〜1.80%、P:0.03%以下、S:0.03
%以下、 sol.Al:0.002 〜0.10%、
W:0.20〜1.0 %、Nb:0.005〜0.0
60 %、Ti:0.005〜0.030 %、N:0
.0020〜0.0070%、 Ca:0.0005〜
0.0050%を含有し、かつ、下記式で規定されるP
CMの値を0.24%以下として、残部Feおよび不可
避不純物からなる鋼片を1050℃以上の温度に加熱し
たのち、1000℃以下の圧下率を50%以上とし、
850℃超え 950℃未満の温度範囲で圧延を終了さ
せ、 600℃における耐力が216N/mm2以上で
ある建築用高強度耐火鋼板の製造方法である。 PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+N
i/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B(
%)
鋼における上記の問題点に鑑み、本発明者らが鋭意研究
を行った結果、化学成分、特に、少量の W添加と、N
bの析出強化によって、溶接性を損なわずに、高温耐力
を大幅に改善し、さらに、TiN を活用することによ
り優れた大入熱溶接継手靱性を確保できるという知見を
得て完成されたもので、その第1発明は、C:0.05
〜0.15%、 Si:0.60%以下、 Mn:0.
50〜1.80%、P:0.03%以下、S:0.03
%以下、 sol.Al:0.002 〜0.10%、
W:0.20〜1.0 %、Nb:0.005〜0.0
60 %、Ti:0.005〜0.030 %、N:0
.0020〜0.0070%、 Ca:0.0005〜
0.0050%を含有し、かつ、下記式で規定されるP
CMの値を0.24%以下として、残部Feおよび不可
避不純物からなる鋼片を1050℃以上の温度に加熱し
たのち、1000℃以下の圧下率を50%以上とし、
850℃超え 950℃未満の温度範囲で圧延を終了さ
せ、 600℃における耐力が216N/mm2以上で
ある建築用高強度耐火鋼板の製造方法である。 PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+N
i/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B(
%)
【0008】第2発明は、V:0.005 〜0.06
%、 Cu:0.05〜0.50%、 Ni:0.05
〜0.50%、Cr:0.10〜0.60%、Mo:0
.10 %以上0.40%未満の内から選んだ1種また
は2種以上を含有する請求項1の建築用高強度耐火鋼板
の製造方法である。
%、 Cu:0.05〜0.50%、 Ni:0.05
〜0.50%、Cr:0.10〜0.60%、Mo:0
.10 %以上0.40%未満の内から選んだ1種また
は2種以上を含有する請求項1の建築用高強度耐火鋼板
の製造方法である。
【0009】
【作用】以下に、本発明における化学成分の限定理由に
ついて説明する。C は、強度上昇に寄与する元素であ
るが、0.05%未満では強度を確保することは困難で
あり、また、0.15%を超えて多量に含有するときは
、鋼の靱性および溶接性が劣化する。したがって、C
の添加量は0.05〜0.15%の範囲とする。
ついて説明する。C は、強度上昇に寄与する元素であ
るが、0.05%未満では強度を確保することは困難で
あり、また、0.15%を超えて多量に含有するときは
、鋼の靱性および溶接性が劣化する。したがって、C
の添加量は0.05〜0.15%の範囲とする。
【0010】Siは、脱酸のために有効な元素であるが
、本発明はMn、Alを含有しており、必ずしも添加を
必要としないので下限は限定しない。また、Siは固溶
強化に対して有効な元素であるが、0.60%を超えて
多量に含有すると溶接性を劣化させる。したがって、S
iの添加量は0.60%以下とする。
、本発明はMn、Alを含有しており、必ずしも添加を
必要としないので下限は限定しない。また、Siは固溶
強化に対して有効な元素であるが、0.60%を超えて
多量に含有すると溶接性を劣化させる。したがって、S
iの添加量は0.60%以下とする。
【0011】Mnは、鋼の強度および靱性を確保するた
めに必要な元素であるが、0.50%未満ではこのよう
な効果は少なく、また、1.80%を超えて多量に含有
すると溶接性と靱性を劣化させ、かつ、SM50の強度
の上限を越える。したがって、Mnの添加量は0.50
〜1.80%の範囲とする。
めに必要な元素であるが、0.50%未満ではこのよう
な効果は少なく、また、1.80%を超えて多量に含有
すると溶接性と靱性を劣化させ、かつ、SM50の強度
の上限を越える。したがって、Mnの添加量は0.50
〜1.80%の範囲とする。
【0012】P は、ミクロ偏析により、HAZ靱性、
母材靱性および耐溶接割れ性を劣化させるので、0.0
3%以下とする。
母材靱性および耐溶接割れ性を劣化させるので、0.0
3%以下とする。
【0013】S は、非金属介在物である MnSを形
成して、母材靱性および加工性を劣化させるので、0.
03%以下とする。
成して、母材靱性および加工性を劣化させるので、0.
03%以下とする。
【0014】sol.Alは、脱酸に不可欠な元素であ
り、かつ、AlNとして結晶粒の微細化に寄与するため
、0.002 %以上の添加が必要であるが、0.10
%を超えて多量に添加すると酸化物系介在物が多くなり
、靱性を劣化させる。したがって、sol.Alの添加
量は 0.002〜0.10%の範囲とする。
り、かつ、AlNとして結晶粒の微細化に寄与するため
、0.002 %以上の添加が必要であるが、0.10
%を超えて多量に添加すると酸化物系介在物が多くなり
、靱性を劣化させる。したがって、sol.Alの添加
量は 0.002〜0.10%の範囲とする。
【0015】W は、高温強度を確保するために不可欠
な元素であるり、600℃における耐力を著しく上昇さ
せる。しかしながら、0.20%未満ではこのような効
果は得られず、また、 1.0%超えでは添加量に見合
った効果が得られず、母材靱性および耐溶接割れ性を劣
化させ、かつ添加コストが上昇しすぎ経済的にも無駄で
ある。したがって、W の添加量は0.20〜1.0
%の範囲とする。
な元素であるり、600℃における耐力を著しく上昇さ
せる。しかしながら、0.20%未満ではこのような効
果は得られず、また、 1.0%超えでは添加量に見合
った効果が得られず、母材靱性および耐溶接割れ性を劣
化させ、かつ添加コストが上昇しすぎ経済的にも無駄で
ある。したがって、W の添加量は0.20〜1.0
%の範囲とする。
【0016】Nbは、析出強化および変態強化による強
度上昇および細粒化による靱性の向上に有効な元素であ
り、このような効果を得るには 0.005%以上の添
加が必要である。しかし、0.060 %を超えて多量
に添加するときは溶接継手靱性を劣化させる。したがっ
て、Nbの添加量は 0.005〜0.060 %の範
囲とする。
度上昇および細粒化による靱性の向上に有効な元素であ
り、このような効果を得るには 0.005%以上の添
加が必要である。しかし、0.060 %を超えて多量
に添加するときは溶接継手靱性を劣化させる。したがっ
て、Nbの添加量は 0.005〜0.060 %の範
囲とする。
【0017】Tiは、TiN によりHAZのオーステ
ナイト粒の粗大化を抑制するとともに、粒内フェライト
を生成することから、大入熱溶接継手靱性の劣化軽減に
有効な元素である。しかし、 0.005%未満ではか
かる効果を発揮することができず、また、0.030%
を超えると溶接継手靱性を劣化させる。したがって、T
iの添加量は 0.005〜0.030 %の範囲とす
る。
ナイト粒の粗大化を抑制するとともに、粒内フェライト
を生成することから、大入熱溶接継手靱性の劣化軽減に
有効な元素である。しかし、 0.005%未満ではか
かる効果を発揮することができず、また、0.030%
を超えると溶接継手靱性を劣化させる。したがって、T
iの添加量は 0.005〜0.030 %の範囲とす
る。
【0018】N は、上記Tiと組み合わせることによ
って、大入熱溶接継手靱性を改善する。しかし、0.0
020%未満ではこのような効果を発揮することができ
ず、また、0.0070%を超えると溶接継手靱性を劣
化させる。したがって、N の添加量は0.0020〜
0.0070%の範囲とする。
って、大入熱溶接継手靱性を改善する。しかし、0.0
020%未満ではこのような効果を発揮することができ
ず、また、0.0070%を超えると溶接継手靱性を劣
化させる。したがって、N の添加量は0.0020〜
0.0070%の範囲とする。
【0019】Caは、微量で板厚方向の特性を改善する
元素であるが、0.0005%未満ではこのような効果
は得られず、また、0.0050%を超えるときは、こ
のような効果は飽和するとともに、大型介在物が発生し
超音波探傷欠陥を生じやすくなる。したがって、Caの
添加量は0.0005〜0.0050%の範囲とする。
元素であるが、0.0005%未満ではこのような効果
は得られず、また、0.0050%を超えるときは、こ
のような効果は飽和するとともに、大型介在物が発生し
超音波探傷欠陥を生じやすくなる。したがって、Caの
添加量は0.0005〜0.0050%の範囲とする。
【0020】なお、本発明における第2発明では、上記
の元素の他に必要に応じて、V 、Cu、Ni、Cr、
Moの内から選んだ1種または2種以上を添加すること
ができる。
の元素の他に必要に応じて、V 、Cu、Ni、Cr、
Moの内から選んだ1種または2種以上を添加すること
ができる。
【0021】V は、析出強化による強度上昇に有効な
元素であるが、0.005 %未満ではこのような効果
はほとんど期待できず、また、0.060 %を超える
と溶接性を劣化させる。したがって、V の添加量は0
.005〜0.060 %の範囲とする。
元素であるが、0.005 %未満ではこのような効果
はほとんど期待できず、また、0.060 %を超える
と溶接性を劣化させる。したがって、V の添加量は0
.005〜0.060 %の範囲とする。
【0022】Cuは、固溶強化による強度上昇に有効な
元素であるが、0.05%未満ではこのような効果は少
なく、また、 0.5%を超えると熱間加工時に表面割
れを発生させるとともに溶接性を劣化させる。したがっ
て、Cuの添加量は0.05〜0.5 %の範囲とする
。
元素であるが、0.05%未満ではこのような効果は少
なく、また、 0.5%を超えると熱間加工時に表面割
れを発生させるとともに溶接性を劣化させる。したがっ
て、Cuの添加量は0.05〜0.5 %の範囲とする
。
【0023】Niは、靱性の向上に有効な元素であるが
、0.05%未満ではこのような効果は得らず、また、
0.50%を超えるとこのような効果は飽和し、経済的
にも無駄である。したがって、Niの添加量は0.05
〜0.50%の範囲とする。
、0.05%未満ではこのような効果は得らず、また、
0.50%を超えるとこのような効果は飽和し、経済的
にも無駄である。したがって、Niの添加量は0.05
〜0.50%の範囲とする。
【0024】Crは、高温強度の向上に有効な元素であ
るが、0.10%未満ではこのような効果は期待できず
、0.60%を超えると溶接性を劣化させる。したがっ
て、Crの添加量は0.10〜0.60%の範囲とする
。
るが、0.10%未満ではこのような効果は期待できず
、0.60%を超えると溶接性を劣化させる。したがっ
て、Crの添加量は0.10〜0.60%の範囲とする
。
【0025】Moは、高温強度を確保するために不可欠
な元素であるが、0.10%未満ではこのような効果は
得られず、また、0.40%以上では溶接性を損なう。 したがって、Moの添加量は0.10%以上0.40%
未満の範囲とする。
な元素であるが、0.10%未満ではこのような効果は
得られず、また、0.40%以上では溶接性を損なう。 したがって、Moの添加量は0.10%以上0.40%
未満の範囲とする。
【0026】なお、第1発明および第2発明ともに、溶
接時の低温割れを防止するために、PCM(溶接割れ感
受性組成)を0.24%以下に限定する。
接時の低温割れを防止するために、PCM(溶接割れ感
受性組成)を0.24%以下に限定する。
【0027】つぎに、本発明における加熱、圧延条件の
限定理由について説明する。本発明は、上記、化学成分
を含有する鋼片を1050℃以上の温度に加熱したのち
、1000℃以下の圧下率を50%以上とし、 850
℃超え 950℃未満の温度範囲で圧延を終了させる必
要がある。
限定理由について説明する。本発明は、上記、化学成分
を含有する鋼片を1050℃以上の温度に加熱したのち
、1000℃以下の圧下率を50%以上とし、 850
℃超え 950℃未満の温度範囲で圧延を終了させる必
要がある。
【0028】加熱温度を1050℃以上に限定した理由
は、常温強度および高温強度の確保に必要なNbを鋼中
に固溶させるためである。また、1000℃以下の圧下
率は、オーステナイト粒の微細化による優れた母材靱性
を得るために50%以上が必要である。さらに、圧延終
了温度については、圧延終了温度が 850℃以下では
、フェライトの細粒化ならびに二相域圧延によるフェラ
イトの加工硬化により、降伏比が高くなり、80%以下
の降伏比を得ることができない。また、圧延終了温度が
950℃以上では、オーステナイトが粗粒となるため
母材靱性が劣化する。したがって、圧延終了温度は 8
50℃超え950 ℃未満の温度範囲に限定する。
は、常温強度および高温強度の確保に必要なNbを鋼中
に固溶させるためである。また、1000℃以下の圧下
率は、オーステナイト粒の微細化による優れた母材靱性
を得るために50%以上が必要である。さらに、圧延終
了温度については、圧延終了温度が 850℃以下では
、フェライトの細粒化ならびに二相域圧延によるフェラ
イトの加工硬化により、降伏比が高くなり、80%以下
の降伏比を得ることができない。また、圧延終了温度が
950℃以上では、オーステナイトが粗粒となるため
母材靱性が劣化する。したがって、圧延終了温度は 8
50℃超え950 ℃未満の温度範囲に限定する。
【0029】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明について説明
する。供試鋼板は表1に示す化学成分を含有する鋼片を
1150℃に加熱後、1000℃以下で50%以上の圧
下率を確保するために、圧延中、60mm厚で 920
〜950 ℃の温度で温度調節を行い、圧延終了温度
890〜910 ℃の温度で板厚25mmに仕上げたも
のである。これらの鋼板から試験片を採取し、常温引張
試験、シャルピ衝撃試験、 600℃での高温引張試験
、最高かたさ試験および再現熱サイクル後のシャルピ衝
撃試験を行った。その結果を表2に示す。 なお、最高かたさ試験はJIS Z 3101に準じて
行い、再現熱サイクル条件は1350℃×5 秒加熱で
、800 から500 ℃までの冷却時間は 220秒
である。
する。供試鋼板は表1に示す化学成分を含有する鋼片を
1150℃に加熱後、1000℃以下で50%以上の圧
下率を確保するために、圧延中、60mm厚で 920
〜950 ℃の温度で温度調節を行い、圧延終了温度
890〜910 ℃の温度で板厚25mmに仕上げたも
のである。これらの鋼板から試験片を採取し、常温引張
試験、シャルピ衝撃試験、 600℃での高温引張試験
、最高かたさ試験および再現熱サイクル後のシャルピ衝
撃試験を行った。その結果を表2に示す。 なお、最高かたさ試験はJIS Z 3101に準じて
行い、再現熱サイクル条件は1350℃×5 秒加熱で
、800 から500 ℃までの冷却時間は 220秒
である。
【0030】表1に本発明法A〜Gおよび比較法H〜J
の化学成分、 PCMを、表2に引張特性、衝撃特性、
高温引張特性、溶接性およびHAZ靱性をそれぞれ示す
。
の化学成分、 PCMを、表2に引張特性、衝撃特性、
高温引張特性、溶接性およびHAZ靱性をそれぞれ示す
。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表2から明らかなように、本発明法による
A〜Gは、 PCMは0.24%以下で、 600℃に
おける耐力は216N/mm2以上で優れた高温耐力を
示し、常温の引張特性は、490N/mm2級の値(耐
力314N/mm2以上、引張強さ 490〜608N
/mm2)を勿論満足し、降伏比は建築用鋼材に要求さ
れている80%以下を十分に満足している。また、シャ
ルピ衝撃試験における破面遷移温度(vTrs)も−3
8℃以下である。最高かたさはHV350 未満で良好
な溶接性を示し、さらに、再現熱サイクル試験によるH
AZ靱性 (vE20) も27J 以上と良好である
。
A〜Gは、 PCMは0.24%以下で、 600℃に
おける耐力は216N/mm2以上で優れた高温耐力を
示し、常温の引張特性は、490N/mm2級の値(耐
力314N/mm2以上、引張強さ 490〜608N
/mm2)を勿論満足し、降伏比は建築用鋼材に要求さ
れている80%以下を十分に満足している。また、シャ
ルピ衝撃試験における破面遷移温度(vTrs)も−3
8℃以下である。最高かたさはHV350 未満で良好
な溶接性を示し、さらに、再現熱サイクル試験によるH
AZ靱性 (vE20) も27J 以上と良好である
。
【0034】一方、比較法Hは、 600℃における耐
力は216N/mm2と高いが、Tiが 0.005%
未満のため、HAZ靱性が低く、最高かたさがHV35
0 以上であり、溶接性が悪く、また、W が 1.0
%を超えているため、母材の破面遷移温度も高い。比較
法Iは、HAZ靱性が良好であるが、高温強度の確保に
有効なW が0.20%未満のため、600 ℃におけ
る耐力は216N/mm2以上を満足しない。比較法J
は、従来の建築用490N/mm2級鋼板の一例である
が、600 ℃における耐力は216N/mm2以上を
満足せず、また、Tiが 0.005%未満のため、H
AZ靱性も悪い。
力は216N/mm2と高いが、Tiが 0.005%
未満のため、HAZ靱性が低く、最高かたさがHV35
0 以上であり、溶接性が悪く、また、W が 1.0
%を超えているため、母材の破面遷移温度も高い。比較
法Iは、HAZ靱性が良好であるが、高温強度の確保に
有効なW が0.20%未満のため、600 ℃におけ
る耐力は216N/mm2以上を満足しない。比較法J
は、従来の建築用490N/mm2級鋼板の一例である
が、600 ℃における耐力は216N/mm2以上を
満足せず、また、Tiが 0.005%未満のため、H
AZ靱性も悪い。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる建
築用高強度耐火鋼板の製造方法は、化学成分、特に、少
量のW 添加と、Nbの析出強化によって、溶接性を損
なわずに、高温耐力を大幅に改善し、さらに、TiN
を活用することにより優れた大入熱溶接継手靱性を確保
しているため、 600℃において216N/mm2以
上の耐力と良好な溶接性を兼ね備え、かつ、降伏比の低
い490N/mm2級の耐火鋼板を製造することが可能
であり、従来必要とされていた耐火被覆を大幅に低減あ
るいは省略することができ、さらに、溶接施工および耐
震面の点からも、構造物の安全性を高めることができる
という優れた効果を有するものである。
築用高強度耐火鋼板の製造方法は、化学成分、特に、少
量のW 添加と、Nbの析出強化によって、溶接性を損
なわずに、高温耐力を大幅に改善し、さらに、TiN
を活用することにより優れた大入熱溶接継手靱性を確保
しているため、 600℃において216N/mm2以
上の耐力と良好な溶接性を兼ね備え、かつ、降伏比の低
い490N/mm2級の耐火鋼板を製造することが可能
であり、従来必要とされていた耐火被覆を大幅に低減あ
るいは省略することができ、さらに、溶接施工および耐
震面の点からも、構造物の安全性を高めることができる
という優れた効果を有するものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 C:0.05〜0.15%、 Si:
0.60%以下、 Mn:0.50〜1.80%、P:
0.03%以下、S:0.03%以下、 sol.Al
:0.002 〜0.10%、W:0.20〜1.0
%、Nb:0.005〜0.060 %、Ti:0.0
05〜0.030 %、N:0.0020〜0.007
0%、 Ca:0.0005〜0.0050%を含有し
、かつ、下記式で規定される PCMの値を0.24%
以下として、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼片
を1050℃以上の温度に加熱したのち、1000℃以
下の圧下率を50%以上とし、 850℃超え 950
℃未満の温度範囲で圧延を終了させ、 600℃におけ
る耐力が216N/mm2以上であることを特徴とする
建築用高強度耐火鋼板の製造方法。 PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+N
i/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
(%) - 【請求項2】 V:0.005 〜0.06%、 C
u:0.05〜0.50%、 Ni:0.05〜0.5
0%、Cr:0.10〜0.60%、Mo:0.10
%以上0.40%未満の内から選んだ1種または2種以
上を含有することを特徴とする請求項1の建築用高強度
耐火鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12595291A JPH04350120A (ja) | 1991-05-29 | 1991-05-29 | 建築用高強度耐火鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12595291A JPH04350120A (ja) | 1991-05-29 | 1991-05-29 | 建築用高強度耐火鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04350120A true JPH04350120A (ja) | 1992-12-04 |
Family
ID=14923036
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12595291A Pending JPH04350120A (ja) | 1991-05-29 | 1991-05-29 | 建築用高強度耐火鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04350120A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1319731A1 (de) * | 2001-12-14 | 2003-06-18 | V & M Deutschland GmbH | Feuerresistenter Stahl für den Stahlbau und Verfahren zur Herstellung von Warmgewalzten Hohlprofilen, Trägern, Formstahl oder Grobblech daraus |
JP2007262441A (ja) * | 2006-03-27 | 2007-10-11 | Jfe Steel Kk | 原油タンク用鋼およびその製造方法 |
WO2024063113A1 (ja) * | 2022-09-22 | 2024-03-28 | 株式会社神戸製鋼所 | 鋼製下地材 |
-
1991
- 1991-05-29 JP JP12595291A patent/JPH04350120A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1319731A1 (de) * | 2001-12-14 | 2003-06-18 | V & M Deutschland GmbH | Feuerresistenter Stahl für den Stahlbau und Verfahren zur Herstellung von Warmgewalzten Hohlprofilen, Trägern, Formstahl oder Grobblech daraus |
JP2007262441A (ja) * | 2006-03-27 | 2007-10-11 | Jfe Steel Kk | 原油タンク用鋼およびその製造方法 |
JP4687531B2 (ja) * | 2006-03-27 | 2011-05-25 | Jfeスチール株式会社 | 原油タンク用鋼およびその製造方法 |
WO2024063113A1 (ja) * | 2022-09-22 | 2024-03-28 | 株式会社神戸製鋼所 | 鋼製下地材 |
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