JP3728026B2 - 自動満タン停止機能を備えた給油装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、満タンが近づくに従い流量が小さくなるように設定して、油面を検知したときに給油を停止するようにした自動満タン停止機能を備えた給油装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の給油装置は、一般に、給油ノズルに油面または泡を検知して検知信号を出力する油面検知手段を備えている(たとえば、特公平6−98999号公報、特開平7−137799号公報参照)。この種の給油ノズルの一例を図5に示す。
【0003】
図5において、給油ノズル15内の第1流路16には、主弁17および副弁18が設けられ、これらの弁17,18はスプリング19により閉方向に付勢されている。操作レバー21が支軸22を中心に矢印方向に回動すると、前記スプリング19のバネ力に抗して弁軸20が右側へ摺動して、前記主弁17および副弁18が順に開弁し、第1流路16と第2流路23とが連通する。前記弁軸20には摺動自在に逆止弁25が装着されている。該逆止弁25は第2スプリング26により第2流路23を閉塞する方向に付勢されており、燃料油の圧力で開弁すると共に、該開弁時に狭搾部38を形成する。狭搾部38に燃料油が流れると、ベンチュリー効果によって空気補給路27には負圧が発生する。
【0004】
前記空気補給路27は、ダイヤフラム室28の負圧室31に連通している。ダイヤフラム室28は、第3スプリング32によって上方に押圧されたダイヤフラム29と、該ダイヤフラム29により負圧室31に対して区画された大気圧室30とを備えている。ダイヤフラム29には遮光片33が固定され、該遮光片33を光電検出器(油面検知手段)34が検出する。
【0005】
前記第2流路23には、第3流路24を介して給油ノズル15のスパウト35内の流路が連通している。スパウト35内には、空気補給管36が挿入されている。該空気補給管36は一方の開口部37がスパウト35の先端付近で大気に開口し、他方が負圧室31に連通している。したがって、狭搾部38において負圧が発生すると、空気が開口部37、空気補給管36、負圧室31および空気補給路27を介して狭搾部38に補給される。
【0006】
一方、給油を行うことにより給油タンク内の油面が上昇すると、燃料油が泡立った泡や油面によって開口部37が閉塞される。このように、開口部37が閉塞されると、前記負圧室31には空気が補給されないので、ダイヤフラム29および遮光片33が下方に移動し、これを光電検出器34が検知する。
【0007】
このように、泡や油面が検知されると、検知信号が出力され、給油ノズル15に連通する送油経路の流量調節弁が絞られ、図2に示すように、給油量を徐々に減少させる。前記検知後、泡立ち納まり時間T0が経過すると、流量を減らして再度給油を行うのであるが、給油を再開した後、満タン判定時間T1よりも前に、次の検知信号が出力されると、図5の開口部37が泡で閉塞されたのではなく、油面で閉塞されたものであるとみなして、給油を完全に停止する。これにより、満タン給油を行うことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の給油装置では、満タン近くになると、給油精度向上のため、元来、流速が極限まで遅くなるようにしている。一方、油中ポンプのように、1台のポンプで多数の給油ノズルに給油を行えるようにすると、多数の給油ノズルを同時に使用した場合には、更に流量が小さくなる。このように、流量が小さくなると、図5の開口部37が油面で閉塞されても、狭搾部38には負圧が発生しないので、遮光片33が移動しないから、光電検出器34は油面検知をできなくなる。そのため、オーバーフローの生じるおそれがある。
【0009】
したがって、本発明の目的は、1台のポンプから多数の給油ノズルに燃料を供給しても、オーバーフローの生じるおそれのない自動満タン停止機能を備えた給油装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、流量調節弁が開いているにもかかわらず、給油ノズルから吐出される燃料油の流量が設定最小流量よりも小さい場合には、前記流量調節弁の開度を大きくするようにしたものである。
【0011】
本発明によれば、燃料油の流量が設定最小流量よりも小さくなると、流量調節弁の開度が大きくなるので、満タンが近づいた際にも、流量をある程度大きく保てるから、1台のポンプから同時に多数の給油ノズルに燃料を圧送しても、油面を検知することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は第1実施形態を示す。
図1において、ポンプPは、たとえば地下タンクに浸漬された油中ポンプであり、1台のポンプPから複数の送油経路1に分岐して複数の計量ユニット2に燃料油Lを圧送する。各送油経路1には流量調節弁Vが設けられている。流量調節弁Vは、たとえば1つのダイヤフラム式の大弁v1と、2つの直動式の小弁(電磁弁)v2,v3とを1つの弁箱内に備えたもので構成される。
【0013】
各送油経路1には流量計F/Mが介挿されており、給油ノズル15から吐出される燃料油Lの給油量は流量計F/Mに接続したパルス発信器3からのパルス信号pに基づいて検出され、パルス信号pのパルスが計数回路4で計数されて表示器5で表示される。なお、前記流量計F/Mおよびパルス発信器3は、燃料油Lの流量を検知する流量検知手段を構成している。前記パルス発信器3からのパルス信号pは流量判定回路6にも入力される。
【0014】
流量判定回路6は、パルス発信器3からのパルス信号pを受けて、流量Qを設定最小流量QMIN と比較し、現在の流量Qが設定最小流量QMIN よりも小さいときに過小信号sを弁制御回路7および警報器8に出力する。前記設定最小流量QMIN は、図5の狭搾部38に負圧が発生して光電検出器34が作動する値に設定されている。なお、図1の警報器8は、過小信号sを受けたときに点滅ないしブザーを鳴らして警報を発するものである。
【0015】
弁制御回路7は、開閉信号aを出力することにより流量調節弁Vの3つの弁v1〜v3を開閉制御するもので、満タンが近づくと満タン制御回路9からの開度信号bに基づいて流量調節弁Vを制御する。
【0016】
満タン制御回路9は、給油ノズル15の光電検出器34からの検知信号cを受けて、以下に説明するように、弁制御回路7に流量調節弁Vの開度を絞らせる。図2の給油開始時t0〜t1では、開度が最大に設定されており、3つの弁v1〜v3が開く。その後、油面を検知する度に、開度が小さくなるように設定されており、t2〜t3では、2つの小弁v2,v3のみが開く中流となり、更に、t4〜t5では1つの小弁v3のみが開く小流となる。すなわち、図1の弁制御回路7は、満タンが近づくに従い、満タン制御回路9からの指令を受けて流量調節弁Vの開度を絞る。
【0017】
一方、弁制御回路7は流量調節弁Vが開弁しているにもかかわらず、流量判定回路6から過小信号sを受けたときには、流量調節弁Vの流量制限を緩和する。すなわち、弁制御回路7は、小流または中流において過小信号sを受けると、閉じていた弁v2,v3を開弁して、それぞれ、中流または大流に流量調節弁Vを設定する。
【0018】
なお、計数回路4は、計数値が整数になると(小数点以下2桁が00になると)丁度信号oを満タン制御回路9に出力する。満タン制御回路9は小流時に計数回路4からの丁度信号oを受けると弁制御回路7に給油を停止させる。
【0019】
つぎに、前記構成の主たる動作について説明する。
まず、給油ノズル15を図示しないハンガーから取り外し、給油タンクにセットすると、弁制御回路7が流量調節弁Vを全開にし、図2の時間t0〜t1のように大流で給油がなされる。その後、時間t1で、図1の光電検出器34が泡を検出すると、検知信号cが出力され、満タン制御回路9が開度信号bを出力して弁制御回路7に中流で給油を行うように指令を出す。これにより弁制御回路7が一度流量調節弁Vを全閉にし、泡立ち納まり時間T0が経過した後2つの小弁v1,v2を開かせ、図2の時間t2〜t3のように、中流で給油がなされる。時間t3 において、図1の光電検出器34が泡を検出すると検知信号cが満タン制御回路9に出力される。満タン制御回路9は検知信号cの回数をカウントしており、2回目の検知信号cを受けたことで、開度信号bを出力して弁制御回路7に小流で給油を行うように指令を出す。その後、こうした動作を繰り返す。図2の小流で給油がなされている時間t4〜t5,時間t6〜t7において、小流での給油後、満タン判定時間T1以内に、再び図1の光電検出器34から検知信号cが出力された場合は、油面がノズルの先端に達したのであろうから、満タンになったとみなして給油を停止する。
【0020】
ここで、1台のポンプPから多数の送油経路1に給油を行っていると、流量Qが小さくなる。該流量Qが設定最小流量QMIN よりも小さいと、流量判定回路6から弁制御回路7に過小信号sが出力される。この過小信号sを受けて、弁制御回路7は、たとえば、図2の時間t4〜t5,時間t6〜t7では図1の2つの小弁v1,v2を開弁する。それでも、流量Qが設定最小流量QMIN よりも小さい場合には、全ての弁v1〜v3を開く。したがって、流量Qが設定最小流量QMIN よりも小さくなるのを防止し得るから、油面を検知できるので、オーバーフローを防止し得る。
【0021】
ところで、全ての弁v1〜v3が開いているにもかかわらず、流量Qが設定最小流量QMIN よりも小さい場合が想定される。こうした場合に備えて、前記弁制御回路7は、以下の図3のフローチャートに示す機能を備えているのが好ましい。
【0022】
弁制御回路7は、給油中に、図3のステップS1で過小信号sが入力されると、ステップS2に進み、流量調節弁Vが全開か否かを判断し、全開でなければステップS3に進んで開度を大きくし、一方、全開であればステップS4に進んで流量調節弁Vを全閉にして給油を停止する。
【0023】
こうすることで、流量調節弁Vが全開(所定の開度の一例)であるにもかかわらず流量Qが設定最小流量QMIN より小さい場合には、給油を停止することにより、油面が検知ができなくても、オーバーフローを防止できる。
【0024】
ところで、図1の大弁v1がダイヤフラム弁のようにパイロット弁により開閉動作する場合には、大弁v1の動作遅れがあるので、流量が一定量となるまでに時間を要するから、満タンであるにもかかわらず、図2の満タン判定時間T1以内に液面を検知できない場合が想定される。こうした場合に備えて、前記満タン制御回路9は以下の図4のフローチャートに示す機能を備えているのが好ましい。
【0025】
給油が開始された後に、満タン制御回路9は、ステップS11で検知信号cを受けると、ステップS12に進み全閉の開度信号bを出力し、ステップS13に進む。ステップS13では所定の泡立ち納まり時間T0が経過した後、ステップS14で、開度を小さくさせて給油を再開し、やがて、ステップS15で検知信号cを受けステップS16に進む。ステップS16では、流量調節弁Vが全開か否かを判断し、全開でない場合はステップS17に進み、図1の第1満タン判定時間T1以内に前記検知信号cが入力されたか否かを判断する。間欠給油時間Tが第1満タン判定時間T1以内であれば、満タンになったとみなして(検知したのが泡ではなく液面であるとみなして)図4のステップS18に進んで給油を停止し、一方、間欠給油時間Tが第1満タン判定時間T1よりも大きければステップS13に戻る。
前記ステップS16で流量調節弁Vが全開である場合はステップS20に進み、第1満タン判定時間T1よりも長い第2満タン判定時間T2以内に前記検知信号cを受けたか否かを判断する。間欠給油時間Tが第2満タン判定時間T2以内であれば、満タンになったとみなして、ステップS21に進んで給油を停止し、一方、間欠給油時間Tが第2満タン判定時間T2よりも長ければステップS13に戻る。
【0026】
このように、流量調節弁Vが全開である場合には、第1満タン判定時間T1よりも長い第2満タン判定時間T2を基準に、検知したものが泡か液面かを判定すれば、パイロット式の大弁v1の開弁時の動作遅れがあっても、満タンを検知して、オーバーフローを防止することができる。
【0027】
ところで、図1のポンプPで1台の給油ノズル15のみを使用する場合には、逆に流量Qが大きくなり過ぎる場合がある。かかる場合に備えて、流量判定回路6および弁制御回路7は以下の機能を備えているのが好ましい。
流量判定回路6は、許容流量の最大値QMAX と流量Qとを比較し、流量Qが最大値QMAX よりも大きい場合には、弁制御回路7に過大信号を出力する。弁制御回路7は、弁制御回路7を受けると流量調節弁Vの開度を小さくする。これにより、オーバーフローを防止することができる。
【0028】
ところで、前記実施形態では、給油ノズル15の光電検出器34によって油面を検出したが、本発明は他の手段で油面を検出してもよい。たとえば、パルス発信器3からのパルス信号pを満タン制御回路9に出力させ、パルス信号pがゼロになったときに満タンであると判定する場合も本発明に含まれる。この場合、パルス信号pが検知信号cに相当する。また、本発明は給油ノズル15の構造を図5のものに限定するものではなく、特開平7−137799号のような構造のものであってもよい。
【0029】
また、前記実施形態では、流量調節弁Vが3つの弁v1〜v3を持つものであったが、本発明では流量調節弁Vがモータバルブのように無段階に開度を調節できるものでもよい。また、ポンプPは油中式である必要はなく、1台のポンプPから複数台の計量ユニットに供給するものであれば、本発明の範囲に含まれる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、給油ノズルから吐出される燃料油の流量が設定最小流量よりも小さい場合には、流量調節弁の開度を大きくするようにしたので、流量が小さすぎて油面を検知できずにオーバーフローを生じるという事態を防止し得る。
【0031】
さらに、請求項3の発明によれば、流量調節弁が所定の開度よりも大きいにもかかわらず、流量が設定最小流量よりも小さい場合には、給油を停止するから、油面が検知できなくても、オーバーフローを防止し得る。
【0032】
また、請求項4の発明によれば、パイロット式の弁の動作遅れがあっても、第1満タン判定時間よりも長い第2満タン判定時間により満タンを判定するから、動作遅れに起因するオーバーフローを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す自動満タン停止機能を備えた給油装置の概略構成図である。
【図2】流量の制御方法を示すグラフである。
【図3】弁制御回路の付加的な機能を示すフローチャートである。
【図4】満タン制御回路の付加的な機能を示すフローチャートである。
【図5】給油ノズルの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:送油経路
3:パルス発信器(流量検知手段)
6:流量判定回路
7:弁制御回路
9:満タン制御回路
c:検知信号
s:過小信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、満タンが近づくに従い流量が小さくなるように設定して、油面を検知したときに給油を停止するようにした自動満タン停止機能を備えた給油装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の給油装置は、一般に、給油ノズルに油面または泡を検知して検知信号を出力する油面検知手段を備えている(たとえば、特公平6−98999号公報、特開平7−137799号公報参照)。この種の給油ノズルの一例を図5に示す。
【0003】
図5において、給油ノズル15内の第1流路16には、主弁17および副弁18が設けられ、これらの弁17,18はスプリング19により閉方向に付勢されている。操作レバー21が支軸22を中心に矢印方向に回動すると、前記スプリング19のバネ力に抗して弁軸20が右側へ摺動して、前記主弁17および副弁18が順に開弁し、第1流路16と第2流路23とが連通する。前記弁軸20には摺動自在に逆止弁25が装着されている。該逆止弁25は第2スプリング26により第2流路23を閉塞する方向に付勢されており、燃料油の圧力で開弁すると共に、該開弁時に狭搾部38を形成する。狭搾部38に燃料油が流れると、ベンチュリー効果によって空気補給路27には負圧が発生する。
【0004】
前記空気補給路27は、ダイヤフラム室28の負圧室31に連通している。ダイヤフラム室28は、第3スプリング32によって上方に押圧されたダイヤフラム29と、該ダイヤフラム29により負圧室31に対して区画された大気圧室30とを備えている。ダイヤフラム29には遮光片33が固定され、該遮光片33を光電検出器(油面検知手段)34が検出する。
【0005】
前記第2流路23には、第3流路24を介して給油ノズル15のスパウト35内の流路が連通している。スパウト35内には、空気補給管36が挿入されている。該空気補給管36は一方の開口部37がスパウト35の先端付近で大気に開口し、他方が負圧室31に連通している。したがって、狭搾部38において負圧が発生すると、空気が開口部37、空気補給管36、負圧室31および空気補給路27を介して狭搾部38に補給される。
【0006】
一方、給油を行うことにより給油タンク内の油面が上昇すると、燃料油が泡立った泡や油面によって開口部37が閉塞される。このように、開口部37が閉塞されると、前記負圧室31には空気が補給されないので、ダイヤフラム29および遮光片33が下方に移動し、これを光電検出器34が検知する。
【0007】
このように、泡や油面が検知されると、検知信号が出力され、給油ノズル15に連通する送油経路の流量調節弁が絞られ、図2に示すように、給油量を徐々に減少させる。前記検知後、泡立ち納まり時間T0が経過すると、流量を減らして再度給油を行うのであるが、給油を再開した後、満タン判定時間T1よりも前に、次の検知信号が出力されると、図5の開口部37が泡で閉塞されたのではなく、油面で閉塞されたものであるとみなして、給油を完全に停止する。これにより、満タン給油を行うことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の給油装置では、満タン近くになると、給油精度向上のため、元来、流速が極限まで遅くなるようにしている。一方、油中ポンプのように、1台のポンプで多数の給油ノズルに給油を行えるようにすると、多数の給油ノズルを同時に使用した場合には、更に流量が小さくなる。このように、流量が小さくなると、図5の開口部37が油面で閉塞されても、狭搾部38には負圧が発生しないので、遮光片33が移動しないから、光電検出器34は油面検知をできなくなる。そのため、オーバーフローの生じるおそれがある。
【0009】
したがって、本発明の目的は、1台のポンプから多数の給油ノズルに燃料を供給しても、オーバーフローの生じるおそれのない自動満タン停止機能を備えた給油装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、流量調節弁が開いているにもかかわらず、給油ノズルから吐出される燃料油の流量が設定最小流量よりも小さい場合には、前記流量調節弁の開度を大きくするようにしたものである。
【0011】
本発明によれば、燃料油の流量が設定最小流量よりも小さくなると、流量調節弁の開度が大きくなるので、満タンが近づいた際にも、流量をある程度大きく保てるから、1台のポンプから同時に多数の給油ノズルに燃料を圧送しても、油面を検知することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は第1実施形態を示す。
図1において、ポンプPは、たとえば地下タンクに浸漬された油中ポンプであり、1台のポンプPから複数の送油経路1に分岐して複数の計量ユニット2に燃料油Lを圧送する。各送油経路1には流量調節弁Vが設けられている。流量調節弁Vは、たとえば1つのダイヤフラム式の大弁v1と、2つの直動式の小弁(電磁弁)v2,v3とを1つの弁箱内に備えたもので構成される。
【0013】
各送油経路1には流量計F/Mが介挿されており、給油ノズル15から吐出される燃料油Lの給油量は流量計F/Mに接続したパルス発信器3からのパルス信号pに基づいて検出され、パルス信号pのパルスが計数回路4で計数されて表示器5で表示される。なお、前記流量計F/Mおよびパルス発信器3は、燃料油Lの流量を検知する流量検知手段を構成している。前記パルス発信器3からのパルス信号pは流量判定回路6にも入力される。
【0014】
流量判定回路6は、パルス発信器3からのパルス信号pを受けて、流量Qを設定最小流量QMIN と比較し、現在の流量Qが設定最小流量QMIN よりも小さいときに過小信号sを弁制御回路7および警報器8に出力する。前記設定最小流量QMIN は、図5の狭搾部38に負圧が発生して光電検出器34が作動する値に設定されている。なお、図1の警報器8は、過小信号sを受けたときに点滅ないしブザーを鳴らして警報を発するものである。
【0015】
弁制御回路7は、開閉信号aを出力することにより流量調節弁Vの3つの弁v1〜v3を開閉制御するもので、満タンが近づくと満タン制御回路9からの開度信号bに基づいて流量調節弁Vを制御する。
【0016】
満タン制御回路9は、給油ノズル15の光電検出器34からの検知信号cを受けて、以下に説明するように、弁制御回路7に流量調節弁Vの開度を絞らせる。図2の給油開始時t0〜t1では、開度が最大に設定されており、3つの弁v1〜v3が開く。その後、油面を検知する度に、開度が小さくなるように設定されており、t2〜t3では、2つの小弁v2,v3のみが開く中流となり、更に、t4〜t5では1つの小弁v3のみが開く小流となる。すなわち、図1の弁制御回路7は、満タンが近づくに従い、満タン制御回路9からの指令を受けて流量調節弁Vの開度を絞る。
【0017】
一方、弁制御回路7は流量調節弁Vが開弁しているにもかかわらず、流量判定回路6から過小信号sを受けたときには、流量調節弁Vの流量制限を緩和する。すなわち、弁制御回路7は、小流または中流において過小信号sを受けると、閉じていた弁v2,v3を開弁して、それぞれ、中流または大流に流量調節弁Vを設定する。
【0018】
なお、計数回路4は、計数値が整数になると(小数点以下2桁が00になると)丁度信号oを満タン制御回路9に出力する。満タン制御回路9は小流時に計数回路4からの丁度信号oを受けると弁制御回路7に給油を停止させる。
【0019】
つぎに、前記構成の主たる動作について説明する。
まず、給油ノズル15を図示しないハンガーから取り外し、給油タンクにセットすると、弁制御回路7が流量調節弁Vを全開にし、図2の時間t0〜t1のように大流で給油がなされる。その後、時間t1で、図1の光電検出器34が泡を検出すると、検知信号cが出力され、満タン制御回路9が開度信号bを出力して弁制御回路7に中流で給油を行うように指令を出す。これにより弁制御回路7が一度流量調節弁Vを全閉にし、泡立ち納まり時間T0が経過した後2つの小弁v1,v2を開かせ、図2の時間t2〜t3のように、中流で給油がなされる。時間t3 において、図1の光電検出器34が泡を検出すると検知信号cが満タン制御回路9に出力される。満タン制御回路9は検知信号cの回数をカウントしており、2回目の検知信号cを受けたことで、開度信号bを出力して弁制御回路7に小流で給油を行うように指令を出す。その後、こうした動作を繰り返す。図2の小流で給油がなされている時間t4〜t5,時間t6〜t7において、小流での給油後、満タン判定時間T1以内に、再び図1の光電検出器34から検知信号cが出力された場合は、油面がノズルの先端に達したのであろうから、満タンになったとみなして給油を停止する。
【0020】
ここで、1台のポンプPから多数の送油経路1に給油を行っていると、流量Qが小さくなる。該流量Qが設定最小流量QMIN よりも小さいと、流量判定回路6から弁制御回路7に過小信号sが出力される。この過小信号sを受けて、弁制御回路7は、たとえば、図2の時間t4〜t5,時間t6〜t7では図1の2つの小弁v1,v2を開弁する。それでも、流量Qが設定最小流量QMIN よりも小さい場合には、全ての弁v1〜v3を開く。したがって、流量Qが設定最小流量QMIN よりも小さくなるのを防止し得るから、油面を検知できるので、オーバーフローを防止し得る。
【0021】
ところで、全ての弁v1〜v3が開いているにもかかわらず、流量Qが設定最小流量QMIN よりも小さい場合が想定される。こうした場合に備えて、前記弁制御回路7は、以下の図3のフローチャートに示す機能を備えているのが好ましい。
【0022】
弁制御回路7は、給油中に、図3のステップS1で過小信号sが入力されると、ステップS2に進み、流量調節弁Vが全開か否かを判断し、全開でなければステップS3に進んで開度を大きくし、一方、全開であればステップS4に進んで流量調節弁Vを全閉にして給油を停止する。
【0023】
こうすることで、流量調節弁Vが全開(所定の開度の一例)であるにもかかわらず流量Qが設定最小流量QMIN より小さい場合には、給油を停止することにより、油面が検知ができなくても、オーバーフローを防止できる。
【0024】
ところで、図1の大弁v1がダイヤフラム弁のようにパイロット弁により開閉動作する場合には、大弁v1の動作遅れがあるので、流量が一定量となるまでに時間を要するから、満タンであるにもかかわらず、図2の満タン判定時間T1以内に液面を検知できない場合が想定される。こうした場合に備えて、前記満タン制御回路9は以下の図4のフローチャートに示す機能を備えているのが好ましい。
【0025】
給油が開始された後に、満タン制御回路9は、ステップS11で検知信号cを受けると、ステップS12に進み全閉の開度信号bを出力し、ステップS13に進む。ステップS13では所定の泡立ち納まり時間T0が経過した後、ステップS14で、開度を小さくさせて給油を再開し、やがて、ステップS15で検知信号cを受けステップS16に進む。ステップS16では、流量調節弁Vが全開か否かを判断し、全開でない場合はステップS17に進み、図1の第1満タン判定時間T1以内に前記検知信号cが入力されたか否かを判断する。間欠給油時間Tが第1満タン判定時間T1以内であれば、満タンになったとみなして(検知したのが泡ではなく液面であるとみなして)図4のステップS18に進んで給油を停止し、一方、間欠給油時間Tが第1満タン判定時間T1よりも大きければステップS13に戻る。
前記ステップS16で流量調節弁Vが全開である場合はステップS20に進み、第1満タン判定時間T1よりも長い第2満タン判定時間T2以内に前記検知信号cを受けたか否かを判断する。間欠給油時間Tが第2満タン判定時間T2以内であれば、満タンになったとみなして、ステップS21に進んで給油を停止し、一方、間欠給油時間Tが第2満タン判定時間T2よりも長ければステップS13に戻る。
【0026】
このように、流量調節弁Vが全開である場合には、第1満タン判定時間T1よりも長い第2満タン判定時間T2を基準に、検知したものが泡か液面かを判定すれば、パイロット式の大弁v1の開弁時の動作遅れがあっても、満タンを検知して、オーバーフローを防止することができる。
【0027】
ところで、図1のポンプPで1台の給油ノズル15のみを使用する場合には、逆に流量Qが大きくなり過ぎる場合がある。かかる場合に備えて、流量判定回路6および弁制御回路7は以下の機能を備えているのが好ましい。
流量判定回路6は、許容流量の最大値QMAX と流量Qとを比較し、流量Qが最大値QMAX よりも大きい場合には、弁制御回路7に過大信号を出力する。弁制御回路7は、弁制御回路7を受けると流量調節弁Vの開度を小さくする。これにより、オーバーフローを防止することができる。
【0028】
ところで、前記実施形態では、給油ノズル15の光電検出器34によって油面を検出したが、本発明は他の手段で油面を検出してもよい。たとえば、パルス発信器3からのパルス信号pを満タン制御回路9に出力させ、パルス信号pがゼロになったときに満タンであると判定する場合も本発明に含まれる。この場合、パルス信号pが検知信号cに相当する。また、本発明は給油ノズル15の構造を図5のものに限定するものではなく、特開平7−137799号のような構造のものであってもよい。
【0029】
また、前記実施形態では、流量調節弁Vが3つの弁v1〜v3を持つものであったが、本発明では流量調節弁Vがモータバルブのように無段階に開度を調節できるものでもよい。また、ポンプPは油中式である必要はなく、1台のポンプPから複数台の計量ユニットに供給するものであれば、本発明の範囲に含まれる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、給油ノズルから吐出される燃料油の流量が設定最小流量よりも小さい場合には、流量調節弁の開度を大きくするようにしたので、流量が小さすぎて油面を検知できずにオーバーフローを生じるという事態を防止し得る。
【0031】
さらに、請求項3の発明によれば、流量調節弁が所定の開度よりも大きいにもかかわらず、流量が設定最小流量よりも小さい場合には、給油を停止するから、油面が検知できなくても、オーバーフローを防止し得る。
【0032】
また、請求項4の発明によれば、パイロット式の弁の動作遅れがあっても、第1満タン判定時間よりも長い第2満タン判定時間により満タンを判定するから、動作遅れに起因するオーバーフローを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す自動満タン停止機能を備えた給油装置の概略構成図である。
【図2】流量の制御方法を示すグラフである。
【図3】弁制御回路の付加的な機能を示すフローチャートである。
【図4】満タン制御回路の付加的な機能を示すフローチャートである。
【図5】給油ノズルの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:送油経路
3:パルス発信器(流量検知手段)
6:流量判定回路
7:弁制御回路
9:満タン制御回路
c:検知信号
s:過小信号
Claims (4)
- 燃料油を複数の送油経路に分岐して圧送するポンプと、前記各送油経路に設けられた流量調節弁とを備え、給油すべきタンク内が満タンに近づくに従い、前記流量調節弁の開度を絞らせることで満タン時に給油を停止するようにした自動満タン停止機能を備えた給油装置であって、
前記流量調節弁が開いているにもかかわらず、給油ノズルから吐出される燃料油の流量が設定最小流量よりも小さい場合には、前記流量調節弁の開度を大きくするようにした自動満タン停止機能を備えた給油装置。 - 燃料油を複数の送油経路に分岐して圧送するポンプと、
前記各送油経路に設けられた流量調節弁と、
満タンが近づいたときに出力される検知信号を受けて前記流量調節弁の開度を絞らせる満タン制御回路とを有する自動満タン停止機能を備えた給油装置であって、
前記送油経路を経て給油ノズルから吐出される燃料油の流量を検知する流量検知手段と、
該流量検知手段からの流量を設定最小流量と比較し、現在の流量が設定最小流量よりも小さいときに過小信号を出力する流量判定回路と、
前記満タン制御回路からの指令を受けて満タンが近づくに従い前記流量調節弁の開度を絞ると共に、前記流量判定回路から過小信号が出力されたときに流量調節弁の流量制限を緩和して流量を増加させる弁制御回路とを有する自動満タン停止機能を備えた給油装置。 - 請求項2において、
前記弁制御回路は、前記流量調節弁の開度が所定の開度以上であるにもかかわらず前記過小信号が入力された場合には、給油を停止させる自動満タン停止機能を備えた給油装置。 - 請求項1の前記流量調節弁がパイロット式の弁を有する場合において、
前記満タン制御回路は、前記流量調節弁のパイロット式の弁が閉じている場合において所定の第1満タン判定時間T1以内に検知信号を受けたときに満タンであると判定して前記流量調節弁を閉止すると共に、該流量調節弁のパイロット式の弁が開いている場合に、前記過小信号が入力されたときには前記第1満タン判定時間T1よりも長い第2満タン判定時間T2により満タンか否かを判定する自動満タン停止機能を備えた給油装置。
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