JP3727427B2 - 実装基板検査装置の基板位置決めピンの位置ズレ検出装置 - Google Patents

実装基板検査装置の基板位置決めピンの位置ズレ検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術】
本発明は実装基板検査装置の基板位置決めピンの位置ズレ検出装置に関し、特にインサ−キットテスタ等の実装基板検査装置において実装基板の位置を規制する基板位置決めピンの当該実装基板検査装置における位置を調整する場合に用いて有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板にIC等の電子部品を実装した実装基板に対しては、実装後に、インサーキットテストやファンクションテストが行なわれる。インサーキットテストとは各電子部品、例えば抵抗、インダクタンス及びキャパシタンスが所要の特性を有しているか否かを調べるテストであり、ファンクションテストとは実装基板に形成された電気回路が所要の入出力特性を有しているかどうかを調べるテストである。
【0003】
インサーキットテストやファンクションテストを行うためには、フィクスチャータイプの検査装置である例えばインサ−キットテスタが用いられる。このインサ−キットテスタは、図12に示すように、上フィクスチャー1と下フィクスチャー2を備えている。
【0004】
上フィクスチャー1は、四隅に位置決め孔3を有するとともに下面に多数(1000〜2000本程度)のコンタクトプローブ4を有しており、図示しない昇降機構により上下動する。下フィクスチャー2は、四隅に位置決めピン5を有するとともに、上面に多数(1000〜2000本程度)のコンタクトプローブ6及び2本の基板位置決めピン7を有しており、装置のベース8に固定されている。
【0005】
図13は上記インサ−キットテスタにおける検査状態を示している。同図に示すように実装基板10は、クリームはんだやはんだ槽を使用して基板11に電子部品(IC等)12を実装したものであり、基板11には2個の基準孔13が形成してある。
【0006】
かかる検査装置を用いた検査時には、まず基板位置決めピン7が基準孔13を貫通する状態にして実装基板10の位置を決める。次に、位置決めピン5が位置決め孔3に嵌入するよう位置合せをしつつ上フィクスチャー1を降下させていく。かくして、実装基板10の上面の検査点にコンタクトプローブ4の先端が接触するとともに、実装基板10の下面の検査点にコンタクトプローブ6の先端が接触する。かかる接触状態で各コンタクトプローブ4,6を介して電圧をかけたり電流を通したりして各種テストを行う。テスト終了後は上フィクスチャー1を上昇させて実装基板10を取り外す。
【0007】
上述の如き検査を良好に行うには、基板位置決めピン7をベース8の所定位置に正確に垂直に配設しておく必要がある。
【0008】
ここで、基板位置決めピン7は装置のベース8に圧入することにより固定されているので、長期間の繰り返し使用により曲がり等による位置ズレを生起してしまう。かかる位置ズレを生起した場合にはコンタクトプローブ4、6が正規位置に接触せず検査結果のNGの回数が異常に増える。
【0009】
このような位置ズレを生起した場合には基板位置決めピン7の位置調整が必要になるが、この場合の基板位置決めピン7の調整は、従来、次の様にして行っていた。すなわち検査時と同様に、基板位置決めピン7を利用してベース8上における実装基板10の位置を決め、その後上フィクスチャー1を降下させていく。かくして実装基板10の上面の検査点にコンタクトプローブ4、6の先端を接触させることができる。この結果接触点、例えば検査点であるランドにはコンタクトプローブ4、6が接触した痕跡が付く。この痕跡を作業者がルーペ、顕微鏡等を使用して目視することによりズレ方向を知り、基板位置決めピン7をハンマーで少しずつ叩いてその位置を補正する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
基板位置決めピン7の補正は、上述の如く基板位置決めピン7をハンマーで少しずつ叩いて行っているので、原始的であり、定量的な補正は難しく、且つ職人的な勘に頼らざるを得なかった。
【0011】
本発明は、上記従来技術に鑑み、勘に頼っていた補正を、補正量、補正方向とも明確であり、誰にでも簡単且つ正確に必要な補正を行い得る実装基板検査装置の基板位置決めピンの位置ズレ検出ガイド補正装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の構成は次の点を特徴とする。
【0013】
【0014】
【0015】
) 電子部品が実装された実装基板を、コンタクトプローブを有するフィクスチャーで挟み、コンタクトプローブの先端を実装基板の検査点に接触させた状態で前記実装基板の電気的特性を検査する実装基板検査装置であって、この実装基板検査装置における実装基板の位置を規制する基板位置決めピンの位置ズレ検出装置において、
X軸方向に関する位置ズレを検出し得るよう円形の銅箔等の導電体を基板に配設して構成した一対のX軸方向位置ズレ検出用ランドと、
Y軸方向に関する位置ズレを検出し得るよう円形の銅箔等の導電体を基板に配設して構成した一対のY軸方向位置ズレ検出用ランドと、
上記基板位置決めピンとの間の相対的な位置関係が所定通りに保持されている状態で両X軸方向位置ズレ検出用ランドの端部までの距離がるX軸方向に関する反対方向で同一であるような位置にそれぞれ接触するように導電体で構成した一対のX軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブと、
上記基板位置決めピンとの間の相対的な位置関係が所定通りに保持されている状態で両Y軸方向位置ズレ検出用ランドの端部までの距離がY軸方向に関する反対方向で同一であるような位置にそれぞれ接触するように導電体で構成した一対のY軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブと、
X軸方向及びY軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブを基板に向けて移動し、この移動に伴う各X軸方向及びY軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブの先端の接触位置がX軸方向及びY軸方向位置ズレ検出用ランドである場合と、それ以外である場合とを電気的な導通状態、非導通状態に対応させ導通状態、非導通状態の何れであるかを検出することにより基板位置決めピンの位置ズレ量及びその方向を検出するように構成したこと。
【0016】
1)において、基板位置決めピンはそのX軸方向及びY軸方向位置を移動可能に構成した移動手段に配設したこと。
【0017】
)において上記移動手段は、
第1のネジ軸及びこれに螺合されて第1のネジ軸の回転に伴い第1のネジ軸の軸方向に移動する第1のブロックを有する第1の直線移動手段と、
第1のブロックに載置され、この第1のブロックと一体となって全体が直線移動するとともに、第1のネジ軸と直交する第2のネジ軸及びこれに螺合されて第2のネジ軸の回転に伴い第2のネジ軸の軸方向に移動し且つその上面に基板位置決めピンが配設された第2のブロックと、
を有すること。
【0018】
)において上記移動手段は、
直交する2本のリニアガイドに沿い直交する二方向に直線移動するとともに、その上面に基板位置決めピンが配設されたブロック状のベッドと、
略L字状をなし、折曲部をピンで支持することにより垂直面内を回動可能に構成するとともに、その回動に伴い下部先端が上記ベットの一つの面に当接してこのベットを一方のリニアガイドに沿い移動させる第1のレバ−と、
略L字状をなし、折曲部をピンで支持することにより垂直面内を回動可能に構成するとともに、その回動に伴い下部先端が上記ベットの他の一つの面に当接してこのベットを他方のリニアガイドに沿い移動させる第2のレバ−と、
第1のレバ−の上端に当接してこの第1のレバ−を下方に押すことによりこの第1のレバ−を回動させるボルト状の第1の調整手段と、
第2のレバ−の上端に当接してこの第2のレバ−を下方に押すことによりこの第2のレバ−を回動させるボルト状の第2の調整手段と、
を有すること。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。本形態は図12及び図13に示すインサーキットテスタに組み込むものとして説明する。そこで、図12及び図13と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。ただし、本形態の如くインサーキットテスタに組み込むことが必須の要件ではない。
【0020】
図1は本発明の実施の形態に係る位置ズレ検出装置の位置ズレ検出用ランドと位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブとの関係を概念的に示す説明図である。同図に示すように、一対の位置ズレ検出用ランド21、22は、平面内の一方向(X軸方向若しくはこれと直交するY軸方向)に関して相対向する部分の複数個(図では3個)の間隙23a、23b、23cの寸法が段階的に異なるように導電体で階段状に形成した銅箔を基板に配設して構成したものである。この場合の基板としては、図13に示す基板11が好適であり、実装基板10である場合には電子部品12を実装しない基板11のマ−ジン部に配設する。また、位置ズレ検出用ランド21、22は何れもア−ス電位としてある。
【0021】
かかる一対の位置ズレ検出用ランド21、22の組の数に特別な制限はないが、X軸方向及びY軸方向に関する位置ズレを検出するには、少なくとも2組設ける必要がある。すなわち、間隙23a、23b、23cがX軸方向に並ぶX軸方向位置ズレ検出用ランドと、間隙23a、23b、23cがX軸方向に直交するY軸方向に並ぶY軸方向位置ズレ検出用ランドとを形成しておく必要がある。
【0022】
上記間隙23a、23b、23cの寸法はそれぞれ0.6mm、0.4mm、及び0.2mmとした。
【0023】
間隙23a、23b、23cと同数の間隙側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ24a、24b、24cは、コンタクトプロ−ブ4、6と同様の構成で、基板11の位置を規制する基板位置決めピン7との間の相対的な位置関係が所定通りに保持されている状態で、上記各間隙23a、23b、23c間の中心O1 、O2 、O3 にそれぞれ接触するよう上フィクスチャ−1及び下フィクスチャ−2に配設して構成したものである。
【0024】
ランド側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ25a、25bは、コンタクトプロ−ブ4、6と同様の構成で、一対の位置ズレ検出用ランド21、22にそれぞれ常時接触するよう上フィクスチャ−1及び下フィクスチャ−2に配設して構成したものである。
【0025】
かくして、間隙側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ24a、24b、24cが何れも中心O1 、O2 、O3 を初め間隙23a、23b、23c間の点に接触する状態であれば、各間隙側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ24a、24b、24cとランド側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ25a、25bとの間は絶縁される一方、基板位置決めピン7が位置ズレを生起して基板11との相対位置に所定量を越える位置ズレを生起したときには、各間隙側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ24a、24b、24cとランド側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ25a若しくは25bの何れか一方との間が順次短絡されるように構成してある。
【0026】
かかる本形態において、位置ズレ検出は次のようにして行う。すなわち、図13に示す検査時と同様に、基板位置決めピン7で基板11の位置を規制することによりこの基板11を下フィクスチャ−2上に配設し、その後上フィクスチャ−1を降下させる。この結果、間隙側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ24a、24b、24c及びランド側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ25a、25bはそれぞれ基板11の所定位置に接触する。この場合の接触位置が図1に示すような正規位置である場合には、各間隙側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ24a、24b、24cとランド側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ25a、25bとの間の導通状態が検出されることはないので、これを以て正常と判断する。
【0027】
一方、例えば間隙側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ24cとランド側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ25aとの間の導通が検出された場合には、基板11が図1中左方向へ少なくとも0.05mm位置ズレを生起していることが検出され、逆に間隙側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ24cとランド側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ25bとの間の導通が検出された場合には、基板11が図1中右方向へ少なくとも0.05mm位置ズレを生起していることが検出される。同様に、各間隙側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ24a、24bとランド側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ25a若しくは25bとの間の導通が検出されたことを以て基板11の位置ズレ量及びその方向が検出される。
【0028】
かくして、位置ズレ量を定量的に検出するとともに、その方向を特定し得る。このときの位置ズレ量及びその方向は表示装置(図示せず)に表示して可視可する。
【0029】
図2は本発明の他の実施の形態に係る位置ズレ検出装置の位置ズレ検出用ランドと位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブとの関係を概念的に示す説明図である。同図に示すように、一対のX軸方向位置ズレ検出用ランド26a、26bは、平面内の一方向であるX軸方向に関して相互に中心をずらした導電体の円形の銅箔を基板に配設して構成したものである。この場合の基板としては、前述の実施の形態と同様である。すなわち本形態の場合も図13に示す基板11が好適であり、実装基板10である場合には電子部品12を実装しない基板11のマ−ジン部に配設する。また、X軸方向位置ズレ検出用ランド26a、26bは何れもア−ス電位としてある。
【0030】
一対のY軸方向位置ズレ検出用ランド27a、27bは、上記X軸方向に同一平面内で直交するY軸方向に関し、同一直線上の二点で導電体の円形の銅箔を、X軸方向位置ズレ検出用ランド26a、26bと同様に、基板11に配設して構成したものである。また、軸方向位置ズレ検出用ランド27a、27bは何れもア−ス電位としてある。
【0031】
一対のX軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ28a、28bは、コンタクトプロ−ブ4、6と同様の構成で、基板位置決めピン7との間の相対的な位置関係が所定通りに保持されている状態で両X軸方向位置ズレ検出用ランド26a、26bの端部までの距離がX軸方向に関する反対方向で同一であるような位置にそれぞれ接触するよう上フィクスチャ−1及び下フィクスチャ−2に配設して構成したものである。
【0032】
一対のY軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ29a、29bは、コンタクトプロ−ブ4、6と同様の構成で、基板位置決めピン7との間の相対的な位置関係が所定通りに保持されている状態で両Y軸方向位置ズレ検出用ランド27a、27bの端部までの距離がY軸方向に関する反対方向で同一であるような位置にそれぞれ接触するよう上フィクスチャ−1及び下フィクスチャ−2に配設して構成したものである。
【0033】
図2中の符号O1 、O2 、O3 、O4 は、基板位置決めピン7との間の相対的な位置関係が所定通りに保持されている状態でX軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ28a、28b及びY軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ29a、29bが接触する位置である。
【0034】
かくして、X軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ28a、28b及びY軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ29a、29bが何れもX軸方向位置ズレ検出用ランド26a、26b及びY軸方向位置ズレ検出用ランド27a、27b内の点に接触する状態であれば、各X軸及びY軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ28a、28b、29a、29bは、ア−ス電位となる一方、基板位置決めピン7が位置ズレを生起して基板11との相対位置に所定量を越える位置ズレを生起したときには、X軸及びY軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ28a、28b、29a、29bとX軸及びY軸方向位置ズレ検出用ランド26a、26b、27a、27bとの接触が解除され、X軸及びY軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ28a、28b、29a、29bがア−ス電位ではなくなるように構成してある。
【0035】
本形態におけるX軸及びY軸方向位置ズレ検出用ランド26a、26b、27a、27bの半径は0.4mmである。また、X軸方向位置ズレ検出用ランド26aの中心とX軸方向位置ズレ検出用ランド26bの中心とは、X軸方向に関して、所定通りに保持されているX軸方向位置ズレ検出用コンタクトプローブ28a、28bに対して逆方向にそれぞれ0.2mmずらしてあり、Y軸方向位置ズレ検出用ランド27a、27bの中心は、X軸方向位置ズレ検出用ランド26a、26bの中心に対しY軸方向に関する逆方向にそれぞれ0.2mmずらしてある。すなわち本形態は、0.2mmのずれを検出するものである。
【0036】
X軸及びY軸方向位置ズレ検出用ランド26a、26b、27a、27bの寸法及び位置関係は、勿論、上述のものに限定するものではない。例えば、X軸方向位置ズレ検出用ランド26a、26bを90度回転したものをY軸方向の位置ズレ検出用ランドとして構成しても良い。
【0037】
かかる本形態において、位置ズレ検出は次のようにして行う。すなわち、図13に示す検査時と同様に、基板位置決めピン7で基板11の位置を規制することによりこの基板11を下フィクスチャ−2上に配設し、その後上フィクスチャ−1を降下させる。この結果、X軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ28a、28b及びY軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ29a、29bbはそれぞれ基板11の所定位置に接触する。この場合の接触位置が図2に示すような位置O1 、O2 、O3 、O4 を含むX軸方向位置ズレ検出用ランド26a、26b及びY軸方向位置ズレ検出用ランド27a、27b内である場合には、X軸及びY軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ28a、28b、29a、29bがア−ス電位であることを以て正常と判断する。
【0038】
一方、例えばX軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ28aとX軸方向位置ズレ検出用ランド26aとの間の非導通が検出された場合には、基板11が図2中方向へ少なくとも0.2mm位置ズレを生起していることが検出され、逆にX軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ28bとX軸方向位置ズレ検出用ランド26bとの間の非導通が検出された場合には、基板11が図2中方向へ少なくとも0.2mm位置ズレを生起していることが検出される。同態様でY軸方向に関する位置ズレも検出される。
【0039】
かくして、本形態においても前記形態と同様に、位置ズレ量を定量的に検出するとともに、その方向を特定し得る。このときの位置ズレ量及びその方向は表示装置(図示せず)に表示して可視可する。
【0040】
図3は基板位置決めピン7をX軸方向及びY軸方向に調整移動可能に構成した移動装置の平面図、図4は一部破断して示すその正面図である。両図に示すように、移動装置・はX軸方向移動部30及びY軸方向移動部31を有している。これらX軸方向移動部30及びY軸方向移動部31の構造自体は同じである。X軸方向移動部30はそのネジ軸32の軸方向をX軸方向亘り配設してあるのに対し、Y軸方向移動部31はそのネジ軸33の軸方向をY軸方向亘り配設してある点が異なる。
【0041】
X軸方向移動部30において、ネジ軸32は底板と垂直板とを有するフレ−ム34に水平方向に伸びて回転可能に支持されており、このネジ軸32に固着した調整ツマミ37により回転することができる。このとき調整ツマミ37には、その周方向に亘り多数の目盛39が形成してあり、この目盛39のピッチ毎の段階的な調整の便宜に供するように構成してある。また、ネジ軸32にはブロック36が螺合してあり、この結果ネジ軸32の回転に伴いブロック36がネジ軸32の軸方向、すなわちX軸方向に直線的に移動するように構成してある。基板位置決めピン7はブロック36の上面に垂直上方に向けて配設してある。
【0042】
X軸方向移動部30のフレ−ム34の底板は、Y軸方向移動部31のブロック36と同様のブロック(図示せず)の上面に固着してあり、この結果調整ツマミ37と同構成のネジ軸33の調整ツマミ38を回転することにより、X軸方向移動部30の全体がY軸方向に移動するように構成してある。
【0043】
かくして調整ツマミ38を回転することにより基板位置決めピン7のY軸方向位置を調整するとともに、調整ツマミ37を回転することにより基板位置決めピン7のX軸方向位置を調整することができる。
【0044】
かかる調整が終了した後、基板位置決めピン7をその調整位置にロックする必要がある。このロック機構の例を図5〜図8に基づき説明する。
【0045】
図5及び図6に示すロック機構は調整ツマミ37、38を回転しての調整が終了した後、この調整ツマミ37、38にロックキャップ40(図6参照)を被せるように構成したものである。このため、調整ツマミ37、38の外周面には調整ピッチに合致する目盛39と同数の歯数を有する歯37a、38aを設け、またロックキャップ40の内周面には歯37a、38aに歯合する歯(図示せず)を設けるとともに、フレ−ム34、35の凹部34a、34b、35a、35bに嵌入する凸部40a、40bを設けてある。
【0046】
図7及び図8に示すロック機構は調整ツマミ37、38を回転しての調整が終了した後、この調整ツマミ37、38とフレ−ム34、35との間をロックピン41でロックするように構成したものである。このため、調整ツマミ37の目盛39の内側にはこの目盛39と同数の孔37bが、またフレ−ム34にはロック位置において孔34cがそれぞれ形成してあり、孔37bを介してロッククピン41を孔34cに挿入するように構成してある。
【0047】
図9〜図11は基板位置決めピン7をX軸方向及びY軸方向に調整移動可能に構成した他の移動装置を示す図で、図9はそのX軸方向移動部を示す側面図、図10はそのY軸方向移動部を示す側面図及び図11は当該移動装置の全体を示す平面図である。これらの図に示すように、移動装置・はX軸方向移動部42及びY軸方向移動部43を有しているが、これらX軸方向移動部42及びY軸方向移動部43の構造自体は同じである。X軸方向移動部42は略L字状をなすそのレバ−44の下部先端がベッド46の一つの面に当接しているのに対し、Y軸方向移動部43は同形のそのレバ−45の下部先端がベッド46の前記一つの面に対し直交する面に当接している点が異なる。
【0048】
図9〜図11に示すように、本形態の下フィクスチャ−2は、基板位置決めピン7及びロックナット47、48を貫通させるための孔2a、2b、2cを有するとともに、バネ49を介した受駒50を介して基板11を水平に支持するように構成してある。基板位置決めピン7は水平面を構成するベ−ス板51に固着してあり、孔2aを貫通して垂直上方に突出している。ベ−ス板51を上面に固着したブロック状のベッド46は、2本のリニアガイド52、53に沿い直交する二方向に直線的に移動し得るように構成してある。すなわち、下フィクスチャ−2の下面には、内部に空間を有する筺体54が固着してあり、この筺体54の空間内でその底板に固着してX軸方向に亘りリニアガイド52を設けるとともに、このリニアガイド52に載置してY軸方向に亘りリニアガイド53を直交させて設けてある。ベッド46はリニアガイド53を跨いでこのリニアガイド53に載置してある。この結果ベッド46は、ベ−ス板51及び基板位置決めピン7と一体となってリニアガイド53に沿い移動するとともに、リニアガイド53はベッド46等と一体となってリニアガイド52に沿いこのリニアガイド52の上面を摺動する。かくして基板位置決めピン7のX軸方向及びY軸方向への移動が保証される。
【0049】
レバ−44は、筺体54の内部空間に設けた垂直面であるレバ−ホルダ55にピン57を介して垂直面内を回動可能にその折曲部を支持してあり、上述の如くその下部先端がベッド46の一つの面に当接している。レバ−44の上端には調整ボルト59の下端が当接している。調整ボルト59は、筺体54の内部空間に設けた水平面であるボルトホルダ61にその下部を螺合させてある。同時に、調整ボルト59はロックナット47に螺合させてある。かくして、調整ボルト59の頂部のツマミ59aを回動することにより調整ボルト59を垂直下方に移動させた場合には、レバ−44が図9中の反時計方向に回動し、このレバ−44でベッド46を押すことによりこのベッド46をX軸方向に移動させることができ、この移動操作の終了後にロックナット47を締めてその下端をボルトホルダ61に当接させることによりレバ−44の位置をロックすることができる。
【0050】
ダイヤルゲ−ジ63は水平方向に伸びるそのプロ−ブ63aの先端が、ベッド46のレバ−44が当接する面と相対向する面に当接するよう筺体54に配設し、ベッド46のX軸方向の移動量を検出するように構成してある。
【0051】
戻りバネ65(図11参照)は一端を下フィクスチャ−2に、他端をベ−ス板51にそれぞれ固定してあり、ベッド46の面を常時レバ−44、45の下部先端に当接させるようにベ−ス板51を介してベッド46にバネ力を付与している。この結果、レバ−44、45はその回動に伴い戻りバネ65のバネ力に抗してベッド46を押すことになる。
【0052】
Y軸方向移動部43におけるレバ−ホルダ56、ピン58、調整ボルト60、ツマミ60a、ボルトホルダ62、ダイヤルゲ−ジ64及びプロ−ブ64aは、X軸方向移動部42におけるレバ−ホルダ55、ピン57、調整ボルト59、ツマミ59a、ボルトホルダ61、ダイヤルゲ−ジ63及びプロ−ブ63aにそれぞれ機能的に対応し、構成も同様である。
【0053】
かかる本形態においては、調整ボルト59、60の垂直下方に向かう移動をレバ−44、45で水平方向に変換して基板位置決めピン7の位置を調整する。すなわちツマミ59a、ツマミ60を上方から操作すれば良いので、操作性を良好に確保することができる。また、この場合の調整に関するデ−タはダイヤルゲ−ジ63、64の信号を処理して利用することにより可視可できる。
【0054】
上述の如く、図3〜図8及び図9〜図11に示す移動装置I、IIによれば調整ツマミ37、38及びツマミ59a、60aを操作することにより基板位置決めピン7のX軸方向及びY軸方向における位置を調整し得る。そこで、当該インサ−キットテスタの検査プログラムに上述の如き位置ズレ検出のプログラムを追加しておくことにより、簡単に基板位置決めピン7の位置ズレ量及びその方向を検出し得るので、この情報に基づき移動装置・、・を用いて位置ズレを容易に補正し得る。
【0055】
【発明の効果】
以上実施の形態とともに具体的に説明したように本発明によれば、基板位置決めピンの位置ズレの量を定量的に容易に検出することができ、また位置ズレの方向も同様に容易に検出することができるので、その位置ズレの調整を誰でも容易になし得る。この場合に移動装置を用いれば、さらに容易に確実な位置ズレの調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る位置ズレ検出装置の位置ズレ検出用ランドと位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブとの関係を概念的に示す説明図。
【図2】 本発明の他の実施の形態に係る位置ズレ検出装置の位置ズレ検出用ランドと位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブとの関係を概念的に示す説明図。
【図3】 本発明の実施の形態に係る基板位置決めピンをX軸方向及びY軸方向に調整移動可能に構成した移動装置の平面図。
【図4】 図3を一部破断して示すその正面図
【図5】 図3及び図4に示す実施の形態における装置に目盛39を付して示す平面図。
【図6】 図3及び図4に示す実施の形態における装置における調整ツマミのロック機構を抽出して示す断面図。
【図7】 図3及び図4に示す実施の形態における装置における調整ツマミの他のロック機構を抽出して示す平面図。
【図8】 図3及び図4に示す実施の形態における装置における調整ツマミの他のロック機構を抽出して示す断面図。
【図9】 本発明の実施の形態に係る基板位置決めピンの他の移動装置におけるX軸方向移動部を示す側面図。
【図10】 上記他の実施の形態に係る移動装置におけるY軸方向移動部を示す側面図。
【図11】 上記他の実施の形態に係る移動装置の全体を示す平面図。
【図12】 実装基板検査装置を示す斜視図。
【図13】 実装基板検査装置を検査時の状態で示す斜視図。
【符号の説明】
I、II 移動装置
1 上フィクスチャー
2 下フィクスチャー
3 位置決め孔
4,4a,4b,4c,4d コンタクトプローブ
5 位置決めピン
6 コンタクトプローブ
7 基板位置決めピン
8 ベース
10 実装基板
11 基板
12 電子部品
13 基準孔
21、22 位置ズレ検出用ランド
23a、23b、23c 間隙
24a、24b、24c 間隙側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ
25a、25b ランド側位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ
26a、26b X軸方向位置ズレ検出用ランド
27a、27b Y軸方向位置ズレ検出用ランド
28a、28b X軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ
29a、29b Y軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブ
30 X軸方向移動部
31 Y軸方向移動部
32、33 ネジ軸
36 ブロック
42 X軸方向移動部
43 Y軸方向移動部
44、45 レバ−
46 ベッド
52、53 リニアガイド
59、60 調整ボルト

Claims (4)

  1. 電子部品が実装された実装基板を、コンタクトプローブを有するフィクスチャーで挟み、コンタクトプローブの先端を実装基板の検査点に接触させた状態で前記実装基板の電気的特性を検査する実装基板検査装置であって、この実装基板検査装置における実装基板の位置を規制する基板位置決めピンの位置ズレ検出装置において、
    X軸方向に関する位置ズレを検出し得るよう円形の銅箔等の導電体を基板に配設して構成した一対のX軸方向位置ズレ検出用ランドと、
    Y軸方向に関する位置ズレを検出し得るよう円形の銅箔等の導電体を基板に配設して構成した一対のY軸方向位置ズレ検出用ランドと、
    上記基板位置決めピンとの間の相対的な位置関係が所定通りに保持されている状態で両X軸方向位置ズレ検出用ランドの端部までの距離がX軸方向に関する反対方向で同一であるような位置にそれぞれ接触するように導電体で構成した一対のX軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブと、
    上記基板位置決めピンとの間の相対的な位置関係が所定通りに保持されている状態で両Y軸方向位置ズレ検出用ランドの端部までの距離がY軸方向に関する反対方向で同一であるような位置にそれぞれ接触するように導電体で構成した一対のY軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブと、
    X軸方向及びY軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブを基板に向けて移動し、この移動に伴う各X軸方向及びY軸方向位置ズレ検出用コンタクトプロ−ブの先端の接触位置がX軸方向及びY軸方向位置ズレ検出用ランドである場合と、それ以外である場合とを電気的な導通状態、非導通状態に対応させ導通状態、非導通状態の何れであるかを検出することにより基板位置決めピンの位置ズレ量及びその方向を検出するように構成したことを特徴とする実装基板検査装置の基板位置決めピンの位置ズレ検出装置。
  2. 基板位置決めピンはそのX軸方向及びY軸方向位置を移動可能に構成した移動手段に配設したことを特徴とする請求項1に記載する実装基板検査装置の基板位置決めピンの位置ズレ検出装置。
  3. 上記移動手段は、
    第1のネジ軸及びこれに螺合されて第1のネジ軸の回転に伴い第1のネジ軸の軸方向に移動する第1のブロックを有する第1の直線移動手段と、
    第1のブロックに載置され、この第1のブロックと一体となって全体が直線移動するとともに、第1のネジ軸と直交する第2のネジ軸及びこれに螺合されて第2のネジ軸の回転に伴い第2のネジ軸の軸方向に移動し且つその上面に基板位置決めピンが配設された第2のブロックと、
    を有することを特徴とする請求項2に記載する実装基板検査装置の基板位置決めピンの位置ズレ検出装置。
  4. 上記移動手段は、
    直交する2本のリニアガイドに沿い直交する二方向に直線移動するとともに、その上面に基板位置決めピンが配設されたブロック状のベッドと、
    略L字状をなし、折曲部をピンで支持することにより垂直面内を回動可能に構成するとともに、その回動に伴い下部先端が上記ベットの一つの面に当接してこのベットを一方のリニアガイドに沿い移動させる第1のレバ−と、
    略L字状をなし、折曲部をピンで支持することにより垂直面内を回動可能に構成するとともに、その回動に伴い下部先端が上記ベットの他の一つの面に当接してこのベットを他方のリニアガイドに沿い移動させる第2のレバ−と、
    第1のレバ−の上端に当接してこの第1のレバ−を下方に押すことによりこの第1のレバ−を回動させるボルト状の第1の調整手段と、
    第2のレバ−の上端に当接してこの第2のレバ−を下方に押すことによりこの第2のレバ−を回動させるボルト状の第2の調整手段と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載する実装基板検査装置の基板位置決めピンの位置ズレ検出装置。
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