JP3727140B2 - 電子部品の樹脂封止成形用金型装置 - Google Patents

電子部品の樹脂封止成形用金型装置 Download PDF

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  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、例えば、リードフレームに装着したIC、LSI、ダイオード、コンデンサー等の電子部品を樹脂タブレット(樹脂材料)にて封止成形する電子部品の樹脂封止成形用金型装置の改良に係り、特に、該金型装置に設けられた金型の少なくともポットとキャビティと樹脂通路とを外気遮断状態にする外気遮断用の中空シール部材の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、トランスファモールド法によって電子部品を樹脂封止成形することが行われているが、この方法は、通常、樹脂封止成形用の金型装置を用いて、次のようにして行われている。
【0003】
即ち、予め、上記した金型装置における固定上型及び可動下型を加熱手段にて樹脂成形温度にまで加熱すると共に、該上下両型を型開きする。
次に、電子部品を装着したリードフレームを上記した下型の型面における所定位置にセットすると共に、樹脂タブレットを該下型ポット内に供給する。
次に、上記下型を上動して、該上下両型を型締めする。このとき、電子部品とその周辺のリードフレームは、該上下両型の型面に対設した上下両キャビティ内に嵌装セットされることになり、また、上記ポット内の樹脂タブレットは加熱されて順次に溶融化されることになる。
次に、上記ポット内で加熱溶融化された樹脂材料をプランジャにて加圧すると共に、該溶融樹脂材料を樹脂通路を通して上記上下両キャビティに注入充填させると、該両キャビティ内の電子部品とその周辺のリードフレームは、該両キャビティの形状に対応して成形される樹脂封止成形体内に封止されることになる。
従って、溶融樹脂材料の硬化に必要な所要時間の経過後に、該上下両型を型開きすると共に、エジェクターピンにて上記した上下両キャビティ内の樹脂封止成形体とリードフレーム及び上記した樹脂通路内の硬化樹脂を夫々離型するようにしている。
【0004】
ところで、上記上下両型の型締時において、該上下両型の内部に形成される空間部、即ち、少なくとも上記したポットと樹脂通路及び上下両キャビティとから構成される金型の型内空間部には湿気(水分)を含んだ空気が残溜しているため、この残溜する空気が溶融樹脂材料中にボイド(気泡)となって混入することにより、或は、該溶融樹脂材料中に巻き込まれることにより、上記した樹脂封止成形体に内部ボイド及び外部欠損部が形成され易い。
また、上記した樹脂封止成形体に内部ボイド等が形成される原因として、上記した樹脂タブレットの内部に含まれている空気と水分、及び、上記ポット内の樹脂タブレットが加熱溶融化されるときに発生するガス類が挙げられる。
また、上記した樹脂封止成形体に内部ボイド等が形成されると、例えば、上記したリードフレームと樹脂(樹脂封止成形体)との密着性が悪くなるので、上記した樹脂とリードフレームとの隙間から水分が浸入し易くなって製品の耐湿性等を損なうと共に、この種製品に強く要請されている高品質性・高信頼性を得ることができない。
従って、少なくとも上記したポットと樹脂通路及び上下両キャビティから成る型内空間部をその外部と外気遮断状態にして外気遮断空間部を形成すると共に、上記した外気遮断空間部内の空気と水分とガス類(以下、空気と云う)とをその外部に強制的に吸引排出(真空引き)することにより、該外気遮断空間部内を所定の真空度に(減圧)設定して樹脂封止成形することが行われている。
【0005】
例えば、図10に示すように、上記上型100 の型面に少なくとも上記したポットと樹脂通路と上下両キャビティとを囲った状態にて設けられた溝102 に、ゴムチューブ状の中空シール部材101 (図例では二点鎖線にて示す)を埋設した構成が採用されると共に、上記した上下両型(100) の型締時に、上記中空シール部材101 にて、少なくとも上記したポットと樹脂通路と上下両キャビティとを囲むことにより、上記上下両型(100) に外気遮断空間部を形成することができるように構成されている(図1〜図6参照)。
即ち、上記した中空シール部材101 の内部(即ち、上記中空部103 )を加圧機構104 にて加圧することにより、該中空シール部材101 を膨張させると共に、上記した上下両型(100) の型締時に、該膨張中空シール部材101 を上記下型の型面に当接することにより、少なくとも上記したポットと樹脂通路と上下両キャビティとをその外部と外気遮断状態にして上記した外気遮断空間部を形成することができるように構成されている(図2参照)。
従って、上記中空シール部材101 にて形成された外気遮断空間部からその内部に残溜する空気をその外部に強制的に吸引排出すると共に、該外気遮断空間部内を所定の真空度に設定して樹脂封止成形することが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した外気遮断用の中空シール部材101 は柔軟性及びゴム弾性を有するので、上記した中空シール部材101 を上記した金型の所定位置(上記上型100 の型面に設けられた溝102 )に装着するとき、該型面の溝102 からはずれ易い。
即ち、上記した中空シール部材101 は、柔軟性等を有する故に変形し易く、上記上型1の型面側の溝102 に対応する形状に、常時、保持することが非常に困難であるので、該型面の溝102 に簡単に且つ確実に固定して効率良く装着することが非常に難しい。
従って、上記した中空シール部材101 を上記上型の型面の所定位置に簡単に且つ確実に固定して効率良く装着することができないと云う問題がある。
また、上記した金型による樹脂封止成形時において、上記した中空シール部材101 は、成形サイクル毎に、その加圧膨張と収縮復元とを繰返すことになる。
即ち、成形回数を重ねると、図10に示すように、上記中空シール部材が膨張収縮する動作自体にて揺動するので、上記金型の所定位置(上記上型面の溝102 )から該中空シール部材が部分的に且つ徐々に(変形して)離脱すると共に、最終的には、上記した上型面から上記した中空シール部材が完全に離脱することになる(図10に示す中空シール部材101a参照)。
従って、上記した金型による樹脂封止成形時において、成形回数を数多く重ねた場合には、上記中空シール部材を上記金型に確実に且つ(継続的に)安定して固定することができないと云う問題がある。
また、成形回数を重ねた場合、上記した中空シール部材101 にて確実に且つ安定して外気遮断空間部を形成することができないので、上記樹脂封止成形体の内外部に発生するボイド等を効率良く防止することができない。
従って、上記金型の樹脂封止成形時において、上記金型にて成形回数を重ねると、上記した外気遮断空間部を確実に且つ安定して形成することができなくなるので、上記した中空シール部材101 の実質的な耐久性が悪くなり、安定して樹脂封止成形することができないと云う問題がある。
【0007】
従って、本発明は、電子部品の樹脂封止成形用金型装置において、外気遮断用の中空シール部材を上記金型の型面の所定位置に簡単に且つ確実に固定して効率良く装着することを目的とする。
また、本発明は、電子部品の樹脂封止成形用金型装置において、上記金型による樹脂封止成形時に、上記した金型面から外気遮断用の中空シール部材が離脱することを効率良く防止することを目的とする。
また、本発明は、上記金型にて成形回数を重ねた場合に、外気遮断用の中空シール部材が上記金型の型面から離脱することを効率良く防止することにより、上記した中空シール部材による外気遮断空間部を確実に且つ安定して形成し得て、上記した中空シール部材の実質的な耐久性を効率良く向上させると共に、安定して樹脂封止成形することができる電子部品の樹脂封止成形用金型装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の樹脂封止成形用金型装置は、固定型と、該固定型に対向配置した可動型とから成る樹脂封止成形用の金型と、上記金型に設けられた樹脂材料供給用のポットと、上記金型に設けられ且つリードフレームに装着された電子部品を嵌装セットする樹脂成形用のキャビティと、上記したポットとキャビティとを連通接続した樹脂通路と、上記金型の少なくとも一方側の型面の所定位置に設けられた外気遮断用の中空シール部材と、上記中空シール部材を加圧して膨張させる加圧機構と、上記金型の型締時に、上記加圧機構にて膨張させた中空シール部材にて形成され且つ少なくとも上記したポットとキャビティと樹脂通路とから成る外気遮断空間部内に残溜する空気をその外部に強制的に吸引排出する真空引き機構とから成る電子部品の樹脂封止成形用金型装置であって、上記した中空シール部材に把持部を設けると共に、上記した中空シール部材を装着した着脱部材を、上記した金型の少なくとも一方側の型面の所定位置に、着脱自在に設けたことを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明によれば、電子部品の樹脂封止成形用金型装置の上下両型における上型面の少なくともポットと樹脂通路とキャビティとを囲った状態の溝に、外気遮断用の中空シール部材を埋設することにより、該上下両型の型締時に、該中空シール部材にて、少なくとも上記したポットと樹脂通路とキャビティとを外気遮断状態して外気遮断空間部を形成すると共に、該外気遮断空間部からその内部に残溜する空気を強制的に吸引排出してリードフレーム上の電子部品を樹脂封止成形する構成において、上記した中空シール部材に把持部を設けると共に、該把持部を装着部材にて挟持することにより、該中空シール部材を上記上型の所定位置(溝)に簡単に且つ確実に固定して効率良く装着することができる。
【0010】
また、本発明によれば、上記上下両型による樹脂封止成形時において、上記中空シール部材が上記上型の溝内で揺動した場合、上記した中空シール部材の把持部を挟持して溝内に固定することにより、上記した中空シール部材が上記した溝から離脱することを効率良く防止することができる。
また、上記上下両型にて成形回数を重ねた場合において、上記した上型から中空シール部材が離脱することを効率良く防止することができるので、上記中空シール部材の外気遮断作用の機能を充分に発揮させて、上記した中空シール部材にて上記外気遮断空間部を確実に且つ安定して形成することができる。
従って、上記中空シール部材の実質的な耐久性を向上させることができると共に、上記上下両型にて、安定して樹脂封止成形することができる。
【0011】
また、本発明によれば、上記した中空シール部材の中空部に少なくとも中芯部材を装填することにより、(柔軟性等を有する)中空シール部材自体を硬体化する構成であるので、上記中空シール部材の形状を変形させることなく、上記上型面側の溝の形状に、常時、保持し得て、上記硬体化中空シール部材を上記上型の所定位置(溝)に簡単に且つ確実に固定して効率良く装着することができる。
また、上記上下両型による樹脂封止成形時において、上記硬体化中空シール部材が該溝内で揺動した場合、上記した硬体化中空シール部材を上記上型面側の溝の形状に、常時、保持し得て、変形することを防止するので、上記した溝から離脱することを効率良く防止することができる。
また、上記硬体化中空シール部材を該溝内に装着した構成による樹脂封止成形時に、上記中空シール部材の外気遮断作用の機能を充分に発揮させると共に、上記した硬体化中空シール部材にて上記外気遮断空間部を確実に且つ安定して形成することにより、上記中空シール部材の実質的な耐久性を向上させて安定して樹脂封止成形することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明を実施例図に基づいて詳細に説明する。
図1・図2・図3は、本発明に係る樹脂封止成形用金型装置である。
図4は、図1〜図3に示す装置に設けられた上型の型面である。
図5の(1)・(2)は、図1〜図4に示す装置の上型面に装着される中空シール部材である。
図6の(1)・(2)・(3) は、上記中空シール部材の膨張作用を示している。
【0013】
図1〜図4に示す樹脂封止成形用金型装置には、固定上型1と、該上型1に対向配置した可動下型2とから成る樹脂封止成形用の金型が設けられている。
また、上記下型2には所要複数個のポット3が配設されると共に、該各ポット3には夫々樹脂材料加圧用のプランジャ4が嵌装され、更に、該各ポット3の側方位置には所要数の樹脂成形用の下キャビティ5が配設されている。
また、上記した上型1には、上記下型2における下キャビティ5の位置及び数に対応する上キャビティ6が対設されると共に、上記下型2のポット3に対応してカル部7が対設されている。
また、上記したカル部7と上キャビティ6とはゲート8(短い樹脂通路)を通して連通接続して構成されると共に、上記両型(1・2)を型締時に、上記したポット3と上下両キャビティ(5・6)とは樹脂通路9(上記したカル部7及びゲート8)を通して連通するように構成されている。
また、上記上キャビティ6にはエアベント10が設けられると共に、上記下型2の型面には電子部品11を装着したリードフレーム12を供給セットするセット用凹所13が設けられている。
なお、図示はしていないが、上記した両型(1・2)には、ヒータ等の加熱手段が夫々配設されると共に、上記上下両キャビティ(5・6)内で硬化した樹脂封止成形体14及び上記樹脂通路部9内の硬化樹脂15を突き出して離型するエジェクターピンが夫々配設されている。
【0014】
従って、予め、上記した上下両型(1・2)を上記加熱手段にて所定の温度(例えば、 175度C)にまで加熱すると共に、該上下両型(1・2)を型開きする。
次に、電子部品11を装着したリードフレーム12を上記下型2のセット用凹所13に供給セットすると共に、樹脂タブレットRを該下型ポット3内に供給する。
次に、上記下型2を上動して、該上下両型(1・2)を型締めする。
このとき、電子部品11とその周辺のリードフレーム12は、該上下両型(1・2)の型面に対設した上下両キャビティ(5・6)内に嵌装セットされると共に、上記ポット3内の樹脂タブレットRは加熱されて順次に溶融化されることになる。
次に、上記ポット3内で加熱溶融化された樹脂材料をプランジャ4にて加圧すると共に、該溶融樹脂材料を上記樹脂通路9を通して上記した上下両キャビティ(5・6)に注入充填させると、該両キャビティ(5・6)内の電子部品11とその周辺のリードフレーム12は、該両キャビティ(5・6)の形状に対応して成形される樹脂封止成形体14内に封止されることになる。
従って、溶融樹脂材料の硬化に必要な所要時間の経過後に、該上下両型(1・2)を型開きすると共に、上記したエジェクターピンにて上記した上下両キャビティ(5・6)内の樹脂封止成形体14とリードフレーム12及び上記した樹脂通路9内の硬化樹脂15を夫々離型するようにしている。
【0015】
また、図1〜図4に示す金型装置には、後述する耐熱性及び柔軟性等を有する外気遮断用の中空シール部材30が設けられると共に、上記上下両型(1・2)の型締時に、上記した中空シール部材30にて、少なくとも上記したポット3と樹脂通路9と上下両キャビティ (5 6) から成る型内空間部を外気遮断状態にして外気遮断空間部17を形成することができるように構成されている(図2参照)。
また、上記した外気遮断空間部17には、該外気遮断空間部17に残溜する湿気(水分)を含んだ空気と、上記ポット3内で加熱膨張した樹脂タブレットRの内部から流出した空気及び水分と、加熱により該樹脂タブレットRの内部から発生したガス類とが存在して、上記上下両キャビティ(5・6)内で成形される樹脂封止成形体14の内外部に発生するボイド等の原因となっている。
従って、図1〜図4に示す金型装置には、上記した外気遮断空間部17に残溜する空気と水分とガス類(空気)とをその外部に強制的に吸引排出する(真空引きする)真空ポンプ等の真空引き機構18(減圧機構)が設けられている。
また、上記上型1において、上記中空シール部材30で囲まれた型面の任意の箇所に、上記外気遮断空間部17から空気を吸引排出するための排出口19が所要数設けられると共に、上記した排出口19と真空引き機構18とは真空ホース等の真空経路20を介して連通接続されている(図1・図4参照)。
従って、上記真空引き機構18にて、上記した外気遮断空間部17内の空気をその外部に強制的に吸引排出することにより、上記外気遮断空間部17内を所定の真空度に設定することができると共に、上記した上下両キャビティ(5・6)内に嵌装セットされたリードフレーム12上の電子部品11を樹脂封止成形することができるように構成されている。
なお、上記した上下両型(1・2)における金型部材の夫々の嵌合面には、適当なシール部材が適宜に介在配設されて構成されている。
例えば、図1に示す図例では、上記したポット3側にシール部材21が配設されて構成されている。
【0016】
また、例えば、図4に示すように、上記した上型1の型面において、上記したポット3と樹脂通路9と上キャビティ6及びエアベント10の外周囲に設けられた環状の溝22に、上記した中空シール部材30が埋設されて構成されている。
また、上記した中空シール部材30は、図6の(1)・(2)・(3) に示すように、ゴムチューブ状且つ膨張・収縮自在(ゴム弾性)を有するものであって、その内部には中空部31が設けられると共に、上記中空シール部材30には、該中空シール部材30を上記した溝22内に固定する把持部32が設けられている。
また、上記中空シール部材30を該溝22に固定するために、上記上型1には該中空シール部材30の把持部32を挟持して固定する装着部材16が設けられている。
即ち、上記上型1に該把持部32を上記装着部材16にて挟持することにより、上記上型1の溝22に上記中空シール部材30を簡単に且つ確実に固定して効率良く装着することができる。
また、上記上型1に該把持部32を上記装着部材16にて挟持することにより、上記上下両型(1・2)の樹脂封止成形時に、上記した溝22から該中空シール部材30が離脱することを効率良く防止することができる。
また、図例に示すように、上記した中空シール部材30には、加圧ホース等の加圧経路23を介して、圧縮空気を圧送するエアーコンプレッサー等の加圧機構24が連通接続されている。
即ち、上記した加圧機構24にて上記加圧経路23を通して上記中空シール部材30の中空部31を加圧することにより、該中空シール部材30を膨張させて膨張中空シール部材30(30a) を形成することができるように構成されている(図6の(2) 参照)。
なお、上記上型1に装着された中空シール部材30の下型2側には突起33が設けられると共に、該膨張中空シール部材30(30a) による外気遮断空間部形成時に、該突起33にて、該膨張中空シール部材30(30a) と該下型2の型面とが当接する部分(面)を増加させて補強することにより、上記した外気遮断空間部17を確実に形成することができるように構成されている (図2・図6の(2) 参照)。
【0017】
次に、図5(1)・(2)に示す中空シール部材30について説明する。
即ち、上記した把持部32が設けられた中空シール部材30は、図5(1) に示すような状態にて上記上型1の型面の溝22に装着されるように構成されている。
また、例えば、図5(1)・(2)に示すように、上記した中空シール部材30の把持部32には該把持部32を接合する接合部34が設けられると共に、該接合部34は、該把持部32を、上記した中空シール部材30を長手方向に分割(切断)した状態にて設けられている。
即ち、図5(1) に示す状態の中空シール部材30において、該把持部32をその接合部34から分割して上記中空シール部材30を開くことにより、図5(2) に示す状態の分割中空シール部材30(30b) が形成されると共に、図5(1) に示す把持部32は、図5(2) に示すように、二つに分割されて分割把持部(32a・32b)となるように構成されている。
従って、図5(2) に示すように、上記分割中空シール部材30(30b) において、その中空部相当個所31b は、該分割中空シール部材30(30b) の外部と、上記した開かれた接合部34を介して連通した状態に構成されることになる。
また、図5(2) に示す分割中空シール部材30(30b) の両分割把持部(32a・32b)を該接合部34にて接合して(閉じて)、上記した把持部32と中空部31とを形成することにより、図5(2) に示す分割中空シール部材30(30b) から図5(1) に示す中空シール部材30を形成することができるように構成されている。
このとき、図5(1) に示す中空シール部材30の中空部31はその外部と外気遮断された状態に構成されることになる。
従って、上記した加圧機構24にて上記上型面に装着された中空シール部材30の中空部31を加圧することにより、該中空シール部材30を膨張させることができるように構成されている。
なお、図5(1) 及び図5(2) に示すように、例えば、上記した把持部32の接合部34において、凹部と凸部を嵌合して接合することにより、該接合部34の接合位置を所定の位置にて接合し得て上記した把持部32を形成することができるように構成されている。
【0018】
また、上記した把持部32が設けられた中空シール部材30は、図5(2) に示す形状(上記分割中空シール部材30(30b) の形状)にてゴム成形(製作)される。
即ち、上記した中空シール部材30は該把持部32の接合部34にて切断された状態にてゴム成形されると共に、上記した中空シール部材30の金型装着時に、上記した両分割把持部(32a・32b)を該接合部34にて接合して上記把持部32を形成することにより、上記した中空シール部材30を上記上型1の型面の溝22に装着することができる。
なお、上記した中空シール部材30(30b) は、中空シール部材の成形用金型を用いて、例えば、耐熱性と柔軟性及びゴム弾性を有する成形材料(材質)にて、図5(2) に示す形状にゴム成形されることになる。
【0019】
即ち、上記した中空シール部材の上型1への装着は、まず、図5(2) に示す中空シール部材30(30b) を接合部34にて接合して把持部32と中空部31とを形成することにより、図5(1) に示す中空シール部材30を形成する。
次に、図5(1) に示す中空シール部材30を、上記した溝22内に配置する(図1参照)。 次に、上記溝22内に配置された中空シール部材30の把持部32を上記装着部材16にて挟持することにより、該中空シール部材30を該上型面に装着する。
即ち、上記した中空シール部材30に設けられた把持部32を上記装着部材16にて挟持する構成であるので、上記した柔軟性等を有する中空シール部材30を上記上型1に簡単に且つ確実に固定して効率良く装着することができる。
【0020】
次に、図6の(1)・(2)・(3) にて、上記した中空シール部材30の膨張作用を説明する。 また、図6(1) には、加圧膨張前の中空シール部材30の状態を示している。
また、図6(2) には、上記加圧機構24にて上記した中空シール部材30の中空部31が加圧されることにより、上記した中空シール部材30が膨張して膨張中空シール部材30(30a) となった状態を示している。
即ち、上記した膨張中空シール部材30(30a) は、上記上型1の型面から(図例では下型の方向に)凸状に突出した状態に形成されると共に、上記した膨張中空シール部材30(30a) は上動した下型2の型面に当接することになる。
また、上記した膨張中空シール部材30(30a) に該下型2の型面が当接すると、上記した膨張中空シール部材30(30a) にて囲まれた上下両型(1・2)の両型面間には、上記した外気遮断空間部17が形成されると共に、少なくとも上記したポット3と樹脂通路9及び上下両キャビティ(5・6)から成る型内空間部が外気遮断状態となるように構成されている(図2参照)。
また、図6(3) に示す中空シール部材30の状態は、上記した上下両型(1・2)の完全な型締状態において、上記加圧機構24にて継続して加圧された状態にあると共に、上記下型2の型面にて押圧されて圧縮された状態にある。
従って、上記した加圧機構24にて、図6(1) に示す中空シール部材30を加圧膨張させると共に、上記した下型2を上動し、図6(2) に示す中間的な型締状態を経て、図6(3) に示す完全な型締状態になるように構成されている。
また、図6(2) に示す膨張中空シール部材30(30a) は、上記加圧機構24による圧力を解除すると、その弾性復元力(収縮力)にて収縮すると共に、図6(1) に示す加圧膨張前の中空シール部材30の状態に戻ることになる。
なお、上記した中空シール部材30は、成形サイクル毎に、その加圧膨張と収縮復元を繰り返すことができるように構成されると共に、上記上下両型(1・2)による樹脂封止成形中において、上記中空シール部材30の把持部32を上記装着部材16にて挟持することにより、該上型面の溝22内から該中空シール部材30が離脱することを効率良く防止することができるように構成されている。
【0021】
次に、図1・図2・図3を用いて、上記した上下両型(1・2)による樹脂封止成形を、図6の(1)・(2)・(3) を対応させて説明する。
即ち、図1に示すように、まず、上記上下両型(1・2)を型開きすると共に、上記リードフレーム12と樹脂タブレットRとを該下型2の所定位置に供給する。
このとき、上記上型1の中空シール部材30は、図6(1) に示すように、膨張前の状態にある。
また、次に、図2に示すように、上記下型2を上動して上記上下両型(1・2)の両型面間を所要の間隔Sに保持する中間的な型締めを行う。
このとき、図6(2) に示すように、上記中空シール部材30は上記加圧機構24にて加圧されることにより膨張すると共に、上記した膨張中空シール部材30(30a) (即ち、上記突起33)を、該下型面に当接することにより、少なくとも上記したポット3・樹脂通路9・上下両キャビティ(5・6)をその外部と外気遮断状態にして外気遮断空間部17を形成する。
また、次に、上記真空引き機構18にて、上記外気遮断空間部17内に残溜する空気をその外部に強制的に吸引排出すると共に、該外気遮断空間部17を所定の真空度に設定する。
次に、図3に示すように、更に、上記下型2を上動して上記上下両型(1・2)を完全に型締めすると共に、上記ポット3内で加熱溶融化された樹脂材料を上記プランジャ4にて加圧することにより、上記樹脂通路9を通して上記上下両キャビティ(5・6)内に注入充填する。
なお、このとき、上記中空シール部材30は、図6(3) に示す状態にある。
【0022】
即ち、上記上下両型(1・2)の樹脂封止成形時に、図1・図2・図3に示す成形サイクル毎に、上記した中空シール部材を、図6の(1)・(2)・(3) に示すように、その膨張と収縮とを繰り返して該中空シール部材30が該溝22内で揺動した場合、該中空シール部材30の把持部32を上記装着部材16にて挟持することにより、該上型面の溝22内に固定装着することができる。
従って、上記上下両型(1・2)の樹脂封止成形時において、上記した上型1の型面から上記した中空シール部材30が離脱することを効率良く防止することができる。
また、上記した上下両型(1・2)にて成形回数を重ねた場合に、上記中空シール部材30が上記上型1の型面から離脱することを効率良く且つ確実に防止することにより、上記中空シール部材30の外気遮断作用を充分に機能させて上記中空シール部材30による外気遮断空間部17を確実に且つ安定して形成することができるので、上記した中空シール部材30の実質的な耐久性を効率良く向上させると共に、上記した金型装置にて安定して樹脂封止成形することができる。
なお、上記中空シール部材30にて、少なくとも、上記ポット3・樹脂通路9・上下両キャビティ(5・6)を外気遮断状態にして外気遮断空間部17を形成すると共に、樹脂封止成形することができるので、上記上下両キャビティ(5・6)内で成形される樹脂封止成形体14の内外部にボイド等が発生することを効率良く防止することができる。
また、上記した樹脂封止成形体14にボイド等が発生することを効率良く防止することができるので、上記した樹脂封止成形体14とリードフレーム12との密着性を向上させることができると共に、上記した樹脂封止成形体14とリードフレーム12との隙間から水分が浸入することを防止し得て製品(樹脂封止成形体14)の耐湿性等を向上させることができ、この種製品に強く要請されている高品質性・高信頼性を得ることができる。
【0023】
次に、図7(1)・(2)・(3) に示す他の実施例について説明する。
なお、図7(1)・(2)・(3) に示す金型装置の基本的な構成部材は、図1〜図6に示す金型装置の構成部材と同じである。
即ち、図7(1)・(2)・(3) に示す樹脂封止成形用金型装置において、上記した実施例と同様に、該金型装置の固定上型40の型面に設けられた溝41に、外気遮断用の中空シール部材50が設けられている。
また、図7(1) に示すように、上記中空シール部材50には、該中空シール部材50自体を補強硬体化するために、その中空部51内に、例えば、硬質材料にて構成された中芯部材52が装填されて構成されている。
即ち、上記中芯部材52にて上記中空シール部材50を補強すると共に、上記した中空シール部材50を硬体化することができるように構成されている。
また、図10に示す柔軟性等を有する中空シール部材は、柔軟性等を有する故に変形し易く、上記上型面の溝に対応する形状に、常時、保持することが非常に困難であると共に、該溝に装着することが困難である。
即ち、上記中空シール部材(50)を上記中芯部材52にて内装することにより、上記硬体化中空シール部材50を、常時、上記型面の溝41に対応する形状に保持し得て変形することを防止することができるので、上記型面の溝41に対応した硬体化中空シール部材50を、上記上型40の型面の溝41に簡単に且つ確実に固定して効率良く装着することができる。
また、上記した実施例と同様に、上記した硬体化中空シール部材50には該中空シール部材50の内部を加圧して膨張させる加圧機構42が設けられると共に、上記した中空シール部材50の内部と加圧機構42とは加圧経路43を通して連通接続されて構成されている。
また、図7(1) 及び図7(2) に示すように、上記中空シール部材50において、上記加圧経路43は中芯部材52を貫通して設けられると共に、該中芯部材52の上型面側に上記加圧経路43の開口部44が開設されて構成されている。
即ち、上記した加圧機構42にて上記加圧経路43の開口部44から該中空シール部材50の内部に圧縮空気を圧送することにより、該中空シール部材50内の型面側に空気溜53を形成すると共に、上記した中空シール部材50を膨張させて、図7(3) に示す膨張中空シール部材50(50a) を形成することができる。
従って、上記膨張中空シール部材50(50a) を可動下型の型面に当接することにより、少なくとも上記したポットと樹脂通路とキャビティとを外気遮断状態にすることができる(図2参照)と共に、該外気遮断空間部内に残溜する空気をその外部に真空引き機構にて強制的に吸引排出することにより、該外気遮断空間部を所定の真空度に設定して、上記した上下両型にて樹脂封止成形することができる(図3参照)。
【0024】
即ち、図7(1)・(2)・(3) に示すように、上記した中空シール部材50に上記中芯部材52を内装して(柔軟性等を有する)中空シール部材(50)を硬体化したので、該硬体化中空シール部材50を上記上型40の型面の所定位置(溝41)に簡単に且つ確実に固定して効率良く装着することができる。
また、上記中空シール部材(50)を上記中芯部材52にて硬体化することができるので、上記した上下両型(40)による樹脂封止成形時に、該中空シール部材50がその膨張と復元とを繰り返したとしても、上記した溝41で上記硬体化中空シール部材50がその形状を保持することができるので、上記硬体化中空シール部材50が該溝41内で揺動することを効率良く防止し得て、上記した型面の溝41から上記中空シール部材50が離脱することを効率良く防止することができる。
また、上記した上下両型(40)にて成形回数を重ねた場合に、上記中空シール部材50を硬体化することにより、上記上型40の型面から離脱することを効率良く防止して、上記中空シール部材50による外気遮断空間部を確実に且つ安定して形成することにより、上記中空シール部材50の実質的な耐久性を効率良く向上させると共に、安定して樹脂封止成形することができる。
【0025】
なお、本発明において、上記した中空シール部材に、上記した把持部を設ける構成と、上記した中芯部材を装填する構成とを併用した構成を採用することができる。
【0026】
次に、図8に示す他の実施例について説明する。
なお、図8に示す金型装置の基本的な構成部材は、図1〜図6に示す金型装置の構成部材と同じである。
また、図8に示す樹脂封止成形用金型装置においては、上記した実施例と同様に、該金型装置の固定上型60の型面に設けられた溝61に、中空シール部材70を埋設されて構成されている。
また、上記した実施例と同様に、上記した中空シール部材70には把持部72が設けられると共に、該把持部72を上記上型60に挟持して該中空シール部材70を装着する装着部材62が設けられている。
また、上記した中空シール部材70の中空部73には、該中空シール部材73を補強するために、例えば、硬質材料にて構成された中芯部材71と、適宜な材質にて形成された補助充填材74とが装填されて構成されている。
従って、上記中芯部材71及び補助充填材74にて上記中空シール部材(70)を補強すると共に、上記した中空シール部材(70)を硬体化することができるように構成されている。
また、上記した実施例と同様に、上記した硬体化中空シール部材70には加圧機構63と加圧経路64とが設けられると共に、上記中空シール部材70においては、上記加圧経路64が上記中芯部材71及び補助充填材74を貫通して構成されている。
また、図8に示す図例において、該中芯部材71の上型面側に上記加圧経路64の開口部65が開設されて構成されている。
即ち、上記した実施例と同様に、上記加圧機構63にて上記加圧経路64の開口部65から上記中空シール部材70の内部に圧縮空気を圧送すると共に、該中空シール部材70内に空気溜(図示なし)を形成して該中空シール部材70を加圧膨張させることができる。
また、上記膨張中空シール部材70を可動下型の型面に当接することにより、上記上下両型(60)に外気遮断空間部を形成すると共に、上記上下両型(60)にて樹脂封止成形することができる。
従って、上記中空シール部材70を上記した中芯部材71と補助充填材74にて補強硬体化することにより、また、該中空シール部材70に設けられた把持部72を上記装着部材62にて挟持することにより、上記した実施例と同様に、上記した中空シール部材70を上記上型60の所定位置(溝61)に簡単に且つ確実に固定して効率良く装着することができる。
また、上記した実施例と同様に、樹脂封止成形時において、上記中空シール部材70が該溝61内で揺動した場合、上記した中空シール部材70が上記した溝61から離脱することを効率防止することができると共に、上記中空シール部材70の外気遮断作用の機能を充分に発揮させて、上記した中空シール部材70にて上記外気遮断空間部を確実に且つ安定して形成すると共に、上記中空シール部材70の実質的な耐久性を向上させ得て安定して樹脂封止成形することができる。
なお、上記した補助充填材74は、上記中空シール部材70を硬体化する硬質の材料に限られず、適宜な性質の材料、例えば、軟質の材料、また、廉価な材料を採用することができる。
【0027】
次に、図9について説明する。
なお、図9に示す金型装置の基本的な構成部材は、図1〜図6に示す金型装置の構成部材と同じである。
また、図9に用いられる中空シール部材は図1〜図6に示す中空シール部材30を採用して構成されると共に、上記した実施例と同様に、図9に示す金型装置の固定上型80に設けられた溝81に上記中空シール部材30が埋設されている。
また、図9に示すように、上記上型80には上記中空シール部材30を装着した着脱部材82が、該上型80に着脱自在に設けられて構成されている。
また、上記した着脱部材82は、着脱部材本体83と、上記中空シール部材30を該本体83に係止する係止部84とから構成されると共に、上記中空シール部材30を本体83に配置して該把持部32を上記係止部84にて係止(挟持)することにより、上記着脱部材82に上記した中空シール部材30を固定して装着することができるように構成されている。
また、図9に示す金型装置には上記中空シール部材30を加圧する加圧機構85と加圧経路86とが設けられている。
なお、図9に示す着脱部材82の上型の装着位置は、図1〜図4において、(82)にて例示する。
【0028】
即ち、図9において、上記中空シール部材30を装着した着脱部材82を上記上型80の型面の所定位置に着脱自在に構成することができると共に、まず、上記上型80に装着された着脱部材82の中空シール部材30の中空部31を上記加圧機構85にて上記加圧経路86を通して加圧することにより、該中空シール部材30を膨張させて膨張中空シール部材(30)を形成する。
次に、上記膨張中空シール部材30を可動下型の型面に当接すると共に、上記上下両型(80)に外気遮断空間部を形成する(図2参照)。
次に、上記外気遮断空間部内に残溜する空気をその外部に強制的に吸引排出して該外気遮断空間部を所定の真空度に設定し、上記上下両型(80)による樹脂封止成形を行うことになる。
即ち、上記した中空シール部材30の把持部32を係止して該中空シール部材30を上記着脱部材82に固定して装着すると共に、上記した上型80に上記着脱部材82を装着する構成であるので、上記中空シール部材30を上記上型80の型面の所定位置に簡単に且つ確実に固定して効率良く装着することができる。
また、上記着脱部材82を用いる構成であるので、上記着脱部材82を上記上型80から取り出すと共に、上記着脱部材82から上記中空シール部材30を取り出すことにより、上記中空シール部材30を簡単に且つ効率良く交換することができる。
また、上記した各実施例と同様に、上記した上下両型(80)による樹脂封止成形時に、上記した上型80の型面から上記中空シール部材30が離脱することを効率良く防止すると共に、上記中空シール部材30による外気遮断空間部を確実に且つ安定して形成し得て、上記した中空シール部材30の実質的な耐久性を効率良く向上させることにより、安定して樹脂封止成形することができる
【0029】
また、図9に示す実施例において、上記した着脱部材82を断熱材料にて形成して構成する例を採用することができる。
従って、上記した着脱部材82を断熱材料にて構成しない場合に較べて、上記中空シール部材30の耐久性を向上させることができる。
【0030】
また、上記した各実施例において、上記した中空シール部材を設けた上型と対向する下型の型面において、上記膨張中空シール部材と接触する接触部を断熱材料にて構成した例を採用することができる。
従って、上記接触部に断熱材料を採用しない構成と較べて上記中空シール部材の耐久性を向上させることができる。
なお、図1〜図3に上記した接触部を(87)にて例示する。
【0031】
また、上記した着脱部材(82)と接触部(87)とを断熱材料にて形成する構成を採用することができる。
この場合、上記した中空シール部材の熱劣化を効率良く防止し得て、上記中空シール部材の耐久性を向上させることができる。
従って、この場合に、上記した中空シール部材に耐熱性でない廉価な材料を採用することができる。
【0032】
また、上記した中空シール部材の把持部ついて、該中空シール部材の任意の配設位置に任意の数を設定する構成を採用することができる。
例えば、図6(1)・(2)・(3) に示す実施例において、上記中空シール部材30に把持部32を二個設ける構成を採用することができる。
即ち、図6(1)・(2)・(3) において、図に向かって中空シール部材30の断面形状の左側に、所謂、線対称の位置に、上記した把持部32を更に一個設ける構成を採用することができる。
この場合、上記中空シール部材(30)を断面形状の両側から該把持部(32)にて挟持することができるので、上述した実施例と同様に、上記中空シール部材(30)を上型面の溝(22)に簡単に且つ確実に固定して効率良く装着することができると共に、上記した中空シール部材が上記上型面の溝(22)から離脱することを効率良く防止し得て、上記中空シール部材による外気遮断空間部を確実に且つ安定して形成すると共に、上記した中空シール部材の実質的な耐久性を効率良く向上させて安定して樹脂封止成形することができる。
【0033】
なお、上記上型における上記中空シール部材の配置位置、及び、配置形状は、上記実施例に限られず、本発明の趣旨に沿って任意に設定されるものである。
例えば、上記中空シール部材を上記した下型の型面に配置する構成、或いは、上記両型面に各別に配置する構成を採用してもよい。
【0034】
また、上記各実施例において、金属製のリードフレームを例に挙げて説明したが、他の材質の異なる板状部材、例えば、プラスチック製の板状部材(シート部材)、所謂、PCボードと呼ばれるプリント回路板(Printed Circuit Board) に採用することができる。
【0035】
また、上記各実施例において、樹脂材料に樹脂タブレットを用いる構成を例示したが、本発明は、粉末の樹脂材料を用いる場合にも採用することができる。
【0036】
本発明は、上述した実施例のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意に且つ適宜に変更・選択して採用できるものである。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、電子部品の樹脂封止成形用金型装置において、外気遮断用の中空シール部材を上記金型の型面の所定位置に簡単に且つ確実に固定して効率良く装着することができると云う優れた効果を奏する。
【0038】
また、本発明によれば、電子部品の樹脂封止成形用金型装置において、上記金型による樹脂封止成形時に、上記した金型面から外気遮断用の中空シール部材が離脱することを効率良く防止することができると云う優れた効果を奏する。
【0039】
また、本発明によれば、上記金型にて成形回数を重ねた場合に、外気遮断用の中空シール部材が上記金型の型面から離脱することを効率良く防止することにより、上記した中空シール部材による外気遮断空間部を確実に且つ安定して形成し得て、上記した中空シール部材の実質的な耐久性を効率良く向上させると共に、安定して樹脂封止成形することができる電子部品の樹脂封止成形用金型装置を提供することができると云う優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電子部品の樹脂封止成形用金型装置の金型要部を示す一部切欠縦断面図であって、その金型の型開状態を示している。
【図2】 図1に示す装置の金型要部を示す一部切欠縦断面図であって、その金型の中間的な型締状態を示している。
【図3】 図1に示す装置の金型要部を示す一部切欠縦断面図であって、その金型の完全な型締状態を示している。
【図4】 図1に示す装置の金型要部を示す平面図であって、該金型の上型面を示している。
【図5】 本発明に係る装置に設けられる中空シール部材の斜視図であって、図5(1) は金型装着時の中空シール部材の状態を示し、図5(2) は中空シール部材の金型装着前の状態を示している。
【図6】 本発明に係る装置に設けられた中空シール部材の膨張作用を説明する縦断面図であって、図6(1) は図1に対応して膨張前中空シール部材を示し、図6(2) は図2に対応して下型と当接した膨張中空シール部材を示し、図6(3) は図3に対応して下型にて圧縮された中空シール部材を示している。
【図7】 本発明に係る他の中空シール部材の膨張作用を説明する縦断面図であって、図7(1) は膨張前の中空シール部材を示し、図7(2) は図7(1) に示す中空シール部材における加圧経路部の断面を示し、図7(3) は図7(2) に示す中空シール部材が膨張した状態を示している。
【図8】 本発明に係る他の中空シール部材の示す縦断面図である。
【図9】 本発明の他の装置の金型要部を示す縦断面図であって、中空シール部材を装着した着脱部材を金型面に装着した状態を示している。
【図10】 従来の中空シール部材を装着した樹脂封止成形用の金型装置に設けられた金型の要部である。
【符号の説明】
1 上型
2 下型
3 ポット
4 プランジャ
5 下キャビティ
6 上キャビティ
7 カル部
8 ゲート
9 樹脂通路
10 エアベント
11 電子部品
12 リードフレーム
13 セット用凹所
14 樹脂封止成形体
15 硬化樹脂
16 装着部材
17 外気遮断空間部
18 真空引き機構
19 排出口
20 真空経路
21 シール部材
22 溝
23 加圧経路
24 加圧機構
30 中空シール部材
31 中空部
32 把持部
33 突起
34 接合部
31b 中空部相当個所
32a:32b 分割把持部
40 上型
41 溝
42 加圧機構
43 加圧経路
44 開口部
50 中空シール部材
51 中空部
52 中芯部材
53 空気溜
60 上型
61 溝
62 装着部材
63 加圧機構
64 加圧経路
65 開口部
70 中空シール部材
71 中芯部材
72 把持部
73 中空部
74 補助充填材
80 上型
81 溝
82 着脱部材
83 着脱部材本体
84 係止部
85 加圧機構
86 加圧経路
87 接触部
R 樹脂タブレット
S 所要の間隔

Claims (1)

  1. 固定型と、該固定型に対向配置した可動型とから成る樹脂封止成形用の金型と、上記金型に設けられた樹脂材料供給用のポットと、上記金型に設けられ且つリードフレームに装着された電子部品を嵌装セットする樹脂成形用のキャビティと、上記したポットとキャビティとを連通接続した樹脂通路と、上記金型の少なくとも一方側の型面の所定位置に設けられた外気遮断用の中空シール部材と、上記中空シール部材を加圧して膨張させる加圧機構と、上記金型の型締時に、上記加圧機構にて膨張させた中空シール部材にて形成され且つ少なくとも上記したポットとキャビティと樹脂通路とから成る外気遮断空間部内に残溜する空気をその外部に強制的に吸引排出する真空引き機構とから成る電子部品の樹脂封止成形用金型装置であって、上記した中空シール部材に把持部を設けると共に、上記した中空シール部材を装着した着脱部材を、上記した金型の少なくとも一方側の型面の所定位置に、着脱自在に設けたことを特徴とする電子部品の樹脂封止成形用金型装置。
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