JP3726387B2 - アンチロックブレーキ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、前輪側のロール剛性を後輪側に比較して高く設定した車両に搭載され、その制動力を制御するアンチロックブレーキ制御装置に係わり、特に左右で摩擦係数が異なるいわゆるスプリット路での制動力を適正に制御するアンチロックブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアンチロックブレーキ制御装置としては、例えば特開平4−339065号公報に記載のように、車両が旋回走行するときに発生する横加速度を検出し、その値が小さいときはスリップ率が大きい方(早くロックする方)すなわち車輪速度が低い方の車輪からのスリップ率データに基づき左右後輪を共通にアンチロックブレーキ制御するいわゆるセレクトロー方式を採用し、検出した横加速度が大きいときは左右後輪をそれぞれのスリップ率データに基づき独立にアンチロックブレーキ制御する独立制御を採用するものがある。ここで、後輪のアンチロックブレーキ制御に前記セレクトロー方式を採用するのは、スプリット路など左右で路面摩擦係数が異なる路面を走行する場合に発生する制動力差が操舵輪ではない後輪で生じると、ヨーモーメントが発生して走行安定性が低下するため、それを抑えるためである。
【0003】
また、その他にスプリット路における走行安定性を確保してアンチロックブレーキ制御をする技術としては、スリップ率の小さい方の車輪に対して制動初期のアクチュエータへの急激な液圧の上昇を緩やかにすることによってヨーモーメントの発生を抑えながらアンチロックブレーキ制御するいわゆるヨーモーメントリダクション制御(以下YMR制御と称す)などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のアンチロックブレーキ制御装置にあっては、ワンボックスカーのような重心高の車両に適用した場合に、次に掲げる問題点がある。
【0005】
重心の高い車両は、旋回時における車両の走行安定性を確保するため、前輪側のロール剛性を後輪側よりも高く設定してアンダーステア特性とし、また、スプリット路における車両の走行安定性を確保するため、上記従来例のような左右前輪に対してセレクトロー方式を採用すると、高摩擦係数路側の制動力を大幅に低下させてしまうため、高摩擦係数路側の制動初期の急激な液圧の上昇を緩やかにすることによってヨーモーメントの発生を抑えるYMR制御を採用するようにしている。
【0006】
一般に車両の重心が高いと、荷重移動量が多くなり、また、ロール剛性が前輪側と後輪側とで異なると、そのロール剛性の比によって旋回時の車両の荷重分担率が異なる。すなわち、ロール剛性が大きい前輪側ではその左右輪に対して大きな荷重移動が、ロール剛性がそれに比較して小さい後輪側ではその左右輪に対して小さな荷重移動が生じる。したがって、旋回制動時、特にレーンチェンジのような旋回半径の小さな旋回を繰り返す状態での制動時において、前記車両は、旋回外側前輪に大きな荷重がかかるのに対して、旋回内側前輪に大きな荷重抜けが生じるため、左右輪のスリップ率に大きな差異が発生する。
【0007】
一方、YMR制御は、左右車輪のスリップ率に所定以上の差異が生じたときや、一方の車輪の加減速度が所定の閾値を越えてから所定時間内に他方の車輪の加減速度が同様の閾値を越えなかったときなどに作動を開始するため、旋回制動時における前記車両にこのようなYMR制御を適用すると、左右輪のスリップ率の大きな差異の発生によって、車両がスプリット路を走行しているものと判断してしまい、YMR制御が作動してしまう。したがって、旋回外側前輪の制動力が本来生ずべき値以下に抑えられ、車両全体の制動力が不足し、結果として制動距離が伸びることにつながる。
【0008】
また、特開平7−89427号公報に記載のように推定または検出によって求めた横すべり角の大きさに基づいて、発生する横すべり角を小さくするように自動ブレーキをかけ、制動力制御によってレーンチェンジ時における車両の走行安定性を確保することも提案されているが、その前輪側のアンチロックブレーキ制御にYMR制御を適用したときにも、やはり、レーンチェンジ時にYMR制御が誤作動することになり、それによって生じる制動力不足を回避することができない。
【0009】
そこで、この発明は、このような従来の問題点を解決することを課題としており、前輪側のロール剛性を後輪側に比較して高く設定した車両において、車両がレーンチェンジのような旋回半径の小さな旋回を繰り返す状態にある場合であっても旋回外側前輪の制動力を十分に確保することのできるアンチロックブレーキ制御装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係るアンチロックブレーキ制御装置は、各車輪に配設された制動用シリンダの作動流体圧を指令信号に応じて個別に増減圧調整するアクチュエータと、各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度検出値に基づいて前記アクチュエータに対し指令信号を出力することによってその作動を制御する制動力制御手段と、少なくとも前輪側の制動力制御手段での制動制御時に左右で摩擦係数が異なる路面における高摩擦係数路面側の制動力を抑制する制動力抑制手段とを備え、前輪側のロール剛性を後輪側に比較して高く設定した車両に搭載するアンチロックブレーキ制御装置において、車両のレーンチェンジ状態を検出するレーンチェンジ検出手段と、該レーンチェンジ検出手段でレーンチェンジ状態を検出したときに前記制動力抑制手段の作動を禁止する作動禁止手段とを備え、前記レーンチェンジ検出手段は、前輪側の制動力制御手段の一方のみが制動制御を開始し、かつ、後輪側の制動力制御手段が制動制御を開始していないときにレーンチェンジ状態と判断するように構成されたことを特徴としている。
【0013】
さらに、請求項2に係るアンチロックブレーキ制御装置は、各車輪に配設された制動用シリンダの作動流体圧を指令信号に応じて個別に増減圧調整するアクチュエータと、各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度検出値に基づいて前記アクチュエータに対し指令信号を出力することによってその作動を制御する制動力制御手段と、少なくとも前輪側の制動力制御手段での制動制御時に左右で摩擦係数が異なる路面における高摩擦係数路面側の制動力を抑制する制動力抑制手段とを備え、前輪側のロール剛性を後輪側に比較して高く設定した車両に搭載するアンチロックブレーキ制御装置において、前輪側の制動力制御手段の一方のみが制動制御を開始し、かつ、後輪側の制動力制御手段が制動制御を開始していないときに、前記制動力抑制手段の作動を禁止する作動禁止手段とを備えていることを特徴としている。
【0014】
さらに、請求項3に係るアンチロックブレーキ制御装置は、各車輪に配設された制動用シリンダの作動流体圧を指令信号に応じて個別に増減圧調整するアクチュエータと、各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度検出値に基づいて前記アクチュエータに対し指令信号を出力することによってその作動を制御する制動力制御手段と、少なくとも前輪側の制動力制御手段での制動制御時に左右で摩擦係数が異なる路面における高摩擦係数路面側の制動力を抑制する制動力抑制手段とを備え、前輪側のロール剛性を後輪側に比較して高く設定した車両に搭載するアンチロックブレーキ制御装置において、前輪側の制動力制御手段の一方のみが制動制御を開始し、かつ、後輪側の制動力制御手段で制動制御を開始したときにのみ前記制動力抑制手段の作動を許容する作動許容手段とを備えていることを特徴としている。
【0017】
【発明の効果】
したがって、請求項1に係るアンチロックブレーキ制御装置によれば、制動力制御手段は、レーンチェンジ検出手段により前輪側の制動力制御手段の一方のみが制動制御を開始し、同時に、後輪側の制動力制御手段が制動制御を開始していない状態を車両がレーンチェンジ状態にあるものと判断するようにしたため、別途センサを用いることなくレーンチェンジ状態を検出することができるという効果を得る。
【0018】
さらに、請求項2に係るアンチロックブレーキ制御装置によれば、制動力制御手段は、前輪側の制動力制御手段の一方のみが制動制御を開始し、同時に、後輪側の制動力制御手段が制動制御を開始していないときに、作動禁止手段により高摩擦係数路面側の制動力を抑制する制御を禁止して、左右前輪のアクチュエータを個々独立にアンチロックブレーキ制御する構成としたため、前輪のいずれか一方のアクチュエータにのみ制動制御を開始するようなときには、前輪に著しい荷重移動が生じている状態であって、スプリット路ではないものとみなし、制動力を抑制する制御を禁止することによって、制動制御が開始していない側の前輪の制動力を十分に確保して車両の制動距離を短縮し、かつ、別途センサを用いることなくレーンチェンジ状態を検出することができるという効果を得る。
【0019】
さらに、請求項3に係るアンチロックブレーキ制御装置によれば、制動力制御手段は、前輪側の制動力制御手段の一方のみが制動制御を開始し、同時に、後輪側の制動力制御手段が制動制御を開始しているときに、作動許容手段により高摩擦係数路面側の制動力を抑制する制御を許容して、高摩擦路面側の制動力を抑制するようにアンチロックブレーキ制御する構成としたため、前輪いずれか一方のアクチュエータにのみ制動制御を開始していないようなときには、車両がスプリット路を走行しているものとみなし、制動力を抑制する制御を許容することにより、ヨーモーメントの発生を低減して車両の走行安定性を確保し、かつ、別途センサを用いることなくスプリット路走行状態を検出することができるという効果を得る。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、前輪側のロール剛性が後輪側よりも高く設定した車両におけるこの発明の実施の形態を示すブロック図である。
【0021】
図中、1FL,1FR,1RL,1RRはそれぞれ左前輪、右前輪、左後輪および右後輪であって、変速機T、プロペラシャフトPSおよびディファレンシャルギヤDGを介して、エンジンEGからの回転駆動力を後輪1RL,1RRに伝達する。各車輪1FL〜1RRは、それぞれ制動用シリンダとしての前輪側ホイールシリンダ2FL,2FRおよび後輪側ホイールシリンダ2RL,2RRを備えている。さらに、前輪1FL,1FRおよび後輪1RL,1RRは、それぞれこれらの車輪回転数に応じたパルス信号PFL,PFR,PRLおよびPRRを個別に出力する車輪速度検出手段の一部を構成する車輪速度センサ3FL,3FR,3RLおよび3RRを備えている。
【0022】
マスタシリンダ5は、前輪側アクチュエータ6FL,6FRおよび後輪側アクチュエータ6Rを介して、ブレーキペダル4の踏み込みに応じて発生する2系統のマスタシリンダ圧を各ホイールシリンダ2FL〜2RRに個別に供給する。
【0023】
各アクチュエータ6FL〜6Rは、図2に示すように、マスタシリンダ5に接続する油圧配管7と、各ホイールシリンダ2FL〜2RRとの間に設けた電磁流入弁8と、この電磁流入弁8と並列に接続した電磁流出弁9、油圧ポンプ10および逆止弁11の直列回路と、電磁流出弁9および油圧ポンプ10間の油圧配管7に接続したアキュムレータ12とを備えている。
【0024】
そして、各アクチュエータ6FL〜6Rの電磁流入弁8、電磁流出弁9および油圧ポンプ10は、車輪速度センサ3FL〜3RRが出力する車輪速度パルス信号PFL〜PRRと、車体に設ける前後加速度センサ13が出力する前後加速度に応じた前後加速度検出値XG とを入力するコントローラCRが出力する液圧制御信号EV、AVおよびMRで制御する。
【0025】
ここで、前後加速度センサ13は、車体に前後方向の加減速度が生じていないときは正の中立電圧VN として、前方向に加速度が生じたとき(加速度状態)はこれに比例して中立電圧VN より高い正の電圧と、後方向に加速度が生じたとき(減速度状態)はこれに比例して中立電圧VN より低い正の電圧とする前後加速度検出値XG を出力する。
【0026】
コントローラCRは、図1に示すように、車輪速度センサ3FL〜3RRが出力する車輪速度パルス信号PFL〜PRRと各車輪1FL〜1RRの回転半径とに基づいて車輪の周速度(車輪速度)VwFL,VwFR,VwRLおよびVwRRを算出する車輪速度検出手段の一部を構成する車輪速度演算回路15FL,15FR,15RLおよび15RRと、これら車輪速度演算回路15FL〜15RRで算出する車輪速度VwFL〜VwRRのうち最も高い車輪速度(セレクトハイ車輪速度)VwH を選択するセレクトハイスイッチ16と、このセレクトハイスイッチ16で選択されたセレクトハイ車輪速度VwH と前後加速度センサ13が出力する前後加速度検出値XG とを入力し、これらに基づいて推定車体速度VX を算出する推定車体速度演算回路17と、この推定車体速度演算回路17が出力する推定車体速度VX と前記車輪速度VwFL〜VwRRとに基づいて制動時のアンチロックブレーキ制御をする制動力制御手段としての制動圧制御回路18とを備えており、制動圧制御回路18が出力する液圧制御信号EV,AVおよびMRを駆動回路22a〜22dを介して各アクチュエータ6FL〜6Rに出力する。
【0027】
推定車体速度演算回路17は、図3に示すように、セレクトハイスイッチ16で選択されたセレクトハイ車輪速度VwH を車輪速度サンプリング値VS として保持するサンプルホールド回路17aと、前後加速度センサ13の前後加速度検出値XG を絶対値回路17bで絶対値化し、これとオフセット値出力回路17cから例えば+0.3 gに対応するオフセット値とを加算回路17dで加算して加減速度補正値XGCを出力する出力補正回路17eと、オペアンプで構成し入力される電圧Eを積分する積分回路17fと、この積分回路17fが出力する電圧Ve とサンプルホールド回路17aの車輪速度サンプリング値VS とを加算して推定車体速度VX を算出する加算回路17gと、セレクトハイ車輪速度VwH が推定車体速度VX に対して予め設定した所定の不感帯域内、すなわちVx −1km/h<VwH <Vx +1km/hであるか否かを検出し、Vx −1km/h<VwH <Vx +1km/hであるときに信号C1 ,C2 を共に低レベルとし、VwH ≧Vx +1km/hであるときに信号C1 を高レベルとし、VwH ≦Vx −1km/hであるときに信号C2 を高レベルとする不感帯検出回路17hと、この不感帯検出回路17hでセクレトハイ車輪速度VwH が不感帯域内となったときおよびイグニッションスイッチのオン信号IGを入力するときに、前記サンプルホールド回路17aでセクレトハイ車輪速度VwH を保持するとともに、積分回路17fをリセットするリセット回路17iと、セレクトハイ車輪速度VwH が不感帯域内にあるときおよび不感帯域外となってからオフディレータイマ17jが設定する所定時間T3 の間積分入力電圧Eとして零電圧を積分回路17fに供給し、VwH ≧Vx +1km/hとなってから所定時間T3 経過後にアンチロックブレーキ制御が非制動制御中(液圧制御信号MR=0)は+0.4 gに対応する負の電圧を、アンチロックブレーキ制御が制動制御中(液圧制御信号MR=1)は+10gに対応する負の電圧をそれぞれ積分入力電圧Eとして積分回路17fに供給し、さらにVwH ≦Vx −1km/hとなってから所定時間T3 経過後に出力補正回路17eの加減速度補正値XGCを積分入力電圧Eとして積分回路17eに供給する選択回路17kとを備えている。
【0028】
制動圧制御回路18は、図1に示すように、例えばA/D変換機能を有する入力インタフェース回路25a、出力インタフェース回路25d、演算処理装置25bおよび記憶装置25cを少なくとも有するマイクロコンピュータ25で構成しており、図4〜図6に示すアンチロックブレーキ制御処理を実行する。
【0029】
このアンチロックブレーキ制御処理は、図4に示すフローチャートをメインルーチンとして、所定時間(例えば10ms)間隔でステップS1〜S10の一連の処理をタイマ割り込みによって実行する。この処理で用いる変数および定数を説明すると、FYMR は、左右前輪のアクチュエータ6FL,6FRに対するアンチロックブレーキ制御に制動力抑制制御としてのYMR制御をするか否かを示すYMR制御フラグ変数であって、FYMR =1のときはYMR制御を行い、FYMR =0のときはYMR制御をキャンセルして左右独立制御をすることを示す。ASj (j=FL,FR,R)は、各アクチュエータ6FL〜6Rに対するアンチロックブレーキ制御が制動制御中であるか否かを示す状態監視フラグ変数であって、ASj =0のときはアンチロックブレーキ制御が非制動制御中、ASj =1のときはアンチロックブレーキ制御が制動制御中であることを示すとともに、これらは液圧制御信号MRj の値と対応している。
【0030】
まず、ステップS1で、この処理で用いる例えばFYMR ,ASj ,Sj のように初期定数を代入せずに用いる変数の初期化、またはタイマ割り込み処理の初期設定等を行う。次いで、ステップS2に移行して、左前輪のアクチュエータ6FLに対するアンチロックブレーキ制御処理を実行してから、ステップS3に移行して、右前輪のアクチュエータ6FRに対するアンチロックブレーキ制御処理を実行し、次いでステップS4に移行して、左右後輪の共通のアクチュエータ6Rに対するアンチロックブレーキ制御処理を実行する。
【0031】
以下、状態監視フラグ変数ASj の値に対する判定処理を行うが、状態監視フラグ変数ASj は、前記ステップS2〜S4において各アクチュエータ6FL〜6Rに対するアンチロックブレーキ制御処理の結果に基づいて、その制動制御状態を格納するものである。
【0032】
次いで、ステップS5に移行して、状態監視フラグ変数ASFLの値が“1”であるか否かを判定し、ASFL=1であるときにはステップS7に移行して、状態監視フラグ変数ASFRの値が“1”であるか否かを判定し、ASFR≠1であるときにはステップS8に移行して、状態監視フラグ変数ASR の値が“1”であるか否かを判定し、ASR =1であるときにはステップS9に移行して、YMR制御フラグ変数FYMR を“1”にセットし、タイマ割り込み処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0033】
また、前記ステップS8の判定結果がASR ≠1であるとき、または、前記ステップS7の判定結果がASFR=1であるときには、いずれもステップS10に移行して、YMR制御フラグ変数FYMR を“0”にセットし、タイマ割り込み処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0034】
一方、前記ステップS5の判定結果がASFL≠1であるときにはステップS6に移行して、状態監視フラグ変数ASFRの値が“1”であるか否かを判定し、ASFR≠1であるときには前記ステップS10に移行する。また、前記ステップS6の判定結果がASFR=1であるときには、前記ステップS8に移行する。なお、上記処理において、ステップS5、S6、S7、S8をレーンチェンジ判別手段とし、ステップS9を作動許容手段とし、ステップS10を作動禁止手段とする。
【0035】
前記ステップS5〜S8までの分岐処理は、車両のレーンチェンジ状態を検出するための処理であって、左右前輪のアクチュエータ6FL,6FRに対するアンチロックブレーキ制御のいずれか一方が制動制御中で、かつ、後輪側のアクチュエータ6Rに対するアンチロックブレーキ制御が非制動制御中であるとき、すなわちステップS5、S7、S8を経てステップS10に、またはS5、S6、S8を経てステップS10に移行した場合をレーンチェンジ状態と判別するものである。またこれは、スプリット路を走行している状態を検出する分岐処理でもあって、左右前輪のアクチュエータ6FL,6FRに対するアンチロックブレーキ制御のいずれか一方が制動制御中で、かつ、後輪側のアクチュエータ6Rに対するアンチロックブレーキ制御が制動制御中であるとき、すなわちステップS5、S7、S8を経てステップS9に、またはS5、S6、S8を経てステップS9に移行した場合をスプリット路状態と判定するものである。その他の分岐処理は、それ以外の場合の走行状態を示す分岐処理である。
【0036】
さて次に、前記ステップS2〜S4における各アクチュエータ6FL〜6Rに対するアンチロックブレーキ制御処理はそれぞれ、左右前輪については図5に示すサブルーチンを、後輪側については図6に示すサブルーチン処理を実行する。
【0037】
図5に示す左右前輪(j=FL,FR)についてのサブルーチン処理は、まずステップS40で、推定車体速度演算回路17が出力する現在の推定車体速度Vx を読み込み、ステップS42に移行して、車輪速度演算回路15jが出力する現在の車輪速度Vwj(N)を読み込む。次いで、ステップS44に移行して、タイマ処理の一周期前の処理において読み込んだ車輪速度Vwj(N-1)から前記ステップS42で読み込んだ現在の車輪速度Vwj(N)を減算し、その減算値をタイマ割り込み周期で除算することにより、単位時間当たりの車輪速度変化量すなわち車輪加減速度Vwj ′を算出し、これを記憶装置25cの所定記憶領域に記憶する。
【0038】
次いで、ステップS46に移行して、YMR制御フラグ変数FYMR の値が“1”であるか否かを判定し、FYMR =1であるときにはステップS56に移行して、現在アンチロックブレーキ制御処理を実行している側、すなわち自輪の状態監視フラグ変数ASj の値が“1”であるか否かを判定し、ASj ≠1であるときにはステップS58に移行して、ASj の値を“1”に、減圧タイマ変数Lj の値を“0”にセットする。次いで、ステップS68に移行して、下記(1)式の演算を行って車輪スリップ率Sj を算出し、次いでステップS70に移行して、前記ステップS68で算出した車輪スリップ率Sj と目標スリップ率S0 (例えば、15%程度)との値を比較し、そこでSj <S0 であるときにはステップS72に移行する。
Sj ={(Vx −Vwj )/Vx }×100 …………(1)
ステップS72では、減圧タイマ変数Lj の値として現在の減圧タイマ変数Lj の値から“1”を減算した値と“0”とを比較していずれか大きい値を選択し、次いでステップS74に移行して、予め設定する制御終了条件を満足するか否かを判定する。この制御終了条件としては、例えば、ブレーキスイッチのスイッチ信号がオフ状態であるとき、推定車体速度VX が零またはその近傍となったとき等であり、そして制御終了条件を満足する場合にはステップS76に移行して、減圧タイマ変数Lj および状態監視フラグ変数ASj の値を共に“0”にセットし、ステップS78に移行して、アクチュエータ6jをホイールシリンダ2jの圧力がマスタシリンダ5の圧力に応じた圧力となる急増圧モードに設定し、図4に示すメインルーチンに復帰する。この急増圧モードでは、アクチュエータ6jに対する制御信号EVj およびAVj を共に論理値“0”として、アクチュエータ6jの流入弁8を開状態に、流出弁9を閉状態にする。
【0039】
一方、ステップS74の判定結果が、制御終了条件を満足しないときにはステップS80に移行して、減圧タイマ変数Lj の値が正の値であるか否かを判定し、Lj >0であるときにはステップS82に移行して、アクチュエータ6jをホイールシリンダ2jの内圧を減圧する減圧モードに設定し、図4に示すメインルーチンに復帰する。この減圧モードでは、アクチュエータ6jに対する制御信号EVj ,AVj およびMRj を共に論理値“1”として、アクチュエータ6jの流入弁8を閉状態に、流出弁9を開状態にして、ホイールシリンダ2jが保持している圧力を流出弁9、油圧ポンプ10および逆止弁11を介してマスタシリンダ5に側に戻し、ホイールシリンダ2jの内圧を減少する。
【0040】
また、前記ステップS80の判定結果が、Lj ≦0であるときにはステップS84に移行して、ステップS44で算出した車輪加減速度Vwj ′の値が加速度閾値+α1 の値以上であるか否かを判定し、Vwj ′<+α1 であるときにはステップS86に移行して、車輪加減速度Vwj ′の値が減速度閾値−α2 の値以下であるか否かを判定し、Vwj ′≦−α2 であるときにはステップS88に移行して、アクチュエータ6jをホイールシリンダ2jの内圧を一定値に保持する高圧保持モードに設定し、図4に示すメインルーチンに復帰する。この高圧保持モードでは、アクチュエータ6jに対する制御信号EVj を論理値“1”、制御信号AVj を論理値“0”として、アクチュエータ6jの流入弁8を閉状態に、流出弁9を閉状態にして、ホイールシリンダ2jの内圧をその直前の圧力に保持する。
【0041】
一方、前記ステップS86の判定結果が、Vwj ′>−α2 であるときにはステップS90に移行して、状態監視フラグ変数ASj の値が“0”であるか否かを判定し、ASj =0であるときには前記ステップS78に移行する。他方、前記ステップS90の判定結果が、ASj ≠0であるときにはステップS92に移行して、アクチュエータ6jをホイールシリンダ2jの圧力を緩増圧する緩増圧モードに設定し、図4に示すメインルーチンに復帰する。この緩増圧モードでは、アクチュエータ6jに対する制御信号EVj を所定時間(例えば8ms)だけ論理値“0”を継続した後、論理値“1”に切り換えることを所定時間毎に繰り返すとともに、制御信号AVj を論理値“0”として、アクチュエータ6jの流入弁8を断続的に開状態に、流出弁9を閉状態にして、ホイールシリンダ2jの内圧を徐々に、そしてステップ状に増圧する。
【0042】
一方、前記ステップS84の判定結果が、Vwj ′≧+α1 であるときにはステップS94に移行して、状態監視フラグ変数ASj の値が“0”であるか否かを判定し、ASj =0であるときには前記ステップS78に移行する。他方、前記ステップ94の判定結果が、ASj ≠0であるときにはステップS96に移行して、アクチュエータ6jをホイールシリンダ2jの圧力を低圧側でその直前の値に保持する低圧保持モードに設定し、図4に示すメインルーチンに復帰する。この低圧保持モードでは、前述したステップS88の高圧保持モードと同様に、アクチュエータ6jに対する制御信号EVj を論理値“1”と、制御信号AVj を論理値“0”として、アクチュエータ6jの流入弁8を閉状態に、流出弁9を閉状態にして、ホイールシリンダ2jの内圧をその直前の圧力に保持する。
【0043】
また、前記ステップS70の判定結果が、Sj ≧S0 であるときにはステップS98に移行して、車輪加減速度Vwj ′の値が加速度閾値+α1 の値以上であるか否かを判定し、Vwj ′≧+α1 であるときにはステップS100に移行して、減圧タイマ変数Lj の値を“0”にセットし、前記ステップS74に移行する。しかし、前記ステップS98の判定結果が、Vwj ′ <+α1 であるときにはステップS102に移行して、状態監視フラグ変数ASj の値を“1”に、減圧タイマ変数Lj の値を正の所定値L0 にセットし、前記ステップS46に移行する。
【0044】
一方、前記ステップS46の判定結果が、FYMR ≠1であるとき、または、前記ステップS56の判定結果が、ASj =1であるときにはいずれも前記ステップS68に移行する。
【0045】
さて次に、図4に示すステップS4における後輪側のアクチュエータ6Rに対するアンチロックブレーキ制御処理では、図6に示すように、図5の処理において、ステップS42の処理を左右後輪の車輪速度VwRL,VwRRを共に読み込む処理とし、ステップS42とステップS44の間に前のステップS42で読み込んだ左右後輪の車輪速度VwRL,VwRRを比較していずれか小さいほうの値をアンチロックブレーキ処理での車輪速度VwR として選択するステップS43を挿入し、元あるステップS46〜S58の処理を削除、すなわちYMR制御の切り換え判定とその処理とを行わないことを除いては図5と同様の処理を行い、図5とに対応する処理には同一のステップ番号を付してこれらの詳細説明は省略する。この後輪側のアクチュエータ6Rに対するアンチロックブレーキ処理は、常に左右後輪の車輪速度VwRL,VwRRのうち小さい値の車輪速度を用いる、いわゆるセレクトロー方式によってその処理を行う。
【0046】
では、上記実施の形態の動作を図7に示すタイムチャートを参照しながら説明する。時刻t0 以前においていま、前輪側のロール剛性を後輪側に比較して高く設定した車両が良路で非制動状態で定速走行しているものとすると、制動制御回路18では、推定車体速度VX と各車輪速度Vwj (j=FL,FR,R)とが一致しているため、ステップS68で算出する車輪スリップ率Sj の値が“0”となり、非制動状態であるため、ステップS70からステップS72に移行して、減圧タイマ変数Lj の値を“0”にセットしてからステップS74に移行する。
【0047】
このステップS74では、非制動状態であり制御終了条件を満足するものと判定してステップS76に移行し、減圧タイマ変数Lj および状態監視フラグ変数ASj の値を共に“0”にセットし、次いでステップS78に移行してアクチュエータ6jを急増圧モードに設定する。この急増圧モードでは、アクチュエータ6jによってマスタシリンダ5と各ホイールシリンダ2FL〜2RRとがつながっているが、ブレーキペダル4を踏み込まない非制動状態であることにより、マスタシリンダ5の圧力がほぼ零であるため、ホイールシリンダ2FL〜2RRの圧力もほぼ零を維持し、非制動状態を維持する。この定速走行状態では、推定車体速度VX とセレクトハイ車輪速度VwH とがほぼ一致しており、選択回路17kで零電圧の積分入力電圧Eを選択することにより、積分回路17fの出力が零となっており、推定車体速度VX は変動することなく実際の車体速度とほぼ一致している。この状態でタイマ割り込み処理を終了すると、次のタイマ割り込みでは全ての状態監視フラグ変数ASj の値が“0”となっているため、ステップS5、S6を経てステップS10に移行して、YMR制御フラグ変数FYMR の値を“0”にセットする。
【0048】
この非制動状態の定速走行状態から時刻t0 で例えばステアリングホイールを左切りしてレーンチェンジを開始すると同時に、ブレーキペダル4を踏み込んで車両を制動状態にすると、発明が解決しようとする課題で述べたように、前輪側では大きな荷重移動が生じるのに対して、後輪側ではさほどの荷重移動が生じない。このため、時刻t0 でブレーキペダル4を踏み込むことによって、マスタシリンダ5のマスタシリンダ圧が急激に増加を開始し、この状態では、図5および図6の処理を実行したときに、前回までの処理時に状態監視フラグ変数ASj および減圧タイマ変数Lj の値が共に“0”にセットされており、さらに、スリップ率Sj もほぼ“0”であるため、ステップS70からステップS72を経てステップS74に移行して、ブレーキスイッチ信号がオン状態となって、制御終了条件を満足しないため、ステップS80に移行する。このとき、減圧タイマ変数Lj の値が“0”であるためステップS84に移行して、車輪加減速度Vwj ′が負の小さいであるためステップS86を経てステップS90に移行して、状態監視フラグ変数ASj の値が“0”であるためステップS78に移行して、アクチュエータjを急増圧モードに維持する。
【0049】
そうすると、左右前輪のホイールシリンダ2FL,2FRのシリンダ圧が急激に増加することにより、荷重移動量が少ない左前輪の車輪速度VwFLは、図7(a)の実線で示すように、比較的急激に減少するが、それに対して荷重移動量が大きい右前輪の車輪速度VwFRは、図7(a)の二点鎖線で示すように、左前輪の車輪速度VwFLよりも緩やかに減少する。また、後輪側の車輪速度については、図示しないが駆動輪であって荷重移動量が極めて小さいため、右前輪よりもさらに遅れて減少する。したがって、レーンチェンジ状態にあっては、図4の処理を実行するときに、まず、左前輪のアクチュエータ6FLに対するアンチロックブレーキ制御が制動制御に入って、次に右前輪、最後に後輪側の順で制動制御に入り、後輪側のアクチュエータ6Rに対するアンチロックブレーキ制御が制動制御に入るまでの間は、ステップS8からステップS10へ移行して、YMR制御フラグ変数FYMR の値を“0”にセットする。
【0050】
一方、時刻t0 で車両を制動状態にすると、推定車体速度Vx に対してセレクトハイ車輪速度VwH が減少するため、不感帯検出回路17hが出力する信号C2 が高レベルに反転する。次いで、オフディレータイマ17jの設定時間T3 が経過した時刻t1 で、出力補正回路17eが出力する加減速度補正値XGCを積分入力電圧Eとして積分回路17fに出力するため、その積分出力Ve は、加減速度補正値XGCに応じて負方向に増加する。これを加算回路17gに出力するため、推定車体速度Vx は、図7(a)の点線で示すように徐々に減少する。
【0051】
その後、時刻t9 で推定車体速度Vx がセレクトハイ車輪速度VwH とほぼ等しくなると、不感帯検出回路17hが出力する信号C2 が低レベルに反転し、これに応じてリセット回路17iは、リセット信号SR を出力し積分回路17fをリセットするとともに、サンプルホールド回路17aでそのときのセレクトハイ車輪速度VwH を保持する。そして、オフディレータイマ17jの設定時間T3 が経過した時刻t10で出力補正回路20が出力する加減速度補正値XGCを積分回路17fで積分開始することにより、次第に推定車体速度Vx が減少する。この推定車体速度Vx の減少につれてそれがセレクトハイ車輪速度VwH とほぼ等しくなる時刻t19でサンプルホールド回路17aは、そのときのセレクトハイ車輪速度VwH を保持する。次いで、オフディレータイマ17jの設定時間T3 が経過した時刻t20でVwH ≦Vx −1km/hとなるため、不感帯検出回路17hが出力する信号C2 が高レベルに反転する。このときすでに、後述するように制動圧制御回路18が制動制御に入っているため、液圧制御信号MRが論理値“1”となって選択回路17kは、+10gに対応する積分入力電圧Eを選択し、これを積分回路17fにする。したがって、推定車体速度Vx がセレクトハイ車輪速度VwH と等しくなる時刻t21までの間は、推定車体速度Vx は、+10gに応じた速度で急激に増加する。
【0052】
さて、時刻t0 より左右前輪のホイールシリンダ2FL,2FRの内圧が共に増加していき、時刻t2 において車輪加減速度VwFL′が減速度閾値−α2 以下となると、図5の処理を実行したときに、このときはまだYMR制御フラグ変数FYMR の値は“0”であるため、ステップS46からステップS68、ステップS68からステップS74、ステップS80からステップS86を経てステップS88に移行して、アクチュエータ6FLをホイールシリンダ2FLの内圧を一定値に保持する高圧保持モードに設定する。これによって、左前輪のホイールシリンダ2FLのシリンダ圧は、図7(c)の実線で示すように高圧側で保持状態となる。
【0053】
その後、時刻t3 において左前輪のスリップ率SFLが目標スリップ率S0 以下に、すなわち車輪速度VwFLが推定車体速度Vx に(1−S0 )を乗算して算出した(例えば0.85Vx )図7(a)の破線で示す目標車輪速度Vw0 以下となると、図5の処理を実行したときに、ステップS70からステップS98に移行する。このとき、車輪加減速度VwFL′が加速度閾値+α1 未満であるため、ステップS102に移行し、状態監視フラグ変数ASFLの値を“1”に(同時に液圧制御信号MRFLの値も論理値“1”に)、減圧タイマ変数LFLの値を所定値L0 にセットする。したがって、ステップS80に移行したときにLFL>0となるため、ステップS82に移行して、アクチュエータ6FLをホイールシリンダ2FLの内圧を減圧する減圧モードに設定する。これによって、左前輪のホイールシリンダ2FLのシリンダ圧は、図7(c)の実線で示すように急激に減少する。
【0054】
しかし一方、ステップS5〜S8の判定によると、時刻t3 〜t4 の区間では左前輪のアクチュエータ6FLに対するアンチロックブレーキ制御のみが制動制御に入っているため、この状態ではステップS5、S7、S8を経てステップS10に移行し、左右前輪に対してYMR制御をキャンセルするようにYMR制御フラグ変数FYMR の値を“0”にセットする。そうすると、これは左右前輪のアクチュエータ6FL,6FRを独立制御することになるため、時刻t4 において車輪加減速度VwFR′が減速度閾値−α2 以下となって始めて、図5の処理を実行したときに、ステップS46からステップS68、ステップS68からステップS74、ステップS80からステップS86を経てステップS88に移行して、アクチュエータ6FRをホイールシリンダ2FRの内圧を一定値に保持する高圧保持モードに設定する。これによって、右前輪のホイールシリンダ2FRのシリンダ圧は、図7(c)の二点鎖線で示すように高圧側で保持状態となる。
【0055】
右前輪が高圧側で保持状態となってからは、時刻t5 においてその車輪スリップ率SFRが目標スリップ率S0 以下となって、図5の処理を実行したときに、ステップS70からステップS98に移行する。このとき、車輪加減速度VwFR′が加速度閾値+α1 未満であるため、ステップS102に移行し、状態監視フラグ変数ASFRの値を“1”に(同時に液圧制御信号MRFRの値も論理値“1”に)、減圧タイマ変数LFRの値を所定値L0 にセットする。したがって、ステップS80に移行したときにLFR>0となるため、ステップS82に移行して、アクチュエータ6FRをホイールシリンダ2FRの内圧を減圧する減圧モードに設定する。これによって、右前輪のホイールシリンダ2FRのシリンダ圧は、図7(c)の二点鎖線で示すように急激に減少する。
【0056】
他方、時刻t6 において車輪加減速度VwFL′が加速度閾値α1 以上になると、図5の処理を実行したときに、ステップS84、S94を経てステップS96に移行して、アクチュエータ6FLをホイールシリンダ2FLの圧力を低圧側でその直前の値に保持する低圧保持モードに設定する。これによって、左前輪のホイールシリンダ2FLのシリンダ圧は、図7(c)の実線で示すように低圧側で保持状態となる。
【0057】
左前輪が低圧側で保持状態となってからは、時刻t7 において車輪加減速度VwFL′が加速度閾値+α1 以下となると、図5の処理を実行したときに、ステップS84、S86、S90を経てステップS92に移行して、アクチュエータ6FLをホイールシリンダ2FLの圧力を緩増圧する緩増圧モードに設定する。これによって、左前輪のホイールシリンダ2FLのシリンダ圧は、図7(c)の実線で示すように緩やかに増加する。
【0058】
その後は同様にして、左前輪にあっては、時刻t12において車輪加減速度VwFL′が減速度閾値−α2 以下となったときは高圧保持モードに、時刻t13において車輪加減速度VwFL′が減速度閾値−α2 以上に回復したときは減圧モードに、時刻t16において車輪加減速度VwFL′が加速度閾値+α1 以上になったときは低圧保持モードに、時刻t17において車輪加減速度VwFL′が加速度閾値+α1 以下に回復したときは緩増圧モードに、それぞれアクチュエータ6FLを設定する。また、右前輪にあっては、時刻t8 において車輪加減速度VwFR′が加速度閾値+α1 以上になったときは低圧保持モードに、時刻t11において車輪加減速度VwFR′が加速度閾値+α1 以下に回復したときは緩増圧モードに、時刻t14において車輪加減速度VwFR′が減速度閾値−α2 以下となったときは高圧保持モードに、時刻t15において車輪加減速度VwFR′が減速度閾値−α2 以上に回復したときは減圧モードに、時刻t18において車輪加減速度VwFR′が加速度閾値+α1 以上になったときは低圧保持モードに、それぞれアクチュエータ6FRを設定する。
【0059】
そうして、この状態がしばらく続いて後、ステアリングホイールを右切りして目的のレーンに変更しようとするときは、依然ブレーキペダル4は踏み込まれ、各状態監視フラグ変数ASj の値が“1”の状態を維持するため、ステップS5、S7を経てステップS10に移行して、YMR制御フラグ変数FYMR の値が“0”にセットされるため、旋回方向を左から右に変更することによってYMR制御を開始してしまうことはない。
【0060】
したがって、一連のレーンチェンジをするにあたって、YMR制御を開始してしまうことはない。また、上記の場合とは逆に右切りから始めて左切りに変更するレーンチェンジについても上記と同様の動作を実現できる。
【0061】
以上は、前記車両がレーンチェンジ状態にある場合におけるこの発明の動作であるが、これは、前述したように前記車両がレーンチェンジ状態に入ると、前後輪で荷重移動量の大きな差異が生じることや駆動輪が後輪側であることの特性を利用し、その状態を検出して、YMR制御を、すなわち右前輪(旋回外側前輪)の制動初期段階に入る緩増圧モードをキャンセルすることができ、左右前輪のアクチュエータ6FL,6FRを独立制御することができるため、旋回外側前輪の制動力を十分に確保することができる。
【0062】
ちなみに、従来例のように車両におけるアンチロックブレーキ制御装置として、ステップS5からS10までのような判定処理が省略されている場合には、例えば左右前輪のスリップ率に大きな差異が発生したときや、左前輪の車輪加減速度VwFL′が減速度閾値−α2 を越えてから所定時間内に右前輪の車輪加減速度VwFR′が同様の閾値を越えなかったときなどを検出するスプリット路検出処理が別途に付加されている。したがって、その検出処理が前述の理由によって、前記車両のレーンチェンジ状態をスプリット路を走行しているものと判断してしまい、時刻t3 において左前輪のアクチュエータ6FLに対するアンチロックブレーキ制御が制動制御に入ると同時に、右前輪においてYMR制御を開始してしまい、図7(c)の一点鎖線で示すように、急増圧モードを中断して緩増圧モードに制動制御を切り換えてしまう。
【0063】
そうするとその後は、時刻t7 付近において車輪加減速度Vwfr′(本発明のものと区別するために添字に小文字を用いる)が減速度閾値−α2 以下となったときは高圧保持モードに、時刻t8 において車輪加減速度Vwfr′が減速度閾値−α2 以上に回復したときは減圧モードに、時刻t11付近において車輪加減速度Vwfr′が加速度閾値+α1 以上になったときは低圧保持モードに、時刻t12付近において車輪加減速度Vwfr′が加速度閾値+α1 以下に回復したときは緩増圧モードに、時刻t16付近において車輪加減速度Vwfr′が減速度閾値−α2 以下となったときは高圧保持モードに、時刻t17付近において車輪加減速度Vwfr′が減速度閾値−α2 以上に回復したときは減圧モードに、それぞれアクチュエータ6FRを設定する。
【0064】
このようにして、レーンチェンジ時にYMR制御をキャンセルするか否かでは、図7(c)の二点鎖線と一点鎖線とで示す右前輪の液圧変遷を比較してみると、YMR制御を行う場合よりも、それを行わない場合のほうが制動初期段階における制動力を、図7(c)のハッチングされた領域で示すように、より多く確保することができる。
【0065】
さて一方、前記車両がスプリット路を直進走行する場合における制動圧制御回路18の動作を説明する。ここで、前記車両は、左側が低摩擦係数路、右側が高摩擦係数路であるスプリット路を直進走行しているものとする。なお、説明を簡略化するため、レーンチェンジの説明で用いた図7のタイムチャートを参照しながらその説明をする。
【0066】
まず、各車輪1FL〜1RRでは、車両が旋回時ではないため、いずれにも荷重移動が生じない。すると、定速走行状態から時刻t0 でブレーキペダル4を踏み込んで車両を制動状態にすると、左前輪は、低摩擦係数路であるからその車輪速度VwFLは、図9(a)の実線で示すように、比較的急激に減少するが、それに対して右前輪は、高摩擦係数路面であるからその車輪速度VwFRは、図9(a)の一点鎖線で示すように、右前輪のそれよりも緩やかに減少する。ここまでは、レーンチェンジ状態とほぼ同じ傾向を示すが、前述のように各車輪1FL〜1RRには荷重移動が生じていないため、左右後輪の車輪速度VwRL,VwRRのうち小さいほうの値を選択する車輪速度VwR は、図9(a)の実線で示すように、左前輪の車輪速度VwFLとほぼ等しい変遷をする。そうすると、この場合は各車輪のアクチュエータ6FL〜6Rに対するアンチロックブレーキ制御が制動状態に入る順序がレーンチェンジ状態とは異なり、まず、左前輪に、次いで後輪側に、最後に右前輪にの順序となる。したがって、後輪側のアクチュエータ6Rのアンチロックブレーキ制御が制動制御に入ってから、右前輪のアクチュエータ6FRのアンチロックブレーキ制御が制動制御に入るまでの間は、ステップS8からステップS9へ移行して、YMR制御フラグ変数FYMR の値を“1”にセットする。
【0067】
これを踏まえると、時刻t0 より各車輪のホイールシリンダ2FL〜2RRの内圧が増加を開始し、時刻t2 において車輪加減速度VwFL′が減速度閾値−α2 以下となると、アクチュエータ6FLをホイールシリンダ2FLの内圧を一定値に保持する高圧保持モードに設定し、その後、時刻t3 において左前輪のスリップ率SFLが目標スリップ率S0 以下となると、状態監視フラグ変数ASFLの値を“1”に、減圧タイマ変数LFLの値を所定値L0 にセットする。そして、アクチュエータ6FLをホイールシリンダ2FLの内圧を減圧する減圧モードに設定する。
【0068】
また、これとほぼ同時(時刻t3 )に、後輪側のアクチュエータ6Rに対するアンチロックブレーキ処理においても、状態監視フラグ変数ASR の値を“1”に、減圧タイマ変数LR の値を所定値L0 にセットし、そして、アクチュエータ6Rをホイールシリンダ2RL,2RRの内圧を共に減圧する減圧モードに設定する。そうすると、左前輪、後輪側の状態監視フラグ変数ASFL,ASR の値が共に“1”となるため、ステップS5、S7、S8を経てステップS9に移行して、YMR制御フラグ変数FYMR の値を“1”にセットする。
【0069】
一方時刻t2 以降、右前輪のホイールシリンダ2FRの内圧は、依然急激に増加する傾向にあるが、時刻t3 においてYMR制御フラグ変数FYMR の値が“1”にセットされると、右前輪のアクチュエータ6FRのアンチロックブレーキ制御処理は、ステップS46、S56を経てステップS58に移行して、状態監視フラグ変数ASFRの値を“1”に、減圧タイマ変数LFRの値を“0”にセットし、その後、ステップS68からS74、ステップS80、S84、S86、S90を経てステップS92に移行して、右前輪のアクチュエータ6FRをホイールシリンダ2FRの圧力を緩増圧する緩増圧モードに設定する。このように、一旦制動初期段階において緩増圧モードを設定すると、それ以降は状態監視フラグ変数ASFRの値が“1”となっているため、ステップS56の判定によってステップS68に移行する。したがって、制動初期段階にのみ緩増圧モードを設定した後は、右前輪のアクチュエータ6FRのアンチロックブレーキ制御を独立制御することになる。
【0070】
以後、右前輪のアクチュエータ6FRについては、図7(c)の一点鎖線で示すように、前述した従来における旋回時にYMR制御がかかってしまう場合の液圧曲線の時刻t7 以降に同様であり、左前輪のアクチュエータ6FLについては、図7(c)の実線で示すように、前述した本発明における旋回内側前輪の液圧曲線の時刻t5 以降に同様であり、後輪のアクチュエータ6Rについては、図7(c)の二点鎖線で示すように、前述した本発明における旋回外側前輪の液圧曲線の時刻t4 以降に同様である。
【0071】
このようして、前記車両がスプリット路を走行する場合において制動初期に高摩擦係数路側のブレーキ圧を緩やかに増加することによって、左右前輪の制動力差の発生を抑え、車両に発生するヨーモーメントを、図7(c)のハッチングされた領域で示すように、減少することができる。したがって、操舵性や、走行安定性の低下を軽減することができる。
【0072】
一方、制動圧制御回路18では、例えば左前輪のアクチュエータ6FLについて説明すると、図7の実線で示すように、時刻t0 で制動を開始してから車輪加減速度VwFL′が減速度方向に増加して、減速度閾値−α2 を越える時刻t2 で高圧側の保持モードを設定し、その後、車輪スリップ率SFLが目標スリップ率S0 を越えた時点t3 で減圧モードを設定し、車輪速度VwFLが回復して車輪加減速度VwFL′が加速度閾値+α1 を越える時点t6 で低圧側の保持モードを設定し、さらに車輪加減速度VwFL′が加速度閾値+α1 未満となる時点t7 で緩増圧モードを設定し、車輪加減速度VwFL′が減速度閾値−α2 を越える時点t12で高圧側の保持モードを設定し、車輪スリップ率SFLが再び目標スリップ率S0 を越える時点t13で減圧モードを設定し、これらのモードが制動状態を解除するかまたは推定車体速度Vx が所定値以下の極低速度状態となるまで繰り返されて、正確なアンチロックブレーキ効果が発揮される。
【0073】
なお、この実施の形態においては車両がレーンチェンジする場合について説明したが、これに限らず、例えば右旋回からさらに右旋回する状態、その逆の状態、または左右交互の旋回走行を含めこれらの状態を連続的に繰り返す状態についても前記実施の形態と同様の動作を実現することができる。
【0074】
また、前記実施の形態においては、推定車体速度演算回路17を電子回路で構成した場合について説明したが、これに限定するものではなく、マイクロコンピュータを使用して演算処理するように構成してもよく、また逆に、制動圧制御回路18としてマイクロコンピュータを適用した場合について説明したが、これに限定するものではなく、比較回路、演算回路、論理回路等の電子回路を組み合わせて構成してもよい。
【0075】
さらに、この実施の形態においては、4センサ3チャンネル方式のアンチロックブレーキ制御装置にこの発明を適用した場合について説明したが、これに限定するものではなく、各車輪にそれぞれ車輪速度センサおよびアクチュエータを設ける4センサ4チャンネル方式のアンチロックブレーキ制御装置にこの発明を適用できることはいうにおよばず、後輪側はプロペラシャフトに車輪速度センサを設けて、左右後輪の平均車輪速度をとる3センサ3チャンネル方式のアンチロックブレーキ制御装置や、その他の方式のアンチロックブレーキ制御装置にもこの発明を適用することができる。ただし、4センサ4チャンネル方式のアンチロックブレーキ制御装置に適用する場合、図4におけるステップS5からステップS8までの処理を、右側の前後車輪または左側の前後車輪のいずれかのアクチュエータに対するアンチロックブレーキ制御が共に制動状態に入ったときのみ、その状態をスプリット路を走行しているものと判断して、YMR制御をすることを許容するように構成するものであってもよい。
【0076】
さらに、前記実施の形態においては、車輪速度選択値としてセレクトハイ車輪速度VwH を選択するようにした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えばアンチロックブレーキ制御中はセレクトハイ車輪速度VwH を選択し、それ以外の走行中は最も高い車輪速度VwH の次に高いセレクトセカンド車輪速度を選択する車両であっては、セレクトロー車輪速度はもとより、3番目に高いセレクトサード車輪速度を選択するようにしてもよい。
【0077】
さらに、前記実施の形態ではドラム式ブレーキについて適用した場合を示したが、これはディスク式ブレーキについても同様に適用可能である。
さらに、前記実施の形態ではホイールシリンダを油圧で制御する場合について説明したが、これに限らず他の液体または空気等の気体を適用できることはいうにおよばない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1に適用するアクチュエータの一例を示す概略構成図である。
【図3】図1に適用する推定車体速度演算回路の一例を示すブロック図である。
【図4】制動圧制御回路のマイクロコンピュータで実行する制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】前輪側アンチロックブレーキ制御処理を示すフローチャートである。
【図6】後輪側アンチロックブレーキ制御処理を示すフローチャートである。
【図7】レーンチェンジ時におけるアンチロックブレーキ制御の制動動作の説明に供するタイムチャートである。
【符号の説明】
1FL,1FR 前輪
1RL,1RR 後輪
2FL〜2RR ホイールシリンダ
3FL〜3RR 車輪速度センサ
4 ブレーキペダル
5 マスタシリンダ
6FL〜6R アクチュエータ
CR コントローラ
15FL〜15RR 車輪速度演算回路
17 推定車体速度演算回路
18 制動圧制御回路
25 マイクロコンピュータ
Claims (3)
- 各車輪に配設された制動用シリンダの作動流体圧を指令信号に応じて個別に増減圧調整するアクチュエータと、各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度検出値に基づいて前記アクチュエータに対し指令信号を出力することによってその作動を制御する制動力制御手段と、少なくとも前輪側の制動力制御手段での制動制御時に左右で摩擦係数が異なる路面における高摩擦係数路面側の制動力を抑制する制動力抑制手段とを備え、前輪側のロール剛性を後輪側に比較して高く設定した車両に搭載するアンチロックブレーキ制御装置において、
車両のレーンチェンジ状態を検出するレーンチェンジ検出手段と、該レーンチェンジ検出手段でレーンチェンジ状態を検出したときに前記制動力抑制手段の作動を禁止する作動禁止手段とを備え、
前記レーンチェンジ検出手段は、前輪側の制動力制御手段の一方のみが制動制御を開始し、かつ、後輪側の制動力制御手段が制動制御を開始していないときにレーンチェンジ状態と判断するように構成されたことを特徴とするアンチロックブレーキ制御装置。 - 各車輪に配設された制動用シリンダの作動流体圧を指令信号に応じて個別に増減圧調整するアクチュエータと、各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度検出値に基づいて前記アクチュエータに対し指令信号を出力することによってその作動を制御する制動力制御手段と、少なくとも前輪側の制動力制御手段での制動制御時に左右で摩擦係数が異なる路面における高摩擦係数路面側の制動力を抑制する制動力抑制手段とを備え、前輪側のロール剛性を後輪側に比較して高く設定した車両に搭載するアンチロックブレーキ制御装置において、
前輪側の制動力制御手段の一方のみが制動制御を開始し、かつ、後輪側の制動力制御手段が制動制御を開始していないときに、前記制動力抑制手段の作動を禁止する作動禁止手段とを備えていることを特徴とするアンチロックブレーキ制御装置。 - 各車輪に配設された制動用シリンダの作動流体圧を指令信号に応じて個別に増減圧調整するアクチュエータと、各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度検出値に基づいて前記アクチュエータに対し指令信号を出力することによってその作動を制御する制動力制御手段と、少なくとも前輪側の制動力制御手段での制動制御時に左右で摩擦係数が異なる路面における高摩擦係数路面側の制動力を抑制する制動力抑制手段とを備え、前輪側のロール剛性を後輪側に比較して高く設定した車両に搭載するアンチロックブレーキ制御装置において、
前輪側の制動力制御手段の一方のみが制動制御を開始し、かつ、後輪側の制動力制御手段で制動制御を開始しているときにのみ、前記制動力抑制手段の作動を許容する作動許容手段とを備えていることを特徴とするアンチロックブレーキ制御装置。
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