JP3725995B2 - 光送受信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、1本の光ファイバを共有して送受信を行う光送受信モジュール及びそれを用いた1芯双方向光送受信システムに関するものである。特に、IEEE1394やUSB2などの高速伝送が可能なデジタル通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような光送受信システムの従来例としては、同出願人が先に提案した特願平11−5872号(平成11年1月12日出願)に記載の光送受信システムがある。
【0003】
該光送受信システムは、既に普及しているデジタルオーディオ用光ファイバケーブルが使用可能で、かつ1本の光ファイバケーブルで双方向通信を可能とするものである。
【0004】
以下、従来の光送受信システムを、図面とともに説明する。
【0005】
図9は従来の光送受信システムの構造図であり、(a)は横断面図であり、(b)は縦断面図である。図10は図9に示す光送受信システムにおける光送受信モジュールの正面図である。図11は従来の光送受信システムの光学的動作を説明するための図であり、(a)は横断面図であり、(b)は(a)のA部拡大図である。
【0006】
従来の光送受信システムは、光ファイバケーブル11と光送受信モジュール21とを備えてなる。
【0007】
前記光ファイバケーブル11は、内部に光路となる光ファイバ12が配設され、端部にプラグ13が設けられてなる。
【0008】
また、前記光送受信モジュール21は、挿入孔22aが形成された保持体22内に、電気信号を光信号に変換する発光素子23と、光信号を電気信号に変換する受光素子24と、前記発光素子23及び受光素子24を封止するモールドパッケージ25と、該モールドパッケージ25に一体成形されたレンズ25a,25bと、光分岐素子26とを備えてなる。
【0009】
そして、上記光送受信モジュール21の挿入孔22a内に、上記光ファイバケーブル11のプラグ13を挿入することで、上記光ファイバケーブル11と光送受信モジュール21とが光学的に結合する。
【0010】
つまり、発光素子23を出射した送信信号光は、モールドパッケージ25に一体成形されたレンズ25aを透過し、略平行光線とされた後、光分岐素子26の裏面に形成されたレンズ26aにより収束光線とされ、続いて光分岐素子26の表面に形成されたマイクロプリズム26bにより光ファイバ12の光軸方向に偏向され、光ファイバ12へ入射する。
【0011】
一方、光ファイバ12を出射した受信信号光は、光分岐素子26の表面に形成されたマイクロプリズム26bにより偏向され、続いて光分岐素子26の裏面に形成されたレンズ26aにより平行光線とされた後、モールドパッケージ25に一体成形されたレンズ25bを透過し、略集光光線とされ受光素子24へ入射する。
【0012】
また、間接的に関係する従来例として、実用新案登録公報第2585665号公報にて開示された光通信システムがある。
【0013】
図12は、該光通信システムの分離平面図である。
【0014】
該光通信システムは、側面に突出する挿入方向規定キー31と光ファイバ32とを有するプラグ(光ファイバケーブル)33と、結合時に該挿入方向規定キー31が嵌合する位置決め溝34を有するアダプタ(光通信モジュール)35とを備え、前記位置決め溝34に所定状態に嵌合した上記挿入方向規定キー31を検出する検出器36を設けたもので、該構成によりアダプタ35からプラグ33が抜けたことが前記検出器36より検知でき、その場合はレーザー光源の動作を停止し、レーザー光線を空間に飛ばす問題を解決でき、ユーザーの目を傷つけることを防止するものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の光送受信システムは、以下の問題を有する。
【0016】
(1)光ファイバ12の端面を垂直にカットし、無反射処理を施していない光ファイバケーブル11を用いると、光ファイバ12の両端面からの自身の自送信信号光の反射光が自身の受光素子24に入射し、クロストークが大きくなり、全二重通信方式が採れなくなる。特に、光ファイバ11の遠い側端面の反射(遠端反射)は防ぎようがないため、半二重通信方式を採っているが伝送速度が半分になる問題が生じる。
【0017】
(2)上記(1)の問題を解決するには、光ファイバ12の端面を斜めカットした光ファイバケーブル,光ファイバ12の端面に反射防止膜を施した光ファイバケーブル,光ファイバ12の長さが非常に長い光ファイバケーブルを用いれば良い。ところが、光ファイバ12の端面を垂直にカットした光ファイバケーブルは既に市販されユーザーが保有しているため、光ファイバ12の端面を斜めカットした光ファイバケーブル,光ファイバ12の端面に反射防止膜を施した光ファイバケーブル,光ファイバ12の長さが非常に長い光ファイバケーブルのみ使用できるシステムにすると、ユーザー資産の切り捨てにつながる問題が生じる。
【0018】
(3)また、光ファイバ12の端面を斜めカットした光ファイバケーブル,光ファイバ12の端面に反射防止膜を施した光ファイバケーブル,光ファイバ12の長さが非常に長い光ファイバケーブルを市場に出すと、逆にデジタルオーディオシステムが成立しない問題が生じる。具体的には、これらの光ファイバケーブルでは光量過多又は光量不足により通信不可能な問題が生じる。
【0019】
本発明は、上記課題に鑑み、使用する光ファイバに応じた通信方式に選択切替え可能な光送受信モジュール及びそれを用いた光送受信システムの提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1発明にかかる光送受信システムは、
1本の光ファイバで半二重通信方式による通信が可能な第1の光ファイバケーブルであって、挿入孔に挿入され前記半二重通信を行う場合にこの第1の光ファイバケーブルから受光素子に入射する第1の受信信号光量が、発光素子からの送信信号光の前記第1の光ファイバケーブルでの反射光が前記受光素子に入射する反射光量よりも少ない第1の光ファイバケーブルと、
1本の光ファイバで全二重通信方式による通信が可能な第2の光ファイバケーブルであって、前記挿入孔に挿入され前記全二重通信を行う場合にこの第2の光ファイバケーブルから前記受光素子に入射する第2の受信信号光量が、前記発光素子からの送信信号光の前記第2の光ファイバケーブルでの反射光が前記受光素子に入射する反射光量以上である第2の光ファイバケーブルと、
前記第1の光ファイバケーブルまたは第2の光ファイバケーブルが挿入される前記挿入孔を有する光送受信モジュールと
を備える光送受信システムであって、
上記第1、第2の光ファイバケーブルは、それぞれ、上記挿入孔に挿入されるプラグを有し、
前記第1、第2の光ファイバケーブルのうちの前記第2の光ファイバケーブルのみが上記プラグに設けられた誤挿入防止キーを有し、
前記光送受信モジュールは、
前記発光素子と受光素子とを含むとともに前記光ファイバケーブルとの間で光授受を行う光送受信部と、
前記光送受信部を半二重通信方式で制御する半二重通信制御部と、
前記光送受信部を全二重通信方式で制御する全二重通信制御部と、
前記挿入孔に挿入された光ファイバケーブルが前記誤挿入防止キーを有しているか否かを検出するスイッチと、
前記挿入された光ファイバケーブルが前記誤挿入防止キーを有していることを前記スイッチが検出したときに、前記光送受信部を前記全二重通信制御部に電気的に接続すると共に前記光送受信部を前記半二重通信制御部に電気的に非接続にする一方、前記挿入された光ファイバケーブルが前記誤挿入防止キーを有していないことを前記スイッチが検出したときに、前記光送受信部を前記半二重通信制御部に電気的に接続すると共に前記光送受信部を前記全二重通信制御部に電気的に非接続にする切替部とを備え、
長さの異なる複数本の前記第2の光ファイバケーブルを備え、
この複数本の第2の光ファイバケーブルは、それぞれ、長さに応じて段階的に増減した個数の前記誤挿入防止キーを有し、
前記挿入孔に挿入された前記第2の光ファイバケーブルが有する前記誤挿入防止キーの個数に応じて上記発光素子の駆動電流を段階的に増減させることを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明の第2発明にかかる光送受信システムは、第1発明にかかる光送受信システムにおいて、前記第2の光ファイバケーブルの長さが前記第1の光ファイバケーブルの長さよりも長く、前記第2の光ファイバケーブルの端面が無反射処理されていないことを特徴とするものである。
【0022】
加えて、本発明の第3発明にかかる光送受信システムは、請求項1に記載の光送受信システムにおいて、前記第2の光ファイバーケーブルは、斜めにカットされた端面を有するか、または、上記端面に反射防止膜が形成されていることを特徴とするものである。
【0023】
加えて、本発明の第4発明にかかる光送受信システムは、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の光送受信システムにおいて、前記誤挿入防止キーは、前記挿入孔に挿入される上記光ファイバーケーブルのプラグに形成された突起からなることを特徴とするものである。
【0024】
上記構成の本発明の第1発明にかかる光送受信システムは、光送受信部を半二重通信方式で制御する半二重通信制御部と、光送受信部を全二重通信方式で制御する全二重通信制御部と、光送受信部を制御する通信方式を前記半二重通信方式と全二重通信方式とのいずれか一方に選択的に切替える切替部とを備えたので、使用する光ファイバに応じた通信方式を選択することができる。よって、例えば、光ファイバの端面に無反射処理の施されていない既にユーザーが保有している光ファイバケーブルに対して半二重通信方式を採ることができるとともに、光ファイバ長の長い光ファイバケーブルや光ファイバの端面に無反射処理が施された光ファイバケーブルに対して全二重通信方式を採ることができる。
【0025】
また、一実施形態にかかる光送受信システムは、前記切替部が、前記光ファイバの長さが短いとき半二重通信方式を選択し、前記光ファイバの長さが長いとき全二重通信方式を選択するので、長さの短い光ファイバ使用時に光ファイバの遠端反射光の影響により通信不可能な状態となることを防止できるとともに、長さの長い光ファイバ使用時には前記遠端反射光の影響がないため伝送速度を向上できる。
【0026】
さらに、一実施形態にかかる光送受信システムは、前記光ファイバの長さが短いとき前記光送受信部の発光素子の駆動電流を小さくし、前記光ファイバの長さが長いとき前記発光素子の駆動電流を大きくするので、光ファイバの長さが短いときの消費電力の削減が可能となる。
【0027】
加えて、一実施形態にかかる光送受信システムは、使用する光ファイバに応じて最適な通信方式を自動的に判別することができる。
【0028】
加えて、一実施形態にかかる光送受信システムは、該突起が例えばデジタルオーディオシステムにて用いられる他の光送受信モジュールに対して誤挿入防止手段となり、長さの長い光ファイバ,端面に無反射処理された光ファイバが他の光送受信モジュールに接続され、他の光送受信モジュールが光量過多又は光量不足により通信不可能となることを防止できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態にかかる光送受信モジュール及びそれを用いた光送受信システムについて、図面とともに説明する。
【0030】
なお、本実施の形態にかかる光送受信モジュールは、従来の光送受信システムにおいて、更に以下の構成を追加するものであり、追加する構成のみ説明し従来と同一の構成部分についてはその説明を省略する。
【0031】
図1は本発明の実施の形態にかかる光送受信システムの第1の状態を示す構造図であり、(a)は横断面図であり、(b)は縦断面図である。図2は本発明の実施の形態にかかる光送受信システムに用いられる光送受信モジュールの第1の状態を示すブロック図である。図3は本発明の実施の形態にかかる光送受信システムの第2の状態を示す構造図であり、(a)は横断面図であり、(b)は縦断面図である。図4は本発明の実施の形態にかかる光送受信システムに用いられる光送受信モジュールの第2の状態を示すブロック図である。図5は本発明の実施の形態にかかる光送受信システムに用いられる光送受信モジュールの正面図である。
【0032】
図1において、14は光ファイバケーブル11のプラグ13表面に設けられた突起からなる誤挿入防止キー、22bは光送受信モジュール21のコネクタとなる挿入孔22a内に設けられプラグ13の挿入孔22aへの挿入時に前記誤挿入防止キー14が挿入される溝、27は前記誤挿入防止キー14の有無を検出する検出手段となるスイッチである。該スイッチ27は、固定端子27aと、該固定端子27aと非接触の状態で配設され誤挿入防止キー14による押圧により前記固定端子27aと接触する可動端子27bとからなり、非接触で誤挿入防止キー14無,接触で誤挿入防止キー14有を検出する。
【0033】
図2において、1は発光素子及び受光素子を備えた光送受信部、2は切替部である切替器、3は前記光送受信部1を半二重通信方式で制御する半二重通信制御部である半二重通信回路、4は前記光送受信部1を全二重通信方式で制御する全二重通信制御部である全二重通信回路、5は外部接続端子であり、前記切替器2は前記光送受信部1を制御する通信方式を前記半二重通信方式と全二重通信方式とのいずれか一方に選択的に切替えるものである。
【0034】
まず、全二重通信方式が成立する条件を説明する。
【0035】
全二重通信方式とは、電話と同様に送信しながら受信できる方式であり、相手からの受信信号光≧自身の送信信号光の反射光が成立するならば、全二重通信方式による通信が可能である。
【0036】
光送受信システムにおいて、自身の発光素子23からの送信信号光の反射光が自身の受光素子24へ入射する入射光量を光学シミュレーションにより解析した。その結果を表1及び表2に示す。図6は表1における反射部位を説明するための縦断面図である。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
光送受信モジュールの受信側であるモールドパッケージ25及び光分岐素子26の光学系と受光素子24とを含む受信装置の最小受信感度を一例として−21dBとすると、光分岐素子26により光量が半分(−3dB)になるため、製造ばらつきを考慮し受光素子24には最小で−25dBの受信信号光が入射するように設定される。
【0040】
よって、自身の送信信号光の反射光の総和が−25dB以下である場合は全二重通信方式による通信が可能となる。すなわち、表1及び表2から分かるように、光ファイバ(以下、「POF」と称す。)12端面からの反射光がなければ、全二重通信方式による通信が可能である。
【0041】
したがって、POF12端面を無反射処理する、具体的には斜めにカットし反射光を反らすか、POF12端面に酸化マグネシウム等による反射防止膜を付ければ、POF12端面からの反射光がなくなるため、全二重通信方式による通信が可能となる。
【0042】
また、表2ではPOF12の減衰を考慮していないので、それを考慮すると、POFの単位長さ当りの減衰量は−0.2dB/mであるため、往復で6m(光ファイバケーブル長で3m)の長さがあれば全二重通信方式による通信が可能なことが分かる。
【0043】
次に、全二重通信方式と半二重通信方式との切替え動作を説明する。
【0044】
全二重通信方式による通信が可能な光ファイバケーブル11には全てプラグ13表面に突起からなる誤挿入防止キー14を付けている。
【0045】
図1に示すように、誤挿入防止キー14付きのプラグ13が光送受信モジュール21の挿入孔22aに挿入されると、前記誤挿入防止キー14の有無を検出するスイッチ27が入る(ONする)。この場合、図2に示すように、切替器2にて光送受信部1と全二重通信回路3とが電気的接続され、光送受信部1からの出力が全二重通信回路3へ入力され、全二重通信方式による通信が行われる。
【0046】
これに対し、従来の光ファイバケーブル11には、プラグ13に誤挿入防止キー14が設けられていないので、図3に示すように、プラグ13が光送受信モジュール21の挿入孔22aに挿入されると、誤挿入防止キー14の有無を検出するスイッチ4が切り(OFF)のままとなる。この場合、図4に示すように、切替器2にて光送受信部1と半二重通信回路4とが電気的に接続され、光送受信部1からの出力が半二重通信回路4へ入力され、半二重通信方式による通信が行われる。
【0047】
図7に上記光送受信システムで使用可能な光ファイバケーブルの種類を示す。
【0048】
(a)は既に市販されている、例えばケーブル長が1mでPOF端面が無反射処理されていない光ファイバケーブルである。この光ファイバケーブルは、デジタルオーディオ光信号の伝送が一方向光通信で可能であり、IEEE1394光信号の伝送は半二重通信方式による双方向光通信が可能である。この場合、誤挿入防止キーを有していない。この他、既に市販されている他の光ファイバケーブルに対しても同様である。
【0049】
(b)はケーブル長が3m以上(例えば20m)で端面が無反射処理されていない光ファイバケーブルである。この光ファイバケーブルは、デジタルオーディオ光信号の伝送が光量不足により不可能であるが、IEEE1394光信号の伝送は全二重通信方式による双方向光通信が可能となる。よって、POF長が長いという長さ情報を示す情報手段である誤挿入防止キー14を有している。
【0050】
(c)はPOF端面が斜めカットされた光ファイバケーブルである。この光ファイバケーブルは、デジタルオーディオ光信号の伝送が光量不足により不可能であるが、IEEE1394光信号の伝送は全二重通信方式による双方向光通信が可能となる。よって、POF端面が無反射処理されているという情報を示す情報手段である誤挿入防止キー14を有している。
【0051】
(d)はPOF端面が反射防止処理された光ファイバケーブルである。この光ファイバケーブルは、デジタルオーディオ光信号の伝送が光量過多により特に短い光ファイバを用いた場合に不可能であるが、IEEE1394光信号の伝送は全二重通信方式による双方向光通信が可能となる。よって、POF端面が無反射処理されているという情報を示す情報手段である誤挿入防止キー14を有している。
【0052】
また、光ファイバケーブル11長が長い場合(言換えれば、POF12長が長い場合)は、プラグ13の誤挿入防止キー14を1つとし、POF12端面による無反射処理の場合はプラグ13の誤挿入防止キー14を2つにするなどにより区別できるように設定し、光ファイバケーブル11長が長い場合は発光素子23への電流を増やし、光ファイバケーブル11長が短い場合は発光素子23への電流を減らすようにすれば、消費電力が削減できる。
【0053】
さらに、光ファイバケーブル11長の長さに応じて誤挿入防止キー14の数を段階的に増減し、それに応じて発光素子23の駆動電流を段階的に増減すれば、より消費電力の削減が可能となる。
【0054】
図8は異なる数の誤挿入防止キーを設けた光ファイバケーブルの一例を示す斜視図である。(a)は誤挿入防止キー14が1つの場合であり、(b)は180度毎に誤挿入防止キー14が設けられた2つの場合であり、(c)は120度毎に誤挿入防止キー14が設けられた3つの場合である。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1発明にかかる光送受信システムによれば、例えば、既にユーザーが保有している端面に無反射処理が施されていない光ファイバに対しては半二重通信方式で通信可能とするとともに、長さの長い光ファイバや端面に無反射処理が施された光ファイバに対しては全二重通信方式で通信できる。したがって、使用する光ファイバに応じた通信方式に選択切替えでき、ユーザー資産の切り捨てを防止できるとともに、高速伝送を可能とする。さらに、本発明の光送受信システムによれば、長さの短い光ファイバ使用時の消費電力の削減が可能となる。
【0056】
また、本発明の第2発明にかかる光送受信システムによれば、長さの短い光ファイバ使用時に通信不可能な状態となることを防止できるとともに、長さの長い光ファイバ使用時には伝送速度を向上して高速伝送を可能とする。
【0057】
加えて、本発明の第2〜4の発明にかかる光送受信システムによれば、使用する光ファイバに応じた最適な通信方式に自動的に選択切替できる。
【0058】
加えて、本発明の一実施形態にかかる光送受信システムによれば、長さの長い光ファイバ,端面に無反射処理された光ファイバが例えばデジタルオーディオシステムにて用いられる他の光送受信モジュールに接続され、当該他の光送受信モジュールが光量過多又は光量不足により通信不可能となることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態にかかる光送受信システムの第1の状態を示す構造図である。
【図2】 本発明の実施の形態にかかる光送受信システムに用いられる光送受信モジュールの第1の状態を示すブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態にかかる光送受信システムの第2の状態を示す構造図である。
【図4】 本発明の実施の形態にかかる光送受信システムに用いられる光送受信モジュールの第2の状態を示すブロック図である。
【図5】 本発明の実施の形態にかかる光送受信システムに用いられる光送受信モジュールの正面図である。
【図6】 反射部位の説明図である。
【図7】 光ファイバケーブルの種類を説明するための図である。
【図8】 異なる数の誤挿入防止キーを設けた光ファイバケーブルを示す斜視図である。
【図9】 従来の光送受信システムの構造図である。
【図10】 従来の光送受信システムに用いられる光送受信モジュールの正面図である。
【図11】 従来の光送受信システムの光学的動作を説明するための図である。
【図12】 従来の光通信システムの分離平面図である。
【符号の説明】
1 光送受信部
2 切替器
3 全二重通信回路
4 半二重通信回路
11 光ファイバケーブル
12 光ファイバ
13 プラグ
14 誤挿入防止キー
21 光送受信モジュール
22a 挿入孔
23 発光素子
27 スイッチ
Claims (4)
- 1本の光ファイバで半二重通信方式による通信が可能な第1の光ファイバケーブルであって、挿入孔に挿入され前記半二重通信を行う場合にこの第1の光ファイバケーブルから受光素子に入射する第1の受信信号光量が、発光素子からの送信信号光の前記第1の光ファイバケーブルでの反射光が前記受光素子に入射する反射光量よりも少ない第1の光ファイバケーブルと、
1本の光ファイバで全二重通信方式による通信が可能な第2の光ファイバケーブルであって、前記挿入孔に挿入され前記全二重通信を行う場合にこの第2の光ファイバケーブルから前記受光素子に入射する第2の受信信号光量が、前記発光素子からの送信信号光の前記第2の光ファイバケーブルでの反射光が前記受光素子に入射する反射光量以上である第2の光ファイバケーブルと、
前記第1の光ファイバケーブルまたは第2の光ファイバケーブルが挿入される前記挿入孔を有する光送受信モジュールと
を備える光送受信システムであって、
上記第1、第2の光ファイバケーブルは、それぞれ、上記挿入孔に挿入されるプラグを有し、
前記第1、第2の光ファイバケーブルのうちの前記第2の光ファイバケーブルのみが上記プラグに設けられた誤挿入防止キーを有し、
前記光送受信モジュールは、
前記発光素子と受光素子とを含むとともに前記光ファイバケーブルとの間で光授受を行う光送受信部と、
前記光送受信部を半二重通信方式で制御する半二重通信制御部と、
前記光送受信部を全二重通信方式で制御する全二重通信制御部と、
前記挿入孔に挿入された光ファイバケーブルが前記誤挿入防止キーを有しているか否かを検出するスイッチと、
前記挿入された光ファイバケーブルが前記誤挿入防止キーを有していることを前記スイッチが検出したときに、前記光送受信部を前記全二重通信制御部に電気的に接続すると共に前記光送受信部を前記半二重通信制御部に電気的に非接続にする一方、前記挿入された光ファイバケーブルが前記誤挿入防止キーを有していないことを前記スイッチが検出したときに、前記光送受信部を前記半二重通信制御部に電気的に接続すると共に前記光送受信部を前記全二重通信制御部に電気的に非接続にする切替部とを備え、
長さの異なる複数本の前記第2の光ファイバケーブルを備え、
この複数本の第2の光ファイバケーブルは、それぞれ、長さに応じて段階的に増減した個数の前記誤挿入防止キーを有し、
前記挿入孔に挿入された前記第2の光ファイバケーブルが有する前記誤挿入防止キーの個数に応じて上記発光素子の駆動電流を段階的に増減させることを特徴とする光送受信システム。 - 請求項1に記載の光送受信システムにおいて、
前記第2の光ファイバケーブルの長さが前記第1の光ファイバケーブルの長さよりも長く、前記第2の光ファイバケーブルの端面が無反射処理されていないことを特徴とする光送受信システム。 - 請求項1に記載の光送受信システムにおいて、
前記第2の光ファイバケーブルは、斜めにカットされた端面を有するか、または、上記端面に反射防止膜が形成されていることを特徴とする光送受信システム。 - 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の光送受信システムにおいて、
前記誤挿入防止キーは、前記挿入孔に挿入される上記光ファイバケーブルのプラグに形成された突起からなることを特徴とする光送受信システム。
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