JP3725892B2 - 床版橋および床版ユニット - Google Patents

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本発明は、角形鋼管を用いた床版橋に関するものである。
従来、支間10m以下程度の小規模な橋梁では、主として経済性の面から、プレキャストコンクリート桁を用いた床版橋や、底鋼板にずれ止めを溶接した鋼殻とコンクリートとを合成してなる合成床版橋などが用いられてきた。
合成床版橋の従来例としては、橋軸方向に直交する断面が上向きコ字状を有する鋼殻の上面にTリブを溶接により固着立設すると共に、鋼殻の上面に発泡性硬質ウレタンフォームを充填して発砲固化させ、その上面にコンクリートを打設し、鋼板と硬質ウレタン層とコンクリートを一体化して橋床版を構築するものがある。(例えば、特許文献1)。また、複数の角形鋼管を平行に配列して、これら角形鋼管の長手方向両端にそれぞれ鋼材を溶接して角形鋼管の相互間を結合して軽量覆工板を構築する例がある(例えば、特許文献2)。
特開平5−222707号公報 特開平7−229105号公報
床版橋には、コンクリート(RC、PC)床版橋、鋼床版橋、合成床版橋などがあるが、コンクリート床版橋では自重が重いため、架設時に大型の重機が必要になることや、鋼橋に比べて下部工が比較的大きくなり、トータルコストが増加するという問題があり、また、1ブロックあたりの重量が大きいために輸送できるプレキャスト床版ブロックの大きさが限られ、輸送効率が悪いという問題がある。
また、特許文献1の合成床版橋では、鋼殻の製作過程で溶接が必要となるため、加工コスト、疲労強度の面で課題が残っていた。また、特許文献2は、平行に配列した複数の角形鋼管を、その長手方向両端にそれぞれ鋼材を溶接して相互に一体化するものであるから、特許文献1と同様に、製作過程で溶接が必要となるため、加工コスト、疲労強度の面で課題が残っていた。
本発明は、前記の問題点を解決するために提案されたもので、溶接やボルトを一切使用しない(以下、溶接レス・ボルトレスと略称する)で、複数の角形鋼管を接合して床版を構成できる床版橋を提供することを目的とする。破壊の主要な原因となる溶接や孔あけ、添接板などの加工が必要となるボルト継手を一切使用しないで、複数の角形鋼管を接合して床版を構成でき、加工の省力化が可能となる床版橋を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は次のように構成する。
第1の発明は、橋軸方向に伸長する角形鋼管を橋軸直角方向に複数本平行に配設し、前記角形鋼管の側面に開口部を設け、該開口部に鋼管、棒鋼、鉄筋などの棒状部材を挿通し、且つ当該棒状部材の端部を前記角形鋼管の側端から突出させ、橋軸直角方向にせん断キーを構成し、前記角形鋼管相互を締結して床版ユニットを構成し、
当該床版ユニットと平行に、開口部を側面に有すると共に、開口部に連通するガイドパイプを鋼管内部に設けた接合用角形鋼管を配置し、前記床版ユニットの角形鋼管の側端から突出する棒状部材を前記接合用角形鋼管の前記ガイドパイプに挿入することで、接合用角形鋼管を介して各床版ユニットを接合して床版を構成したことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記角形鋼管内で前記棒状部材を挟んでその両側に仕切り板を設け、この仕切り板で区画される内側にコンクリートなどの経時硬化性材料を充填することで、前記角形鋼管と前記棒状部材を一体化させたことを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記接合用角形鋼管内で前記ガイドパイプを挟んでその両側に仕切り板を設け、この仕切り板で区画される内側にコンクリートなどの経時硬化性材料を充填することで接合用角形鋼管を介して各床版ユニットを接合して床版を構成したことを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明に記載の床版橋における床版ユニットであって、前記床版ユニットの側端から突出する前記棒状部材の、端部にフランジ板を有する、端部近傍に突出部を有する、又は端部近傍に貫通する孔部を有する、ことを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明の床版ユニットにおいて、前記端部近傍の突出部が、前記棒状部材へ巻きつけられた棒鋼若しくは平鋼、又は、前記棒状部材へ付けられた棒状突起、からなることを特徴とする。
第6の発明は、第4又は第5の発明に記載の床版ユニットと平行に、開口部を側面に有する接合用角形鋼管を配置し、前記棒状部材が前記接合用角形鋼管の開口部に挿入され、前記接合用角形鋼管内の内側に経時硬化性材料が充填され、該接合用角形鋼管を介して各床版ユニットを接合して床版を構成したことを特徴とする。
第7の発明は、第1〜第3、第6の発明の床版橋において、前記角形鋼管の側面の一側に面外方向の突起を設け、これに相対する角形鋼管の側面に前記突起に合致するように窪みあるいは開口部を設け、前記両者を噛合わせることにより鉛直方向のせん断キーを構成して角形鋼管相互のずれを抑えることを特徴とする。
第8の発明は、第1〜第3、第6、第7の発明の床版橋の上面において、角形鋼管にはR状角部が形成され、隣接して配設される角形鋼管のR状角部により形成される隙間に弾性材料を充填したことを特徴とする。
第9の発明は、第1〜第3、第6〜第8の発明において、前記角形鋼管の表面に、チタン、ステンレス、亜鉛鉄板、アルミニュウムなどの金属系の防食材料を被覆したことを特徴とする。
本発明の床版橋によると、(1)形鋼を用い、簡易な横繋ぎ構造を利用することにより加工度の低減が可能になる。(2)溶接やボルトを使用しないので、加工度の低減や耐久性の向上が図れる。(3)中空断面で、強度・剛性の高い角形鋼管を用いるので、構造全体での軽量化が図られる。(4)金属系防食材料を角形鋼管表面に被覆することで長期耐久性に優れる。
本発明によると、(1)複数の角形鋼管を使用したボルトレス構造であるので、疲労破壊の主要な原因となる溶接を必要とせず、したがって、常時荷重が作用する床版の疲労破壊の心配が少なくなる。また、ボルト継手において必要となる、孔あけ、添接板などの加工がなくなるため、加工の省力化が可能となる。(2)複数の角形鋼管の接合手段として棒状部材を使用して鋼管同士のずれを防止するせん断キーを構成するので、角形鋼管に孔をあけ、棒状の部材を通すだけの最小限の単純作業ですみ、加工の手間が低減できる。(3)床版ユニットを事前に製造しておくこともでき、施工現場では接続用角形鋼管を介して各床版ユニットを接合して床版橋を施工できるため、施工が容易で且つ施工時間を短縮できる。(4)また、床版ユニットの側端から突出している部分の棒状部材に対して、端部にフランジを設けるか、表面に突出部を設けるか、または、径方向に貫通する孔部を設けるかして、接続用角形鋼管内に開口部から挿入され、その接続用角形鋼管内にコンクリートなどの経時硬化性材料が充填されているため、床版ユニット同士の引張耐力に優れ、床版橋に大きな荷重がかかっても棒状部材が接続用角形鋼管から抜け出ることを防ぐことができる。(5)角形鋼管同士の隙間に弾性材料を充填するので、各角形鋼管のたわみ差による舗装の割れを防ぐことができる。(6)金属系材料を角形鋼管の表面に被覆する際、前記材料の貼り付けだけで防食被覆ができる。
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
図1は、本発明に係る床版橋の斜視図、図2は、舗装面を省略したボルトレス床版の平面図、図3(a)は、図1におけるB−B断面図、図3(b)は、同図(a)における側面部分図、図3(c)は、同図(b)におけるC部拡大図である。図4(a)、(b)は、複数の角形鋼管からなる床版ユニット同士を接合角形鋼管を介して接合する状況を示す断面図で、同図(a)は、接合する前の状態を示し、同図(b)は、接合後の状態を示す。図4(c)は、同図(a)における中央部の部分断面図である。
図1に示す床版橋4において、A矢印方向が橋軸方向であり、床版2は、橋軸方向に伸長する角形鋼管1を橋軸直角方向に複数本平行に配設して構成される。すなわち、橋幅に対して角形鋼管1一本あたりの上辺の幅は小さいから、この角形鋼管1を複数平行に配設し、相互間を一体化して床版2を構成し、その上面にコンクリートあるいはアスファルトよりなる舗装3を打設して路面を構成することになるが、この路面を重量物である車両が走行することから角形鋼管1には過大な荷重が作用し、したがって、角形鋼管1を下側に撓ませる力や、角形鋼管1相互を引き離す大小のせん断力が常時作用することになる。このことから、複数の角形鋼管1の相互は強固に結合一体化されているのが望ましく、かつ、上方からの力に対して耐荷重が大きい構造が望ましい。
従来、角形鋼管を用いて覆工版を構成する場合、角形鋼管相互を溶接にて強固に結合し、さらに、複数の角形鋼管の端部同士に跨って補強板を配設固定し、それにより複数の角形鋼管相互を強行に結合して耐荷重が大きい覆工版を製作する工夫がなされているが、その場合、溶接や補強板の取付けに手間が掛かる問題があることは前述した。角形鋼管相互を結合する手段にとしては、ボルト継手を使用する場合もある。
本発明は、特に橋床版において、基本的に溶接レス・ボルトレス構成により複数の角形鋼管を結合するもので、従来の溶接、ボルト接合、補強板取付け作業などが不要な構成としている。このため本発明に係る角形鋼管1の両側面5には、所定の間隔をあけて複数の開口部6が開設されている。橋軸方向に伸長する複数の角形鋼管1を橋軸直角方向に平行に並べたとき、前記開口部6は橋軸直角方向の直線上に揃っているので、この各開口部6を挿通して棒状部材7を挿入して橋軸直角方向にせん断キーを構成して、前記角形鋼管1相互がずれないように強固に締結して床版2を構成している。棒状部材7は、鋼管、棒鋼、鉄筋などの何れの材料でもよい。
このように複数の角形鋼管1の各開口部6を挿通して棒状部材7を配設することで、この棒状部材7を介して複数の角形鋼管1相互が結合されると共に、上方からの荷重に対して棒状部材7がせん断キーとして機能し、複数の角形鋼管1相互に作用するずれを防止して上面に段差が生じないように構成するもので、したがって角形鋼管1の耐荷重を増大することができ、角形鋼管1に作用する荷重による鋼管の疲労破壊のおそれを少なくし、施工管理を容易・確実にできる。
さらに、角形鋼管1と棒状部材7の確実な一体化を図るため、該角形鋼管1と棒状部材7との交差部分における角形鋼管1の内部にコンクリートなどの経時硬化性材料8を充填する。この場合、角形鋼管1内において、棒状部材7が貫通している鋼管長手方向の両側部に所定の間隔をあけて仕切り板10を設ける。この仕切り板10で区画された内側に、角形鋼管1の上面に形成したコンクリート充填孔11から前記の経時硬化性材料8を充填する。こうして経時硬化性材料8を介して角形鋼管1と棒状部材7が一体化され、角形鋼管1に作用するせん断キー機能は一層向上する。また、経時硬化性材料8は仕切り板10を介して角形鋼管1内の必要箇所のみ部分的に充填されるから、鋼管全長に渡って充填する場合に比べ、角形鋼管1の荷重をできるだけ軽くすることができ、工場にて製作したうえ現場に搬送するうえで好都合である。
棒状部材7により一体化された複数の角形鋼管1の上面において、隣接して配設された角形鋼管1におけるR状角部に形成される隙間を埋めるようにゴム系または樹脂系等の弾性材料12を充填するのがよい。これにより複数の角形鋼管1の上面をフラットに形成できると共に、上面に打設される舗装3を介して角形鋼管1に荷重が作用するとき、角形鋼管1のたわみ差による舗装3の割れを防ぐことができる。
また、床版橋における角形鋼管1は、特に潮風や雨水など錆の発生し易い環境で使用される場合もあることから、前記角形鋼管1の表面は、チタン、ステンレス、亜鉛鉄板、アルミニュウムなどの金属系の防食材料13で被覆している。
本発明においては、図4に示す実施形態のように、複数の角形鋼管1を予め一体化した床版ユニット14を製作し、複数の床版ユニット14を接合用角形鋼管16を用いて接合することに特徴があり、現場施工で接合してもよく、この方法は橋幅の広い床版2を容易に構築できる。
図4の実施形態において、床版ユニット14は予め工場で製作するもので、図1〜図3の方法により、複数の角形鋼管1の開口部6を挿通して棒状部材7を配設し、角形鋼管1内で棒状部材7の挿通部には経時硬化性材料8を充填してプレキャスト床パネルとして構成する。
さらに図4の実施形態において、床版ユニット14の接合部側の端縁からは棒状部材7の端部7aが所定長突出している。また、接合用角形鋼管16の両側面5には開口部6が設けられていて、角形鋼管1内には、両端が両開口部6に連通するガイドパイプ15が配設され、そのパイプ両端が鋼管の両側内面に溶接されている。ガイドパイプ15には、床版ユニット14から突出する棒状部材7の端部を挿入できる。
前記における施工手順を説明すると、図4(a)に示すように、構築しようとする床版橋における幅員方向の一側(図の左側)に先に施工する床版ユニット14を配置する。つづいて、路面中央側に平行に配置した接合用角形鋼管16を矢印方向に移動させて、その一側の開口部6を通してガイドパイプ15を前記床版ユニット14の側端部から突出している棒状部材7の端部7aに嵌挿させる。つづいて、接合用角形鋼管16の前記と反対側(図の右側)に他方の床版ユニット14を配置した後、この床版ユニット14を矢印方向に移動させて、その側端部から突出している棒状部材7の端部7aを接合用角形鋼管16の他側の開口部6を通してガイドパイプ15に挿入する。こうして接合用角形鋼管16を介して複数の床版ユニット14を並設できる。
接合用角形鋼管16内にもガイドパイプ15を挟んで、角形鋼管1と同様の仕切り板(図示省略)が設けられており、さらに、上面にコンクリート充填孔17が設けられている。そして、コンクリート現場打ちで充填孔17から経時硬化性材料8を充填してガイドパイプ15の周囲を補強する。また、ガイドパイプ15内の中央部において、その両側から挿入された両床版ユニット14の棒状部材7の先端を突き合せたうえ、必要に応じてガイドパイプ15内に経時硬化性材料を充填し、ガイドパイプ15から棒状部材7が抜け出さないように構成するとよい。
図7(a)、(b)は複数の鋼管からなる床版ユニット14同士を接合角形鋼管を介して接合する別の実施例を示したものである。図7(c)は同図(a)における中央部の部分断面図である。
図7において、床版ユニット14の接合部側の端部から棒状部材7の端部7aが所定長突出し、接合用角形鋼管16の両側面5には開口部6が設けられているのは図4に示す前記実施例と同じである。本実施例では、棒状部材の端部7aにフランジ板25が接合されていることが前記実施例と異なる点である。
図7における施工手順を説明すると図7(a)、(c)に示すように、構築しようとする床版橋における幅員方向の一側(図の左側)に先に施工する床版ユニット14を配置する。つづいて、路面中央側に平行に配置した接合用角形鋼管16を矢印方向に移動させて、その一側の開口部6に前記床版ユニット14の側端部から突出している棒状部材7の端部7aを嵌挿させる。つづいて、接合用角形鋼管16の前記と反対側(図の右側)に他方の床版ユニット14を配置した後、この床版ユニット14を矢印方向に移動させて、その側端部から突出している棒状部材7の端部7aを接合用角形鋼管16の他側の開口部6に挿通する。しかる後、(b)に示すようにコンクリートなどの経時性硬化材料8を充填して、接合部を一体化する。棒状部材の端部にフランジ板25が取り付けられているため、棒状部材7に引抜き力が作用した場合にも、コンクリートなどの経時性硬化材料8中に埋め込まれたフランジ板25が引抜きに抵抗するので、高い引抜き抵抗性能を有する接合部を構築することができる。
図8は、棒状部材の端部7aに加工を施すことによって高い引抜き性能を確保する接合部構造の実施形態の例を示したものである。図7の実施形態のように、接合部に高い引抜き抵抗性能が要求される場合、以下に示す形態を用いることで、接合部の耐引抜き性能を向上させることができる。なお,以下に示す形態の施工手順は図7と同じである。
棒状部材に対して、図8(a)は端部にフランジ板25を設けた状況を示す図で、同図(b−1)〜(b−3)は表面に突出部を設けた状況を示す図で、同図(b−1)は棒鋼26をリング状に巻きつけた場合、同図(b−2)は平鋼27をリング状に巻きつけた場合、同図(b−3)は棒状突起28を付けた場合を示し、同図(c)は径方向に貫通する開口部29を設けた場合を示している。
図8(a)の形態は前述の通り棒状部材の先端7aに取り付けたフランジ板25がアンカーとなって引抜き荷重に抵抗する。同図(b−1)の形態は棒状部材の先端7aに取り付けた棒鋼26がせん断キーとなって引抜き荷重に抵抗する。同図(b−2)の形態は棒状部材の先端に取り付けた平鋼27がせん断キーとなって引抜き荷重に抵抗する。同図(b−3)の形態においては、棒状の突起28がアンカーとなって引抜き荷重に抵抗する。同図(c)の形態においては、棒状部材の側面に設けた開口部29がジベルとなり、引抜き荷重に抵抗する。これらの形態はいずれを用いても所定の引抜き抵抗力を確保できるので、図7の実施形態における接合鋼管部の構造としては,図8に示すいずれの形態をとっても良い。
上記2種類の実施形態においては、複数の床版ユニット14を接合することで幅員の広い床版橋を構築する場合に適し、さらに、床版ユニット14を工場で製作し現場では接合のみで床版橋を構築できるので施工性が向上する利点がある。なお、図1において、床版2の幅員方向両側部には、溝形鋼の溝を上向きに配置して側溝18が構成されており、さらにその外側に溝形鋼の溝を下向きに配置して路肩19が構成されており、路肩19には手摺り20が立設固定されている。
図5は他の実施形態を示す。この実施形態では、橋軸方向に伸長する角形鋼管1を橋軸直角方向に複数本平行に配設して、角形鋼管側面に開口部6を設け、該開口部6に棒状部材7を挿通して橋軸直角方向にせん断キーを構成し、角形鋼管1の相互を締結する構造は図2と同じであるが、次の構成が図2と相異する。すなわち、図5では、平行に配設された角形鋼管1の側面であるウエブ面に、角形鋼管1を拡径することにより得られる突起21、および相対する角形鋼管1の突起21が嵌り合う窪み22を間隔をあけて複数設けた例を示す(なお、図5では、開口部6と棒状部材7は図示省略する)。
次に、図6は更に他の実施形態を示す。この実施形態では、図5と相異する構造によりせん断キーを構成した例を示す。すなわち、図6に示す例は角形鋼管1の側面であるウエブ面をコ字状に切断して、切断した板部分を面外方向に折り曲げて形成した折り曲げ突片23によりせん断キーを構成している。このように構成した折り曲げ突片23を相対する角形鋼管1に形成される開口部24に差し込み、相互のずれを抑制する例を示したものである。他の構成は図5と同じである。なお、折り曲げ突片23は、図6(a)のように両側ウエブで同じ方向に曲げ形成してもよいし、両側ウエブとも鋼管の外向きに曲げ形成してもよく、いずれの場合も、図6(b)のように、折り曲げ突片23が相手側の開口部24に係合することでせん断キーを構成している。
本発明は、実施形態について説明した構成を適宜設計変更して実施することは構わない。
本発明の実施形態に係る床版橋の斜視図である。 舗装面を省略した床版の平面図である。 (a)は、図1におけるB−B断面図、(b)は、同図(a)における側面部分図、(c)は、同図(b)におけるC部拡大図である。 (a)、(b)は、複数の角形鋼管からなる床版ユニット同士を接合角形鋼管を介して接合する状況を示す断面図で、同図(a)は、接合する前の状態を示し、同図(b)は、接合後の状態を示す。(c)は、同図(a)における中央部の部分断面図である。 (a)、(b)は、複数の角形鋼管同士を突起と窪みを介して接合する状況を示す他の実施形態の斜視図と断面図、(c)は、同(b)の側面図である。 (a)、(b)は、複数の角形鋼管同士を突起と開口部を介して接合する状況を示す他の実施形態の斜視図と断面図、(c)は、同(b)の断面図である。 (a)、(b)は、複数の角形鋼管からなる床版ユニット同士を接合角形鋼管を介して接合する際に、棒状部材に突出部を設けたときの状況を示す断面図で、同図(a)は、接合する前の状態を示し、同図(b)は、接合後の状態を示す。(c)は、同図(a)における中央部の部分断面図である。 床版ユニットの側端から突出する棒状部材の断面図を示し、棒状部材に対して、(a)は端部にフランジを設けた状況を示す図(上側は横断平面図、下側は縦断正面図)で、(b−1)〜(b−3)は表面に突出部を設けた状況を示す図(上側は横断平面図と部分拡大図、下側は縦断正面図)で、(b−1)は棒鋼をリング状に巻きつけた場合で(b−2)は平鋼をリング状に巻きつけた場合で(b−3)は棒状突起を付けた場合を示し、(c)は径方向に貫通する孔部を設けた図(上側は横断平面図、下側は縦断正面図)である。
符号の説明
1 角形鋼管
2 床版
3 舗装
4 床版橋
5 両側面
6 開口部
7 棒状部材
7a 端部
8 経時硬化性材料
10 仕切り板
11 コンクリート充填孔
12 弾性材料
13 防食材料
14 床版ユニット
15 ガイドパイプ
16 接合用角形鋼管
17 コンクリート充填孔
18 側溝
19 路肩
20 手摺り
21 突起
22 窪み
23 折り曲げ突片
24 開口部
25 フランジ板
26 棒鋼
27 平鋼
28 棒状突起
29 開口部

Claims (9)

  1. 橋軸方向に伸長する角形鋼管を橋軸直角方向に複数本平行に配設し、前記角形鋼管の側面に開口部を設け、該開口部に鋼管、棒鋼、鉄筋などの棒状部材を挿通し、且つ当該棒状部材の端部を前記角形鋼管の側端から突出させ、橋軸直角方向にせん断キーを構成し、前記角形鋼管相互を締結して床版ユニットを構成し、
    当該床版ユニットと平行に、開口部を側面に有すると共に、開口部に連通するガイドパイプを鋼管内部に設けた接合用角形鋼管を配置し、前記床版ユニットの角形鋼管の側端から突出する棒状部材を前記接合用角形鋼管の前記ガイドパイプに挿入することで、接合用角形鋼管を介して各床版ユニットを接合して床版を構成したことを特徴とする床版橋。
  2. 前記角形鋼管内で前記棒状部材を挟んでその両側に仕切り板を設け、この仕切り板で区画される内側にコンクリートなどの経時硬化性材料を充填することで、前記角形鋼管と前記棒状部材を一体化させたことを特徴とする請求項1記載の床版橋。
  3. 前記接合用角形鋼管内で前記ガイドパイプを挟んでその両側に仕切り板を設け、この仕切り板で区画される内側にコンクリートなどの経時硬化性材料を充填することで接合用角形鋼管を介して各床版ユニットを接合して床版を構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の床版橋。
  4. 請求項1記載の床版橋における床版ユニットであって、前記床版ユニットの側端から突出する前記棒状部材の、端部にフランジ板を有する、端部近傍に突出部を有する、又は端部近傍に貫通する孔部を有する、ことを特徴とする床版ユニット。
  5. 前記端部近傍の突出部が、前記棒状部材へ巻きつけられた棒鋼若しくは平鋼、又は、前記棒状部材へ付けられた棒状突起、からなることを特徴とする請求項4記載の床版ユニット。
  6. 請求項4又は5記載の床版ユニットと平行に、開口部を側面に有する接合用角形鋼管を配置し、前記棒状部材が前記接合用角形鋼管の開口部に挿入され、前記接合用角形鋼管内の内側に経時硬化性材料が充填され、該接合用角形鋼管を介して各床版ユニットを接合して床版を構成したことを特徴とする床版橋。
  7. 前記角形鋼管の側面の一側に面外方向の突起を設け、これに相対する角形鋼管の側面に前記突起に合致するように窪みあるいは開口部を設け、前記両者を噛合わせることにより鉛直方向のせん断キーを構成して角形鋼管相互のずれを抑えることを特徴とする請求項1〜3、6のいずれか1項に記載の床版橋。
  8. 請求項1〜3、6、7のいずれか1項に記載の床版橋の上面において、角形鋼管にはR状角部が形成され、隣接して配設される角形鋼管のR状角部により形成される隙間に弾性材料を充填したことを特徴とする床版橋。
  9. 前記角形鋼管の表面に、チタン、ステンレス、亜鉛鉄板、アルミニュウムなどの金属系の防食材料を被覆したことを特徴とする請求項1〜3、6〜8のいずれか1項に記載の床版橋。
JP2004057228A 2003-03-05 2004-03-02 床版橋および床版ユニット Expired - Lifetime JP3725892B2 (ja)

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