JP5309666B2 - 床版橋および床版 - Google Patents
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Description
合成床版橋の従来例として、本発明者らは特許文献1において、角形鋼管を複数相互に締結して配設し、その内部空間にコンクリート等の経時性硬化材料を充填し一体化させた、床版橋および床版ユニットを創案している。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる床版橋1の斜視図、図2は図1の床版橋1を上から見た平面図である。なお、構造を理解しやすくするため、図1では舗装10および地覆11を一部のみ示し、図2では舗装10および地覆11を省略している。また、図3は、床版橋1の端部部材33、33’、33’’およびZ形鋼材30の説明図である。図4は図1のB−B断面図である。ただし、いずれの図面においても充填された経時性硬化材料20(コンクリート等)については省略している。
また、図5は複数のZ形鋼材30によって床版橋1が形成される様子を示す説明図である。
また、平板33’’の両端には上記Z形鋼材30同様のネジ用貫通穴61が設けられている。
図5(a)〜(d)はいずれも端部部材33、Z形鋼材30による床版橋1の外郭部の形成過程および床版橋1を橋軸方向断面図として捉えたものである。図5(a)に示すように、端部部材33のウェブ部分37の上端にはネジ受け穴60、下フランジ部分32の先端より突出した突出部62にもネジ受け穴60が設けられている。
一方、Z形鋼材30の上フランジ部分31の端部とウェブ部分37の下端部にはネジ用貫通穴61が設けられ、端部部材33とZ形鋼材30を隣接して配置させた場合、端部部材33に設けられたネジ受け穴60とZ形鋼材30のネジ用貫通穴61の位置は一致する。
棒状部材50を複数のZ形鋼材30によって形成された内部空間に挿通させた後、端部部材33’および平板33’’を用いて、上記端部部材33を用いて形成させた端部と反対側の端部を形成させる。なお、その際のZ形鋼材30と端部部材33’および平板33’’の接合についても、上記同様ネジ部材70とネジ穴80をネジ止めすることによって行う。
また、施工時におけるZ形鋼材30は、平板である鋼板を平板状態の段階で加工し、その後に折り曲げてZ形とする製造工程によって製造してもよい。そうすれば、床版橋1のフランジやウェブに対して充填孔35や開口部40等を設けるための開口処理等を行う際に、パンチング等の鋼材加工を平板状態である鋼材に対して行うことが可能となり、従来の角形鋼管における開口処理等と比較すると、非常に平易に行うことができる。
さらに、施工時におけるZ形鋼材30は、平板状の鋼板を折り曲げたことによって製造される内部空間のない鋼材であり、複数のZ形鋼材30を輸送する場合に重ねて輸送することで、輸送容積を抑え、効率的に輸送可能である。そのため、ある程度サイズの制約を受けることなく、施工する床版橋1の大きさに対応した様々な大きさのZ形鋼材30を製造することができる。なお、図6に複数のZ形鋼材30を輸送する際の輸送状態の説明図を示す。図6からもわかるように、Z形鋼材30輸送時には複数のZ形鋼材30が互いに間隔を空けずに重なりあい、輸送容積が抑えられていることが明らかである。
また、上記実施の形態においては、Z形鋼相互の連結方法としてネジ部材70ならびにネジ穴80を用いたが、ネジ穴80の代わりにネジ山のない穴とし、ネジ部材を差し込む側にナットを接着剤などで固定して、ネジを止める手段としてもよい。あるいは、ドリルネジを用いてもよい。
Z形鋼材30’の下フランジ部分32’の端部は結合面90となっており、ウェブ部分37’の下端は結合面90と対向する結合面91となっている。また、ウェブ部分37’の上端には鉤部96が設けられ、上フランジ部分31’の端部には鉤部97が設けられている。
図7(a)において既に一体化されているZ形鋼材30’において、端部に位置しているZ形鋼材30’は下フランジ部32’が露出した状態となっている。
次に、図7(b)に示すように、新たな別のZ形鋼材30’を配置する。その際、新たに配置するZ形鋼材30’の鉤部97を、既に配置された上記下フランジ部分32’の露出しているZ形鋼材30’の鉤部96にひっかける。
そして、図7(c)に示すように鉤部97を鉤部96にひっかけた状態で、鉤部96を中心として、新たに配置するZ形鋼材30’を回転させつつ、結合面91を結合面90に合わせる。
次に、図7(e)に示すように上記下フランジ部分32’の露出しているZ形鋼材30’の結合面90と新たに配置されるZ形鋼材30’の結合面91を接合するためにドリルネジ98を打ち込み、新たに配置されるZ形鋼材30’が隣接するZ形鋼材30’と接合されることとなる。
図8は、本発明の第2の実施の形態にかかる床版100の斜視図であり、図9は図8に示す床版100のC−C断面図である。
なお、床版100の構成については、上記第1の実施の形態における床版橋1と同様なので省略する。
10…舗装
11…地覆
20…経時性硬化材料
30…Z形鋼材
31…上フランジ
32…下フランジ
33…端部部材
35…充填孔
37…ウェブ部
40…開口部
45…仕切り板
50…棒状部材
60…ネジ受け穴
61…ネジ用貫通穴
70…ネジ部材
80…ネジ穴
100…床版
110…支持構造
Claims (12)
- 橋梁として用いられる床版橋であって、
フランジ部分及びウェブ部分から構成され橋軸方向に伸長する複数のZ形鋼材が、橋軸方向と直交する橋軸直角方向に並列に、かつ、ウェブ部分の両端が当該Z形鋼材に隣接するどちらかのZ形鋼材のフランジ部分の端部と接続するように配置され、
前記フランジ部分は上フランジ部分と下フランジ部分からなり、
前記下フランジ部分の端部と前記ウェブ部分の下端には互いに対向する結合面がそれぞれ形成され、
前記上フランジ部分の端部と前記ウェブ部分の上端には互いに係合する鉤部がそれぞれ設けられ、
橋軸直角方向の両端に端部部材が設けられ、
前記Z形鋼材により囲まれた閉空間内に充填された経時性硬化材料によって前記Z形鋼材相互が一体化させられていることを特徴とする、床版橋。 - 前記Z形鋼材のウェブ部分に少なくとも1つ以上の凹凸、あるいは開口部を有することを特徴とする、請求項1に記載の床版橋。
- 前記複数のZ形鋼材のウェブ部分に棒状部材が挿通されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の床版橋。
- 前記Z形鋼材により囲まれた閉空間を、前記棒状部材が挿通される部分と中空部分に区切る仕切り板を有し、前記棒状部材が挿通される部分にのみ前記経時性硬化材料が充填されていることを特徴とする、請求項3に記載の床版橋。
- 前記Z形鋼材のウェブ部分が上フランジ部分および下フランジ部分よりも薄肉化されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の床版橋。
- 前記Z形鋼材の下フランジ部分の端部が、隣接して配置された前記Z形鋼材のウェブ部分の下端部と固着されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の床版橋。
- 支持構造の上に載置される床版であって、
フランジ部分及びウェブ部分から構成され橋軸方向と直交する橋軸直角方向に伸長する複数のZ形鋼材が橋軸方向に配設され、
前記フランジ部分は上フランジ部分と下フランジ部分からなり、
前記下フランジ部分の端部と前記ウェブ部分の下端には互いに対向する結合面がそれぞれ形成され、
前記上フランジ部分の端部と前記ウェブ部分の上端には互いに係合する鉤部がそれぞれ設けられ、
前記Z形鋼材により囲まれた閉空間内に充填された経時性硬化材料によって前記Z形鋼材相互が一体化させられていることを特徴とする、床版。 - 前記Z形鋼材のウェブ部分に少なくとも1つ以上の凹凸、あるいは開口部を有することを特徴とする、請求項7に記載の床版。
- 前記複数のZ形鋼材のウェブ部分に、床版の軸と交差する方向に棒状部材が挿通されていることを特徴とする、請求項8に記載の床版。
- 前記Z形鋼材により囲まれた閉空間を、前記棒状部材が挿通される部分と中空部分に区切る仕切り板を有し、前記棒状部材が挿通される部分にのみ前記経時性硬化材料が充填されていることを特徴とする、請求項9に記載の床版。
- 前記Z形鋼材のウェブ部分が上フランジ部分および下フランジ部分よりも薄肉化されていることを特徴とする、請求項7〜10のいずれかに記載の床版。
- 前記Z形鋼材の下フランジ部分の端部が、隣接して配置された前記Z形鋼材のウェブ部分の下端部と固着されていることを特徴とする、請求項9〜11のいずれかに記載の床版。
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