JP3725668B2 - 金属ボール接合方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体チップの電極部等に微小金属ボールで成るバンプを形成する際、その被接合部に金属ボールを配列接合するための方法および装置、さらにこれらによりバンプを形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より半導体チップの電極と外部回路等との接合媒体となるバンプとして、ウェハバンプ,スタッドバンプおよび転写バンプ等が知られている。近年、半導体装置の高密度化に伴って、電極の狭ピッチ化あるいはバンプの微小化が進んでいる。バンプを形成すべき微小金属ボールを予め半導体チップの電極と同一座標に配列させ、それを一括で電極上に接合するようにしたバンプの形成方法が実用化されつつある。
【0003】
ところで、この種のバンプ形成方法において金属ボールを接合する際の補助剤としてフラックスが用いられる。フラックスを用いることにより、半田付けに際して被接合部の電極部等の表面に付着している酸化膜を分解して、きれいな金属表面を露出させる。従来、例えば図6に示したように所定の基板1上にフラックスFを塗布しておき、保持基板2に保持された金属ボールBをその基板1まで降下させる。これにより金属ボールBがフラックスFと接触することで、金属ボールBにフラックスFを付着させるというものである。
【0004】
あるいはまた、図7および図8に示したようにスクリーン印刷法を使用する方法も知られている。すなわち、バンプを形成すべき電極部3にスクリーン印刷法によって予めフラックスF塗布しておき(図8)、図7のように保持基板2に保持された金属ボールBをその電極部3まで降下させるというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のバンプ形成方法もしくは装置において、例えば図6に示したものにあっては、基板1上に均一厚さでフラックスFを塗布するのが実質的に困難である。また、金属ボールBを基板1上のフラックスFに接触させる際、保持基板2にフラックスFが付着してしまう等の問題があった。
さらに、スクリーン印刷法を用いた方法(図7、図8)では、精度が不十分でフラックスの厚さの制御が難しく、また多量のフラックスを使用せざるを得ない等の問題があった。
【0006】
本発明はかかる実情に鑑み、フラックスを適正かつ効率的に供給塗布し、バンプ形成に際して金属ボールを的確に接合し得る方法および装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による金属ボール接合方法は、金属ボールを被接合部に配列接合する方法であって、金属ボールを所定の配列位置に吸着保持する工程と、金属ボールの配列位置と同位置に配設されたフラックス供給孔から金属ボールごとにフラックスを加圧して、表面張力によってフラックス同士が接触しないように膨出させ供給する工程と、フラックス供給ステージで配列保持されている金属ボールをフラックスに接触させる工程と、金属ボール接合ステージでフラックスが塗布された金属ボールを被接合部に接合する工程と、を含んでいる。
【0009】
また、本発明の金属ボール接合方法において、金属ボールをフラックスに接触させる際、金属ボールを部分的にフラックスと接触させることを特徴とする。
また、本発明の金属ボール接合方法において、金属ボールを吸着する際、ボール配列基板に微振動を与えて余分な金属ボールを該ボール配列基板から除去することを特徴とする。
【0010】
また、本発明による金属ボール接合装置は、金属ボールを被接合部に配列接合する装置であって、金属ボールを所定の配列位置に吸着保持するボール配列基板と、金属ボールの配列と同位置に形成されたフラックス供給孔を有するフラックス供給ステージと、金属ボールの配列位置と対応位置にフラックス供給孔からフラックスを表面張力によってフラックス同士が接触しないように加圧して膨出させるフラックス加圧手段を有するフラックス供給手段と、被接合部を載置する接合ステージと、前記ボール配列基板を位置決めおよび移動可能な駆動機構と、を備えたものである。
【0011】
また、本発明の金属ボール接合装置において、前記ボール配列基板に微振動を与えて余分な金属ボールを該ボール配列基板から除去する余剰ボール除去手段をさらに含んでいることを特徴とする。
【0012】
また、本発明によるバンプ形成方法は、上記いずれかの金属ボール接合方法により金属ボールを被接合部に配列接合し、被接合部に接合された金属ボールをリフローすることによりバンプを形成するようにしたものである。
【0013】
また、本発明のバンプ形成方法において、被接合部として、半導体チップ、キャリアテープあるいは半導体基板の電極部が選ばれることを特徴とする。
【0014】
【作用】
本発明によれば、電極部等の被接合部にバンプを形成すべく、金属ボールを配列接合する際、金属ボールを所定の配列位置に吸着保持し、金属ボールの配列と対応位置にフラックスを供給し、配列保持されている金属ボールをフラックスに接触させ、フラックスが塗布された金属ボールを被接合部に接合する。特に、金属ボールの配列と対応位置に形成されたフラックス供給孔を有するフラックス供給手段によって、金属ボールごとにフラックスを供給する。このようなフラックス供給手段を用いることにより、金属ボールの先端部分にのみ適量のフラックスを適正に塗布することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5に基づき、本発明による金属ボール接合方法および装置の好適な実施の形態を説明する。
この実施形態において、半導体チップの電極部等に微小金属ボールで成るバンプを形成する際、金属ボール吸着ステージにて所定容器に収容された金属ボールを配列ヘッドによって吸着する。そして金属ボールを吸着保持した配列ヘッドは、つぎのフラックス供給ステージ、さらに金属ボール接合ステージへと移動されるものとする。
【0016】
図1は、本発明に係る金属ボール接合装置の要部構成を示している。図において、配列ヘッド10は、半導体チップの電極部(被接合部)等に対応する多数のボール配列孔11aを有する配列基板11を備え、吸引チャンバ12を介して真空引きされるようになっている。吸引チャンバ12には、真空吸引源としての真空ポンプ13が接続される。配列ヘッド10はまた、アクチュエータ14によって容器20の上方で昇降可能に支持されている。
【0017】
配列ベッド10の下方には図示のように、バンプを形成するための金属ボールBを収容する容器20が配置されている。配列ヘッド10を所定タイミングで図1の1点鎖線のように容器20内に下降させることで、配列基板11のボール配列孔11aに金属ボールBを吸着させることができる。なおボール配列孔11aに金属ボールBを吸着させる際、容器20を加振することで容器20内で金属ボールBを浮遊状態にし、吸着し易くする等の手段がとられる。
【0018】
ここで、本発明の金属ボール接合装置において、金属ボールBを吸着する際、配列基板11から余剰ボールを除去して各ボール配列孔1aに1つの金属ボールBを吸着させるための余剰ボール除去手段をさらに含んでいる。この余剰ボール除去手段は例えば、配列基板11に微振動を与えることにより余分な金属ボールBを配列基板11から離脱させるように構成することができる。
【0019】
さて、本発明方法は、配列基板11によって金属ボールBを所定の配列位置に吸着保持する工程と、金属ボールBの配列と対応位置にフラックスを供給する工程と、フラックス供給ステージで配列基板11に配列保持されている金属ボールBをフラックスに接触させる工程と、金属ボール接合ステージでフラックスが塗布された金属ボールBを被接合部に接合する工程と、を含んでいる。つぎに、本発明方法をこれらの工程順に説明する。
【0020】
まず、配列ヘッド10を図1のように容器20内に下降させると共に真空引きすることにより、配列基板11のボール配列孔11aに金属ボールBを吸着させる。
【0021】
つぎに、金属ボールBを吸着保持した配列ヘッド10をフラックス供給ステージに移動させる。このステージは、図2に示したようにフラックス供給手段30を備えている。フラックス供給手段30は、フラックスFを貯留し得るフラックス容器31と、このフラックス容器31の蓋着された基板32を含んでいる。
【0022】
基板32は、金属ボールBの配列位置と対応位置にフラックス供給孔32aを有する。この例ではフラックス供給孔32aは金属ボールBの配列位置と同位置に形成されるものとする。すなわち配列基板11のボール配列孔11aとフラックス供給孔32aを1対1で対応させる。このような基板32は配列基板11と実質的に同一のもので構成することができ、すなわちガラス基板等で成る配列基板11を基板32として流用することができる。
【0023】
フラックス供給手段30はさらに、フラックスFをフラックス供給孔32aからフラックス同士が接触しないように膨出させるように加圧するフラックス加圧手段としてのピストン33を含んでいる。ピストン33は、図示しない駆動手段によって作動するようになっている。
【0024】
フラックス供給ステージにおいて、配列ヘッド10と基板32を位置合わせして配置する。これにより配列基板11のボール配列孔11aとフラックス供給孔32aが相互にアライメントされる。フラックスFはその表面張力によって、図示のようにフラックス供給孔32aからフラックス同士が接触しないように膨出する。このような基板32に対して配列ヘッド10を下降させる。すると配列基板11のボール配列孔11aに保持されている各金属ボールBは、対応するフラックス供給孔32aのフラックスFと接触し、これにより金属ボールBの下端部のみに適量のフラックスFを付着させることができる。
【0025】
上記のようにフラックスFを供給する際、金属ボールBごとに基板32のフラックス供給孔32aからフラックスFを供給する。この場合、フラックス容器31内のフラックスFを加圧してフラックス供給孔32aからフラックス同士が接触しないように膨出させる。これにより金属ボールBに一定量のフラックスFを、さらに多数の金属ボールB間でばらつくことなく均一に供給することができる。また、フラックス加圧手段によってフラックス圧力を調整することで、高い精度でフラックスFを供給することができる。しかも、配列基板11側にフラックスFが付着する心配がなく、適正かつ円滑にフラックスFが供給される。
【0026】
フラックスFが付着した金属ボールBはつぎに、図3のように配列ヘッド10によって接合ステージへと移動される。この接合ステージの定位置に載置されている例えば半導体チップ40の電極部41と配列基板11のボール配列孔11aに吸着保持されている金属ボールBを相互にアライメントする。各金属ボールBの下端部には図示のようにフラックスFが付着している。なお、電極部41としては、銅に金メッキを施したものであってよい。
【0027】
配列ヘッド10を下降させるで金属ボールBは、半導体チップ40の対応する電極部41と接触する。この後、配列ヘッド10を上昇させると、図4のように各電極部41に金属ボールBが接合される。なお、図4において、半導体チップ40の表面にはパッシベーション42が形成されている。前述のように金属ボールBに一定量のフラックスFが均一に付着供給されているため電極部41に接合した際、必要以上の余分なフラックスFが漏れ出すことはない。
【0028】
上記のように電極部41に接合された金属ボールBは所定の炉中でリフローされ、図5のようなバンプB′が形成される。
【0029】
なお、上記実施形態において、金属ボールBを接合すべき被接合部として半導体チップ40の電極部41の例を説明した。この場合に限らず、被接合部としてキャリアテープあるいは半導体基板等の電極部に対しての本発明を同様に適用可能であり、上記実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
また、フラックスFとしては、所定の粉末金属を含有する比較的粘性のある所謂ペースト状のものであってもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電極部等の被接合部にバンプを形成するために金属ボールを配列接合する際、予めフラックス供給手段によって金属ボールごとにフラックスを供給付着する。この場合金属ボールの配列と対応位置に形成されたフラックス供給孔から金属ボールの先端部分に一定量の適量フラックスを適正に塗布することができる。これによりフラックス供給時、配列基板にフラックスが付着する等の問題を解消し、結果として低コストのバンプ形成方法を実現することができる等の利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属ボール接合装置の要部構成を示す図である。
【図2】本発明に係る金属ボール接合装置におけるフラックス供給手段の要部構成を示す図である。
【図3】本発明におけるボール接合工程を示す図である。
【図4】本発明におけるボール接合時の様子を示す図である。
【図5】本発明におけるリフロー後のバンプを示す図である。
【図6】従来技術におけるフラックス供給方法の例を示す図である。
【図7】従来技術における別のフラックス供給方法の例を示す図である。
【図8】従来技術の上記フラックス供給方法におけるボール接合時の様子を示す図である。
【符号の説明】
10 配列ヘッド
11 配列基板
11a ボール配列孔
12 吸引チャンバ
13 真空ポンプ
20 ボール容器
30 フラックス供給手段
31 フラックス容器
32 基板
32a フラックス供給孔
40 半導体チップ
41 電極部
B 金属ボール
F フラックス

Claims (7)

  1. 金属ボールを被接合部に配列接合する方法であって、
    金属ボールを所定の配列位置に吸着保持する工程と、
    金属ボールの配列位置と同位置に配設されたフラックス供給孔から金属ボールごとにフラックスを加圧して、表面張力によってフラックス同士が接触しないように膨出させ供給する工程と、
    フラックス供給ステージで配列保持されている金属ボールをフラックスに接触させる工程と、
    金属ボール接合ステージでフラックスが塗布された金属ボールを被接合部に接合する工程と、を含んでいることを特徴とする金属ボール接合方法。
  2. 金属ボールをフラックスに接触させる際、金属ボールを部分的にフラックスと接触させることを特徴とする請求項1に記載の金属ボール接合方法。
  3. 金属ボールを吸着する際、ボール配列基板に微振動を与えて余分な金属ボールを該ボール配列基板から除去することを特徴とする請求項1又は2に記載の金属ボール接合方法。
  4. 金属ボールを被接合部に配列接合する装置であって、
    金属ボールを所定の配列位置に吸着保持するボール配列基板と、
    金属ボールの配列と同位置に形成されたフラックス供給孔を有するフラックス供給ステージと、
    金属ボールの配列位置と対応位置にフラックス供給孔からフラックスを表面張力によってフラックス同士が接触しないように加圧して膨出させるフラックス加圧手段を有するフラックス供給手段と、
    被接合部を載置する接合ステージと、
    前記ボール配列基板を位置決めおよび移動可能な駆動機構と、を備えたことを特徴とする金属ボール接合装置。
  5. 前記ボール配列基板に微振動を与えて余分な金属ボールを該ボール配列基板から除去する余剰ボール除去手段をさらに含んでいることを特徴とする請求項に記載の金属ボール接合装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属ボール接合方法により金属ボールを被接合部に配列接合し、被接合部に接合された金属ボールをリフローすることによりバンプを形成するようにしたことを特徴とするバンプ形成方法。
  7. 被接合部として、半導体チップ、キャリアテープあるいは半導体基板の電極部が選ばれることを特徴とする請求項に記載のバンプ形成方法。
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