JP3725289B2 - ホイップクリーム用改質剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホイップクリームの乳化安定性、耐熱性の改良を図ることが可能なホイップクリームの改質剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホイップクリームとは、泡立ててケーキのデコレーションに使用したり詰め物にしたりされる水中油型、または水中油中水型の乳化物である。
【0003】
近年このホイップクリームは技術の発達により長期保存が可能になってきた。しかしながら、この為に輸送中に長時間振動を受けることも多く、クリームの粘度が上昇し凝集が発生しやすくなり、また、流通時や保管時の不適切な温度管理により、温度が上がり、粘度が上昇するなどの問題が発生するようになってきた。
【0004】
このため、ホイップクリームの乳化安定性を向上させるため、乳化剤と共にガム類、リン酸塩を併用したり(特公平3−62387号)、特定の組成の油脂を原料油脂に混合する方法(特開平5−276888号)が提案されている。また、ホイップクリームの製造時、乳化剤としてその構成する脂肪酸エステルが長鎖の脂肪酸であり、かつ、その平均エステル化度が1〜5のものであるショ糖脂肪酸エステルを使用することが知られているが(例えば「シュガーエステル物語」(第一工業製薬)(1989)P.189)、前記問題を十分解決するには致っていないのが現状である。特に乳化安定性の向上のみを追及するとオーバーランの低下、造花性の不良等、ホイップ特性が悪化することも多く、これがホイップクリームの商品設計上問題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ホイップクリームのオーバーランを低下させることなしに、乳化安定性及び耐熱性を向上させることのできる改質剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来の問題点に鑑み鋭意研究した結果、特定組成のアセチル化ショ糖脂肪酸エステルを用いることにより、上記課題を解決できることを見出し本発明に到達した。すなわち、ショ糖1モルに対する長鎖脂肪酸の平均エステル化度が1.5〜6であり、アセチル基の平均エステル化度が1〜6.5であり、かつ長鎖脂肪酸とアセチル基の合計の平均エステル化度が7以上であるアセチル化ショ糖脂肪酸エステルを含有するホイップクリーム用改質剤である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するアセチル化ショ糖脂肪酸エステルはショ糖に長鎖の脂肪酸とアセチル基がエステル結合したものである。長鎖の脂肪酸とは炭素数が12〜22であれば飽和、不飽和のいずれでも良く、具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸等が挙げられる。これらの脂肪酸は単独でも混合物でもかまわない。
【0008】
ホイップクリームの乳化安定性及び耐熱性の観点から、ショ糖1モルに対し長鎖脂肪酸の平均エステル化度は1.5〜6モル、アセチル基はショ糖1モルに対し平均エステル化度は1〜6.5モル、かつ長鎖脂肪酸とアセチル基は合計でショ糖1モルに対し平均7モル以上エステル結合していることが必要である。
【0009】
本発明のアセチル化ショ糖脂肪酸エステルは、ホイップクリームの原料油脂に対し0.1〜5.0重量%添加する。添加量が0.1%未満の場合、効果は期待できず、添加量が5.0%を超えるとコストの面で不利になる。
【0010】
本発明にかかわるホイップクリームの原料油脂としては大豆油、とうもろこし油、菜種油、綿実油、ヤシ油、パーム核油、パーム油等の植物油およびその水添油、エステル交換油、また乳脂等を挙げることが出来るが、食用の油脂であれば特に限定するものではなく、それらは単独でもあるいは混合して用いてもかまわない。
【0011】
本発明のアセチル化ショ糖脂肪酸エステルを含む油脂はホイップクリーム中10〜50重量%配合される。
【0012】
その他のホイップクリームの原料としては脱脂粉乳や全脂粉乳等の乳成分、ショ糖やグルコース、マルトース、水あめ等の糖類、グアガムやキサンタンガム、CMC、ローカストビーンガム等の水溶性高分子、ヘキサメタリン酸ナトリウムや第2リン酸ナトリウムなどのリン酸塩、ショ糖脂肪酸エステル(長鎖脂肪酸残基のみを有する)やグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの乳化剤等通常使用されるものを挙げることができる。
【0013】
アセチル化ショ糖脂肪酸エステルは固体脂の結晶成長抑制効果を持つことが知られているため、油脂に添加してホイップクリームを調製した場合、その油脂中の固体脂の結晶の状態を変えるためホイップクリームの乳化安定性や耐熱性が向上するものと考えられる。
【0014】
【実施例】
実施例1〜6及び比較例1〜3
<ホイップクリームの調製>
下記の配合に従いホイップクリームを調製した。(部は重量部を示す)
【0015】
大豆硬化油(融点34℃)に表1に示す組成のアセチル化ショ糖脂肪酸エステルを表2記載の所定量を添加し、加熱溶解させ均一に混合した。この油脂組成物40部にHLB値1のショ糖脂肪酸エステルを0.5部、牛脂モノグリセリド0.3部を加え混合し、80℃に保温した。(油相)
【0016】
一方、水54部に脱脂粉乳6部、HLB値11のショ糖脂肪酸エステル0.2部を溶解し80℃に保温した。(水相)
【0017】
前記油相に水相を滴下しつつ、ホモミキサーにて10,000rpm、5分間予備乳化を行ない、続いて一次圧100kg/cm2 、二次圧0kg/cm2 の条件で均質化を行なった。調製した乳化物は5℃迄急冷の後、12時間エージングを行ないホイップクリームミックスを得た。
【0018】
なお実施例中アセチル化ショ糖脂肪酸エステルを添加せずホイップクリームを調製したものを比較例1とし、長鎖脂肪酸の平均エステル化度が本発明の範囲をはずれるものを比較例2,3とした。表2に実施例および比較例の性能評価の結果を示した。
【0019】
<性能評価>
下記3項目について上記ホイップクリームを評価した。
1.ホイップクリームの乳化安定性
調製した上記ホイップクリームをガラス製容器に充てんし、30℃に保った後、振とう培養器にて150回/分振とうした。肉観にて凝集するまでの時間を測定した。凝集するまでの時間が長いほど乳化安定性がよい。
【0020】
2.ホイップクリームの耐熱性
調製した上記ホイップクリームを30℃の恒温槽に24時間静置して熱処理を施した。その後5℃迄徐冷し、B型粘度計にて粘度を測定し、エージング直後の粘度と比較し、耐熱性を評価した。粘度の変化が少ない方が耐熱性がよい。
【0021】
3.ホイップ特性(最高オーバーラン)
調製した上記ホイップクリームをケンミックスミキサー((株)愛工舎製作所製)にて常法に従ってホイップしてホイップドクリームを得た。ホイップドクリームの最高オーバーランを下式に従い算出した。最高オーバーランの値が比較例1を下まわらないこと、すなわちホイップ特性の悪化がないことがよい。
【0022】
【数1】
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】
表2に示すように特定組成のアセチル化ショ糖脂肪酸エステルを配合したホイップクリームは乳化安定性や耐熱性に優れており、またホイップ特性も良好のままである。
Claims (1)
- ショ糖1モルに対する長鎖脂肪酸の平均エステル化度が1.5〜6であり、アセチル基の平均エステル化度が1〜6.5であり、かつ長鎖脂肪酸とアセチル基の合計の平均エステル化度が7以上であるアセチル化ショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とするホイップクリーム用改質剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08196397A JP3725289B2 (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | ホイップクリーム用改質剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08196397A JP3725289B2 (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | ホイップクリーム用改質剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10248512A JPH10248512A (ja) | 1998-09-22 |
JP3725289B2 true JP3725289B2 (ja) | 2005-12-07 |
Family
ID=13761168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08196397A Expired - Lifetime JP3725289B2 (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | ホイップクリーム用改質剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3725289B2 (ja) |
-
1997
- 1997-03-14 JP JP08196397A patent/JP3725289B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10248512A (ja) | 1998-09-22 |
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