JPH07313066A - アイスクリーム類 - Google Patents

アイスクリーム類

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JPH07313066A
JPH07313066A JP6131455A JP13145594A JPH07313066A JP H07313066 A JPH07313066 A JP H07313066A JP 6131455 A JP6131455 A JP 6131455A JP 13145594 A JP13145594 A JP 13145594A JP H07313066 A JPH07313066 A JP H07313066A
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weight
ice
fatty acid
oil
ice cream
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Naohito Kudo
尚人 工藤
Yukitaka Tanaka
幸隆 田中
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オーバーラン特性、及び保型性に優れ、また
クリーミーな風味で、良好な口溶け感を持つアイスクリ
ーム類を提供する。 【構成】 水、食用油脂、蛋白質、及び糖類を含むアイ
スクリーム類であって、該油脂中に構成脂肪酸残基のう
ちの20重量%以上(好ましくは40重量%以上)がラ
ウリン酸残基であるグリセリンジ脂肪酸エステルが5〜
50重量%含有されていることを特徴とするアイスクリ
ーム類。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、品質及び風味、食感の
改良されたアイスクリーム類に関する。特に、本発明
は、オーバーラン特性(起泡性)及び保型性に優れ、ま
たクリーミーな風味で口溶け感が更に改良されたアイス
クリーム類に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にアイスクリーム類は、水、蛋白
質、食用油脂(乳脂及び/又は植物脂)及び糖類を主な
原料として、これらの原料を混合、予備乳化し、次い
で、均質化(乳化)後、85℃前後で殺菌し、その後1
〜4℃にて冷却しエージングを行い(通常この空気を抱
かせる前の乳化物をアイスクリームミックスと称してい
る)、次に得られた乳化物を−6℃〜−4℃にて攪拌
し、空気を抱かすこと(フリージング)によってソフト
タイプの製品を得ることができる。またフリージングに
よって起泡させたものを容器に充填後、−20℃以下に
急速冷凍して硬化(ハードニング)させることによって
ハードタイプの製品を得ることができる。なお、アイス
クリーム類には、その規格によってアイスクリーム、ア
イスミルク、及びラクトアイスに分けられる。
【0003】上記のようなアイスクリーム類の製造にお
いて、フリージングの段階で良好なオーバーラン特性
(起泡性)を有していること、また得られたアイスリー
ム類は良好な保型性(溶けて形崩れしにくい)を有して
いることが高品質なアイスクリーム類を得るために必要
である。一般にオーバーラン特性は、配合中における固
形分量が多くなる程悪くなる傾向にあり、一方保型性
は、配合中における固形分量が多くなる程良くなるが、
オーバーランの割合を高くするにつれて低下し易くな
る。そしてこの傾向は、アイスクリーム類の配合中の油
脂成分として植物油脂を多く含む製品(アイスミルク、
あるいはラクトアイス)において顕著になる。このた
め、例えば、固形分量が比較的少ない配合で、油脂成分
としてヤシ油を使用したラクトアイスなどでは、オーバ
ーランはある程度出るものの、特に保型性が低下し易く
なる。このため上記のようなラクトアイスでは、乳化剤
(モノグリセリドなど)や安定剤(ゲル化剤)などが使
用される場合が多い(例えば、特開平4−53451
号、同4−144646号各公報)、しかしこれらの添
加剤の使用は、風味、食感の低下を伴い易く、その使用
量は少ないことが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、オー
バーラン特性、及び保型性に優れ、またクリーミーな風
味で、良好な口溶け感を持つアイスクリーム類を提供す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高品質のア
イスクリーム類を求め、その配合中の油脂成分に着目し
て検討を進めた。その結果、油脂中に、特定の構成脂肪
酸基からなるグリセリンジ脂肪酸エステルを含有させる
ことにより、目的のアイスクリーム類を得ることを見出
し、本発明を完成させたものである。
【0006】本発明は、水、食用油脂、蛋白質、及び糖
類を含むアイスクリーム類であって、該油脂中に構成脂
肪酸残基のうちの20重量%以上(好ましくは、40重
量%以上)がラウリン酸残基であるグリセリンジ脂肪酸
エステルが5〜50重量%含有されていることを特徴と
するアイスクリーム類にある。
【0007】本発明は、以下の態様であることが好まし
い。 (1)グリセリンジ脂肪酸エステルの構成脂肪酸残基中
に、ラウリン酸残基が、更に50重量%以上、特に55
重量%以上を占めている。 (2)グリセリンジ脂肪酸エステルの構成脂肪酸残基中
に、飽和脂肪酸残基が50重量%以上(更に好ましくは
70重量%以上、特に80重量%以上)を占めている。 (3)上記グリセリンジ脂肪酸エステルが、油脂中に1
0〜45重量%、更に好ましくは15〜40重量%)含
まれている。
【0008】以下に、本発明のアイスクリーム類につい
て説明する。まず、本発明で使用するグリセリンジ脂肪
酸エステルについて詳述する。本発明で使用するグリセ
リンジ脂肪酸エステルは、構成脂肪酸残基の内の20重
量%以上が炭素数12のラウリン酸残基で占められてい
る。ラウリン酸残基の占める割合が構成脂肪酸残基中2
0重量未満では、充分な効果は得られない。上記ラウリ
ン酸残基は、構成脂肪酸残基中40重量%以上(更に好
ましくは、50重量%以上、特に55重量%以上)を占
めていることが好ましい。またラウリン酸残基以外の構
成脂肪酸残基としては、炭素数8〜22の脂肪酸残基を
挙げることができる。更にグリセリンジ脂肪酸エステル
の構成脂肪酸残基中には、飽和脂肪酸残基が50重量%
以上(更に好ましくは70重量%以上、特に80重量%
以上)を占めていることが好ましい。
【0009】また本発明で使用されるグリセリンジ脂肪
酸エステルは、オーバーラン特性、保型性、また口溶け
感などを考慮するとその上昇融点は、20℃〜50℃の
範囲(更に好ましくは、25℃〜45℃の範囲、特に、
30〜40℃の範囲)にあることが好ましい。なお、構
成脂肪酸残基の内の40重量%以上がラウリン酸残基と
する本発明で用いるグリセリンジエステルは、単独で用
いることが好ましいが、このエステルのみを単離するこ
とは工業上容易でないために、モノグリセリド及び/又
はトリグリセリドとの混合物として用いても良い。
【0010】本発明において用いられる脂肪酸のグリセ
リンジエステルは、例えば、ラウリン酸を主成分とする
油脂(例えば、椰子油、パーム核油)とグリセリンとを
アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の存在下
でエステル交換させるか、又はこれらの油脂由来のラウ
リン酸含有量の多い脂肪酸混合物とグリセリンとのエス
テル化反応により得ることができる。反応で生成した過
剰のモノグリセリドは分子蒸留法又はクロマトグラフィ
ーなどの分離手段を利用して除去することができる。な
お、これらの反応は上記のようなアルカリ触媒等を用い
た化学反応によって実施することができるが、1,3−
位選択的リパーゼ等の酵素を用いて温和な条件で反応を
行う方が、得られる脂肪酸のグリセリンジエステルの風
味も良く、好ましい。
【0011】本発明に係るグリセリンジ脂肪酸エステル
は、油脂中に5〜50重量%(好ましくは、10〜45
重量%、更に好ましくは15〜40重量%)含まれるよ
うに添加される。5重量%未満の添加量では、充分な効
果が得られない。また50重量%を越える添加量では、
オーバーラン特性、保型性が低下し、また乳化安定性に
も影響を与える。
【0012】本発明のアイスクリーム類には、油脂中に
前述した特定のグリセリンジ脂肪酸エステルが含まれて
いる以外は、通常のアイスクリーム類と同様に構成する
ことができる。すなわち、本発明のアイスクリーム類
は、特定のグリセリンジ脂肪酸エステル、食用油脂、
水、蛋白質及び糖類を主要成分として含むが、目的とす
る製品によって他に乳化剤、安定剤、及びフレーバー・
エッセンス類などが含まれる。
【0013】上記食用油脂は、植物油脂、乳脂あるいは
これらの分別油脂、硬化油脂、エステル交換油脂等の中
から一種又は二種以上を併用することができる。植物油
脂の例としては、大豆油、菜種油、綿実油、コーン油、
ひまわり油、オリーブ油、サフラワー油、パーム油、パ
ーム核油、カポック油、ヤシ油、及びサル脂を挙げるこ
とができる。上記のうちでは、通常ヤシ油、硬化ヤシ油
などのラウリン酸含有率の高い油脂が多く用いられてい
る。本発明のアイスクリーム類においてもこれらの油脂
の使用は、本発明に係るグリセリンジ脂肪酸エステルと
の相溶性がよく、得られるアイスクリーム類の口溶け感
などの食感、風味が良好となり、好ましい。食用油脂
は、通常水100重量部に対して3〜20重量部使用さ
れる。
【0014】上記蛋白質としては、通常脱脂粉乳、ある
いは脱脂乳などの水溶性の蛋白質が原料として使用され
る。蛋白質は、通常乳固形分として、水100重量部に
対して3〜10重量部使用される。
【0015】上記糖類としては、例えばグルコース、フ
ルクトース等の単糖類、シュクロース、マルトース、ラ
クトース等の二糖類、水飴、異性化糖などの単糖類及び
二糖類とオリゴ糖との混合物を挙げることができる。糖
類は、固形分で通常水100重量部に対して15〜35
重量部使用される。
【0016】上記乳化剤としては、例えば、クエン酸あ
るいは乳酸等の有機酸モノグリセリド類、グリセリン脂
肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、シ
ョ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、
プロピレングリコール脂肪酸エステル類などを挙げるこ
とができる。乳化剤は、通常水100重量部に対して
0.1〜1重量部使用される。
【0017】また上記安定剤としては、例えば、ローカ
ストビーンガム、トラガントガム、タマリンドガム、グ
アガム等のガム質、カラギーナン、寒天、ゼラチン、ペ
クチン等のゲル化剤、微結晶セルロース等のブロック剤
を挙げることができる。安定剤は、通常水100重量部
に対して0.1〜1重量部使用される。また、フレーバ
ー、エッセンス類としては、例えば、各種果実フレーバ
ー・エッセンス、バニラフレーバー・エッセンス、各種
可食性色素、チョコレートマスなどを挙げることができ
る。
【0018】本発明のアイスクリーム類は、前述した通
常の製法に従い製造することができる。すなわち、水、
蛋白質、食用油脂、及び糖類、更に必要により乳化剤、
安定剤などの原料を混合、予備乳化し、次いで均質化
(乳化)後、殺菌し、その後1〜4℃にて冷却してエー
ジングを行い、更に得られた乳化物を−6℃〜−4℃に
てフリージングすることによって製造することができ
る。本発明のアイスクリーム類は、目的とする製品によ
り種々の構成をとることができるが、油脂成分として、
乳脂が少ないか、あるいは乳脂を含まない系、すなわ
ち、アイスミルク、ラクトアイスであることが好まし
い。
【0019】
【実施例】以下に、実施例および比較例を用いて本発明
を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を
制限するものではない。なお、実施例中の「%」は、
「重量%」を意味する。
【0020】[実施例1] (グリセリンジ脂肪酸エステル(試料1)の調製)硬化
パーム核油(ヨウ素価8.2)75重量部及び精製グリ
セリン25重量部を混合し、これに水酸化カルシウム
0.1重量部を加え、250℃で30分加熱攪拌し、グ
リセロリシス反応を行った。反応後、分子蒸留法によ
り、過剰のグリセリン、及びモノエステルの除去を行
い、蒸留残渣を常法により精製し、ラウリン酸を主構成
脂肪酸残基とするグリセリンジ脂肪酸エステル(試料
1)を得た。
【0021】上記のようにして得られた試料1のグリセ
リンジ脂肪酸エステルの組成を以下の表1に示す。
【0022】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 試料1 ──────────────────────────────────── グリセリド組成(%) モノ 0.1 ジ 90.2 トリ 9.7 ──────────────────────────────────── 脂肪酸組成(%) カプリル酸 C8 3.8 カプリン酸 C10 3.6 ラウリン酸 C12 47.2 ミリスチン酸 C14 15.6 パルミチン酸 C16 9.1 ステアリン酸 C18 11.0 オレイン酸 C18:1 9.1 その他 0.6 ──────────────────────────────────── 上昇融点(℃) 32.5 ────────────────────────────────────
【0023】上記のようにして得られた試料1のグリセ
リンジ脂肪酸エステルと精製ヤシ油との混合物(混合重
量比/試料1:精製ヤシ油=20:80)を用いて以下
の表2に示すような配合(固形分換算での重量%で示し
てある)のラクトアイスを作った。なお、下記の配合に
おいて、乳化剤は、モノグリセリド(商品名:エキセル
T−95、花王(株)製)を用い、安定剤は、増粘剤
(商品名:サンベストAS−1、三栄源(株)製)を用
いた。
【0024】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 原料 配合I−1 配合II−1 配合III −1 ──────────────────────────────────── 試料1+ 8.0 8.0 8.0 精製ヤシ油 砂糖 7.5 7.5 7.5 液糖 10.25 10.2 16.5 脱脂粉乳 5.0 7.4 7.4 乳化剤 0.3 0.3 0.3 安定剤 0.35 0.35 0.35 色素 0.05 0.05 0.05 香料 0.0325 0.0325 0.0325 ────────────────────────────────────
【0025】(ラクトアイスI−1〜III −1の製造)
香料を除く上記配合の原料を85℃まで加温し、溶解さ
せてパドルミキサーを使用して10分間混合予備乳化を
行った。その後、高圧ホモゲナイザー(三和機械(株)
製)を用いて150kg/cm2 (1パス)の条件で乳
化を行った。得られた乳化物を85℃まで加温し、殺菌
した後、5℃まで冷却し、そのまま保温して一昼夜エー
ジングを行った。その後、得られたアイスクリームミッ
クスに香料を添加し、これを1.2リットル取り、アイ
スクリームフリーザー(三菱電機(株)製)に仕込ん
だ。そして冷却開始後、1分毎に品温及びオーバーラン
を測定し、最大オーバーランに達するまで攪拌を続ける
ことにより、本発明に従うラクトアイスI−1、II−1
及びIII −1をそれぞれ製造した。
【0026】[比較例1] (ラクトアイスI−a〜III −aの製造)上記実施例1
において、上記表2のラクトアイスの配合I〜III 中の
油脂成分(試料1+精製ヤシ油)を同量の精製ヤシ油に
変更した以外は、上記実施例1と同様にしてそれぞれに
対応する比較用のラクトアイスI−a、II−a、及びII
I−aを製造した。
【0027】[ラクトアイスとしての評価]以上のよう
にして得られた各ラクトアイスについてオーバーラン特
性の評価を行った。なお、オーバーランは、以下の式を
用いて算出した値である。 但し、上記式の「アイスクリーム重量」は、ここでは
「ラクトアイス重量」である。また例えば、オーバーラ
ン100とは、ミックスと同量の空気を含むことであ
る。結果を下記の表3に示す。
【0028】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 実施例1 比較例1 ラクトアイス I−1 II−1 III −1 I−a II−a III−a ──────────────────────────────────── 構成油脂 試料1+精製ヤシ油 精製ヤシ油 全脂肪分(%) 8 8 8 8 8 8 全固形分(%)28 30 35 28 30 35 ──────────────────────────────────── 最大オーバ 111.5 106.4 107.5 90.7 83.2 82.0 ラン(%) 到達時間 5分 5分 4分 4分 4分 3分 品温(℃) −4.5 −3.5 −3.1 −3.8 −4.1 −3.3 ────────────────────────────────────
【0029】上記表3に示された結果から明らかなよう
に、従来の精製ヤシ油に、特定の脂肪酸組成のグリセリ
ンジ脂肪酸エステル(試料1)を混合することにより、
高いオーバーラン特性を有する製品を得ることができ
る。
【0030】[実施例2] (ラクトアイスI−2及びIII-2の製造)上記実施例1
において、上記表2の配合I−1及びIII-1中、精製ヤ
シ油の代わりに硬化ヤシ油を用いた配合に変更した以外
は、実施例1と同様にして本発明に従うラクトアイスI
−2及びIII-2をそれぞれ製造した。
【0031】[比較例2] (ラクトアイスI−b及びIII-bの製造)上記比較例1
において、精製ヤシ油の代りに硬化ヤシ油に変更した以
外は、上記比較例1と同様にしてそれぞれに対応する比
較用のラクトアイスI−b及びIII-bを製造した。な
お、上記の比較用のラクトアイスの製造を二回繰り返し
行った。
【0032】[ラクトアイスとしての評価]以上のよう
にして得られた各ラクトアイスについてオーバーラン特
性の評価を上記実施例1と同様に行い、また同様な方法
で評価した。結果を下記の表4に示す。
【0033】
【表4】 表4 ──────────────────────────────────── 実施例2 比較例2 ラクトアイス I−2 III −2 I−b III−b ──────────────────────────────────── 構成油脂 試料1+硬化ヤシ油 硬化ヤシ油 全脂肪分(%) 8 8 8 8 全固形分(%) 28 35 28 35 ──────────────────────────────────── 一回目 最大オーバ 101.8 99.3 66.9 62.2 ラン(%) 到達時間(分) 4 4 5 6 品温(℃) −3.0 −4.2 −3.0 −6.0 ────────────────────────────────────
【0034】上記表4に示された結果から明らかなよう
に、従来の硬化ヤシ油に、特定の脂肪酸組成のグリセリ
ンジ脂肪酸エステル(試料1)を混合することにより、
高いオーバーラン特性を有する製品を得ることができ
る。
【0035】[実施例3] (ラクトアイスI−3、4及びIII-3、4の製造)上記
実施例2において、それぞれの製品について、最大オー
バーランに到達するまで攪拌を続けた代りに、最終製品
のオーバーランの値が70%と100%(設定値)に到
達するまで攪拌を続けた以外は、実施例2と同様にして
本発明に従うラクトアイスI−3、4及びIII-3、4を
それぞれ製造した。
【0036】[比較例3] (ラクトアイスI−c、d及びIII-c、dの製造)上記
比較例2において、それぞれの製品について、最大オー
バーランに到達するまで攪拌を続けた代りに、最終製品
のオーバーランの値が70%と100%(設定値)に到
達するまで攪拌を続けた以外は、比較例2と同様にして
比較用のラクトアイスI−c、d及びIII-c、dをそれ
ぞれ製造した。
【0037】[ラクトアイスとしての評価]以上のよう
にして設定したオーバーラン値で得られた各ラクトアイ
スについて保型性の評価を行った。保型性は、得られた
各ラクトアイスをプラスチック容器に充填してドライア
イスで急冷固化させた後、−30℃の冷蔵庫に保存した
ものを用い、以下方法で評価した。 (保型性の評価法)漏斗上に金網をおき、この上に各ラ
クトアイス(−30℃)を一定量(50g)載せ、一定
温度(20℃)下で、10分毎にメスシリンダーに滴下
したラクトアイスの量を測定する。結果を下記の表5に
示す。
【0038】
【表5】 表5 ──────────────────────────────────── 実施例3 比較例3 ラクトアイス I−3 III −3 I−c III−c ──────────────────────────────────── 構成油脂 試料1+硬化ヤシ油 硬化ヤシ油 全脂肪分(%) 8 8 8 8 全固形分(%) 28 35 28 35 ──────────────────────────────────── 最終オーバ 78.8 83.3 76.2 73.0 ラン(%) 到達時間(分) 6 9 8 9.5 品温(℃) −4.2 −6.5 −4.7 −6.3 ──────────────────────────────────── 滴下量 10(分) 0 3 0 5 (ml) 20 3 11 10 11 30 9 16 29 16 40 14 21 41 22 ──────────────────────────────────── ラクトアイス I−4 III −4 I−d III−d ──────────────────────────────────── 構成油脂 試料1+硬化ヤシ油 硬化ヤシ油 全脂肪分(%) 8 8 8 8 全固形分(%) 28 35 28 35 ──────────────────────────────────── 最終オーバ 101.9 101.5 100.7 102.4 ラン(%) 到達時間 8.5 8.3 11 12 品温(℃) −4.4 −5.5 −4.1 −5.1 ──────────────────────────────────── 滴下量 10(分) 0 1 0 8 (ml) 20 0 8 5 18 30 6 13 22 24 40 12 19 50 29 ────────────────────────────────────
【0039】上記の表5に示された結果から、特定の脂
肪酸組成のグリセリンジ脂肪酸エステル(試料1)を使
用することにより、高い保型性のラクトアイスが得れる
ことがわかる。また従来の硬化ヤシ油を使用した製品
(I−c、d及びIII-c、d)では、固形分量の増加に
伴って保型性もかなり向上するが、特定の脂肪酸組成の
グリセリンジ脂肪酸エステル(試料1)を使用した本発
明に従う製品(I−3、4及びIII-3、4)では、固形
分量の変動による保型性の変動が少なく、かつ高い保型
性を有していることがわかる。更に本発明に従う製品
(I−3、4及びIII-3、4)では、オーバーランを高
く設定しても保型性の変動は比較的少なく、かつ高い保
型性を有していることがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明のアイスクリーム類には、特定の
脂肪酸組成のジグリセリドが含まれており、優れたオー
バーラン特性、保型性を有している。このため、糖類、
あるいは乳化剤、安定剤などの添加剤の使用量を低減が
できる。特に、植物性油脂を使用したラクトアイスなど
においては、一般に乳化剤などの使用量も多く、このた
め風味が損なわれる傾向にあるが、本発明に係る特定の
脂肪酸組成のジグリセリドを使用することにより乳化剤
等による風味の低減を抑えることができる。また本発明
に係る特定の脂肪酸組成のジグリセリドによりクリーミ
ーな風味が付与されると共に、食用油脂として乳脂を使
用する系に使用した場合には、クリーミーな風味がより
強く引き出され、クリーミー感の高い製品を造ることが
できる。更に本発明に係る特定の脂肪酸組成のジグリセ
リドを使用すると、さっぱりした口溶け感となり、また
氷結晶によるざらつきや糊感も少なく良好な食感とな
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、食用油脂、蛋白質、及び糖類を含む
    アイスクリーム類であって、該油脂中に構成脂肪酸残基
    のうちの20重量%以上がラウリン酸残基であるグリセ
    リンジ脂肪酸エステルが5〜50重量%含有されている
    ことを特徴とするアイスクリーム類。
  2. 【請求項2】 グリセリンジ脂肪酸エステルの構成脂肪
    酸残基のうちの40重量%以上がラウリン酸残基である
    請求項1に記載のアイスクリーム類。
JP6131455A 1994-05-20 1994-05-20 アイスクリーム類 Withdrawn JPH07313066A (ja)

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