JP3397455B2 - バタークリーム用油脂組成物 - Google Patents

バタークリーム用油脂組成物

Info

Publication number
JP3397455B2
JP3397455B2 JP18587994A JP18587994A JP3397455B2 JP 3397455 B2 JP3397455 B2 JP 3397455B2 JP 18587994 A JP18587994 A JP 18587994A JP 18587994 A JP18587994 A JP 18587994A JP 3397455 B2 JP3397455 B2 JP 3397455B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
butter cream
palm
fat
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP18587994A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0847373A (ja
Inventor
亨 根津
良治 宗像
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Denka Kogyo KK filed Critical Asahi Denka Kogyo KK
Priority to JP18587994A priority Critical patent/JP3397455B2/ja
Publication of JPH0847373A publication Critical patent/JPH0847373A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3397455B2 publication Critical patent/JP3397455B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fats And Perfumes (AREA)
  • Confectionery (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クッキー、ビスケッ
ト、バターケーキ等に用いられるバタークリーム用油脂
組成物、詳しくは、パーム油及び/またはパーム分別油
を主成分とした、起泡性、吸水性及び保形性の良好なバ
タークリーム用油脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パーム油は、安価で供給の安定した油脂
原料である。このパーム油及びパーム油由来の分別油や
硬化油を多く含むマーガリン・ショートニングは、起泡
性(攪拌によって空気を抱き込む性質)、吸水性(水、
卵、シロップ等の水溶性成分を抱き込む性質)が低く、
このような性質を必要とされない練り込み用油脂には従
来から使用されていたが、このような性質を必要とする
バタークリーム用油脂へのパーム油及びパーム油由来の
分別油や硬化油の使用量は実質的に制限されていた。パ
ーム油及びパーム分別油を含む油脂組成物が、起泡性及
び吸水性に劣る点に関して、そのメカニズムは不明な点
が多い。パーム油由来のジパルミテートオレイン(P2
O)をはじめとする比較的融点の高い成分が、粗大結晶
を生じやすいことが原因とする考え方もあるが、急冷可
塑化し、充分に微細な結晶状態においてさえ、起泡性及
び吸水性に劣ることが観察されるため、結晶の粗大化以
外の原因もあるものと推測される。
【0003】このような欠点を補うため、パーム油を単
独でまたは他の油脂と混合してエステル交換する方法や
種々の乳化剤を使用する方法が検討されているが、何れ
も充分なものではなかった。また、特開平5−1998
38号公報には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸を適度に含
む低HLBの多価アルコール脂肪酸エステルが油脂の起
泡性を改善することが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開平5−199838号公報に記載の方法では、起泡
性は改善されるものの、同時に油脂組成物の稠度を著し
く軟化させるため、常温での保形性が悪化してしまうと
いう欠点があった。
【0005】従って、本発明の目的は、油脂組成物の主
原料として従来使用できなかったパーム油及び/または
パーム分別油を主成分とした、起泡性、吸水性及び保形
性の良好なバタークリーム用油脂組成物を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、パーム油
及び/またはパーム分別油を主成分とした油脂組成物に
ついて鋭意検討した結果、特定の乳化剤の使用が、パー
ム油及び/またはパーム分別油を主成分とする油脂組成
物の吸水性、起泡性及び保形性を改善することを知見し
た。
【0007】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、パーム油及び/またはパーム分別油を40重量%以
上含有する油脂に、乳化剤として、構成脂肪酸が飽和脂
肪酸からなるポリグリセリン脂肪酸エステルを0.01
〜1.0重量添加してなることを特徴とするバターク
リーム用油脂組成物を提供するものである。
【0008】以下、本発明のバタークリーム用油脂組成
物について詳述する。本発明で使用されるパーム油また
はパーム分別油は、パーム油またはパーム分別油であれ
ばどのようなものでもかまわない。本発明で使用される
油脂は、パーム油及び/またはパーム分別油を40重量
%以上、好ましくは70重量%以上含有する。パーム油
及びパーム分別油以外の油脂としては、液状油が用いら
れ、具体的には大豆油、ナタネ油、綿実油、白絞油等が
用いられる。
【0009】また、本発明で乳化剤として使用される構
成脂肪酸が飽和脂肪酸からなるポリグリセリン脂肪酸エ
ステルとしては、構成脂肪酸が実質的に炭素数12〜2
2の飽和脂肪酸からなるポリグリセリン脂肪酸エステル
が好ましい。上記の炭素数12〜22の飽和脂肪酸とし
ては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸等があげられる。
【0010】上記乳化剤は、融点が40℃以上で、沃素
価が5以下で、HLBが3以下のものが、油脂への溶解
性が高く、本発明の油脂組成物を製造する際に、より簡
便に使用することができるが、特に限定されるものでは
ない。上記乳化剤の使用量は、油脂組成物中、0.01
〜1.0重量%、好ましくは0.1〜0.4重量%であ
る。0.01重量%より少ないと起泡性、吸水性及び保
形性を改善することができず、1.0重量%より多いと
起泡性及び吸水性を改善することができない。本発明で
使用することのできる乳化剤は、具体的にはヘキサグリ
セリンヘキサステアレート、ヘキサグリセリンオクタス
テアレート、デカグリセリンモノステアレート、デカグ
リセリンジステアレート等をあげることができる。
【0011】本発明の油脂組成物に硬化油を添加するこ
とにより、さらに吸水性、起泡性及び保形性を改善する
ことができる。斯る硬化油としては、融点が45℃以下
のものが好ましい。融点が45℃より高いと油脂組成物
の口溶けが悪くなる。上記硬化油としては、パーム油、
パーム分別油、大豆油、ナタネ油、米ヌカ油、綿実油、
コーン油等を水素添加したもので、沃素価40〜80、
不飽和脂肪酸中のトランス酸含量5〜60重量%のもの
が特に好ましい。上記硬化油の使用量は、油脂組成物中
5〜40重量%が好ましい。
【0012】本発明の油脂組成物は、パーム油及び/ま
たはパーム分別油を40重量%以上含有する油脂に、上
記乳化剤を0.01〜1.0重量%添加、混合し、さら
に好ましくは融点45℃以下の硬化油を5〜40重量%
添加、混合し、60℃以上で均一に溶解または分散させ
たものを、通常のマーガリン、ショートニング製造と同
様な方法で急冷、混捏処理し、さらに場合によっては熟
成(テンパリング)することによって得ることができ
る。このようにして製造される本発明の油脂組成物は、
可塑性を有し、脂肪酸組成が20〜50重量%のパルミ
チン酸、15重量%以下のトランス酸を含有し、SFC
(固体脂含量)が20℃において10〜45、30℃で
は1〜30である。
【0013】本発明の油脂組成物を用いてバタークリー
ムを製造する場合、本発明の油脂組成物をバタークリー
ム中30〜90重量%含有させることが必要である。3
0重量%より少ないとバタークリームの油中水型乳化状
態が逆転し、水中油型乳化状態となったり、バタークリ
ームの保形性が悪くなり、また90重量%より多いと油
っぽく、味が悪い。上記バタークリームの油脂以外の成
分は水溶性成分や呈味成分等である。これらの水溶性成
分や呈味成分としては、砂糖等の結晶状態の糖類、シロ
ップ、水飴等の液状の糖類、粉乳や練乳等の乳製品類、
粉末卵黄等の卵類、ココアパウダー等のカカオ製品類、
果肉ジャム類、果汁類、チーズ類、ピーナッツペースト
等のナッツ類をあげることができるが、特に限定される
ものではない。本発明の油脂組成物に上記の水溶性成分
や呈味成分を添加し、乳化、分散させることにより、本
発明のバタークリームが得られる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 (実施例1〜3及び比較例1〜2)下記〔表1〕に示す
配合に従い、パーム油及びナタネ硬化油(融点35℃)
からなる原料油脂に乳化剤を添加、溶解、急冷練り合わ
せした後、25℃で24時間テンパリングし、ショート
ニングを得た。得られたショートニングを、シロップ
(糖度75)と50:50の割合で混合しホイップし、
ホイップ時間5分、10分、15分及び20分における
クリームの比重を測定した(クリーミングテスト)。ま
た、10分間ホイップしたクリームをプラスチック製の
カップに絞り、恒温槽中で24時間保管し、オイルオフ
を観察した(クリームの保形性のテスト)。その結果を
下記〔表1〕に示した。
【0015】(実施例4〜6及び比較例3〜4)下記
〔表2〕に示す配合によりマーガリンを試作し、20分
間ホイップした後、マーガリン100部に対し、シロッ
プ(糖度68)を120部、練乳を10部添加し、バタ
ークリームを調製した。ホイップ20分後のマーガリン
の比重と、シロップ及び練乳添加後のマーガリン(バタ
ークリーム)の比重を下記〔表2〕に示した。また、調
製したバタークリームをプラスチック製のカップに絞
り、恒温槽中で24時間保管し、オイルオフを観察し
た。その結果を下記〔表2〕に示した。また、上記の実
施例及び比較例で使用した乳化剤の脂肪酸組成を下記
〔表3〕に示した。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【発明の効果】本発明のバタークリーム用油脂組成物
は、油脂組成物の主原料として従来使用できなかったパ
ーム油及び/またはパーム分別油を主成分とした、起泡
性、吸水性及び保形性の良好なものである(請求項
1)。また、さらに硬化油を含有することにより、さら
に起泡性、吸水性及び保形性を改善することができる
(請求項2)。また、本発明のバタークリーム用油脂組
成物は、複雑な操作をすることなく容易に製造すること
ができる(請求項3)。また、本発明のバタークリーム
用油脂組成物を特定量含有するバタークリームは、起泡
性、吸水性及び保形性に優れたものである(請求項
4)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/19 A23D 7/00 A23G 3/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーム油及び/またはパーム分別油を4
    0重量%以上含有する油脂に、乳化剤として、構成脂肪
    酸が飽和脂肪酸からなるポリグリセリン脂肪酸エステ
    0.01〜1.0重量添加してなることを特徴とす
    るバタークリーム用油脂組成物。
  2. 【請求項2】 さらに硬化油を5〜40重量%添加して
    なる請求項1記載のバタークリーム用油脂組成物。
  3. 【請求項3】 パーム油及び/またはパーム分別油を4
    0重量%以上含有する油脂に、乳化剤として、構成脂肪
    酸が飽和脂肪酸からなるポリグリセリン脂肪酸エステ
    0.01〜1.0重量%添加、混合し、上記油脂に上
    記乳化剤を溶解または分散させたものを急冷、混捏する
    ことを特徴とするバタークリーム用油脂組成物の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のバタークリーム用油脂
    組成物をバタークリーム中30〜90重量%含有するこ
    とを特徴とするバタークリーム。
JP18587994A 1994-08-08 1994-08-08 バタークリーム用油脂組成物 Expired - Lifetime JP3397455B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18587994A JP3397455B2 (ja) 1994-08-08 1994-08-08 バタークリーム用油脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18587994A JP3397455B2 (ja) 1994-08-08 1994-08-08 バタークリーム用油脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0847373A JPH0847373A (ja) 1996-02-20
JP3397455B2 true JP3397455B2 (ja) 2003-04-14

Family

ID=16178482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18587994A Expired - Lifetime JP3397455B2 (ja) 1994-08-08 1994-08-08 バタークリーム用油脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3397455B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006273925A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Nof Corp バタークリーム用油脂組成物及びバタークリーム
JP5386888B2 (ja) * 2008-09-01 2014-01-15 不二製油株式会社 起泡性油中水型乳化物
JP6516278B2 (ja) * 2013-11-27 2019-05-22 株式会社Adeka バタークリームの製造方法
JP6527312B2 (ja) * 2014-05-28 2019-06-05 株式会社Adeka バタークリーム用油脂組成物
JP6824564B2 (ja) * 2016-04-01 2021-02-03 株式会社Adeka 起泡性水中油型乳化油脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0847373A (ja) 1996-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101087200B1 (ko) 안정성이 개선된 휩가능한 식품
EP0635216B1 (en) Fat composition and frothing oil-in-water emulsion
TWI333838B (en) Triglyceride compositions
JP3339366B2 (ja) 起泡性水中油型乳化組成物の製造方法
JP3844513B2 (ja) 製菓用油脂組成物及びその製造方法
JPH05236897A (ja) ホイップクリーム用水中油型乳化物、粉末及びホイップクリーム
JP2001061413A (ja) 含気チョコレート及びその製造法
JP2010081930A (ja) ホイップクリーム用油脂組成物
JP3397455B2 (ja) バタークリーム用油脂組成物
JP2006273925A (ja) バタークリーム用油脂組成物及びバタークリーム
JP3202394B2 (ja) 起泡性水中油型乳化物
JP5317999B2 (ja) バタークリーム類
JPH07327597A (ja) 起泡性乳化油脂組成物及び同組成物を用いたケーキ類の製造方法
JPS63141547A (ja) 含気油性食品組成物
JP4667518B2 (ja) トリグリセリド組成物
JP2835126B2 (ja) 練り込み用油中水型乳化油脂組成物
JP2914056B2 (ja) 油脂のクリーミング性向上剤及びそれを含む油脂組成物
JP3457411B2 (ja) 油中水型乳化油脂組成物
JPH08140612A (ja) ケーキ用乳化油脂組成物
JP3131608B2 (ja) 油中水中油型乳化油脂組成物及びその製造法
JP6810570B2 (ja) カカオ分高含有のフィリング
JP3897438B2 (ja) ショートニング
JP2001178388A (ja) カスタード風味クリームとその製造法
JP2013132273A (ja) 油中水型乳化組成物
JP2015062397A (ja) 中鎖脂肪酸含有トリグリセリドを含む乳化組成物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080214

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090214

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100214

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100214

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110214

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120214

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130214

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term