JP3397455B2 - バタークリーム用油脂組成物 - Google Patents
バタークリーム用油脂組成物Info
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Description
ト、バターケーキ等に用いられるバタークリーム用油脂
組成物、詳しくは、パーム油及び/またはパーム分別油
を主成分とした、起泡性、吸水性及び保形性の良好なバ
タークリーム用油脂組成物に関するものである。
原料である。このパーム油及びパーム油由来の分別油や
硬化油を多く含むマーガリン・ショートニングは、起泡
性(攪拌によって空気を抱き込む性質)、吸水性(水、
卵、シロップ等の水溶性成分を抱き込む性質)が低く、
このような性質を必要とされない練り込み用油脂には従
来から使用されていたが、このような性質を必要とする
バタークリーム用油脂へのパーム油及びパーム油由来の
分別油や硬化油の使用量は実質的に制限されていた。パ
ーム油及びパーム分別油を含む油脂組成物が、起泡性及
び吸水性に劣る点に関して、そのメカニズムは不明な点
が多い。パーム油由来のジパルミテートオレイン(P2
O)をはじめとする比較的融点の高い成分が、粗大結晶
を生じやすいことが原因とする考え方もあるが、急冷可
塑化し、充分に微細な結晶状態においてさえ、起泡性及
び吸水性に劣ることが観察されるため、結晶の粗大化以
外の原因もあるものと推測される。
独でまたは他の油脂と混合してエステル交換する方法や
種々の乳化剤を使用する方法が検討されているが、何れ
も充分なものではなかった。また、特開平5−1998
38号公報には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸を適度に含
む低HLBの多価アルコール脂肪酸エステルが油脂の起
泡性を改善することが開示されている。
特開平5−199838号公報に記載の方法では、起泡
性は改善されるものの、同時に油脂組成物の稠度を著し
く軟化させるため、常温での保形性が悪化してしまうと
いう欠点があった。
原料として従来使用できなかったパーム油及び/または
パーム分別油を主成分とした、起泡性、吸水性及び保形
性の良好なバタークリーム用油脂組成物を提供すること
にある。
及び/またはパーム分別油を主成分とした油脂組成物に
ついて鋭意検討した結果、特定の乳化剤の使用が、パー
ム油及び/またはパーム分別油を主成分とする油脂組成
物の吸水性、起泡性及び保形性を改善することを知見し
た。
で、パーム油及び/またはパーム分別油を40重量%以
上含有する油脂に、乳化剤として、構成脂肪酸が飽和脂
肪酸からなるポリグリセリン脂肪酸エステルを0.01
〜1.0重量%添加してなることを特徴とするバターク
リーム用油脂組成物を提供するものである。
物について詳述する。本発明で使用されるパーム油また
はパーム分別油は、パーム油またはパーム分別油であれ
ばどのようなものでもかまわない。本発明で使用される
油脂は、パーム油及び/またはパーム分別油を40重量
%以上、好ましくは70重量%以上含有する。パーム油
及びパーム分別油以外の油脂としては、液状油が用いら
れ、具体的には大豆油、ナタネ油、綿実油、白絞油等が
用いられる。
成脂肪酸が飽和脂肪酸からなるポリグリセリン脂肪酸エ
ステルとしては、構成脂肪酸が実質的に炭素数12〜2
2の飽和脂肪酸からなるポリグリセリン脂肪酸エステル
が好ましい。上記の炭素数12〜22の飽和脂肪酸とし
ては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸等があげられる。
価が5以下で、HLBが3以下のものが、油脂への溶解
性が高く、本発明の油脂組成物を製造する際に、より簡
便に使用することができるが、特に限定されるものでは
ない。上記乳化剤の使用量は、油脂組成物中、0.01
〜1.0重量%、好ましくは0.1〜0.4重量%であ
る。0.01重量%より少ないと起泡性、吸水性及び保
形性を改善することができず、1.0重量%より多いと
起泡性及び吸水性を改善することができない。本発明で
使用することのできる乳化剤は、具体的にはヘキサグリ
セリンヘキサステアレート、ヘキサグリセリンオクタス
テアレート、デカグリセリンモノステアレート、デカグ
リセリンジステアレート等をあげることができる。
とにより、さらに吸水性、起泡性及び保形性を改善する
ことができる。斯る硬化油としては、融点が45℃以下
のものが好ましい。融点が45℃より高いと油脂組成物
の口溶けが悪くなる。上記硬化油としては、パーム油、
パーム分別油、大豆油、ナタネ油、米ヌカ油、綿実油、
コーン油等を水素添加したもので、沃素価40〜80、
不飽和脂肪酸中のトランス酸含量5〜60重量%のもの
が特に好ましい。上記硬化油の使用量は、油脂組成物中
5〜40重量%が好ましい。
たはパーム分別油を40重量%以上含有する油脂に、上
記乳化剤を0.01〜1.0重量%添加、混合し、さら
に好ましくは融点45℃以下の硬化油を5〜40重量%
添加、混合し、60℃以上で均一に溶解または分散させ
たものを、通常のマーガリン、ショートニング製造と同
様な方法で急冷、混捏処理し、さらに場合によっては熟
成(テンパリング)することによって得ることができ
る。このようにして製造される本発明の油脂組成物は、
可塑性を有し、脂肪酸組成が20〜50重量%のパルミ
チン酸、15重量%以下のトランス酸を含有し、SFC
(固体脂含量)が20℃において10〜45、30℃で
は1〜30である。
ムを製造する場合、本発明の油脂組成物をバタークリー
ム中30〜90重量%含有させることが必要である。3
0重量%より少ないとバタークリームの油中水型乳化状
態が逆転し、水中油型乳化状態となったり、バタークリ
ームの保形性が悪くなり、また90重量%より多いと油
っぽく、味が悪い。上記バタークリームの油脂以外の成
分は水溶性成分や呈味成分等である。これらの水溶性成
分や呈味成分としては、砂糖等の結晶状態の糖類、シロ
ップ、水飴等の液状の糖類、粉乳や練乳等の乳製品類、
粉末卵黄等の卵類、ココアパウダー等のカカオ製品類、
果肉ジャム類、果汁類、チーズ類、ピーナッツペースト
等のナッツ類をあげることができるが、特に限定される
ものではない。本発明の油脂組成物に上記の水溶性成分
や呈味成分を添加し、乳化、分散させることにより、本
発明のバタークリームが得られる。
る。 (実施例1〜3及び比較例1〜2)下記〔表1〕に示す
配合に従い、パーム油及びナタネ硬化油(融点35℃)
からなる原料油脂に乳化剤を添加、溶解、急冷練り合わ
せした後、25℃で24時間テンパリングし、ショート
ニングを得た。得られたショートニングを、シロップ
(糖度75)と50:50の割合で混合しホイップし、
ホイップ時間5分、10分、15分及び20分における
クリームの比重を測定した(クリーミングテスト)。ま
た、10分間ホイップしたクリームをプラスチック製の
カップに絞り、恒温槽中で24時間保管し、オイルオフ
を観察した(クリームの保形性のテスト)。その結果を
下記〔表1〕に示した。
〔表2〕に示す配合によりマーガリンを試作し、20分
間ホイップした後、マーガリン100部に対し、シロッ
プ(糖度68)を120部、練乳を10部添加し、バタ
ークリームを調製した。ホイップ20分後のマーガリン
の比重と、シロップ及び練乳添加後のマーガリン(バタ
ークリーム)の比重を下記〔表2〕に示した。また、調
製したバタークリームをプラスチック製のカップに絞
り、恒温槽中で24時間保管し、オイルオフを観察し
た。その結果を下記〔表2〕に示した。また、上記の実
施例及び比較例で使用した乳化剤の脂肪酸組成を下記
〔表3〕に示した。
は、油脂組成物の主原料として従来使用できなかったパ
ーム油及び/またはパーム分別油を主成分とした、起泡
性、吸水性及び保形性の良好なものである(請求項
1)。また、さらに硬化油を含有することにより、さら
に起泡性、吸水性及び保形性を改善することができる
(請求項2)。また、本発明のバタークリーム用油脂組
成物は、複雑な操作をすることなく容易に製造すること
ができる(請求項3)。また、本発明のバタークリーム
用油脂組成物を特定量含有するバタークリームは、起泡
性、吸水性及び保形性に優れたものである(請求項
4)。
Claims (4)
- 【請求項1】 パーム油及び/またはパーム分別油を4
0重量%以上含有する油脂に、乳化剤として、構成脂肪
酸が飽和脂肪酸からなるポリグリセリン脂肪酸エステル
を0.01〜1.0重量%添加してなることを特徴とす
るバタークリーム用油脂組成物。 - 【請求項2】 さらに硬化油を5〜40重量%添加して
なる請求項1記載のバタークリーム用油脂組成物。 - 【請求項3】 パーム油及び/またはパーム分別油を4
0重量%以上含有する油脂に、乳化剤として、構成脂肪
酸が飽和脂肪酸からなるポリグリセリン脂肪酸エステル
を0.01〜1.0重量%添加、混合し、上記油脂に上
記乳化剤を溶解または分散させたものを急冷、混捏する
ことを特徴とするバタークリーム用油脂組成物の製造方
法。 - 【請求項4】 請求項1に記載のバタークリーム用油脂
組成物をバタークリーム中30〜90重量%含有するこ
とを特徴とするバタークリーム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18587994A JP3397455B2 (ja) | 1994-08-08 | 1994-08-08 | バタークリーム用油脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0847373A JPH0847373A (ja) | 1996-02-20 |
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Family
ID=16178482
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP18587994A Expired - Lifetime JP3397455B2 (ja) | 1994-08-08 | 1994-08-08 | バタークリーム用油脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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---|---|---|---|---|
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JP5386888B2 (ja) * | 2008-09-01 | 2014-01-15 | 不二製油株式会社 | 起泡性油中水型乳化物 |
JP6516278B2 (ja) * | 2013-11-27 | 2019-05-22 | 株式会社Adeka | バタークリームの製造方法 |
JP6527312B2 (ja) * | 2014-05-28 | 2019-06-05 | 株式会社Adeka | バタークリーム用油脂組成物 |
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-
1994
- 1994-08-08 JP JP18587994A patent/JP3397455B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
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