JP3725285B2 - 同期発電機の単独運転検出方式 - Google Patents

同期発電機の単独運転検出方式 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同期発電機の単独運転検出方法に係り、特に逆潮流有りの電力系統に連系された同期発電機の単独運転検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図19に示すように、配電線に系統連系された同期発電機3が、系統側連系点の遮断(配電変電所の送り出し遮断器CB1の開放)によって単独運転状態になると系統信頼性および保安上の問題から、この状態を検出して受電点の遮断器CB2を開放しなければならない。これに関する現在の技術は以下の通りである。
【0003】
(1)転送遮断方式
配電線送り出し遮断器の開放を配電変電所で検出して、受電点の遮断器にトリップ信号を転送する方式。
【0004】
(2−1)受動的方式
系統側連系点の遮断器が電力潮流が有る状態で開放して、配電線に系統連系された同期発電機が単独運転状態になると、この発電機の入出力にアンバランスが生じ周波数が変動するのでこの周波数偏差が一定値以上になったことによって単独運転状態を検出して、受電点の遮断器を開放する方式。
【0005】
(2−2)能動的方式
系統側連系点の遮断器が電力潮流が無しの状態で開放して、配電線に系統連系された同期発電機の入出力がバランスした状態で単独運転状態になると、単独運転移行前後で、この発電機の周波数に変動は生じない。よって、このような状態でも単独運転状態を検出するべく、同期発電機の自動電圧調節器の電圧設定値に常時周期的な微小変動を加え、この周期的微小変動により生じる発電機周波数偏差が一定値以上になったことによって単独運転状態を検出して、受電点の遮断器を開放する方式。(図19)
本発明は、上記能動方式の同期発電機の単独運転検出方式に関するものである。
【0006】
従来、能動方式には、単独運転状態が検出されるべき同期発電機の自動調整器の電圧設定値に周期的微小変動を与え、発電機周波数変動が一定値以上になったことによって同期発電機の単独運転状態を検出して、受電点の遮断器を開放するようにしたものがある(例、特開平7−31197号公報)。
【0007】
しかし、この従来能動方式の同期発電機の単独運転検出装置は、系統短絡事故に対する単独運転検出装置の誤動作防止対策が充分でなく、かつ単独運転検出装置の信頼性監視機能が備わっていない。
【0008】
そこで、本出願人は、先に、誤動作差防止対策が充分にして、高信頼性の同期発電機の単独運転検出方法を提案した(特願平8−19572号)。
【0009】
この先願にかかる同期発電機の単独運転検出方法は、系統連系された同期発電機の自動電圧調整器(AVR)に対して、その電圧設定値を常時一定周期で微小変動させるための信号を出力する機能1と、単独運転状態を最適な条件で検出するため発電機出力、発電機の機器定数、その自動電圧調整器の伝達関数およびその調速機の伝達関数とから機能1の信号に対して最適な微小変動量と周期を演算して機能1に出力する機能2と、発電機周波数の変動分を演算してその変動分が整定値以上になったことによって単独運転状態を検出する周波数リレーである機能3を備えたものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の同期発電機の単独運転検出の能動的方式では、AVRの電圧設定値に対して一定周期の微小変動を加えなければならない。このため、系統連系時に同期発電機の端子電圧が変動する。
【0011】
AVR電圧設定値変動量は、単独運転状態を確実に検出できると同時に、系統連系時の電圧変動量を充分小さくするものでなければならない。AVR電圧設定値変動量に対して、同期発電機の設置点が変電所から比較的近い場合は系統連系時の電圧変動量は小さい。
【0012】
しかし、この設置点が遠方の場合は系統連系時の電圧変動量は大きくなる。高圧配電線の電圧変動許容値は低圧側で101V±6Vであるが、電圧値がこの許容値の上限または下限にある場合や、AVRなどへの影響を考慮して能動的方式による電圧変動値の許容値を抑える必要がある。
【0013】
また、その監視対象量が発電機周波数偏差である能動的,受動的方式による単独運転検出方式においては、短絡事故時の誤検出を防止するため、短絡事故除去時間との協調を図る以下のような機能を必要とする。
【0014】
機能1:監視対象量(周波数偏差)がある一定値以上(±fset)を越えている時間をカウントする機能。
【0015】
機能2:ある期間内にこのカウント値が所定の値以上になったことにより配電線に系統連系された同期発電機が単独運転状態となったと見なす機能。
【0016】
ここでの能動的方式に対する発電機周波数変動は同期発電機の自動電圧設定値に加えられる微小な電圧設定値変動信号が周期的なものであるため、これにより生じる発電機周波数変動も周期的なものとなる(図16)。したがって、機能1は断続的に実行され、結果的に単独運転状態の検出の遅延が生じる。
【0017】
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、連系時の電圧変動を抑制し、又は単独運転検出の遅延を抑えて単独運転の検出を確実にする同期発電機の単独運転検出方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、系統と連系運転する同期発電機の自動電圧調整器に一定周期の微小電圧変動値を与え、単独運転時に生じる周波数変動を周波数リレーで監視することで同期発電機の単独運転を検出する同期発電機の単独運転検出装置において、
前記一定周期の微小電圧変動値よって同期発電機が出力する無効電力を検出する無効電力検出部と、検出された無効電力値を、前記一定周期の微小電圧変動値に対してS/1+Sの周波数特性を有するフィルタに導入して無効電力変動分を検出する無効電力変化分検出部と、検出された無効電力変化分を導入して前記微小電圧変動値と同位相になるように位相補償する位相補償部と、この位相補償部からの出力を入力して一定の補償率を掛けて前記電圧の変動分の値ΔV AVR にほぼ等しい値とする補償率部と、前記一定周期の微小電圧変動値ΔV AVR と前記位相補償部の出力Δ Q ‘との差を自動電圧調整器に加えるよう構成したことを特徴とするものである。
【0019】
または、前記周波数リレーを低整定値を持つ第1の周波数リレーと高整定値を持つ第2の周波数リレーに分け、常時の前記自動電圧調整器に与える微小変動値を前記第1の周波数リレー用の低い周波数値とし、第1の周波数リレーだけが動作した場合のみ一定期間だけ前記微小変動値を第2のリレー用の高い周波数値に切り替えて、第1,第2の周波数リレーが共に動作した場合に単独運転を検出するようにする。
【0020】
その場合、前記第1の周波数リレーだけが動作した場合のみ無効電力変動分による補償を停止させるのがよい。
【0021】
あるいは、系統と連系運転する同期発電機の自動電圧調整器に一定周期の微小電圧変動値を与え、単独運転時に生じる周波数変動を周波数リレーで監視することで同期発電機の単独運転を検出する同期発電機の単独運転検出装置において、
監視対象量を、同期的に変化する発電機周波数の変動値Δf(t)とその時間微分値Δf′(t)および AVR 電圧設定値変動分の周期的な微小変動の角周波数ω AVR から得られる成分 [ Δf′(t)/ω AVR ,Δf(t) ] のベクトル F (t)の絶対値としたことを特徴としたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1は実施の形態1にかかる系統連系中の電圧変動対策を施した同期発電機の単独運転検出回路を示す。図中、1は商用系統電源、2は配電変電所、3は需要家の自家用同期発電機、3Fは同期発電機3の励磁コイル、4は同期発電機2の励磁機、5は励磁機4を制御して同期発電機の出力電圧を制御する自動電圧調整器(AVR)、6はAVR電圧設定器、7はAVR電圧設定値VAVRに同期発電機単独運転検出用の一定周期(0.1〜1.0Hz)で変動するAVR電圧設定値変動分ΔVAVRを加えてAVR5に出力する加算器、10は単独運転検出装置である。
【0023】
単独運転検出装置10は電圧変動量設定部10Aと、単独運転検出部10Bからなる。電圧変動量設定部10Aは、上記変動分ΔVAVRを出力するAVR電圧設定値変動分発生器11と、PT1及びCT1で検出した受電側電圧及び電流から無効電力を求める無効電力演算回路13と、この無効電力Qの、上記変動分ΔVAVRの周波数(0.1〜1.0Hz)で変動する変化分ΔQを求める無効電力変化分演算回路14と、この変化分ΔQの位相を上記変動分ΔVAVRの位相に調節する位相補償回路15と、この位相補償した変化分ΔQ′の大きさを変動分発生器11の出力ΔVAVRの大きさと同じくなるように補償率KCで調節する補償率回路16と、変動分発生器11からの変動分ΔVAVRから補償率回路16からの変化分ΔQ″を引いて無効電力変動分で低減したAVR電圧設定値変動分電圧ΔVAVRを上記AVRの加算器7に出力する減算器18で構成されている。
【0024】
また、単独運転検出部10Bは、上記PT1からの検出電圧が入力し、周波数が上記変動量ΔVAVRの周波数(0.1〜1.0Hz)で動作する周波数リレー21と同じくPT1からの検出電圧が入力する不足電圧リレー22と、不足電圧リレー22が動作しないことを条件に周波数リレー21の出力を通す論理積回路24と、この出力を確認して上記受電点遮断機CB2のトリップ信号を出力するタイマ25で構成されている。
【0025】
同期発電機3の系統連系時の発電機端子の無効電力Qrは図2より(1)式で与えられる。
【0026】
【数1】
Figure 0003725285
【0027】
δは小さいので、δ≒0、系統電圧ESを一定とすると、無効電力変動ΔQrは(2)式で与えられる。
【0028】
【数2】
Figure 0003725285
【0029】
配電線のリアクタンス e は小さいので、電圧変動に対する無効電力変動ΔQは大きい。
【0030】
また、単独運転時の発電機端子の無効電力の変動量ΔQrは図3より(3)式で与えられる。
【0031】
【数3】
Figure 0003725285
【0032】
よって、無効電力の変動は系統連系時に比べてかなり小さい。
【0033】
この性質を利用して無効電力の変動量ΔQを検出し、この位相を補償してAVRの電圧設定値の変動量ΔVAVRを打ち消すように加えてやれば、単独運転検出感度をさほど低下させることなく、系統連系時の電圧変動を低減させることができる。(図4,図5参照)
すなわち、同期発電機3が系統と連系中は受電点に電流が流れる。無効電力演算回路13は受電点の電圧,電流から無効電流Q(=Qr)を検出し、無効電力変化分演算部14で変化分ΔQ(0.1〜1.0Hz)を検出し、位相補償回路15で位相補償し、補償率回路16で上記変動分ΔVAVRとほぼ等しい補償分ΔQ″を作り、減算器18に出力する。したがって、AVR5に入力するAVR電圧設定値変動分は小さくなり、発電機3の電圧変動は低減され、連系点の電圧,周波数の変動が減少する。
【0034】
同期発電機3が単独運転になると、無効電力演算回路13が検出する無効電力は急減し、補償率回路16からの補償量ΔQ″は小さくなる。このため変動分発生器11からの変動分ΔVAVRは加算器18で殆ど減少されることなく、AVR5の加算器7に入力する。しかして同期発電機3の出力電圧は変化分ΔVAVR(0.1〜1.0Hz)によって変化し、周波数が変動する。
【0035】
上述のように、連系中はAVR5に入力するAVR電圧設定値変化分ΔVAVRは補償量ΔQ″により小さくなるので、同期発電機3の電圧,周波数の変動は小さく連系点の電圧,周波数は殆ど変動しない。したがって、周波数リレー21は動作しないので、受電遮断器CB2が誤遮断することはない。
【0036】
また、同期発電機3が単独運転となると、変化分ΔVAVRによって同期発電機3の出力電圧及び周波数が変動するので、周波数リレー21が動作し出力する。この出力は不足電圧リレー22が動作していないことを条件とする論理積回路24を通りタイマ25で確認され、連系遮断器4を遮断させる。
【0037】
実施の形態1によれば、変化分発生器11からのAVR電圧設定値変化分ΔVAVRの値を大きくしても連系中はAVR5に入力するAVR電圧設定値変化分ΔVAVRは小さくなるので、連系点の電圧,周波数変動が少なくなり、周波数リレー21が誤動作することはない。また、単独運転となると、補償分ΔQ″が小さくなり同期発電機3の電圧,周波数はAVR電圧設定値変化分ΔVAVRによって変化するので、単独運転検出が確実にできる。
【0038】
無効電力変動分演算(検出)回路14は図6に示すように、フィルタとすることができる。この場合、AVR電圧設定値の変動周波数は0.1〜1.0Hzであり、無効電力変動周波数もそれと等しくなるので、フィルタはこの周波数成分を抽出できる(4)式の特性とする。
【0039】
【数4】
Figure 0003725285
【0040】
このフィルタの直流分に対するゲインは零になる。周波数0.1〜1.0Hzに対して(4)式のゲイン位相は表1のようになる。
【0041】
【表1】
Figure 0003725285
【0042】
系統連系時のAVR電圧設定値変動分ΔVAVR(s)と発電機無効電力の変動ΔQ(s)との関係は(5)式で与えられる。
【0043】
【数5】
Figure 0003725285
【0044】
よって、図6の位相補償の値は、AVR電圧設定値の変動周波数をfAVRで与えると(5)式でS=j2πfAVRとおいたfAVRに対する位相角になる。上記のように電圧変動低減策を講じた場合の系統連系時の電圧変動値は(6)式で与えられる。
【0045】
【数6】
Figure 0003725285
【0046】
実施例
【0047】
【表2】
Figure 0003725285
【0048】
図1の配電系統において、同期発電機3の定数及び発電機の制御回路定数を表2及び図7のとおりとし、配電線のリアクタンスを、標準のリアクタンス0.35Ω/Km、長さLを0,2.0,20.0及び30.0Km、AVR電圧設定値変動分ΔVAVR、と無効電力変化分ΔQとの位相補償は完全に行われ、補償率Kcは0,0.4,1.0,1.2,…の条件で、電圧変動低減効果を検討したところ表3に示す低減効果が得られた。
【0049】
【表3】
Figure 0003725285
【0050】
また、AVR電圧設定値変動分ΔVAVRは4%で検討したが、この条件に対して発電機の出力が定格の半分の場合でも、単独運転状態を2秒以下で検出できる。
【0051】
図8に電圧変動量に対する発電機設置点と補償率の関係を示す。発電機設置点が遠方になるほど電圧変動量は大きく、それが30Kmの場合は約35%にもなる。
【0052】
発電機設置点が30Kmの場合の電圧変動量と補償率の関係を図9に、補償率と単独運転時の周波数変動定常値との関係を図10に示す。補償率を高めることによって電圧変動量を低減できる。この値が200%以上では効果は殆ど変わらない。しかし、補償率を大きくすると単独運転時の周波数変動も低下する。よって、補償率を高めて電圧変動量を低減させる場合はAVR電圧設定値変動量を大きくしなければ感度が低下する。
【0053】
補償率Kcが零の場合に比べてこれが200%の場合は、単独運転状態の周波数変動が1.97Hzから1.12Hzへ低下する。その低下を抑えるために補償率が200%の場合の、AVR電圧設定値変動量を次の値にしなければならない。
【0054】
【数7】
Figure 0003725285
【0055】
図11に補償率が零の場合と同一の感度を得るためのAVR電圧設定値の変動量を示す。横流補償率が200%でAVR電圧設定値変動量が4%の場合の電圧変動量は0.67%である。従ってこの変動量が7%の系統連系時の電圧変動量は、
【0056】
【数8】
Figure 0003725285
【0057】
になる。よって、電圧変動の低減効果は、
【0058】
【数9】
Figure 0003725285
【0059】
である。図11に図12のAVR電圧設定値変動量に対する系統連系時の電圧変動量を示す。
【0060】
以上から、標準の発電機、制御回路定数に対して(発電機容量2MVA)、発電機の設置点が変電所から30Kmの場合、AVR電圧設定値変動量を7%(周波数0.4Hz)、横流補償を200%にすると、発電機出力が定格容量の半分の条件に対して単独運転状態を2秒以下で検出でき、かつ系統連系時の電圧変動を1.2%に低減できることが分かった。
【0061】
補償率零とこれが200%の場合に単独運転検出時間を求めた結果を表4に示す。
【0062】
【表4】
Figure 0003725285
【0063】
図13に示すように、電圧低減対策有・無での、単独運転検出時間の差は0.1sであり、その対策の影響は小さい。
【0064】
実施の形態2
図14に実施の形態2にかかる系統連系中の電圧変動対策を施した同期発電機の単独運転検出回路を示す。なお、図14中、図1に示したものと同一構成部分は、同一符号を付してその重複する説明を省略する。
【0065】
図14において、11,12はそれぞれ周波数を異にする第1,第2のAVR電圧設定値変動分ΔVAVR1,VAVR2を発生する変動分発生器、S1は変動分発生器11,12の出力を切り替えて減算器18に出力する切替スイッチ、21は上記第1のAVR電圧設定値変動分の周波数を検出する低整定値を持つ第1の周波数理リレー、23は上記第2のAVR電圧設定値変動分の周波数を検出する高整定値を持つ第2の周波数リレー、24は第2のリレーが不動作であることを条件に第1の周波数リレー21からの信号が入力すると出力する論理積回路、25は論理積回路24の出力を確認して上記切替スイッチS1を切替動作させるタイマ、26はタイマ25が出力していることを条件に第2の周波数リレーからの信号が入力すると受電遮断器CB2のトリップ信号を出力する論理積回路、TRは受電変圧器である。
【0066】
次にこの単独運転検出装置の動作について説明する。同期発電機3が系統と連系中は変動分発生器11のAVR電圧設定値変動分ΔVAVR1が切替スイッチS1を介して減算器18に出力し、回路13〜16は無効電力を検出して上記AVR電圧設定値変動分ΔVAVR1と大きさがほぼ等しい補償分ΔQ″を減算器18に出力する。したがって、AVR5に入力するAVR電圧設定値変動分は小さくなり、発電機3の電圧変動は低減され、連系点の電圧,周波数が変動しないので、周波数リレー21,23は動作しないので、受電遮断器CB2が誤遮断することはない。
【0067】
同期発電機3が単独運転となると、受電点の電流は0となるので、無効電力演算回路13が検出する無効電力Qは減少し、補償率回路16からの補償分ΔQ″≒0となり、変動分発生器11からのAVR電圧設定値変動分ΔVAVR1は加算器18で殆ど低減させることなく加算器を介してAVR5に入力する。しかして、同期発電機3電圧は変化分ΔVAVR1で変化し、周波数が変動する。
【0068】
このため、第1の周波数リレー21が動作し確認タイマ25が出力すると、スイッチS1が変動分発生器12側に切り替わり、AVR5に第2のAVR電圧設定値変動分ΔVAVR2が入力し、発電機の電圧及び周波数の変動が大きくなり、第2の周波数リレー23が動作し、論理積回路26から単独運転検出信号を出力し受電遮断器CB2を遮断させる。
【0069】
この実施の形態によれば、AVR電圧設定値変動分を2段に切り替えて単独運転の検出をするので、検出が確実となる。
【0070】
実施の形態3
図15に実施の形態3にかかる系統連系中の電圧変動対策を施した同期発電機の単独運転検出回路を示す。なお、図1,図14に示したものと同一構成部分は、同一符号を付してその重複する説明を省略する。
【0071】
図15において、S2はタイマ25の出力により減算器18に入力する補償率回路16からの補償分ΔQ″を“補償なし”に切り替える第2の切替スイッチである。その他の回路は図14と変わりがない。
【0072】
同期発電機3が単独運転となり、スイッチS1,S2が切り替わると、スイッチS2により減算器18に入力する信号は“補償なし”に切り替わり、減算器18に入力する補償分が0となり、変動分発生器12からの第2のAVR電圧設定値変動分ΔVAVR2がそのままAVR5に入力するので、同期発電機3の電圧はΔVAVR2により変動し、第2の周波数リレー23が確実に動作する。
【0073】
実施の形態4
実施の形態4にかかる監視対象量変化させる単独運転検出の能動的方式について説明する。
同期発電機の単独運転検出の能動的方式において、周波数に変化する同期発電機周波数の変動値Δf(t)、またはその時間微分をΔf′(t)とし、同期発電機の自動電圧調整器(AVR)に加えられるAVR電圧設定値変動分ΔVAVRの周期的な微小変動の角周波数をωAVR(=2πfAVR)とした場合に、時間の関数となるベクトルF(t)を(10)式のように定義する。
【0074】
【数10】
Figure 0003725285
【0075】
このように定義されたベクトルF(t)は、図16のような能動的方式による単独運転移行後の同期発電機周波数変動に対して以下のような特徴を有する。
【0076】
特徴1:時間と共に回転するベクトルとなる(図17)。
【0077】
特徴2:その大きさ│ベクトルF(t)│は、多少の変動があるもののほぼ連続的に増加し、最終的にある値に落ち着く(図18)。
【0078】
実施の形態4は、以上の特徴を有するベクトルF(t)に着目し、従来の能動的方式における監視対象量を│ベクトルF(t)│もしくは│ベクトルF(t)│2として同期発電機のAVRに加え、監視対象である周波数偏差がある一定値(±fset)を越えたことを周波数リレーで検出し、タイマで確認して同期発電機の単独運転を検出する。
【0079】
実施の形態4によれば、同期発電機は単独運転になった場合の周波数変動は図18に示すように±│ベクトルΔF(t)│で変化し、従来の周波数変動Δf(t)のように周期的に変化しないので、単独運転検出の遅延を生ずることはない。
【0080】
【発明の効果】
この発明は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0081】
(1)請求項1〜3の発明は、
a)連系中AVRに加えられるAVR電圧設定値変動分が抑制されるので、連系点の微小電圧変動を小さくできる。
【0082】
b)連系点の微小電圧変動が抑制されるので、連系中単独運転を誤検出することがない。
【0083】
c)連系点の微小電圧変動が抑制され、AVR電圧設定値変動分を大きくすることができるので、単独運転検出が容易となる。
【0084】
(2)請求項4の発明は、
a)同期発電機の単独運転状態を短時間で検出可能となる。
【0085】
b)監視対象が一定値を越えている時間をカウントする機能(機能1)及びある期間内にこのカウント値が所定の値以上になったことにより配電線に系統連系された同期発電機は単独運転状態になったと見なす機能(機能2)を考慮した単独運転検出時間の把握が容易となる。
【0086】
c)上記機能1の実行が単純化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1にかかる単独運転検出装置のブロック構成図。
【図2】 系統連系時の無効電力を説明する回路図。
【図3】 単独運転時のインピーダンスを説明する回路図。
【図4】 電圧変動低減対策の回路構成図。
【図5】 系統連系時の電圧変動低減策の考え方を説明するグラフ。
【図6】 電圧変動低減ブロック図。
【図7】 制御回路定数を示すブロック図。
【図8】 電圧変動量に対する発電機設置点と補償率の関係を示すグラフ。
【図9】 電圧変動量と補償率の関係を示すグラフ。
【図10】 補償率と単独運転時の周波数変動量の関係を示すグラフ。
【図11】 補償率が零の場合と同一の感度を得るためのAVR電圧設定値変動量との関係を示すグ
ラフ。
【図12】 補償率が零の場合と同一の感度が得られるAVR電圧設定値変動量と電圧変動値との関
係を示すグラフ。
【図13】 単独運転検出時間に与える影響を説明するグラフ。
【図14】 実施の形態2にかかる単独運転検出装置のブロック構成図。
【図15】 実施の形態3にかかる単独運転検出装置のブロック構成図。
【図16】 単独運転移行後の発電機周波数変動波形図。
【図17】 実施の形態4を説明するためのベクトルの時間変化を示すグラフ。
【図18】 ベクトルの大きさの時間変化を示すグラフ。
【図19】 能動的方式を説明するブロック回路図。
【符号の説明】
1…系統電源
2…配電変電所
3…需要家の同期発電機
4…励磁機
5…自動電圧調整器(AVR)
6…電圧設定器
7…加算器
10…単独運転検出装置
10A…電圧変動分(量)設定部
10B…検出部
11,12…AVR電圧設定値変動分(量)発生器
13…無効電力演算(検出)回路
14…無効電力変化分演算(検出)回路
15…位相補償回路
16…補償率回路
18…減算器
21,23…周波数リレー
22…不足電圧リレー
24,26…論理積回路
25…確認タイマ
S…系統電圧
r…発電機電圧
e …配電線リアクタンス
ΔVAVR…AVR設定値変動分(量)
Q…無効電力
ΔQ…無効電力変化分

Claims (4)

  1. 系統と連系運転する同期発電機の自動電圧調整器に一定周期の微小電圧変動値を与え、単独運転時に生じる周波数変動を周波数リレーで監視することで同期発電機の単独運転を検出する同期発電機の単独運転検出装置において、
    前記一定周期の微小電圧変動値よって同期発電機が出力する無効電力を検出する無効電力検出部と、検出された無効電力値を、前記一定周期の微小電圧変動値に対してS/1+Sの周波数特性を有するフィルタに導入して無効電力変動分を検出する無効電力変化分検出部と、検出された無効電力変化分を導入して前記微小電圧変動値と同位相になるように位相補償する位相補償部と、この位相補償部からの出力を入力して一定の補償率を掛けて前記電圧の変動分の値ΔV AVR にほぼ等しい値とする補償率部と、前記一定周期の微小電圧変動値ΔV AVR と前記位相補償部の出力Δ Q ‘との差を自動電圧調整器に加えるよう構成したことを特徴とした同期発電機の単独運転検出装置。
  2. 前記周波数リレーを、低整定値を持つ第1の周波数リレーと高整定値を持つ第2の周波数リレーに分け、常時の前記自動電圧調整器に与える微小変動値を前記第1の周波数リレー用の低い周波数値とし、第1の周波数リレーだけが動作した場合のみ一定期間だけ前記微小変動値を第2のリレー用の高い周波数値に切り替えて、第1,第2の周波数リレーが共に動作した場合に単独運転を検出することを特徴とする請求項1記載の同期発電機の単独運転検出装置
  3. 前記第1の周波数リレーだけが動作した場合のみ前記無効電力変動分による補償を停止させることを特徴とする請求項2記載の同期発電機の単独運転検出装置
  4. 系統と連系運転する同期発電機の自動電圧調整器に一定周期の微小電圧変動値を与え、単独運転時に生じる周波数変動を周波数リレーで監視することで同期発電機の単独運転を検出する同期発電機の単独運転検出装置において、
    監視対象量を、同期的に変化する発電機周波数の変動値Δf(t)とその時間微分値Δf′(t)および AVR 電圧設定値変動分の周期的な微小変動の角周波数ω AVR から得られる成分 [ Δf′(t)/ω AVR ,Δf(t) ] のベクトル F (t)の絶対値としたことを特徴とする同期発電機の単独運転検出装置。
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