JP4530365B2 - 分散型電源装置 - Google Patents

分散型電源装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4530365B2
JP4530365B2 JP2006021128A JP2006021128A JP4530365B2 JP 4530365 B2 JP4530365 B2 JP 4530365B2 JP 2006021128 A JP2006021128 A JP 2006021128A JP 2006021128 A JP2006021128 A JP 2006021128A JP 4530365 B2 JP4530365 B2 JP 4530365B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
generator
distributed power
power supply
voltage
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006021128A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007202372A (ja
Inventor
義弘 北内
光司 山下
秀之 亀田
敏 上村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Research Institute of Electric Power Industry
Original Assignee
Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Research Institute of Electric Power Industry filed Critical Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority to JP2006021128A priority Critical patent/JP4530365B2/ja
Publication of JP2007202372A publication Critical patent/JP2007202372A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4530365B2 publication Critical patent/JP4530365B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Description

本発明は、系統に連系された逆潮流ありの分散型電源における単独運転を防止する分散型電源装置に関するものである。
近年、配電系統には分散型電源を備えた需要家が存在する。そして、この分散型電源には、構内負荷のみならず配電系統の他の負荷も賄える能力を備えたいわゆる逆潮流ありの分散型電源も多く存在する。一方、我国では商用電力系統への分散型電源の連系が進められている。
このような分散型電源を有する需要家までの配電系統を図8に簡略に示す。図8に示すように、今までの電力伝送によると、系統発電機71で発電された電力は、変圧器72,配電線路遮断器73を経て需要家である負荷74に供給される経路を辿る。一方、需要家での逆潮流ありの分散型電源75からの電力は、構内負荷76に供給される場合ばかりではなく、連系用遮断器77を介して配電系統の他の負荷にも供給され得る。この場合における分散型電源75は、例えば図8に示す界磁巻線78を有する同期発電機に例示されるように、配電系統の他の需要家への給電のためには、自動電圧調整器(AVRという)79を含めた分散型電源装置80であることが必要である。
このような分散型電源装置80を備えた需要家81を含む配電系統においては、系統の事故時には、配電線路遮断器73が開いて系統から配電線路への電力供給が停止されることになる。ところが、分散型電源75の出力と構内負荷76及び他の配電線路の負荷74とがある程度バランスする場合には、いわゆる単独運転状態を検出するのが難しく,この状態が継続する。この単独運転状態では、配電線路遮断器73が開いているにも拘らず連系用遮断器77は解列せず、事故復旧工事に際し感電の恐れをもたらす。また地絡事故時の配電線路遮断器73の高速再閉路時では、位相ずれにより過電流が流れる可能性もあり、再度の事故が発生し負荷機器の損傷等の恐れをもたらす。このような問題を除去するためには、単独運転状態の検出によって連系用遮断器77を解列するという単独運転防止対策が必要不可欠である。
この単独運転防止対策としては、従来、配電線路遮断器73の開放と共に転送リレー(図示省略)を動作させて、連系用遮断器77を開くという対策が一般的である。
また、他の単独運転防止技術としては、図8に示す分散型電源装置のAVR79に入力される発電機端子電圧及び無効電力を系統連系時でも常に一定周波数で変動させ、単独運転時に増大する周波数を検出して連系用遮断器77を解列するという方策が提案されている(非特許文献1)。
また、系統の周波数から周波数の変化率(df/dt)を検出し、この極性と大きさに従い発電機電圧を制御する電圧揺動指令を例えば図8に示すAVR79に入力し、単独運転時の周波数異常を検出して連系用遮断器77を解列するという方策も提案されている(非特許文献2)。
本橋他「配電線に連系される同期発電機の単独運転検出装置(無効電力変動方式)」電学論B 119、No.1(1999) 加藤他「同期発電機用単独運転検出装置の開発」電学論B 120、No.8/9(2000)
ところが、転送リレーを用いた一般的な従来の単独運転防止技術によると、転送リレー等の通信システムの構築を必要とするため多大の費用がかかる問題がある。
また、非特許文献1の方策によると、常時、端子電圧及び無効電力を変動させることが必要で、本来無用とする変動を加えることになって電力の質を低下させてしまったり、あるいは複数の分散型電源がある場合には単独運転時にそれら分散型電源間にて変動が相殺されて単独運転の周波数検出が期待できないという問題がある。
また、非特許文献2の方法によると、単独運転の条件である発電機出力と負荷とがバランスしている範囲では、言い換えれば配電線路遮断器73を通過する有効電力及び無効電力がほぼ零の状態では、この遮断器の開放により単独系統の周波数がほとんど変化しないため,この周波数異常が検出し難く、単独運転の速やかな検出ができないという問題がある。
本発明は、転送リレー等の通信システムの構築を必要とせず、分散型電源の発電機側の情報だけで単独運転状態を検出して発電機を解列できる分散型電源装置の提供を目的とする。また、本発明は、電力の質の低下の原因となる端子電圧及び無効電力の常時変動を与えずに、単独運転状態を検出して発電機を解列できる分散型電源装置の提供を目的とする。さらに、本発明は、単独運転状態を確実かつ速やかに検出して発電機を解列できる分散型電源装置の提供を目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、配電線路に連系用遮断器を介して接続された分散型電源である発電機を備え、この発電機の端子電圧と設定電圧との差分により前記発電機の界磁電流を制御する自動電圧調整器を備えた分散型電源装置において、前記発電機出力の有効電力と前記発電機の回転数とを入力してそれぞれの変化分に基づく伝達関数をそれぞれの演算手段にて算出しそれぞれの演算手段にて得られる結果同士の減算値を前記自動電圧調整器に出力して前記発電機の端子電圧と設定電圧との差分を増大するダンピングトルク低減器と、このダンピングトルク低減器の前記減算値に基づく前記発電機の異常回転出力を検出して出力する検出手段とを有するようにしている。
したがって、発電機の有効電力Pと回転数ωとを発電機AVRの補助入力として加えることにより発電機のダンピングトルクを低減させるので、連系時には外乱を加えることはないが、単独運転時には速やかに発電機を加速または減速させて回転数異常検出器あるいは回転数異常検出リレー(またはOF/UFリレー)により発電機の解列を可能とする。
つまり、発電機の機械エネルギー入力がほぼ一定とみなせば、有効電力出力Pが増加した場合には発電機回転数ωは減少し、有効電力出力Pが減少した場合には発電機回転数ωは増加する。このことを利用し、有効電力出力Pが増加または発電機回転数ωが減少した場合に、界磁電圧Efを増加させることにより内部電圧Eを増加させ、有効電力出力Pを増加させることにより発電機回転数ωをより一層減少させる。逆に有効電力出力Pが減少または発電機回転数ωが増加した場合には、界磁電圧Efを減少させ、発電機回転数ωをさらに加速させる。
そして、発電機の有効電力Pと回転数ωとを発電機AVRの補助入力として加えることでダンピングトルクを低減するようにしているので、発電機が上位系統に連系されている場合には、ほぼ無限大母線とみなせる上位系との接続母線と発電機間のリアクタンスは、発電機の内部電圧から端子電圧までと比較してほぼ無視できるほど小さいため、その強い同期化力と正に維持するダンピングトルクによって安定運転を可能とするが、単独運転状態に陥るとダンピングトルクが低減されているので、周期的な変動(外乱)を与えることなく速やかに発電機の回転数変動を生じさせ、回転数異常検出リレー(またはOF/UFリレー)により発電機を解列させる。
なお、発電機が上位系統に連系されている場合は、ほぼ無限大母線とみなせる上位系との接続母線と発電機間のリアクタンスは、発電機の内部電圧から端子電圧までと比較してほぼ無視できるほど小さいため、その強い同期化力と正に維持するダンピングトルクによって系統事故時にも安定運転が可能である。
ここで、ダンピングトルク低減器での変化分に基づく伝達関数の演算手段は、少なくとも変化分を演算するリセット回路と、ゲインを加味した一次遅れ要素とを含む伝達関数モデルを備えるものであることが好ましく、より好ましくはさらに前記発電機の連系時の安定性と単独運転時の不安定性とを調整可能な進み遅れ要素を含むものである。
更に、請求項4に記載の発明は、検出手段が、前記発電機の異常回転数を検出して出力信号を出す回転数異常検出器及び前記発電機の異常周波数を検出して出力信号を出すOF/UFリレーの少なくとも一方からなるものである。
請求項1記載の発明によれば、設定電圧と端子電圧との差分にて発電機電圧を定電圧に保つという自動電圧調整器本来の役目を利用して、単独運転時の有効電力と回転数とのそれぞれの偏差に基づき前記差分を増大させることにより、発電機回転数が小さい、または有効電力が大きい場合には端子電圧を更に高く、また,発電機回転数が大きい、または有効電力が小さい場合には更に端子電圧を更に低くして、発電機の回転数を一時的に異常とする結果、検出手段によって連系用遮断器を解列することができ、分散型電源の単独運転を発電機側の情報のみで速やかにかつ確実に防止することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、ダンピングトルク低減器から自動電圧調整器への出力は、有効電力変化あるいは回転出力変化に基づき時定数を加味した伝達関数を求めゲインを加味することで、簡単で的確な単独運転の検出と設定電圧と端子電圧との差分の適切な増大が可能である。
また、請求項3記載の発明によれば、ダンピングトルク低減器での変化分に基づく伝達関数の演算手段に、さらに発電機の連系時の安定性と単独運転時の不安定性とを調整可能な進み遅れ要素を含むようにしているので、この時定数を変更することによって、発電機が系統に接続されている時の安定性を高めたり、単独運転に移行したときにより素早く発電機を不安定にすることができる。特に、ダンピングトルクの低減の結果、定常状態における発電機の安定性に問題が生じた場合の補償に効果的である。
更に、請求項4記載の発明によれば、単独運転を検出する手段が発電機の異常回転を検出できる手段で良いので、簡単な計器あるいは分散型電源装置に備える既存の計器の利用が可能となり安価である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。尚、本実施形態において図8の従来の技術と同一構成部分には同符号を付し、さらに必要がなければその説明は省略する。
図1〜図7に本発明の分散型電源装置の一実施形態を示す。図1のブロック図に示すように、配電線路に繋がる需要家にあっては、連系用遮断器77を介して構内負荷76及び分散型電源装置80が接続される。そして、この分散型電源装置80には、例えば同期発電機に代表される発電機75及びこの発電機75の界磁巻線78に接続されて発電機端子電圧を一定に保つためのAVR79が存在する。また、発電機75の出力端子と連系用遮断器77とを接続する出力ライン11は、AVR79の一入力端子に接続されている。またAVR79の他の入力端子は、電圧設定器12に接続されている。従って、AVR79には、発電機75の端子電圧Eaと設定電圧Easとが入力され、AVR79からは、界磁巻線78に励磁電圧Efが出力される。
AVR79のもう一つの入力端子には、ダンピングトルク低減器(DTRSという:Damping Torque Reduction System)10の出力端子が接続されている。このDTRS10は、発電機75が有するダンピングトルクを、AVR79を介して等価的に低減させる役目を有し、配電線路が配電線路遮断器(図8参照)に連系している状態で発電機75の安定運転に必要とされる最小のダンピングトルクの大きさとなるようにAVR79への入力値(DTRS信号)を出力する機能を有する。このDTRS10の入力端子には、一方で発電機75の例えばシャフトに連結された回転数計13の出力端子が接続され、他方で出力ライン11の端子電圧Eaと出力ライン11に備えた変流器14の検出電流とを取り込んで有効電力Pを出力する有効電力検出器15の出力端子が接続される。従って、DTRS10には、有効電力検出器15からは有効電力Pが入力され、回転数計13からは回転数ωが入力される。
更に、回転数計13の出力端子は、回転数異常検出器16に接続される。この回転数異常検出器16は、発電機75の回転数ωの上昇し過ぎあるいは下降し過ぎである異常回転出力を検出して出力信号を出す機能を有する。この回転数異常検出器16の出力端子は、連系用遮断器77のトリップ回路17に接続される。このトリップ回路17は、回転数異常検出器16による回転数の異常検出にて連系用遮断器77を開放させる機能を有する。尚、発電機75の回転数異常は、発電機端子電圧の周波数異常となって現れる。したがって、この周波数異常を検出することによりトリップ回路17を作動させても良い。このために出力ライン11にOF/UFリレー18(Over Frequency/Under Frequency:周波数上昇/周波数下降)を接続し、このOF/UFリレー18をトリップ回路17に接続してもよい。これら回転数異常検出器16、OF/UFリレー18等の異常回転出力の検出手段は、少なくとも一つ備える必要がある。ここで、ダンピングトルクとは、発電機諸量の同様を収束させる力をいい、その大きさは発電機自体の定数、発電機の制御系、発電機が接続する系統の定数に依存するものである。
このようなブロック構成を有する分散型電源装置80にあって、配電線路との連系時には、連系用遮断器77が投入されており、発電機75が正常に運転され、構内負荷76に電力が供給されている。この場合もDTRS10には、出力ライン11に基づく有効電力検出器15からの有効電力P及び回転数計13からの回転数ωがそれぞれ入力されるが、後述のようにDTRS10の内部構成上これら有効電力Pの変化分あるいは回転数ωの変化分のみ取り込むようになっているので、これらの変化がなければDTRS10の出力は生じない。また、連系時有効電力や回転数の変動が生じた場合、分散型電源装置80に対して上位系統は無限大母線とみなすことができ、この上位系統の接続母線を含む発電機75外部のリアクタンスは、発電機内部のそれと比較して無視できるほど小さいため、発電機出力変化と相差角位相変化との比率が大きくなり、同期化力が大きくなって変動を抑えることができ、また、連系時のダンピングトルクもDTRS10により低減方向に働くとはいえ、少なくとも最小限のダンピングトルクは発電機75に作用する。したがって、連系時に異常が発生して有効電力Pや回転数ωの変動が生じても分散型電源75の安定運転は可能である。
ところが、配電線路遮断器73(図8参照)が開放した時、同期化力はきわめて小さくなり、しかも有効電力や回転数の変動に伴いDTRS10にて発電機75を不安定にさせる程ダンピングトルクが低減されるため、発電機75の異常回転出力が生じ、回転数異常検出器16やOF/UFリレー18にてトリップ回路17を駆動させ、連系用遮断器77が解列させられる。このようにして、分散型電源75の連系時以外の単独運転時には、素早く連系用遮断器77を解列させることができる。
AVR79とDTRS10との具体的な伝達関数モデルを図2に示す。DTRS10の伝達関数モデルでは、有効電力P及び回転数ωを入力としてそれぞれの系にて同じ処理が行われ、それぞれの系の処理結果が加え合せ点100にて減算されDTRS信号としてAVR79に出力される。
すなわち、有効電力Pの系については、有効電力Pの入力値が一定の場合には出力が零となり、入力値に変化があった場合にはその変化分だけを出力するリセット回路101(図2では時定数を1.0に固定して例示した)と、時定数T1、T2によって位相を進ませあるいは遅らせて連系時の発電機の安定性あるいは単独運転時の発電機の不安定性を加減するための進み遅れ要素102(図2の実施形態ではT1=T2として機能しないものとして例示している)と、有効電力偏差ゲインKp(図2では1.0)をかけて低周波の信号のみ通過させ高周波の雑音を除去するローパスフィルタとなる一次遅れ(時定数0.1秒)を与える一次遅れ要素並びに過度な信号が発電機のAVRに入力されないように除去する(図2では限度±1.0)リミッタ103からなる各処理が実行される。なお、有効電力偏差ゲインKpは、発電機が系統に接続されている時に安定に運転できる大きさでなくべく大きめに設定されることが好ましい。また、リミッタ103は、あまりに過度な信号が発電機のAVRに入力されないように安全のために設置されたものであり、場合によっては設定しなくとも良い。
回転数ωの系についても有効電力Pの系と同様でリセット回路104、時定数T3、T4の進み遅れ要素105(ここでもT3=T4とした)、発電機回転数偏差ゲインKω(図2では10.0)をかけた一次遅れ要素並びにリミッタ106からなる各処理が実行される。なお、発電機回転数偏差ゲインKωは、発電機が系統に接続されている時に安定に運転できる大きさでなるべく大きめに設定されることが好ましい。
尚、各伝達関数モデルにおいては、リセット回路101,104の時定数を1.0秒とした。これは、時定数が大き過ぎる場合には発電機の出力変更時に不要な電圧変動を引き起こし、小さ過ぎる場合には周期の長い動揺が検出し難いことを考慮したものである。また、本実施形態においては、進み遅れ要素102、105の時定数をT1=T2、T3=T4として実質的に機能しない状態としている。しかしながら、この時定数の変更即ち進み遅れ要素の介装は、殊にダンピングトルクの低減の結果、定常状態における発電機の安定性に問題が生じた場合の補償に効果的である。更に、ゲインKpについては、発電機75が系統に連系されている状態で安定運転ができ系統切り離し時単独運転にならない状態で不安定とならず、速やかに単独が検出できるように例えば1.5〜3程度の範囲で調整することが好ましい。ゲインKωについては、例えば10〜30程度で、定常運転状態および単独運転にならないケースにおいて発電機75が安定運転できる範囲でなるべく大きくすることが好ましい。
AVR79の伝達関数モデルでは、設定電圧Eas、端子電圧Ea、及びDTRS信号が入力される加え合せ点791、ここでは0.3及び2.0の時定数に設定された位相補償器792、たとえばGain40をかけて時定数0.04に設定された一次遅れ要素並びに±10.0のリミッタ793からなる各処理が実行される。そして、発電機が系統に連系されている定常運転状態では、DTRS信号は零かあるいはあっても安定運転に支障がない程度であり端子電圧Eaが設定電圧Easに近づくような界磁電圧Efが出力される。単独運転時にはリセット回路101,104にて変化分を検出して単独運転を検出し、ゲインKp、Kωをかけてリミッタで絞った結果を加え合せ点100にて減算し、AVR79の加え合せ点791に発電機の回転出力が増大した場合には更に増大させ、減少した場合には更に減少させるDTRS信号を出力する。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、DTRSモデルにおける各回路の時定数やゲインについては、単独運転の検出の容易性と系統接続時の発電機の運転安定性とを考慮して適宜選定されるものであり、上述の値に限定されないことは言うまでもない。
(実施例)
次に、図3の電力系統シミュレータを用いて単独運転状態を発生させ、DTRS10の性能を実証試験で確認した。ここで、実証試験は、需要家の分散型電源となる100kVAの発電機75、リアクタンスj0.13の値を採る昇圧変圧器21、リアクタンスj0.24の値を採る負荷用変圧器22,58kWの抵抗負荷23を設定して接続し、変圧器21,22の母線を配電線路遮断器73に当る遮断器24、無限大変圧器25、誘導電圧調整器26を介して無限大母線となる所内電源に接続したシミュレータを設けた。そして、発電機75のAVR,このAVRの入力端子に繋がるDTRSは図4のモデルとした。なお、このDTRSモデルでは進み遅れ回路を省いている。ここで図4において図2と同一部分を同符号にて示す。パラメータとしては、リセット回路101、104の時定数を1とし、一次遅れ要素並びにリミッタ103,106を2ブロックに分けて一次遅れ要素の時定数を0.1に決め、±1.0のリミッタをかけ、ゲインKpを1.0、ゲインKωを10.0とした。また、AVRの位相補償器792、一次遅れ要素及びリミッタ793のパラメータは、図2と同じである。
前記のシミュレータにおいて、三つのケースに分けて試験を行なった。
(ケース1)
このケースは、単独運転状態の検出が最も難しいとされる条件であり、遮断器24の連系点での有効電力P並びに無効電力Qの潮流がほぼ零(P=0.0kW、Q=1.2kVar)の場合である。
(ケース2)
このケースは、連系点での有効電力潮流Pが5.1kW、無効電力潮流Qが1.6kVar(有効電力潮流が+5%)の場合である。
(ケース3)
このケースは、連系点での有効電力潮流Pが−5.3kW、無効電力潮流Qが2.2kVar(有効電力潮流が−5%)の場合である。
各ケース1〜3の試験結果を各々図5、図6、図7に示す。図5〜図7の各々において各特性線図の縦軸は周波数偏差(Hz)を除いて単位法(pu)にて示し、横軸は時間(sec)である。試験結果は、時刻T=0にて遮断器24を開放して系統を切り離すことにより、発電機端子電圧Ea、有効電力出力P、無効電力出力Q、発電機界磁電圧Ef、ダンピングトルク低減器信号DTRSを取得し、50Hzからの周波数偏差(50Hzからのずれ)Δfを取得した。
ケース1の試験では、図5に示すように、単独運転開始時(T=0sec)、即ち遮断器開放後,DTRS信号が徐々に負の方向に大きくなり,この結果として端子電圧Eaが低下し,周波数偏差Δfが上昇することにより、遮断器開放から2.1秒後に周波数異常の検出により単独運転が検出され、発電機が切り離されている。
ケース2の試験では、図6に示すように、単独運転開始時(T=0sec)、即ち遮断器開放から1.26秒でDTRS信号によって生じる周波数異常によって単独運転が検出され、発電機が切り離されている。
ケース3の試験では、図7に示すように、単独運転開始時(T=0sec)、即ち遮断器開放から1.11秒でDTRS信号によって生じる周波数異常によって単独運転が検出され、発電機が切り離されている。
以上のシミュレータでの試験結果により、発電機75の有効電力Pと回転数ωを入力としたDTRSの処理結果をAVRの補助入力として加えることにより、連系時には周期的な変動(外乱)を与えることなく安定運転を継続するが、系統単独運転時にはダンピングトルクを低減し、速やかに発電機の回転数変動を生じさせ、回転異常検出リレーまたはUF/OFにより発電機を解列させることが可能であることが確認された。
本発明の分散型電源装置の実施形態である簡略ブロック図である。 DTRSとAVRの伝達関数モデルを示すブロック図である。 シミュレータの概要を示す結線図である。 シミュレータでのDTRSとAVRの伝達関数モデルを示すブロック図である。 ケース1の試験結果を示す特性図である。 ケース2の試験結果を示す特性図である。 ケース3の試験結果を示す特性図である。 分散型電源の連系を表す概略ブロック図である。
符号の説明
10 DTRS(Damping Torque Reduction System:ダンピングトルク低減器)
12 電圧設定器
13 回転数計
15 有効電力検出器
16 回転数異常検出器
18 OF/UFリレー
75 発電機(分散型電源)
77 連系用遮断器
79 AVR(自動電圧調整器)
80 分散型電源装置
100 加え合せ点
101,104 リセット回路
102,105 進み遅れ要素
103、106 一次遅れ要素並びにリミッタ

Claims (4)

  1. 配電線路に連系用遮断器を介して接続された分散型電源である発電機を備え、この発電機の端子電圧と設定電圧との差分により前記発電機の界磁電圧を制御する自動電圧調整器を備えた分散型電源装置において、前記発電機出力の有効電力および前記発電機の回転数のそれぞれの変化分に基づく伝達関数をそれぞれ算出してそれぞれの演算結果同士の減算値を前記自動電圧調整器に補助入力として出力して前記発電機の端子電圧と設定電圧との差分を増大することによりダンピングトルクを低減させる低減器と、このダンピングトルク低減器の前記減算値に基づく前記発電機の異常回転出力を検出して出力する検出手段とを有することを特徴とする分散型電源装置。
  2. 前記ダンピングトルク低減器での変化分に基づく伝達関数の演算手段は、少なくとも変化分を演算するリセット回路と、ゲインを加味した一次遅れ要素とを含む伝達関数モデルを備えるものである請求項1記載の分散型電源装置。
  3. 前記演算手段は、さらに前記発電機の連系時の安定性と単独運転時の不安定性とを調整可能な進み遅れ要素を含むものである請求項2記載の分散型電源装置。
  4. 前記検出手段は、前記発電機の異常回転数を検出して出力信号を出す回転数異常検出器及び前記発電機の異常周波数を検出して出力信号を出すOF/UFリレーの少なくとも一方からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の分散型電源装置。
JP2006021128A 2006-01-30 2006-01-30 分散型電源装置 Expired - Fee Related JP4530365B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006021128A JP4530365B2 (ja) 2006-01-30 2006-01-30 分散型電源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006021128A JP4530365B2 (ja) 2006-01-30 2006-01-30 分散型電源装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007202372A JP2007202372A (ja) 2007-08-09
JP4530365B2 true JP4530365B2 (ja) 2010-08-25

Family

ID=38456379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006021128A Expired - Fee Related JP4530365B2 (ja) 2006-01-30 2006-01-30 分散型電源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4530365B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101048290B1 (ko) * 2009-12-18 2011-07-13 한국전기연구원 전압 정궤환 제어를 이용한 분산전원의 능동형 단독운전 검출 방법 및 장치
CN106058943B (zh) * 2016-06-03 2018-09-21 国网河北省电力公司电力科学研究院 一种特高压受端电网发电机调差配合的验证方法
CN114062777B (zh) * 2021-11-17 2023-11-14 山东日照发电有限公司 一种同期装置的频差校验方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000224897A (ja) * 1999-01-29 2000-08-11 Hitachi Ltd 発電機励磁制御装置
JP2002218659A (ja) * 2001-01-16 2002-08-02 Toshiba Corp 発電設備の系統連系保護装置
JP2002281673A (ja) * 2001-03-16 2002-09-27 Toshiba Corp 発電設備の系統連系保護装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3725285B2 (ja) * 1997-03-25 2005-12-07 東京電力株式会社 同期発電機の単独運転検出方式

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000224897A (ja) * 1999-01-29 2000-08-11 Hitachi Ltd 発電機励磁制御装置
JP2002218659A (ja) * 2001-01-16 2002-08-02 Toshiba Corp 発電設備の系統連系保護装置
JP2002281673A (ja) * 2001-03-16 2002-09-27 Toshiba Corp 発電設備の系統連系保護装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007202372A (ja) 2007-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DK176853B1 (da) Fremgangsmåde, apparat og computerprogramprodukt til injektion af ström
JP5508796B2 (ja) 電源システム制御方法及び電源システム制御装置
US9270120B2 (en) Methods, systems, and computer readable media for adaptive out of step protection for power generators with load resynchronization capability
JP4530365B2 (ja) 分散型電源装置
WO2016167251A1 (ja) 電力システムにおける事故安定化装置及びその方法
JP2003348755A (ja) 配電系統の三相不平衡抑制方法
JP5693337B2 (ja) 発電機の制御装置
JP2022041099A (ja) 保護システム
JP5016004B2 (ja) 発電設備の単独運転検出方法および装置
JP4341028B2 (ja) 常用発電装置の系統連系保護装置
JP3315298B2 (ja) 発電設備の系統連系保護装置
JP3911601B2 (ja) 発電電動機の制御装置及びこれを用いた発電システム
JP4313991B2 (ja) 電力系統安定化制御システム
JPH0479798A (ja) 同期機の励磁制御装置
JP3751829B2 (ja) 発電設備の系統連系保護装置
JP3634645B2 (ja) 発電設備の系統連係保護装置
JP2002101562A (ja) 発電設備の系統連系保護装置
JP4202954B2 (ja) 常用発電装置の系統連系保護装置
JP3397608B2 (ja) 発電設備の系統連系保護装置
JP4062704B2 (ja) 自家発電補助発電機の制御方法および制御装置
JP2003111283A (ja) 発電設備の系統連系保護装置
JPH03159600A (ja) 同期機の励磁装置
JP3686273B2 (ja) 交流電力系統設備
JP2008099494A (ja) 誘導発電機の単独運転検出方式
JP2981604B2 (ja) 自家発電装置の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100602

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100604

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4530365

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140618

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees