JP2790403B2 - 系統連系インバータの逆充電保護装置 - Google Patents

系統連系インバータの逆充電保護装置

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JP2790403B2 JP5023894A JP2389493A JP2790403B2 JP 2790403 B2 JP2790403 B2 JP 2790403B2 JP 5023894 A JP5023894 A JP 5023894A JP 2389493 A JP2389493 A JP 2389493A JP 2790403 B2 JP2790403 B2 JP 2790403B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直流電力を交流電力に
変換して負荷に供給すると共に、交流電力系統に連系し
て運転するインバータの系統連系保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来装置の代表例を図6に示
し、以下に説明する。
【0003】太陽電池あるいは燃料電池等でなる直流電
源1の直流電力はインバータブリッジ2により交流電力
に変換され、リアクトル3とコンデンサ4でなるフィル
タによりPWM制御による高周波分を除去して負荷9に
供給される。
【0004】一方、交流電力系統8からしゃ断器7と柱
上変圧器6を介して供給される一般家庭用の交流電力が
負荷9に供給されており、インバータブリッジ2は交流
電力系統8に連系して運転する。負荷9に供給される交
流電圧は電圧検出器10によって検出され、バンドパスフ
ィルタ16を介して電流基準回路12に正弦波の信号Vs
入力される。電流基準回路12は増幅器11から出力される
制御信号Vc と上記正弦波の信号Vs を乗算して電流基
準I* を出力する。この電流基準I* と電流検出器5で
検出したインバータブリッジ2の出力電流Iが増幅器13
に入力されPWM制御部14、駆動部15を介して電流偏差
が零になるようにインバータブリッジ2をPWM制御す
る。電流基準I* の位相は負荷9に供給される交流電圧
の位相にほぼ一致しており、インバータブリッジ2から
高力率の交流電力が供給される。
【0005】なお、直流電源1として太陽電池を用いる
とき、最大電力を取り出すように電圧基準V* が与えら
れるが、本発明とは直接関係しないので詳細説明は省略
する。
【0006】このような配電系統において、柱上変圧器
6を含む負荷側の保守点検を行う場合、しゃ断器7を開
放して交流電力系統8から切り離して行われる。この場
合、電圧リレー17と周波数リレー18により負荷側の状態
を監視し、交流電力系統から切り離されたとき異常検出
回路19によりこれを検出し駆動部15の動作を中止させイ
ンバータを停止させるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、しゃ断
器7を開放して交流電力系統8から切り離したとき、イ
ンバータブリッジ2から供給する電力と負荷9の電力が
バランスしていると異常検出回路19で検出が行われず、
インバータが運転を継続する場合がある。この状態をア
イランディング(islanding )又は逆充電と呼び保守点
検を行うとき危険な状態となる。特に負荷に誘導電動機
が接続されている場合には、この電動機の逆起電圧によ
り系統の電圧や周波数が維持される傾向となり、逆充電
の検出が困難となる。この逆充電を防ぐ方法として次の
ような提案がなされている。
【0008】周波数変動方式:電流基準回路12へ入力す
る系統参照電圧の位相にゆらぎ回路21により一定量の範
囲内で位相シフトをかけ、しゃ断器7が開放されたとき
インバータ出力周波数の変動から逆充電を検出する。し
かし、この方式はインバータの電力(無効電力を含む)
と負荷の電力が完全にバランスすると周波数も電圧も変
化せず検出することができない場合がある。
【0009】電力変動方式:ゆらぎ回路21により電流基
準回路12から出力する電流基準I* を一定量の範囲内で
低周波で変動させ、しゃ断器7で開放されたときインバ
ータから出力する電力と負荷の電力のバランスを崩すこ
とにより電圧と周波数を変化させ逆充電を検出する。し
かし、この方式でも多数台のインバータが並列に接続さ
れると各インバータの電力変動の位相がバラバラとなり
全体として電力変動がない状態となって検出できない場
合がある。
【0010】高調波電圧監視方式:高調波検出回路20に
より負荷側電圧の高調波を監視し、しゃ断器7が開放さ
れたとき高調波(第3、第5、第7高調波)が増加する
ことにより逆充電を検出する。しかし、この方式は、イ
ンバータエアコン、テレビなどのようなコンデンサイン
プット形の整流回路を持つ負荷が多数使用されると定常
時に第3、第5、第7高調波が増加して検出の信頼性が
著しく低下する。
【0011】本発明は、これらの問題を解消しようとし
てなされたもので、その目的とするところは、上述のよ
うな状態においてもより確実に逆充電を検出することの
可能な系統連系保護装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、直流電力を交流電力に変換し交流系統に
連系して運転するインバータの保護装置において、イン
バータの出力側の電圧位相と周波数を検出し、前記電圧
位相から基準位相を得、この基準位相に応じた位相の交
流の電流基準を発生しインバータの出力電流を制御する
と共に、前記周波数に応じて前記基準位相を補正し、こ
れによりインバータの出力側が交流系統から切り離され
たことを検出し保護動作を行うようにする。また、前記
周波数の増加あるいは減少に応じて前記基準位相を進み
位相あるいは遅れ位相に補正する。また、前記周波数が
定格周波数の前後の所定範囲では前記基準位相の補正の
量を少なくするかあるいは補正を行わないようにする。
【0013】
【作用】インバータの交流側が交流電力系統から切り離
されたとき交流電源の周波数が負荷の状態によりわずか
に増加あるいは減少する。これを検出し周波数増加した
場合はインバータ電流の位相を進め、周波数がさらに増
加する方向に移行させ、周波数が減少した場合はインバ
ータ電流の位相を遅らせて周波数が更に減少する方向に
移行させインバータ出力と負荷のバランスを急速に崩す
ことにより交流電源の電圧、周波数、周波数変化率を検
出して逆充電を早期に検出してこの検出出力によりイン
バータの運転を停止させる。また、定格周波数の前後の
所定範囲ではインバータ電流の位相変化を少なくするか
あるいは位相変化を行わないようにして定常時の運転を
安定に行うようにする。
【0014】
【実施例】本発明の系統連系インバータの保護装置の実
施例を図1に示す。図1において、図6と重複する部分
には同一符号を付し説明を省略する。負荷9に供給する
交流電圧V1 を電圧検出回路10を介して検出し、PLL
(phase locked loop )回路22によりV1 に同期した信
号SYを得る。
【0015】この信号SYから位相シフト回路23を経て
正弦波回路26によりV1 に同期した正弦波を得て、電流
基準回路12からV1 に同期し、増幅器11の出力Vc の大
きさに比例した振幅を持つ正弦波の電流基準I* を出力
する。周波数検出回路25により信号SYから交流電圧V
1 の周波数fを検出し、函数回路24は周波数fに応じた
信号θを発生する。位相シフト回路23は信号θに応じて
位相の変化した同期信号SYXを出力する。この場合、
交流電圧V1 が定格周波数のとき、ほぼ力率が1になる
位相の同期信号SYXが出力される。
【0016】一方、電圧検出器10(一般には変圧器が使
用される)の出力から電圧リレー17、周波数リレー18、
周波数変化率リレー27により変化分を検出し、異常検出
回路19により異常を検出しインバータ駆動部15をオフし
てインバータを停止させる。上記構成において、負荷9
とインバータ出力電流がほぼバランスしている状態にお
いて、しゃ断器7を開放した場合を考える。インバータ
の出力電流は基本的には図2(c)に示すようにほぼ力
率1、即ち電圧Vとインバータ電流IINV が同位相とな
るよう制御している。
【0017】負荷が(a)に示すようなインダクタンス
Lを有し、遅れ力率の場合、インバータ出力電流と負荷
電流がバランスして運転するためには周波数が上昇し、
インダクタンスLに流れる電流を減少させようとして交
流電圧の周波数が上昇する方向に動作する。このとき、
周波数検出器25は周波数が上昇したことを検出しインバ
ータ電流位相を少し進めるように作用する。するとこの
インバータ電流とバランスするためには交流電源の周波
数は更に上昇するようポジティブに作用し交流電源の周
波数が急速に上昇するので周波数リレー18や周波数変化
率リレー27でこれを検出し、異常検出回路19によりイン
バータを停止させる。即ち、遅れ力率負荷なら進み電流
を供給することによりバランスをくずすよう積極的に作
用させる。
【0018】次に負荷が(b)に示すようなキャパシタ
ンスCを有し進み力率の場合、インバータ出力電流と負
荷電流がバランスして運転するためには周波数が低下し
コンデンサCに流れる電流を減少させ力率1の負荷に近
づくように移行する。
【0019】周波数検出器25により、周波数低下を検出
すると位相シフト回路23によりインバータ電流位相を遅
らせるよう動作させると、更に周波数が低下してコンデ
ンサCの電圧は位相が遅れ、即ち周波数を低下させる方
にポジティブに作用し交流電源の周波数が急速に低下す
る。即ち、進み力率負荷に対しては遅れ電流を供給して
バランスを早急に失わせる。周波数リレー18や周波数変
化率リレー27でこれを検出して異常検出回路19によりイ
ンバータを停止させる。
【0020】なお、力率1の負荷の場合はインバータ出
力電流と負荷の電流がバランスしていなければ電圧が異
常となるので電圧リレー17で検出し異常検出回路19によ
りインバータを停止させる。
【0021】次に、従来逆充電検出が最も困難であると
された誘導電動機(IM)が負荷に接続された図2
(d)の場合について考える。この場合の等価回路は励
磁インダクタンスl0 とIMの2次抵抗γ2 を“すべ
り”Sで除算した抵抗の並列回路で近似される。この時
の電圧と電流のベクトルは図2(e)となり、電流l2
がトルク分電流、電流i0 が磁束分電流となる。誘導電
動機の逆起電圧の周波数はf−fs (fs は“すべり”
周波数)即ち誘導電動機の回転速度に比例する。(fは
電源周波数)このため、しゃ断器7をしゃ断すると交流
電源の周波数はf−fs となる。
【0022】この周波数を検出すると電源周波数より低
いので、位相シフト回路により遅れ電流をインバータよ
り流出させる。このため、誘導電動機には図2(e)よ
り遅れた電流iが流れる。この結果即ちトルク分電流l
2 が減少又は負となり電動機は減速する。このことが正
帰環に作用するため交流電源周波数はフリーランよりも
急速に低下し、周波数リレーにて異常検出19を動作させ
インバータを停止する。函数発生器24の一例を図3に示
す。 (a)は定格周波数f0 に対し周波数上昇に比例して位
相を進め、一定限度にリミットするものである。 電源周波数が定格よりずれている場合、力率が1よりず
れることになるが系統が接続されている場合は周波数変
化は極めて小さいので力率もほぼ1となる。 (b)は定格周波数付近では位相は変えないので力率が
1となり、周波数が一定値をはずれた場合位相シフトを
行う方法。 (c)は定格周波数付近では位相の変化をゆるやかに、
周波数が定格よりずれるに従って位相シフトを大きくす
る方法。 (d)は定格周波数付近では位相を変えないで力率1の
電流をインバータから出力し、周波数が一定値をはずれ
ると固定位相シフトする方法。 などが考えられる。
【0023】以上説明したように、本発明によれば逆充
電時の周波数変化を助長をする方向にインバータの電流
位相をシフトすることにより周波数変化を増長し、周波
数リレーや周波数変化率リレーによりこれを検出してイ
ンバータを停止しすみやかに逆充電を防止する系統連系
インバータの逆充電保護装置を得ることができる。本発
明の他の実施例を図4に示す。
【0024】図1におけるPLL回路22の前にフィルタ
回路16を挿入した場合は、周波数検出回路25により周波
数を検出し、フィルタ位相補正回路28により必要な周波
数範囲でフィルタによる位相シフト分を補正する回路と
函数発生器24の出力を加算回路29で加算して位相シフト
回路23により位相シフトすることにより図1と全く同等
な作用を行うことができる。
【0025】なお、図4においてPLL回路22を用いな
いでゼロクロス方式で検出する方式でも同様に応用でき
ることは説明するまでもない。フィルタの位相遅れが使
用範囲で小さい場合はフィルタ位相補正回路を省略でき
ることも明らかである。またなお、異常検出リレーとし
て歪率検出回路など追加することにより逆充電検出の精
度の向上を図ることができる。
【0026】なお、周波数上昇に対し位相を進める回路
は図5に示すノッチフィルタを構成することが可能であ
り、この回路を電圧位相検出回路又は電流基準回路に挿
入することで実現することができる。なお、実使用では
定格周波数±1Hz 程度で逆充電と判別する周波数リレ
ーを用いるので、この範囲で位相が進めばよいことにな
る。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、交流電源の周波数が定
格値より上昇しない場合はインバータの電流位相を進め
て周波数を更に上昇させるよう作用させ、周波数が定格
値より下降した場合はインバータの電流位相を遅らせて
周波数を更に下降させるよう作用させることにより電力
のバランスをくずし周波数や電圧異常によりインバータ
を停止させ高速に確実に逆充電を検出して保護すること
のできる系統連系インバータの逆充電保護装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図。
【図2】本発明の作用を説明するための負荷状態を示す
図。
【図3】図1の関数発生器24の関数例を示す図。
【図4】本発明の他の実施例を示す図。
【図5】図4のフィルタ位相補正回路28の一例を示す
図。
【図6】従来の系統連系インバータの保護装置の構成
図。
【符号の説明】
1…直流電源、 2…インバータブリッジ、3…リ
アクトル、4…コンデンサ、 5…電流検出器、
6…変圧器、7…しゃ断器、 8…交流電力系
統、 9…負荷、10…電圧検出器、 11,13…増
幅器、 12…電流基準回路、14…PWM制御回
路、15…駆動部、 16…フィルタ、17…電圧
リレー、 18…周波数リレー、 19…異常検出回
路、20…高調波検出回路、21…ゆるぎ回路、 22
…PLL回路、23…位相シフト回路、24…函数発生回
路、 25…周波数検出回路、26…正弦波回路、
27…周波数変化率リレー、28…フィルタ位相補正回路、
29…加算回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02J 3/00 - 5/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電力を交流電力に変換し交流系統に
    連系して運転するインバータの保護装置において、イン
    バータの出力側の電圧位相と周波数を検出し、前記電圧
    位相から基準位相を得、この基準位相に応じた位相の交
    流の電流基準を発生しインバータの出力電流を制御する
    と共に、前記周波数に応じて前記基準位相を補正し、こ
    れによりインバータの出力側が交流系統から切り離され
    たことを検出し保護動作を行うことを特徴とする系統連
    系インバータの逆充電保護装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、前記周波
    数の増加あるいは減少に応じて前記基準位相を進み位相
    あるいは遅れ位相に補正することを特徴とする系統連系
    インバータの逆充電保護装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の装置において、前記周波
    数が定格周波数の前後の所定範囲では前記基準位相の補
    正の量を少なくするかあるいは補正を行わないようにす
    ることを特徴とする系統連系インバータの逆充電保護装
    置。
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EP93304911A EP0576271B1 (en) 1992-06-24 1993-06-23 Inverter protection device
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