JP3724594B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、インバータ回路を用いて放電灯を点灯させる放電灯点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の放電灯点灯装置としては、図6に示すようなものがある。まず、交流電源1に対して全波整流回路2が接続されている。この全波整流回路2の直流出力端子間にはコンデンサC0 が接続されているとともに、インバータ回路3を介して放電灯4が接続されている。ここに、インバータ回路3は、直列接続した2個のスイッチングトランジスタQ1 ,Q2 (例えば、電界効果型トランジスタが用いられる)と、これらのスイッチングトランジスタQ1 ,Q2 の接続中点と放電灯4との間に接続した直流カット用のコンデンサC1 とバラストL1 とを主要部として構成されている。また、前記スイッチングトランジスタQ1 ,Q2 を交互にオン・オフ駆動させる駆動制御回路5が設けられている。この駆動制御回路5は、後述するフィードバック制御系による制御電圧を動作周波数なる信号に変換する電圧・周波数変換器(V/f変換器)6と、このV/f変換器6により決定された動作周波数で前記インバータ回路3を実際に駆動させる駆動回路7とよりなる。
【0003】
この駆動制御回路5によりスイッチングトランジスタQ1 ,Q2 を交互にオン・オフ駆動させてインバータ回路3に発振動作を行なわせ、放電灯4の両端に高周波電圧を印加して点灯させるものである。
【0004】
ここに、負荷である放電灯4の状態に変動が生じても、所望の点灯レベルで常に安定して放電灯4を点灯させることができるように制御するフィードバック制御系が駆動制御回路5に対して設けられている。まず、放電灯4に流れる電流を検出する電流検出手段8と放電灯4の両端間電圧を検出する電圧検出手段9とが設けられている。電流検出手段8は、検出巻線10と検波回路11とにより形成されている。また、電圧検出手段9は、放電灯4の両端間電圧を分圧する分圧回路12と検波回路13とにより形成されている。さらに、検波回路11により検出された電流検出信号を基準値VREF1と比較する誤差増幅器14と、検波回路13により検出された電圧検出信号を基準値VREF2と比較する誤差増幅器15とが設けられている。また、この放電灯点灯装置は調光制御を考慮しており、誤差増幅器14に与えられる基準値VREF1は調光レベルに応じて可変される値である。これらの誤差増幅器14,15から得られる誤差出力は両者の内の高い方を出力させるORゲート構成の高値優先回路16を介して前記V/f変換器6にフィードバックされている。これにより、放電灯4における電流又は電圧の変動を誤差増幅器14,15で検出し、V/F変換器6にフィードバックさせてインバータ回路3の動作周波数を制御する。
【0005】
つまり、放電灯4の点灯状態において、その電流値、電圧値を各々の電流、電圧制御系の検波回路11,13により常時検出し、誤差増幅器14,15で各々基準値VREF1,VREF2と比較することにより、負荷変動が生じたかをチェックし、変動が生じていればその変動による影響を減ずる方向にインバータ回路3の動作周波数をシフトさせるように駆動制御回路5が動作する。
【0006】
これにより、図7に示す電流‐電圧特性のような定電流・定電圧駆動状態となるように放電灯4の始動点灯状態を制御する。通常は、定電圧制御から定電流制御に移行する制御となる。ここに、定電流制御の電流値は、調光レベルに応じて可変されるものであり、調光レベルが低くなる(深調光になる)ほど、図7中に矢印で示す方向にシフトされる。例えば、数値例を挙げれば、100%点灯時に300mAとした場合、20%調光時には50mA、2%調光時には5mAといった定電流制御となる。
【0007】
ところが、図6に示すような放電灯点灯装置の構成の場合、例えば、深調光レベルで始動させようとするときに、始動できないことがある。例えば、2%調光といった数%オーダの深調光レベルでの始動を考えた場合、2%調光は5mAなる定電流制御に相当するが、始動時には放電灯4の管壁を伝って逃げる容量性電流成分があり、始動に必要な電圧V0 が得られる前に制御対象となる規定の電流値5mAに達してしまい、始動できない。従って、図6は例えば25〜100%の範囲での調光用として用いられているに過ぎない。
【0008】
そこで、0〜100%の範囲での調光、即ち、深調光レベルでの始動を可能にしたものとして図8に示すようなものがある。基本構成は図6に示したものと同様であるが、点灯検出回路17と、高値優先回路16に代わる切換え回路18とが設けられている。この切換え回路18は当初は電圧制御系、即ち、誤差増幅器15側を選択するように設定されている。これにより、電源投入直後には電圧制御系を活かしてインバータ回路3の動作を制御させることにより、深調光レベルでの始動時でも必要な電圧が確保される。このような始動動作において、放電灯4が点灯して検波回路13により検出される電圧が急激に低下したことを点灯検出回路17が検出すると、この点灯検出回路17の出力により切換え回路18が切り換えられる。これにより、電流制御系による制御に移行する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示すような放電灯点灯装置によれば、深調光レベルからの始動が可能となる。しかし、そのためには、放電灯4の点灯を検出する点灯検出回路17と、この点灯検出回路17による点灯検出により制御系を切換える切換え回路18とが必要で、回路構成が複雑化してしまう。また、点灯検出回路17と切換え回路18とによる制御系切換えの場合、応答時間の遅れ分を含むので、深調光レベルでの始動時であっても点灯直後に一瞬明るく点灯してしまう、いわゆる「オンピカ現象」が生じやすい。深調光は元々舞台演出用などの用途で用いられることが多く、深調光レベルでの始動時に一瞬でも明るく点灯してしまうと演出効果が損なわれ、好ましくない。
【0010】
一方、調光制御に限らず、放電灯4の始動時の一般的な動作制御を考えた場合において、ランプ電流を検出してフィードバック制御する場合、その検出系が複雑になるケースがある。例えば、図9に示すように放電灯4のフィラメントの予熱を放電灯4に並列接続したコンデンサC2 により行なう回路構成の場合においては、放電灯4に流れるランプ電流を検出するためには、コンデンサC2 に流れる予熱電流分を相殺するための3巻線構造のカレントトランス19を用いる必要があり、構造が複雑となってしまう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の放電灯点灯装置では、放電灯を点灯させるインバータ回路と、このインバータ回路の出力を制御する駆動制御回路と、前記放電灯の電圧を検出して参照位相信号を出力する電圧検出手段と、前記放電灯に流れる電流成分中から参照位相信号と同相の電流成分を検出し、電流成分に応じて前記駆動制御回路を介して前記インバータ回路の出力を一定化する電流検出手段とを備え、電圧検出手段が、放電灯の両端電圧を分圧して検出する分圧回路と、この分圧回路の出力に基づきスイッチング用の2種類の参照位相信号を生成する参照信号生成回路とを備え、電流検出手段が、放電灯に流れる電流成分に基づき180°位相の異なる電圧信号を得る電流電圧変換回路と、これらの電圧信号を参照位相信号に同期させて交互に出力させるスイッチング検波回路と、このスイッチング検波回路の出力を平均化する低域通過フィルタとを備えた構成とした。
【0012】
請求項2記載の放電灯点灯装置では、請求項1記載の放電灯点灯装置の構成に加えて、誤差検出回路の出力を調光レベルに応じて可変させる可変手段を設けた構成とした。
【0013】
請求項3記載の放電灯点灯装置では、放電灯を点灯させるインバータ回路と、このインバータ回路の出力を制御する駆動制御回路と、前記放電灯の電圧を検出して電圧信号とともに参照位相信号を出力する電圧検出手段と、前記放電灯に流れる電流成分中から参照位相信号と同相の電流成分を検出する電流検出手段と、これらの電圧検出手段と電流検出手段との誤差出力の高い方を前記駆動制御回路に出力する高値優先回路とを備えた構成とした。
【0014】
請求項4記載の放電灯点灯装置では、請求項3記載の放電灯点灯装置の構成に、電圧検出手段により検出された電圧信号を基準値と比較する電圧誤差検出回路と、電流検出手段により検出された電流成分を基準値と比較する電流誤差検出回路とを付加し、これらの電圧誤差検出回路と電流誤差検出回路との誤差出力の高い方を駆動制御回路に出力する高値優先回路とした。
【0018】
【作用】
放電灯の始動時に着目した場合、放電灯の両端間電圧は電源電圧と同相を示し、放電灯に流れる始動時の電流は、管壁を伝って逃げる漏れ電流成分やフィラメント予熱電流等を加味すると、容量性を示す特性がある。そこで、請求項1記載の放電灯点灯装置においては、電圧検出手段による放電灯の電圧検出に基づき参照位相信号を得る一方、電流検出手段では放電灯に流れる電流成分中からこの参照位相信号と同相の電流成分のみを検出するので、ランプ電圧を参照した同期検波によるランプ電流検出となり、同相性を示さない漏れ電流成分等は検出されず、本来の放電によって放電灯に流れる電流成分のみが検出される。よって、放電灯にいわゆるオンピカ現象を生じない。このような本来の電流成分を検出する上でも、3巻線カレントトランス等を用いる必要がない。
【0019】
特に、請求項2記載の放電灯点灯装置においては、誤差検出回路の出力を調光レベルに応じて可変させる可変手段を付加しており、深調光可能であるが、上記のようにオンピカ現象を生じないので、深調光による演出効果が損なわれない。
【0020】
また、請求項3,4記載の放電灯点灯装置においては、請求項1又は2記載の放電灯点灯装置の電流制御系の構成に加えて、電圧検出手段と電圧誤差検出回路とによる電圧制御系を設け、これらの制御系を高値優先回路を介して駆動制御回路にフィードバックさせているので、放電灯の点灯前の始動時に管端に印加される電圧が確実に制御されるので、始動点灯が確実となる。この際、電流制御系と電圧制御系とによる制御の切換えに、点灯検出回路や切換え回路といった複雑な回路を要せず、単に、高値優先回路を介在させるだけでよく、切換え動作に時間的な遅れ要素を含まない。よって、深調光レベルでの始動時でもオンピカ現象を生ずるような不都合はない。
【0024】
【実施例】
本発明の一実施例を図1ないし図5に基づいて説明する。図6ないし図9に示した部分と同一部分は同一符号を用い、その詳細は省略する。本実施例の基本的構成の概要を図1により説明する。図6に示した25〜100%調光対応の放電灯点灯装置に準ずるが、電流検出手段8に代えて、同期検波回路21を含む電流検出手段22が設けられ、かつ、この電流検出手段22は電圧検出手段9に代えた電圧検出手段23側と参照位相信号により関連付けられている。
【0025】
電圧検出手段23は図6に示した電圧検出手段9と同様に、分圧回路12と検波回路13とを有するものであるが、分圧回路12により検出された電圧信号に基づきそのゼロクロス点を基準とする参照位相信号を前記同期検波回路21に出力する機能を備えている。また、前記電流検出手段22は放電灯4に流れる電流成分を検出する検出巻線24と同期検波回路21とにより形成されている。同期検波回路21には、例えば、公知のアナログマルチプレクサ、ダブルバランスド・モジュレータ等を用いればよい。
【0026】
このような構成において、検出巻線24により検出された電流は同期検波回路21に与えられる。ここに、同期検波回路21には分圧回路12を介して放電灯4のランプ電圧対応の参照位相信号が与えられており、検出巻線24から得られる電流成分中、ランプ電圧と同相分の電流成分のみが同期検波回路21から出力される。即ち、ランプ漏れ電流等の容量性成分は、ランプ電圧の位相に対して進相性を示し、同期検波回路21によっては検出されない。この結果、同期検波回路21から得られる電流成分は、放電灯4の放電によって流れる本来の制御対象となる電流成分となる。このように同期検波回路21で検出された電流成分が誤差増幅器14に入力されて基準値VREF1と比較され、その出力が高値優先回路16を経て駆動制御回路5に与えられ、インバータ回路3の動作制御に供される。
【0027】
よって、例えば、基準値VREF1を深調光レベルに対応させた値に変更して、深調光レベルで始動させようとする場合、同期検波回路21により検出される本来の放電によって流れる電流成分のみを制御対象として、電流制御系によりフィードバック制御しながら始動させるので、始動時に管壁に流れる容量性の漏れ電流成分の影響を受けない制御となる。これにより、数%オーダーの深調光レベルの始動時であっても、始動に必要な電圧が得られる前に規定の電流値に達してしまうことはなく、確実に始動する。放電灯4の始動後は、図6で説明した場合と同様に、電流制御系と電圧制御系とが高値優先回路16によって高値優先により切り換えられながら、駆動制御回路5に対するフィードバック制御が継続される。即ち、制御系の切換えは単なる高値優先であり、点灯検出回路17及び切換え回路18の場合のような遅れ要素を含まないものとなる。よって、深調光レベルからの始動後に制御系が切り換えられても、その切換え時に一瞬明るく点灯するオンピカ現象を生ずるような不都合も生じない。この結果、複雑な点灯検出回路17や切換え回路18を用いることなく、かつ、オンピカ現象を生ずることのない0〜100%対応の放電灯点灯装置25となる。
【0028】
ところで、前述した電流検出手段22及び電圧検出手段23の一部の詳細な構成及び動作を図2ないし図4により説明する。まず、放電灯4の両端間には分圧回路12を形成する分圧抵抗R1 ,R2 が接続され、その接続中点から出力が取り出されている。この分圧回路12には参照信号生成回路26が接続されている。この参照信号生成回路26は分圧回路12より得られる正弦波状の電圧信号を矩形波状の電圧信号に整形変換する波形整形器27と、この波形整形器27の分岐出力の一方に介在された反転器28とにより形成されている。これにより、参照信号生成回路26からは放電灯4の両端間電圧の位相に同期した位相特性を持つスイッチング用の180°位相が異なる2種類の参照位相信号が得られる。
【0029】
一方、電流検出手段22にあっては検出巻線24を1次巻線として有するとともに中点が接地された2次巻線29を有するカレントトランス30と、前記2次巻線29の両端間に接続された終端抵抗R3 とによる電流電圧変換回路31が設けられている。これにより、電流電圧変換回路31の出力端(終端抵抗R3 の両端)からは、放電灯4に流れる電流成分が180°位相の異なった電圧信号に変換されて出力される。これらの出力ライン上には各々アナログスイッチ32a,32bが介在されている。これらのアナログスイッチ32a,32bは前記参照信号生成回路26から得られる2種類の参照位相信号により交互にスイッチングされるものであり、スイッチング検波回路33を形成する。これらのアナログスイッチ32a,32bの他端側は合成接続され、LPF(低域通過フィルタ)34に接続されている。このLPF34から電流検出手段22としての最終出力が得られる。
【0030】
このような構成において、カレントトランス30により検出される電流成分中、ランプ電圧(従って、電源電圧)と同相の電流成分は、図3に示すように検出される。まず、アナログスイッチ32a,32bは図3(b)(d)に示すようにランプ電圧対応の参照位相信号に応じて交互にオン・オフを繰返す。一方、放電灯4に流れる電流成分は電流電圧変換回路31によって180°位相の異なる電圧信号に変換されてこれらのアナログスイッチ32a,32bに入力されるが、その内、放電灯4の放電によって流れる本来の電流成分は同相成分として図3(a)(c)に示すような波形を示す。よって、アナログスイッチ32a,32bが検波用ダイオードとして作用するのと等価となり、スイッチング検波回路33からは図3(e)に示すように全波整流状態の出力が得られる。このスイッチング検波回路33の全波整流状態の出力がLPF34によって平均化されて最終的に図3(f)に示すような検出信号が得られ、誤差増幅器14に与えられ、電流制御系の制御に供される。即ち、図3(f)に示す検出信号のレベルが所定値となるようにフィードバック制御される。
【0031】
一方、放電灯4に流れる電流成分の内、その始動時などに管壁等に流れる漏れ電流のような容量性電流成分(進相性電流成分)は、ランプ電圧の位相よりも90°進んでいるので、図4(a)(c)に示すような波形を示す。このような位相差があるため、スイッチング検波回路33におけるスイッチングを経た出力は図4(e)に示すような波形となる。よって、このスイッチング検波回路33の出力をLPF34で平均化すると、+成分と−成分とが相殺され、図4(f)に示すように0となる。つまり、電流検出手段22の検出出力からは漏れ電流成分が相殺除去される。
【0032】
このように構成された本実施例の放電灯点灯装置25は、例えば、図5に示すような放電灯4を有する器具本体35中の制御板に実装されて照明装置となる。
【0033】
なお、本実施例では、電流検出手段22が検出する電流成分を、ランプ電圧の位相(参照位相信号)と完全に同相の電流成分としたが、必ずしも完全に一致する同相の成分に限らず、例えば、90%といった同相性を示す範囲で同相の電流成分を検出するようにしてもよい。
【0034】
さらに、本実施例では、参照位相信号と同相の電流成分を検出し、この電流成分を誤差検出回路を通してインバータ回路3の動作を制御するようにしたが、この他、検出された電流成分に基づき直接制御させる制御方法(例えば、検出された電流成分を電圧信号に変換し、電圧‐周波数変換器で制御する方法)などであってもよい。
【0035】
また、調光制御に関して、本実施例では調光レベルに応じて基準値VREF1を可変させる方式で説明したが、この他、電流成分に調光信号を加算又は減算するような調光制御方式であってもよい。
【0036】
また、本実施例では、調光機能を持つ放電灯点灯装置への適用例として説明したが、調光機能を持たない放電灯点灯装置にも効果的に適用できる。即ち、基準値VREF1が固定的なケースであるが、この場合でも放電によって流れる本来の電流成分の検出に基づくフィードバック制御として、放電灯4を安定した状態で点灯させることができる。
【0037】
さらには、本実施例に示した同期検波方式の電流検出手段22は、例えば、図9に示したようなコンデンサ予熱方式の放電灯点灯装置に対しても効果的に適用できる。即ち、予熱時にコンデンサC2 に流れる容量性の予熱電流成分を相殺除去し、放電灯4の放電によって流れる本来の電流成分のみを検出して、フィードバック制御に供することができるものとなり、このために、3巻線カレントトランス19を要しないことになる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の放電灯点灯装置によれば、放電灯を点灯させるインバータ回路と、このインバータ回路の出力を制御する駆動制御回路と、前記放電灯の電圧を検出して参照位相信号を出力する電圧検出手段と、前記放電灯に流れる電流成分中から参照位相信号と同相の電流成分を検出し、電流成分に応じて前記駆動制御回路を介して前記インバータ回路の出力を一定化する電流検出手段とを備えた構成としたので、放電灯のオンピカ現象を防止でき、また、このような本来の電流成分を検出する上でも、複雑な3巻線カレントトランス等を用いずに実現でき、特に、電圧検出手段が、放電灯の両端電圧を分圧して検出する分圧回路と、この分圧回路の出力に基づきスイッチング用の2種類の参照位相信号を生成する参照信号生成回路とを備え、電流検出手段が、放電灯に流れる電流成分に基づき180°位相の異なる電圧信号を得る電流電圧変換回路と、これらの電圧信号を参照位相信号に同期させて交互に出力させるスイッチング検波回路と、このスイッチング検波回路の出力を平均化する低域通過フィルタとを備えたものとし、電圧検出手段や電流検出手段の回路構成を明示したので、放電灯点灯装置を構成する上で、容易に実現することができる。
【0039】
請求項2記載の発明の放電灯点灯装置によれば、請求項1記載の放電灯点灯装置に誤差検出回路の出力を調光レベルに応じて可変させる可変手段を付加しており、深調光可能であるが、上記のようにオンピカ現象を生じないので、深調光による演出効果が損なわれない照明を行なうことができる。
【0040】
請求項3記載の発明の放電灯点灯装置によれば、発振動作により放電灯を点灯させるインバータ回路と、このインバータ回路の動作周波数を制御する駆動制御回路と、前記放電灯の電圧を検出して電圧信号とともに参照位相信号を出力する電圧検出手段と、前記放電灯に流れる電流成分中から参照位相信号と同相の電流成分を検出する電流検出手段と、これらの電圧検出手段と電流検出手段との誤差出力の高い方を前記駆動制御回路に出力する高値優先回路とを備えた構成とし、電流制御系の構成に加えて、電圧検出手段と電圧誤差検出回路とによる電圧制御系を設け、これらの制御系を高値優先回路を介して駆動制御回路にフィードバックさせるようにしたので、放電灯の点灯前の始動時に管端に印加される電圧が確実に制御でき、始動点灯を確実なものとすることができ、かつ、この際、電流制御系と電圧制御系とによる制御系の切換えに、点灯検出回路や切換え回路といった複雑な回路を要せず、単に、高値優先回路を介在させるだけでよく、切換え動作に時間的な遅れ要素を含まないので、例えば、深調光レベルでの始動時でもオンピカ現象を生ずるような不都合を回避できる。請求項4記載の発明の放電灯点灯装置によっても、同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略的な回路構成図である。
【図2】電流検出手段を中心に示す回路構成図である。
【図3】同相成分の検出動作を示すタイムチャートである。
【図4】進相成分の相殺動作を示すタイムチャートである。
【図5】照明装置を示す外観斜視図である。
【図6】25〜100%対応の従来例を示す概略的な回路構成図である。
【図7】その電流‐電圧特性を示す特性図である。
【図8】0〜100%対応の従来例を示す概略的な回路構成図である。
【図9】コンデンサ予熱方式の従来例を示す概略的な回路構成図である。
【符号の説明】
3 インバータ回路
4 放電灯
5 駆動制御回路
10 分圧回路
14 誤差検出回路、電流誤差検出回路
15 電圧誤差検出回路
16 高値優先回路
22 電流検出手段
23 電圧検出手段
25 放電灯点灯装置
26 参照信号生成回路
31 電流電圧変換回路
33 スイッチング検波回路
34 低域通過フィルタ
35 照明器具

Claims (4)

  1. 放電灯を点灯させるインバータ回路と、
    このインバータ回路の出力を制御する駆動制御回路と、
    前記放電灯の電圧を検出して参照位相信号を出力する電圧検出手段と、
    前記放電灯に流れる電流成分中から参照位相信号と同相の電流成分を検出し、電流成分に応じて前記駆動制御回路を介して前記インバータ回路の出力を一定化する電流検出手段と、を備え、
    前記電圧検出手段が、前記放電灯の両端電圧を分圧して検出する分圧回路と、この分圧回路の出力に基づきスイッチング用の2種類の参照位相信号を生成する参照信号生成回路とを備え、
    前記電流検出手段が、前記放電灯に流れる電流成分に基づき180°位相の異なる電圧信号を得る電流電圧変換回路と、これらの電圧信号を参照位相信号に同期させて交互に出力させるスイッチング検波回路と、このスイッチング検波回路の出力を平均化する低域通過フィルタとを備えてなることを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 放電灯を点灯させるインバータ回路と、
    このインバータ回路の出力を制御する駆動制御回路と、
    前記放電灯の電圧を検出して参照位相信号を出力する電圧検出手段と、
    前記放電灯に流れる電流成分中から参照位相信号と同相の電流成分を検出し、電流成分に応じて前記駆動制御回路を介して前記インバータ回路の出力を一定化する電流検出手段と、
    誤差検出回路の出力を調光レベルに応じて可変させる可変手段と、を備え、
    前記電圧検出手段が、前記放電灯の両端電圧を分圧して検出する分圧回路と、この分圧回路の出力に基づきスイッチング用の2種類の参照位相信号を生成する参照信号生成回路とを備え、
    前記電流検出手段が、前記放電灯に流れる電流成分に基づき180°位相の異なる電圧信号を得る電流電圧変換回路と、これらの電圧信号を参照位相信号に同期させて交互に出力させるスイッチング検波回路と、このスイッチング検波回路の出力を平均化する低域通過フィルタとを備えてなることを特徴とする放電灯点灯装置。
  3. 放電灯を点灯させるインバータ回路と、
    このインバータ回路の出力を制御する駆動制御回路と、
    前記放電灯の電圧を検出して電圧信号とともに参照位相信号を出力する電圧検出手段と、
    前記放電灯に流れる電流成分中から参照位相信号と同相の電流成分を検出する電流検出手段と、
    これらの電圧検出手段と電流検出手段との誤差出力の高い方を前記駆動制御回路に出力する高値優先回路と、を備え、
    前記電圧検出手段が、前記放電灯の両端電圧を分圧して検出する分圧回路と、この分圧回路の出力に基づきスイッチング用の2種類の参照位相信号を生成する参照信号生成回路とを備え、
    前記電流検出手段が、前記放電灯に流れる電流成分に基づき180°位相の異なる電圧信号を得る電流電圧変換回路と、これらの電圧信号を参照位相信号に同期させて交互に出力させるスイッチング検波回路と、このスイッチング検波回路の出力を平均化する低域通過フィルタとを備えてなることを特徴とする放電灯点灯装置。
  4. 放電灯を点灯させるインバータ回路と、
    このインバータ回路の出力を制御する駆動制御回路と、
    前記放電灯の電圧を検出して電圧信号とともに参照位相信号を出力する電圧検出手段と、
    前記放電灯に流れる電流成分中から参照位相信号と同相の電流成分を検出する電流検出手段と、
    前記電圧検出手段により検出された電圧信号を基準値と比較する電圧誤差検出回路と、
    前記電流検出手段により検出された電流成分を基準値と比較する電流誤差検出回路と、
    これらの電圧誤差検出回路と電流誤差検出回路との誤差出力の高い方を前記駆動制御回路に出力する高値優先回路と、を備え、
    前記電圧検出手段が、前記放電灯の両端電圧を分圧して検出する分圧回路と、この分圧回路の出力に基づきスイッチング用の2種類の参照位相信号を生成する参照信号生成回路とを備え、
    前記電流検出手段が、前記放電灯に流れる電流成分に基づき180°位相の異なる電圧信号を得る電流電圧変換回路と、これらの電圧信号を参照位相信号に同期させて交互に出力させるスイッチング検波回路と、このスイッチング検波回路の出力を平均化する低域通過フィルタとを備えてなることを特徴とする放電灯点灯装置。
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