JP3723810B2 - 離型剤の製造方法および離型剤 - Google Patents

離型剤の製造方法および離型剤 Download PDF

Info

Publication number
JP3723810B2
JP3723810B2 JP2003354780A JP2003354780A JP3723810B2 JP 3723810 B2 JP3723810 B2 JP 3723810B2 JP 2003354780 A JP2003354780 A JP 2003354780A JP 2003354780 A JP2003354780 A JP 2003354780A JP 3723810 B2 JP3723810 B2 JP 3723810B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wax
release agent
solvent
dispersed
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003354780A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005119069A (ja
Inventor
末信 杉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SACCORD CO.,LTD.
Original Assignee
SACCORD CO.,LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SACCORD CO.,LTD. filed Critical SACCORD CO.,LTD.
Priority to JP2003354780A priority Critical patent/JP3723810B2/ja
Publication of JP2005119069A publication Critical patent/JP2005119069A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3723810B2 publication Critical patent/JP3723810B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mold Materials And Core Materials (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Description

本発明は、離型剤の製造方法に関し、特に離型性物質としてワックスを含有する離型剤の製造方法に関する。
成形型から成形品を分離するのに用いられる離型剤の中で、ワックスを主要な離型性物質として含有する離型剤(以下ワックス系離型剤)が知られている。ワックスは常温で固体であり、成形型への均一な塗付が困難であるため、一般的なワックス系離型剤は、溶媒中にワックスを分散した分散液であり、この離型剤を成形型に塗付した後に溶媒を揮発させることにより、成形型の表面にワックスの被膜を形成する。
ワックス系離型剤には多様なワックスが使用される。含有するワックスは一種類のものもあるが、通常は、その用途により、複数のワックスが適宜配合で混合されたものが用いられる。溶媒も多様なものが使用されるが、大きくわけて有機溶剤と水の2種類が使用される。もちろん各種溶媒を複数混合して用いる場合もある。また、ワックスと溶媒以外にも酸化防止剤など各種添加剤も含むものも多く、さらには、シリコンオイル等のワックス以外の離型性物質を含有するものもある。
ここで、従来のワックス系離型剤の製造方法では、固体状態のワックスを一度加熱溶融して、液状化したワックスを溶媒に混合して攪拌することにより、ワックスが溶媒に安定に分散した分散液を作製している。以下、この工程を溶解工程と呼ぶ。この溶解工程にあっては、複数のワックスについて纏めて溶融して溶媒に分散させる場合もあるし、複数のワックスについて別々に別々に分散液を作製し、後に作製されたワックス分散液を混合・希釈することにより離型剤を製造する場合もある。なお、溶媒が有機溶剤である場合には、通常、溶融したワックスを溶媒に混合するだけで分散できるが(例えば特許文献1)、溶媒が水である場合には、界面活性剤等の乳化剤を同時に混合し、ワックスをエマルジョンとして分散させている(例えば特許文献2)。
特開平2−32816号公報 特開2000−198121号公報
ところで、上述の溶解工程はいくつかの欠点を抱えていた。すなわち、溶解工程においては、両者を混合する温度や冷却方法により離型剤の品質が変化するため、厳密な温度管理が必要であった。また、離型剤の材料には揮発性有害物質や燃え易いものが多く使用されるため、有毒ガスや火災の危険性も大きかった。
さらに、溶解工程でワックスと溶媒とを混合する温度は、ワックスの融点以上で且つ溶媒の沸点以下でなくてはならないため、ワックスを分散可能な溶媒は、その沸点がワックスの融点より高いものに限られていた。特に、近年では揮発性有機溶剤の使用規制により、以前から溶媒に使用していたトルエンやキシレン等の使用量が制限されつつあり、使用可能な溶媒はさらに限られたものとなっている。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、ワックスを加熱することなく溶媒に安定して分散させ得る離型剤の製造方法を提案するものである。
発明者は、従来の溶解工程に替わり得るワックスの分散方法について鋭意研究を行った結果、湿式粉砕分散機を使用して溶媒中で粉砕したワックス粒子が、溶媒に安定して分散することを発見した。そして、更なる研究により、かかるワックス粒子含む分散液を用いた離型剤が、従来法により製造された離型剤と略同等の効能を有することを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、ワックスを離型性物質として含有する離型剤の製造方法であって、固形状ワックスと溶媒とを湿式粉砕分散機中で攪拌することにより、固形状ワックスの略全てを粒子径5μm以下のワックス粒子にまで粉砕し、該ワックス粒子が溶媒中に分散した分散液を得る微粒化工程を含むことを特徴とする離型剤の製造方法である。
ここで固形状ワックスとは、融点以下の固体状態のワックスを意味するものであり、塊状の大きさのワックスに限定するものではない。かかる製造方法にあっては、ワックスを溶融させる従来の溶解工程に替わり、湿式粉砕分散機により固形状ワックスを溶媒中で機械的に粉砕して、溶媒中に安定して分散できる程度の粒子径のワックス粒子とする。こうして作製されたワックスの分散液は、従来の溶解工程により得られた分散液と略同等の効能を有する。すなわち、かかるワックスの分散液を成形型に塗付した後に溶媒を揮発させれば、ワックス粒子が成形型表面で集合して被膜を形成し、離型作用を発揮することとなる。
このように、微粒化工程では、常温でワックスを溶媒に分散させることが可能であるため、従来の溶解工程と異なり厳密な温度管理を行う必要がない。また、従来より低温でワックスを溶媒に分散させるため、ワックスをより低沸点の溶媒に分散させることができ、従来では困難であった新しい配合の離型剤も製造可能となる。
ここで、ワックスはある程度の粒子径にまで粉砕しないと溶媒中に分散せず、例え分散させても、短時間で集合して溶媒と分離してしまう。また、粒子径が大きすぎると、離型剤として成形型に塗付した場合に、薄く、均一な被膜を形成し難い。ワックスが溶媒中に安定して分散可能となる粒子径は、分散液の粘性によって異なるため一概には決定できないが、発明者は、本発明の方法により各種ワックスの分散液を製造した結果、5μm以下にまで微粒化したワックス粒子は、分散液が低粘性であっても溶媒中で安定して分散することを確認した。すなわち、微粒化工程では、略全てのワックスを粒子径5μm以下のワックス粒子にまで粉砕することが望ましい。さらに言えば、微粒化工程では、略全てのワックスを粒子径1μm以下のワックス粒子にまで粉砕することがより望ましい。略全てのワックスを1μm以下にまで粉砕した場合には、ワックス粒子は溶媒中でより安定し、得られた分散液の離型剤としての効能はより優れたものとなる。ここで、離型剤としての効能とは、成形品の型離れ、成形品の表面状態、成形型の汚れ等の複合的な評価によるものである。なお、「略全てのワックスを粒子径5μm以下のワックス粒子にする」とは粒子の90%以上が粒子径5μm以下となることを意味し、ワックスがかかる状態にまで粉砕されたことは粒度分布計により容易に確認できる。また、現在の湿式分散機では、ワックス粒子の粉砕限界は0.05μmであり、本発明の製造方法により製造された離型剤には0.05〜5μmの粒子径のワックス粒子が分散することとなる。
本発明の微粒化工程で使用する湿式粉砕分散機とは、被粉砕物と液体と粉砕媒体とを容器内で混合攪拌して、粉砕媒体により生じる物理的衝撃、剪断、摩擦等により被粉砕物を粉砕するものであり、具体的には粉砕媒体にセラミックや金属等からなるビーズを用いるサンドミル、若しくは鋼球等のより大きな粉砕媒体を用いるボールミルが挙げられる。すなわち、微粒化工程では、固形状ワックスは、ビーズや鋼球といった粉砕媒体と溶媒と一緒に攪拌されることにより微粒化されて、溶融することなく溶媒中に分散することとなる。
サンドミルやボールミルといった湿式粉砕分散機は、ワックス粒子を所要粒子径以下まで微粒化可能なものが市販されており、本発明の微粒化工程にはこれらを好適に用いることが可能である。ここで、微粒化工程の際に、湿式粉砕分散機で使用する粉砕媒体の大きさ、その攪拌速度・処理時間・処理回数などの適切な条件は、湿式粉砕分散機の機種や混合するワックスと溶媒の種類・配合により異なるが、粒度計によりワックス粒子の粒子径を測定することにより、ワックス粒子を所要粒子径に微粒化するための適切な条件は容易に決定できる。発明者の研究によれば、ボールミルよりもサンドミルを用いた場合に、より短時間でワックスを分散させることが可能であり、さらには、粉砕媒体として粒子径が0.5〜3.0mmのビーズを用いたサンドミルを用いた場合に、最も迅速にワックス粒子を所要粒子径以下まで粉砕できた。
本発明の微粒化工程では、従来のワックス系離型剤を構成する略全てのワックスについて分散液を作製可能である。例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木蝋、ホホバ油、蜜蝋、ラノリン、鯨蝋、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、硬化ひまし油、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素や、それらの誘導体、配合ワックスが挙げられる。
また、溶媒についても、従来のワックス系離型剤を構成する略全ての有機溶剤、水等を利用可能である。例えば、有機溶剤では、炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル、アセタール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、多価アルコールとその誘導体系溶剤、脂肪酸及びフェノール系溶剤が挙げられる。
なお、本発明の微粒化工程では、溶媒が有機溶剤の場合には、ワックスと有機溶剤を湿式粉砕分散機中で攪拌することにより、ワックスの分散液を作製可能であるが、溶媒が水である場合には、従来の溶解工程と同様に、ワックスと溶媒に加えて乳化剤を混合し、微粒化したワックス粒子を乳化して分散させる。乳化剤については、ワックス類を乳化するものであれば何でも構わない。
また、上述したように通常のワックス系離型剤は、多種のワックス、溶媒、乳化剤や、その他添加物の混合物である。ここで、本発明の方法により複数のワックスを含有する離型剤を製造する場合には、従来の溶解法と同様に、複数のワックスを湿式粉砕分散機で同時に微粒化して分散液を作製しても構わないし、各ワックスについて別々に微粒化工程を行い、それぞれの分散液を製造した後で希釈、混合を行っても構わない。また、シリコンオイル等のワックス以外の離型性物質や酸化防止剤等の各種添加物は、微粒化工程と同時に溶媒に混合することもできるし、微粒化工程の前後で別途混合させても構わない。
なお、離型剤の中には、使用前に他の溶液と混合したり、溶媒により希釈されたり、添加物を加えてから使用するものもあるが、ここで述べる離型剤とは、こうした混合・希釈・添加をする以前のものを含めるものである。
本発明の離型剤の製造方法では、ワックスを加熱溶融することなく常温で溶媒中に分散させるため、従来の溶解工程のように、ワックスを分散させる際の温度管理等の手間がかからず、離型剤をより簡単かつ安全に製造できる。
また、本発明の製造方法では、溶媒に水を使う場合には、微粒化工程の際に、溶媒とワックスに加えて乳化剤を添加することにより、ワックス粒子を溶媒中に好適に分散させることができる。なお溶媒を有機溶剤とする場合には、乳化剤を添加することなく、ワックスと溶媒とを湿式粉砕分散機で攪拌することにより、ワックスの分散液を得ることができる。
さらに、本発明では、ワックスを、該ワックスの融点よりも低い沸点を有する溶媒中に分散できるため、従来の溶解工程では製造困難であったワックスと溶媒の組合せによる分散液を作製可能である。このため、揮発性有機化合物の使用規制により、溶媒の使用量、種類が制限される現状にあっても、環境に優しくより品質の高い離型剤の開発・製造が可能となる。
また、湿式粉砕分散機を、サンドミルにより構成すれば、ワックスを迅速に微粒化することが可能となり、特に粉砕媒体に粒子径が0.5〜3.0mmのビーズを使用すれば、より短時間でワックスを微粒化し、分散液を得ることができる。
本発明について、以下の離型剤A〜Dの製造方法により具体的に説明する。なお、説明する製造方法の全ての工程は常温下で行うものである。
表1の配合の水性離型剤Aを製造した第一実施例について説明する。
まず、ポリエチレンワックスとカルナバワックス、およびパラフィンワックスの塊をそれぞれ乾式粉砕し、粒子径が10メッシュ以下の粗いワックス粒子を得た。
これらの各ワックス粒子から、ポリエチレンワックスを3重量部、カルナバワックス2重量部、そしてパラフィンワックス53重量部を量り取る。そして、量り取ったワックス粒子の全てを乳化剤である脂肪酸2重量部、安定剤であるアンモニア4重量部、そして溶媒である水36重量部の混合液に軽く攪拌し、微粒化工程前の処理前混合物を調製した。
ここで、本実施例で使用する湿式粉砕分散機について説明する。本実施例では、湿式粉砕分散機としてサンドミルを用いる。このサンドミルでは、粒径0.5〜3.0mmのジルコン製ビーズを粉砕媒体として用いる。このサンドミルの容器内には特殊形状のディスクが複数設けられており、このディスクを容器内で回転させることにより、ビーズの効果的な流動状態を作るようになっている。そして、密閉された容器内に、ビーズと被粉砕物と液体とを入れて攪拌することにより、被粉砕物を粉砕して微粒化する。容器の出口にはビーズを分離するスクリーンが設けられており、微粒化された被粉砕物と液体のみが容器外に排出される。なお、サンドミルは、被粉砕物を粒子径1μm以下にまで粉砕可能なものを使用した。
そして、このサンドミルに前記処理前混合物を注入し、略全てのワックス粒子の粒子径が1μm以下となるまで粉砕し、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックスの各ワックス粒子が乳化剤により水中に分散してなる離型剤Aを作製した。かかる工程が本発明の要部である微粒化工程である。なお、本実施例の微粒化工程および以下の実施例で説明する微粒化工程におけるサンドミルの回転速度や処理回数等の条件は、粒度計を用いた試験により、所要の粒子径まで略全てワックス粒子が粉砕されるような条件を事前に決定した。
Figure 0003723810
次に、水性の離型剤Bを製造した第二実施例について説明する。離型剤Bは、表1に示すように、離型剤Aに比してワックスの濃度が低いものである。また、本実施例は離型剤Bに含まれる各ワックスについて別々微粒化工程を行ったものである。
まず、第一実施例と同様にして、ポリエチレンワックスとパラフィンワックスの塊をそれぞれ粉砕し、粒子径が10メッシュ以下の粗いワックス粒子を得た。
得られたポリエチレンワックス粒子8重量部を、乳化剤であるトリエタノールアミン2重量部および水40重量部に攪拌し、微粒化工程前の処理前混合物を調製した。
この処理前混合物を第一実施例と同様にサンドミルを用いて微粒化工程を行い、略全てのポリエチレンワックス粒子を粒子径1μm以下にまで粉砕し、水にポリエチレンワックスを分散させたポリエチレンワックス分散液を作製した。
また、ポリエチレンワックス粒子をパラフィンワックス粒子に替える他は、上記微粒化工程と同様にして、パラフィンワックス粒子8重量部を、トリエタノールアミン2重量部、水40重量部に分散させたパラフィンワックス分散液を作製した。
そして、かかるポリエチレンワックス分散液50重量部と、パラフィンワックス分散液50重量部とを、ミキサーで混合攪拌することにより離型剤Bを作製した。
続いて、有機溶剤を溶媒に用いた離型剤C(表2参照)を製造した第三実施例について説明する。
まず、第一実施例と同様にして、ポリエチレンワックスとマイクロクリスタリンワックス及びカルナバワックスの塊をそれぞれ乾式粉砕し、それぞれのワックスについて粒子径が10メッシュ以下の粗いワックス粒子を得た。
得られた各ワックス粒子を夫々7重量部ずつ量り取り、溶媒であるナフサ79重量部に軽く攪拌して、微粒化工程前の処理前混合物を調製した。
この処理前混合物を、上記実施例と同様にして、サンドミルに入れ各ワックス粒子を粒子径が1μm以下になるまで粉砕し、ナフサにワックス粒子が分散した離型剤Cを作製した。
Figure 0003723810
続いて離型剤Dを製造する第四実施例について説明する。かかる離型剤Dは、表2に示すように、離型剤Cよりワックス濃度の低いものである。また、本実施例は、第二実施例同様に、離型剤Dに含まれるワックス毎に別々に微粒化工程を行ったものである。
まず、上述の実施例と同様にして、ポリエチレンワックスとマイクロクリスタリンワックス及びカルナバワックスの塊を粉砕し、各ワックスについて粗いワックス粒子を得た。
このポリエチレンワックス粒子1重量部をナフサ30重量部に軽く攪拌させた後、混合液を上記サンドミルで攪拌し、ポリエチレンワックス粒子を粒子径1μm以下にまで粉砕し、ナフサにポリエチレンワックスを分散させたポリエチレンワックス分散液を調製した。
また、同様の微粒化工程により、マイクロクリスタリンワックス2重量部をナフサ30重量部に分散させたマイクロクリスタリンワックス分散液と、カルナバワックス2重量部をナフサ30重量部に分散させたカルナバワックス分散液とを調製した。
このようにして得られたポリエチレンワックス分散液31重量部、マイクロクリスタリンワックス分散液32重量部、カルナバワックス分散液32重量部をミキサーで攪拌した。そして、ナフサ4重量部に混合したシリコンオイル1重量部を加えてさらに攪拌することにより離型剤Dを作製した。
以上の実施例により作製された離型剤A〜Dについて性能評価を行った。
離型剤A〜Dを、それぞれ室温で24時間放置した後、材料の分離、沈殿の有無、粘性、粒子径分布の変化について調査した。その結果、放置後のすべて離型剤A〜Dには、沈殿、材料の分離とも確認されず、また、粘性、粒子径分布についても大きな変化は認められなかった。
また、各離型剤A〜Dを、実際に成形型に使用して、その効能について評価を行った。その結果、離型剤A〜Dの効能は、成形品の型離れや表面状態、成形型の汚れ度合い等において、同配合の従来品に匹敵する効能を有するものであった。
以上のことから明らかなように、本発明の微粒化工程により製造された離型剤は、溶媒の種類、ワックス含有量に関わらず、ワックス粒子が溶媒中に安定に分散していると共に、従来品に匹敵する効能を示すものであり、従来の溶解工程に替えて、本発明の微粒化工程により離型剤を製造可能であることが分かる。
そして、上記実施例のように微粒化工程を含む製造方法により離型剤を製造すれば、ワックスを加熱溶融する必要がないため、離型剤を簡単かつ安全に製造できる。また、微粒化工程は常温で実行できるため、高融点のワックスを低沸点の溶媒に分散可能であり、ワックスと溶媒との組合せの選択肢を広げることができる。
なお、本発明は、上記実施例の方法に限定したものではなく、本発明の主旨の範囲内で適宜変更可能である。例えば、本実施例では、微粒化工程前に、ワックスを10メッシュ以下の粗い粒子に粉砕しているが、これは、使用したサンドミルの機種に依存した処理であり、異なる湿式粉砕分散機によれば、ワックスの塊をそのまま湿式粉砕することも可能である。また、上記実施例においては、複数のワックスを同時に微粒化する製造方法と、ワックス毎に別々に微粒化を行う製造方法の二つを示したが、かかる方法はワックスの濃度に関わらず、どちらの方法で製造しても構わない。また、本発明により製造される離型剤の配合についても、本実施例の配合に限らず、従来品に用いられる離型剤の配合の略全てについて製造可能である。さらに言えば、上述したように、本発明の離型剤の製造方法では、従来の溶解工程では製造困難であった高融点ワックスと低沸点溶媒を組み合わせた配合の離型剤を製造可能であるが、かかる配合の離型剤についても、上述の実施例と同様の方法で製造可能である。

Claims (6)

  1. ワックスを離型性物質として含有する離型剤の製造方法であって、
    固形状ワックスと溶媒とを湿式粉砕分散機中で攪拌することにより、固形状ワックスの略全てを粒子径5μm以下のワックス粒子にまで粉砕し、該ワックス粒子が溶媒中に分散した分散液を得る微粒化工程を含むことを特徴とする離型剤の製造方法。
  2. 前記溶媒は水であり、微粒化工程では、固形状ワックスと水と乳化剤とを湿式粉砕分散機中で攪拌することにより、溶媒中にワックス微粒子が分散した分散液を得ることを特徴とする請求項1記載の離型剤の製造方法。
  3. 前記溶媒は有機溶剤であることを特徴とする請求項1記載の離型剤の製造方法。
  4. 湿式粉砕分散機は、粉砕媒体にビーズを使用するサンドミルであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の離型剤の製造方法。
  5. 微粒化工程において、サンドミルで粉砕媒体に使用するビーズの粒子径が0.5〜3.0mmの範囲内であることを特徴とする請求項4記載の離型剤の製造方法。
  6. ワックスを離型性物質として含有する離型剤であって、
    融点以下で溶媒と共に湿式粉砕分散機中で攪拌されて、粒子径が0.05〜5μmの範囲内に粉砕され、溶媒中に分散したワックスを含有することを特徴とする離型剤。
JP2003354780A 2003-10-15 2003-10-15 離型剤の製造方法および離型剤 Expired - Fee Related JP3723810B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003354780A JP3723810B2 (ja) 2003-10-15 2003-10-15 離型剤の製造方法および離型剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003354780A JP3723810B2 (ja) 2003-10-15 2003-10-15 離型剤の製造方法および離型剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005119069A JP2005119069A (ja) 2005-05-12
JP3723810B2 true JP3723810B2 (ja) 2005-12-07

Family

ID=34612591

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003354780A Expired - Fee Related JP3723810B2 (ja) 2003-10-15 2003-10-15 離型剤の製造方法および離型剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3723810B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101973094A (zh) * 2010-11-08 2011-02-16 大连三达奥克化学股份有限公司 气雾罐型塑料模具脱模剂及制造方法

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101993772A (zh) * 2009-08-21 2011-03-30 有限会社爱萨科德 脱模剂的制造方法以及脱模剂
JP5667481B2 (ja) * 2011-03-16 2015-02-12 日本精化株式会社 金型用離型剤
CN102191119B (zh) * 2011-04-18 2012-12-26 天津安路浦环保科技发展有限公司 润滑脱模剂及其制备方法
CN104293453A (zh) * 2014-08-29 2015-01-21 安徽乐达精密合金有限公司 一种金属线材专用新型拉丝液及其制备方法
CN104560340A (zh) * 2015-01-07 2015-04-29 天津奥特盛业重型锻压有限公司 一种水性锻造脱模剂
CN104593135B (zh) * 2015-03-01 2017-12-01 南京旭羽睿材料科技有限公司 一种水泥预制品脱模剂
CN105695068A (zh) * 2015-04-13 2016-06-22 苗娥 一种加气砖脱模油及其制备方法
CN105385494A (zh) * 2015-12-03 2016-03-09 新疆现代石油化工股份有限公司 水泥制品脱模剂及其制备方法
CN105713705B (zh) * 2015-12-11 2019-04-02 江苏苏博特新材料股份有限公司 一种混凝土预制构件专用混凝土脱模剂、其制备方法及其应用
CN105695052B (zh) * 2015-12-11 2018-10-12 江苏苏博特新材料股份有限公司 一种装饰混凝土专用脱模剂及其制备方法和应用
CN105713713B (zh) * 2016-01-20 2019-04-02 江苏苏博特新材料股份有限公司 一种表面增强型混凝土脱模剂

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101973094A (zh) * 2010-11-08 2011-02-16 大连三达奥克化学股份有限公司 气雾罐型塑料模具脱模剂及制造方法
CN101973094B (zh) * 2010-11-08 2013-07-03 大连三达奥克化学股份有限公司 气雾罐型塑料模具脱模剂及制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005119069A (ja) 2005-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3723810B2 (ja) 離型剤の製造方法および離型剤
Madec et al. Modelling of the agglomeration in suspension process with multidimensional kernels
JP2000191490A (ja) 超微粒子状酸化亜鉛・シリコ―ン分散体及びその製法、並びに紫外線遮蔽性化粧料
JP5362179B2 (ja) ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル及びそれを含有する水系ワックス分散物
CN104513646B (zh) 硬质材料以及由水性硬质材料研磨浆液制备硬质材料的方法
JP2006257354A (ja) 樹脂含有粒子の製造方法およびそれを用いる電子写真用トナー
JP2012520908A5 (ja)
TWI507472B (zh) Preparation method of aqueous dispersion composition of benzofuran-indene resin and aqueous dispersion composition thereof
JPH06136304A (ja) 水系塗料用スリップ剤及びその製造方法
CN101993772A (zh) 脱模剂的制造方法以及脱模剂
TW561026B (en) Pesticide preparations in the form of aqueous suspension
WO2006088130A1 (ja) シリコーンエラストマー複合粉末、シリコーンエラストマー複合粉末の製造方法および化粧料
JPS6368513A (ja) 化粧料
TWI329244B (en) Method for fabricating toners
CN110325272A (zh) 微胶囊及其制造方法
JPH0542326B2 (ja)
JPS6154829B2 (ja)
JP2008094788A (ja) 着色剤含有樹脂粉末及びその製造方法
JP2006257075A (ja) シリコーンエラストマー複合粉末、シリコーンエラストマー複合粉末の製造方法および化粧料
JPH07257925A (ja) ジルコニア微小粒子
JP2005264120A (ja) ポリマー微粒子の製造方法。
JP7158579B2 (ja) 化粧料
CN113508808B (zh) 可分散油悬浮剂及其制备方法
KR20100020721A (ko) 분산 안정성이 향상된 왁스 분산액 및 그의 제조방법
Akay et al. Preparation of ethylene vinyl acetate copolymer latex by flow induced phase inversion emulsification

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050822

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050916

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080922

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110922

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140922

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees