JP3723573B2 - 化学パルプを蒸煮する連続法における木節(きぶし)の再循環 - Google Patents

化学パルプを蒸煮する連続法における木節(きぶし)の再循環 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は化学パルプの連続蒸煮法に関し、特に化学パルプの連続蒸煮に際して木筋を合理的に処理する方法に関する。
既存技術および問題点
パルプを蒸煮する際に、蒸煮される原木の大部分は繊維のほぐしが充分に達成されるまで脱リグニン化されてきた。しかし原木の比較的小部分は木筋でできており、この木筋は、蒸煮することがより難しい点で、すなわち、充分な脱リグニン化を達成するのにより長い滞留時間を必要とする点において、原木の残りの部分と性質が異っている。この問題は通常蒸煮後に木筋を分離し蒸解釜にもどして処理を繰り返すことによって解決される。この点に関して、木筋は、通常篩分けによって分離され、つづいて洗滌工程に運ばれ、その後直ちに木筋ビンに送られる。木筋は次に木筋ビンからチップビンに移され/空気輸送され、それによって第二の蒸煮操業を始める。このような方法の欠点は、木筋を比較的高所にあるチップビンの頂部にまで運ぶため、比較的大量のエネルギーを必要とすることである。更に、輸送のためにスルースフィーダーなどのかなり高価な機器が必要になる。その上、輸送用機器と、もし必要ならば、脱水用機器によってもたらされる追加負荷を考慮に入れるようなやり方でチップビンを建設しなければならないことは勿論不利な点である。
解決法と利点
本発明によれば木筋は木筋脱水装置からタンクに運ばれ、最初にチップビンまたは蒸煮器を経由して供給されることなしに、タンクからシュート循環に送られる。木筋は遠心ポンプによって比較的低密度、例えば約5%、の懸濁液の形でチップシュートに供給されることが好ましい。本発明に従って進むことにより、上記の欠点の大部分は取除かれるかまたは少くとも最少限に減らされる。
本発明の他の態様によれば、木筋懸濁液を所望の濃度に薄めるために、黒液および/または好ましくは篩分けにつづく、次のパルプ洗滌工程の一つからの濾液が用いられる。
【図面の簡単な説明】
以下添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。即ち、
第1図は一容器蒸解釜(one−vessel digester)に関連した本発明の好ましい実施態様を示す。
第2図は、二容器系、即ち分離した含浸容器に関連した本発明の他の実施態様を示す。
第1図は、従って繊維系統の“前部”を示す。チップはチップビン、好ましくはHULA BIN(Kvaerner Pulping Technologies ABの商標)の中に入れられる。チップビン1からチップは低圧フィーダーを経て蒸煮器2に供給され、蒸煮器の端部からチップはチップシュート3に落される。蒸煮器の圧力は約1.5バールである。チップシュート3は高圧フィーダー4の頂部に取付られているが、このフィーダー4の目的はチップを可成り高い圧力(少くとも8バール)にある蒸解釜(digester)5に送ることである。チップはかくして高圧フィーダー4によって蒸解釜5の頂部に供給され、ここで輸送液の一部は分離され高圧フィーダー4に再循環される。当業者には一般に知られているように、適当な温度を保持し適当な薬品を加えることによって、チップは蒸解釜5の中で所望の方法で蒸煮され、それによって所望の脱リグニン化が達成される。Kamyrによって開発されたITC法を用いることが好ましく、この方法では蒸煮ゾーン全体にわたって実質的に同一温度レベルが保持され、従って、良好な強度特性を保ちつつ、パルプを比較的低いカツパー価にまで蒸煮することができる。さて繊維がほぐされた蒸煮パルプはブローライン6を経て貯蔵塔7の頂部に設けられたディフューザーに運ばれる。貯蔵塔からパルプは篩8に送られ、部分的には木筋の形の不合格材料はここで分離され、分離ライン10を経て木筋の洗滌/濃縮装置11に送られる。濃縮装置11の下流で木筋は約25−35%の乾燥物含量を持つ。木筋はさらに木筋ビン/タンク12に送られ、本発明の好ましい実施態様では、ここで、例えば、100℃以下に適当に冷却され分離ライン13を経て供給されたフラッシュサイクロンからの黒液と混合される。木筋タンク12中の懸濁液は遠心ポンプ12Aによって輸送することができるように約5%の乾燥物含量をもたねばならない。懸濁液は2%の低濃度にまで稀釈することができると考えられ、また他の極端な場合には最大約7%の乾燥物含量をもちうる。
かくして木筋タンク12から、木筋懸濁液は好ましくは遠心ポンプ12A(例えば渦流ポンプ)によってライン14を経てチップシュート3に送られる。第1図はチップシュート3にはライン14を取付けるための別の接続部品15が設けられていることを示している。シュート循環16(C3、線図として示されている)は通常の方法で配列され、従って好ましくは循環ポンプ、サンドトラップおよび木筋篩よりなっており、この木筋篩から不合格材料はチップシュート3に、好都合には、このために設けられた接続部品15に再循環される。
あるいは黒液のかわりに、好ましくは木筋篩の下流の洗滌工程の一つ、またはその組合わせからの濾液を用いることができる。木筋篩懸濁液を還流させる際の液成分はまたチップシュートへの液比の調節および/または特別な薬品の含量を調合するために用いることができる。更に、ライン14をそれ自身の接続部品に導くかわりに、このラインをC3循環16に導くことができ、従って木筋篩懸濁液はこの接続部品を経てチップシュートに供給される。
第2図は本発明の他の実施態様を示し、この中では発明は二容器系に関連して、すなわち蒸解釜5の他にチップ含浸のための別の容器17がある場合に用いられる。シュート循環16は本図でははるかに明瞭に示されており、当業者はこの図面から、シュート循環16は第一にポンプ(C3)、次にサンドラップ(サイクロン)、続いて木筋篩を含み、この木筋篩から不合格材料はチップシュート3に循環されることを理解することができる。1部だけが示されているライン14は、木筋タンクからの木筋懸濁液がチップシュート3との接続の直前に、目的に適って都合よくシュート循環に供給される場所を示す。この場合木筋の分離と木筋が循環される方法は第1図に関して上に述べた方法に相当するのでより詳細には示さない。好ましい二容器実施態様によれば、黒液は含浸容器中で用いられる。この点に関して、黒液を最良の方法で利用するために用いられる多くの方法がある。たとえば我々が特許出願した方法(SE 8804578)で、この方法では黒液上部の並流ゾーンで用いられその底部で含浸容器の底部に加えられ(従ってチップと向流に移動する)黒液と白液によって置換される。あるいはまた我々がその二年後に特許出願した方法(US 58579090)があり、この方法では実質的に高温の黒液のみを含浸容器の底部に加える。他の方法、例えば純粋に向流の方法もまた勿論考えられる。
本発明は上の記述によって限定されるものではなく、次の請求の範囲を限度として変化しうるものである。故に当業者は、例えば、木筋懸濁液をチップシュートに送る目的で低圧フィーダーを用いることができることを理解するであろう。

Claims (9)

  1. チップが高圧フィーダー(4)の頂部に設けられたチップシュート(3)に送られ、この高圧フィーダーはチップを直立の長い蒸解釜(digester)(5)を備えた下向流の加圧連続蒸解釜ハウジングに送るためのものであり、チップは蒸解釜の頂部に送り込まれ、蒸解されたパルプがその底部から送り出され、つづいて、繊維にほぐされ洗滌され、次にほぐされたパルプは篩分けられてパルプの合格品の流れが得られ、この流れはさらに後続の処理に供され、また主として木節よりなる不合格品の流れが得られるケミカルパルプの連続蒸解方法において、主として木筋よりなる不合格品の流れをチップビン(1)や蒸煮器(2)を通すことなく、該チップシュートに循環させることを特徴とする方法。
  2. 前記チップシュートに循環させる前記不合格品の流れが、洗滌および濃縮された後のものであることを特徴とする請求の範囲1に記載の方法。
  3. 不良品の流れが、チップシュート(3)への循環と関連して、2−7%乾燥物含量をもつ懸濁液を形成していることを特徴とする請求の範囲1または2に記載の方法。
  4. 遠心ポンプ(12A)を用いて木節含有懸濁液をチップシュート(3)に送ることを特徴とする請求の範囲3に記載の方法。
  5. 木節含有懸濁液が再循環ループ(16)を経由してチップシュートに送られることを特徴とする請求の範囲1または2に記載の方法。
  6. 懸濁液の所望の密度が、濃縮された木節にパルプ工場の他の部所で発生する液流と混合することによって得られることを特徴とする請求の範囲3に記載の方法。
  7. 液流が、少くとも主として、黒液よりなることを特徴とする請求の範囲6に記載の方法。
  8. 液流が、少くとも主として、蒸解釜ハウジングの下流にある洗滌工程からの濾液よりなることを特徴とする請求の範囲6に記載の方法。
  9. 液流が分離タンク(12)中の木節含有懸濁液に供給されることを特徴とする請求の範囲6に記載の方法。
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