JP3723371B2 - 光モジュール,光導波路素子,光モジュールの製造方法,及び光導波路素子の製造方法 - Google Patents

光モジュール,光導波路素子,光モジュールの製造方法,及び光導波路素子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,光モジュール,光導波路素子,光モジュールの製造方法,及び光導波路素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチメディア社会を実現する通信システムの一形態としては,高速・大容量の情報を伝送可能な光ファイバによって通信サービスを提供する事業者の局社と該通信サービスを受ける加入者宅或いはその近傍とを結ぶ光通信システムがある。かかる光通信システムでは,主に,光ファイバを介して局社から伝送される光信号を加入者宅等で電気信号に変換したり逆に加入者宅等において電気信号を光信号に変換し光ファイバで局社に伝送する光通信端末用の光送受信機能を有する光モジュールが必要となる。
【0003】
従来,かかる要求を満たす光モジュールには,「能動プレーナ光波回路技術,NTT R&D, Vol.43, No.11, 1994, pp.137−146」に開示されたものがある。本文献記載の従来の光モジュールは,いわゆるハイブリッド光電子集積回路に属する。ここで,ハイブリッド光電子集積回路とは,異種材料或いは異種製造工程により形成される機能の異なる光半導体素子或いは電子素子を,最終的に一体となるように(多くは一つの基板上に集積化して)実装したものである。
【0004】
図72及び図73を参照しながら,上記文献記載の従来の光モジュールについて説明する。尚,図72は,上記従来文献に係る光送受信モジュール400を示す平面図であり,図73は,図72に示す光モジュール400のa−a断面図である。
【0005】
図72及び図73に示すように,光モジュール400は,光導波路素子420と,光半導体素子430と,光ファイバ端440が支持固定された光ファイバアレイ450と,を備えている。光導波路素子420は,後述するように加工性に優れる単結晶シリコン(Si)からなる基板421上に順次成長させた下部クラッド層423とコア層424と上部クラッド層425とから構成される光導波路層422を備えている。
【0006】
光導波路層422は,いずれも火炎堆積法(FHD法)等により成膜される石英系ガラスからなる。コア層424の屈折率は,光信号を伝搬させるために,下部クラッド層423及び上部クラッド層425の屈折率に比べて高く設定されている。通常,下部クラッド層423及び上部クラッド層425に対するコア層424の比屈折率差は,0.3%程度に調整されている。また,コア層424の膜厚は,約8μmであり,線幅が約8μmのコアパターン424aを備えている。
【0007】
下部クラッド層423及び上部クラッド層425は,いずれも光信号の所定の伝搬特性を得るために,膜厚が20μm程度に形成されている。下部クラッド層423は,後述する光導波路素子420の製造方法に起因して,基板421上に形成される第1の下部クラッド層423aと,第1の下部クラッド層423a上に形成される第2の下部クラッド層423bと,から構成される。
【0008】
以上説明した構成を有する光導波路素子420は,半導体素子と同様の製造方法により製造可能であるため,小型で量産性が見込めることから,高い経済性が望まれる用途に有効である。
【0009】
また,光導波路素子420は,その片端部に,光半導体素子430を搭載するための光半導体素子搭載部421a,即ちドライエッチングにより光導波路層422を除去し基板421を露出した領域を備えている。光半導体素子搭載部421aは,光半導体素子430を電気接続するための電極426と配線(図示せず。)及び単結晶シリコンのエッチング等により形成したアライメントマーカ427を備えている。
【0010】
また,光導波路素子420は,他端部の上部クラッド層425上に,光ファイバアレイ450との接着面積を確保するためのガラスブロックからなるリド460を備えている。
【0011】
光半導体素子430は,一方が電気信号を光信号に変換する半導体レーザと,他方が光信号を電気信号に変換するフォトダイオードである。光半導体素子430は,半導体基板431上に光導波層432と,表面に電極433及び薄膜等により形成したアライメントマーカ434を備えている。尚,ここで言う光導波層432は,半導体レーザの場合には活性層,フォトダイオードの場合には受光部(図示せず。)の中心に結びつく光路のうち入射部の光路を意味する。
【0012】
光導波路素子420と光半導体素子430の光軸調整は,基板421の面と平行な方向(以下,単に面方向と称する)については,前記アライメントマーカを用いたインデックスアライメント法により行われるが,基板421の面と鉛直な方向(以下,単に鉛直方向と称する)については,光半導体素子430を搭載した時の基板421の上面を基準面とした時の基板421面と鉛直方向の光軸位置(以下,光軸高さと称する)に光導波路素子420の光軸高さを揃えるという方法により達成される。
【0013】
具体的には,第1の下部クラッド層423aを基板に加工した段差或いは溝428内に収容し,第2の下部クラッド層423bの膜厚を調整することによって光軸高さを合致させる。結果として,例えば光半導体素子430の光軸高さが,光半導体素子搭載部421aの上面から8μmである場合には,光導波路素子420の光軸であるコア層424の膜厚中心の高さも光半導体素子搭載部421aの上面から8μmとなる。
【0014】
段差或いは溝428は,前述した単結晶シリコンからなる基板421の加工性に優れるという特性を利用して形成される。即ち,段差或いは溝428形成予定部以外をレジストパターンにより被覆した状態で,水酸化カリウム(KOH)を含有する溶液に侵漬する。かかる浸漬によって,単結晶シリコンの結晶面によりエッチングレートが大きく異なるという特性を利用した異方性エッチングが実現され,精密に制御された形状の段差或いは溝を形成することができる。
【0015】
第1の下部クラッド層423aは,この段差或いは溝428内を埋めるように基板421上全面に成膜した石英系ガラス膜を,研磨加工により基板421上面が基板面内均一に露出させることにより形成される。
【0016】
このように,光半導体素子搭載部421aを兼ねる基板421上面を基準面として,光半導体素子搭載部421aの上面からの光導波路素子420の光軸であるコア層424の膜厚中心の高さを高精度に調整することにより,光軸高さの位置ずれ量は,光通信端末用の光送受信機能を有する光モジュールに要求される光挿入損失を溝足するために必要な,±1.0μm程度を達成できる。
【0017】
このようにして光半導体素子430が搭載された光導波路素子420は,最終的に光ファイバアレイ450等に固定されたコア441がクラッド442に被覆された光ファイバ端440と調整・固定されることにより光モジュール400として完成する。
【0018】
なお,光導波路素子420と光ファイバ端440との調整は,例えば,アクティブアライメントにより行われる。即ち,光導波路素子420に調整用のコアパターン(図示せず。)を設け,かかる光ファイバ端440からコアパターン424aへ光を入射し,入射光の透過光量が最大となるようにモニ夕しながら,調整装置(図示せず。)等を用いて,光導波路素子420と光ファイバ端440との相対位置を調整する。後に,光ファイバ端440のコア241及び光導波路素子420のコア層424と屈折率が近い接着剤470により,光ファイバ端と光導波路素子420とを接着固定する。
【0019】
かかるアクティブアライメントによれば,光導波路素子420と光ファイバ端440の光軸位置ずれ量は,光通信端末用の光送受信機能を有する光モジュールに要求される光挿入損失を溝足するために必要な,±1.0μm程度を達成できる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,以上説明した従来の光モジュールにおいて,従来の光導波路素子は,光導波路素子と光半導体素子との面方向のアライメント用のアライメントマーカを光半導体素子搭載部側に備える構成であった。かかるアライメントマーカは,光導波路素子と光半導体素子との光結合損失を劣化させないために,光半導体素子搭載部と同時に形成される光導波路層壁部に露出されたコアパターン端面に極力近づける必要がある。
【0021】
アライメントマーカは,高精度に形成するためフォトリソグラフィにより形成されるが,この際用いるフォトレジストは,前記壁部が形成された光導波路層も含めて被覆する必要があるため,非常に厚く形成しなければならない。したがって,アライメントマーカ形成予定部である前記光導波路層壁部近傍の光半導体素子搭載部には,フォトレジストが液溜り状になり,必要以上に厚く形成されてしまう。
【0022】
結果として,従来の光モジュールには,アライメントマーカの形状精度が劣化するという問題があった。即ち,光軸高さ調整の高精度化のための光導波路素子搭載部を備えた構造により,面方向の光軸調整精度が犠牲になるという問題があった。
【0023】
また,従来の光モジュールにおいては,光導波路素子と光ファイバ端との光軸調整は,光ファイバアレイ等に固定された光ファイバ端をアクティブアライメントにより行われている。しかし,アクティブアライメントは,所望の精度の光軸調整を達成するまでに,一つの光モジュールについて数分から十数分という長大な時間を要するものであり,量産に向かない。
【0024】
また,アクティブアライメントには,光ファイバアレイ等の高額な部品,光軸調整のための調整装置が必要であり,さらに光導波路素子側にも光ファイバアレイとの接着面積を確保するためのリドを備える必要があった。
以上のことから,アクティブアライメントは,光モジュールの製造コストの大部分を占めるほど製造性の悪いものであった。
【0025】
なお,単結晶シリコン基板を用いた他の従来例の光導波路素子では,光ファイバ端との接続側の光導波路素子端部の光導波路層を除去した基板表面に,異方性エッチングによる光ファイバ端搭載用のV溝を備えることにより,光導波路素子と光ファイバ端との光軸調整を簡易化したものもある。しかし,かかる場合にも,基板が異方性エッチングが可能で,線膨張係数が石英系ガラスに近い単結晶シリコン基板に限られるという制約がある。
【0026】
さらに,従来の光導波路素子のうち,所望の光伝搬特性を得るため例えば20μmという厚い膜厚の上部ならびに下部クラッド層を備えるものは,光導波路素子と光半導体素子の光軸高さを調整するために,下部クラッド層の大部分を単結晶シリコン基板表面に形成した段差或いは溝内に収容するという構造であった。
【0027】
そのため,その製造方法において,単結晶シリコン基板表面に段差或いは溝加工を行う工程,続いて最終的に下部クラッド層となる石英系ガラス膜を前記段差或いは溝が完全に埋まるまで堆積する工程,続いて前記石英系ガラス膜を基板表面が露出するまで研磨する工程,と煩雑な工程が必要であった。これらの工程のうち特に研磨工程は,基板全面に対して均一に基板表面を露出させる必要があるため,非常に高度な制御技術が必要となり,製造歩留まりの低下を招いていた。また,基板が異方性エッチングが可能で,線膨張係数が石英系ガラスに近い単結晶シリコン基板に限られるという制約があった。
【0028】
以上述べたように,従来の光モジュールは,光導波路素子と光半導体素子との特有の光軸高さ調整方法に起因して,面方向の光半導体素子の光軸調整精度が劣ることから特性が優れなかった。また,光導波路素子と光ファイバ端との接続が困難であり光導波路素子の製造工程が煩雑であることから製造コストが高く,光通信端末用途に経済性高く提供することが困難なものであった。
【0029】
本発明は、従来の光モジュールが有する上記その他の問題点に鑑みて成されたものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,本発明は,光モジュールにおいて,光ファイバ−光学要素間で光を伝送する光導波路の機能と光学要素が搭載される実装基板の機能とを別個の構成要素に分配する構成を採用する。即ち,本発明では,従来の光導波路素子上に一体的に配されていた機能が,光導波路素子と実装基板とに分配される。ここで,光導波路素子には光ファイバ−光学要素間で光を伝送する機能を実現するためにコアパターンが形成され,実装基板には光学要素が搭載される機能を実現するために設置面が形成される。本発明では,かかる機能の分配に伴い,従来の光導波路素子に課される制約,例えば材料や製造方法或いは使用環境等の制約も光導波路素子と実装基板とに分配される。
【0031】
さらに,本発明は,光ファイバ−光学要素間で光を伝送する光導波路の機能と光学要素が搭載される実装基板の機能とを一体化するために,光導波路素子を光半導体素子等の光学要素とともに設置面に設置して,光導波路素子を実装基板に搭載する構成を採用する。かかる構成では,設置面の第1領域に光学要素が設置され第1領域と隣接する設置面の第2領域に光導波路素子が設置されて,光導波路素子のコアパターンを介して光ファイバと光学要素とが接続される。即ち,実装基板の設置面上では,光導波路素子が光ファイバ−光学要素間を光学的に中継することとなる,尚,光導波路素子による光ファイバ−光学要素間の光学的な中継は,例えば,実装基板上に第2領域と隣接する第3領域を形成し該第3領域に光ファイバの端部(光の入出力端)を設置したり,或いは光ファイバの端部に光導波路素子を一体的に形成するなどにより,実現することができる。
【0032】
そして,本発明は,実装基板への光導波路素子の搭載に際し光導波路素子と光学要素との光学的アライメントを高精度に行うべく,実装基板の設置面に基準平面が規定される構成を採用する。本発明では,インデックスアライメントやパッシブアライメント等の所定のアライメント方法による基準平面に対する位置合わせを介して光導波路素子と光学要素との面方向の光軸調整が実現される。
【0033】
また,本発明では,基準平面と光導波路素子の光軸との距離,即ち光軸高さを制御すべく,光導波路素子の層構造を高精度に層厚調整する構成や設置面上に高精度に高さ調整が行われた載置構造が形成された構成等が採用される。さらに,本発明は,該光軸高さの制御が実現された状態で,コアパターンによる光伝送損失を低減し,光導波路素子による光伝搬特性を向上させるべく,光導波路素子に第1のクラッド層を形成する構成或いは実装基板に収容部を形成する構成や光導波路素子に第2のクラッド層を形成する構成等を採用する。尚,本発明にかかる光モジュールにおいて,光ファイバを他の光学要素に置換すれば,該他の光学要素と本発明にかかる光学要素とを本発明にかかる光導波路素子を介して光学的に接続する構成が実現可能である。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好適な実施の形態について,添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚,以下の説明及び添付図面において,略同一の機能及び構成を有する構成要素については,同一符号を付することにより,重複説明を省略する。
【0035】
(第1の実施の形態)
最初に,図1〜図46を参照しながら,第1の実施の形態について説明する。尚,以下では,図1に示す光モジュール100を中心としながら,本実施の形態に係る光モジュール,光導波路素子及び実装基板について,説明を進める,
【0036】
図1に示すように,本実施の形態に係る光モジュール100は,キャビティ113が形成された実装基板110と,Y字型のコアパターン124aが形成された光導波路素子120と,光学要素に相当する2つの光半導体素子130及び光ファイバの光入出力端を成す光ファイバ端140と,を備えている。光モジュール100において,光導波路素子120と光半導体素子130と光ファイバ端140とは,実装基板110上に表面実装されている。かかる表面実装では,光導波路素子120を両側から挟むように光ファイバ端140と光半導体素子130とが配置される。結果として,光モジュール100には,光導波路素子130のコアパターン124aによって,2つの光半導体素子130を光ファイバ端140に相互独立に光学的に接続するY分岐型の光路が形成される。
【0037】
(1−1)実装基板
図2に示すように,例えば単結晶シリコンからなる実装基板110には,光学要素を設置する設置面111が形成されている。かかる設置面111には,光ファイバ端140が設置される第3領域111aと,光半導体素子130が設置される第1領域111bと,光導波路素子120が設置される第2領域111cと,が形成されている。実装基板110において,第2領域111cは,第3領域111a及び第1領域111bの双方に隣接しながら第3領域111aと第1領域111bとに両側から挟まれるように,形成されている。かかる実装基板110では,図6に示すように,少なくとも第1領域111bと第2領域111cとに,鉛直方向(高さ方向)のアライメント(位置合わせ)の基準となる平面(以下,「基準平面」という。)150を規定する面要素150aが形成されている。
【0038】
(V溝112)
図2に示すように,光ファイバ端140が設置される第3領域111aには,V溝112が形成されている。実装基板110において,かかるV溝112は,単結晶シリコンの異方性エッチングによって形成することができる。一般に,異方性エッチングによるV溝形成では,V溝の上部溝幅の調整によって,該V溝の形状制御が可能である。
【0039】
図3に示すように,光モジュール100においては,上部溝幅の調整を介したV溝112の形状制御により,V溝112に固定した光ファイバ端140が実装時の光半導体素子130及び光導波路素子120と略同一の光軸高さ(基準平面150からの光軸の高さ,即ち基準平面150と光軸との距離)となる。光モジュール100では,例えば,実装時の光ファイバ端140の光軸高さは,所定の高さ,例えば約8μmに調整することができる。尚,本実施の形態において,実装基板のV溝は,異方性エッチング以外にも,切削など他の様々な方法で形成することができる。
【0040】
(キャビティ113)
図2に示すように,光導波路素子120が設置される第2領域111cには,光導波路素子120の設置部分に所定形状の凹みが形成されている。そして,実装基板110には,該凹みと該凹み側面とに囲まれた空間として,収容部に相当するキャビティ113が形成される。実装基板110において,キャビティ113は,V溝112と略同一の異方性エッチングで形成することができる。図3に示すように,光モジュール100において,キャビティ113は,光導波路素子120の実装基板110への搭載時に,第2の上部クラッド層125bを収納する。したがって,キャビティ113は,第2の上部クラッド層125bを収納するのに十分な基準平面150からの深さ,例えば約100μmの深さに形成されている。尚,本実施の形態において,実装基板のキャビティは,実装基板のV溝と異なる工程で形成することもできる。また,実装基板のV溝と同様,異方性エッチング以外にも,他の様々な方法で形成することができる。
【0041】
(アライメントマーカ114)
再び図2に示すように,第2領域111cにおいて,キャビティ113の周囲には,アライメントマーカ114が形成されている。かかるアライメントマーカ114は,第2領域111c内の基準平面150を規定する面要素150a上に設置されている。アライメントマーカ114は,まず,加工後に実装基板110となる平板な基板上に所定の膜厚(例えば数μmの膜厚)でフォトレジストをコーティングし,次に,該フォトレジストに対してフォトリソグラフィを実施し該フォトレジストをエッチングして(以下,かかる一連のフォトリソグラフィ及びエッチングを「フォトリソ・エッチング」という。),形成することができる。
【0042】
アライメントマーカ114は,光導波路素子120の実装基板110への実装時に,光導波路素子120と実装基板110との面方向の位置決めに用いられる。尚,本実施の形態において,光導波路素子の実装時に用いられる実装基板のアライメントマーカは,フォトリソ・エッチングを用いた形成方法以外にも,例えば薄膜形成など他の様々な方法により形成することができる。
【0043】
(電極118,アライメントマーカ117)
また,実装基板110において,光半導体素子130が設置される第1領域111bには,光半導体素子130と実装基板110との電気的接続用の電極118と,所定の配線(図示せず。)と,光半導体素子130と実装基板110との面方向の位置決めの用のアライメントマーカ117と,が形成されている。アライメントマーカ117は,上記アライメントマーカ114と同一又は別個のフォトリソ・エッチングにより形成することができる。また,電極118は,例えば,金属薄膜のエッチングなどにより形成することができる。
【0044】
なお,本実施の形態において,光半導体素子の実装時に用いる実装基板のアライメントマーカは,光導波路素子の実装時に用いる実装基板のアライメントマーカと同様,例えば薄膜形成などの他の様々な方法により形成することもできる。また,本実施の形態において,実装基板の電極は,エッチング以外にも,例えば金属蒸着などの他の様々な方法により形成することもできる。
【0045】
(溝115)
さらに,実装基板110において,第3領域111aと第2領域111cとの境界部には,溝115が形成されている。実装基板110において,溝115は,ダイシングソー等を用いた切削加工により形成することができる。かかる溝115は,形成段階のキャビティ113の第3領域111a側側壁部に形成されるテーパ部(図示せず。)と形成段階のV溝112の第2領域111c側終端部に形成されるテーバ(図示せず。)とを,除去するためのものである。
【0046】
(溝116)
さらにまた,実装基板110において,第1領域111bと第2領域111cとの境界部には,溝116が形成されている。実装基板110において,溝116は,溝115と同様,ダイシングソー等を用いた切削加工により形成することができる。かかる溝115は,形成段階のキャビティ113の第1領域111b側側壁部に形成されるテーパ部(図示せず。)を除去するためのものである。
【0047】
(1−2)実装基板の製造方法の実施例
ここで,実施例として,以上説明した実装基板110の製造に適用可能な本実施の形態に係る実装基板の製造方法例について,図15〜図23を参照しながら説明する。ここで,図15〜図17は,本実施の形態の第1実施例に係る実装基板の製造方法についての説明図であり,図18〜図23は,第2実施例の実装基板の製造方法についての説明図である。
【0048】
(第1実施例)
まず,第1実施例は,光ファイバ端を固定するV溝と光導波路素子及び/又は光半導体素子の面方向アライメントに使用するアライメントマーカとを同一工程で形成する実装基板の製造方法に関する。
【0049】
図15〜図17に示すように,本実施例に係る製造方法では,まず,単結晶シリコン基板160a上に,窒化シリコン(SiN)からなるレジスト膜169aを形成する。次いで,レジスト膜169a上に,フォトリソ・エッチングにより,光ファイバ端を固定するV溝162aとアライメントマーカ164a及び/又はアライメントマーカ167aとの同時形成用のレジストパターンを形成する。続いて,水酸化カリウム(KOH)を含有する溶液に該単結晶シリコン基板160aを侵漬し,異方性エッチングによりV溝162aとアライメントマーカ164a及び/又はアライメントマーカ167aとを形成する。
【0050】
さらに,本実施例に係る製造方法では,例えば異方性エッチングなどによるキャビティ形成と場合により例えば切削などによるキャビティ側壁部のテーパ部及びV溝終端部のテーパ部を除去するための溝形成等とを経て,本実施の形態に係る実装基板が形成される。
【0051】
以上説明したように,本実施例では,フォトリソ・エッチングにより,V溝とアライメントマーカとの形成用パターンをレジスト膜に同時形成する。したがって,V溝とアライメントマーカとの位置関係をきわめて高精度に調整することができる。結果として,本実施例によれば,光モジュールにおいて,光ファイバ端と光導波路素子及び/又は光半導体素子との面方向の光軸調整が高精度に実現可能となる。
【0052】
さらに,本実施例では,エッチングにより掘り下げられた部分として実装基板のアライメントマーカが形成されるため,該アライメントマーカは,実装基板の設置面において凹部を成す。したがって,実装時に光導波路素子及び/又は光半導体素子のアライメントマーカを実装基板のアライメントマーカ内に収容することができる。
【0053】
結果として,本実施例によれば,光導波路素子及び/又は光半導体素子のアライメントマーカが光軸高さ精度に影響する程厚い膜厚で形成されている場合でも,光半導体素子及び/又は光半導体素子の鉛直方向の光軸調整を高精度に実現することができる。さらに,光導波路素子及び/又は光半導体素子のアライメントマーカには,高精度の膜厚調整が要求されないため,フォトリソ・エッチングや薄膜等により簡単に光導波路素子及び/又は光半導体素子のアライメントマーカを形成することができる。したがって,光導波路素子及び/又は光半導体素子の製造工程を簡素化することができる。
【0054】
(第2実施例)
次に,図18〜図23を参照しながら,第2実施例について説明する。尚,本実施例は,光ファイバ端を固定するV溝と光導波路素子の第2の上部クラッド層を収容するキャビティとを同一工程で形成する実装基板の製造方法に関する。
【0055】
図18〜図21に示すように,本実施例に係る実装基板の製造方法では,まず,単結晶シリコン基板160b上に窒化シリコンからなるレジスト膜169bを形成する。次いで,フォトリソ・エッチングにより,レジスト膜169bに,V溝162bとキャビティ163bとの同時形成用のレジストパターンを形成する。続いて,水酸化カリウム(KOH)を含有する溶液に該単結晶シリコン基板160bを侵漬し,異方性エッチングによりV溝162bとキャビティ163bとを形成する。
【0056】
さらに,図22及び図23に示すように,本実施例に係る実装基板の製造方法では,製造段階のキャビティ163bにおいてV溝162b対向側側壁部に形成されるテーパ部及びV溝162b側側壁部に形成される斜側面を切削加工により除去する。ここで,かかるテーパ部と斜側部とは,図2に示す溝115又は溝116により除去されるテーパ部に相当し,単結晶シリコンの異方性エッチングに起因して形成される。
【0057】
結果として,単結晶シリコン基板160bには,キャビティ163bの両端に,加工跡としての溝165b及び溝166bが形成される。尚,本実施例では,切削加工として,例えばダイヤモンド砥粒等を含有する円盤形の砥石を回転させて切削するダイシングソーなどを適用することにより,上記テーパ部を完全に除去することができる。
【0058】
さらに,本実施例に係る製造方法では,例えばエッチングや薄膜形成などによるアライメントマーカの形成などを経て,本実施の形態に係る実装基板が形成される。
【0059】
以上説明したように,本実施例に係る半導体基板の製造方法によれば,V溝とキャビティを同時形成するため,実装基板の製造工程が簡略化される。
【0060】
さらに,本実施例に係る実装基板の製造方法によれば,光導波路素子と光半導体素子及び光ファイバ端との光接続損失を低減することができる。
即ち,光導波路素子と光半導体素子との接続部については,キャビティのV溝対向側側壁部のテーパ部が除去されるため,光導波路素子の第2の上部クラッド層をテーパ部に衝突させずに,光導波路素子を光半導体素子に接近させることができる。したがって,光導波路素子と光半導体素子との間の光接続損失を低減することができる。
【0061】
尚,光導波路素子と光ファイバ端との接続部については,V溝とキャビティとが異方性エッチングにより同時形成されるため,V溝の実装基板内の終端部にテーパ部が形成されず,何らの加工を施さなくても光ファイバ端を光導波路素子に近づけることができる。しかし,かかる場合,光ファイバ端の先端がV溝に固定されず,光接続損失が変動しやすい。そこで,本実施例のように,光ファイバ端側のテーパ部を除去すれば,光ファイバ端の先端をV溝に固定した状態で光ファイバ端を光導波路素子に近づけることができる。結果として,光導波路素子と光ファイバ端との光接続損失を低減することができる。
【0062】
(2−2)光導波路素子
図3に示すように,光導波路素子120は,実装基板110にフェイスダウン状態で搭載される。光導波路素子120は,例えば石英ガラスからなる基板121と,基板121上に積層された層構造に相当する光導波路層122と,アライメントマーカ127(図2)と,を備えている。光導波路層122は,基板121に順次積層された,下部クラッド層123,コア層124,第1のクラッド層に相当する第1の上部クラッド層125a及び第2のクラッド層に相当する第2の上部クラッド層125bから構成されている。
【0063】
光導波路素子120において,光導波路層122は,石英系ガラスから形成することができる。石英系ガラスは,伝搬損失が約0.1dB/cm以下の石英ガラスを主成分とする。したがって,光導波路層122では,実用上十分に低い光伝搬損失が達成可能である。
【0064】
かかる光導波路層122において,下部クラッド層123と第1の上部クラッド層125a及び第2の上部クラッド層125bとは,相互に略同一の屈折率を持つように,例えば略同一の組成の石英系ガラスから形成することができる。また,光導波路層122において,コア層124と下部クラッド層123(及び上部クラッド層130a)とは,例えば約0.3%の比屈折率差を持つように形成されている。かかる比屈折率差は,まず,コア層124に例えばチタン(Ti)などの不純物元素を微量添加し,次に,該不純物元素をコア層124内に均質に拡散させることでコア層124の屈折率を僅かに増大させることによって,実現することができる。
【0065】
光導波路素子120において,光導波路層122を構成する各層は,化学的気相成長法(Chemical Vapor Deposition:以下,「CVD法」という。)により成膜形成することが好適である。CVD法は,一般に膜厚制御性(均一性及び再現性)に優れている。したがって,CVD法は,鉛直方向の実装精度を膜厚調整により確保する本実施の形態の特長を活かすのに好適である。
【0066】
尚,一般に,CVD法としては,例えば,常温CVD法,減圧CVD法,プラズマCVD法,レーザCVD法等が知られているが,本実施の形態においては,いずれのCVD法も適用可能である。さらに,本実施の形態において,光導波路層の形成には,CVD法以外にも,例えばスパッタ法や真空蒸着法等を適用することができる。さらに,膜厚制御性が確保可能であれば,FHD法を適用することも可能である。
【0067】
光モジュール100において,光導波路素子120の各層は,所定の膜厚,例えば以下に説明する膜厚で形成される。
即ち,下部クラッド層123は,例えば約20μmの膜厚で形成することができる。
また,コア層124は,例えば約8μmの膜厚で形成することができる。尚,コア層124は,例えば平均膜厚が約8.0μmである母集団において膜厚のばらつきが±0.1μm以内に収まるように,膜厚が均一化される。
【0068】
さらに,第1の上部クラッド層125aは,例えば約12.0μmの膜厚で形成することができる。かかる第1の上部クラッド層125aは,コア層124とほぼ同様に成膜されるが,例えば平均膜厚が12.0μmである母集団において膜厚のばらつきが±0.2μm以内に収まるように,膜厚が均一化される。
さらにまた,第2の上部クラッド層125bは,例えば約20μm強の膜厚で形成することができる。尚,図7〜図10に示すように,かかる第2の上部クラッド層125bは,実質的にコアパターン150bを中心に,第1の上部クラッド層125aを被覆するように選択的に形成されている。
【0069】
光導波路素子120において,コア層124は,図7〜図10に示すように,線幅が例えば約8μmのコアパターン124aと所定間隔を置いてコアパターン124aの側方に形成される側部パターン124bとにパターニングされている。本実施の形態において,コアパターン124aは,Y分岐回路と呼ばれる3dBカプラを成す。
【0070】
かかるコア層124のパターニングは,例えば以下のように行うことができる。
即ち,まず,下部クラッド層123上に,コア層124の材料となる石英系ガラス膜を成膜する。次いで,該石英系ガラス膜全体をレジスト膜で被覆する。次いで,フォトリソ・エッチングによって,コアパターン124a形成予定部の輪郭に沿って所定幅のレジスト膜を除去し,レジストパターン(図示せず。)を形成する。次いで,反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)等のドライエッチングにより,コアパターン124a形成予定部と側部パターン124b形成予定部との間の石英系ガラス膜を除去する。最後に,レジストパターンを除去する。
【0071】
尚,本実施の形態にかかる光モジュール100には,コア層の構成が光導波路素子120と相違する光導波路素子を用いることも可能である。例えば,本実施の形態では,図24に示す光導波路素子120−1を用いることも可能である。図24に示すように,光導波路素子120−1のコア層124−1は,コアパターン124a−1のみから構成されている。即ち,光導波路素子120−1は,コア層のパターニング時のエッチングで側部パターンをも除去し,その後第1の上部クラッド層125a−1を形成したものである。
【0072】
ただし,光導波路素子120−1は,精密な膜厚調整の下で形成された側部パターン124bが残されている光導波路素子120に比べ,高精度に膜厚調整が必要な第1の上部クラッド層125aを実質的に大きな膜厚で形成する必要がある。したがって,図24に示す光導波路素子120−1よりも,図8に示す光導波路素子120の方が製造工程の簡略化を図ることができる。
【0073】
(アライメントマーカ127)
図8及び図10に示すように,光導波路素子120において,アライメントマーカ127は,コア層124の側部パターン124b上に形成されている。光モジュール100において,アライメントマーカ127は,実装基板110と光導波路素子120との面万向の位置決めに用いられる。かかるアライメントマーカ127は,第1の上部クラッド層125aの形成前に,例えばエッチングや薄膜形成等の所定の形成方法により形成することができる。
【0074】
尚,本実施の形態に係る光モジュール100には,アライメントマーカの形成位置が光導波路素子120と相異なる光導波路素子を用いることも可能である。例えば,本実施の形態では,図25に示す光導波路素子120−2を用いることも可能である。図25に示すように,光導波路素子120−2では下部クラッド層123−2上にアライメントマーカ127−2が形成されている。
【0075】
ただし,光導波路素子120−2は,図8に示すコア層124の側部パターン124b上にアライメントマーカ127が形成されている光導波路素子120と比べて,アライメントマーカと第1の上部クラッド層上面との距離が大きい。したがって,例えば,光導波路素子120についての前述の膜厚例では,実装基板への搭載時に,アライメントマーカ127−2と実装基板のアライメントマーカとの距離が少なくとも第1の上部クラッド層125a−1の膜厚の約12μmとなる。結果として,両アライメントマーカを観察しながらアライメントを行う際に,両アライメントマ−カを同時に観察系の被写界深度に収めることが難しく,一方のアライメントマーカに合焦した場合,他方のアライメントマーカの像がぼけやすいと考えられる。
【0076】
一方,図8に示す光導波路素子120では,コア層124の側部パターン124b上面にアライメントマーカ127が形成されているので,コア層124の膜厚分,アライメント時のアライメントマーカ間距離を縮めることができる。例えば,前述の膜厚例では,アライメントマーカ間距離を,コア層124の膜厚,約8μm分縮めることができ,最短で4μmとすることができる。
【0077】
故に,図8及び図10に示す光導波路素子120の方が,図25に示す光導波路素子120−2よりも,両アライメントマーカを同時に観察系の被写界深度内に収めやすく,アライメントの精度が向上し,面方向の光軸調整精度を向上させ易い。
【0078】
また,本実施の形態では,図26に示す光導波路素子120−3を用いることもできる。図26に示すように,光導波路素子120−3では,第1の上部クラッド層125a−3上にアライメントマーカ127−3が形成されている。かかる光導波路素子120−3では,実装基板の設置面と相合わされる第1の上部クラッド層125a−3の露出面にアライメントマーカ127−3を備えるようにしたので,アライメント時のアライメントマーカ127−3と実装基板のアライメントマーカとの距離を最短で0μmまで縮めることができる。したがって,光導波路素子120−3を用いれば,両アライメントマーカを同時に観察系の被写界深度内に収めることができ,アライメントの精度が大幅に向上することにより,面方向の光軸調整精度も大幅に向上する。
【0079】
ただし,光導波路素子120−3では,アライメントマーカ127−3の高さ分だけ,鉛直方向のアライメント精度が劣化するおそれがある。したがって,場合によってはアライメントマーカ127−3についても膜厚調整が必要となる。故に,光導波路素子120−3よりも,図8に示す光導波路素子120の方が,アライメントマーカの形成方法に課される制約が少ない。
【0080】
(2−2)光導波路素子の製造方法
ここで,実施例として,以上説明した光導波路素子120の製造に適用可能な本実施の形態に係る光導波路素子の製造方法例について,図27〜図41を参照しながら説明する。
【0081】
(第3実施例)
第3実施例は,コア層のパターニングとアライメントマーカの形成とを同時に実現するとともに,エッチングストッパ膜の形成により第2の上部クラッド層のパターニング時における第1の上部クラッド層のエッチングを防止した,光導波路素子の製造方法に関する。ここで,図27〜図30は,本実施例に係る光導波路素子の製造方法の各工程についての説明図である。
【0082】
本実施例では,まず,図27(a)に示すように,基板171−1上に下部クラッド層173−1を積層し,続いて,下部クラッド層173−1上に例えばCVD法により高精度の膜厚調整をしながらコア層174−1を積層する。
【0083】
次に,図27(b)に示すように,コア層174−1の上面にレジストパターン178−1を形成する。レジストパターン178−1は,コアパターン174a−1(図27(c))形成用のパターンと,光軸高さ調整部分である側部パターン174b−1(図27(c))形成用のパターンと,から構成される。さらに,本実施例では,側部パターン174b−1形成用のパターンの一部に,アライメントマーカ177−1が形成される。本実施例において,レジストパターン178−1を構成する以上説明したいずれのパターンも,例えば同一のレジスト膜から同一のフォトリソ・エッチングにより形成することができる。本実施例において,かかるレジストパターン178−1は,例えば,タングステン・シリサイド(WSi)のレジスト膜から形成することができる。
【0084】
次に,ドライエッチングにより,レジストパターン178−1被覆部以外のコア層174−1をエッチングする。結果として,図27(c)に示すように,コア層174−1には,コアパターン174a−1と側部パターン174b−1とが形成される。尚,かかるエッチングは,レジストパターン178−1被覆部以外のコア層174−1が残らないように,コア層174−1の下面よりも若干深く,即ち下部クラッド層173−1に達する深さまで行うことが好適である。
【0085】
次に,図28(a)に示すように,アライメントマーカ177−1のみを残し,レジストパターン178−1を,フォトリソ・エッチングにより除去する。次に,図28(b)に示すように,ウェハ全面を被覆するように,例えばCVD法により高精度に膜厚調整しながら第1の上部クラッド層175a−1を積層する。
【0086】
次に,図29(a)に示すように,第1の上部クラッド層175a−1の上面に,コアパターン174a上方に窓が形成されたレジストパターン179−1を形成する。かかるレジストパターン179−1は,後述の第2の上部クラッド層175b−1のパターニング時に,エッチングストッパ膜として機能する。本実施例において,かかるレジストパターン179−1は,例えばタングステン・シリサイドから形成することができる。
【0087】
次に,図29(b)に示すように,ウェハ全面を被覆するように,第2の上部クラッド層175b−1を形成する。次に,図29(c)に示すように,第2の上部クラッド層175b−1のパターニング用のレジストパターン180−1を,レジストパターン179−1の窓上方にアライメントマーカ177−1上方を被覆しないように形成する。尚,本実施例において,レジストパターン180−1は,フォトリソ・エッチングにより,例えばタングステン・シリサイドから形成することができる。
【0088】
次に,図30(a)に示すように,例えばドライエッチングにより,レジストパターン180−1被覆部以外の第2の上部クラッド層175b−1をエッチングする。かかるエッチングは,少なくともエッチングストッパ膜である第1の上部クラッド層175a−1上のレジストパターン179−1上面が露出するまで行う。次に,図30(b)に示すように,第2の上部クラッド層175b−1のパターニング用のレジストパターン180−1とレジストパターン179−1の露出部分とをフオトリソグラフィにより除去する。結果として,本実施の形態に係る光導波路素子が形成される。
【0089】
以上説明したように,本実施例においては,コアパターン形成のためのレジストパターンとアライメントマーカとが,コア層上に形成された同一のレジスト膜から同一のフォトリソ・エッチングにより同時形成される。したがって,本実施例によれば,コアパターンとアライメントマーカとの相互の位置関係を極めて高精度に調整することができる。したがって,アライメントマーカを用いて実装基板とアライメントを行うことは,実質的にコアパターンをアライメントマーカとしてアライメントを行うことと等価になる。結果として,本実施例によれば,面方向の光軸調整精度に優れた光導波路素子を製造することができる。
【0090】
さらに,本実施例では,第2の上部クラッド層の形成に先立ち,第1の上部クラッド層の上面にエッチングストッパ膜を設ける。故に,エッチングによる第2の上部クラッド層のパターニング時に,第1の上部クラッド層のエッチングストッパ膜被覆部は一切エッチングされない。したがって,高精度に膜厚調整されている第1の上部クラッド層は,膜厚の状態が第2の上部クラッド層の製造工程中も保持される。結果として,本実施例によれば,第1の上部クラッド層の膜厚調整により光軸高さ調整が可能な光導波路素子を製造することができる。
【0091】
なお,本実施例では,上部クラッド層を第1の上部クラッド層と第2の上部クラッド層とを分離せずに,単一のクラッド層を一括形成した後,エッチング或いは切削加工等により段差を形成することによって第2の上部クラッド層に相当するパターンを形成してもほぼ同様の構造を得ることができる。しかし,かかる方法では,上述の光導波路層120の膜厚例では,約20μm強の膜厚分のエッチング或いは切削加工等を行うことになり,実用上十分な段差精度を得ることが難しい。このことからも,本実施例の有効性が示される。
【0092】
(第4実施例)
図31〜図33を参照しながら,第4実施例について説明する。尚,本実施例は,図26に示す光導波路素子120−3のように第1の上部クラッド層露出面にアライメントマーカを形成する光導波路素子の製造方法に関する。ここで,図31〜図33は,本実施例に係る光導波路素子の製造方法の各工程についての説明図である。
【0093】
本実施例では,まず,図31(a)に示すように,基板171−2上に下部クラッド層173−2を積層し,続いて,下部クラッド層173−2上に例えばCVD法により高精度に膜厚調整しながらコア層174−2を積層する。次に,図31(b)に示すように,コア層174−2上に,さらに,例えばCVD法により高精度に膜厚調整しながら第1の上部クラッド層175−2を形成する。
【0094】
次に,図31(c)に示すように,第1の上部クラッド層175a−2の上面にレジストパターン179−2を形成する。レジストパターン179−2は,コアパターン174a−2(図32(a))形成用のパターンと,側部パターン174b−2(図32(a))形成用のパターンと,から構成される。さらに,本実施例では,側部パターン174b−2形成用のパターンの一部に,アライメントマーカ177−2が形成される。
【0095】
本実施例において,レジストパターン179−2を構成する以上説明したいずれのパターンも,例えば同一のレジスト膜から同一のフォトリソ・エッチングにより形成することができる。さらに,本実施例において,かかるレジストパターン179−2は,後述の第2の上部クラッド層175b−2のパターニング時にエッチングストッパ膜として機能する。本実施例において,かかるレジストパターン179−2は,例えばタングステン・シリサイドのレジスト膜から形成することができる。
【0096】
次に,例えばドライエッチングにより,レジストパターン179−2被覆部以外の第1の上部クラッド層175a−2及びコア層174−2をエッチングする。結果として,図32(a)に示すように,コア層174−2には,コアパターン174a−2と側部パターン174b−2とが形成される。同時に,第1の上部クラッド層175a−2にも,コアパターン174a−2上方部分のパターンと側部パターン174b−2上方部分のパターンとが形成される。尚,かかるエッチングでは,レジストパターン179−2被覆部以外のコア層174−2の残さが残らないように,下部クラッド層173−2に達する深さまで行うことが好適である。
【0097】
次に,図32(b)に示すように,フォトリソ・エッチングにより,コアパターン174a−2上方のレジストパターン179−2を除去する。次に,図32(c)に示すように,ウェハ全面を被覆するように,第2の上部クラッド層175b−2を形成する。次に,図33(a)に示すように,第2の上部クラッド層175b−2のパターニングに用いるレジストパターン180−2をコアパターン174a−2上方を被覆するように形成する。尚,本実施例において,レジストパターン180−2は,例えばタングステン・シリサイドから形成することができる。
【0098】
次に,図33(b)に示すように,例えばドライエッチングにより,レジストパターン180−2被覆部以外の第2の上部クラッド層175b−2をエッチングする。かかるエッチングは,少なくともエッチングストッパ膜であるレジストパターン179−2上面が露出するまで行う。次に,図33(c)に示すように,レジストパターン180−2とアライメントマーカ177−2以外のレジストパターン179−2の露出部分とをフオトリソグラフィにより除去する。結果として,本実施の形態に係る光導波路素子が形成される。
【0099】
以上説明したように,本実施例では,コアパターン形成のためのレジストパターンとアライメントマーカとが,例えば,第1の上部クラッド層上に形成された同一レジスト膜から同一のフォトリソ・エッチングにより同時形成される。故に,コアパターンとアライメントマーカとの相互の位置関係を極めて高精度に調整することができる。したがって,アライメントマーカを用いて実装基板とアライメントを行うことは,実質的にコアパターンとアライメントを行うことと等価になる。結果として,本実施例によれば,実装精度に優れた光導波路素子を製造することができる。
【0100】
(第5実施例)
図34〜図37を参照しながら,第5実施例について説明する。尚,本実施例は,第1の上部クラッド層の露出面にアライメントマーカを形成するとともにコアパターン形成時の低アスペクト比化を実現する光導波路素子の製造方法に関する。ここで,図34〜図37は,本実施例に係る光導波路素子の製造方法における各工程についての説明図である。
【0101】
図34(a)に示すように,本実施例では,まず,基板171−3上に下部クラッド層173−3を積層し,続いて,下部クラッド層173−3上に例えばCVD法により高精度に膜厚調整しながらコア層174−3を積層する。次に,図34(b)に示すように,コア層174−3上に,コアパターン174a−3形成用のレジストパターン178−3を形成する。本実施例において,かかるレジストパターン178−3は,フォトリソ・エッチングにより,例えばタングステン・シリサイドから形成することができる。次に,図34(c)に示すように,ウェハ全面に,例えばCVD法により高精度に膜厚調整しながら第1の上部クラッド層175a−3を形成する。
【0102】
次に,図35(a)に示すように,第1の上部クラッド層175a−3の上面に,側部パターン174b−2形成用のレジストパターン179−3を形成する。かかるレジストパターン179−3の一部には,アライメントマーカ177−3が形成されている。本実施例において,かかるレジストパターン179−3は,後述の第2の上部クラッド層175b−3のパターニング時にエッチングストッパ膜として機能する。尚,本実施例において,レジストパターン179−3は,例えばタングステン・シリサイドのレジスト膜からフォトリソ・エッチングにより形成することができる。
【0103】
次に,例えばドライエッチングにより,レジストパターン179−3被覆部以外の第1の上部クラッド層175a−3及びコア層174a−3をエッチングする。かかるエッチングでは,コア層174a−3上にレジストパターン178−3が形成されているために,コアパターン174a−3形成予定部のコア層174a−3は除去されない。
【0104】
結果として,図35(b)に示すように,コア層174−3には,コアパターン174a−3と側部パターン174b−3とが形成される。同時に,第1の上部クラッド層175a−3には,側部パターン174b−3上方部分のパターンのみが形成される。尚,かかるエッチングは,コアパターン174a−3周辺にコア層174−3の残さが残らないように,下部クラッド層173−3に達する深さまで行うことが好適である。
【0105】
次に,図35(c)に示すように,フォトリソ・エッチングにより,コアパターン174a−3上方のレジストパターン178−3を除去する。次に,図36(a)に示すように,ウェハ全面を被覆するように,第2の上部クラッド層175b−3を形成する。次に,図36(b)に示すように,アライメントマーカ177−3上方を被覆せずコアパターン174a−3上方を被覆するように,第2の上部クラッド層175b−3のパターニングに用いるレジストパターン180−3を形成する。尚,本実施例において,レジストパターン180−3は,例えば,タングステン・シリサイドから形成することができる。
【0106】
次に,図37(a)に示すように,例えばドライエッチングにより,レジストパターン180−3被覆部以外の第2の上部クラッド層175b−3をエッチングする。かかるエッチングは,少なくともエッチングストッパ膜であるレジストパターン179−3上面が露出するまで行う。次に,図37(b)に示すように,レジストパターン180−3とアライメントマーカ177−3以外のレジストパターン179−3の露出部分とをフォトリソ・エッチングにより除去する。結果として,本実施の形態に適用可能な光導波路素子が形成される。
【0107】
以上説明したように,本実施例の光導波路素子の製造方法においては,コアパターン形成用のレジストパタ−ンが,コア層の上面に形成されている。これに対し,上述した第4実施例に係る光導波路素子の製造方法では,コアパターン形成用のレジストパターンが,上部クラッド層の上面に形成されている。したがって,コアパターン形成のためのエッチングでは,本実施例の方が,上記第4実施例よりも低アスペクト比であり,コアパターンの形状精度に優れた光導波路素子を製造することができる。
【0108】
(第6実施例)
図38〜図41を参照しながら,第6実施例について説明する。尚,本実施例は,第1の上部クラッド層の露出面にアライメントマーカを形成するとともにコアパターン形成の低アスペクト比化及びコアパターンとアライメントマーカとの相互の位置関係の高精度化が実現される光導波路素子の製造方法に関する。ここで,図38〜図41は,本実施例に係る光導波路素子の製造方法における各工程についての説明図である。
【0109】
図38(a)に示すように,本実施例では,まず,基板171−4上に下部クラッド層173−4を積層し,続いて,下部クラッド層173−4上に例えばCVD法により高精度に膜厚調整しながらコア層174−4を積層する。次に,図3(b)に示すように,コア層174−4上に,コア層174−4のコアパターン174a−4形成予定部と,コア層174−4のコアパターン174a−4形成予定部と側部パターン174b−4形成予定部との間の領域と,を被覆するレジストパターン178a−4を形成する。尚,本実施例において,レジストパターン178a−4は,例えばタングステン・シリサイドのレジスト膜からフォトリソ・エッチングにより形成することができる。
【0110】
次に,図38(c)に示すように,ウェハ全面に,例えばCVD法により高精度に膜厚調整しながら第1の上部クラッド層175a−4を形成する。次に,図39(a)に示すように,第1の上部クラッド層175a−4の上面に,側部パターン174b−4形成予定部の上方を被覆するレジストパターン179a−4を形成する。結果,レジストパターン179a−4とレジストパターン178a−4とは,レジストパターン179a−4のエッチング窓がレジストパターン178a−4上方に配される配置関係となる。尚,本実施例において,レジストパターン179a−4は,レジストパターン178a−4と同様に,例えばタングステン・シリサイドのレジスト膜からフォトリソ・エッチングにより形成することができる。
【0111】
次に,図39(b)に示すように,レジストパターン179a−4をエッチングマスクとして,第1の上部クラッド層175a−4をエッチングして,レジストパターン178a−4の上面を露出させる。次に,図39(c)に示すように,フォトリソ・エッチングにより,レジストパターン178a−4から,レジストパターン178b−4を形成するとともに,レジストパターン179a−4から,アライメントマーカ177−4を一部に含むレジストパターン179b−4を形成する。
【0112】
ここで,レジストパターン178b−4は,コアパターン174a−4形成用のパターンである。かかるレジストパターン178b−4は,コアパターン174a−4形成予定部上方以外の露出したレジストパターン178a−4を除去することにより形成される。また,レジストパターン179−4は,後述の第2の上部クラッド層175b−4のパターニング時にエッチングストッパ膜として機能する。かかるレジストパターン179b−4は,レジストパターン179a−4からアライメントマーカ177−4となる部分の両側を除去することにより形成される。
【0113】
次に,例えばドライエッチングにより,レジストパターン179a−4をエッチングマスクとする第1の上部クラッド層175a−4のエッチングとレジストパターン178b−4をエッチングマスクとするコア層174a−4のエッチングとを同時に行う。結果として,図40(a)に示すように,コア層174−4には,コアパターン174a−4と側部パターン174b−4とが形成される。尚,かかるエッチングは,コアパターン174a−4周辺にコア層174−4の残さが残らないように,コア層174a−4のエッチング深さが下部クラッド層173−4に達するまで行うことが好適である。
【0114】
次に,図40(b)に示すように,フォトリソ・エッチングにより,コアパターン174a−4上方のレジストパターン178b−4を除去する。次に,図40(c)に示すように,ウェハ全面を被覆するように,第2の上部クラッド層175b−4を形成する。
【0115】
次に,図41(a)に示すように,アライメントマーカ177−4を被覆せずコアパターン174a−4上方を被覆するように,第2の上部クラッド層175b−4のパターニングに用いるレジストパターン180−4を形成する。尚,本実施例において,レジストパターン180−4は,例えばタングステン・シリサイドからフォトリソ・エッチングにより形成することができる。
【0116】
次に,図41(b)に示すように,例えばドライエッチングにより,レジストパターン180−4被覆部以外の第2の上部クラッド層175b−4をエッチングする。かかるエッチングは,少なくともエッチングストッパ膜であるレジストパターン179b−4上面が露出するまで行う。次に,図41(c)に示すように,レジストパターン180−4とアライメントマーカ177−4以外のレジストパターン179b−4の露出部分とをフォトリソ・エッチングにより除去する。結果として,本実施の形態に適用可能な光導波路素子が形成される。
【0117】
以上説明したように,本実施例に係る光導波路素子の製造方法では,コアパターン形成用のレジストパターンはコア層の上に,アライメントマーカはコア層の上に形成された上部クラッド層の上に,フォトリソ・エッチングにより同時形成される。したがって,コアパターンとアライメントマーカとの相互の位置関係を高精度に調整することができる。
さらに,本実施例に係る光導波路素子の製造方法では,同一のエッチング工程で,上部クラッド層と同時にコア層をエッチングしてコアパターンが形成される。したがって,製造工程が簡略化される。
【0118】
さらにまた,本実施例に係る光導波路素子の製造方法では,コア層の上面に形成したレジストパターンを用いてコアパターンを形成している。したがって,第1の上部クラッド層上面に形成したレジストパターンを用いてコアパターンを形成する場合よりも,実質的にコアパターン形成時に低アスペクト比化が実現され,形状精度に優れている。
【0119】
以上から,本実施例によれば,コアパターンとアライメントマーカ両者の位置関係が極めて高精度で,かつコアパターンの形状精度に優れる光導波路素子を製造することができる。
【0120】
(3)光半導体素子
図14に示すように,光半導体素子130は,半導体基板131と,半導体基板131上に積層された光導波層132と,光導波層132上に設置された電極133と,例えば薄膜等により形成されたアライメントマーカ134(図2)と,を備えている。図3に示すように,かかる光半導体素子130は,実装基板110に搭載された状態での光軸高さが,光導波路素子120及び光ファイバ端140の光軸高さと略同一(例えば約8μm)となる。
【0121】
図1に示すように,光モジュール100は,光半導体素子130として,端面発光型のスポットサイズ変換半導体レーザ130aと端面入射型フォトダイオード130bとを備えている。端面発光型のスポットサイズ変換半導体レーザ130aは,スポットサイズを光ファイバ端に合わせることにより,スポットサイズの違いによる光結合損失を小さくすることができる。また,端面入射型フォトダイオード130bは,スポットサイズ変換半導体レーザと実装時の光軸高さが同等に揃えられる。
【0122】
ここで,本実施の形態に係る光モジュールには,光半導体素子として,光信号の送受信機能を実現するために,電気信号を光信号に変換する半導体レーザと光信号を電気信号に変換するフォトダイオードとが適用される。本実施の形態において,かかる半導体レーザ及びフォトダイオードとしては,半導体レーザ130a及びフォトダイオード130b以外にも,他の様々な形態の半導体レーザ及びフォトダイオードを適用可能である。
【0123】
尚,実際の光通信端末用の光モジュールには,半導体レーザの背後に,該半導体レーザの発光状態を監視するためのフォトダイオード(モニタフォトダイオード)が設置される場合がある。しかし,モニタフォトダイオードは,本実施の形態の任意的な構成要素である。したがって,本明細書においては,モニタフォトダイオードに関する説明及び記載は省略する。
【0124】
(4)光ファイバ
図12に示すように,光ファイバ端140が形成された光ファイバは,コア141とコア141を被覆するクラッド142とから構成される石英系シングルモード光ファイバである。光ファイバ端140において,コア141は,例えば直径約10μmの石英系ガラスから形成されている。また,クラッド142は,クラッド142が被覆された状態の光ファイバ端140が例えば外径約125μmとなるように,石英系ガラスから形成されている。
【0125】
(5−1)組立方法
次に,本実施の形態に係る光モジュール100の組立方法について説明する。尚,本実施の形態に係る光モジュール100の組立方法では,光導波路素子120と光半導体素子130とは,フェイスダウン状態で実装基板110に搭載される。本実施の形態において,かかる搭載には,例えば,フェイスダウンボンディングに広く使用されているフリップチップボンダなどを使用することができる。フリップチップボンダは,ダイの表面電極と基板又はパッケージの電極とを直接対向させて位置合わせをし,次に両電極を密着させ熱及び圧力で接合する装置である。
【0126】
実装基板110に光半導体素子130を搭載する際には,まず,図14に示すように,光半導体素子130を,電極133が実装基板110第1領域111bの電極118と僅かな間隙を介して相互に対向するように配置する。次に,該間隔を開けたまま,光半導体素子130のアライメントマーカ134(図2)と実装基板110のアライメントマーカ117(図2)との位置を合わせて,面方向のアライメントを行う。
【0127】
図13に示すように,次に,光半導体素子130の電極133の上面を実装基板110の電極118の上面に相互に接触させる。最後に,実装基板110と光半導体素子130との相互の位置関係が変化しないように,両者を半田等で固定する。結果として,光半導体素子130が実装基板110に搭載される。
【0128】
実装基板110に光ファイバ端140を搭載する際には,図11に示すように,光ファイバ端140を実装基板110表面のV溝112の斜面に接触するように配置する。次に,実装基板110と光ファイバ端140との相互の位置関係が変化しないように,両者を接着剤等で固定する。結果として,光ファイバ端140が実装基板110に搭載される。
【0129】
実装基板110に光導波路素子120を搭載する際には,図8及び図10に示すように,光導波路素子120を,第1の上部クラッド層125a上面が実装基板110の第2領域111cと相互に対向するように配置する。より正確には,第1の上部クラッド層125a上面の露出部(第2の上部クラッド層125bに被覆されていない部分)が第2領域111cの面要素150aと僅かな間隔を介して相互に対向するように配置する。次に,該間隙がある状態で,光導波路素子120のアライメントマーカ127と実装基板110のアライメントマーカ114とが合うように,例えば光導波路素子120側の位置を調整して,面方向のアライメントを行う。
【0130】
続いて,図7及び図9に示すように,第2の上部クラッド層125bを実装基板110に形成されたキャビティ113内に収容するとともに,第1の上部クラッド層125a上面の露出部を第2領域111cの面要素150aと相互に接触させる。最後に,光導波路素子120と実装基板10bとを,相互の位置関係が変化しないように接着剤等で固定する。結果として,光導波路素子120が実装基板110に搭載される。
【0131】
以上説明したように,光モジュール100の組立方法において,光導波路素子120及び光半導体素子130の面方向の位置決めは,アライメントマーカを用いたインデックスアライメントにより実現される。また,光ファイバ端140の面方向の位置決めは,V溝を用いた受動的位置決め法(パッシブアライメント)により実現される。このように,各構成部品の面方向の位置関係が実装基板110との相対的な位置関係で調整されるため,図1に示すように,全構成部品の面方向の光軸は,自ずと合わせられることになる。
【0132】
一方,光導波路型素子120と光半導体素子130と光ファイバ端140との鉛直方向の光軸調整は,図3に示すように,基準平面150に対するそれぞれの光軸の高さを一致させることにより実現される。即ち,実装基板110に搭載されると光軸高さが相互に略同一となる光半導体素子130,光ファイバ端140及び光導波路素子120を用いることにより,全構成部品の光軸高さが自ずと高精度に合わせられることになる。
【0133】
光モジュール100では,かかる鉛直方向のアライメントのために,光導波路素子120(図4)についての前述の膜厚例では,光半導体素子130に,実装基板110に搭載された状態で,基準平面150から光導波層132の中心までの高さ(光軸高さ)が約8μmとなるものを用いる。また,前述の層厚例では,V溝の上部溝幅を調整することにより,光ファイバ端140の光軸高さが光半導体素子130の光軸高さと略同一の約8μmとなるように調整されている。
【0134】
さらに,前述の層厚例において,光導波路素子120は,第1の上部クラッド層130ba上面の露出部から光軸であるコア層124中心までの距離が,第1の上部クラッド層125aとコア層124とのCVD法による膜厚調整により約8μmとされている。即ち,前述の膜厚例では,CVD法による成膜により,上部クラッド層130aの膜厚は約12μmとされており,コア層124の膜厚は約8μmとされている。したがって,上部クラッド層130ba上面の露出部から光軸であるコア層124中心までの距離は,上部クラッド層130aの膜厚(約12μm)からコア層124の膜厚の半分の約4μmを引いた値,即ち約8μmである。結果として,光導波路素子120が実装基板110に搭載された状態で,基準平面150からコア層124の中心までの高さは,約8μmとなる。
【0135】
ここで,光モジュール100においては,光導波路層122を膜厚制御性に優れたCVD法により成膜されているので,前述の通り,コア層124の膜厚は8.0±0.1μmの範囲内に分布し,上部クラッド層130aの膜厚は12.0±0.2μmの範囲内に分布する。したがって,実装基板110の上面からコア層124の中心までの高さは,8μm±0.3μmの範囲内に分布する。結果として,光導波路素子120の光軸高さずれは,光通信端末用の光送受信機能を有する光モジュールに要求される光挿入損失を充足するために必要な光軸高さずれ量内に十分収まる。
【0136】
(5−2)組立方法の実施例
ここで,実施例として,以上説明した光モジュール100に適用可能な本実施の形態に係る他の光モジュールの組立方法例について,図42〜図46を参照しながら説明する。尚,図42及び図43は,本実施の形態の第7実施例に係る光モジュールの組立方法についての説明図であり,図44及び図45は,第8実施例に係る光モジュールの組立方法についての説明図である。また,図46は,第9実施例に係る光モジュールの組立方法についての説明図である。
【0137】
(第7実施例)
図42及び図43を参照しながら,第7実施例について説明する。尚,本実施例は,実装基板側に設けた半田により光導波路素子と実装基板とを固定する光モジュールの組立方法に関する。
【0138】
図43に示すように,本実施例では,光導波路素子120−5の第1の上部クラッド層125a−5上面に,半田パッド191−5が形成される。ここで,半田パッド191−5は,アライメントマーカ127−5を基準にして所定位置に形成されている。尚,本実施例において,半田パッド191−5は,例えば,膜厚約0.1μmのチタン(Ti)膜上に膜厚約0.1μmの金(Au)薄膜を積層して,形成することができる。
【0139】
また,本実施例では,実装基板110−5のキャビティ113−5の両側には,キャビティ192−5が形成される。かかるキャビティ192−5は,例えば,異方性エッチングにより形成することができる。本実施例において,キャビティ192−5の深さは,例えば約12μmとすることができる。さらに,キャビティ192−5の底部には,半田パッド193−5が形成される。かかる半田パッド193−5は,アライメントマーカ114−5を基準にして所定位置に形成されている。かかる半田パッド193−5は,例えば,膜厚約0.1μmのチタン(Ti)膜上に膜厚約0.1μmの金(Au)薄膜を積層して,形成することができる。さらに,キャビティ192−5には,半田バンプ194−5が設けられる。ここで,半田バンプ194−5は,例えば直径約13μmのボール半田を素材とし,半田パッド193−5上に例えばフラックスを用いて仮固定される。
【0140】
本実施例に係る組立方法において,面方向の光軸調整は,アライメントマーカ114−5とアライメントマーカ127−5とを用いて達成される。
鉛直方向については,面方向の光軸位置が保持された状態で,半田バンプ194−5が,光導波路素子120−5の半田パッド191−5の上面に接触するように光導波路素子120−5を実装基板110−5に設置する。次に,光導波路素子120−5に荷重を加えた状態で加熱して半田バンプ194−5を一旦溶融させ,続いて降温して半田バンプ194−5を凝固させる。かかる工程においては,半田バンプ194−5の溶融により,光導波路素子120−5の上部クラッド層125a−5の上面が実装基板110−5の上面に相合わされることとなり,光軸高さ調整が達成される。さらに,かかる工程では,半田バンプ194−5の凝固により,光導波路素子120−5が実装基板110−5に接着される。
【0141】
以上説明した本実施例によれば,光導波路素子と実装基板とが半田で接着される。したがって,実装基板上に半田で接着されるために熱膨張による接着部の伸縮により変化する光半導体素子の光軸高さに合わせて,光導波路素子の光軸高さを変化させることができる。したがって,組立方法での温度変化に起因した光軸高さずれによる光学要素相互の光接続損失の変化が極めて小さい光モジュールを製造することができる。
【0142】
また,本実施例によれば,光導波路素子と実装基板とを半田で接着することにより非常に強固な接着が可能で信頼性が向上すると共に,リワークも可能となり,光モジュールの製造歩留まりが向上する。
さらに,本実施例では,半田バンプの凝固に伴い,光導波路素子と実装基板とは自ずと引き付け合う。したがって,光導波路素子の上部クラッド層の上面を確実に実装基板の上面に接触させることができる。さらに,光導波路素子に光導波路層側を上面にした場合に凸状の反りがある場合に,反りを矯正することができる。結果として,本実施例によれば,光軸高さの調整精度が高まる。
【0143】
また,本実施例では,光導波路素子のアライメントマーカと実装基板のアライメントマーカとは,半田バンプ接続のための半田パッドを兼ねているので,半田溶融時に光導波路素子を無負荷にすれば,半田バンプのセルフアライメント効果を利用したパッシブアライメントも可能になる。さらにまた,光導波路素子側には半田パッドや半田接続のための空間を形成する必要が無いので,光導波路素子の製造歩留まりを劣化させるおそれがない。
【0144】
(第8実施例)
次に,図44及び図45を参照しながら,第8実施例について説明する。尚,本実施例に係る光モジュールの組立方法は,図43に示す上記第7実施例に係る光モジュールの組立方法とは逆に,光導波路素子側に設けた半田を用いて光導波路素子と実装基板とを固定する光モジュールの組立方法に関する。
【0145】
図45に示すように,本実施例では,光導波路素子120−6に,下部クラッド層123−6上に形成されたアライメントマーカ127−6上の第1の上部クラッド層125a−6が除去されて,空間191−6が形成される。アライメントマーカ127−6は,図45に示す上記第7実施例の半田パッド192−6と略同一の構成を有する。さらに,空間191−6には,半田バンプ194−6が設けられている。かかる半田バンプ194−6は,例えば直径約13μmのボール半田を素材とし,アライメントマーカ127−6上にフラックスを用いて仮固定される。
【0146】
また,実装基板110−6は,図2に示す実装基板110においてアライメントマーカ114に換えて図45に示す上記第7実施例の半田パッド192−5と略同一の構成を有するアライメントマーカ114−6が形成されたものである。
【0147】
本実施例に係る組立方法において,面方向の光軸調整は,アライメントマーカ114−6とアライメントマーカ127−6とを用いて達成される。
鉛直方向については,面方向の光軸位置が保持された状態で,半田バンプ194−6が,実装基板110−6のアライメントマーカ114−6上面に接触するように光導波路素子120−6を実装基板110−6に設置する。次に,光導波路素子120−6に荷重を加えた状態で加熱して半田バンプ194−6を一旦溶融させ,続いて降温して半田バンプ194−6を凝固させる。かかる工程では,半田バンプ194−6の溶融により,光導波路素子120−6の上部クラッド層125a−6の上面が実装基板110−6の上面に相合わされて,光軸高さ調整が達成される。さらに,かかる工程では,半田バンプ194−6の凝固により,光導波路素子120−6が実装基板110−6に半田バンプ194−6を介して接着される。
【0148】
以上説明した本実施例によれば,光導波路素子と実装基板とが半田で接着される。したがって,実装基板上に半田で接着されるために熱膨張による接着部の伸縮により変化する光半導体素子の光軸高さに合わせて,光導波路素子の光軸高さを変化させることができる。したがって,組立方法での温度変化に起因した光軸高さずれによる光学要素相互の光接続損失の変化が極めて小さい光モジュールを製造することができる。
また,本実施例によれば,光導波路素子と実装基板とを半田で接着することにより非常に強固な接着が可能で信頼性が向上すると共に,リワークも可能となり,光モジュールの製造歩留まりが向上する。
【0149】
さらに,本実施例では,半田の凝固に伴い,光導波路素子と実装基板は自ずと引き付け合う。したがって,光導波路素子の上部クラッド層の上面を確実に実装基板の上面に接触させることができる。また,光導波路素子に光導波路層側を上面にした場合に凸状の反りがある場合に,反りを矯正することができる。結果として,光軸高さの調整精度が高まる。
【0150】
さらに,本実施例では,光導波路素子のアライメントマーカと実装基板のアライメントマーカは,半田バンプ接続のための半田パッドを兼ねているので,半田溶融時に光導波路素子を無負荷にすれば,半田バンプのセルフアライメント効果を利用したパッシブアライメントも可能になる。
【0151】
(第9実施例)
次に,図46を参照しながら,第9実施例について説明する。本実施例は,第2の上部クラッド層に換えてキャビティ内に充填した充填材を用いる光導波路素子と実装基板とを固定する光モジュールの組立方法に関する。
【0152】
図46に示すように,光モジュール100−7に適用される光導波路素子120−7は,図7に示す光導波路素子120において第2の上部クラッド層125bが形成されていないものと略同一の構成を有する。本実施例に係る組立方法では,かかる光導波路素子120−7が図7に示す実装基板130と略同一の実装基板130−7上に搭載される。そして,該搭載に際して,実装基板130−7のキャビティ113−7内に樹脂195−7が充填される。ここで,樹脂195−7には,例えば硬化後に屈折率が下部クラッド層123−7と略同一となるエポキシ樹脂を主成分とする紫外線硬化型の接着剤を用いることができる。
【0153】
以上説明した本実施例に係る光モジュールは,第2の上部クラッド層よりも厚みがあるキャビティの充填材が第2の上部クラッド層に換えて適用されることから,光伝播特性をより一層向上させることができる。さらに,敢えて第2の上部クラッド層を備えない製造の容易な光導波路素子を用いて,キャビティ内を前記第2の上部クラッド層の代替としての充填材により,実質的に図1に示す光導波路素子120と同等又はそれ以上の光伝搬特性が得られる光モジュールを製造することができる。さらにまた,本実施例では,充填材に接着性材料を用いれば,光導波路素子と実装基板とを強固に固定することができる。
【0154】
以上説明したように,本実施の形態では,光導波路素子と実装基板とが分離形成されているため,例えば,材料,組成,形状,構造,製造,光学的条件,実装精度或いは使用環境等に関する様々な制約が緩和され,様々な相乗的な効果を得ることができる。
【0155】
一例を挙げれば,本実施の形態では,実装基板にV溝を形成するために,光導波路素子の基板に異方性エッチングが可能な単結晶シリコンを用いる必要がない。したがって,光導波路素子の基板には,光導波路層の主材料たる石英系ガラスから形成されたものを用いることができる。結果として,光導波路素子の基板と光導波路層と両者の熱膨張係数の相違による反りが発生しずらくなり,光導波路素子の製造歩留まりが向上する。
【0156】
また,本実施の形態に係る光モジュールにおいて,鉛直方向のアライメントは,実装基板の設置面に規定される基準平面を基準として実施される。即ち,まず,フェイスダウン状態で実装基板に搭載される光導波路素子では,第1の上部クラッド層の高精度の膜厚調整により,実装時における下部クラッド層上面の基準平面からの高さが制御される。そして,コア層の高精度の膜厚調整により,下部クラッド層の上面から光軸までの距離が制御される。結果として,実装時における基準平面に対する光導波路素子の光軸高さは,第1の上部クラッド層の膜厚とコア層下面から光軸までの距離との差として規定されることとなる。本実施の形態においては,かかる光軸高さが,実装時における基準平面に対する光導波路素子の光軸高さと実質的に同一となる光導波路素子を用いることにより,光半導体素子と光導波路素子との光軸高さの調整が受動的かつ高精度に達成できる。
【0157】
加えて,本実施の形態においては,面方向の光軸調整についても,実装基板上に備えるアライメントマーカを,例えば薄膜のフォトレジストを用いて高精度に形成することができるので,形状精度に優れるアライメントマーカを用いてインデックスアライメントが実施できる。したがって,従来の光モジュールに比べて高精度な光軸調整が達成できる。
【0158】
以上より,本実施の形態によれば,光導波路素子と光半導体素子との面方向及び鉛直方向の光軸調整が,いずれの精度を損ねることなく高精度に達成できる。
【0159】
また,同様の原理により,光導波路素子と光ファイバ端についても,光軸高さの調整が受動的かつ高精度に達成される。加えて,光ファイバ端については,実装基板に形成したV溝を利用できるため面方向についても受動的かつ高精度な光軸調整が達成できる。即ち,光ファイバ端についてはパッシブアライメントによる光軸調整が利用できる。
【0160】
以上から,本実施の形態によれば,従来の光モジュールで必要であった,光ファイバアレイ等の高額な部品,調整のための調整装置,及び調整工程が不要となる。さらに,光ファイバアレイと光導波路素子を接着するために必要であったリドなども不要となり,光モジュールの製造性を向上させることができる。さらにまた,本実施の形態によれば,光導波路素子と光半導体素子ならびに光ファイバ端との光軸調整が高精度かつ簡易な光モジュールを実現でき,光通信端末用の送受信機能を有する光モジュールの経済性を高めることが可能となる。
【0161】
さらに,本実施の形態においては,コアパターンが第1の上部クラッド層と第2の上部クラッド層からなる厚い上部クラッド層と厚い下部クラッド層で被覆されているので,優れた光信号の伝搬特性を有する光導波路素子を備えた光モジュールを構成することができる。また,特に,従来の光モジュールの光導波路素子の構造を作製するために必要であった高度な制御技術を要する研磨工程等を含まず,ドライエッチング法等の通常の製造方法による光導波路素子の構造でよいため,光導波路素子の製造歩留まりが向上する。
【0162】
尚,本実施の形態において,第1の上部クラッド層は,少なくとも光軸高さ調整を行う部分の溝上面が露出していればよく,他の部分は任意に所望の形状とすることができる。さらに,キャビティのテーパ部除去は,必要に応じて実施すればよく,またテーパ部を除去する場合でも全てを除去し溝を形成する必要はなく,少なくとも光導波路素子の第2の上部クラッド層とテーパ部が接触しない程度に除去すればよい。さらにまた,キャビティは貫通孔でもよい。
【0163】
(第2の実施の形態)
次に,図47〜図65を参照しながら,第2の実施の形態について説明する。尚,本実施の形態に係る光モジュール,光導波路素子及び実装基板は,上記第1の実施の形態に係る光モジュール,光導波路素子及び実装基板と,略同一の機能と類似の構成とを有する。そこで,以下では,本実施の形態の上記第1の実施の形態との相違部分について詳述し,本実施の形態と上記第1の実施の形態とで一致部分については詳細説明を省略する。
【0164】
図47に示すように,本実施の形態に係る光モジュール200は,実装基板210上に,コアパターン224aにより光信号の分岐や分波等を行う受動素子である光導波路素子220と,光信号と電気信号の変換を行う能動素子である光半導体素子230と,光モジュール200外部との光信号の伝送線路である光ファイバ端240と,を備えている。
【0165】
かかる光モジュール200の構成部品の配置関係及び接続関係は,図1に示す光モジュール100の構成部品の配置関係及び接続関係と略同一である。さらに,かかる光モジュール200の構成部品のうちで,光半導体素子230及び光ファイバ端240は,図2に示す光半導体素子130及び光ファイバ端140と略同一のものである。
【0166】
一方,図48に示すように,実装基板210の第2領域211cは,図2に示す実装基板110の第2領域111cと相違する。実装基板210において,光導波路素子220が設置される第2領域211cは,平面状に形成されており,図2に示すキャビティ113に相当する構成を持たない。さらに,実装基板210は,第2領域211cにキャビティが形成されていないために,図2に示す溝116に相当する構成も持たない。尚,本実施の形態に係る実装基板210の他の構成は,図2に示す上記第1の実施の形態に係る実装基板110と略同一である。
【0167】
また,図50に示すように,光モジュール200の光導波路素子220は,第1のクラッド層に相当する上部クラッド層125の露出面が略平坦に形成されており,図4に示す第2の上部クラッド層125bに相当するものを備えていない。本実施の形態に係る光導波路素子220の他の構成は,図4に示す上記第1の実施の形態に係る光導波路素子120と略同一である。
【0168】
ここで,実施例として,以上説明した光モジュール200に適用可能な本実施の形態に係る実装基板の製造方法例及び光導波路素子の製造方法例ついて,図57〜図63を参照しながら説明する。尚,図57〜図59は,第1実施例に係る実装基板の製造方法についての説明図である。また,図60及び図61は,第2実施例に係る光導波路素子の製造方法の説明図であり,図62及び図63は,第3実施例に係る光導波路素子の製造方法の説明図である。
【0169】
(第1実施例)
まず,第1実施例は,光ファイバ端を固定するV溝と光導波路素子及び/又は光半導体素子の面方向アライメントに使用するアライメントマーカとを同一工程で形成する実装基板の製造方法に関する。
【0170】
図57〜図59に示すように,本実施例に係る実装基板の製造方法では,まず,単結晶シリコン基板260a上に,窒化シリコンからなるレジスト膜269aを形成する。次いで,レジスト膜269a上に,フォトリソ・エッチングにより,光ファイバ端を固定するV溝262aとアライメントマーカ264a及び/又はアライメントマーカ267aとの同時形成用のレジストパターンを形成する。続いて,水酸化カリウム(KOH)を含有する溶液に該単結晶シリコン基板260aを侵漬し,異方性エッチングによりV溝262aとアライメントマーカ264a及び/又はアライメントマーカ267aとを形成する。最後に,レジスト膜269aを除去して,本実施の形態に係る実装基板が形成される。
【0171】
以上説明したように,本実施例では,フォトリソ・エッチングにより,V溝とアライメントマーカとの形成用パターンをレジスト膜に同時形成する。したがって,V溝とアライメントマーカとの位置関係をきわめて高精度に調整することができる。結果として,本実施例を適用することにより,光モジュールにおいては,光ファイバ端と光導波路素子及び/又は光半導体素子との面方向の光軸調整が高精度に実現可能となる。
【0172】
さらに,本実施例においては,エッチングにより掘り下げられた部分として実装基板のアライメントマーカが形成されるため,該アライメントマーカは,実装基板の設置面において凹部を成す。したがって,実装時に光導波路素子及び/又は光半導体素子のアライメントマーカを実装基板のアライメントマーカ内に収容することができる。
【0173】
結果として,本実施例によれば,光導波路素子及び/又は光半導体素子のアライメントマーカが光軸高さ精度に影響する程厚い膜厚で形成されている場合でも,光半導体素子及び/又は光半導体素子の鉛直方向の光軸調整を高精度に実現することができる。さらに,光導波路素子及び/又は光半導体素子のアライメントマーカに,高精度の膜厚調整が要求されないため,フォトリソ・エッチングや薄膜等により簡単に光導波路素子及び/又は光半導体素子のアライメントマーカを形成することができる。したがって,光導波路素子及び/又は光半導体素子の製造工程を簡素化することができる。
【0174】
(第2実施例)
第2実施例は,コア層のパターニングとアライメントマーカの形成とを同時に実現する光導波路素子の製造方法に関する。ここで,図60及び図61は,本実施例に係る光導波路素子の製造方法の各工程についての説明図である。
【0175】
本実施例では,まず,図60(a)に示すように,基板271−1上に下部クラッド層273−1を積層し,続いて,下部クラッド層273−1上に例えばCVD法により高精度の膜厚調整をしながらコア層274−1を積層する。
【0176】
次に,図60(b)に示すように,コア層274−1の上面にレジストパターン278−1を形成する。レジストパターン278−1は,コアパターン274a−1(図60(c))形成用のパターンと,光軸高さの調整部分である側部パターン274b−1(図60(c))形成用のパターンと,から構成される。さらに,本実施例では,側部パターン274b−1(図60(c))形成用のパターンの一部に,アライメントマーカ277−1が形成されている。本実施例において,レジストパターン278−1を構成する以上説明したいずれのパターンも,例えば同一のレジスト膜から同一のフォトリソ・エッチングにより形成することができる。本実施例において,かかるレジストパターン278−1は,例えばタングステン・シリサイドのレジスト膜から形成することができる。
【0177】
次に,ドライエッチングにより,レジストパターン278−1被覆部以外のコア層274−1をエッチングする。結果として,図60(c)に示すように,コア層274−1には,コアパターン274a−1と側部パターン274b−1とが形成される。尚,かかるエッチングでは,レジストパターン278−1被覆部以外のコア層274−1の残さが残らないように,コア層274−1の下面よりも若干深く,即ち下部クラッド層273−1に達する深さまで行うことが好適である。
【0178】
次に,図61(a)に示すように,アライメントマーカ277−1のみを残し,レジストパターン278−1をフォトリソ・エッチングにより除去する。次に,図61(b)に示すように,ウェハ全面を被覆するように,例えばCVD法により高精度に膜厚調整をしながら上部クラッド層275−1を積層する。結果として,本実施の形態に係る光導波路素子が形成される。
【0179】
以上説明したように,本実施例においては,コアパターン形成用のレジストパターンとアライメントマーカとが,コア層上に形成された同一のレジスト膜から同一のフォトリソ・エッチングにより同時形成される。したがって,本実施例によれば,コアパターンとアライメントマーカとの相互の位置関係を極めて高精度に調整することができる。したがって,アライメントマーカを用いて実装基板とアライメントを行うことは,実質的にコアパターンをアライメントマーカとしてアライメントを行うことと等価になる。結果として,本実施例によれば,面方向の光軸調整精度に優れた光導波路素子を製造することができる。
【0180】
(第3の実施例)
次に,図62及び図63を参照しながら,第3実施例について説明する。本実施例は,アライメントマーカが下部クラッド層上面に形成されておりコア層の側部パターンを有さない光導波路素子の製造方法に関する。尚,図62及び図63は,本実施例に係る光導波路素子の製造方法の各工程についての説明図である。
【0181】
本実施例では,まず,図62(a)に示すように,基板271−2上に下部クラッド層273−2を積層し,続いて,下部クラッド層273−2上面にレジストパターン278−2を形成する。かかるレジストパターン278−2は,コアパターン274a−2(図63(a))形成予定部に窓が形成されているとともに,該窓以外の所定位置にアライメントマーカ277−2が形成されている。かかるレジストパターン278−2は,後述するコアパターン274a−2(図63(a))の形成時にエッチングストッパ膜として機能する。尚,レジストパターン278−2は,フォトリソ・エッチングにより,例えばタングステン・シリサイドの単一のレジスト膜から形成することができる。
【0182】
次に,図62(b)に示すように,ウェハ全面を被覆するように,CVD法により高精度の膜厚調整をしながらコア層274−2を積層する。次に,図63(c)に示すように,コア層274−2上にコアパターン274a−2(図63(a))形成用のレジストパターン279−2を形成する。本実施例において,かかるレジストパターン279−2は,アライメントマーカ277−2を基準にして形成することができる。尚,レジストパターン279−2は,フォトリソ・エッチングにより,例えばタングステン・シリサイドから形成することができる。
【0183】
次に,図63(a)に示すように,ドライエッチングにより,レジストパターン279−2被覆部以外のコア層274−2をエッチングする。かかる際,レジストパターンパターン279−2被覆部以外の部分のコア層274−2の浅さが残らないように,コア層274−2下面よりも若干掘り下げてエッチングする。
【0184】
次に,図63(b)に示すように,アライメントマーカ277−2以外のレジストパターン278−2をフオトリソグラフィにより除去する。次に,図63(c)に示すように,ウェハ全面を被覆するように,例えばCVD法により高精度に膜厚調整をしながら上部クラッド層275−2を積層する。結果として,本実施の形態に係る光導波路素子が形成される。
【0185】
以上説明したように,本実施例においては,コア層形成に先立ち,下部クラッド層の上面にエッチングストッパ膜が設けられる。したがって,ドライエッチングによるコアパターン形成時に,エッチングストッパ膜被覆部下の下部クラッド層は,一切エッチングされない。故に,下部クラッド層の上面は,コア層の下面と実質的に同一面をなすように形成できるため,その上に形成する上部クラッド層の下面もコア層の下面と実質的に同一面をなすように形成することができる。結果として,本実施例によれば,上部クラッド層の膜厚調整により光軸高さ調整が可能な光導波路素子を製造することができる。
【0186】
尚,本実施例に係る製造方法により製造される光導波路素子は,図24に示す光導波路素子120−1と同様,側部パターン124b−1に相当する構成を有さない,したがって,形成方法によっては上部クラッド層上面のコアパターン上部に凸部が形成される場合がある。かかる凸部は,上部クラッド層上面を実装基板の上面に相互に接触させる際の障害となり得る。一方,図54及び図56に示す光導波路素子220のように,側部パターンが残されている光導波路素子では,コアパターン上の上部クラッド層上面を周囲の平坦な部分と実質的に同一又はそれ以下の高さにすることができる。したがって,実装基板の設置面に相互に接触させる際の障害となり得るコアパターン上方の凹凸が,上部クラッド層上面に形成されない。即ち,上部クラッド層の露出面と設置面との確実な相互接触という観点からすれば,本実施例に係る製造方法により製造される光導波路素子よりも図54及び図56に示す光導波路素子220の方が優れており,光軸高さ調整精度が高いと考えられる。
【0187】
(3−1)組立方法
次に,本実施の形態に係る光モジュール200の組立方法について説明する。図50に示すように,光半導体素子230の実装基板210への搭載時には,まず,光半導体素子230と実装基板210とを,電極233と電極218とが僅かな間隙を介して相互に対向するように配置する。次に,該間隙がある状態で,光半導体素子230のアライメントマーカ234と実装基板210のアライメントマーカ217とを合わせて面方向のアライメントを行う。続いて,図49に示すように,光半導体素子230の電極233の上面を実装基板210の電極218の上面に相互に接触させる。最後に相互の位置関係が変化しないように,電極233と電極213とを半田等(図示せず。)で固定する。
【0188】
図49に示すように,光ファイバ端240の実装基板210への搭載時には,まず,光ファイバ端240を実装基板210表面のV溝215部の斜面(図示せず。)に接触するように設置する。次に,実装基板210と光ファイバ端240とを,相互の位置関係が変化しないように接着剤等(図示せず。)で固定する。
【0189】
光導波路素子220の実装基板210への搭載時には,図52,図54,及び図56に示すように,光導波路素子220と実装基板210とを,上部クラッド層225上面と実装基板210の第2領域211cとが僅かな間隙を介して相互に対向するように配置する。次に,該間隙がある状態で,光導波路素子220に備えられたアライメントマーカ227と実装基板210に備えられたアライメントマーカ214とが合うように,例えば光導波路素子220側の位置を調整して,面方向のアライメントを行う。続いて,上部クラッド層225上面を実装基板210の第2領域211cに相互に接触させる。最後に,両者相互の位置関係が変化しないように両者を接着剤(図示せず。)で固定する。
【0190】
以上説明したように,本実施の形態における光モジュール200の組立方法では,上記第1の実施の形態に係る光モジュール200の組立方法と実質的に同様に光軸調整が達成される。尚,図3〜図14に示す光モジュール100の組立方法では光導波路素子120の第2の上部クラッド層125bを実装基板110のキャビティ113に収容するという作業が実施されている。しかし,本実施の形態に係る光モジュール200の組立方法では,キャビティ113及び第2の上部クラッド層125bに相当する構成が形成されていないために,当該作業は実施されない。
【0191】
(3−2)組立方法の実施例
(第4実施例)
ここで,第4実施例として,光モジュール200に適用可能な本実施の形態に係る光モジュールの組立方法について,図64及び図65を参照しながら説明する。図65に示すように,本実施例では,光導波路素子220−3の上部クラッド層225上面に,半田パッド291−3が設置されている。ここで,かかる上部クラッド層225とコア層224との総膜厚は,例えば,約11μmとされている。また,半田パッド291−3は,例えば,約0.1μmのチタン膜上に約0.1μmの金薄膜を積層して形成されている。
【0192】
また,実装基板210−3は,第2領域211c−3上に,半田パッド293−3と半田パッド293−3上に積層された半田層294−3とを備えている。ここで半田パッド293−3は,半田パッド291−3と同様の構成であり,半田層294−3は,例えば,膜厚約2μmで融点が約280℃程度の金(Au)錫(Sn)共晶半田から形成されている。
結果として,コア層224−3及び上部クラッド層225−3と半田パッド291−3と半田パッド293−3と半田層294−3との合計の膜厚は,約13μmとなる。
【0193】
本実施例の組立方法において,面方向の光軸調整は,アライメントマーカ214−3とアライメントマーカ227−3とを用いて行われる。また,鉛直方向については,まず,光導波路素子220−3の半田パッド291−3の上面を,実装基板210−3の半田層294−3を介して実装基板210−3の半田パッド293−3の上面に相互に接触させる。次に,光導波路素子220−3に荷重を加えた状態で加熱して半田層294−3を一旦溶融させ,続いて降温して半田層294−3を凝固させる。
【0194】
かかる工程により,半田層294−3を介して光導波路素子220−3の半田パッド291−3と実装基板210−3の半田パッド293−3とが接着される。結果として,光導波路素子220−3が実装基板210−3上に搭載される。
【0195】
ここで,本実施例では,半田層294−3が,溶融から凝固までの工程で約1μm膜厚が減少するように荷重調整されている。結果として,半田層294−3凝固後において,コア層224−3及び上部クラッド層225−3の総膜厚と,半田パッド291−3の膜厚と,半田パッド293−3の膜厚と半田層294−3の膜厚とは,合計で約12μmとなる。
【0196】
よって,光導波路素子220−3の上部クラッド層225−3と半田パッド291−3と,実装基板210−3の半田パッド293−3と凝固後の半田層294−3の膜厚の和を,図8に示す光導波路素子220の前述の膜厚例での上部クラッド層の膜厚と同一となる。即ち,前述の膜厚例において,光導波路素子220−3の半田パッド291−3の上面を,実装基板210−3の半田層294−3を介して実装基板210−3の半田パッド293−3の上面に相互に接触させることにより,光軸高さ調整が自ずと達成される。
【0197】
以上説明したように,本実施例によれば,光導波路素子と実装基板とを半田で接着することにより,実装基板上に半田で接着される光半導体素子の光軸高さが熱膨張による接着部の伸縮によって変化する動きに合わせて,光導波路素子の光軸高さも変化させることができる。したがって,温度変化による光軸高さずれによる相互の光接続損失の変化が極めて小さい光モジュールを構成することができる。
【0198】
また,光導波路素子と実装基板を半田で接着することにより非常に強固な接着ができ,信頼性が向上すると共に,リワークも可能となり,光モジュールの製造歩留まりが向上する。
【0199】
さらに,本実施の形態においては,光導波路素子の膜厚調整は,上部クラッド層の下面,即ち下部クラッド層の上面と実質的に同一面をなすコア層の下面を基準面に実施される。そして,実装基板搭載時の基準平面に対する光導波路素子の光軸高さが,実装基板の上面を基準面にした光半導体素子の光軸高さと略同一とされている。即ち,上部クラッド層の膜厚が,コア層下面からコア層の光軸までの距離と基準平面から光半導体素子の光軸(搭載時)までの距離との和と等しい光導波路素子を用ることにより,上部クラッド層の上面を実装基板の上面に密着た際に,光半導体素子と光導波路素子との光軸高さ調整が受動的かつ高精度に達成できる。加えて,面方向の光軸調整についても,実装基板上に備えるアライメントマーカを,薄膜のフォトレジストを用いて高精度に形成したので,形状精度に優れるアライメントマーカを用いてインデックスアライメントが行うことができる。したがって,本実施の形態によれば,従来の方法に比べて高精度な光軸調整が達成できる。以上のことから,光導波路素子と光半導体素子の面方向ならびに鉛直方向の高精度な光軸調整が,いずれかの精度を損ねることなく達成できる。
【0200】
また,同様の原理により,光導波路素子と光ファイバ端についても,光軸高さの調整が受動的かつ高精度に達成され,加えて光ファイバ端については実装基板に形成したV溝を利用できるため面方向についても受動的かつ高精度な光軸調整が達成できる。即ち,光ファイバ端についてはパッシブアライメントによる光軸調整が利用できる。このことから,従来の光モジュールで必要であった,光ファイバアレイ等の高額な部品,調整のための調整装置,また調整工程が不要となる。加えて,光ファイバアレイと光導波路素子を接着するために必要であったリドも不要となり,本工程の製造性を向上させることができる。
【0201】
尚,実装基板にV溝を形成するようにしたので,光導波路素子の基板に異方性エッチングが可能な単結晶シリコンを用いる必要もなく,本実施例で示したように石英ガラスを用いることもでき,光導波路素子に用いる基板の制約も緩和される。かかる場合光導波路層と同一材料である石英ガラス基板を用いることができるため,両者の熱膨張係数の相違による反りが発生しずらくなり,このことからも光導波路素子の製造歩留まりも向上する。
以上の理由から,本実施の形態によれば,光導波路素子と光半導体素子ならびに光ファイバ端との光軸調整が高精度かつ簡易な光モジュールを実現でき,光通信端末用の送受信機能を有する光モジュールの経済性を高めることが可能となる。
【0202】
尚,本実施の形態においては,コアパターン上の上部クラッドがコアパターン形状に倣って凸形状をなす場合には,かかる凸状部分を避けるように実装基板に溝等を設けてもよい。また,熱処理或いは研磨等の手段により上部クラッド層上面を平坦化してもよい。
【0203】
(第3の実施の形態)
次に,図66〜図71を参照しながら,第3の実施の形態について説明する。尚,本実施の形態に係る光モジュール,光導波路素子及び実装基板は,上記第1ないし第2の実施の形態に係る光モジュール,光導波路素子及び実装基板と,略同一の機能と類似の構成とを有する。そこで,以下では,本実施の形態の上記第1ないし第2の実施の形態との相違部分について詳述し,本実施の形態と上記第1ないし第2の実施の形態との一致部分については詳細説明を省略する。
【0204】
図66に示すように,本実施の形態に係る光モジュール300は,実装基板310上に,コアパターン324aにより光信号の分岐や分波等を行う受動素子である光導波路素子320と,光信号と電気信号の変換を行う能動素子である光半導体素子330と,光モジュール300外部との光信号の伝送線路である光ファイバ端340と,を備えている。
【0205】
かかる光モジュール300の構成部品の配置関係及び接続関係は,図1に示す光モジュール100又は図47に示す光モジュール200の構成部品の配置関係及び接続関係と略同一である。さらに,かかる光モジュール300の構成部品のうちで,光半導体素子330及び光ファイバ端340は,図1に示す光半導体素子130及び光ファイバ端140ないし図47に示す光半導体素子230及び光ファイバ端240と略同一のものである。
【0206】
一方,図67に示すように,実装基板310及び光導波路素子320は,図8に示す実装基板110及び光導波路素子120ないし図48に示す実装基板310及び光導波路素子220と相違する。即ち,まず,実装基板310は,図54に示す実装基板210の第2領域211cに図67に示すように光導波路素子320が載置されるガラス層395を形成したものと,略同一の構成を有する。かかるガラス層395は,アライメントマーカ314を覆うように,基準平面350からの高さが正確に所定高さとなるように形成されている。本実施の形態において,ガラス層395は,図54に示すクラッド層225と同一の組成からなる石英系ガラスから例えばCVD法により形成することができる。また,光導波路素子320は,図24に示す光導波路素子120−1において第1の上部クラッド層125a−1と第2の上部クラッド層125b−1とが未形成のものと,略同一の構成を有する。
【0207】
かかる構成を有する光モジュール300の組立方法において,光半導体素子330及び光ファイバ端340の実装基板310への搭載は,図11〜図14に示す光半導体素子130及び光ファイバ端140の実装基板110への搭載と略同一である。
【0208】
一方,図67及び図68に示すように,光導波路素子320の実装基板310への搭載は,図7〜図10に示す光導波路素子120の実装基板110への搭載ないし図53〜図56に示す光導波路素子220の実装基板210への搭載と相違する。
【0209】
即ち,図67及び図68に示すように,光導波路素子320の実装基板310への搭載では,まず,実装基板310と光導波路素子320とを,ガラス層395上面と剥き出しの下部クラッド層323上面とが僅かな間隙を介して相互に対向するように配置する。次に,アライメントマーカ314とアライメントマーカ327とを用いたインデックスアライメントにより,光導波路素子320と実装基板310との面方向の光軸調整が達成される。
【0210】
次に,面方向の位置関係を変化させずに,実装基板310と光導波路素子320とを接近させ,ガラス層395上面と下部クラッド層323上面とを接触させる。次に,下部クラッド層323と実装基板310との間の空間に,図54に示す上部クラッド層225と略同一の屈折率を持つ所定の充填材396,例えばエポキシ系樹脂を主成分とした紫外線硬化型の接着剤などを充填する。結果として,図53に示す光モジュール200と同等の光伝搬特性を持つ本実施の形態に係る光モジュール300が形成される。
【0211】
図4に示す光導波路素子120についての前述の膜厚例では,上部クラッド層を12μm形成していたが,かかる膜厚は光軸高さに直接関わるものである。したがって,膜厚を精密に調整する必要があり,成膜時間が一般的な成膜条件に比べ長大なものとなるおそれがある。
しかし,本実施の形態に係る光モジュール300では,上記第1ないし第2の実施の形態において光導波路素子に形成されていた上部クラッド層分の膜厚が,全て実装基板上のガラス層に振り分けられる。したがって,光導波路素子側では,上部クラッド層の光軸高さ調整に関わる精密な膜厚調整が不要になり,光導波路素子の製造歩留まりが向上する。
【0212】
尚,光モジュール300では,逆に実装基板側の製造負担が増大するが,実装基板310は光導波路素子320のコアパターン324aのような精密なパターンを形成する必要がないため,通常,光導波路素子320に比べて製造歩留まりが格段に高い。したがって,本実施の形態に係る光モジュール300では,モジュール全体として製造歩留まりの向上が見込まれる。
【0213】
本実施の形態においては,図69に示す光モジュール300−1のように,ガラス層395−1により形成される下部クラッド層323−1と実装基板310−1との間の空間に何らの充填材も充填させない構成も可能である。かかる光モジュール300−1は,図67に示す光モジュール300に比べ,充填材を充填する必要がないため簡単に形成することができる。反面,コアパターン324a−1が空気で被覆されることとなり,光モジュール300に比べて,やや光伝播特性が劣る。
【0214】
また,本実施の形態においては,図70に示す光導波路素子300−2のように,光導波路素子320−2の下部クラッド層323−2上に図54に示す上部クラッド層225よりも薄い膜厚の上部クラッド層325−2を形成し,実装基板310−2の第2領域311c−2上に図68に示すガラス層396の代わりにガラス層396−2を形成することも可能である。ここで,実装基板310−2のガラス層396−2の膜厚は,図68に示すガラス層396の膜厚から光導波路素子320−2の上部クラッド層325−2の膜厚を差し引いた膜厚で形成する。さらに,ガラス層396−2は,図68に示すガラス層396と略同一の組成からなる石英系ガラスから略同一の形成方法により形成することができる。そして,かかる光モジュール300−2の組立方法では,光導波路素子320−2の上部クラッド層325−2と実装基板310−2のガラス層396−2との膜厚の和によって,光軸高さが決定される。
【0215】
本実施例に係る組立方法を用いて製造された光モジュールでは,光導波路素子の上部クラッド層の膜厚の幾分かを,実装基板のガラス層に振り分けることができる。したがって,光導波路素子の製造負担が軽減し,光導波路素子の製造時間が短縮されるとともに製造歩留まりが向上する。
【0216】
尚,以上説明した本実施の形態では,実装基板上のガラス層は石英系ガラスでなくてもよく,またガラスである必要もない。
【0217】
以上,本発明に係る好適な実施の形態について説明したが,本発明はかかる構成に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術思想の範囲内において,各種の修正例及び変更例を想定し得るものであり,それら修正例及び変更例についても本発明の技術範囲に包含されるものと了解される。
【0218】
例えば,上記実施の形態においては,本発明を適用した光送受信機能を有する光モジュールを例に挙げたが,本発明はかかる構成に限定されない。本発明は,他の様々な光モジュール,例えば光送信機能のみを有する光モジュールや光受信機能のみを有する光モジュール或いは1又は2以上の他の様々な機能をも有する光モジュール等に対しても適用することができる。
【0219】
また,上記実施の形態においては,光ファイバ端と光半導体素子とを光学的に接続する光路が形成された光モジュールを例に挙げたが,本発明はかかる構成に限定されない。本発明は,他の様々な光路,例えば光ファイバ端同士を相互接続する光路や光半導体素子同士を光学的に接続する光路等が形成された光モジュールに対しても適用することができる。
【0220】
さらに,上記実施の形態においては,シリコンから形成される実装基板を例に挙げたが,本発明はかかる構成に限定されない。本発明は,他の様々な材料,例えば異方性エッチング可能な材料や異方性エッチング以外の方法でキャビティ・V溝を形成可能な材料等から形成される実装基板に対しても適用することができる。
【0221】
さらにまた,上記実施の形態においては,石英ガラス基板を適用した光半導体素子を例に挙げたが,本発明はかかる構成に限定されない。本発明は,他の様々な基板,例えばシリコン基板や石英系ガラス基板等を適用したに対しても適用することができる。
【0222】
また,上記実施の形態においては,光導波路層に下部クラッド層を有する光導波路素子を例に挙げたが,本発明はかかる構成に限定されない。本発明は,他の様々な光導波路層,例えば下部クラッド層を有さない光導波路層や2以上の下部クラッド層を有する光導波路層或いはSCH層を有する光導波路層等を適用した光導波路素子に対しても適用することができる。ここで,下部クラッド層を有さない光導波路層を適用する場合には,例えば基板に石英ガラスを用いるとともに上部クラッド層の屈折率を基板に合わせて下部クラッド層の機能を基板に兼ねさせる構成が可能である。
【0223】
さらに,上記実施の形態においては,石英系ガラスから形成される光導波路層を適用した光導波路素子を例に挙げたが,本発明はかかる構成に限定されない。本発明は,他の様々な材料から形成される光導波路層,例えば他のガラス系材料から形成される光導波路層や樹脂から形成される光導波路層(有機光導波路素子)等を適用した光導波路素子に対しても適用することができる。
【0224】
さらにまた,上記実施の形態においては,シングルモードの裸光ファイバを適用した光モジュールを例に挙げたが,本発明はかかる構成に限定されない。本発明は,他の様々な光ファイバ,例えばマルチモード光ファイバや裸光ファイバをキャピラリに固定したもの等を適用した光モジュールに対しても適用することができる
【0225】
また,上記実施の形態においては,半導体レーザ及びフォトダイオードを適用した光モジュールを例に挙げたが,本発明はかかる構成に限定されない。本発明は,他の様々な光半導体素子,例えば発光ダイオードや光変調期或いは光増幅器等を適用した光モジュールに対しても適用することができる
【0226】
さらに,上記実施の形態においては,半導体材料から成る光素子を適用した光モジュールを例に挙げたが,本発明はかかる構成に限定されない。本発明は,他の様々な材料から形成される光素子,例えばガラス系材料から形成される光素子や樹脂系材料から形成される光素子等を適用した光モジュールに対しても適用することができる
【0227】
さらにまた,上記実施の形態においては,光軸がコア層の略中心に形成された光半導体素子を例に挙げたが,本発明はかかる構成に限定されない。本発明は,他の様々な光軸,例えばコア層の中心から離れた位置を通る光軸やコアパターンの両端で高さが変化する光軸等が形成された光導波路素子に対しても適用することができる。尚,本発明を光軸がコア層中心を通らない光導波路素子に適用する場合には,当該実際の光軸高さを優先して,設計及び膜厚調整を行えばよい。
【0228】
また,上記実施の形態においては,光ファイバを固定するV溝を有する実装基板を例に挙げたが,本発明はかかる構成に限定されない。本発明は,他の様々な固定手段を有する実装基板に対しても適用することができる
【0229】
さらに,上記実施の形態においては,単一波長の光に使用する光モジュールを例に挙げたが,本発明はかかる構成に限定されない。本発明は,他の様々な光,例えば波長多重光や交番多重光或いは時分割多重光等に使用する光モジュールに対しても適用することができる
【0230】
さらにまた,上記実施の形態においては,光伝送機能・分波機能・合波機能を有するコアパターンを適用した光導波路素子を例に挙げたが,本発明はかかる構成に限定されない。本発明は,他の様々な機能,例えば波長選択機能や偏光機能或いはモード結合機能等を有するコアパターンを適用した光導波路素子に対しても適用することができる
【0231】
また,上記実施の形態においては,充填材としてエポキシ系樹脂を適用した光モジュールを例に挙げたが,本発明はかかる構成に限定されない。本発明は,他の様々な充填材,例えばエポキシ系以外の樹脂やシリコーンから形成される整合剤の様な樹脂以外の充填剤等を適用した光モジュールに対しても適用することができる
【0232】
さらに,上記実施の形態及び実施例は,任意に組み合わせることが可能であり,本発明の技術的範囲には,そのような各種の組み合わせをも含まれるものと了解される。
【0233】
【発明の効果】
本発明によれば,光導波路素子に課される制約,例えば材料や製造方法或いは使用環境等の制約が低減される。さらに,本発明によれば,光モジュールにおける実装基板への光導波路素子の搭載に際し光導波路素子と各光学要素との光学的アライメントを高精度に行うことができる。
【0234】
また,本発明では,光モジュールにおいて,インデックスアライメントやパッシブアライメント等の簡易なアライメント方法によ面方向の光軸調整が実現される。さらに,本発明では,光導波路素子についての層厚調整や実装基板についての高さ調整により,高精度の光軸高さの制御が実現される。さらに,本発明では,高精度の光軸調整を保持しつつ,光導波路素子による光伝搬特性を向上させることができる。
【0235】
したがって,本発明によれば,量産性,経済性,性能等に優れた光モジュール,光導波路素子及び実装基板を提供することができる。結果として,本発明は,例えば光通信装置に用いられる光通信端末用の光送受信機能を有する光モジュールに効果的に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能な光モジュールの構成説明用の平面図である。
【図2】図1に示す光モジュール組立前の各構成要素についての概略構成説明図である。
【図3】図1に示す光モジュールの構成説明用のA−A断面図である。
【図4】図1に示す光モジュールのA−A断面における組立についての説明図である。
【図5】図1に示す光モジュールの構成説明用のB−B断面図である。
【図6】図1に示す光モジュールのB−B断面における組立についての説明図である。
【図7】図1に示す光モジュールの構成説明用のD−D断面図である。
【図8】図1に示す光モジュールのD−D断面における組立についての説明図である。
【図9】図1に示す光モジュールの構成説明用のE−E断面図である。
【図10】図1に示す光モジュールのE−E断面における組立についての説明図である。
【図11】図1に示す光モジュールの構成説明用のC−C断面図である。
【図12】図1に示す光モジュールのC−C断面における組立についての説明図である。
【図13】図1に示す光モジュールの構成説明用のF−F断面図である。
【図14】図1に示す光モジュールのF−F断面における組立についての説明図である。
【図15】本発明を適用可能な実装基板の製造方法についての製造工程説明図である。
【図16】図15に示す製造工程での実装基板(製造途中)のH−H断面図である。
【図17】図15に示す製造工程での実装基板(製造途中)のG−G断面図である。
【図18】本発明を適用可能な他の実装基板の製造方法についての一の製造工程説明図である。
【図19】図18に示す製造工程での実装基板(製造途中)のI−I断面図である。
【図20】図18に示す製造工程での実装基板(製造途中)のJ−J断面図である。
【図21】図18に示す製造工程での実装基板(製造途中)のK−K断面図である。
【図22】図18に係る実装基板の製造方法についての他の製造工程説明図である。
【図23】図22に示す製造工程での実装基板(製造途中)のL−L断面図である。
【図24】本発明を適用可能な他の光導波路素子を説明するための断面図(図7のD−D断面図と対応)である。
【図25】本発明を適用可能な他の光導波路素子を説明するための断面図(図7のD−D断面図に対応)である。
【図26】本発明を適用可能な他の光導波路素子を説明するための断面図(図7のD−D断面図と対応)である。
【図27】本発明を適用可能な光導波路素子の製造方法の一製造工程を説明するための断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図28】図27に係る光導波路素子の製造方法の他の製造工程を説明するための断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図29】図27に係る光導波路素子の製造方法の他の製造工程を説明するための断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図30】図27に係る光導波路素子の製造方法の他の製造工程を説明するための断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図31】本発明を適用可能な他の光導波路素子の製造方法の一製造工程を説明するための断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図32】図31に係る光導波路素子の製造方法の他の製造工程を説明するための断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図33】図31に係る光導波路素子の製造方法の他の製造工程を説明するための断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図34】本発明を適用可能な他の光導波路素子の製造方法の一製造工程を説明するための断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図35】図34に係る光導波路素子の製造方法の他の製造工程を説明するための断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図36】図34に係る光導波路素子の製造方法の他の製造工程を説明するための断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図37】図34に係る光導波路素子の製造方法の他の製造工程を説明するための断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図38】本発明を適用可能な他の光導波路素子の製造方法の一製造工程を説明するための断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図39】図38に係る光導波路素子の製造方法の他の製造工程を説明するための断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図40】図38に係る光導波路素子の製造方法の他の製造工程を説明するための断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図41】図38に係る光導波路素子の製造方法の他の製造工程を説明するための断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図42】本発明を適用可能な光モジュールの組立方法により組み立てられた光モジュールの断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図43】図42に係る光モジュールの組立方法の説明図である。
【図44】本発明を適用可能な他の光モジュールの組立方法により組み立てられた光モジュールの断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図45】図44に係る光モジュールの組立方法の説明図である。
【図46】本発明を適用可能な他の光モジュールの組立方法により組み立てられた光モジュールの断面図(図7のD−D断面に対応)である。
【図47】本発明を適用可能な他の光モジュールの構成説明用の平面図である。
【図48】図47に示す光モジュール組立前の各構成要素についての概略構成説明図である。
【図49】図47に示す光モジュールの構成説明用のA’−A’断面図である。
【図50】図47に示す光モジュールのA’−A’断面における組立についての説明図である。
【図51】図47に示す光モジュールの構成説明用のB’−B’断面図である。
【図52】図47に示す光モジュールのB’−B’断面における組立についての説明図である。
【図53】図47に示す光モジュールの構成説明用のD’−D’断面図である。
【図54】図47に示す光モジュールのD’−D’断面における組立についての説明図である。
【図55】図47に示す光モジュールの構成説明用のE’−E’断面図である。
【図56】図47に示す光モジュールのE’−E’断面における組立についての説明図である。
【図57】本発明を適用可能な他の実装基板の製造方法についての製造工程説明図である。
【図58】図57に示す製造工程での実装基板(製造途中)のH’−H’断面図である。
【図59】図57に示す製造工程での実装基板(製造途中)のG’−G’断面図である。
【図60】本発明を適用可能な他の光導波路素子の製造方法の一製造工程を説明するための断面図(図53のD’−D’断面に対応)である。
【図61】図60に係る光導波路素子の製造方法の他の製造工程を説明するための断面図(図53のD’−D’断面に対応)である。
【図62】本発明を適用可能な他の光導波路素子の製造方法の一製造工程を説明するための断面図(図53のD’−D’断面に対応)である。
【図63】図62に係る光導波路素子の製造方法の他の製造工程を説明するための断面図(図53のD’−D’断面に対応)である。
【図64】本発明を適用可能な光モジュールの組立方法により組み立てられた光モジュールの断面図(図53のD’−D’断面に対応)である。
【図65】図64に係る光モジュールの組立方法の説明図である。
【図66】本発明を適用可能な他の光モジュールの構成説明用の平面図である。
【図67】図66に示す光モジュールの構成説明用のD”−D”断面図である。
【図68】図47に示す光モジュールのD”−D”断面における組立についての説明図である。
【図69】本発明を適用可能な光モジュールの組立方法により組み立てられた光モジュールの断面図(図66のD”−D”断面に対応)である。
【図70】本発明を適用可能な光モジュールの組立方法により組み立てられた光モジュールの断面図(図53のD”−D”断面に対応)である。
【図71】図70に係る光モジュールの組立方法の説明図である。
【図72】従来の光モジュールの平面図である。
【図73】従来の光モジュールのa−a断面図である。
【符号の説明】
100 光モジュール
110 実装基板
111 設置面
111a 第3領域
111b 第1領域
111c 第2領域
113 キャビティ
120 光導波路素子
122 光導波路層
124a コアパターン
124b 側部パターン
125a 第1の上部クラッド層
125b 第2の上部クラッド層
130 光半導体素子
140 光ファイバ端
150 基準平面
194−5 半田バンプ
195−7 充填剤
395 ガラス層

Claims (11)

  1. 少なくとも1の光学要素を備え,光ファイバと前記光学要素とを光学的に接続する光路が形成された,光モジュールであって:
    前記光学要素が設置される第1領域と前記第1領域に隣接する第2領域とを含む設置面が形成された,実装基板と;
    前記光路を構成するコアパターンを有し,前記実装基板と分離形成されて前記第2領域に設置される,光導波路素子と;
    を備え,
    前記実装基板及び前記光導波路素子には,前記光導波路素子の前記実装基板への実装時に,前記光導波路素子と前記実装基板との面方向の位置決めに用いられるアライメントマーカが形成されており;
    前記光導波路素子には,前記設置面に規定され前記光導波路素子と前記光学要素との光軸高さの基準となる基準平面に面合わせされる露出面と,前記コアパターンと前記コアパターンを覆い前記露出面が形成された第1のクラッド層と前記露出面から突出するように前記第1のクラッド層に積層された第2のクラッド層とを備え前記露出面と実質的に垂直な方向を積層方向とする層構造と,が形成されており;
    前記第1のクラッド層の露出面に前記アライメントマーカが形成されており;
    前記実装基板の第2領域には,前記第2のクラッド層を収容する収容部が形成されており;
    前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層は石英系ガラスから形成されたものである;
    ことを特徴とする,光モジュール。
  2. さらに,前記設置面は,前記第2領域に隣接し前記光ファイバの端部が設置される第3領域を含むことを特徴とする,請求項1に記載の光モジュール。
  3. 前記層構造は,化学的気相成長法(CVD法)により形成されたものであることを特徴とする,請求項1又は2に記載の光導波路素子。
  4. 少なくとも1の光学要素を備え,光ファイバと前記光学要素とを光学的に接続する光路が形成された光モジュールを構成する光導波路素子であって:
    前記光学要素が設置された実装基板の設置面に設置され,前記光路を構成するコアパターンと,前記実装基板への実装時に,前記実装基板との面方向の位置決めに用いられるアライメントマーカと,前記設置の際に前記設置面に面合わせされる露出面が形成された前記露出面と実質的に垂直な方向を積層方向とする層構造とを備え;
    前記露出面に前記アライメントマーカが形成されており;
    前記層構造は,前記露出面が形成された前記コアパターンを覆う第1のクラッド層と,前記露出面から突出するように前記第1のクラッド層に積層された第2のクラッド層とを含み,前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層は石英系ガラスから形成されたものであり;
    前記コアパターンは,前記層構造内に形成されている;
    ことを特徴とする,光導波路素子。
  5. 前記層構造は,化学的気相成長法(CVD法)により形成されたものであることを特徴とする,請求項4に記載の光導波路素子。
  6. 前記露出面と前記コアパターンの光軸との距離は,前記第1のクラッド層及び前記コアパターンの膜厚制御により調整されていることを特徴とする,請求項4又は5に記載の光導波路素子。
  7. 少なくとも1の光学要素を備え,光ファイバと前記光学要素とを光学的に接続する光路が形成された,光モジュールの製造方法であって:
    前記光学要素が設置される第1領域と,前記第1領域に隣接し前記光ファイバと前記光学要素とを光学的に中継する少なくとも1の光導波路素子が設置される第2領域とを含む設置面と,前記光導波路素子の実装時に,前記光導波路素子との面方向の位置決めに用いられるアライメントマーカとが形成される実装基板を製造する工程と;
    前記光路を構成するコアパターンと,前記実装基板への実装時に,前記実装基板との面方向の位置決めに用いられるアライメントマーカと,前記設置の際に前記設置面に面合わせされる露出面が形成された前記露出面と実質的に垂直な方向を積層方向とする層構造とを備えた光導波路素子を製造する工程と;
    前記光導波路素子を,フェイスダウン状態で前記実装基板に搭載する工程と;
    を含み,
    前記層構造は,前記露出面が形成された前記コアパターンを覆う第1のクラッド層と,前記露出面から突出するように前記第1のクラッド層に積層された第2のクラッド層とを含み,前記第1のクラッド層の露出面に前記アライメントマーカが形成されており,前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層は石英系ガラスから形成されたものであることを特徴とする,光モジュールの製造方法。
  8. 前記層構造は,化学的気相成長法(CVD法)により形成されることを特徴とする,請求項7に記載の光モジュールの製造方法。
  9. 前記露出面と前記コアパターンの光軸との距離は,前記第1のクラッド層及び前記コアパターンの膜厚制御により調整されていることを特徴とする,請求項7又は8に記載の光モジュールの製造方法。
  10. 少なくとも1の光学要素を備え,光ファイバと前記光学要素とを光学的に接続する光路が形成された光モジュールを構成する光導波路素子の製造方法であって:
    基板上に下部クラッド層を積層する工程と;
    前記下部クラッド層上にコア層を積層する工程と;
    前記コア層の上面に,コアパターン形成用のパターンと,パターンの一部にアライメントマーカが形成される側部パターン形成用のパターンと,から構成される第1のレジストパターンを形成する工程と;
    前記第1のレジストパターン被覆部以外の前記コア層をエッチングする工程と;
    前記アライメントマーカのみを残して前記第1のレジストパターンを除去する工程と;
    全面を被覆するように,上部クラッド層を積層する工程と;
    を含み,
    前記上部クラッド層を積層する工程は:
    全面を被覆するように,第1の上部クラッド層を積層する工程と;
    前記第1の上部クラッド層の上面に,前記コアパターン上方に窓が形成された第2のレジストパターンを形成する工程と;
    全面を被覆するように,第2の上部クラッド層を積層する工程と;
    前記第2のレジストパターンの窓上方に,前記第2の上部クラッド層のパターニング用の第3のレジストパターンを,前記アライメントマーカ上方を被覆しないように形成する工程と;
    前記第3のレジストパターン被覆部以外の前記第2の上部クラッド層を,少なくとも前記第2のレジストパターン上面が露出するまでエッチングする工程と;
    前記第3のレジストパターンと前記第2のレジストパターンの露出部分とを除去する工程と;
    を含むことを特徴とする,光導波路素子の製造方法。
  11. 前記コア層及び/又は前記第1の上部クラッド層は,化学的気相成長法(CVD法)により積層されることを特徴とする,請求項10に記載の光導波路素子の製造方法。
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